JP3981527B2 - 光非線形材料の製造方法 - Google Patents

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Description

「技術分野」
本発明は、ガラスからなる光非線形材料、特に微細結晶粒子を含むもの及びその製造方法に関する。
「背景技術」
従来より、大容量の情報伝達のために、光ファイバなど光を利用する情報伝達が広く利用されるようになってきている。そして、このような情報伝達システムにおいては、光機能素子が必要であり、このために2次光非線形性を有する材料が重要である。このような2次光非線形性を有する材料としては、LiNbO等の結晶材料が広く利用されているが、光ファイバとの安定な接続、低い伝送損失、低コスト、広い透過波長域等の点を考慮すると、ガラス材料を用いたいという要求がある。
例えば、特開平10−111526号公報には、Ge添加SiOガラスに対し、紫外線励起ポーリング処理を施し、光非線形定数であるd定数として2.5pm/V以上の2次光非線形性を付与することが示されている。
このように、従来より紫外光ポーリングにより、ガラス材料にかなり大きな2次光非線形性を付与することが提案されている。しかし、ガラス材料に対し、より大きな2次光非線形性を有するガラス材料をより容易に製造することが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、改良された光非線形材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
「発明の開示」
本発明に係る非線形材料は、ガラス相中に、ガラス相を部分結晶化して得られた微細結晶粒子が分散していることを特徴とする。微細結晶粒子が存在していることで、大きな2次光非線形を発現することができる。
また、上記微細結晶粒子の粒径が10〜20μmであることが好適である。
また、ガラス材料に、紫外線強度10mJ/cm以上かつ電界強度3×10V/cm以上で紫外線励起ポーリング処理が施され、非線形光学定数であるd定数が1pm/V以上であることが好適である。
また、本発明に係る光非線形材料の製造方法は、ガラス材料に、部分結晶化処理を行うことを特徴とする。このように、微細結晶粒子を生成することで、ガラス材料に大きな2次光非線形を発現することができる。
また、ガラス材料に紫外線強度10mJ/cm以上かつ電界強度3×10V/cm以上で紫外線励起ポーリング処理を施し、非線形光学定数であるd定数を1pm/V以上とすることが好適である。
また、本発明に係る非線形材料の製造方法は、ガラス材料に対し、ガラス相を部分結晶化した微細結晶粒子を分散させる部分結晶化処理を行った後、さらに紫外光ポーリング処理を行うことを特徴とする。このように、予め部分結晶化処理を行っておくことで、比較的低電界中の紫外線励起ポーリングによって、ガラス材料に2次光非線形性を発現することができる。
また、上記部分結晶化処理が紫外光強度10mJ/cm以上かつ電界強度3×10V/cm以上の紫外線励起ポーリング処理であり、後工程の紫外線励起ポーリング処理は部分結晶化のための紫外線励起ポーリング処理より低電圧で行われることが好適である。
「発明を実施するための最良の形態」
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1、2は、本発明に係るSiO系ガラス材料を用いた光機能素子の構造を示す概略構成図である。光ファイバ10は、シリカガラス(SiO)を円柱状に延伸した構成をしており、Ge(ゲルマニウム)等がドープされ、屈折率が調整された中心部が光導通用のコア部10a、周辺部がクラッド部10bとして形成されている。
また、クラッド部10bには、一対のサイドホール12a、12bが形成されており、ここにアルミニウム線材からなる電極14a、14bが挿入配置されている。図から明らかなように、電極14a、14bは、コア部10aを挟んで対向して設けられている。
ここで、コア部10aは、Geが添加されており、2次光非線形性の大きさ(d定数)が、1pm/V以上に形成されている。
特に、このコア部10aは、ガラス相中に、ガラス相を部分結晶化して得られた微細結晶粒子が分散されている。分散している微細結晶粒子の粒径は、10〜20μmである。このように、微細結晶粒子がガラス相中に分散することで、十分大きな2次光非線形性を得ることができる。
このような素子は、次のようにして製造する。まず、サイドホール12a、12b内に電極14a、14bが挿入された光ファイバを用意する。この光ファイバ10の中心部には、Geが12モル%を超え、30モル%未満となるように添加されている。なお、光ファイバ10は、例えばプリフォームを順次積層形成する際のGeの添加量を異ならせてコア相当部分を形成した後、加熱状態で線引きして形成する。
光ファイバ10の直径は200μm、サイドホール12a、12b及び電極14a、14bの直径はほぼ40μm、電極14a、14bの長さは4cm程度、電極14a、14bの間隔は8〜10μm、光ファイバ10の長さは10cm程度とする。
ここで、電極14a、14bは、図1に示すように、異なる端からサイドホール12a、12bに挿入されており、その端部が異なる方向にのみ突出している。これは、電極14a、14b間での放電を防止するためである。空気の絶縁破壊電圧は、約10V/cmであり、それより大きな電界をコア部10aに印加するためには、空気が介在する経路をできるだけ長くとる必要がある。図1のような電極14a、14bの構成によって、コア部10aに高い電界印加が達成できる。
そして、電極14a、14b間に電圧を印加し、1×10V/cm以上の電界をコア部10aに印加する。この状態で、ArFエキシマレーザ(波長193nm)をパルスとして照射し、コア部10aに紫外線を照射する。このレーザのエネルギー密度は、20〜100mJ/cm程度とする。また、レーザパルスの照射回数は、10回程度が好ましい。
このような紫外線励起ポーリングによって、コア部10aのガラス相内に微細結晶粒子が生成される。
また、図3Aおよび図3Bには、本発明に係る平面導波路の構成を示してある。この平面導波路では、平板状のガラス基板20の表面上にGeを含むSiO薄膜22が形成されている。SiO薄膜22は、厚さ1〜5μm程度で、Ge濃度は1〜30モル%程度に設定されている。そして、このSiO薄膜22上に電極14a、14bが所定の間隙を介して対向するように形成されている。
そして、SiO薄膜22の、電極14a、14bの間隙に対応する部分は、紫外線励起ポーリングによって、その内部に微細結晶粒子が形成されており、光非線形を有するチャンネル部18となっている。
そして、電極14a、14b間に印加する電圧によってチャンネル部18の光学的性質を制御することができ、平面導波路が光機能素子として動作する。
このような平面導波路のチャンネル部に微細結晶粒子を形成するための紫外線励起ポーリングは、真空中で行うことが好ましい。図4にその構成を示す。真空チャンバ30は、十字型の管路からなっており、その三方は閉じており、一方が真空ポンプなどの排気系に接続されている。垂直方向の下方に延びる管路には試料載置台32が設けられ、その上に電極14a、14b及びSiO薄膜22が形成されたガラス基板20がセットされる。そして、電極14a、14bは真空チャンバ外部の電源に接続される。また、垂直方向の上方の管路は、石英ガラス34により封止されており、この石英ガラス34を介し、紫外線が照射されるようになっている。
このような装置により、紫外線をSiO薄膜22に照射した状態で、電極14a、14b間に高電圧を印加する。真空中では、空気中と相違し、絶縁破壊が起こらない。そこで、電極14a、14b間に所望の高電圧を印加して紫外線ポーリングを行うことができ、電極14a、14b間のSiO薄膜22(チャンネル部18)内に微細結晶粒子を分散生成することができる。そして、この微細結晶粒子の生成によって、ガラス材料に2次光非線形性を付与することができる。
なお、チャンネル部18を電極14a、14bも含め、SiOを覆うことで、電極14a、14b間の絶縁性を高めることも好適である。
図5に、上述のようにして作成されたガラス材料(Ge添加SiOガラス材料)のX線回折による分析結果を示す。横軸が回折角(Diffraction Angle)2θ/°であり、縦軸は強度(intensity:単位I/arb.units(任意単位))である。また、線源はCuKαである。このように、電界強度(Ep)3.0×10V/cm、紫外線照射(UV)1.0×10回(shot)の紫外線励起ポーリングを行ったガラス材料には、結晶に起因するピークが生成されており、ガラス相中に微細結晶生成されていることがわかる。また、この図より、紫外線の照射のみ(0V/cm,1.0×10shot)では結晶粒子が生成されないこともわかる。なお、図において、紫外線ポーリング前のガラス材料を0V/cm,0shotとして示してある。
図6は、結晶化を示すX線のピーク強度(Intensity:CPS(カウント/秒))、ピーク面積(peak area:arb.units)、及びd定数(pm/V)と、紫外線励起ポーリングにおける印加電界強度の関係を示したものである。図中強度を△、面積を●、d定数を◇で示してある。このように、結晶化の程度と、d定数との間には、よい相関が存在することがわかる。なお、この紫外線励起ポーリングにおける紫外線のエネルギーは100mJ/cm、パルス数10である。
ここで、紫外線励起ポーリングによって、光非線形性を発現させたガラス材料について、500℃程度の高温条件下に維持すると、一度発現した光非線形性が徐々に減少する。一方、このようにして、光非線形性が減少したガラス材料について、X解析などの結果では、微細結晶は消失していない。すなわち、ガラス相中における微細結晶粒子はそのままの状態を維持しながら、一旦発現した光非線形性が減少する。
そして、このようなガラス材料について、紫外線励起ポーリングをもう一度行った場合、比較的小さい電界強度により、2次光非線形性を発現することができる。すなわち、図7に◆で示すように、最初に3×10V/cm、100mJ/cmで紫外線励起ポーリングを行ったガラス材料について、一旦2次光非線形性を消失させたあと、もう一度ポーリングした場合には、0.5×10V/cm程度の電界の印加によって、d定数として、1pm/V以上の光非線形性を発現することができる。なお、1度目の紫外線励起ポーリングによる結果を図中●で示している。また、10mJ/cmという紫外線の照射により、結果を○で示してあり、このような紫外線の照射では電界を印加してもd定数が上昇しないことがわかる。
ここで、2度目の紫外線励起ポーリングにおいて、必要な0.5×10V/cmという電界強度は、空気が絶縁破壊を起こす電界強度とほぼ同等である。従って、電極間に絶縁材を配置するなどの簡単な絶縁処理を施すだけで、絶縁破壊を起こさず、2次光非線形性を発現するための紫外線励起ポーリングを行うことができる。
そこで、本発明のガラス材料を用いて光機能素子を作成し、これを高温条件下で使用する場合、定期的に紫外線励起ポーリングをやり直し、2次光非線形性を回復することができる。すなわち、このときの紫外線励起ポーリングにおいて必要な電界強度は、かなり低いため、真空中ではなく、空気中でそのままの状態で行うことができる。
また、平面導波路の場合には、上述のように、真空中で1回目の紫外線励起ポーリングを行い、薄膜中に微細結晶粒子を生成することが好適である。この場合、その後のアニール処理などによって、素子が高温下におかれ、薄膜の2次光非線形性が減少してしまうことが考えられる。しかし、この場合であっても、その後に紫外線励起ポーリングをやり直すことで、光非線形性を回復することができ、特にその際印加する電界強度は上述のように小さいため、他の構造に悪影響を及ぼす可能性が少ない。
また、半導体基板の一部にガラス基板を形成し、ここに光機能素子を形成するハイブリッド回路基板を好適に形成することができる。このハイブリッド回路基板は、例えば図8に示すように、Si基板40上の一部にガラス基板20を形成し、この上部にGe添加のSiO薄膜22を形成する。そして、このSiO薄膜22のチャンネル部18に紫外線励起ポーリングにより光非線形性を付与し素子を形成する。
一方、周辺のSi基板中には、発光素子40、受光素子42などの光電変換素子などを形成し、この光電変化素子によりガラス基板中に光を送受する。そして、この光を光機能素子によって、制御する。この場合においても、他の構造への悪影響がない段階で、1回目の紫外線励起ポーリング処理を行っておき、その後の処理でチャンネル部18における光非線形性が減少した場合に、2回目の比較的低電圧の紫外線励起ポーリングを行うことができる。
なお、2次光非線形性が発現されたガラス材料を高温中においた場合におけるd定数の緩和過程は、単一指数関数型で起こる。ガラス材料中に、微細結晶粒子が存在することは、これからもわかる。さらに、TEM型電子顕微鏡による観察においても、微細結晶粒子の存在が確認されている。
ここで、紫外線励起ポーリングによってガラス材料中に微細結晶を形成することができ、かつ光二次非線形性を付与することができる。これは、紫外線による励起と、電界の相互作用によると考えられる。一方、紫外線をその波面がそろった偏光とすれば、光は電磁波である関係から、紫外線の照射により一定方向の電場が生じると考えられる。
そこで、このような偏光紫外線の照射によって、電界を印加することなく、ガラス材料に二次光非線形性を印加することができる。なお、このような偏光紫外線は、固体レーザの高調波などが利用可能である。また、周波数ダブリングなどによって、得ることもできる。
また、ガラス相中に微結晶粒子を形成するためには、必ずしも電界を印加する必要はない。すなわち、紫外線を照射した状態で加熱することによって、微結晶粒子を形成することもできる。しかし、この場合には、微結晶粒子は形成できるが、十分な電場が存在しないため、2次光非線形性を十分付与することはできない。そこで、一旦微結晶粒子を分散形成したガラス材料について、その後紫外線ポーリングによって、光二次非線形性を付与することができる。これによって、印加電界を小さくでき、空気の絶縁破壊や他の素子に対する影響などを考慮することなく、紫外線ポーリングを行うことができる。
さらに、微結晶粒子が生成されると、その結晶に起因してガラス材料に3次光非線形性X(3)が増大される。図9および図10は、紫外線ポーリングにより得られたガラス材料についてのメーカーフリング法による第3次高調波発生(THG)の一例を説明する図である。図9が紫外線ポーリング処理前、図10が紫外線ポーリング処理後のTHGパターンである。紫外線ポーリングによりTHGパターンの形が大きく変化して、処理前とは異なるX(3)を持つ領域が生成されたことを示している。
図11は、このTHGパターンの解析に用いた原理図である。まず、基板表面側から紫外線を照射して、紫外線ポーリングを行うことにより、基板表面が結晶化される。そこで、この基板表面部の結晶化された領域が、処理前のX(3)とは異なる値のX(3)を持つと考えた。
従って、図10に示されたTHGパターンは、基板についてのTHGパターンと結晶化された表面領域のTHGパターンを組み合わせたものと考えられ、図10のTHGパターンから図9のTHGパターンを減算することで、結晶化した領域についてのTHGパターンが推定できる。その結果が、図11の中央上部に示されたパターンであり、これより結晶化した領域におけるX(3)の値を測定することができる。
図12にそのX(3)の値のポーリング電界(電場)依存性を示す。縦軸は、ポーリング前後におけるX(3)の変化を比で表している。このように、ポーリング電場が約0.5×10V/cmを境に、それ以上の電場ではX(3)は大きく増大し、0.5×10V/cmより小さい電場の場合に比べて、およそ15倍に大きくなっている。また、0.5×10V/cm以上では一旦10倍程度に小さくなった後に徐々に大きくなるが、0.5×10V/cmの前後のような大きな変化はない。
また、図13には、Geが添加されていないSiOガラスについてのX(3)も併せて示してある。このように、Ge添加SiOガラスを紫外線ポーリングしたものは、Geを添加していないSiOに比べると、約200倍に増大していることがわかる。
このような実験結果から、紫外線ポーリングによる結晶化によって、3次光非線形性が増大することが明らかである。
ここで、3次の光非線形性が大きくなる理由について、次の2つの理由が考えられる。
1)生じる結晶そのものが未知の結晶であり、結晶自体が大きな3次光非線形性をもっている、
2)結晶はガラスに比べて密度が大きいことが予想され、従って屈折率がガラスに比べて高く、光波が入射された場合に、光波の電場が高屈折率領域(結晶)に集中する、いわゆる局所電場効果がきいている。
また、これら2つが両方がかみ合わされている可能性も考えられる。
次に、図14には、上述のようにして得られた紫外線ポーリングを行ったSiOガラスを320℃に加熱した場合のX線回折のピーク強度を示す。図から明らかなように、8時間以上(30×10秒以上)320℃においても、変化がないことがわかる。このように、一旦紫外線ポーリングにより生成された結晶は、温度に対してきわめて優れた安定性を示す。なお、実験により、500℃程度の温度まで、同様に安定であることを確認している。
このように、紫外線ポーリングにより、ガラス材料3次の光非線形性を付与することができる。3次の光非線形性を備える材料は、電場内に位置させることによって、2次の光非線形性が発現する。そこで、材料中に分極などを残留させることによって、2次光非線形性をもつ材料を得ることができる。従って、3次の光非線形性を有する材料であれば、上述のようなガラス材料でなくても、紫外線励起ポーリング処理を行うことで、2次光非線形性を発現できると考えられる。
なお、3次の光非線形性を用いた光制御デバイスを目指した研究開発が盛んであり、大きな3次光非線形性を有する材料研究が注目されている。中でも、ガラス中に1〜10μm程度の直径を持つ金属や半導体微粒子を分散させ、局所電場効果により大きなX(3)を得るという研究が進んでいる。本発明は、このような微粒子分散がガラス中に起こったものと考えられる。
「産業上の利用分野」
大容量の情報伝達のために、光ファイバなど光を利用する情報伝達が広く利用されるようになってきている。そして、このような情報伝達システムにおいては、光機能素子が必要であり、本発明による光線形材料は、この光機能素子を構成する材料などに利用される。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施形態の構成を示す正面断面図である。
図2は、実施形態の構成を示す側面断面図である。
図3Aおよび図3Bは、平面導波路の構成を示す図である。
図4は、真空チャンバを利用した紫外線励起ポーリングを示す図である。
図5は、X線回折試験の結果を示す図である。
図6は、X線回折試験と、d定数の関係を示す図である。
図7は、複数回の紫外線励起ポーリングによるd定数を示す図である。
図8は、ハイブリッド回路の構成を示す図である。
図9は、第3次高調波発生(THG)の一例を説明する図(紫外線ポーリング処理前)である。
図10は、第3次高調波発生(THG)の一例を説明する図(紫外線ポーリング処理後)である。
図11は、THGパターンの解析に用いた原理図である。
図12は、X(3)の値のポーリング電界(電場)依存性を示す図である。
図13は、X(3)の値のポーリング電界(電場)依存性を示す図である。
図14は、X線回折のピーク強度を示す図である。

Claims (3)

  1. ガラス材料に対し、紫外光強度10mJ/cm2以上かつ電界強度3×104V/cm以上の紫外線励起ポーリング処理を施し、ガラス相中に、ガラス相を部分結晶化した微細結晶粒子を分散させる部分結晶化処理を行って、当該ガラス相に光非線形性を付与し、前記ガラス相の光非線形性が劣化した後、さらに部分結晶化のための紫外線励起ポーリング処理より低い電界強度で行われる紫外線励起ポーリング処理を行い光非線形性を回復させる光非線形材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    部分結晶化のための紫外線励起ポーリング処理の後、アニール処理を行い、その後に再度紫外線励起ポーリング処理を行う光非線形材料の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、
    部分結晶化のための紫外線励起ポーリング処理は真空中で行われ、その後に行われる紫外線励起ポーリング処理は大気中で行われる光非線形材料の製造方法。
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