JP3982882B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平姿勢に保持された半導体ウエハや液晶表示器用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板などの基板の上面に、処理液供給手段から処理液を供給して基板に所定の処理を施す基板処理装置に係り、特には、処理液供給手段の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の基板処理装置に備えられた処理液供給手段として、例えば、特公平5−68092号公報に示すようなものがある。
これを図6に示し、以下に説明する。
【0003】
この処理液供給手段は、処理液Qを送液する送液管100と、送液管100の先端部に連結されたノズル筒体101とを備えている。ノズル筒体101の先端は閉止されていて処理液Qの反転部102が形成され、この反転部102近傍の側壁103に複数の吐出孔104が穿設されている。
【0004】
この処理液供給手段によれば、ノズル筒体101の先端と基板Wの上面とを近接させた状態で、送液管100からノズル筒体101内に処理液Qが供給されると、その処理液Qは反転部102に当たってその流速が減ぜられ、側壁103に穿設された複数の吐出孔104から吐出され、基板Wの中心方向及び周辺方向に流出して、処理液Qを基板Wの全面にわたり、ソフトに、均一に、かつ十分に供給することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の処理液供給手段は、その構造上、ノズル筒体101内の上部に空気110が溜まってしまう。送液管100からノズル筒体101内に処理液Qを供給しているときは、その流圧により、ノズル筒体101内の上部の空気110は圧縮されたり、また、その反動で空気110が膨張したりして、吐出孔104からの処理液Qの吐出が安定しないという問題があった。
【0006】
また、ノズル筒体101内の上部に空気110が溜まると、ノズル筒体101内で処理液Qに空気が混ざり、吐出孔104から気泡を含んだ処理液Qを基板Wの上面に供給することがある。例えば、基板Wの上面に現像液Qを供給して現像処理を行う場合、気泡を含んだ現像液Qを基板Wの上面に供給すると、図7に示すように、気泡120と基板Wの上面とが接触する部分で基板Wの上面と現像液Qとが接触しなくなり、部分的な現像不良を引き起こしてしまうという問題もあった。
【0007】
さらに、処理液Qの供給を停止するとき、従来は、図8に示すように、ノズル筒体101内に処理液Qを満たして基板Wへの処理液Qの供給を停止するように、送液管100からノズル筒体101内への処理液Qの供給を停止している。上述したように、送液管100からノズル筒体101内に処理液Qを供給しているときは、その流圧により、ノズル筒体101内の上部の空気110は圧縮されているが、送液管100からノズル筒体101内への処理液Qの供給を停止すると、空気110を圧迫する処理液Qの流圧が解除されるので、図の二点鎖線に示すように空気110が膨張し、処理液供給停止後にノズル筒体101内の処理液Qが基板Wに滴下され、均一な処理が行えないことがあるという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板への処理液の供給を安定して行え、気泡が混ざった処理液を基板に供給するのを防止し、処理液供給停止後の基板への処理液の滴下などを防止することができる処理液供給手段を備えた基板処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、水平姿勢に保持された基板の上面に、処理液供給手段から処理液を供給して基板に所定の処理を施す基板処理装置において、前記処理液供給手段は、処理液を送液する送液管と、前記送液管の先端部に連結されたノズル本体部と、を備えており、前記ノズル本体部は、前記送液管の先端部から前記ノズル本体部内に下方向に供給された処理液の流れを上方向に変更する反転部と、前記反転部を含む第1流路部と、前記第1流路部の上部に一端側が連通接続され、処理液を前記ノズル本体部から吐出するための吐出口が他端側に形成され、処理液の流れを上方向から下方向に変更して前記第1流路部内の処理液を前記吐出口に導く第2流路部と、を備え、前記第2流路部が前記第1流路部より細く形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
(削除)
【0012】
【作用】
請求項1に記載の発明に係る処理液供給手段によれば、送液管の先端部からノズル本体部内に下方向に供給された処理液は、反転部でその流れが上方向に変更され、第1流路部内を上方向に流れ、その上部において、第2流路部の一端側から第2流路部内に流れ込み、流れが上方向から下方向へ変更された後、第2流路部の他端側の吐出口に導かれ、吐出口から処理液が吐出される。
【0013】
ノズル本体部内において、空気は、第1流路部の上部に溜まろうとするが、第1流路部の上部で処理液が、吐出口につながる第2流路部内に流れ込み、流れが上方向から下方向へ変更されて吐出口から吐出されるので、第1流路部の上部の空気は処理液とともに、吐出口から吐出(排出)されることになる。従って、内部に空気が溜まらない構造の処理液供給手段を実現することができる。
【0014】
さらに、ノズル本体部内において、空気は第1流路部の上部に溜まろうとするが第2流路部が第1流路部より細く形成されているので、処理液の排出に伴って、空気もスムーズに吐出される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る基板処理装置の一つである現像処理装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0017】
この現像処理装置は、基板Wを水平姿勢で保持して鉛直方向の軸芯J周りで回転させるスピンチャック1と、水平姿勢に保持された基板Wの上面(表面)に現像液Qを供給するための処理液供給手段としての現像液供給機構2と、現像液Qなどの処理液の飛散を防止する飛散防止カップ3と、飛散防止カップ3の外側方に設けられ、現像液供給機構2のノズル本体部22を待機させておく待機ポット4と、ノズル本体部22を昇降させるとともに水平移動させるノズル昇降移動機構(図示せず)などを備えている。
【0018】
スピンチャック1は、回転軸11を介して回転可能かつ昇降可能に構成されている。このスピンチャック1は、図示しない搬送ロボットとの間で基板Wを受渡しする際に所定の上昇位置まで上昇し、搬送ロボットから基板Wを受け取ると、所定の下降位置まで下降する。現像処理は上記下降位置で停止または低速回転しながら行われ、現像処理後のリンス処理は高速回転しながら行われるように構成されている。
【0019】
飛散防止カップ3は、上下に分離可能な上カップ31と下カップ32とからなり、両カップ31、32は、個別の昇降機構(図示せず)によってそれぞれ独立して昇降できるように構成されている。
【0020】
待機ポット4は箱状の部材内に現像液供給機構2のノズル本体部22を収容して待機しておく空間が形成され、その底部に排液口41が形成されている。排液口41には、排液ドレイン42が連通接続されていて、待機ポット4に待機されているノズル本体部22の吐出口26から吐出あるいは滴下された現像液Qを排液ドレイン42を介して廃棄できるように構成されている。
【0021】
ノズル昇降移動機構は、待機ポット4に待機されているノズル本体部22を上昇させた後、水平移動させて基板Wの上方の供給位置に移動させるとともに、供給位置にあるノズル本体部22を待機ポット4の上方へ水平移動させた後、下降させて待機ポット4内に待機させるために設けられている。このノズル昇降移動機構は、ノズル本体部22を支持する支持アーム23を昇降自在に構成することでノズル本体部22を昇降させ、支持アーム23を水平1軸方向に移動自在に構成したり支持アーム23を水平1軸方向に伸縮自在に構成したり、あるいは、支持アーム23の基端部を回動中心としてを鉛直方向の軸芯周りに旋回自在に構成したりすることで、ノズル本体部22を水平1軸方向に水平移動、あるいは、円弧状に水平移動させるように構成されている。
【0022】
次に、本発明の要部である現像液供給機構2の詳細構成を図1及び図2の要部拡大断面図を参照して説明する。
【0023】
この現像液供給機構2は、現像液Qを送液する送液管21と、この送液管21の先端部に連結されたノズル本体部22とを備えている。送液管21は支持アーム23の先端部に垂下支持され、その基端部は図示しない現像液供給源に連通接続されている。現像液供給源から送液管21を介してノズル本体部22内に現像液Qが供給できるように構成されている。
【0024】
ノズル本体部22は、送液管21の先端部からノズル本体部22内に下方向に供給された現像液Qの流れを上方向に変更する反転部24と、反転部24を含む第1流路部25と、第1流路部25の上部に一端側が連通接続され、現像液Qをノズル本体部22から吐出するための吐出口26が他端側に形成され、現像液Qの流れを上方向から下方向に変更して第1流路部25内の現像液Qを吐出口26に導く第2流路部27とを備えて構成されている。
【0025】
この現像液供給機構2によれば、送液管21の先端部からノズル本体部22内に下方向に供給された現像液Qは、反転部24でその流れが上方向に変更され、第1流路部25内を上方向に流れ、その上部において、第2流路部27の一端側から第2流路部27内に流れ込み、流れが上方向から下方向へ変更された後、第2流路部27の他端側の吐出口26に導かれ、吐出口26から現像液Qが吐出される。
【0026】
ノズル本体部22内において、空気110は、第1流路部25の上部に溜まろうとするが、第1流路部25の上部で現像液Qが、吐出口26につながる第2流路部27内に流れ込み、流れが上方向から下方向へ変更されて吐出口26から吐出されるので、第1流路部25の上部の空気110は現像液Qとともに、吐出口26から吐出(排出)されることになる。従って、内部に空気が溜まらない構造の現像液供給機構2を実現することができる。また、このノズル本体部22の構造によれば、万一空気が吐出口26から入ったとしても、第2流路部27より先に行けず、空気は次回の処理液の排出で処理液とともに排出することができる。
【0027】
なお、上述した送液管21の先端部からノズル本体部22内に現像液Qを供給して吐出口26から現像液Qを吐出させてノズル本体部22内の空気110を現像液Qとともに排出する動作は、ノズル本体部22が待機ポット4に待機された状態、すなわち、ノズル本体部22の吐出口26が基板Wの上方から外れた位置にある状態で行う。これにより、空気110(気泡)が混ざった現像液Qを基板Wに供給することなく、ノズル本体部22内の空気110を現像液Qとともに排出することができる。
【0028】
そして、現像処理は、ノズル本体部22内の空気110の排出を終えた後、図3に示すようにノズル本体部22内に現像液Qが満たされた状態で、ノズル本体部22が待機ポット4内に待機された位置から基板Wの上方の供給位置に移動され、送液管21の先端部からノズル本体部22内に現像液Qを供給して吐出口26から現像液Qを基板Wの上面に吐出させて行われる。このとき、ノズル本体部22内に空気が溜まっていないので、吐出口26から基板Wの上面へ現像液Qを安定させて吐出させることができるとともに、基板Wの上面に吐出する現像液Qに気泡が混ざることもない。基板Wの上面に所定量の現像液Qを供給すると、図3に示すようにノズル本体部22内に現像液Qを満たした状態で基板Wへの現像液Qの供給を停止するように、送液管21からノズル本体部22内への現像液Qの供給を停止するが、ノズル本体部22内には空気が溜まってないので、現像液供給停止後にノズル本体部22内の現像液Qが基板Wに滴下することはない。基板Wに対する現像液Qの供給を終えると、ノズル本体部22は供給位置から待機ポット4内へ移動される。
【0029】
なお、第1流路部25の内径を6mmとし、それに対して第2流路部27の内径を1〜3mm、好ましくは1.5〜2.5mmとするのが好ましい。このように、第2流路部27を第1流路部25より細く形成することで、処理液の排出に伴う空気の排出をよりスムーズに行うことができる。また、第2流路部27を細く形成すれば、第2流路部27内における現像液Qの表面張力が強く働き、ノズル本体部22を待機ポット4から供給位置へ移動する移動中やノズル本体部22を供給位置から待機ポット4へ移動する移動中などに、ノズル本体部22内の現像液Qが吐出口26から基板Wに滴下することを確実に防止することもできる。
【0030】
次に、上記現像処理装置の動作について図4を参照しながら説明する。
図4(a)は、スピンチャック1を上昇位置まで上昇させ、搬送ロボットとの間で基板Wを受渡しする状態を示している。このとき、ノズル本体部22は待機ポット4に待機されている。搬送ロボットから基板Wを受け取ったスピンチャック1は二点鎖線で示す下降位置まで下降する。
【0031】
同図(b)は、上カップ31が所定高さまで上昇され、ノズル本体部22が待機ポット4から供給位置に移動され、現像液Qが基板Wの上面に供給されている状態を示している。このとき、スピンチャック1は停止または低速回転される。なお、先にも述べたように、基板Wへの現像液Qの供給に先立ち、ノズル本体部22が待機ポット4に待機されている状態で、ノズル本体部22内の空気の排出動作が行われる。また、基板Wへの現像液Qの供給に先立って、適宜N2ガスの吹き付けによるダストパージ、現像液の希釈液によるプリウエットなどの処理を行ってもよい。基板Wへの現像液Qの供給を終えると、ノズル本体部22は待機ポット4へ移動されそこで待機される。
【0032】
同図(c)は、同図(b)の状態から下カップ32を上昇させることにより、下カップ32の傾斜面がスピンチャック1の基板保持面の高さになるように位置させた状態を示している。この状態において適切な現像時間(例えば30〜80秒)だけスピンチャック1は静止される。次いで、この状態において、スピンチャック1を高速回転させながら、図示しないノズルからリンス液(純水)を基板Wの上面に供給して現像液を洗い流す。
【0033】
同図(d)は、上カップ31と下カップ32とが合体したまま、運転終了位置まで下降した状態を示している。この状態から同図(a)に示すように、スピンチャック1を上昇位置まで上昇させて、現像処理を終えた基板Wを搬送ロボットに引き渡し、次の基板Wを搬送ロボットから受け取る。この図4(a)〜図4(d)の一連の動作を繰り返すことにより、次々と基板Wの現像処理が行われる。
【0034】
なお、ノズル本体部22内の空気の排出動作は、各基板Wに対する現像処理前ごとに毎回々々行うようにしてもよいが、ノズル本体部22内の空気の排出動作を1回行うと、以後、ノズル本体部22内には空気を含まずに現像液で満たされた状態に維持されるので、例えば、所定枚数の基板Wに現像処理を行うごとに1回、ノズル本体部22内の空気の排出動作を行うようにしてもよい。
【0035】
図5は、現像液供給機構2の変形例の構成を示す要部断面図である。
図5(a)、(c)は、第1流路部25の上部の角部や第2流路部27の角部をテーパー状に形成したもので、このように構成することにより、ノズル本体部22内の空気の排出をより確実に行うことができる。また、図5(b)、(c)は、第1流路部25、第2流路部27、吐出孔26を送液管21の一方側(図では右側)のみに設けたものである。
【0036】
なお、上記実施形態では現像処理装置を例に採り説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、水平姿勢に保持された基板の上面に、適宜の処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置の処理液供給手段に広く適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、ノズル本体部を、送液管の先端部からノズル本体部内に下方向に供給された処理液の流れを上方向に変更する反転部と、反転部を含む第1流路部と、第1流路部の上部に一端側が連通接続され、処理液をノズル本体部から吐出するための吐出口に他端側が連通接続され、処理液の流れを上方向から下方向に変更して第1流路部内の処理液を吐出口に導く第2流路部とを備えて構成したので、内部の空気を処理液とともに排出することができ、内部に空気が溜まらない構造の処理液供給手段を実現することができる。
さらに、第2流路部を第1流路部より細く形成したので、処理液の排出に伴って、空気をスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る基板処理装置の一つである現像処理装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】 現像液供給機構の要部断面図である。
【図3】 ノズル本体部内の空気を排出し終えた状態を示す断面図である。
【図4】 現像処理装置の動作を示す図である。
【図5】 現像液供給機構のいくつかの変形例の要部断面図である。
【図6】 従来例の構成を示す断面図である。
【図7】 従来例の問題点を説明するための図である。
【図8】 従来例の別の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1:スピンチャック
2:現像液供給機構
4:待機ポット
21:送液管
22:ノズル本体部
24:反転部
25:第1流路部
26:吐出口
27:第2流路部
110:空気
W:基板
Q:現像液(処理液)
Claims (1)
- 水平姿勢に保持された基板の上面に、処理液供給手段から処理液を供給して基板に所定の処理を施す基板処理装置において、
前記処理液供給手段は、
処理液を送液する送液管と、
前記送液管の先端部に連結されたノズル本体部と、
を備えており、
前記ノズル本体部は、
前記送液管の先端部から前記ノズル本体部内に下方向に供給された処理液の流れを上方向に変更する反転部と、
前記反転部を含む第1流路部と、
前記第1流路部の上部に一端側が連通接続され、処理液を前記ノズル本体部から吐出するための吐出口が他端側に形成され、処理液の流れを上方向から下方向に変更して前記第1流路部内の処理液を前記吐出口に導く第2流路部と、
を備え、
前記第2流路部が前記第1流路部より細く形成されていることを特徴とする基板処理装置。
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JP25966197A JP3982882B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 基板処理装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP25966197A JP3982882B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 基板処理装置 |
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