JP2018045251A - 光反射体用成形材料、光反射体、照明器具及び光反射体の製造方法 - Google Patents

光反射体用成形材料、光反射体、照明器具及び光反射体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、成形性が良好でバリが生じにくく、更に光反射体の光反射率を向上することができる光反射体用成形材料を提供する。
【解決手段】本発明に係る光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂と白色顔料とを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂が、65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルと、ジアリルフタレート、イソジアリルフタレート、並びにジアリルフタレート及びイソジアリルフタレートのうち少なくとも一方の化合物の重合体からなる群から選択される一種以上の化合物からなる架橋成分とを含有する。
【選択図】図1

Description

従来、発光ダイオ−ドなどの発光素子が発する光を反射させるために、光反射体(リフレクタ)を用いることが知られている。光反射体を製造するために用いられる樹脂の一つとして、不飽和ポリエステルが知られている(特許文献1)。不飽和ポリエステルは、不飽和ポリエステル(アルキッド)と、スチレン等の架橋剤とから構成される。不飽和ポリエステルは熱硬化性樹脂であるため、これが用いられると、光反射体の耐熱変色性が高くなるという利点がある。
更に、特許文献1は、不飽和ポリエステルとして結晶性不飽和ポリエスエルを用いることで、成形材料の流動性を向上し、それにより、白色顔料及び無機充填材の高充填による光反射率の向上、耐熱変色性の向上、保存形状安定性の向上等を図ることを、開示している。
特許第5153952号公報
本発明者らの研究の結果によると、光反射体用成形材料に単に熱硬化性樹脂として結晶性不飽和ポリエスエルを含有させる場合、光反射体にバリが生じたり、光反射体の光反射性が却って低下したりすることがある。また、光反射体の耐熱変色性の要求レベルは益々高くなっているのに対し、結晶性不飽和ポリエスエルを用いるだけでは、そのレベルを充分にクリアできなくなってきている。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、成形性が良好でバリが生じにくく、更に光反射体の光反射率を向上することができる光反射体用成形材料、この光反射体用成形材料から形成される光反射体、及びこの光反射体を備える照明器具、並びにこの光反射体の製造方法を提供することを目的とする。
第1の態様に係る光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂と白色顔料とを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂が、65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルと、ジアリルフタレート、イソジアリルフタレート、並びにジアリルフタレート及びイソジアリルフタレートのうち少なくとも一方の化合物の重合体からなる群から選択される一種以上の化合物からなる架橋成分とを含有する。
第2の態様に係る光反射体用成形材料では、第1の態様において、前記不飽和ポリエステル樹脂の、150℃でのICI粘度が1〜10Pa・sの範囲内である。
第3の態様に係る光反射体用成形材料は、第1又は第2の態様において、エポキシ樹脂を含有する。
第4の態様に係る光反射体用成形材料は、第1乃至第3のいずれか一の態様において、リン系酸化防止剤を含有する。
第5の態様に係る光反射体は、第1乃至第4のいずれか一の態様に係る反射体用成形材料から形成される。
第6の態様に係る照明器具は、第5の態様に係る光反射体を備える。
本発明によれば、光反射体用成形材料から光反射体を製造する際の成形性が良好であると共に光反射体にバリが生じにくく、更にこの光反射体の光反射率が向上すると共にその耐熱変色性も向上する。
本発明の一実施形態における、光反射体を備える発光装置を示す断面図である。 図1に示す発光装置を示す平面図である。 実施例における密着性に使用される基材及び成形体を示す斜視図である。
本実施形態に係る光反射体用成形材料(以下、成形材料という)は、光反射体1を製造するために用いられる。この成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂と、白色顔料とを含有する。
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエスエルと、架橋剤とを含有する。本実施形態では、不飽和ポリエステルが、65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルを含有する。更に架橋剤が、特定の成分(架橋成分)を含有する。架橋成分は、ジアリルフタレート、イソジアリルフタレート、並びにジアリルフタレート及びイソジアリルフタレートのうち少なくとも一方の化合物の重合体からなる群から選択される一種以上の化合物からなる。
すなわち、本実施形態では、不飽和ポリエスエル樹脂が、65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルと、架橋成分とを含有する。
不飽和ポリエスエル樹脂が架橋成分を含有すると、成形材料からの架橋剤の揮発が抑制される。このため、成形材料からの臭気の発生が抑制されて、作業環境が改善される。また、成形材料の組成の安定性が高くなる。
また、上記のような結晶性不飽和ポリエステルと架橋成分との組み合わせにより、結晶性不飽和ポリエステルの融点と架橋成分の軟化点とが近くなり、このため加熱混練によって均一性の高い成形材料が容易に得られる。更に、光反射体のガラス転移点が上昇し、光反射体の耐熱変色性が高くなる。
また、結晶性不飽和ポリエステルの融点が100℃以下であると、加熱混練時における加熱温度を100℃以下とすることが可能となり、このため、硬化反応を進行させることなく結晶性不飽和ポリエステルを溶融させることが容易となる。このため、硬化物を含まない成形材料が容易に調製される。
また、結晶性不飽和ポリエステルの融点が65℃以上であることで、光反射体の光反射率の低下が抑制される。その理由は次の通りであると推察される。成形材料が粉砕装置で粉砕される際に、粉砕装置が発する熱や摩擦熱等で結晶性不飽和ポリエステルが溶融してしまうと、成形材料がスラリー状となってしまう。このスラリー状の成形材料が粉砕装置におおける回転翼等の金属部品と衝突すると、成形材料が金属部品と接触した状態で擦れ合いやすくなる。そうすると、成形材料中の白色顔料、無機充填材等の硬質な成分と、金属部品とが擦れ合うことで、金属部品から金属粉が生じてこれが成形材料に混入しやすくなる。この金属粉が、光反射体の光反射率の低下を引き起こすと考えられる。しかし、結晶性不飽和ポリエステルの融点が65℃以上であると、成形材料が粉砕装置で粉砕される際に結晶性不飽和ポリエステルが溶融しにくくなる。そうすると、成形材料が回転翼等の金属部品と衝突すると、成形材料が速やかに粉砕されやすくなり、このため、成形材料と金属部品との擦れ合いが生じにくくなる。このため、成形材料中へ金属粉が混入しにくくなり、これにより光反射体の光反射率の低下が抑制される。
更に、65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルは、成形材料が成形される際に成形材料に適度な流動性を付与することができ、このため成形性が向上すると共に光反射体にバリが生じにくくなる。
以上により、本実施形態によれば、均一性の高い成形材料が容易に得られ、この成形材料から光反射体を製造する際の成形性が良好であると共に光反射体にバリが生じにくくなり、更に光反射体の光反射率と耐熱変色性が向上する。
本実施形態に係る成形材料について、更に詳細に説明する。
本実施形態において、結晶性不飽和ポリエステルは、結晶性を有する不飽和ポリエステルであって、融点を有し、常温下で固体であると共に融点以上では低粘度な液体である。結晶性不飽和ポリエステルが結晶性を有していることは、例えば結晶性不飽和ポリエステルを加熱して溶融させてから、−10℃/分の割合で室温まで冷却する場合に、白濁が生じることで、確認される。また、この結晶性は、結晶性不飽和ポリエステルを加熱して溶融させてから、−10℃/分の割合で室温まで冷却する場合に、偏光特性が生じることが、偏光顕微鏡を用いて観察されることでも、確認される。このような結晶性の確認は、例えばリンカム社製の顕微鏡用冷却加熱ステージを用いておこなわれる。
結晶性不飽和ポリエステルは、例えば不飽和多塩基酸を含む多塩基酸類とグリコール類とが脱水縮合することで得られる。
不飽和多塩基酸類は、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、及びグルタコン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。特に不飽和多塩基酸類が、フマル酸を含有することが好ましい。この場合、成形材料の成形性及び光反射体の耐熱変色性が、特に向上する。
多塩基酸類は、不飽和多塩基酸類に加えて飽和多塩基酸を含有してもよい。飽和多塩基酸類は、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、及びテトラブロム無水フタル酸からなる群から選択される少なくとも一種を含有することができる。特に飽和多塩基酸が、イソフタル酸とテレフタル酸とのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、成形材料の成形性及び光反射体の耐熱変色性が特に向上する。
グリコール類は、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド化合物、シクロヘキサンジメタノール、及びジブロムネオペンチルグリコールからなる群から選択される少なくとも一種を含有することができる。特にグリコールが、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。この場合、成形材料の成形性及び光反射体の耐熱変色性が特に向上する。
上記の多塩基酸類及びグリコール類の種類及び割合が適宜選択されることで、結晶性不飽和ポリエステルが得られる。結晶性不飽和ポリエステルを得るためには、特に、不飽和多塩基酸類がフマル酸を含有することが好ましい。飽和多塩基酸類が使用される場合は飽和多塩基酸類がイソフタル酸とテレフタル酸のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。グリコール類は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。不飽和多塩基酸類がフマル酸を含有し、飽和多塩基酸類がテレフタル酸を含有し、グリコール類が1,4−ブタンジオール及び1,5−ペンタンジオールを含有するならば、特に好ましい。
結晶性不飽和ポリエステルの酸価は、5〜40mg−KOH/gの範囲内であることが好ましい。
成形材料中の不飽和ポリエステルが結晶性不飽和ポリエステルのみを含有することが好ましいが、不飽和ポリエステルが、結晶性不飽和ポリエステルに加えて非結晶性不飽和ポリエスエル(非晶性不飽和ポリエスエル)を含有してもよい。但し、結晶性不飽和ポリエステルと非結晶性不飽和ポリエスエルとの合計量に対する結晶性不飽和ポリエステルの割合は、40質量%以上であることが好ましい。この場合、成形時の成形材料の粘度上昇が適度に抑制され、良好な成形性が確保される。
架橋成分について説明する。架橋成分は、上述の通り、ジアリルフタレート、イソジアリルフタレート、並びにジアリルフタレート及びイソジアリルフタレートのうち少なくとも一方の化合物の重合体からなる群から選択される一種以上の化合物からなる。
成形材料が架橋成分を含有することで、光反射体のガラス転移点が高くなり、そのため光反射体の耐熱変色性が向上する。これは、架橋成分の構造的な特徴に起因すると考えられる。特に架橋成分が一分子あたり二つのエチレン性不飽和結合を有することが、ガラス転移点の向上に寄与していると推察される。また、架橋成分は揮発性が低いため、成形材料が臭気を発しにくいと共に、架橋成分の揮発による組成の変動が生じにくくなる。また、成形材料が架橋成分を含有することで、成形材料の成形時の粘度上昇が適度に抑制される。これにより、光反射体におけるバリの発生が抑制される。
架橋成分の重量平均分子量は、2×104〜6×104の範囲内であることが好ましい。尚、この重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算値である。また、架橋成分の120℃での溶融粘度は、1〜10kPa/sの範囲内であることが好ましい。また、架橋成分のヨウ素価は、50〜100の範囲内であることが好ましい。また、架橋成分の軟化点は、50〜110℃の範囲内であることが好ましい。
成形材料中の架橋剤は、架橋成分のみを含有することが好ましいが、架橋剤が、架橋成分以外の化合物を含有してもよい。例えば、架橋剤が、従来の不飽和ポリエステル樹脂に架橋剤として配合されている公知の化合物を含有してもよい。例えば、架橋剤が、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等の、ビニル系の重合性モノマー;トリアリルシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの重合性モノマー;並びにこれらの重合性モノマーのうち一種以上の化合物が重合して成るプレポリマーからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
結晶性不飽和ポリエステルと架橋成分との合計量に対する架橋成分の割合は、特に制限されないが、10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、成形時の成形材料の粘度上昇が適度に抑制されることで成形性が更に向上する。更に、架橋点が適度に調整されることで、成形材料の硬化性が向上すると共に、光反射体の耐熱黄変性及び機械的物性が向上する。この割合が、20〜40質量%の範囲内であれば、更に好ましい。
成形材料は、硬化触媒を含有してもよい。この場合、結晶性不飽和ポリエステルと架橋成分との反応により、架橋構造が効率よく形成される。このため、成形材料の成形性と光反射体の形状安定性とが高まる。硬化触媒は、例えば硬化促進剤と重合開始剤のうち少なくとも一種を含有することができる。
重合開始剤は、例えば成形材料に用いられる加熱分解型の有機過酸化物を含有することができる。有機過酸化物は、例えばt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、及びジクミルパーオキサイドからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。重合開始剤は、特に10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物を含有することが好ましい。具体的には、重合開始剤が、特にジクミルパーオキサイドを含有することが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂が用いられる場合、成形材料は、硬化条件を調整するための重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤は、例えばハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、トルハイドロキノン、ジ−t−4−メチルフェノール、モノメチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、パラベンゾキノン、ピロガロール等のキノン類、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレンービス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系化合物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
成形材料が、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂のみを含有してもよいが、それ以外の熱硬化性樹脂を更に含有してもよい。但し、全熱硬化性樹脂に対する不飽和ポリエステル樹脂の割合は、50質量%以上であることが好ましい。
成形材料が、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を更に含有してもよい。この場合、光反射体と金属との密着性が向上する。このため、光反射体がリードフレーム等の金属製の部材と組み合わされる場合、金属製の部材から光反射体が脱離することが、抑制される。このため、光反射体の製造時の歩留まりが、改善する。本実施形態では、エポキシ樹脂は、エポキシ基を備えるモノマー、プレポリマー及びポリマーから選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
成形材料がエポキシ樹脂を含有する場合、成形材料全体に対するエポキシ樹脂の割合は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましく、1〜10質量%の範囲内であれば更に好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するのであれば、適宜の化合物を含有することができる。例えばエポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンとビスフェノールAや各種ノボラック類から合成されるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等を含有することができる。特に、エポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜300の範囲内、その軟化点が60〜110℃の範囲内であることが好ましい。
特に、エポキシ樹脂が、トリグリシジルプロピルイソシアネート(トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート、TEPIC)を含有することが好ましい。トリグリシジルプロピルイソシアネートは、例えば(2R,2R,2S)体((2R,2R,2S)−トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート)、(2S,2S,2R)体((2S,2S,2R)−トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート)、(2R,2R,2R)体((2R,2R,2R)−トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート)、及び(2S,2S,2S)体((2S,2S,2S)−トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート)という、四種の光学異性体を含有することができる。(2R,2R,2R)体と(2S,2S,2S)体との物質量の合計に対する、(2R,2R,2S)体と(2S,2S,2R)体との物質量の合計の比の値は、4以上であることが好ましい。この場合、トリグリシジルプロピルイソシアネートが、100℃程度の比較的低い加熱温度下で、良好な流動性を発揮する。このため、成形材料の調製時に成形材料が容易に混練され、また成形材料を用いた光反射体の製造時に成形材料の流動性が向上する。この比の値は、高ければ高いほどよい。それにより、光反射体の光反射性が向上すると共に成形材料の成形時の流動性がより高まる。比の値は、特に、5以上であればより好ましく、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、15以上、あるいは19以上であれば、更に好ましい。但し、光学的に純度の高い化合物を得るには困難が伴うため、比の値は、999以下であることが好ましく、99以下、50以下、或いは25以下であれば更に好ましい。
エポキシ樹脂が、トリグリシジルプロピルイソシアネート以外の化合物をさらに含んでもよい。例えば、エポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノール等の化合物のジグリシジエーテル;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;及び脂環族エポキシ樹脂からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エポキシ樹脂全量に対するトリグリシジルプロピルイソシアネートの割合は、30質量%以上であることが好ましい。エポキシ樹脂がトリグリシジルプロピルイソシアネートのみを含有することも好ましい。
エポキシ樹脂が用いられる場合、成形材料が、エポキシ樹脂の硬化剤を更に含有することが好ましい。硬化剤は、例えば酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体及びフェノール系硬化剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。硬化剤の分子量は100〜400の範囲内であることが好ましい。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の当量の比の値は、0.5〜2.0の範囲内であることが好ましい。
エポキシ樹脂が用いられる場合、成形材料は更に硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤は、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類;2−エチル−4メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレート等のリン化合物;4級アンモニウム塩;有機金属塩類;及び前記化合物の誘導体からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。特に硬化促進剤が、3級アミン類、イミダゾール類及びリン化合物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することが好ましい。
を用いることが好ましい。
硬化促進剤の含有率は、エポキシ樹脂に対して、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。
白色顔料は、成形材料から形成される光反射体1に、光反射性を付与する。白色顔料は、例えば酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
特に、白色顔料が、酸化チタン、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、及び硫化亜鉛からなる群から選択される一種以上の材料を含有することが好ましい。また、白色顔料が、熱伝導率の高い酸化アルミニウムを含有することも好ましい。
白色顔料が酸化チタンを含有する場合、酸化チタンは、例えばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、及びブルサイト型酸化チタンから選択される一種以上の材料を含有することができる。特に、ルチル型酸化チタンは熱安定性に優れているため、酸化チタンが、ルチル型酸化チタンを含有することが好ましい。
白色顔料の表面は、脂肪酸、カップリング剤等で表面処理されていてもよい。この場合、白色顔料の凝集、吸油等が抑制され、成形材料内での白色顔料の充填性が高くなる。
白色顔料の平均粒径は、2.0μm以下であることが好ましい。また、この平均粒径は、0.01μm以上であることが好ましい。この平均粒径は、0.03〜1.0μmの範囲内であることも好ましく、0.1〜0.7μmの範囲内であることも好ましく、0.2〜0.5μmの範囲内であることも好ましい。尚、白色顔料の平均粒径は、レーザー回折散乱法で測定される。
成形材料中の熱硬化性樹脂に対する白色顔料の割合は、100質量%以上であることが好ましい。この場合、光反射体1の耐熱変色性が特に高くなると共に、光反射体1の光反射性も特に高くなる。また、この白色顔料の量は、300質量%以下であることが好ましい。この場合、成形材料の成形性が特に高くなる。この白色顔料の量が150〜250質量%の範囲内であれば、特に好ましい。
成形材料は、白色顔料を除く無機充填材を更に含有してもよい。この場合、光反射体1の光反射性が更に高くなると共に、光反射体1の形状安定性が更に高くなる。また、無機充填材は、光反射体1の熱伝導率を高めることができる。それにより、光反射体1の熱による変色、劣化等が、更に抑制される。
無機充填材は、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、及びマイカからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
無機充填材は、特にシリカを含有することが好ましい。この場合、光反射体1の光反射性が更に高まると共に、光反射体1の形状安定性が更に高まる。シリカは、例えば、溶融シリカ粉末、球状シリカ粉末、破砕シリカ粉末、及び結晶シリカ粉末から選択される一種以上の材料を含有することができる。特にシリカが溶融シリカを含有することが好ましい。
無機充填材が、熱伝導性無機充填材を含有することも好ましい。この場合、光反射体の熱伝導性が特に高くなり、このため光反射体1の熱による変色、劣化等が、更に抑制される。熱伝導性無機充填材は、例えば結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等の熱伝導性フィラーからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
熱伝導性無機充填材は、金属含有充填材を含有することが好ましく、特にアルミニウム含有充填材を含有することが好ましい。アルミニウム含有充填材は、例えば水酸化アルミニウムを含有することができる。
無機充填材は、無機発泡粒子、シリカバルーン等の中空粒子を含有してもよい。
無機充填材の表面には、脂肪酸、カップリング剤等で表面処理されていてもよい。この場合、白色顔料の凝集、吸油等が抑制され、成形材料内での無機充填材の充填性が高くなる。
無機充填材の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。この場合、成形材料の成形性が特に良好になると共に、光反射体1の耐熱変色性及び耐湿性が特に高くなる。この平均粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。この場合、成形材料の取扱い性が良好になる。無機充填材の平均粒径は、80μm以下であればより好ましく、50μm以下であれば更に好ましい。また、無機充填材の平均粒径は、0.3μm以上であればより好ましい。更に、無機充填材の平均粒径が8〜20μmの範囲内であれば、成形材料の射出成形性が特に良好になる。なお、無機充填材の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定される。
成形材料中の熱硬化性樹脂に対する無機充填材の割合は、40質量%以上であることが好ましい。この場合、光反射体1の形状安定性が特に高くなる。この無機充填材の割合は、300質量%以下であることが好ましい。この場合、成形材料の成形性が特に高くなる。この無機充填材の割合が50〜250質量%の範囲内であれば、特に好ましい。
成形材料全体に対する、白色顔料と無機充填材との合計量の割合は、40〜80質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、成形材料の成形性が特に高くなると共に、光反射体1の耐熱変色性及び光反射性が特に高くなる。この割合が50〜70質量%の範囲内であれば、特に好ましい。
白色顔料と無機充填材との合計に対する白色顔料の割合は、30質量%以上であることが好ましい。この場合、光反射体1の光反射性が特に高くなる。この割合は、95質量%以下であることが好ましい。この割合は、35〜90質量%の範囲内であればより好ましく、40〜85質量%の範囲内であれば更に好ましい。
熱硬化性樹脂に対する、白色顔料と無機充填材との合計の割合は、500質量%以下であることが好ましい。この場合、成形時の成形材料の流動性が特に高くなる。この白色顔料と無機充填材との合計の割合は、100質量%以上であることが好ましい。この場合、光反射体1の光反射性が特に高くなる。この白色顔料と無機充填材との合計の割合は、100〜400質量%の範囲内であればより好ましく、200〜300質量%の範囲内であれば更に好ましい。
成形材料は、補強材を含有してもよい。この場合、成形材料の成形時の硬化収縮が抑制されると共に、光反射体1の強度が高くなり、更に光反射体1の寸法安定性が高くなる。補強材は、例えばBMC(バルク・モールディング・コンパウンド)、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)等のFRP(ファイバー・レインフォースド・プラスチックス)に用いられる補強材を含有することができる。
補強材は、例えば、ガラス繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ワラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムなどの炭酸塩のウィスカー、及びハイドロタルサイトから選択される一種以上の材料を含有することができる。特に、補強材が、ガラス繊維を含有することが好ましい。
ガラス繊維は、例えば珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラスを原料とするEガラス(電気用無アルカリガラス)、Cガラス(化学用含アルカリガラス)、Aガラス(耐酸用ガラス)、Sガラス(高強度ガラス)等のガラス繊維からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。ガラス繊維は、長繊維(ロービング)であっても、短繊維(チョップドストランド)であってもよい。ガラス繊維には表面処理が施されていてもよい。特に、ガラス繊維が、繊維径10〜15μmの範囲内のEガラス繊維が酢酸ビニル等の収束剤で収束され、続いてシランカップリング剤で表面処理された後、長さ3〜6mmの範囲内にカットされてなるチョップドストランドを含有することが好ましい。
熱硬化性樹脂100質量部に対する補強材の量は、10〜200質量部の範囲内であることが好ましい。この場合、成形材料の成形時の硬化収縮が特に抑制されると共に、光反射体1の強度が特に高くなる。この補強材の量は、20〜100質量部の範囲内であればより好ましく、30〜80質量部の範囲内であれば更に好ましい。
成形材料は、酸化防止剤を含有することが好ましい。この場合、光反射体の変色が更に抑制され、光反射体の経時的な光反射性の低下が、更に生じにくくなる。酸化防止剤は、例えばフェノ−ル系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。酸化防止剤は、発色団を生成する化合物を含有しないことが好ましい。
成形材料が、特にリン系酸化防止剤を含有することが好ましい。この場合、光反射体の、加工時の黄変及び経時的な黄変が、更に抑制され、これにより光反射体の光反射率の低下が更に抑制される。特に成形材料がトリグリシジルイソシアヌラートを含有する場合に、更にリン系酸化防止剤も含有すると、光反射体の光反射率の低下が、大幅に抑制される。
リン系酸化防止剤は、例えば9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト及びジステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。成形材料中のリン系酸化防止剤の割合は0.1〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
成形材料は、離型剤を含有してもよい。離型剤は、一般に用いられる脂肪酸系、脂肪酸金属塩系、鉱物系等のワックス類からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。特に、離型剤は、耐熱変色性に優れた脂肪酸系又は脂肪酸金属塩系の材料を含有することが好ましい。
離型剤は、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、及びステアリン酸カルシウムからなる群から選択される一種以上の材料を含有することが好ましい。
熱硬化性樹脂100質量部に対する離型剤の量は、1〜15質量部の範囲内であることが好ましい。この場合、成形時の光反射体1の良好な離型性と、光反射体1の優れた外観とが両立すると共に、光反射体1の光反射性が特に高くなる。
尚、成形材料は、上記成分以外に、着色剤、増粘剤、難燃剤、可撓性付与剤等の、適宜の添加剤を含有してもよい。
成形材料は、固体状であってよい。この場合、成形材料の保存安定性及びハンドリング性が高くなる。例えば成形材料は、粒状、粉末状等であってよい。特に成形材料が、30℃以下で固体であることが好ましい。この場合、粉砕加工、押出しペレット加工等で、成形材料が粒状に容易に加工されうる。成形材料が、50℃以下で保形性を有することも好ましい。この場合、成形材料の取扱い性、成形材料を使用する場合の作業性が、特に高くなる。
成形材料は、無溶媒で調製されてもよい。この場合、固体状の成形材料が容易に得られる。
成形材料の調製にあたっては、例えばまず上記のような原料が所定の割合で配合され、ミキサー、ブレンダー等の混合機で混合されることで、混合物が得られる。この混合物が加熱加圧可能な混練機、押出機等で混練される。混練機として、例えば加圧ニーダー、熱ロール、エクストルーダー等が用いられる。この混練時の加熱温度は、80〜120℃の範囲内であることが好ましい。この場合、結晶性ポリエステルが硬化することなく溶融することで、成形材料の均一性が高くなる。続いて混合物のバルク体が、粉砕・整粒され、或いは更に必要に応じて造粒されることで、粒状、粉末状、ペレット状等の成形材料が得られる。粉砕時に、本実施形態では結晶性ポリエステルが溶融しにくいため、金属摺れによる光反射体の光反射率の低下が抑制される。
成形材料を成形して硬化させることで、光反射体が得られる。成形方法として、射出成形法、射出圧縮成形法、トランスファ成形法等の適宜の溶融加熱成形法が適用可能である。特に、低コストで量産が容易なトランスファ成形法が適用されることが好ましい。トランスファ成形法では、金型温度は130〜180℃の範囲内、トランスファ圧力は5〜15MPaの範囲内、硬化時間は30〜180秒の範囲内であることが、好ましい。また、必要に応じてポストキュア処理が施されてもよい。
成形材料中の不飽和ポリエステル樹脂の、150℃でのICI粘度(高剪断粘度)が、1〜10Pa・sの範囲内であることが好ましい。この場合、成形時の成形材料に適度な流動性が付与され、成形性が特に良好になると共にバリの発生が効果的に抑制される。このICI粘度が0.2〜6Pa・sの範囲内であれば更に好ましい。この不飽和ポリエステル樹脂のICI粘度は、上述の結晶性不飽和ポリエステル及び架橋成分が用いられるならば、その組成を適宜調整することで、容易に調整される。
本実施形態では、成形材料の成形時の流動性が適切に調整されることで、評価用成形体に生じるバリの突出寸法の最大値が、5mm以下であることが好ましい。この場合、例えば光反射体の凹所の内面にバリが生じにくくなることで、バリが凹所内への発光素子の搭載を阻害することが、抑制される。また、光反射体上の発光素子がワイヤボンディング法などの公知の方法で適宜の導体と電気的に接続される場合に、バリが障害になりにくくなる。評価用成形体におけるバリの突出寸法の最大値は、3mm以下であればより好ましく、1mm以下であれば更に好ましい。
図1及び図2に、光反射体1を備える照明器具6の例を示す。この照明器具6は、光反射体1、金属製リードフレーム2及び発光素子3を備える。本例では、光反射体1に金属製リードフレーム2が埋め込まれていることで、光反射体1とリードフレーム2とが組み合わされている。尚、本実施形態に係る光反射体用樹脂成形材料から形成される光反射体及び照明器具の構造は、本例のみには限られない。
光反射体1は、ベース部11と、このベース部11の上面から突出する突出部12とを備える。突出部12には、その上面で開口する凹所13が形成されている。金属製リードフレーム2は、ベース部11に埋め込まれている。金属製リードフレーム2は、第一のリード21と第二のリード22とを備える。第一のリード21と第二のリード22の各々は、凹所13の底面で凹所13内に露出している。第一のリード21と第二のリード22は、ベース部11内で間隔をあけて配置されることで、第一のリード21と第二のリード22との間が電気的に絶縁されている。第一のリード21と第二のリード22は、ベース部11の下面でも外部に露出している。ベース部11の下面上に、第一のリード21上から第二のリード22上に亘る位置に絶縁性の部材5が設けられ、この部材5が、第一のリード21と第二のリード22との間の短絡を抑制する。
発光素子3として、例えば発光ダイオ−ドが用いられるが、これに限られない。発光素子3は、凹所13内で第一のリード21上に実装されている。更に凹所13内で、発光素子3と第一のリード21とが第一のワイヤ41で電気的に接続されると共に、発光素子3と第二のリード22とが第二のワイヤ42で接続されている。
この光反射体1の凹所13の内周面14は、凹所13の内径が開口側ほど大きくなるように傾斜している。このため、発光素子3から発せられる光が、光反射体1における凹所13の内周面14で反射しやすくなり、その結果、照明器具6からの光の取り出し効率が高くなる。
この照明器具6において、必要により、凹所13内が透明な樹脂で封止されてもよく、凹所13の開口が透明なカバ−で覆われてもよい。
このような金属製リードフレーム2が埋め込まれている光反射体1は、例えばインサ−ト成形法で製造される。すなわち、例えばトランスファ成形金型の内部に金属製のリードを配置し、この状態で、トランスファ成形金型内で光反射体用樹脂成形材料をトランスファ成形することで、光反射体1が形成される。
[実施例及び比較例]
後掲の表に示す原料を、シグマブレンダーを用いて均一に混合した後、100℃に加熱した熱ロールで混練することで、シート状の混練物を得た。この混練物を冷却・粉砕・整粒した。これにより、粒状の成形材料を得た。表中では、原料の配合量を、質量部で示している。
尚、後掲の表中に示す原料の詳細は、次の通りである。
不飽和ポリエステル
・結晶性不飽和ポリエステルA:融点55℃。
・結晶性不飽和ポリエステルB:融点65℃。
・結晶性不飽和ポリエステルC:融点75℃。
・結晶性不飽和ポリエステルD:融点100℃。
・結晶性不飽和ポリエステルE:融点105℃。
・非晶性不飽和ポリエステル:日本ユピカ株式会社製、品名ユピカ8552L、融点80℃。
架橋剤
・ジアリルフタレートプレポリマー:ダイソー株式会社製、品名イソダップ、重量平均分子量(ポリスチレン換算値)3×104〜5×104、120℃での溶融粘度1kPa・s、ヨウ素価78、軟化点50〜80℃。
・ジアリルフタレートモノマー:ダイソー株式会社製、品名ダップモノマー、分子量246.3、30℃での粘度8.5mPa・s、ヨウ素価202、常温で液体。
・スチレン:スチレンモノマー、旭化成ケミカルズ株式会社製。
エポキシ樹脂
・トリグリシジルプロピルイソシアネート:エポキシ当量100、((2R,2R,2S)体と(2S,2S,2R)体との合計物質量):((2R,2R,2R)体と(2S,2S,2S)体との合計物質量)=75:25、融点105℃、日産化学工業株式会社製、品名TEPIC−S。
硬化剤
・HHPA:ヘキサヒドロフタル酸無水物
硬化促進剤
・ジクミルパーオキサイド:日油株式会社製。
白色顔料
・酸化チタン:ルチル型酸化チタン、平均粒径0.4μm、タイオキサイドジャパン株式会社製、品名Tioxide RTC−30。
無機充填材
・シリカ:溶融シリカ、平均粒径25μm、電気化学工業株式会社製、品名FB−820。
・酸化アルミニウム:平均粒径0.5μm、電気化学工業株式会社製、品名DAW−05。
繊維状充填材
・ガラス繊維:平均繊維径3mm、オーエンスコーニングジャパン社製、品名CS03IE830A。
離型剤
・ステアリン酸亜鉛:堺化学工業株式会社製、品名SZ−P。
酸化防止剤
・HCA:リン系酸化防止剤、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、三光株式会社製。
・AO−60:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、株式会社ADEKA製、品名アデカスタブAO−60。
[評価]
1.性状
各実施例及び比較例における不飽和ポリエステル樹脂を、室温から加熱しながら、50℃、70℃及び90℃における不飽和ポリエステル樹脂の状態を観察した。その結果から、各温度での不飽和ポリエステル樹脂が、固体であるか、液体であるか、或いは固液混合状態であるかを、評価した。尚、この試験において、90℃で液体であれば、成形材料の加熱混練時に、硬化反応を進行させることなく結晶性不飽和ポリエステルを溶融させることが容易となり、硬化物を含まない成形材料が容易に調製されると、評価できる。
2.ICI粘度(150℃)
各実施例及び比較例における不飽和ポリエステル樹脂の、150℃でのICI粘度を測定した。
3.臭気
各実施例及び比較例で得られた成形材料の臭気の有無を、官能検査によって評価した。その結果、臭気が感じられない場合を“A”、臭気が感じられる場合を“B”と、評価した。
4.製造性
フィーダ安定性:容量式フィーダ(クマエンジニアリング社製 品番502)を用いて各実施例及び比較例で得られた成形材料を輸送した。この場合の、いわゆるブリッジなく連続輸送できた時間を測定した。
混練安定性:各実施例及び比較例において、成形材料をニーダ(栗本鐵工所製、品番S2KRC)で混練した。この混練時のニーダの電流負荷値が±1A以内であった場合を「A」、そうでない場合を「B」と、評価した。
連続粉砕性:各実施例及び比較例において、成形材料を粉砕装置で粉砕した。この場合の、成形材料中に金属粉の混入による着色が認められるまでに要した粉砕時間を測定した。
5.光反射率
各実施例及び比較例で得られた成形材料をトランスファ成形することで、評価用サンプルを作製した。トランスファ成形条件は、金型温度150℃、トランスファ圧力8MPa、硬化時間90秒とした。また、評価用サンプルの寸法は、直径5cm、厚み1mmとした。
この評価用サンプルの、波長460nmでの光反射率(初期光反射率)を、コニカミノルタ社製の分光測色計CM−3500dを用いて測定した。
続いて、この評価用サンプルに、150℃で1000時間加熱処理を施してから、この評価用サンプルの光反射率(加熱後光反射率)を測定した。
6.保存安定性
各実施例及び比較例で得られた成形材料を、調製直後に示差走査熱量測定(DSC)により分析し、発熱時の熱量を測定した。また、この成形材料を20℃の温度下で1ヶ月保存してから、この成形材料の発熱時の熱量を測定した。その結果、保存後の成形材料の発熱量が、調製直後の成形材料の発熱量の8割以上である場合を「A」、8割未満である場合を「B」と、評価した。
7.バリ評価
各実施例及び比較例で得られた成形材料をトランスファ成形することで、評価用サンプルを作製した。トランスファ成形条件は、金型温度150℃、トランスファ圧力8MPa、硬化時間90秒とした。この評価用サンプルにおけるバリの有無及びその程度を観察した。その結果、バリが認められず或いはバリの突出寸法が0.5mm以下である場合を“A”、バリの突出寸法が0.5mm以上、5mm未満の場合を“B”、バリの突出寸法が5mm以上の場合を“C”と、評価した。
8.荷重たわみ温度
各実施例及び比較例で得られた成形材料をトランスファ成形することで、評価用サンプルを作製した。トランスファ成形条件は、金型温度150℃、トランスファ圧力8MPa、硬化時間180秒とした。また、評価用サンプルの寸法は、ASTMに準拠したサイズとした。この評価用サンプルの荷重たわみ温度(高荷重)を、ASTM D−648に従って測定した。
9.密着性
12mm×49mm×1.5mmの寸法の、銀メッキ銅基板からなる基材7を用意した。各実施例及び比較例で得られた成形材料をトランスファ成形(インサート成形)することで、図3に示すように、基材7に重なる12mm×49mm×3mmの寸法の成形体8を作製した。基材7と成形体8との重なり幅は、12mmである。トランスファ成形条件は、金型温度150℃、トランスファ圧力8MPa、硬化時間180秒である。この基材7と成形体8の各々に、図3中の矢印方向の応力をかけることで、剪断密着強度を測定した。
1 光反射体
6 照明器具

Claims (7)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂と白色顔料とを含有し、
    前記不飽和ポリエステル樹脂が、
    65〜100℃の範囲内の融点を有する結晶性不飽和ポリエステルと、
    ジアリルフタレート、イソジアリルフタレート、並びにジアリルフタレート及びイソジアリルフタレートのうち少なくとも一方の化合物の重合体からなる群から選択される一種以上の化合物からなる架橋成分と
    を含有する光反射体用成形材料。
  2. 前記不飽和ポリエステル樹脂の、150℃でのICI粘度が1〜10Pa・sの範囲内である請求項1に記載の光反射体用成形材料。
  3. エポキシ樹脂を含有する請求項1又は2に記載の光反射体用成形材料。
  4. リン系酸化防止剤を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料から形成された光反射体。
  6. 請求項5に記載の光反射体を備える照明器具。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料をトランスファ成形することを特徴とする光反射体の製造方法。
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