JP3982340B2 - 特定の環状オレフィン系重合体からなる射出成形体およびその製造方法 - Google Patents
特定の環状オレフィン系重合体からなる射出成形体およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の環状オレフィン系単量体を付加重合反応させることによって得られる環状オレフィン系付加重合体、または環状オレフィン系付加共重合体を含有する樹脂材料を成形用樹脂材料として用い、各種の光学部品に好適に用いられる射出成形体に関する。
なお、以下の記載において、「付加重合」および「付加重合体」の用語は、特段の記載がない限り、それぞれ、「付加共重合」および「付加共重合体」を包含する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系樹脂からなる射出成形体は、優れた透明性を有する上、高温条件下における使用にも耐え得るため、光学部品などとして広く使用されている。このような射出成形体に使用される環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系化合物等の環状オレフィン系化合物などを開環(共)重合することによって得られた重合体における二重結合部分を水素添加することにより得られるものが用いられている。
【0003】
しかしながら、このような開環(共)重合体よりなる環状オレフィン系樹脂は、水素添加によって二重結合部分を完全に水素化することが困難であり、その分子構造中に微少ではあるが二重結合が残存することが避けられず、係る残存二重結合が原因となって射出成形体を成形するための射出成形工程において着色する、また、得られる射出成形体は高温および/または高湿下おいて使用することによって色相が経時に変化する、という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、環状オレフィン系樹脂により、優れた透明性を有すると共に、高温および/または高湿条件下における優れた耐久性を有する射出成形体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、各種の光学部品に好適に用いることのできる射出成形体およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の射出成形体は、下記一般式(1)で表される環状オレフィン系単量体をα−オレフィン化合物よりなる共重合性単量体と付加重合反応させて得られる特定の環状オレフィン系付加共重合体を含有する樹脂材料を成形用樹脂材料として射出成形法により成形することによって製造されたものであることを特徴とする。
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子、および、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、一級、二級若しくは三級アミノ基、アミド基、イミド基、スルホニル基を有する基、シリル基およびアルキル基またはアルコシキ基により置換されたシリル基から選ばれた特定の極性基、並びに、ハロゲン原子および/または上記の特定の極性基により置換された極性炭化水素基よりなる群より選ばれた原子または基を示す。R1 〜R4 は、それぞれ独立に、芳香族または複素環を有する基であってもよく、炭素原子数1〜5のアルキレン基を介して結合していてもよい。更に、R1 とR2 またはR3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R1 またはR2 と、R3 またはR4 とは、互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。ただし、R1 〜R4 のうちの少なくとも1つは上記の特定の極性基、極性炭化水素基またはハロゲン原子である。また、m=1、p=0である。〕
【0008】
本発明の射出成形体は、成形用樹脂材料が、下記一般式(2)で表される遷移金属錯体化合物の存在下において付加重合反応が行われることにより得られる重合体を含有する樹脂材料であることが好ましい。
【0009】
【化4】
【0010】
〔式中、Mは、周期律表の第4族、第8族、第9族または第10族から選ばれた遷移金属原子を示す。
A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、炭化水素基で置換されたシリル基、アルコキシ基、アリロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。
2つのXは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニウム原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子であるときはA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール基を示す。〕
【0011】
本発明の射出成形体は、光学部品として好適に用いられる。
具体的に、本発明の射出成形体よりなる光学部品は、光ディスク、光学用レンズおよび導光板として用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明の射出成形体は、上記の一般式(1)で表される、極性基を有する環状オレフィン系単量体(以下、「特定の環状オレフィン系単量体」ともいう。)の1種または2種以上を、必要に応じて用いられる当該特定の環状オレフィン系単量体と共重合可能な単量体(以下、「共重合性単量体」ともいう。)と共に、上記の一般式(2)で表される特定の遷移金属錯体化合物(以下、「特定の遷移金属錯体化合物」ともいう。)の存在下において、あるいは更に必要に応じて用いられる他の物質の共存下において、付加重合反応させ、これにより得られる環状オレフィン系付加重合体を成形用樹脂材料として用いて射出成形法により得られる成形体である。
【0014】
特定の環状オレフィン系単量体を表す一般式(1)において、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、ハロゲン原子、特定の極性基および極性炭化水素基よりなる群より選ばれた原子または基を示し、R1 〜R4 のうちの少なくとも1つは特定の極性基、極性炭化水素基またはハロゲン原子である。
ここに、特定の極性基は、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、一級、二級若しくは三級アミノ基、アミド基、イミド基、スルホニル基を有する基、シリル基およびアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜10)またはアルコシキ基(好ましくは炭素原子数1〜10)により置換されたシリル基から選ばれる基であり、また、極性炭化水素基は、炭化水素基が、ハロゲン原子および/または当該特定の極性基により置換された基である。
【0015】
また、一般式(1)のR1 〜R4 は、それぞれ独立に、芳香族または複素環を有する基であってもよく、また、炭素原子数1〜5のアルキレン基を介して結合していてもよい。
更に、一般式(1)のR1 とR2 またはR3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R1 またはR2 と、R3 またはR4 とは、互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。
mは0または正の整数であり、pは0または正の整数であり、m+p=0〜4である。
【0016】
一般式(1)においては、m=1、p=0であることが好ましい。
この場合には、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が高いものとなる。
なお、mおよびpが共に0でない場合には、特定の環状オレフィン系単量体が高い重合活性を有するものとなる。
【0017】
特定の環状オレフィン系単量体は、下記一般式(3)で表される特定の極性基を有するものであることが好ましい。
この場合には、得られる環状オレフィン系重合体が、高いガラス転移温度と高い耐候性、並びに各種材料との優れた密着性をバランスよく有するものとなる。
【0018】
【化5】
一般式(3)
−(CH2 )n COOR5
【0019】
〔式中、R5 は、炭素原子数が1〜12の炭化水素基であり、nは0以上の整数を示す。〕
【0020】
一般式(3)において、R5 は、炭素原子数が1〜12の炭化水素基であるが、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、好ましくはアルキル基である。
また、nは、通常、0〜5であればよいが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にnが0である特定の環状オレフィン系単量体は、その合成が容易である点、および得られる環状オレフィン系重合体が比較的吸湿性の低いものとなる点で好ましい。
【0021】
特定の環状オレフィン系単量体としては、一般式(1)において、R1 またはR3 がアルキル基であるものが好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基、更に好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であるものが好ましく、特に当該アルキル基が、上記の一般式(3)で表される特定の極性基が結合した炭素原子に同時に結合されているものが好ましい。
【0022】
特定の環状オレフィン系単量体の具体例としては、下記のような化合物が挙げられる。
(1)5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(2)5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(3)5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(4)5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(5)5−シクロヘキシロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(6)5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(7)5−(4−ビフェノキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(8)5−(2−ナフトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(9)5−(1−ナフトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(10)5−ベンジロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(11)5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(12)5−フェノキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(13)5−(1−ナフチルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(14)5−(2−ナフチルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(15)5−(4−ビフェニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(16)5−(2−ビフェニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(17)5−(3−ビフェニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(18)5−(9−フルオレンオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0023】
(19)5−メチル−5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(20)5−メチル−5−フェノキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(21)5−(1−ナフチルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(22)5−(2−ナフチルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(23)5−(4−ビフェニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(24)5−(3−ビフェニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(25)5−(2−ビフェニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(26)5−(9−フルオレンオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0024】
(27)5−ベンゾイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(28)5−(1−ナフトイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(29)5−(2−ナフトイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(30)5−(4−ビフェノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(31)5−(2−ビフェノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(32)5−(3−ビフェノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(33)5−(9−フルオレノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(34)5−(9−アントラセノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(35)5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0025】
(36)5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(37)5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(38)5−メチル−5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(39)5−メチル−5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(40)5−メチル−5−シクロヘキロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(41)5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(42)5−メチル−5−(4−ビフェノキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(43)5−メチル−5−(2−ナフトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(44)5−メチル−5−(1−ナフトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(45)5−メチル−5−ベンジロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0026】
(46)5−ベンゾイルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(47)5−(1−ナフトイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(48)5−(2−ナフトイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(49)5−(4−ビフェノイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(50)5−(2−ビフェノイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(51)5−(3−ビフェノイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(52)5−(9−フルオレノイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(53)5−(9−アントラセノイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(54)5−メチル−5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0027】
(55)5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(56)5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(57)5−トリエチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(58)5−(N,N−ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(59)5−メタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(60)5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(61)5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0028】
(62)5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(63)6−ブロモ−5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(64)6−クロロ−5−トリエチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(65)6−ヨード−5−(N,N−ジメチルアミノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(66)6−フルオロ−5−メタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0029】
(67)8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(68)8−エトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(69)8−フェノキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(70)8−(1−ナフチルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(71)8−(2−ナフチルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(72)8−(4−ビフェニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(73)8−(3−ビフェニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(74)8−(2−ビフェニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(75)8−(9−フルオレンオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(76)8−(9−アントラセンオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
【0030】
(77)8−メチル−8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(78)8−メチル−8−エトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(79)8−メチル−8−フェノキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(80)8−(1−ナフチルオキシ)−8−メチルトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(81)8−(2−ナフチルオキシ)−8−メチルトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(82)8−(4−ビフェニルオキシ)−8−メチルトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(83)8−(3−ビフェニルオキシ)−8−メチルトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(84)8−(2−ビフェニルオキシ)−8−メチルトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(85)8−(9−フルオレンオキシ)−8−メチル[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(86)8−(9−アントラセンオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
【0031】
(87)8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(88)8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(89)8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(90)8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(91)8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(92)8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(93)8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(94)8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(95)8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0032】
(96)8−ベンゾイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(97)8−(1−ナフトイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(98)8−(2−ナフトイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(99)8−(4−ビフェノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(100)8−(2−ビフェノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(101)8−(3−ビフェノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(102)8−(9−フルオレノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、
(103)8−(9−アントラセノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(104)8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
【0033】
(105)8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(106)8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(107)8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]3−ドデセン、
(108)8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(109)8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(110)8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(111)8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(112)8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(113)8−メチル−8−(4−フェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0034】
(114)8−ベンゾイルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(115)8−(1−ナフトイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(116)8−(2−ナフトイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(117)8−(4−ビフェノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(118)8−(2−ビフェノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(119)8−(3−ビフェノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(120)8−(9−フルオレノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(121)8−(9−アントラセノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0035】
(122)8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(123)8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(124)8−ジエチルアミノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、
(125)8−フェニルスルホニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(126)8−トリエトキシシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(127)8−トリエチルシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(128)8−(N,N−ジメチルアミノ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(129)8−メタンスルホニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(130)8−N,N−ジシクロヘキシルアミノカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(131)8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0036】
(132)8−メチル−8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(133)8−メチル−8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(134)8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(135)9−ブロモ−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(136)9−クロロ−8−トリエチルシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(137)9−ヨード−8−(N,N−ジメチルアミノ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
(138)9−フルオロ−8−メタンスルホニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン
これらの特定の環状オレフィン系単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
これらの特定の環状オレフィン系単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エンを用いることが好ましい。この場合には、得られる環状オレフィン系重合体が良好な耐熱性と低い吸湿性を有するものとなる。
【0038】
成形用樹脂材料を構成する環状オレフィン系重合体は、特定の環状オレフィン系単量体のみを用いて付加重合反応することによって得られるものであっても、特定の環状オレフィン系単量体と共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いて付加重合反応することによって得られるものであってもよい。
特定の環状オレフィン系単量体と適宜に選択された共重合性単量体とを付加重合反応することによって得られる環状オレフィン系重合体は、特定の環状オレフィン系単量体のみを付加重合反応することによって得られる環状オレフィン系重合体に比して、例えば熱加工性などの種々の特性が向上したものとなるため、射出成形法によって成形を行う場合に、その成形条件において、例えば加工温度を過剰に高い温度とする必要がなく、これにより、成形樹脂材料に熱劣化を生じさせることなく射出成形体を得ることができる。
また、用いる共重合性単量体の種類を適宜選択することにより、得られる環状オレフィン系重合体に、例えば一層高い低複屈折性などの機能を付与することも可能である。
【0039】
このような共重合性単量体としては、特定の環状オレフィン系単量体と共重合可能なものであれば、特に限定されるものではないが、上記一般式(1)で表されるシクロオレフィン系単量体以外の環状オレフィン系単量体(以下、「共重合性環状オレフィン系単量体」ともいう。)、α−オレフィン化合物類、ビニル基含有環状飽和炭化水素化合物類、ビニル基含有芳香族化合物類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリロニトリルおよびアクリルアミドよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
【0040】
共重合性環状オレフィン系単量体としては、下記一般式(4)で表されるシクロオレフィン系単量体(以下、「特定の共重合性環状オレフィン系単量体」ともいう。)を用いることができる。
【0041】
【化6】
【0042】
〔式中、R6 〜R9 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基よりなる群より選ばれた原子または基を示す。R6 〜R9 は、それぞれ独立に、芳香族または複素環を有する基であってもよく、炭素原子数1〜5のアルキレン基を介して結合していてもよい。更に、R6 とR7 またはR8 とR9は、 一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R6 またはR7 と、R8 またはR9 とは、互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。
sは0または正の整数であり、tは0または正の整数であり、s+t=0〜4である。〕
【0043】
特定の共重合性環状オレフィン系単量体の具体例としては、下記のような化合物が挙げられる。
(1)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(2)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
(3)トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン
(4)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(5)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
(6)ペンタシクロ[7.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
(7)5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(8)5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(9)5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(10)5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0044】
(11)5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(12)5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(13)5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(14)5−n−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(15)5−n−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(16)ペンタシクロ[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
(17)ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17 .112,15 .02,7 .011,16 ]−4−エイコセン、
(18)ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ヘンエイコセン、
(19)5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(20)5−ナフチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(21)5−ビフェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0045】
(22)8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(23)8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
(24)8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(25)8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(26)8−デシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(27)8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(28)8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(29)1,2−(2H,3H,−[1,3]エピシクロペンタ)−1,2−ジヒドロアセナフチレン
(30)1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
これらの特定の共重合性環状オレフィン系単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
これらの特定の共重合性環状オレフィン系単量体うち、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン構造を有する単量体(一般式(4)において、sおよびtが共に0のもの)が、射出成形等の加熱加工する場合に適したガラス転移温度を有する環状オレフィン系重合体が得られる点で好ましく、特に、上記一般式(4)におけるR6 〜R9 のいずれかが炭素原子数10以上の鎖状炭化水素基が結合している特定の共重合性環状オレフィン系単量体は、射出成形等の加熱加工する場合に一層適したガラス転移温度を有する環状オレフィン系重合体が得られる点で好ましい。
【0047】
また、共重合性環状オレフィン系単量体としては、上記の特定の共重合性環状オレフィン系単量体以外に、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オクタヒドロナフタレン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィン化合物類、これらのシクロオレフィン化合物がアルキル基、ビニル基あるいは極性基で置換された誘導体なども用いることができる。
【0048】
共重合性単量体として用いられるα−オレフィン化合物類としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなどの炭素原子数2〜4の化合物が挙げられる。
共重合性単量体として用いられるビニル基含有環状飽和炭化水素化合物類としては、例えばビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数5〜10の化合物が挙げられる。
共重合性単量体として用いられるビニル基含有芳香族化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0049】
共重合性単量体として、α−オレフィン化合物類、ビニル基含有環状飽和炭化水素化合物類、ビニル基含有芳香族化合物類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリロニトリルおよびアクリルアミドから選ばれる化合物を用いる場合には、その種類は環状オレフィン系重合体に求められる特性に応じて適宜選択されるが、エチレンを用いることが好ましい。この場合には、他の化合物を用いる場合に比して、共重合性単量体に大きな重合活性が得られて高い転化率が得られると共に、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度を制御することができるため、射出成形に好適な加工特性を確保することが容易となる。
また、その使用量は、得られる環状オレフィン系重合体に求められる特性に応じて適宜選択されるが、通常、「特定の環状オレフィン系単量体/共重合性単量体」の質量比の値が100/0〜20/80、好ましくは90/10〜30/70の範囲となる量とされる。
なお、射出成形法による成形体の成形に供される環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、通常、100〜250℃、好ましくは100〜230℃とされる。
【0050】
環状オレフィン系重合体を得るための付加重合反応においては、触媒として、広く公知の触媒を用いることが可能であるが、上記一般式(2)で表される遷移金属錯体化合物(特定の遷移金属錯体化合物)を用いることが好ましい。触媒として特定の遷移金属錯体化合物を用いることにより、高い生産性が得られる。
【0051】
一般式(2)において、Mは、周律表の第4族、第8族、第9族または第10族から選ばれた遷移金属原子であって、具体的には、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、ZrまたはHfであり、好ましくはFe、Co、NiまたはPdであり、特に好ましくはNiまたはPdである。
【0052】
A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、アリル基など)、炭素原子数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、このようなアリール基であってメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの置換基が1〜5個結合したもの、炭化水素基で置換されたシリル基、アルコキシ基、アリロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。これらのうち好ましいものは、フェニル基、アントラセニル基、特に好ましいものはアントラセニル基である。
【0053】
Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、好ましくはトリフェニルフォスフィン残基またはアセトニトリル残基である。
【0054】
2つのXは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニウム原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
これらのXで示される原子または基の具体的なものとしては、水素原子、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびアリル基などの炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、例えばフェニル基およびメシチル基などの炭素原子数6〜9のアリール基などを挙げることができる。
【0055】
Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子であるときにのみA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール基を示す。
【0056】
環状オレフィン系重合体を得るための付加重合反応においては、必要に応じて、以下に示すようなアルミニウム、ニッケルまたはホウ素による有機金属化合物を反応系に共存させることができる。
これらの有機金属化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
この有機金属化合物は、いわゆる助触媒としての作用を有するものと考えられる。
【0057】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、例えば、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドなどの一般的なアルキルアルミニウム化合物やメチルアルミノキサン、メチルアルミノキサン誘導体などを挙げることができる。
有機ニッケル化合物の具体例としては、例えば、ニッケルビスシクロオクタジエン、ニッケルビスオクトエートなどを挙げることができる。
【0058】
有機ホウ素化合物の具体例としては、例えば、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロ)ボロン、トリス(ペンタフルオロ)フェニルボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などを挙げることができる。
【0059】
有機金属化合物のうち、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ニッケルビスシクロオクタジエンおよびメチルアルミノキサンが好ましく、特に好ましくはニッケルビスシクロオクタジエンである。
【0060】
環状オレフィン系重合体を得るための付加重合反応は、必要に応じて、主鎖に炭素−炭素間二重結合を有する不飽和炭化水素系重合体(以下、単に「不飽和炭化水素系重合体」ともいう。)の存在下に行ってもよい。
この場合には、特定の環状オレフィン系単量体などによって形成される重合体構造に、不飽和炭化水素系重合体がグラフト重合によって結合することから、得られる環状オレフィン系重合体を、機械的な特性などが制御されたものとすることが可能となる。
不飽和炭化水素系重合体の具体例としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネン、その他を挙げることができる。
【0061】
環状オレフィン系重合体を得るための付加重合反応においては、生成される環状オレフィン系重合体の分子量を調節するために、環状非共役ポリエンを、付加重合体反応系に共存させる手段を利用することができる。
環状非共役ポリエンの具体例としては、例えば1,4−シクロヘキサジエン、1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、3−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2,4,5−テトラメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1−イソプロピル−4−メチル−1,4−シクロヘキサジエン(γ−テルピネン)などの置換もしくは非置換のシクロヘキサジエン化合物類、1,4−シクロヘプタジエンなどの置換もしくは非置換のシクロヘプタジエン化合物類、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1−メチル−1,5−シクロオクタジエン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンなどの置換もしくは非置換のシクロオクタジエン化合物類、1,5,9−シクロドデカトリエンなどの置換もしくは非置換のシクロドデカトリエン類などを挙げることができる。これらのうち、特に置換もしくは非置換のシクロオクタジエン化合物類を用いることが好ましい。
これらの環状非共役ポリエンは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
環状非共役ポリエンの使用量は、用いられる特定の遷移金属錯体化合物に対しモル比で0.01〜500倍の範囲であり、好ましくは0.1〜100倍の範囲であり、更に好ましくは0.2〜50倍の範囲である。
【0063】
付加重合反応によって得られる環状オレフィン系重合体の固有粘度は、反応条件などによって制御することができるが、通常、固有粘度(ηinh )が0.2〜5dL/g、好ましくは0.4〜1.5dL/gであることが好ましい。
【0064】
付加重合反応によって得られる環状オレフィン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜1, 000,000の範囲であることが好ましい。
【0065】
付加重合反応によって得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、用いる特定の環状オレフィン系単量体および共重合性単量体の種類によっても異なることから、当該付加重合反応に供する特定の環状オレフィン系単量体および共重合性単量体を選択することによって適宜制御することが可能である。
実際上、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、当該重合体の用途によって所望される範囲が異なるが、通常、100℃〜350℃、好ましくは100℃〜300℃である。
【0066】
環状オレフィン系重合体には、例えば酸化防止剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、シリコーンオイル、発泡剤などの公知の添加剤を添加することができる。
【0067】
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、または例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系酸化防止剤を挙げることができる。
これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、環状オレフィン系重合体に一層高い酸化安定性を得ることができる。
【0068】
本発明の射出成形体は、以上のような環状オレフィン系重合体を含有する樹脂材料を成形用樹脂材料として形成されるが、当該成形用樹脂材料を構成する環状オレフィン系重合体は、その内部に、視覚欠陥、異常輝点などの原因となる異物が少なく、可能な限り存在しないものであることが好ましい。
また、成形用樹脂材料中には、環状オレフィン系重合体よりなる微粉体の含量も可能な限り抑えることが好ましい。この微粉体が多い場合、光学上のゆらぎとなって現れるために、優れた光学特性が得られなくなるおそれがある。
【0069】
環状オレフィン系重合体中における異物の含有量は、少なくとも50μm以上の異物が0個/10g、好ましくは30μm以上の異物が0個/10g、特に好ましくは20μm以上の異物が0個/10gであることが好ましい。
異物の量の測定は、環状オレフィン系重合体をトルエン、シクロヘキサンなどの溶媒に溶解して得られた重合体溶液を、フィルターでろ過後、顕微鏡で観察することにより、大きさと個数とを計数することにより行われる。また、同様に調製した重合体溶液を光散乱を原理とする市販の微粒子カウンターを使用して計数することも可能である。
【0070】
成形用樹脂材料としては、環状オレフィン系重合体と、他の重合体とよりなる重合体組成物を用いることもできる。
重合体組成物を構成することのできる重合体としては、スチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、α−オレフィン系樹脂、α−オレフィン系エラストマー、アクリル系樹脂、アクリル系エラストマー、特開平9−221577号公報などで開示している炭化水素樹脂、ポリカーボネート樹脂などの公知の重合体が挙げられる。
【0071】
また、成形用樹脂材料としては、2種類以上の環状オレフィン系重合体、環状オレフィン系重合体と重合体組成物、あるいは2種以上の重合体組成物をブレンドして使用することも可能である。
成形用樹脂材料に係るブレンドは、ペレットの状態で混合する手法、例えば押出機などを用いて溶液の状態で混合する手法などによって行うことができる。
【0072】
射出成形法によって成形用樹脂材料から射出成形体を成形するためには、種々の公知の射出成形機を用いることができる。
射出成形体を成形するための射出成形機は、例えば射出成形機を構成する射出装置がインライン方式あるいはプリプラ方式のいずれの構造を有するものであってもよく、射出成形機を構成する型締め装置が直圧式あるいはトグル式のいずれの構造を有するものであってもよく、また、射出装置と型締め装置とが横形あるいは縦形のいずれの方式で配列されているものであってもよく、更に、駆動方式が油圧式、電動式あるいはハイブリッド式のものであってもよい。
また、射出成形機における型締め機構としては、射出圧縮またはコア圧縮いずれの手法を用いることができる。
更に、射出成形機として、金型のキャビティー内を減圧にして成形を行う機構を有するものを用いることもできる。
【0073】
このような射出成形機を用いた成形加工においては、シリンダー径および型締め力は成形すべき射出成形体の形状に応じて適宜に決定されるが、一般に、成形すべき射出成形体の投影面積が大きいほど型締め力を大きく、射出成形体の容量が大きい場合はシリンダー径を大きくすることが好ましい。
また、成形加工を行う成形条件としては、用いられる射出成形機の種類、成形すべき射出成形体の形状などに応じて異なるが、一般に、射出成形体が薄肉形状の場合には高速低圧成形条件で成形加工が行われ、射出成形体が厚肉形状の場合には低速高圧成形条件で成形加工が行われる。
ここに、射出成形機を用いた成形加工における樹脂温度は、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度をTgとすると、(Tg+100)〜(Tg+200)℃の範囲とすること好ましく、金型温度は、(Tg)〜(Tg−70)℃の範囲とすることが好ましい。
【0074】
射出成形機を用いた成形加工においては、射出成形体を射出成形機から安定的に取り出す手法として、シリンダおよび/またはホッパー内を減圧にするあるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充満させるなどの方法を用いることが好ましい。
また、他の環状オレフィン系重合体、有機重合体あるいは無機物などと多層成形、2色成形、インサート成形などを行うことも可能である。
【0075】
射出成形機に取り付けられる射出成形用金型としては、公知の鋼材よりなるものを使用することができ、目的に応じて、その表面が例えばクロム系、チタン系、ホウ素系、炭素系の材料などでコーティングされてなるものであってもよい。成形すべき射出成形体の表面に対してパターン等を形成する必要のある場合には、金型の内表面にニッケルなどの軟質鋼材層を形成し、その軟質鋼材層を切削することによって目的のパターンに対応するパターン形状を形成する手法、金型の内表面に電気鋳造法により目的のパターンに対応するパターン形状を形成する手法、金型の内表面にエッチング処理を行うことによって目的のパターンに対応するパターン形状を形成する手法、金型の内表面にサンドブラスト等により目的のパターンに対応するパターン形状を形成する手法あるいはスタンパーを使用することによって目的のパターンに対応するパターン形状を形成する手法などを用いることが可能である。
【0076】
金型としては、成形すべき射出成形体の形状に応じて、2枚構成金型、3枚構成金型などのいわゆる普通金を用いてもよく、また、スライドコア金型などのいわゆる特殊金型を用いることができる。
金型における突き出し機構は、ピンなどを使用する方法、コア全体で突き出す方法、エアー等で浮き上がらせる方法など公知の方法を用いることができる。 金型の温調は、通常水、高圧水、オイル媒体、電気ヒータ、電磁加熱など公知の方法を用いることが可能である。
また、金型におけるゲート形状は、特に限定されるものではなく、形成すべき射出成形体の形状などに応じて、ダイレクトゲート、フィルムゲート、ファンゲート、ピンゲート、サブマリンゲートなど公知のものから適宜なものを選択することができる。
更に、ホットランナーなど公知のランナーを使用することも可能である。
【0077】
以上のような射出成形機を用いて射出成形法による成形を行う際には、成形用樹脂材料中に含まれている水分、溶存する例えば酸素ガス、残溶剤などの揮発成分を除去するために、乾燥処理を行うことが好ましい。
成形用樹脂材料の乾燥処理は、例えば熱風乾燥機、除湿乾燥機、真空乾燥機、流動層乾燥機、不活性ガス循環式乾燥機などを用いることができるが、真空乾燥機や各種窒素循環式乾燥機を用いることが好ましい。この場合には、ペレット中の溶存酸素ガス濃度を高い効率で除去することが可能であることから、例えば得られる射出成形体に焼けなどの点状欠陥の発生を効果的に抑制することができる。
乾燥温度は、通常、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度をTgとすると、(Tg−60)〜(Tg−20)℃の範囲とすることが好ましく、乾燥時間は、1〜10時間程度とすることが好ましい。
また、成形を行う直前の成形用樹脂材料中の揮発成分は、好ましくは85000ppm以下、更に好ましくは2000ppm以下であることが好ましい。この場合には、得られる射出成形体における色相の悪化を効果的に抑制することができる。
【0078】
以上のようにして成形された射出成形体に対しては、公知の二次加工を行うことができる。
具体的に、二次加工の例としては、例えば反射防止加工、ハードコート加工、接着加工、熱融着加工、超音波融着加工、電磁融着加工、コロナ放電加工、切削、表面パターン圧着、表面切削、塗装、パターン印刷などが挙げられる。
【0079】
本発明の射出成形体は、優れた透明性および耐久性を有するものであることから、その特性を活かして、例えば光ディスク、光学レンズ、導光板などの光学機器の構成要素である光学部品として好適に用いることができる。
また、本発明の射出成形体の使用用途は、光ディスク、光学レンズ、導光板に限定されるものではなく、例えばライトガイド、表面保護板、液晶基板、EL基板等のディスプレイ用部品、回折格子、プリズム、光導波路、光半導体封止、CCDキャップなどとしても用いることができる。
【0080】
射出成形体よりなる光ディスクは、その用途が限定されるものではないが、例えばCD、MD、DVD、MO、CD−R、CD−RW、DVD−Rなどの記録媒体などとして好適に用いられる。
【0081】
光ディスクを成形するための成形用樹脂材料においては、当該成形用樹脂材料を構成する環状オレフィン系重合体中における異物の含有量が、少なくとも10μm以上の異物が0個/10g、好ましくは5μm以上の異物が0個/10g、特に好ましくは2μm以上の異物が0個/10gであることが好ましい。
光ディスクは、情報を記録するために1μm程度の大きさのピット(微少な凹部)が設けられており、異物が存在すると係るピットがつぶれてしまい情報の書き込みや読み取りに問題が生じるため、光ディスク用の成形用樹脂材料には、通常の光学部品に使用する成形用樹脂材料よりも厳しい異物管理が求められている。
【0082】
また、光ディスクを成形するための成形条件においては、樹脂温度は、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度をTgとすると、(Tg+100)〜(Tg+280)℃の範囲とすること好ましい。
光ディスクは、その厚みが1.2mmもしくは0.6mmでかつ直径が通常13cmと非常に扁平な成形品であるため、樹脂の流動性が充分に確保されないと係る成形品が得られない。このため、光ディスクに係る成形条件は、通常の光学部品の成形条件と比べて、成形する際の樹脂温度を高めに設定することが一般的に行われている。
なお、通常の光学部品の成形条件においては、樹脂温度を上げると、樹脂が熱劣化しやすくなるため、通常は樹脂温度をなるべく低くしている。
【0083】
射出成形体よりなる光学用レンズは、例えばピックアップレンズ、fθレンズ、フレネルレンズ、撮像レンズ、ファインダーレンズなどのOA機器、電気・電子機器、家庭用電化機器およびカメラよりなる群の光学機器における光学系ユニットを構成する要素として好適に用いられる。
具体的には、例えばレーザープリンターやコンパクトディスク、DVDドライブなどのレーザー光学系用光学部品、カメラなどのレンズとして好適に用いられる。
【0084】
光学用レンズを成形するための成形条件においては、金型温度は、(Tg)〜(Tg−40)℃の範囲とすることが好ましい。
光学レンズは、設計された特性を得るためには面の転写が非常に重要である。このため、金型の温度を、通常の光学部品に係る金型温度よりも高めに設定し、面の転写性を上げることが一般的に行われている。
なお、金型温度を上げると、成形サイクル時間が長くなるので、面の転写が厳しくない用途の場合には、なるべく金型温度を下げるようにしている。
【0085】
このような光学用レンズは、射出成形法によって成形された光学用レンズ用の射出成形体の表面に反射防止膜が形成されてなるものであってもよい。反射防止膜は、公知の乾式の形成方法あるいは湿式の形成方法によって形成することができる。
また、反射防止膜は、乾式の形成方法によって形成される無機コート層の単独あるいは多層体、湿式の形成方法によって形成される有機コート層の単独あるいは多層体、更に、無機コートと有機コートが組み合わされたものであってもよい。
【0086】
乾式の反射防止膜形成方法としては、光学用レンズ用の射出成形体の表面に無機化合物をコーティングする手法を用いることができる(例えば特開平4−89821号公報、特開平9−120001号公報参照)。
このような乾式の反射防止膜形成方法に用いることのできる無機化合物としては、例えばシリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、タンタル、ジルコニウムなどの酸化物、窒化物、フッ化物などが挙げられる。
無機化合物のコーティング方法としては、例えばPVD、CVDなどの真空蒸着法が用いられる。
また、コーティング層は1層でも2層以上の多層構造でもよい。1層あたりの厚みも特に限定されないが、通常10nm〜500nmの範囲で積層される。
【0087】
湿式の反射防止膜形成方法としては、光学用レンズ用の射出成形体の表面に有機化合物を、例えば刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法によって塗布する手法を用いることができる(例えば特開平9−120002号公報参照)。
このような乾式の反射防止膜形成方法においては、高い反射防止効果を得るために、有機化合物として、例えばフツ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン重合体、テトラフルオロエチレン/フツ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、パーフルオロアルキルエーテル系共重合体、含フッ素メタクリレート重合体などの屈折率が1.45以下である化合物を用いることが好ましい。これら有機化合物は、熱硬化、UV硬化、電子線硬化などの方法で硬化させることができる。
【0088】
射出成形体よりなる導光板は、透過型、半透過型および反射型の液晶表示装置における照明装置の導光部分を構成する要素、具体的には、透過型および半透過型の液晶表示装置においては液晶パネルの背面から照明を行うバックライト用の導光板(以下、「バックライト導光板」ともいう。)として、反射型の液晶表示装置においては液晶パネルの前面から照明を行うフロントライト用の導光板(以下、「フロントライト導光板」ともいう。)として好適に用いられる。
このような導光板は、通常、平板あるいはくさび形状であって、0.4〜10mm程度の厚みを有する板状のものであり、サイドエッジ面より冷陰極管やLEDなどの光源やライトガイドシステムなどにより光を入光する構成によって照明装置として使用される。
【0089】
具体的に、バックライト導光板は、例えば1〜4インチの小型のものが携帯電話、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)などの携帯情報端末などとして、4〜10インチ程度のものがカーナビゲーションシステム、モバイル情報端末などとして、10〜14インチのものがノートパソコンとして、更に、14インチ以上のものがデスクトップ型パーソナルコンピューター、テレビ受像器などとして、広く表示媒体として用いられる。
【0090】
また、フロントライト導光板は、例えば1〜8インチ程度の小型のものが反射型液晶と組み合わせることにより、総合的に低消費電力の表示装置として、携帯電話やパーソナルデジタルアシスタンス(PDA)などの携帯情報端末として広く用いられている。
【0091】
導光板を成形するための成形条件としては、例えばシリンダー径28mmのインライン方式の射出成形機を用いる場合には、射出速度を50〜150mm/secとすることが好ましく、保圧力を2段とし、1段目はピーク圧力の1/3〜2/3の圧力で0.3〜1.5秒間、2段目は1 段目よりも低い圧力で数秒間とすることが好ましい。また、樹脂温度は、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度をTgとすると、(Tg+100)〜(Tg+200)℃の範囲とすることが好ましく、金型温度は、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度をTgとすると、(Tg)〜(Tg−40)℃の範囲とすることが好ましい。
【0092】
このような導光板をフロントライト導光板およびバックライト導光板として用いるためには、当該導光板は、少なくともその片面に、光の反射および屈折のための凹凸面を有するものであることが必要である。
凹凸面の形状としては、例えば半球、半楕円球、非球面形状、円錐、楕円錐、円錐台、V溝、四角溝、丸溝、プリズム形状、あるいはこれらの凹凸を組み合わせたものが一般に広く用いられている(例えば特開平5−341133号公報、特開平11−250715号公報、特開2000−347041号公報、特開2000−314882号公報、特開2001−35227号公報参照)。
このような凹凸形状は、金型やスタンパーあるいはロールなどに予め形成すべき凹凸をしておく手法、熱あるいは紫外線などで公知の硬化性の有機材料を、射出成形法によって成形された導光板本体の表面に印刷し硬化する手法、また、導光板本体の表面を公知の方法で切削する手法などによって形成することができる。
【0093】
また、導光板をフロントライト導光板として用いるためには、射出成形法によって成形された導光板用の射出成形体の表面に反射防止膜を形成することが必要である。このような反射防止膜は、公知の乾式の形成方法あるいは湿式の形成方法によって形成することができる。
また、反射防止膜は、乾式の形成方法によって形成される無機コート層の単独あるいは多層体、湿式の形成方法によって形成される有機コート層の単独あるいは多層体、更に、無機コートと有機コートが組み合わされたものであってもよい。
【0094】
乾式の反射防止膜形成方法としては、導光板用の射出成形体の表面に無機化合物をコーティングする手法を用いることができる(例えば特開平4−89821号公報、特開平9−120001号公報参照)。
このような乾式の反射防止膜形成方法に用いることのできる無機化合物としては、例えばシリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、タンタル、ジルコニウムなどの酸化物、窒化物、フッ化物などが挙げられる。
無機化合物のコーティング方法としては、例えばPVD、CVDなどの真空蒸着法が用いられる。
また、コーティング層は1層でも2層以上の多層構造でもよい。1層あたりの厚みも特に限定されないが、通常10nm〜500nmの範囲で積層される。
【0095】
湿式の反射防止膜形成方法としては、導光板用の射出成形体の表面に有機化合物を、例えば刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法によって塗布する手法を用いることができる(例えば特開平9−120002号公報参照)。
このような湿式の反射防止膜形成方法においては、高い反射防止効果を得るために、有機化合物として、例えばフツ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン重合体、テトラフルオロエチレン/フツ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、パーフルオロアルキルエーテル系共重合体、含フッ素メタクリレート重合体などの屈折率が1.45以下である化合物を用いることが好ましい。これら有機化合物は、熱硬化、UV硬化、電子線硬化などの方法で硬化させることができる。
【0096】
更に、導光板は、液晶表示装置を構成する、例えば拡散板、偏光板、反射板、タッチパネルなどとして用いることもできる。
【0097】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を示す。
【0098】
<重合例1>
特定の環状オレフィン系単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン2600gと、特定の遷移金属錯体化合物として一般式(2)においてA1 がアントラセニル基およびA2 がフェニル基、Lがトリフェニルホスフィン残基、Xが−CH(CH3 )2 、Yが酸素原子、Mがニッケルである遷移金属錯体化合物0.0375モルと、ニッケルビスシクロオクタジエン0.075モルとを、内部雰囲気がエチレンガスにより置換され、乾燥トルエン5Lが充填された反応容器に仕込み、当該反応容器の系内を10℃に維持すると共に、エチレンガスを1L/minで循環させた状態において、3時間付加重合反応処理を行った。
【0099】
その結果、重合平均分子量が73.5×103 、Mw/Mnの値が1.6のシクロオレフィン系付加重合体(以下、「樹脂(a)」という。)1800gが得られた。この反応における特定の環状オレフィン系単量体の重合転化率は65%であった。なお、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、155℃であった。
【0100】
<重合例2>
乾燥トルエン10Lを反応容器に充填し、当該反応容器の系内にエチレンガスを1.5L/minで循環させたこと以外は重合例1と同様に付加重合反応処理を行った。
【0101】
その結果、重合平均分子量が10.5×104 、Mw/Mnの値が2.0のシクロオレフィン系付加重合体(以下、「樹脂(b)」という。)2200gが得られた。この反応における特定の環状オレフィン系単量体の重合転化率は65%であった。なお、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、130℃であった。
【0102】
<重合例3>
特定の環状オレフィン系単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン225部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25部と、1−ヘキセン52部と、トルエン750部とを、窒素置換した反応容器内に仕込んで単量体溶液を形成し、この単量体溶液を60℃に加熱した。
【0103】
次いで、当該単量体溶液に、濃度が1.5モル/Lであるトリメチルアルミニウムのトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール:メタノール:タングステンの比率が0.35モル:0.3モル:1モルである、濃度が0.05モル/Lのt−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステンのトルエン溶液3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は98%であった。
【0104】
このようにして得られた開環重合体溶液4000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6 H5 )3 ]3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応を行った。
【0105】
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧し、多量のメタノール中で凝固させた後、乾燥させて比較用の水素添加共重合体(以下、「樹脂(c)」という。)を得た。
このようにして得られた水素添加共重合体について、 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。また、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、141℃であった。
【0106】
環状オレフィン系重合体と共に重合体組成物を構成することのできる重合体として、下記の炭化水素樹脂を用意した。
「アルコン」(荒川化学工業製):水添石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂)、分子量750、軟化点125℃
【0107】
更に、比較用として、以下の一般的な光学用樹脂を用意した。
メタクリル樹脂:PMMA(以下、「樹脂(d)」という。);比重=1.19、Tg=108℃
ポリカーボネート樹脂:PC(以下、「樹脂(e)」という。);比重=1.20、Tg=146℃
【0108】
<成形用樹脂材料の調製1>
重合例1で得られた樹脂(a)をトルエンに溶解した重合体溶液に、メタノールを添加することによってポリマーを単離して造粒することにより、ペレット(以下、「ペレット(1)」ともいう。)を得た。
【0109】
<成形用樹脂材料の調製2>
重合例1で得られた樹脂(a)に代えて、重合例2で得られた樹脂(b)を用いたこと以外は成形用樹脂材料の調製例1と同様にしてペレット(以下、「ペレット(2)」ともいう。)を得た。
【0110】
<成形用樹脂材料の調製3>
重合例1で得られた樹脂(a)をトルエンに溶解した重合体溶液に、「アルコン」(荒川化学工業製)を添加して溶解した混合溶液に、メタノールを添加することによってポリマーを単離して造粒することにより、ペレット(以下、「ペレット(3)」ともいう。)を得た。
【0111】
<比較用成形用樹脂材料の調製1>
重合例1で得られた樹脂(a)に代えて、重合例3で得られた樹脂(c)を用いたこと以外は成形用樹脂材料の調製例1と同様にしてペレット(以下、「ペレット(4)」ともいう。)を得た。
【0112】
<比較用成形用樹脂材料の調製2>
重合例1で得られた樹脂(a)に代えて、重合例3で得られた樹脂(c)を用いたこと以外は成形用樹脂材料の調製例3と同様にしてペレット(以下、「ペレット(5)」ともいう。)を得た。
【0113】
<比較用成形用樹脂材料の調製3>
重合例1で得られた樹脂(a)に代えて、用意したメタクリル樹脂を用いたこと以外は成形用樹脂材料の調製例1と同様にしてペレット(以下、「ペレット(6)」ともいう。)を得た。
【0114】
<比較用成形用樹脂材料の調製4>
重合例1で得られた樹脂(a)に代えて、用意したポリカーボネート樹脂を用いたこと以外は成形用樹脂材料の調製例1と同様にしてペレット(以下、「ペレット(7)」ともいう。)を得た。
【0115】
<実施例1>
ペレット(1)を成形用樹脂材料とし、射出成形機「SG75M−S」(住友重機製:シリンダー径28mm、型締め力75ton)を用いて、樹脂温度300℃、金型温度120℃、射出速度50mm/secの条件で射出成形することにより、幅30mm、長さ230mm、厚さ3mmの板状の射出成形体(以下、「射出成形体(1A)」ともいう。)と、幅10mm、長さ150mm、厚さ1mmの短冊状の射出成形体(以下、「射出成形体(1B)」ともいう。)とを成形した。
【0116】
<実施例2〜3>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(2)〜ペレット(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして幅30mm、長さ230mm、厚さ3mmの板状の射出成形体(以下、「射出成形体(2A)」〜「射出成形体(3A)」ともいう。)と、幅10mm、長さ150mm、厚さ1mmの短冊状の射出成形体(以下、「射出成形体(2B)」〜「射出成形体(3B)」ともいう。)とを成形した。
【0117】
<比較例1〜4>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(4)〜ペレット(7)を用いたこと以外は実施例1と同様にして幅30mm、長さ230mm、厚さ3mmの板状の射出成形体(以下、「射出成形体(4A)〜射出成形体(7A)」ともいう。)と、幅10mm、長さ150mm、厚さ1mmの短冊状の射出成形体(以下、「射出成形体(4B)〜射出成形体(7B)」ともいう。)とを成形した。
【0118】
実施例1〜3および比較例1〜4のそれぞれの射出成形体について、色相、耐熱・耐湿性および他材料への密着性の評価を以下の手法により行った。
【0119】
<色相試験>
成形された射出成形体(1A)〜射出成形体(7A)の各々を、下記(1)〜(3)の条件で処理したサンプルの各々に対して、一端面より冷陰極管を用いて光を入光し、当該サンプルの他端面からの出光された光に係る色相を色彩色差計「CS100」(ミノルタ製)にて測定した。結果を表1に示す。
【0120】
条件(1):射出成形後、24時間、室温で放置
条件(2):設定温度100℃の恒温槽中に500時間放置
条件(3):設定温度60℃、設定湿度95RH%の恒温恒湿槽中に500時間放置
【0121】
<耐熱・耐湿性試験>
成形された射出成形体(1B)〜射出成形体(7B)の各々を、下記(1)〜(2)の条件で処理し、処理前のサンプルに対する処理後のサンプルの大きさを測定した。結果を表1に示す。
なお、表1においては、処理前の大きさを基準とした処理後の大きさの増減量を記載した。
【0122】
条件(1):設定温度100℃の恒温槽中に500時間放置
条件(2):設定温度60℃、設定湿度95RH%の恒温恒湿槽中に500時間放置
【0123】
<密着性試験>
密着性を評価するサンプルとして、成形された射出成形体(1B)〜射出成形体(7B)の表面上の各々に反射防止膜を下記の手法によって形成し、このサンプルを85℃のギアオーブン中に300時間放置した後、反射防止膜側に1mm×1mmのマス目100個をカッターナイフで刻み、セロハンテープ剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験の結果を、剥離された目の数が0のものを「○」、剥離された目の数が1〜10個のものを「△」、剥離された目の数が10個を超えるものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
【0124】
反射防止膜は、成形された射出成形体(1B)〜射出成形体(7B)の各々の片面に10-4Torrの真空下で、140nmの膜厚でSiO2 を蒸着させ、さらにTiO2 を120nmの膜厚で、最外層にSiO2 を170nmで蒸着をそれぞれ行うことによって形成した。
【0125】
【表1】
【0126】
以上の結果から、実施例1〜3に係る射出成形体は、成形加工に起因する着色が抑制され、しかも高温および/または高湿下における優れた耐久性を有すると共に、優れた二次加工性を有するものであることが確認された。
【0127】
<実施例4>
ペレット(1)を成形樹脂材料とし、射出成形機「DISK 5」(住友重機製:シリンダー径28mm、型締め力60ton)を用いて、 樹脂温度345℃、金型温度120℃、射出速度120mm/sec、射出圧縮使用の条件で射出成形することにより、直径130mm、厚さ1.2mmであって、その一面に溝が形成された光ディスク用基板(以下、「光ディスク用基板(1)」ともいう。)を成形した。
【0128】
<実施例5〜6>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(2)〜ペレット(3)を用いたこと以外は実施例4と同様にして直径130mm、厚さ1.2mmであって、その一面に溝が形成された光ディスク用基板(以下、「光ディスク用基板(2)」〜「光ディスク用基板(3)」ともいう。)を成形した。
【0129】
<比較例5〜8>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(4)〜ペレット(7)を用いたこと以外は実施例4と同様にして直径130mm、厚さ1.2mmであって、その一面に溝が形成された光ディスク用基板(以下、「光ディスク用基板(4)」〜「光ディスク用基板(7)」ともいう。)を成形した。
【0130】
実施例4〜6および比較例5〜8のそれぞれの光ディスク用基板について、成形性および他材料への密着性の評価を以下の手法により行った。
【0131】
<成形性試験>
成形された光ディスク用基板(1)〜光ディスク用基板(7)の各々を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、溝深さやエッジの形成性から判断し、溝転写に欠陥がなくエッジがシャープなものを「5」、溝転写に欠陥がないもののエッジのシャープ性にかけるものを「4」、溝転写に欠陥がある部分が若干生じているものをものを「3」、溝転写に欠陥がある部分が多数発生し、エッジのシャープ性にかけるものを「2」、溝転写が殆どしておらずエッジ形成も殆どされていないものを「1」とする5段階評価を行った。結果を表2に示す。
【0132】
<密着性試験>
密着性を評価するサンプルとして、成形された光ディスク用基板(1)〜光ディスク用基板(7)の平滑な表面上の各々に反射防止膜を下記の手法によって形成した後に100℃の環境下で1時間放置したサンプルを85℃のギアオーブン中に300時間放置した後、反射防止膜側に1mm×1mmのマス目100個をカッターナイフで刻み、セロハンテープ剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験の結果を、剥離された目の数が0のものを「○」、剥離された目の数が1〜10個のものを「△」、剥離された目の数が10個を超えるものを「×」と評価した。結果を表2に示す。
【0133】
反射防止膜は、成形された光ディスク用基板(1)〜光ディスク用基板(7)の各々の片面に10-4Torrの真空下で、80nmの膜厚でSiNx(窒化ケイ素、x=1〜1.5) を蒸着させ、更に、順にTbFeCoを20nmの膜厚で、SiNx (窒化ケイ素、x=1〜1.5)を30nmの膜厚で、最外層にAlを50nmで蒸着をそれぞれ行うことによって形成した。
【0134】
【表2】
【0135】
以上の結果から、実施例4〜6に係る光ディスク用基板は、所望の形状に成形されており、しかも優れた二次加工性を有するものであることが確認された。
また、実施例1と同様にして色相、耐熱・耐湿性および他材料への密着性の評価を行ったところ、実施例4〜6に係る射出成形体は、成形加工に起因する着色が抑制され、しかも高温および/または高湿下における優れた耐久性を有することが確認された。
【0136】
<実施例7>
ペレット(1)を成形樹脂材料とし、射出成形機「SG75M−S」(住友重機製:シリンダー径28mm、型締め力75ton)を用いて、樹脂温度が(Tg+150)℃、金型温度が(Tg−5)℃、射出速度が2mm/sec、1段目の保圧条件がピーク圧力で1sec、2段目の保圧条件がピーク圧力の4/5倍の圧力で60sec、冷却時間が120secの成形条件で射出成形することにより、図1に示す形状の光学用レンズ(以下、「光学用レンズ(1)」ともいう。)を成形した。図1において、10は光学用レンズを示す。
【0137】
<実施例8〜9>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(2)〜ペレット(3)を用いたこと以外は実施例7と同様にして図1に示す形状の光学用レンズ(以下、「光学用レンズ(2)」〜「光学用レンズ(3)」ともいう。)を成形した。
【0138】
<比較例9〜12>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(4)〜ペレット(7)を用いたこと以外は実施例4と同様にして図1に示す形状の光学用レンズ(以下、「光学用レンズ(4)」〜「光学用レンズ(7)」ともいう。)を成形した。
【0139】
実施例7〜9および比較例9〜12のそれぞれの光学用レンズについて、成形性、色相、光透過性、耐熱・耐湿性、光学歪みおよび他材料への密着性の評価を以下の手法により行った。
【0140】
<成形性試験>
成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々の面精度を示すRMS値を、レーザー干渉計(富士写真光機株式会社製)にて測定し、RMS値が0.03λ以下のものを「○」、RMS値が0.03λを超え0.05λ未満のものを「△」、RMS値が0.05λ以上のものを「×」と評価した。結果を表3に示す。
【0141】
<色相試験および光透過性試験>
成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々の色相を示すYI値と全光線透過率を、多光源分光測色計「MSC−5N」(スガ試験機株式会社製)にて測定した。結果を表3に示す。
【0142】
<耐熱・耐湿性試験>
成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々を、下記(1)〜(2)の条件で処理し、処理前のサンプルに対する処理後のサンプルのRMS値およびYI値の変化割合を測定した。RMS値の変化割合については、変化がないものを「○」、変化割合が3%未満であるものを「△」、変化割合が3%以上であるものを「×」と評価した。結果を表3に示す。
なお、表3においては、RMS値の変化割合を「形状変化」として示し、YI値の変化割合を「色相変化」として、処理前のYI値を基準とした処理後のYI値を増減量を示す。
【0143】
条件(1):設定温度100℃の恒温槽中に500時間放置
条件(2):設定温度60℃、設定湿度95RH%の恒温恒湿槽中に500時間放置
【0144】
<光学歪み試験>
成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々について、歪検査器「LSM−501」((株)ルケオ社製)を用いてセナルモン法により、ゲート付近の歪みを光路差によって評価した。結果を表3に示す。
【0145】
<密着性試験>
密着性を評価するサンプルとして、成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の表面上の各々に反射防止膜を下記の手法によって形成した下記(1)および(2)の条件に係るサンプルを、各々、85℃のギアオーブン中に300時間放置した後、反射防止膜側に1mm×1mmのマス目100個をカッターナイフで刻み、セロハンテープ剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験の結果を、剥離された目の数が0のものを「○」、剥離された目の数が1〜10個のものを「△」、剥離された目の数が10個を超えるものを「×」と評価した。結果を表3に示す。
【0146】
条件(1):反射防止膜形成直後
条件(2):100℃の環境下で1時間放置
【0147】
反射防止膜は、成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々の片面に10-4Torrの真空下で、140nmの膜厚でSiO2 を蒸着させ、さらにTiO2 を120nmの膜厚で、最外層にSiO2 を170nmで蒸着をそれぞれ行うことによって形成した。
【0148】
【表3】
【0149】
以上の結果から、実施例7〜9に係る光学用レンズは、優れた光学特定を有すると共に、成形加工に起因する着色が抑制され、しかも高温および/または高湿下における優れた耐久性を有し、しかも優れた二次加工性を有するものであることが確認された。
【0150】
<実施例10>
ペレット(1)を成形樹脂材料とし、射出成形機「SG75M−S」(住友重機製:シリンダー径28mm、型締め力75ton)を用いると共に、ニッケル鍍金層にプリズムを刻んだ駒を搭載した金型を用い、樹脂温度が(Tg+150)℃、金型温度が(Tg−10)℃、射出速度が100mm/sec、1段目の保圧条件がピーク圧力の1/3の圧力で1sec、2段目の保圧条件がピーク圧力の1/6倍の圧力で2sec、冷却時間が20secの成形条件で射出成形することにより、その一面に図3に示すプリズム形状が形成された図2に示す形状の導光板(以下、「導光板(1)」ともいう。)を成形した。図において、20は導光板、21は導光板20の表面を示す。
【0151】
<実施例11〜12>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(2)〜ペレット(3)を用いたこと以外は実施例10と同様にしてその一面に図3に示すプリズム形状が形成された図2に示す形状の導光板(以下、「導光板(2)」〜「導光板(3)」ともいう。)を成形した。
【0152】
<比較例13〜16>
ペレット(1)に代えて、各々、ペレット(4)〜ペレット(7)を用いたこと以外は実施例10と同様にしてその一面に図3に示すプリズム形状が形成された図2に示す形状の導光板(以下、「導光板(4)」〜「導光板(7)」ともいう。)を成形した。
【0153】
実施例10〜12および比較例13〜16のそれぞれの導光板について、成形性、色相、、耐熱・耐湿性、光学歪みおよび他材料への密着性の評価を以下の手法により行った。
【0154】
<成形性試験>
成形された導光板(1)〜導光板(7)の各々における、図3に示すプリズム辺の直線性を、「サーフコーダー」(小坂研究所製)を用いて測定し、金型におけるプリズムの形状を基準としたときの形状転写性が95%以上のものを「◎」、形状転写性が85%以上で95%未満のものを「○」、形状転写性が70%以上で85%未満のものを「△」、形状転写性が70%未満のものを「×」と評価した。結果を表4に示す。
【0155】
<色相試験>
成形された導光板(1)〜導光板(7)の各々に対して、入光面より冷陰極管を用いて光を入光し、当該入光面中央部から30mmおよび50mmの部分から光出された光に係る色相を色彩色差計「CS100」(ミノルタ製)にて測定した。結果を表4に示す。
なお、表4においては、入光面中央部から30mmの部分を「中央部」、入光面中央部から50mmの部分を「下端部」と示す。
【0156】
<耐熱・耐湿性試験>
成形された光学用レンズ(1)〜光学用レンズ(7)の各々を、下記(1)〜(2)の条件で処理し、処理前のサンプルに対する処理後のサンプルの形状転写性の値および色彩色差計の測定値の変化割合を測定した。形状転写性の値の変化割合については、変化がないものを「○」、変化割合が3%未満であるものを「△」、変化割合が3%以上であるものを「×」と評価した。結果を表3に示す。なお、表4においては、形状転写性の値の変化割合を「形状変化」として示し、色彩色差計の測定値の変化割合を「色相変化」として、処理前のYI値を基準とした処理後のYI値を増減量を示す。
【0157】
条件(1):設定温度100℃の恒温槽中に500時間放置
条件(2):設定温度60℃、設定湿度95RH%の恒温恒湿槽中に500時間放置
【0158】
<光学歪み試験>
成形された光導板(1)〜光導板(7)の各々について、複屈折測定装置「KOBRA−21ADH」(王子計測(株)製)を用いて内面の残留位相差の最大値と最小値とを測定した。結果を表4に示す。
【0159】
<密着性試験>
密着性を評価するサンプルとして、成形された光導板(1)〜光導板(7)の平滑な表面上の各々に反射防止膜を下記(イ)または(ロ)の手法によって形成した下記(1)および(2)の条件に係るサンプルを、85℃のギアオーブン中に300時間放置した後、反射防止膜側に1mm×1mmのマス目100個をカッターナイフで刻み、セロハンテープ剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験の結果を、剥離された目の数が0のものを「○」、剥離された目の数が1〜10個のものを「△」、剥離された目の数が10個を超えるものを「×」と評価した。結果を表4に示す。
【0160】
手法(イ);光導板(1)〜光導板(7)の各々の片面に10-4Torrの真空下で、140nmの膜厚でSiO2 を蒸着させ、さらにTiO2 を120nmの膜厚で、最外層にSiO2 を170nmで蒸着をそれぞれ行うことによって反射防止膜を形成
手法(ロ):フッ化ビニリデン70部と、ヘキサフルオロプロピレン30部とを共重合反応することによって数平均分子量4.5×104 の重合体を得、この重合体70部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部とを溶剤であるメチルイソブチルケトン2500部に加えて1時間攪拌混合することによって調製した濃度4%の塗料を、光導板(1)〜光導板(7)の各々の片面にディッピングにて塗布した後、60℃に加温して溶剤を充分に蒸発させ、これに電子線照射装置を用いて3Mardの線量となるように電子線を照射することにより硬化処理することによって反射防止膜を形成
【0161】
条件(1):反射防止膜形成直後
条件(2):100℃の環境下で1時間放置
【0162】
【表4】
【0163】
以上の結果から、実施例10〜12に係る導光板は、優れた光学特定を有すると共に、成形加工に起因する着色が抑制され、しかも高温および/または高湿下における優れた耐久性を有し、しかも優れた二次加工性を有するものであることが確認された。
【0164】
【発明の効果】
本発明の射出成形体は、環状オレフィン系重合体よりなる成形用樹脂材料を射出成形法に供することにより製造されるため、当該射出成形法によって成形加工することによって当該成形用樹脂材料に熱劣化が生じることがなく、本来環状オレフィン系付加重合体が有する優れた光学特性、密着性および耐久性などが確実に得られるものであると共に、優れた成形性および二次加工性を有するものである。従って、光学部品などの用途に広く用いることができる。
また、本発明の射出成形体は、各種の光学部品に好適に用いることができ、当該射出成形体よりなる光ディスク、光学用レンズおよび導光板には、優れた透明性と共に、高温および/または高湿条件下における優れた耐久性と、優れた光学特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学用レンズの構成を示す説明図である。
【図2】導光板の構成を示す説明用斜視図である。
【図3】図2の導光板の表面に形成されているプリズム形状を示す説明図である。
【符号の説明】
10 光学用レンズ
20 導光板
21 表面
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される環状オレフィン系単量体をα−オレフィン化合物よりなる共重合性単量体と付加重合反応させて得られる特定の環状オレフィン系付加共重合体を含有する樹脂材料を成形用樹脂材料として射出成形法により成形することによって製造されたものであることを特徴とする射出成形体。
- 成形用樹脂材料が、下記一般式(2)で表される遷移金属錯体化合物の存在下において付加重合反応が行われることにより得られる重合体を含有する樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形体。
A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、炭化水素基で置換されたシリル基、アルコキシ基、アリロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。
2つのXは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニウム原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子であるときはA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール基を示す。〕 - 一般式(1)で表される環状オレフィン系単量体と共重合性単量体との質量比が90/10〜30/70であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の射出成形体。
- 光学部品として用いられることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の射出成形体。
- 光学部品である光ディスクとして用いられることを特徴とする請求項5に記載の射出成形体。
- 光学部品である光学用レンズとして用いられることを特徴とする請求項5に記載の射出成形体。
- 光学部品である導光板として用いられることを特徴とする請求項5に記載の射出成形体。
- 請求項1に記載の一般式(1)で表される環状オレフィン系単量体をα−オレフィン化合物よりなる共重合性単量体と、請求項2に記載の一般式(2)で表される遷移金属錯体化合物の存在下において付加重合反応させ、
得られる特定の環状オレフィン系付加共重合体を含有する樹脂材料を成形用樹脂材料として射出成形することを特徴とする射出成形体の製造方法。
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