JP3913633B2 - 現像処理装置及び現像処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレジストが塗布され、露光処理がされた基板の表面に現像液を供給して現像処理を行う装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ(以下ウエハという)や液晶ディスプレイ用のLCD基板等への回路パターンの形成に必要となるレジストパターン(マスク)は、以下の工程により形成される。先ずウエハの表面にフォトレジスト溶液(以下レジストという)の塗布を行い、次いで光等の照射を行うと前記レジストが例えばネガ型ならば光の当たった部分が硬化する。そして硬化しない部分即ちレジストの溶けやすい部分を現像液により溶解し、しかる後洗浄液で当該ウエハの表面を洗浄することで目的とするレジストパターンが形成される。
【0003】
上記工程における現像液の供給は、例えば図15に示すようなスキャン方式と呼ばれる手法により行われる。この手法は図15(a)に示すようなウエハWの直径方向に対応する長さに亘って配列される多数の吐出孔11を備えた供給ノズル12を、先ずスピンチャック13により水平に保持されたウエハWの周縁外側に配置し、この位置から図15(b)に示すように現像液の吐出を行いながら反対側のウエハWの周縁外側までの間を移動させるものであり、このようにすることでウエハW表面には現像液の液膜が形成される。具体的には例えば供給ノズル12のスキャン速度(最高速度)を70mm/秒程度とし、現像液の吐出流量をウエハWのサイズが200mm径であれば1.2リットル/分程度、同じく300mm径であれば1.8リットル/分程度とすることで、ウエハWの表面に例えば1.0mm程度の液膜を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年では露光処理を経て得られるレジスト膜が高い撥水性を有する種類のレジストの使用が検討されてきており、このようなレジスト膜に現像液を塗布するとレジスト膜に対する現像液の濡れ性が低いために、その表面張力により部分的に現像液が弾かれ、弾かれた現像液が当該塗布された領域の周辺に移動して一部の場所に集まってしまういわゆるプルバック現象(液弾き)が生じることがあった。このプルバック現象が生じると、例えば図16(a)〜(d)の夫々に示すようにウエハWの表面は目視により液盛りを確認できる部位(液の移動先)P1と、目視では液盛りを確認できない部位(液の移動元)P2とにはっきり分かれてしまう。
【0005】
プルバック現象はウエハWの端部近傍に現像液を供給する際に生じやすい。例えば供給ノズル12から見たウエハWの手前側端部にて、ウエハWの端部表面に供給された現像液のうち、外縁部を伝い自重により落下する現像液によって引き伸ばされた分が液切れし、その反動でプルバック現象が起こることもあれば、供給ノズル12から見たウエハWの奥側端部にて、当該ウエハW上の現像液が表面張力により繋がる供給ノズル12により当該供給ノズル12の進行方向側に引き伸ばされ(図17(a))、これが液切れした反動で図17(b)及び(c)に示すようにプルバック現象が起こることもある。図17(c)におけるP1,P2は図16((a)〜(d))のそれに相当する。
【0006】
更に、ウエハWは概ね円形であり、供給ノズル12から見た被塗布領域の幅は常に変化し続けるため、上述したプルバック現象はウエハW外周全ての部位にて生じ得る。また液流れの発生により現像液膜が波立つことでウエハWの端部以外の部位、例えばウエハWの中央部や、或いは現像液の膜厚が薄くなっている部位をきっかけにプルバック現象が起こることもある。
【0007】
このようにプルバック現象が発生すると、上述したウエハW上における液の移動先P1と移動元P2との間で、即ちプルバック現象のの起こっている部位と起こっていない部位との間で現像後に得られるマスクパターンの線幅精度に差が生じ、結果として面内均一性が低下してしまう。そこで供給ノズル12のスキャン速度をこれまでよりも遅くしてプルバック現象の発生を防ぐことも検討されたが、このようにすると供給ノズル12の移動に伴い、図18(a)及び(b)にて示すように現像液が供給ノズル12の吐出口11の真下位置よりも前方(供給ノズル12の移動する方向)側に先行してしまういわゆる液先行が生じてしまう。液先行の生じた部位と生じない部位とでは、例えば現像液及びレジストの種類によっては、現像液が露光済みのレジストに浸透する速度が異なってしまったり、或いはレジスト膜と現像液との反応する時間に差が生じること等があるため、やはりマスクパターンの線幅精度がウエハWの面内で不均一となってしまうし、供給ノズル12の速度を落としているためスループットが低下するという問題もある。
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、基板に対してスキャン方式による現像液の塗布を行うにあたり、プルバック現象(液弾き)の発生を抑えながら基板に現像液を接触させ、当該基板上に形成された露光領域のレジストを溶解する技術を提供することにある。また本発明の他の目的は、スキャン方式によって現像処理を行うにあたり、現像液の消費量を抑える技術を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る現像処理装置は、表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成された現像液ノズルと、前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように、現像液ノズルから吐出された現像液を進行方向に向かって送る液送り手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、基板上に形成されたレジストに対し、現像液を従来のように目視で確認できるほどに液盛りしなくても、当該レジストにおける露光領域を十分に溶解することができ、線幅の面内均一性が向上する。従って液盛りを行うことで生じていた弊害、即ち基板上に撥水性の高いレジスト膜が形成されていた場合におけるプルバック現象の発生や、現像液膜の膜厚の不均一性に起因する線幅精度の低下といった問題を抑えることができる。具体的には、例えば現像液ノズルから吐出された現像液に後方側から気体を吹き付ける気体吹きつけ手段としてもよいし、現像液ノズルから吐出された現像液の後方側を進行方向側に押圧する押圧部材としてもよい。また液送り手段を現像液ノズルに設けず、基板を現像液ノズルの進行方向側が下がるように傾けるための手段としてもよい。
【0011】
また本発明に係る他の現像処理装置は、表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成された現像液ノズルと、前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、を備え、前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となる速度で現像液ノズルを移動させるように現像液の供給量と現像液ノズルの移動速度が調整されていることを特徴とする。
【0012】
更に他の現像処理装置は、表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成され現像液ノズルと、前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように現像液を吸引する吸引手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
これらのように、本発明では液送り手段は必ずしも設けなくてもよく、上記2つの構成とすることで、現像処理時において液送り手段を設けたときと同等の効果を得ることができる。なお吸引手段は現像液ノズルの後部側に設けることが好ましい。
【0014】
また現像液の種類や処理条件などの各種事情により、上述した各発明の構成では十分に現像反応を進行させることができない場合には、現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、基板の表面に現像液を供給して現像液の液盛りを行うことが好ましい。また現像反応後に生じるレジストの溶解生成物が散在することを防ぐ必要があるときには、現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、基板の表面に現像液を希釈するための希釈液を供給することが好ましい。液盛りを行うための液盛り用ノズルについては現像液ノズルと共用してもよい。なお上記各発明に係る現像処理装置は、基板上に形成される未露光領域のレジスト膜の表面における水の接触角が60度以上であるときに適用されることが好ましい。
【0015】
更にまた本発明に係る現像処理方法は、表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する工程と、前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って吐出口が形成された現像液ノズルを、前記吐出口の長さ方向と直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に移動させる工程と、前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように、現像液ノズルから吐出された現像液を進行方向に向かって送る工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像処理装置の第1の実施の形態について説明する。先ず本実施の形態の全体構成について図1に示す縦断面図を参照しながら説明すると、図中2は基板である半導体ウエハ(以下ウエハという)Wの裏面中心部を真空吸着し、これを略水平に保持する基板保持部であり、駆動部21の働きにより回転及び昇降できるようになっている。基板保持部2により吸着保持された状態において、ウエハWの側方には、これを取り囲むようにしてカップ22が設けられている。カップ22は各々上下可動な外カップ23と内カップ24とで構成されており、外カップ23は下部側は円筒状、上部側が四角筒状に形成され、内カップ24は円筒の上部側が上方内側に傾斜し、上部側開口部が下部側開口部より狭くなるように形成されている。また外カップ23は昇降部25の働きにより昇降自在とされており、内カップ24は外カップ23の移動範囲の一部において連動して昇降する。内カップ24の下部側には基板保持部2の周囲を囲む円板26と、この円板26の周り全周に亘って凹部が形成された液受け部27とが設けられており、この液受け部27の側面より僅かに内側に外カップ23(及び内カップ24)が収まる構成とされている。また液受け部27の底面には排気管及び排液管を兼ねるドレイン管28が接続され、円板27の周縁部には断面山形のリング体29が設けられている。
【0017】
次いで図2に示す平面図を参照しながらカップ22の外側について説明すると、外カップ23の外側には例えば外カップ23上部側の一辺と平行になるようにY方向に延びるガイドレール30が設けられている。この図ではガイドレール30の一端側に現像液ノズル4を移動させるための第1の移動機構5が、他端側に洗浄手段である洗浄ノズル31を移動させるための第2の移動機構32が夫々位置しており、これら第1及び第2の移動機構5,32がガイドレール30に案内されてウエハWの上方を移動できるように構成されている。また現像液ノズル4は供給管41及びバルブV1を介して現像液供給部42と接続される。洗浄ノズル31は供給管33及びバルブV2を介して洗浄液供給部34と接続される。なお図2における第1の移動機構5及び第2の移動機構32が示されている位置は、非作業時における夫々の待機位置であり、例えば現像液ノズル4の位置にはバスユニット35が、洗浄ノズル31の位置にはバスユニット36が夫々設けられている。
【0018】
次に第1の移動機構5及び現像液ノズル4の詳細な構成について図2及び図3を参照して説明する。図3(a)は現像液ノズル4を第1の移動機構5側から見たときの縦断面図であり、図3(b)は基板保持部2側から見たときの第1の移動機構5及び現像液ノズル4の部分縦断面図である。ここで現像液ノズル4は、ウエハWの表面に現像液の供給を行う液吐出部4Aと、この液吐出部4Aの側方に設けられ、液吐出部4AからウエハWの表面に供給された現像液を当該現像液ノズル4の移動する方向に押し出すための液送り手段である気体吹きつけ手段4Bとを備えるが、図3(b)については作図の便宜上液吐出部4Aの内部を示す図中右側部位において気体吹きつけ手段4Bの図示を省略している。
【0019】
先ず現像液ノズル4から説明すると液吐出部4Aは、例えばウエハWの有効領域の幅と同じかそれ以上の長さに亘って現像液を吐出できるように形成されたスリット状の吐出口43(図3(a)参照)と、この吐出口43に現像液流路44を介して連通する現像液貯留部45とを備えている。ウエハWの有効領域とは、この例ではレジスト膜が使用される領域であり、デバイスの形成領域に相当する。
【0020】
現像液貯溜部45は、既述の供給管41及び開閉バルブV1を介して現像液供給部42と接続される。また図3(b)に示すように現像液流路44は現像液ノズル4の長さ方向に亘って配列される多数の孔部Pからなり、現像液貯溜部45に貯留される現像液を当該孔部Pにて分散して吐出口43へと向かわせ、当該現像液がウエハWの表面に当たる衝撃(現像液ノズル4の吐出圧力)を抑える役目を果たすものである。吐出口43内には、現像液ノズル4の長さ方向に伸びるように例えば石英またはセラミックスからなる緩衝棒46が設けられており、この緩衝棒46は現像液流路44(或いは孔部P)からの現像液がウエハWの表面へ当たるときの衝撃を抑えると共に現像液の吐出圧力が現像液供給ノズル4の長さ方向で均一にする役割をも有する。
【0021】
気体吹きつけ手段4Bは、例えば現像液ノズル4の進行する方向を見たときにおける液吐出部4Aの後方側に支持部材47を介して支持されており、その内部には吐出口48とこれに連通するバッファ室49とが形成されている。吐出口48は例えば隙間0.2〜1.0mmのスリットを、現像液ノズル4の吐出口43の長さ方向にほぼ同じ長さに亘って形成したものであるが、その形状はスリット状に限られず例えば、直線状に配列した多数の孔部であってもよい。バッファ室49は、吐出口48から吐出される気体の圧力を長さ方向で均一にするためのものであり、例えば吐出口48とほぼ同じ長さに亘ってチューブ状に形成される(図3(b)の部分拡大図参照)。またバッファ室49は供給管50及びバルブV3を介して気体例えば窒素(N2)の供給を行う気体供給部51と接続されている。詳しくは図3(b)に示すように後述するアーム部53の内部に形成される供給管50が現像液供給ノズル4の内部で二つに分岐し、気体吹きつけ手段4Bの両端からバッファ室49内に気体の供給を行う構成とされている。
【0022】
また、図3(a)に示すように支持部材47と気体吹きつけ手段4Bとの接続部位には、送風口48の向きを現像液ノズル4の進行する方向に沿って変更可能なように回動部52が設けられており、送風口48から所定の方向に気体を吹き付けることができるように予め気体吹きつけ手段4Bの向き(送風口48による送風角度δ)の設定がなされている。この送風角度δについては、現像液ノズル4が現像液をウエハWの表面に接触させながら移動するときに、吐出口43から吐出され、ウエハWの表面に付着した現像液に気体を吹き付けて、当該現像液を現像液ノズル4の移動する方向(前方側)に押し流すことができるように設定される。
【0023】
次いで第1の移動機構5について図3(b)を参照して説明する。第1の移動機構5は、現像液ノズル4を吊り下げ支持し、例えばその内部に上述した供給管41,50の一部が形成されるアーム部53と、このアーム部53を介し、現像液ノズル4をガイドレール30に沿って移動させるベース部54とを備えている。このベース部54は例えばボールネジ機構55等により構成される昇降機構56を有し、例えばモータなどの図示しない動力源からの駆動力によりアーム部53をZ方向に移動(上下)させ、これにより現像液供給ノズル4とウエハWとの距離を任意に変更できるようになっている。
【0024】
これまで述べてきた駆動部21、昇降部25、第1の移動機構5、第2の移動機構32及び開閉バルブV1,V2,V3は夫々制御部37と接続されており、例えば駆動部21によるスピンチャック2の昇降に応じて、図1に示すように第1の移動機構5により現像液ノズル4をカップ22の内側に移動させたり、第2の移動機構32により洗浄ノズル31をウエハWの上方に移動させるように、各部位を連動させたコントロールができるようになっている。また制御部37は現像処理に関する各部位の駆動データが記録されたデータ記憶部38と接続されており、上記のようなコントロールを行う際にデータ記憶部38内に格納された複数の処理レシピから処理条件に合致するものを選択し、参照する構成とされている。処理レシピには例えば前記開閉バルブV1,V2の開閉動作のタイミング、第1の移動機構5及び第2の移動機構32の移動開始や停止のタイミング、更には移動速度や現像液の吐出を行う高さや、現像液供給部42に含まれる図示しない現像液吐出用のポンプの吐出流量、或いはウエハWに供給された現像液を押し流すための送風口48からの気体の噴出圧力等が、例えばレジスト膜と現像液との組み合わせに応じて多数用意されている。
【0025】
次に上述実施の形態の作用について図4及び図5に基づいて説明する。先ずスピンチャック2をカップ22の上方まで上昇させ、既に前工程でレジストが塗布され、所定の露光処理が行われたウエハWが図示しない搬送アームからスピンチャック2に受け渡される。そしてウエハWが図1中実線で示す所定の位置に来るようにスピンチャック2を下降させる。なおこのとき外カップ23及び内カップ24は共に下降した状態である。
【0026】
続いて第1の移動機構5がガイドレール30に沿って外カップ23とウエハWの周縁との間に対応する位置例えば内カップ24の上方まで案内され、続いてその位置から例えばウエハWの一端側の吐出開始位置まで下降し(図1参照)、処理レシピの中で設定されたウエハWに対して現像液の供給を行う高さ、例えば吐出口43の下端がウエハW表面から1.0mm上方となるようにセットされる。そして現像液ノズル4の液供給部4Aには、開閉バルブV1を開いて現像液供給部42より現像液を供給し、これに伴い開閉バルブV2も開いて気体供給部51から気体吹きつけ手段4Bへ気体を供給する。こうして吐出口43から現像液を吐出すると共に送風口48から気体の噴出を開始しながら現像液ノズル4をウエハWの一端側から他端側へと例えば図4(a)に示すように矢印で示す方向に所定の速度例えば140〜350mm/sec程度の速度で移動させる。
【0027】
このとき現像液ノズル4からは、例えば200mm径のウエハであれば流量が1.2リットル/分程度、例えば300mm径のウエハであれば流量が1.8リットル/分程度となるように制御部37により供給量が制御されて現像液の供給が行われるが、当該現像液ノズル4は高速で移動するため図4(b)に示すように現像液は吐出口43の直下位置よりも移動方向即ち進行方向(図中左側)に対して後方側にてウエハWの表面と接触する。一方、気体吹きつけ手段4Bからの気体は、既述のように吐出口43から吐出された現像液を前方側に押し流すことができるような角度及び気体の噴出圧力によっても変化する。詳しくは噴出圧力との関係で、例えば現像液ノズル4とウエハWとの間で表面張力によって繋がる現像液が途切れることなく、且つ現像液を前方側に押し出すことで現像液ノズル4の通過後のウエハWの表面における有効領域全体が目視では液膜を確認できない状態となるように、送風口48の送風角度が設定される。
【0028】
「目視では液膜を確認できない」とは、例えば図4(b)の例で言えば吐出口43から吐出されてウエハWの表面と接触した現像液が、現像液ノズル4の移動に伴い表面張力により前方側に引き寄せられ、結果として現像液ノズル4の過ぎ去った後方側におけるウエハWの表面に例えば一見して液膜を認識できないことであり、図16のP2の領域に相当する。レジスト膜の表面の撥水性の程度にもよるが、未露光領域においては、現像液が全く残らないか、或いは厚さ0.1mm以下の現像液の液膜が形成される。また露光領域においてはレジストが親水性に変わるため、例えば0.1mm以下の液膜が形成されるか、或いは現像液が浸透した状態、またはその両方が起こった状態となる。
【0029】
こうして現像液ノズル4が移動を続けると、大部分の現像液は当該現像液ノズル4と共に前方側に移動していき、現像液ノズル4がウエハWの他端側外方まで移動すると、これら現像液は内カップ24の上方或いは外カップ23の内壁面に当たってドレイン管28へと向かう。そして現像液ノズル4をウエハWの他端側の吐出停止位置にて移動を停止させると共に、開閉バルブV1及びV3を閉じ、当該現像液ノズル4を待機位置例えばバスユニット35の上方まで戻す。
【0030】
一方、ウエハWの表面では大部分の現像液が除去されているが、上記のようにいずれの部位も一度は現像液と接触しているため、レジスト膜のうちの露光された部分については現像液が浸透し、当該接触の直後から現像反応は進行する。図4(b)の右下に示す拡大図は例えばウエハWの表面に極薄い液膜が残った場合を示したものであるが、図示するように、例えばポジ型のレジスト膜R(露光領域をR1、未露光領域をR2とする)の表面では露光領域R1のレジスト膜が現像液により溶解され、この反応が3次元的に進行して、図ではレジスト膜Rの底部へ向けて露光領域R1の溶解が進む。なお図4(b)では液膜は一様の厚さで描いてあるが未反応領域R1の表面には液膜が殆ど存在しない場合もある。
【0031】
そしてレジスト膜Rにおける露光領域R1が全て溶解するだけの時間、例えば60秒程静止現像を行い、当該時間が経過すると第2の移動機構32の働きにより例えば図1に示すように洗浄ノズル31がバスユニット36の上方からウエハWの上方へと移動させる。そして図5に示すようにウエハWの中心部上方に洗浄ノズル31の吐出口31aが位置するように位置決めすると共に基板保持部2が回転し、バルブV2を開くことで洗浄ノズル31から洗浄液例えば純水がウエハW中心部に供給され、この純水がウエハWの遠心力によりウエハWの中心部から周縁部へ広がることで現像液(及びレジストの溶解生成物)が洗い流される。その後このウエハWはスピン乾燥などの工程を経て現像処理が終了する。
【0032】
これまで述べてきたように本発明に係る実施の形態によれば、現像液ノズル4のスキャン速度を従来の2〜5倍に高速化すると共にから当該現像液ノズル4から吐出された現像液がウエハWの表面に接触した後、これを直ちに気体吹きつけ手段4Bからの送風により現像液ノズル4の進行方向側(前方側)に押し流し、当該現像液ノズル4の通過後におけるウエハWの表面が目視では液膜を確認できない状態となるようにしているため、従来のようにウエハW上に現像液を目視で確認できるほどに液盛りしなくても現像処理を行うことができ、現像液の使用量を極めて少量に抑えることができる。
【0033】
また大部分の現像液がウエハWの表面から除去されるため、目視で確認できるほどの厚さの液膜を形成することによる弊害、例えば既述の図16に示すように膜厚が面内で不均一になることによる現像むらの発生を抑えることができ、プルバック現象(液弾き)も生じにくいため、レジスト膜表面の撥水性の大小に拘わらず面内均一性の高い現像処理を行うことができる。
【0034】
ところで発明者の試験によれば、上述実施の形態によることでレジストは現像液と十分に反応していることが、即ち図4(b)の例でいうならば露光領域R1は底面までレジストは現像液により溶解されていることが確認されている。即ち本発明は、被現像対象となるレジスト膜の厚さに対し、従来手法における現像液の供給量は供給過多であり、現像液の液膜を形成せずともレジスト膜の表面に接触させるだけでも十分であるということに着目したものであり、これをスキャン方式と組み合わせることで上記の効果を得たものである。
【0035】
次に第2の実施の形態について説明する。現像液の種類や塗布条件等によっては現像液との反応により生じたレジストの溶解生成物が周囲に散在し、これがレジストパターンの線幅精度を低下させてしまう場合もあるため、このような場合には上述した現像液ノズル4に代えて例えば図6に示す供給ノズル6を用いて、以下の手法により現像処理を行うことができる。供給ノズル6は液吐出部6Aに既述の気体吹きつけ手段4Bを組み合わせたものを用いることができるため、ここでは現像液ノズル4と差異のある液吐出部6Aのみ説明を行う。供給ノズル6は既述の吐出口43に相当する、ウエハWの有効領域(デバイスの形成領域)の幅と同じかそれ以上の長さに亘って現像液を吐出できるように形成されたスリット状の吐出口61と、この吐出口61に現像液流路62を介して連通される現像液貯留部6Bと、前記吐出口61に希釈液流路63を介して連通される希釈液貯留部6Cと、を備えている。現像液貯溜部6Bは開閉バルブV4を備えた供給管64を介して現像液供給部65に接続され、希釈液貯溜部6Cは開閉バルブV5を備えた供給管66を介して希釈液供給部67に接続されている。即ち、この供給ノズル6は現像液ノズルと希釈液供給ノズルとを兼用するものであり、開閉バルブV4,V5の切り替えによって、吐出口61から現像液が吐出され、或いは現像液を希釈するための希釈液例えば純水が吐出される。また図中46は緩衝棒46と同様の働きをなす緩衝棒68である。
【0036】
次いで第2の実施の形態の作用について図7を参照しながら説明を行う。先ず供給ノズル6をウエハWの一端側における吐出開始位置まで移動し、開閉バルブV4及び開閉バルブV3を開いた後、図7(a)に示すようにウエハWの一端側から太他端側へと移動させる。このときにおける供給ノズル6のスキャン速度、及び吐出流量は上述実施の形態と同様であり、供給ノズル6が他端側まで移動を終えると開閉バルブV4,V5が閉じられる。このとき大部分の現像液は供給ノズル6と共にウエハWの外方に押し流されており、ウエハWの表面には例えば目視では確認できない程度の極薄い液膜Aが形成される。そして所定時間例えば10秒程度放置して現像反応を進行させると共に、供給ノズルを吐出開始位置まで戻す。しかる後所定の放置時間が経過すると、図7(c)に示すように開閉バルブV5を開き供給ノズル6を例えば現像液供給時と同方向、且つ同速度で移動させる。これによりウエハWの表面に希釈液例えば純水が供給され、レジストの溶解生成物の面内濃度が均一化する。そしてウエハW全面に希釈液の供給を終えると、開閉バルブV5が閉じられ供給ノズル6は図示しない待機位置まで戻される。次いで図5に示したのと同様の手法にてウエハWの洗浄が行われ、これによりウエハW表面に存在する希釈されたレジストの溶解生成物が除去される。
【0037】
このように第2の実施の形態では先の実施の形態と同様の手法により現像液の塗布を行っているため、レジスト膜上に多量の現像液が存在することはなく、これを介してレジストの溶解生成物が周囲に散在してしまう可能性は低いが、現像液供給後に希釈液を供給することで前記溶解生成物が散在する可能性を一層低減できるという効果がある。
【0038】
ところで、これまで述べてきた現像液ノズル4または供給ノズル6にて現像液の供給を行った場合(ここでは希釈液の供給は行っていないものとする)であっっても、現像液の種類や処理条件によっては、レジスト膜の表面に現像液が接触しただけでは現像液の浸透が十分でない場合もある。このような場合、露光パターン内における露光領域をR1、未露光領域をR2として模式的に表すと、例えば図8(a)に示されるように、レジスト膜Rにおける露光領域R1の表面近傍のみで現像反応が起こり、この反応は底面側(図中Wの方向)までは進行していない。そこでこのような場合には液盛り用ノズルを用い、現像液の重ね塗りを行うことで露光領域R1の全体に現像反応を進行させることができる。
【0039】
この場合における現像液の重ね塗りは「従来の技術」にて述べた手法、即ち、上述実施の形態のように気体吹きつけ手段4Bによる送風を行わず、且つ多量の現像液を吐出させながら70mm/秒程度の速度で現像液ノズルを移動させ、ウエハW表面に例えば0.5mm〜1.0mmの厚さの現像液の液膜を形成する。使用する液盛り用ノズルは専用のものであっても構わないし、現像液ノズル4(或いは供給ノズル6)を兼用しても構わない。このとき露光領域R1の表面では一度目の塗布による現像液との反応により親水性(濡れ性)が高まっており、二度目の塗布による現像液は図8(b)に示すように露光領域R1の全体に3次元的に浸透していく。
【0040】
このように本実施の形態は、一度塗りでレジスト膜の露光領域の親水性を高めておき、その後現像液の二度塗りをすることで露光領域全体に現像反応を進行させられるため、現像反応を確実に行うことができ、更にはレジスト膜の表面の撥水性の大小に左右されることなく現像処理を行える。また本実施の形態は、他の実施の形態における一度目の現像液塗布だけではウエハW上のレジストを十分に現像(溶解)できないいずれの場合(後述のものも含む)においても適用が可能である。
【0041】
ところでレジスト膜の撥水性(疎水性)については、未露光領域のレジスト膜の表面に滴下した水滴の接触角を疎水性の指標として測定する方法があり、この値(角度)により上記の手法を用いるか否か判断することができる。これまで述べてきた各実施の形態(後述のものも含む)はいずれも前記接触角が大きい場合即ち、レジスト膜の表面の撥水性が高い場合においてこれに左右されることなく線幅精度の高い現像を行うことができるため、例えば前記接触角が60度以上の場合に適用することが好ましい。なお、接触角とは図9に示すように水滴Dの頂部とレジスト膜(但し未露光領域)R表面上の水滴Dの外縁とを結ぶ線がウエハW表面に対してなす角θを2倍した角度のことで、ここでは図9(a)に示すウエハW表面の方が図9(b)のそれより撥水性が高いことが分かる。
【0042】
また液送り手段は、上述した気体吹きつけ手段4Bに限定されるものではなく、例えば液吐出部4Aと一体的に構成せず、別個に設けるようにしてもよい。具体的には液吐出部4Aが現像液をウエハWに接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が液吐出部4Aに引き寄せられて液吐出部4Aの通過後のウエハWの表面が目視では確認できない状態となるように、現像液を押し流すことができるのであれば、例えば気体吹きつけ手段4Bと同様のものを現像液ノズル4の移動領域の上方の一点に固定して設け、送風口48の向きが現像液ノズル4の移動に併せて上下に首振りするような構成としてもよいし、或いは液吐出部4Aの移動に伴いその後方を移動する図示しない移動機構と接続された構成としても構わない。
【0043】
液送り手段の更に他の例としては、以下のものを挙げることができる。図10は気体吹きつけ手段4Bに代えて基板保持部2上端におけるウエハWの吸着部位に、ウエハWを吸着保持すると共に、吸着したウエハWを水平姿勢から現像液ノズル7Aの進行方向側に下がるように傾ける傾き調節手段である傾斜機構71を設けたものである。傾斜機構71は例えば液吐出部4Aと同様の構成である現像液ノズル7Aを、図示するようにウエハWの一端側から他端側に移動させたとき、例えば吐出口73からウエハW表面に供給された現像液が表面張力で繋がったまま、進行方向側に引き寄せられ、結果として現像液ノズル72の通過後のウエハWの表面が目視では現像液の存在を確認できない状態となるように、ウエハWの傾きαを設定する。また、この場合は例えば第1の移動機構5の働きにより現像液ノズル7Aの高さを徐々に下げ、ウエハWと吐出口73との距離が常に一定間隔を保つようにすることが好ましい。
【0044】
図11に示す実施の形態は、図3にて説明した気体吹きつけ手段4Bのように気体で現像液を(現像液ノズル4の進行方向側に)押し出すのではなく、物理的手段な押圧手段例えば極めて柔らかな刷毛状部材74にて現像液を進行方向側に押圧する例を示したものである。この例では刷毛状部材74は例えば液吐出部4Aと同様の構成をなす液吐出部75の後方側に、且つ液吐出部75の長さ方向に亘って設けられている。そして刷毛状部材74及び液吐出部75からなる現像液ノズル7Bの移動に伴い刷毛状部材74が現像液を前方側に押し出し、現像液ノズル7Bの通過後のウエハWの表面を現像液ノズル4を用いた場合と同様の状態、即ち現像液ノズル7Bの通過後のウエハW表面が目視で液膜を確認できない状態とすることができるようになっている。なお気体吹きつけ手段4Bと同等の効果を挙げることができるのであれば、部材は刷毛状に限られず、例えば屈曲性が高く、現像液ノズル7Bの移動時に後方側に屈曲するような板体やヘラ状の部材等であってもよい。
【0045】
また図12は気体吹きつけ手段4Bや刷毛状部材74に代えて、現像液ノズル7Cの液吐出部76(例えば液吐出部4Aと同様の構成をなす)の後方に、吸引手段77を設けたものである。吸引手段77は配管78及びバルブV6を介して吸引ポンプP1と接続されている。この吸引手段77は既述の液送り手段とは異なり、現像液ノズル7Cが現像液をウエハWの表面に供給しながら移動するとき、液吐出部76から吐出され、ウエハWの表面に接触した現像液を当該吸引手段77の下方先端に形成される吸引口79から吸引することで、この吸引によって当該現像液ノズル7Cの後方側が目視で液膜を確認できない状態となるようにするものである。従って図示は省略するが、吸引口79も例えば例えば気体吹きつけ手段4Bにおける送風口48と同様に、液吐出部76の長さ方向に亘って多数配列される構成とされている。
【0046】
更に本実施の形態における液送り手段または吸引手段は必ずしも設けなくても(使用しなくても)よく、この場合には現像液ノズルからの現像液がウエハWの表面に接触しながら、現像液ノズルの通過後のウエハWの表面が目視では液膜を確認できない状態となるように現像液の供給量と現像液ノズルの移動速度とを調整することが好ましい。このような調節を行うことで現像液ノズルから吐出される現像液は表面張力により繋がる当該現像液ノズルに引き寄せられながら、現像液ノズルの進行方向側に移動していくため、結果として上述した他の実施の形態と同様の効果を得ることができる。またこの場合には、現像液ノズルを例えば液吐出部4Aのように吐出口43をウエハWの表面と離間させて現像液の供給を行うのでなく、吐出口近傍部位を例えばスポンジ体等の液吸収体にて構成し、この液吸収体をウエハWに接触させて現像液の供給を行うものであってもよい。このような構成においては、液吸収体を現像液により膨潤している状態でウエハWの表面に接触させることが好ましい。
【0047】
なお、以上において気体吹きつけ手段4Bから供給する気体の種類は、窒素(N2)ガスに限られるものではなく、同様の効果を奏すると共に現像液の性質及びウエハW表面における現像反応に影響を与えるものでなければ他の気体を用いるようにしてもよい。具体的には例えば窒素ガス以外の不活性ガスや空気を用いることが可能である。
【0048】
次いで本実施の形態に係る現像処理装置を現像ユニットとして組み込んだパターン形成装置について説明を行う。図13中S1は基板であるウエハWが例えば13枚密閉収納された基板カセットCを搬入出するためのカセット載置部であり、基板カセットCを複数個載置可能な載置台81と、この載置台81から見て前方の壁面に設けられる開閉部82と、開閉部82を介して基板カセットCからウエハWを取り出すための受け渡し手段83とが設けられている。
【0049】
カセット載置部S1の奥側には筐体84にて周囲を囲まれる処理部S2が接続されており、この処理部S2には手前側から順に、上述の基板ベーク装置を含む加熱・冷却系のユニットを多段化した棚ユニットU1,U2,U3と、後述する塗布・現像ユニットを含む各処理ユニット間のウエハWの受け渡しを行う主搬送手段85A,85Bとが交互に配列して設けられている。即ち、棚ユニットU1,U2,U3及び主搬送手段85A,85Bはカセット載置部S1側から見て前後一列に配列されており、各々の接続部位には図示しないウエハ搬送用の開口部が形成されており、ウエハWは処理部S1内を一端側の棚ユニットU1から他端側の棚ユニットU2まで自由に移動できるようになっている。また主搬送手段85A,85Bは、カセット載置部S1から見て前後方向に配置される棚ユニットU1,U2,U3側の一面部と、右側の液処理ユニットU4,U5側の一面部と、左側の一面をなす背面部とで構成される区画壁86により囲まれる空間内に置かれている。また図中87,88は各ユニットで用いられる処理液の温度調節装置や温湿度調節用のダクト等を備えた温湿度調節ユニットである。
【0050】
液処理ユニットU4,U5は、例えば図14に示すように塗布液(レジスト液)や現像液といった薬液供給用のスペースをなす収納部89の上に、塗布ユニットCOT、現像ユニットDEV等を複数段例えば5段に積層した構成とされている。また既述の棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされている。
【0051】
処理部S2における棚ユニットU3の奥側には、例えば第1の搬送室91及び第2の搬送室92からなるインターフェイス部S3を介して露光部S4が接続されている。インターフェイス部S3の内部には処理部S2と露光部S4との間でウエハWの受け渡しを行うための2つの受け渡し手段93,94の他、棚ユニットU6及びバッファカセットC0が設けられている。
【0052】
この装置におけるウエハの流れについて一例を示すと、先ず外部からウエハWの収納された基板カセットCが載置台81に載置されると、開閉部82と共に基板カセットCの蓋体が外されて受け渡し手段83によりウエハWが取り出される。そしてウエハWは棚ユニットU1の一段をなす受け渡しユニット(図示せず)を介して主搬送手段85Aへと受け渡され、棚ユニットU1〜U3内の一の棚にて、塗布処理の前処理として例えば疎水化処理、冷却処理が行われ、しかる後塗布ユニットCOTにてレジスト液が塗布される。こうして表面にレジスト膜が形成されると、ウエハWは棚ユニットU1〜U3の一の棚をなす加熱ユニット(基板ベーク装置)で加熱され、更に冷却された後棚ユニットU3の受け渡しユニットを経由してインターフェイス部S3へと搬入される。このインターフェイス部S2においてウエハWは例えば受け渡し手段93→棚ユニットU6→受け渡し手段94という経路で露光部S4へ搬送され、露光が行われる。露光後、ウエハWは逆の経路で主搬送手段85Aまで搬送され、現像ユニットDEVにて現像されることでレジストマスクが形成される。しかる後ウエハWは載置台81上の元の基板カセットCへと戻される。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、基板に対してスキャン方式による現像液の塗布を行うにあたり、現像液を基板に接触させながら現像液ノズルを移動させると共に、現像液ノズルの通過した後に目視で液膜を確認できない状態となるように現像液を進行方向側に向かわせ、または現像液を吸引しているため、基板上から大部分の現像液を除去しながら、当該基板上に形成された露光済みのレジストを溶解することができる。従って、撥水性の高いレジスト膜に対してもプルバック現象(液弾き)の発生を抑えながら基板に現像液を接触させることができ、また従来に比して極めて少ない量の現像液で基板上のレジストを溶解できるため、現像液の消費量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像処理装置の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る現像処理装置の実施の形態を示す平面図である。
【図3】前記現像処理装置にて用いられる現像液ノズルを示す説明図である。
【図4】本実施の形態における作用を示す作用説明図である。
【図5】本実施の形態における作用を示す作用説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における現像液ノズルを示す縦断面図である。
【図7】前記他の実施の形態における作用を示す作用説明図である。
【図8】本発明の更に他の実施の形態を説明する説明図である。
【図9】レジスト膜表面における撥水性の指標となる接触角を説明するための模式図である。
【図10】本発明の更に他の実施の形態を説明する説明図である。
【図11】本実施の更に他の実施の形態を説明する説明図である。
【図12】本実施の更に他の実施の形態を説明する説明図である。
【図13】 前記現像処理装置を組み込んだパターン形成装置の一例を示す平面図である。
【図14】前記パターン形成装置の一例を示す斜視図である。
【図15】従来の現像処理装置の一例を表す説明図である。
【図16】発明が解決しようとする課題を説明するための説明図である。
【図17】従来の現像処理装置において生じていたプルバック現象を説明する模式図である。
【図18】発明が解決しようとする課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
2 基板保持部
22 カップ
30 ガイドレール
31 洗浄ノズル
34 洗浄液供給部
37 制御部
4 現像液ノズル
4A 液吐出部
4B 気体吹きつけ手段(液送り手段)
42 現像液供給部
48 送風口
5 第1の移動機構
51 気体供給部
52 回動部
6 供給ノズル

Claims (18)

  1. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成された現像液ノズルと、
    前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、
    前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように、現像液ノズルから吐出された現像液を進行方向に向かって送る液送り手段と、を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 液送り手段は、現像液ノズルから吐出された現像液に後方側から気体を吹き付ける気体吹きつけ手段により構成されることを特徴とする請求項1記載の現像処理装置。
  3. 液送り手段は、現像液ノズルから吐出された現像液の後方側を進行方向側に押圧する押圧部材により構成されることを特徴とする請求項1記載の現像処理装置。
  4. 液送り手段は、現像液ノズルの後部側に設けられることを特徴とする請求項2または3記載の現像処理装置。
  5. 液送り手段は、基板を現像液ノズルの進行方向側が下がるように傾けるための手段により構成されることを特徴とする請求項1記載の現像処理装置。
  6. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成された現像液ノズルと、
    前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、を備え、
    前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となる速度で現像液ノズルを移動させるように現像液の供給量と現像液ノズルの移動速度が調整されていることを特徴とする現像装置。
  7. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する基板保持部と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って現像液の吐出口が形成され現像液ノズルと、
    前記吐出口の長さ方向と略直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に現像液ノズルを移動させる移動機構と、
    前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように現像液を吸引する吸引手段と、を備えたことを特徴とする現像装置。
  8. 吸引手段は現像液ノズルに設けられたことを特徴とする請求項7記載の現像装置。
  9. 現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、現像液を希釈する希釈液を基板の表面に供給するための希釈液供給ノズルを備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の現像処理装置。
  10. 現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、基板の表面に現像液を供給して現像液の液盛りを行うための液盛り用ノズルを備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の現像処理装置。
  11. 液盛り用ノズルは前記現像液ノズルを共用していることを特徴とする請求項10記載の現像処理装置。
  12. 未露光領域のレジスト膜の表面における水の接触角が60度以上であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の現像処理装置。
  13. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する工程と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って吐出口が形成された現像液ノズルを、前記吐出口の長さ方向と直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に移動させる工程と、
    前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように、現像液ノズルから吐出された現像液を進行方向に向かって送る工程と、を含むことを特徴とする現像処理方法。
  14. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する工程と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って吐出口が形成された現像液ノズルを、前記吐出口の長さ方向と直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に移動させる工程と、を含み、
    前記現像液ノズルを移動させる工程は、前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となる速度で現像液ノズルを移動させる工程であることを特徴とする現像処理方法。
  15. 表面にレジストが塗布され、露光処理の施された基板を略水平に保持する工程と、
    前記基板の有効領域の幅に対応する長さに亘って吐出口が形成された現像液ノズルを、前記吐出口の長さ方向と直交する方向に、且つ前記基板の一端側から他端側へ当該基板と相対的に移動させる工程と、
    前記現像液ノズルが現像液を基板の表面に接触させながら移動するときに、表面張力により当該現像液が現像液ノズルに引き寄せられて現像液ノズルの通過後の基板の表面が目視では液膜を確認できない状態となるように現像液を吸引する工程と、を含むことを特徴とする現像処理方法。
  16. 現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、現像液を希釈する希釈液を基板の表面に供給する工程を含むことを特徴とする請求項13,14または15記載の現像処理方法。
  17. 現像液が基板の表面に接触しながら現像液ノズルが移動した後、基板の表面に現像液を供給して現像液の液盛りを行う工程を含むことを特徴とする請求項13,14または15記載の現像処理方法。
  18. 未露光領域のレジスト膜の表面における水の接触角が60度以上であることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の現像処理方法。
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