JP2003270401A - 光学用成形体 - Google Patents
光学用成形体Info
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Abstract
情報記録媒体への情報の書き込みや該媒体からの情報の
読み出しを行っても、長期間に亘りエラーレートの増加
や機械的強度の劣化もない光学用成形体を提供する。 【解決手段】 ビニル脂環式炭化水素重合体を成形して
なる光学用成形体であって、成形直後における波長40
0nmの光線透過率(T0)が88%以上であり、波長
400nmのレーザー光線を積算光量で500kJ/c
m2照射した直後における波長400nmの光線透過率
(T1)が、T0の97%以上であることを特徴とする
光学用成形体を用いる。
Description
水素重合体を成形してなる光学用成形体に関し、更に詳
しくは、400nmを中心とした波長領域のレーザー光
線を透過させて使用する、光ピックアップ装置用の光学
レンズなどとして好適な光学用成形体に関する。
ス形態を使って映像、画像、音、文字の情報を高速で送
受信する形態に対応する、すなわちマルチメディアに対
応する、パーソナルコンピューター、オーディオ・ビジ
ュアル機器、テレビゲーム機等が普及し始めている。マ
ルチメディア対応機器には情報を保存、再生するため
に、CD−ROM、CD−R、MD、DVDなどの光学
式記録媒体が備わっている。マルチメディアによる情報
量が年々増加しているため、これらの光学式記録媒体の
記録密度を高くして記録容量を高くすることが進められ
ている。光学式情報記録媒体の高記録密度化が進められ
ると、光学式情報記録媒体への情報の書き込み及び記録
された情報の読み出しに使用するレーザー光を短波長の
ものに、具体的には350〜450nmのブルー系レー
ザーにすることが必要になる。レーザー光を用いた光学
式情報記録方式には、レーザーの焦点を記録面上に合わ
せるためのレンズ(ピックアップレンズ)が用いられて
いる。このレンズには非球面形状のプラスチックレンズ
が多く使用されている。又、CD−RやDVDにもプラ
スチックレンズが使われている。
際公開WO99/05210号公報に、ビニル環状炭化
水素重合体からなり、65℃、相対湿度90%の雰囲気
下に1,000時間保持しても光線透過率の保持率が7
0%以上である光学レンズが開示されている。また、特
開平5−242522号公報には、熱重量計で測定した
5%重量減少温度が295℃以上である、ヒンダードフ
ェノール系熱安定剤及びリン系熱安定剤と、長鎖飽和脂
肪酸金属塩とを配合したポリビニルシクロヘキサン系樹
脂からなる光ディスク基板が開示されている。ところ
が、これらのプラスチックレンズを、ブルー系レーザー
を用いる高記録密度化された情報記録媒体のピックアッ
プレンズとして使用すると、従来と同様のレーザー強度
では強度が低すぎて記録媒体への情報の書き込みや読み
出しができない。又、レーザー強度を上げて読み書き可
能にしても、短時間の使用の内に情報の書き込み及び読
み出し時のエラーレートが増加したり、レンズの機械的
強度が低下するという問題があった。
ー系レーザーなどの短波長レーザー光線を高強度で透過
させて情報記録媒体への情報の書き込みや該媒体からの
情報の読み出しを行っても、長期間に亘りエラーレート
が増加せず、機械的強度の劣化もない光学用成形体を提
供することである。
を解決すべく鋭意検討の結果、特定の種類の酸化防止剤
を配合した特定構造のビニル脂環式炭化水素重合体を成
形することにより、特定の光線透過率特性を有する光学
用成形体が得られることを見出した。そして、そのよう
な光学用成形体をブルー系レーザーなどの高照射量の短
波長レーザー光線を用いる光ディスク用ピックアップレ
ンズとして用いると、長期間に亘り情報の書き込みや読
み出しを行ってもエラーレートが増加せずに機械的強度
の劣化もないことを見出し、本知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
成形体であって、成形直後における波長400nmの光
線透過率(T0)が88%以上であり、波長400nm
のレーザー光線を積算光量で500kJ/cm2照射し
た直後における波長400nmの光線透過率(T1)
が、T0の97%以上であることを特徴とする光学用成
形体、 2.ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定したビニル脂環式炭化水素重合体の分子量分布(Mw
/Mn)が2.0以下である上記1記載の光学用成形
体、 3.そのクロロホルム1%溶液の、波長400nm、光
路長10mmにおける吸光度が0.05以下であるリン
系酸化防止剤を含有する上記1又は2記載の光学用成形
体、 4.ヒンダードフェノール基を有するフェノール系酸化
防止剤を、ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に
対して0.01〜0.2重量部含有する請求項1乃至3
記載の光学用成形体、 5.無機化合物又は有機化合物の層を表面に有する上記
1乃至4記載の光学用成形体、 6.光ディスク用ピックアップレンズである上記1乃至
5記載の光学用成形体、がそれぞれ提供される。
脂環式炭化水素重合体を成形してなる光学用成形体であ
って、成形直後における波長400nmの光線透過率
(T0)が88%以上、好ましくは89%以上、より好
ましくは90%以上であり、波長400nmのレーザー
光線を積算光量で500kJ/cm2照射した直後にお
ける波長400nmの光線透過率(T1)が、T0の9
7%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99
%以上であることを特徴とするものである。波長400
nmのレーザー光線の上記積算光量は、該レーザー光線
の照射強度と照射時間との積算値である。T0及びT1
がそれぞれ上記範囲にあると、400nm付近に最大強
度をもち、350〜450nmの短波長領域の光線から
なるレーザー光線を高照射量で長期間透過させて情報記
録媒体への情報の書き込みや該媒体からの情報の読み出
しを行ってもエラーレートが増加しない。
式炭化水素重合体は、側鎖に脂環式構造を有する繰り返
し単位(a)を含有する重合体である。脂環式構造を構
成する炭素原子数は、機械強度、耐熱性、成形加工性の
観点から、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好
ましくは5〜15個の範囲であり、最も好ましくは6個
である。側鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位(a)
の含有量は、重合体全繰り返し単位中、好ましくは50
重量%以上99.5重量%未満、より好ましくは70重
量%以上99.2重量%未満、さらに好ましくは90重
量%以上99重量%未満である。繰り返し単位(a)の
含有量が上記範囲であると、耐熱性、光線透過性及び機
械的強度に優れる成形体が得られる。ビニル脂環式構造
含有重合体中の、上記繰り返し単位(a)以外の残部は
特に限定はないが、鎖状ビニル化合物由来の繰り返し単
位(b)であることが好ましい。繰り返し単位(b)の
含有量は、重合体全繰り返し単位中、好ましくは0.5
重量%以上50重量%未満、より好ましくは0.8重量
%以上30重量%未満、さらに好ましくは1重量%以上
10重量%未満である。繰り返し単位(b)の含有量が
上記範囲であると、複屈折値の小さい成形体が得られ
る。さらに上記ビニル脂環式炭化水素重合体は、繰り返
し単位(a)の連鎖の重量平均分子量Aと、〔重合体の
重量平均分子量×(繰り返し単位(a)の数/重合体を
構成する全繰り返し単位の数)〕Bとが、A≦0.3×
Bであることが好ましく、A≦0.2×Bであることが
より好ましく、A≦0.1×Bであることがさらに好ま
しい。
族ビニル化合物又はビニルシクロアルケン又はビニルシ
クロアルカン又はそれらの誘導体の少なくとも一種を主
成分とするモノマー混合物をビニル付加重合し、得られ
た重合体中に炭素−炭素不飽和結合(芳香環含む)が存
在する場合にはそれを水素添加することにより得ること
ができる。上記モノマー混合物中の、芳香族ビニル化合
物及びビニルシクロアルケン及びビニルシクロアルカン
及びそれらの誘導体の合計含有量は、好ましくは50重
量%以上99.5重量%未満、より好ましくは70重量
%以上99.2重量%未満、さらに好ましくは90重量
%以上99重量%未満であり、鎖状ビニル化合物の合計
含有量は、好ましくは0.5重量%以上50重量%未
満、より好ましくは0.8重量%以上30重量%未満、
さらに好ましくは1重量%以上10重量%未満である。
α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピ
ルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチ
ルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレ
ン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチ
レン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレ
ン、4−フェニルスチレンなどが挙げられる。ビニルシ
クロアルケン及びその誘導体としては、ビニルシクロヘ
キセン、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニ
ルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキ
セン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセ
ン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチ
ル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどが挙げられ
る。ビニルシクロアルカン及びその誘導体としては、ビ
ニルシクロヘキサン、3−メチルイソプロペニルシクロ
ヘキサンなどが挙げられる。本発明においては、上記化
合物の中で、スチレン、ビニルシクロアルケン、ビニル
シクロアルカンを用いると耐熱性に優れた成形体が得ら
れ好ましい。鎖状ビニル化合物の具体例としては、エチ
レン、プロピレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テンなどのα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン類;などが
挙げられるが、これらの中で、ブタジエン、イソプレン
を用いると、複屈折値の小さい成形体が得られるので好
ましい。
化水素化合物及び鎖状ビニル化合物以外に、シクロペン
タジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチル
シクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、
5−メチルシクロペンタジエン、5、5−ジメチルシク
ロペンタジエンなどのシクロペンタジエン系モノマー;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジシ
クロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノマー;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアク
リロニトリルなどのニトリル系モノマー;メタクリル酸
メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタク
リル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステ
ル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチル
エステル、などの(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ー;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの
不飽和脂肪酸系モノマー;フェニルマレイミド;エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオ
キサイド、トリオキサン、ジオキサン、シクロヘキセン
オキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリ
ン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル系モノマ
ー;N−ビニルカルバゾール、N−ビニル−2−ピロリ
ドンなどの複素環含有ビニル化合物系モノマー;などを
共重合成分として用いることができる。
クロアルケン又はビニルシクロアルカン又はそれらの誘
導体の少なくとも一種含有するモノマー混合物を重合す
る方法としては、一括重合法(バッチ法)、モノマー逐
次添加法(モノマー全使用量の内の一部を用いて重合を
開始した後、反応系内に、残りのモノマーを連続的に逐
次添加して重合反応を進めていく方法)等が挙げられ、
特にモノマー逐次添加法を用いると、繰り返し単位
(a)の連鎖の重量平均分子量Aが、〔重合体の重量平
均分子量×(繰り返し単位(a)の数/重合体を構成す
る全繰り返し単位の数)〕Bに対してより小さくなり、
よりランダムな連鎖構造を有する重合体が得られる。モ
ノマー逐次添加法の場合、まずモノマーの全使用量のう
ち、通常0.01重量%〜60重量%、好ましくは0.
02重量%〜20重量%、より好ましくは0.05重量
%〜10重量%のモノマーを予め重合反応器内に初期モ
ノマーとして存在させた状態で開始剤を添加し、重合反
応を開始する。初期モノマーの量をこのような範囲にす
ると、初期の重合反応で発生する反応熱除去を容易にす
ることができ、よりランダムな連鎖構造を有する重合体
を得ることができる。
ン重合、カチオン重合等のいずれでもよいが、重合操作
や水素化反応の容易さ、及び得られる炭化水素重合体の
機械強度の観点から、アニオン重合法が好ましい。ラジ
カル重合の場合は、開始剤の存在下、通常0℃〜200
℃、好ましくは20℃〜150℃で、塊状重合、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合等の方法を用いることができる
が、特に樹脂中への不純物等の混入等を防止する必要の
ある場合は、塊状重合、懸濁重合が望ましい。ラジカル
開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト等の有機過酸化物;アゾイソブチロニトリル、4,4
−アゾビス−4−シアノペンタン酸、アゾジベンゾイル
等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
に代表される水溶性触媒;やレドックス開始剤などが使
用可能である。アニオン重合の場合には、開始剤の存在
下、通常−30℃〜200℃、好ましくは0℃〜100
℃、特に好ましくは10℃〜80℃の温度範囲におい
て、塊状重合、溶液重合、スラリー重合等の方法を用い
ることができるが、反応熱の除去を考慮すると、溶液重
合が好ましい。この場合、重合体及びその水素化物を溶
解できる不活性溶媒を用いる。溶液反応で用いる不活性
溶媒は、例えばn−ブタン、n−ペンタン、iso−ペ
ンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−オクタ
ン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、
デカリン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素類等が挙げられ、中でも脂肪族炭化水
素類や脂環式炭化水素類を用いると、水素化反応にも不
活性な溶媒としてそのまま使用することができる。これ
らの溶媒は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み
合わせて使用でき、通常、全使用モノマー100重量部
に対して200〜10,000重量部となるような割合
で用いられる。上記アニオン重合の開始剤としては、例
えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチ
ウムなどのモノ有機リチウム;ジリチオメタン、1,4
−ジオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘ
キサン等の多官能性有機リチウム化合物;などが使用可
能である。重合反応においては、また、重合促進剤や、
ランダマイザー(或る1成分の連鎖が長くなるのを防止
する機能を有する添加剤)などを使用できる。アニオン
重合の場合には、例えばルイス塩基化合物をランダマイ
ザーとして使用できる。ルイス塩基化合物の具体例とし
ては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニル
エーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジ
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキ
シド、カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アル
コキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィ
ン化合物が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、
それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用
できる。
飽和結合(芳香環含む)を水素添加する方法には、公知
の方法を用いることができるが、中でも、水素添加率を
高くし、且つ水素添加反応と同時に起こる重合体鎖切断
反応を少なくするためには、有機溶媒中、ニッケル、コ
バルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ル
テニウム及びレニウムから選ばれる少なくとも1つの金
属を含む触媒を用いて水素添加反応を行うのが好まし
い。水素化触媒は、不均一触媒、均一触媒のいずれも使
用可能である。不均一系触媒は、金属または金属化合物
のままで、又は適当な担体に担持して用いることができ
る。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミ
ナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニ
ア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、触媒の担持量
は、触媒合計重量に対する金属含有量で、通常0.01
〜80重量%、好ましくは0.05〜60重量%の範囲
である。均一系触媒は、ニッケル、コバルト、チタンま
たは鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニ
ウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触
媒、またはロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、
レニウム等の有機金属錯体触媒を用いることができる。
これらの水素添加触媒は、それぞれ単独で、或いは2種
類以上組み合わせて使用することができ、その使用量
は、重合体100重量部に対して、通常、0.01〜1
00重量部、好ましくは0.05〜50重量部、より好
ましくは0.1〜30重量部である。水素添加反応温度
は、通常10℃〜250℃、好ましくは50℃〜200
℃、より好ましくは80℃〜180℃である。また、水
素圧力は、通常0.1MPa〜30MPa、好ましくは
1MPa〜20MPa、より好ましくは2MPa〜10
MPaである。得られた水素添加物の水素添加率は、1
H−NMRによる測定において、主鎖の炭素−炭素不飽
和結合、芳香環の炭素−炭素二重結合、不飽和環の炭素
−炭素二重結合のいずれも、通常90%以上、好ましく
は95%以上、より好ましくは97%以上である。水素
化率が低いと、得られる重合体の低複屈折性、熱安定性
等が低下する。
体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは80〜25
0℃、より好ましくは90〜220℃、最も好ましくは
100〜200℃の範囲である。重量平均分子量(M
w)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により測定されるポリスチレン換算値で、好まし
くは10,000〜1,000,000、より好ましく
は20,000〜500,000、最も好ましくは5
0,000〜300,000の範囲である。分子量分布
は、上記Mwと、同様にGPCで測定されるポリスチレ
ン換算の数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で
表したときに、好ましくは2.0以下である。Mw/M
nが大きすぎると、成形体の機械的強度や耐熱性が低下
する。特に機械的強度、耐熱性、成形加工性を向上させ
るには、Mw/Mnが1.7以下がより好ましく、1.
3以下が特に好ましい。
合体は、含まれる異物の数が極力少ないものであること
が好ましい。前記重合体中に含まれる異物としては、触
媒残渣、ゲル状物、副反応物及び外部から混入する粉塵
などが挙げられる。異物の数が多いと、透過するレーザ
ー光線を散乱させ、透過光の強度低下が大きくなる。光
散乱は使用する光の波長が短いほど大きくなるため、本
発明の光学用成形体を波長350nm〜450nmの短
波長レーザー光線を用いるピックアップ装置に用いよう
とする場合にその影響が大きくなる。ビニル脂環式炭化
水素重合体中の異物の含有量は、粒径0.5μm以上の
異物の含有量で、3×104個/g以下であることが好
ましく、2×104個/g以下であることがより好まし
く、1×104個/g以下であることが最も好ましい。
異物を低減させる方法としては、例えば、ビニル脂環式
炭化水素重合体の製造工程において、重合体溶液を、
(a)孔径が0.5μm以下、好ましくは0.3μm以
下の機械式フィルターで、少なくとも1回、好ましくは
2回以上濾過する方法、(b)電荷的補足機能を有する
濾過フィルターで濾過する方法、などを挙げることがで
きる。尚、異物の含有量は、光散乱式微粒子検出器を用
いて測定することができる。
合体は、揮発成分の含有量が、0.3重量%以下である
ことが好ましく、0.1重量%以下であることがより好
ましく、500ppm以下であることがさらに好まし
い。揮発成分としては、有機溶剤、未反応モノマーまた
はその変性物などが挙げられる。揮発成分が多すぎる
と、成形時にボイドや表面の凹状欠陥などが発生し易く
なる。揮発成分を低減させる方法として、例えば、ビニ
ル脂環式炭化水素重合体の製造工程において、重合転化
率を向上させて未反応モノマーを低減させたり、脱溶剤
時の条件(例えば温度、減圧度など)を最適化する方法
などが挙げられる。
式炭化水素重合体を成形して得ることができる。成形方
法としては、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、
ブロー成形法などの加熱溶融成形法;溶液キャスト法;
などを用いることができるが、本発明においては、寸法
精度等に優れ、非球面形状等が成形可能な射出成形法又
はプレス成形法が好ましく、射出成形法が最も好まし
い。射出成形の条件としては、シリンダ温度が、通常2
20〜350℃、好ましくは250〜300℃である。
金型温度が、通常50〜180℃、好ましくは80〜1
50℃である。射出圧力が、通常30〜200MPa、
好ましくは60〜150MPaである。保圧時間が、通
常1〜300秒間、好ましくは5〜150秒間である。
冷却時間が、通常5〜300秒間、好ましくは10〜1
50秒間である。シリンダ温度が高すぎると樹脂の分
解、劣化等が起こって成形体の機械的強度が低下した
り、着色したりする場合があり、低すぎると成形体に残
留応力が発生して、複屈折が大きくなったり、転写性が
悪くなる。金型温度が、高すぎると離型不良が発生し、
低すぎると複屈折が大きくなったり、転写性が悪くな
る。保圧時間が、長すぎると樹脂の分解、劣化等が起こ
り、短すぎると成形収縮が大きくなる。冷却時間は、長
すぎると生産性が低下し、短すぎると複屈折が大きくな
ったり、転写性が悪くなる。よって、これらの成形条件
が上記範囲にある場合、成形品であるプラスチックレン
ズの機械強度、複屈折、離型性、転写性、生産性等が高
度にバランスされて好適である。
脂を加熱溶融させて形成した溶融樹脂を、樹脂温度がガ
ラス転移温度以上にあるうちにプレス用金型を用いてプ
レス成形する方法、(2)射出成形によって形成した予
備成形体をプレス成形する方法、(3)樹脂のペレット
を直接金型に供給してプレス成形する方法、などの方法
を用いて成形することができる。
異物の混入を防止するため、成形時の環境中の異物を低
減させることが好ましく、樹脂の搬入、移送、成形の少
なくとも一つ以上の工程をクリーンルーム内で行うこと
が好ましく、全ての工程をクリーンルーム内で行うこと
がより好ましい。この場合のクリーンルーム内の清浄度
は、クラス10,000(空気500k3中の粒子径
0.5μm以下の粒子の数が10,000個以下)以上
のレベルであることが好ましく、クラス6,000(同
6,000個以下)以上のレベルであることがより好ま
しい。
式炭化水素重合体以外に、そのクロロホルム1%溶液
の、波長400nm、光路長10mmにおける吸光度が
0.05以下であるリン系酸化防止剤を含有しているこ
とが好ましい。該リン系酸化防止剤が含まれていると、
本発明の光学用成形体の、波長400nmの光線透過率
(T0)、及び、波長400nmのレーザー光線を積算
光量で500kJ/cm 2照射した直後の波長400n
mの光線透過率(T1)がより高くなる。このようなリ
ン系酸化防止剤は、フォスファイト系酸化防止剤やフォ
スフォネイト系酸化防止剤の中から選択する。具体的に
は、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリ
トールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)フォスファイトなどが挙げられる。上記
リン系酸化防止剤の含有量は、ビニル脂環式炭化水素重
合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2.
0部、より好ましくは0.02〜1.0部、最も好まし
くは0.05〜0.5部である。
ドフェノール基を含有するフェノール系酸化防止剤を、
ビニル脂環式炭化水素重合体100重量部に対して、
0.01〜0.2重量部含有していることが好ましい。
ヒンダードフェノール基を含有するフェノール系酸化防
止剤としては、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロオニルオキ
シ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、などが挙
げられる。上記範囲の量の該酸化防止剤を含有している
と。本発明の光学用成形体の、波長400nmの光線透
過率(T0)がより高くなる。尚、本発明の光学用成形
体は、上記のリン系酸化防止剤を含有する場合には、ヒ
ンダードフェノール基を含有するフェノール系酸化防止
剤を全く含有していなくてもよい。上記リン系酸化防止
剤及びヒンダードフェノール基を含有するフェノール系
酸化防止剤の配合方法としては、例えば有機溶剤を用い
た重合体の製造工程中において、該重合体が有機溶媒に
溶解した溶液に添加剤を溶解し、その後に溶剤を除去す
る方法や、溶剤が除去された重合体に2軸混練機などを
用いて添加剤を混練する方法などが挙げられる。
達成するための特性を損なわない範囲で各種の添加剤を
含有していてもよい。添加剤としては、例えば、ベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリレート系紫
外線吸収剤、金属錯塩系紫外線吸収剤などの紫外線吸収
剤;ヒンダードアミン系光安定剤などの光安定剤;リン
酸トリエステル、フタル酸エステル、一塩基酸脂肪酸エ
ステル、オキシ酸エステル、パラフィン、液状ポリマー
などの可塑剤や柔軟化剤;アルキルスルホン酸塩、ステ
アリン酸のグリセリンエステルなどの帯電防止剤;脂肪
族アルコール、脂肪族エステル、芳香族エステル、トリ
グリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸酸金
属塩などの離型剤;滑剤;重金属不活性化剤などが挙げ
られる。
ない範囲で選択すればよく、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤ないし光安定剤であれば、ビニル脂環式炭化水素
重合体100重量部当り、通常0.0001〜5.0重
量部、好ましくは0.001〜1.0重量部、より好ま
しくは0.01〜0.5重量部の範囲である。添加剤の
添加方法としては、例えば有機溶剤を用いた重合体の製
造工程中において、該重合体が有機溶媒に溶解した溶液
に添加剤を溶解し、その後に溶剤を除去する方法や、溶
剤が除去された重合体に2軸混練機などを用いて添加剤
を混練する方法などが挙げられる。
のレーザー光線を積算光量で500kJ/cm2照射し
た後であっても、該成形体中のビニル脂環式炭化水素重
合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
り測定した重量平均分子量をMw、数平均分子量をMn
としたときの分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下で
あることが好ましく、1.8以下であることがより好ま
しい。レーザー照射後の分子量分布が上記範囲である
と、400nmを中心とし、350〜450nmの短波
長領域のレーザー光線を高照射量で長期間透過させて使
用しても機械的強度が低下しない。レーザー光線照射後
の成形体中のビニル脂環式炭化水素重合体のMwは、成
形体をトルエン等の有機溶媒に溶解させて測定すること
ができる。
は有機化合物の層をその表面に有していることが好まし
い。無機化合物としては、金属酸化物、無機酸化物、金
属硫化物及び金属弗化物などが挙げられる。金属酸化物
の具体例としては、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、
酸化セリウム、酸化クロム、酸化ユーロピウム、酸化
鉄、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化ランタン、
酸化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウ
ム、酸化鉛、酸化プラセオジミウム、酸化サマリウム、
酸化アンチモン、酸化スカンプジウム、酸化スズ、酸化
チタン、一酸化チタン、三酸化二チタン、酸化タンタ
ル、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。その他の酸化物
(無機酸化物)の具体例としては、酸化ケイ素、一酸化
ケイ素などが挙げられる。金属硫化物の具体例として
は、硫化亜鉛などが挙げられる。金属弗化物の具体例と
しては、弗化アルミニウム、弗化バリウム、弗化セリウ
ム、弗化カルシウム、弗化ランタン、弗化リチウム、弗
化マグネシウム、クリオライト、チオライト、弗化ネオ
ジミウム、弗化ナトリウム、弗化鉛、弗化サマリウム、
弗化ストロンチウムなどが挙げられる。無機化合物層
は、上記化合物の中から屈折率の異なるものを、通常2
種類以上交互に積層するのが好ましい。無機化合物の層
を形成する方法としては、(1)真空蒸着法、イオンプ
レーティング法、スパッタリング法などの方法、(2)
上記無機化合物を分散させた溶液を塗布した後に溶媒を
除去する方法、(3)上記無機化合物からなるフィルム
(単層フィルムでも積層フィルムでも可)を接着する方
法、などが挙げられる。有機化合物としては、アクリル
樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。有機化合物層
の形成方法としては、上記樹脂の成分となるモノマーを
成形体表面に塗布し紫外線や電子線により硬化させる方
法、上記樹脂を有機溶媒に溶解させて成形体表面に塗布
し乾燥させる方法などが挙げられる。
光線を透過させて使用する光学部品として好適に使用で
きる。具体的には、光情報記録媒体用ピックアップレン
ズ、Fθレンズ、撮像系レンズ、ファインダーレンズ、
センサー用レンズなどに使用できるが、光情報記録媒体
の信号の記録及び再生用のプラスチックレンズとして最
も好適である。
長が350〜450nmの短波長範囲のレーザー光を用
いる光ピックアップ装置用として好適であるが、その他
の波長範囲、例えば450〜830nmの波長範囲のレ
ーザー光を用いる光ピックアップ装置用に用いることも
できる。
び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の
範囲はこれらの例に限定されるものではない。なお、
[部]および[%]は、特に断りのない限り、重量基準
である。
行った。 (1)分子量は、トルエンを溶媒にしてGPCで測定
し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を
求めた。同様に数平均分子量(Mn)を求め、MwとM
nの比(Mw/Mn)を分子量分布として算出した。 (2)水素添加率は1H−NMR法により測定した。 (3)光線透過率は可視分光光度計(日本分光社製V−
570)を用いて測定した。 (4)高照射量短波長レーザーの照射は、スガ試験機製
分光老化試験機XSPを用いて行った。照射条件は、4
00±10nmの光線を下記のレンズに積算光量で50
0kJ/cm2照射た。 (5)レンズの信頼性評価は、ブルー系レーザーを用い
て下記レンズで光ディスクを再生を行い、エラーレート
(ジッター)を菊水電子工業製KJM6735用いて測
定し、延べ1000時間再生後のその増加率を評価し
た。増加率が3%未満であるものを実用上問題なしとし
た。 (6)機械的強度は、上記(5)同様に下記レンズを用
いて光ディスクの再生を延べ1000時間行った後のレ
ンズのデュポン衝撃強度(R=1/2インチ、50%破
壊エネルギー)を測定し、再生を行わなかったレンズの
デュポン衝撃強度に対する低下率が1%未満であるもの
を良好、1%以上であるものを不良とした。
炭化水素重合体)の製造 乾燥し、窒素置換したステンレス製耐圧容器に、スチレ
ン(St)76部とイソプレン(IP)4部を密封して
混合攪拌し、組成が、重量比で(St/IP)=(95
/5)である混合モノマーを調整した。次に、乾燥し、
窒素置換した電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オー
トクレーブに、脱水シクロヘキサン320部、混合モノ
マー4部及びジブチルエーテル0.1部を仕込み、50
℃で撹拌しながらn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(濃度15%)0.18部を添加して重合を開始した。
同条件下で0.5時間重合反応を行った後(この時点で
の転化率は96%であった)、同条件下での重合反応を
継続しながらオートクレーブ中の重合反応溶液中に、7
6部の混合モノマーを1時間かけて連続的に添加した。
添加終了後(この時点での転化率は95%であった)、
同条件下で0.5時間重合を行った後、イソプロピルア
ルコール0.1部を添加して反応を停止させ、スチレン
−イソプレン共重合体を合成した。
00部に、安定化ニッケル水素化触媒E22U(日揮化
学工業社製;60%ニッケル担持シリカ−アルミナ担
体)8部を添加混合し、水素化反応温度を調節するため
の電熱加熱装置と電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製
オートクレーブに仕込んだ。仕込み終了後、オートクレ
ーブ内部を水素ガスで置換し、撹拌しながら、160℃
で、オートクレーブ内部の圧力が4.5MPaを保つよ
うに水素を供給しながら6時間水素添加反応を行った。
水素添加反応終了後、ラジオライト#800を濾過床と
して、加圧濾過器(フンダフィルター、石川島播磨重工
社製)を使用し、圧力0.25MPaで加圧濾過して、
無色透明な溶液を得た。次いで、得られた溶液に、重合
体固形分100部当り、酸化防止剤として、ビス(2,
4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォス
ファイト(クロロホルム1%溶液の、波長400nm、
光路長10mmにおける吸光度:0.01)0.1部を
加えて溶解させた。
(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次い
で濾液をゼータプラスフィルター3OS(孔径0.5〜
1μm、キュノ社製)で濾過し、さらに、金属ファイバ
ー製フィルター(孔径0.2μm、ニチダイ社製)で濾
過して異物を除去した。次いで、上記で得られた濾液
(重合体濃度=20%)を予備加熱装置で250℃に加
熱し、圧力3MPaで円筒型濃縮乾燥機(日立製作所
製)に連続的に供給した。濃縮乾燥機の運転条件は、圧
力60kPa、内部の濃縮された重合体溶液の温度が2
60℃となるように調節した。濃縮された溶液は、濃縮
乾燥機から連続的に導出し、さらに同型の濃縮乾燥機に
温度260℃を保ったまま、圧力1.5MPaで供給し
た。運転条件は、圧力1.5kPa、温度270℃とし
た。溶融状態の重合体は、濃縮乾燥機から連続的に導出
し、クラス100のクリーンルーム内でダイから押し出
し、水冷後、ペレタイザー(OSP−2、長田製作所
製)でカッティングしてペレット(ビニル脂環式炭化水
素重合体)を得た。ペレットは、表面を研磨したステン
レス製密閉容器に充填し、保管した。
た溶液を用いて、ガスクロマトグラフ(日立製作所社
製、G−3000:検出限界10ppm)により分析し
たところ、揮発成分含有量は150ppmであった。ま
た、このペレットについて、重量平均分子量(Mw)、
及び分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、Mw
=132,000、Mw/Mn=1.19であった。ま
た、水素添加率はほぼ100%、Tgは125℃であっ
た。さらに、孔径0.2μmのフィルターで濾過精製し
たトルエンを用い、このペレットを溶解させて1.5%
濃度の溶液とし、光散乱式微粒子検出器(KS−58、
リオン社製)を用いて、粒径0.5μm以上の異物個数
を測定した結果、2.1×103個/gであった。
ァナック社製、AUTOSHOTC MODEL 30
A)により、型締め力30t、樹脂温度260℃、型温
度100℃、射出圧力90MPaにて、光学有効径=
2.8mm、最小肉厚T=0.45mm、光軸上の肉厚
D=1.8mm(T/D=0.25)の両凸レンズを成
形した。混練及び成形はクラス1000のクリーンルー
ム内で行った。上記レンズの片面に、真空蒸着法によ
り、以下の膜構成、蒸着条件で反射防止膜を形成した。 第1層:五酸化タンタル(Ta2O5)と酸化ジルコニ
ウム(ZrO2)の混合物層(膜厚:λ0=550nm
として0.095λ0) 第2層:酸化ケイ素(SiO2)層(0.07λ0) 第3層:Ta2O5とZrO2の混合物層(0.225
λ0) 第4層:SiO2層(0.275λ0) 尚、λ0は、使用波長領域中で、反射率を最も小さくし
たい波長である。 (導光板側から第1,2,3,4層の順序)各層の蒸着条件 第2,4層:5×10−5torr、5オングストロー
ム/sec 第1,3層:0.8〜1×10−4torr、0.5〜
2オングストローム/sec 蒸着温度はいずれも約40℃。
率(T0)は90%であった。また、該レンズに、波長
400±10nmのレーザー光線を、積算照射量(積算
光量)が500kJ/cm2になるまで照射したとこ
ろ、400nmの光線透過率(T1)は89%であり、
光線透過率の保持率(T1/T0)は98.9%であっ
た。また、レーザー光線照射後の上記レンズをトルエン
に濃度1%で溶解し、溶液を0.1μmのカートリッジ
フィルターで濾過した後に、溶液中のビニル脂環式炭化
水素重合体の分子量分布(Mw/Mn)を測定したとこ
ろ、1.7であった。上記の照射を実施したものと同一
のレンズを、市販の光ディスクピックアップ装置に組み
込んで、400nmに中心波長をもつブルーレーザー
(波長400〜410nm)を用いて信号の再生を行っ
たところ、延べ1000時間経過してもエラーレートの
増加はなかった。さらに、照射後の機械的強度を上記方
法により評価したところ、強度低下は1%未満と良好で
あり、十分に実用可能なレベルであった。
ルジフォスファイトを添加しない以外は、製造例1と同
様の方法で重合、水素添加して得られた共重合体のペレ
ット100部に対してトリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト(旭電化製:アデカスタブ2
112、クロロホルム1%溶液の、波長400nm、光
路長10mmにおける吸光度:0.01)0.1部を加
えて2軸混練機にて、シリンダー温度200℃にて溶融
混練して再度ペレット状に調製した。このペレットを用
いた以外は、実施例1同様にレンズを成形した。得られ
たレンズの(T0)は89%、(T1)は87%であ
り、保持率(T1/T0)は97.8%であった。ま
た、レーザー光線照射後の上記レンズをトルエンに濃度
1%で溶解し、溶液を0.1μmのカートリッジフィル
ターで濾過した後に、溶液中のビニル脂環式炭化水素重
合体の分子量分布(Mw/Mn)を測定したところ、
1.8であった。上記のレーザー照射を実施したものと
同一のレンズを、市販の光ディスクピックアップ装置に
組み込んで、400nmに中心波長をもつブルーレーザ
ー(波長400〜410nm)を用いて信号の再生を行
ったところ、延べ1000時間経過した時点で、エラー
レートの僅かな増加(1%未満)があったが、実用上ま
ったく問題のないレベルであった。さらに、照射後の機
械的強度を上記方法により評価したところ、実施例1よ
りは若干劣っていたが、依然としてその強度低下は1%
未満で良好であり、実用可能なレベルであった。
ルジフォスファイト0.1部に変えて、ペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3部を
添加した以外は、製造例1と同様にビニル脂環式炭化水
素重合体ペレットを製造し、該ペレットを用いて実施例
1同様にレンズを成形した。得られたレンズの(T0)
は89%、(T1)は86%であり、保持率(T1/T
0)は96.6%であった。また、レーザー光線照射後
の上記レンズをトルエンに濃度1%で溶解し、溶液を
0.1μmのカートリッジフィルターで濾過した後に、
溶液中のビニル脂環式炭化水素重合体の分子量分布(M
w/Mn)を測定したところ、2.1であった。上記の
レーザー照射を実施したものと同一のレンズを、市販の
光ディスクピックアップ装置に組み込んで、400nm
に中心波長をもつブルーレーザー(波長400〜410
nm)を用いて信号の再生を行ったところ、延べ100
0時間経過した時点で、エラーレートの増加率が3%を
超えた。さらに、照射後の機械的強度を上記方法により
評価したところ、強度低下が1%以上で不良であった。
の短波長レーザー光線を高強度で透過させて情報記録媒
体への情報の書き込みや該媒体からの情報の読み出しを
行っても、長期間に亘りエラーレートが増加せず、機械
的強度の劣化もない光学用成形体が提供できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ビニル脂環式炭化水素重合体を成形して
なる光学用成形体であって、成形直後における波長40
0nmの光線透過率(T0)が88%以上であり、波長
400nmのレーザー光線を積算光量で500kJ/c
m2照射した直後における波長400nmの光線透過率
(T1)が、T0の97%以上であることを特徴とする
光学用成形体。 - 【請求項2】 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにより測定したビニル脂環式炭化水素重合体の分子量
分布(Mw/Mn)が2.0以下である請求項1記載の
光学用成形体。 - 【請求項3】 そのクロロホルム1%溶液の、波長40
0nm、光路長10mmにおける吸光度が0.05以下
であるリン系酸化防止剤を含有する請求項1又は2記載
の光学用成形体。 - 【請求項4】 ヒンダードフェノール基を有するフェノ
ール系酸化防止剤を、ビニル脂環式炭化水素重合体10
0重量部に対して0.01〜0.2重量部含有する請求
項1乃至3記載の光学用成形体。 - 【請求項5】 無機化合物又は有機化合物の層を表面に
有する請求項1乃至4記載の光学用成形体。 - 【請求項6】 光ディスク用ピックアップレンズである
請求項1乃至5記載の光学用成形体。
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