JPH08328059A - 非線形光学材料およびこれを用いた光スイッチ素子 - Google Patents

非線形光学材料およびこれを用いた光スイッチ素子

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JPH08328059A
JPH08328059A JP13198295A JP13198295A JPH08328059A JP H08328059 A JPH08328059 A JP H08328059A JP 13198295 A JP13198295 A JP 13198295A JP 13198295 A JP13198295 A JP 13198295A JP H08328059 A JPH08328059 A JP H08328059A
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JP
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nonlinear optical
optical material
fine particles
matrix
light
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JP13198295A
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Inventor
Yoshiharu Kaneko
祥治 兼子
Shigeaki Omi
成明 近江
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅い応答の比率が小さい非線形光学材料を提
供する。また、高速での光制御が可能な光スイッチ素子
を提供する。 【構成】 本発明の非線形光学材料は、光学的に透明な
マトリックスに微粒子を分散させてなる非線形光学材料
であり、前記マトリックスが熱伝導率2W/mK以上の
物質からなり、前記微粒子のサイズが1〜500nmで
あることを特徴とする。また、本発明の光スイッチ素子
は、マトリックスに微粒子を分散させてなる非線形光学
材料によって光路の一部または全部が形成されており、
前記非線形光学材料によって光制御する光スイッチ素子
であり、前記非線形光学材料が状基本発明の非線形光学
材料であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学材料および
この非線形光学材料を用いた光スイッチ素子に係り、特
に、光学的に透明なマトリックスに微粒子を分散させて
なる非線形光学材料およびこの非線形光学材料を用いた
光スイッチ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光の波長に比べて十分に小さい金属微粒
子、半導体微粒子もしくは複合微粒子をガラス、高分
子、結晶等の透明マトリックス中に分散させた材料にお
いて、3次の非線形光学特性が観察されており、当該材
料(以下「非線形光学材料」という)が比較的大きな非
線形感受率を示すこと、また数ピコ秒という高速の非線
形光学応答を示すこと等が既に報告されている(例え
ば、Opt.Lett.,12,832 (1987)、Appl.Phys.,A47,347 (1
988)、および J.Ceram.Soc.Japan,101,1340 (1993)参
照)。このため、当該非線形光学材料は光スイッチ素子
や光コンピュータ等に用いる非線形光学材料として注目
を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非線形光学材料においては、上述した数ピコ秒という高
速の非線形光学応答(以下「速い応答」という)とは別
に、数100ピコ秒程度の非線形光学応答(以下「遅い
応答」という)が存在する(J.Opt.Soc.Am.,B7,790 (19
90)参照)。このような遅い応答が存在する非線形光学
材料を例えば光スイッチ素子用の非線形光学材料として
用いると、前記の遅い応答が存在することから、高繰り
返し応答が可能でかつ高S/N比の素子を得ることが困
難であった。
【0004】本発明の第1の目的は、遅い応答の比率が
極めて小さい非線形光学材料を提供することにある。
【0005】また、本発明の第2の目的は、光制御を高
速で繰り返し行うことが可能な光スイッチ素子を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、非線形光
学材料における非線形光学応答のメカニズムについて鋭
意研究した結果、光照射によって金属微粒子内に発生し
た熱が透明マトリックスへ放散する過程に対応して上述
の遅い応答が生じること、およびマトリック材料の特定
の物性と前記の遅い応答との間に相関があることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】上記第1の目的を達成する本発明の非線形
光学材料は、光学的に透明なマトリックスに微粒子を分
散させてなる非線形光学材料であり、前記マトリックス
が熱伝導率2W/mK以上の物質からなり、前記微粒子
のサイズが1〜500nmであることを特徴とするもの
である。
【0008】また、上記第2の目的を達成する本発明の
光スイッチ素子は、マトリックスに微粒子を分散させて
なる非線形光学材料によって光路の一部または全部が形
成されており、前記非線形光学材料によって光制御する
光スイッチ素子であり、前記非線形光学材料が上述した
本発明の非線形光学材料であることを特徴とするもので
ある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の非線形光学材料について説明すると、この非線形光
学材料は、上述のように熱伝導率が2W/mK以上であ
る光学的に透明なマトリックスにサイズが1〜500n
mの微粒子を分散させてなるものである。
【0010】ここで、本発明でいう「光学的に透明なマ
トリックス」とは、当該マトリックスに分散させようと
する微粒子が金属(合金を含み、半導体を除く)からな
る場合には、当該微粒子の表面プラズモン吸収波長域に
おける光吸収係数αが概ね10cm-1以下であるものを
意味する。また、マトリックスに分散させようとする微
粒子が半導体(前記の金属を除く)からなる場合には、
当該微粒子における量子閉じ込め効果により離散化した
量子レベル間で共鳴する光吸収波長域における光吸収係
数αが概ね10cm-1以下であるものを意味する。
【0011】本発明の非線形光学材料の非線形光学特性
は、微粒子の吸収ピーク(上記の表面プラズモン吸収の
ピークまたは上記の量子レベル間で共鳴する光吸収のピ
ーク。以下同じ。)波長近傍で最も増大するので、当該
非線形光学材料は前記の吸収ピーク近傍の波長領域で使
用することが望ましい。したがって、この吸収ピーク波
長近傍にマトリックスの吸収が存在すると、入射した光
がこの吸収によって消失ないし減衰してしまうため好ま
しくない。マトリックスにおける前記の光吸収係数αは
5cm-1以下であることが特に好ましい。
【0012】また、本発明においてマトリックスを熱伝
導率が2W/mK以上の物質に限定する理由は、次の通
りである。すなわち、本発明者等の研究によれば、マト
リックスの熱伝導率が2W/mK以上である場合に前述
の遅い応答の割合が急激に低減し、非線形光学応答が高
速になるからである。
【0013】熱伝導率が2W/mK以上である光学的に
透明なマトリックスを形成することができる物質の具体
例としては、ダイヤモンドや、GaAs,GaP,In
P,SiC,ZnS,CdS,ZnSe,CdSe,Z
nTe,CdTe等の半導体、SiO2 ,Al23
TiO2 ,LiNbO3 ,MgO,Y23 ,MgO・
Al23 ,MgO・SiO2 ,MgTiO2 ,Y3Al
512 (YAG),Y3Ga512 ,Yb3Al512
Yb3Ga512 等の酸化物、あるいはAlN,Si3
4 ,BN等の窒化物が挙げられ、これらは熱伝導率が2
W/mK以上であれば単結晶体であってもよいし多結晶
体であってもよい。これらの物質は、熱伝導率が2W/
mK以上である光学的に透明なマトリックスを形成する
ことができるばかりでなく、光スイッチ等の非線形光学
素子を用いた光学系で利用される光に対して透明であ
り、また、光学材料として実用上十分な耐久性、耐光性
を有している。
【0014】なお、マトリックスは光学的に等方なもの
であることが好ましい。マトリックスに光学的な異方性
があると、方向によって屈折、吸収、反射等の光学特性
が異なり、これによって非線形光学特性にも方向による
差異が生じる。
【0015】本発明の非線形光学材料は、上述した物質
からなるマトリックスにサイズが1〜500nmの微粒
子を分散させてなる。微粒子のサイズが1nm未満で
は、この微粒子を上記のマトリックスに分散させること
によって発現する非線形光学特性が微弱になり、光スイ
ッチ等の非線形光学素子に利用することができる非線形
光学材料を得ることが困難になる。一方、微粒子のサイ
ズが500nmを超えると、この微粒子を上記のマトリ
ックスに分散させることによって発現する非線形光学特
性が微弱になる他、当該微粒子による光散乱が強くなっ
て光損失が増大するので、光スイッチ等の非線形光学素
子に利用することができる非線形光学材料を得ることが
困難になる。微粒子のサイズは1〜100nm以下であ
ることが特に好ましい。なお、本発明でいう微粒子のサ
イズとは、微粒子の形状が球形である場合にはその直径
を意味し、微粒子の形状が非球形である場合には長手方
向の長さを意味する。
【0016】上述の微粒子は、そのサイズが1〜500
nmである他、前述のマトリックスに分散させることに
よって非線形光学材料が得られるものであればよく、こ
のような微粒子の具体例としては下記(1) 〜(5) のもの
が挙げられる。
【0017】(1) Cu,Au,Ag,Sn,Pt,P
d,Ni,Co,Rh,Ir,Fe,Ru,Os,M
n,Mo,W,Nb,Ta,Bi,SbおよびPbから
選ばれた金属単体からなるもの。
【0018】(2) Cu,Au,Ag,Sn,Pt,P
d,Ni,Co,Rh,Ir,Fe,Ru,Os,M
n,Mo,W,Nb,Ta,Bi,SbおよびPbから
選ばれた金属同士の合金からなるもの。
【0019】(3) Cu,Au,Ag,Sn,Pt,P
d,Ni,Co,Rh,Ir,Fe,Ru,Os,M
n,Mo,W,Nb,Ta,Bi,SbおよびPbから
選ばれた1種または複数種を総量で80 mol%以上含む
合金からなるもの。
【0020】(4) Si,Ge,AlSb,InP,Ga
As,GaP,ZnS,ZnSe,ZnTe,CdS
e,CdTe,PbS,PbSe,PbTe,SeT
e,CuCl,CuBr,CuI,TlCl,TlB
r,TlI,SixGe(1-x)(0<x<1),Znx
yPb(1-x-y)zSewTe(1-z-w)(0≦x≦1,0
≦y≦1,0≦z≦1,0≦w≦1)およびTlxCu
(1-x)ClyBrz(1-y-z)(0≦x≦1,0≦y≦1,
0≦z≦1)から選ばれた半導体またはこれらの半導体
の2種以上の固溶体からなるもの。
【0021】(5) 上記(1) 〜(4) の材料からなる微粒子
を、当該微粒子およびマトリックスと異なる物質で被覆
したもの(以下「複合微粒子」ということがある)。こ
の場合、前記異なる物質の具体例としては、例えばマト
リックスがZnSで、前記の微粒子がCu微粒子である
場合には、Ag,CdS,CdSe等が挙げられる。
【0022】光スイッチ等の非線形光学素子を用いた光
学系では、通常、波長300〜2000nmの光が利用
されるわけであるが、上記(1) 〜(3) の微粒子の表面プ
ラズモン吸収ピークおよび上記(4) 〜(5) の微粒子の量
子レベル間で共鳴する光吸収ピークは300〜2000
nmの波長域内にある。したがって、これらの微粒子を
前述の物質からなるマトリックスに分散させることによ
り、実用的な非線形光学材料を得ることが可能なる。上
記(1) 〜(5) の微粒子のなかでも、Cu,Au,Agも
しくはSnまたはこれらの金属同士の合金からなるも
の、Si,GaAs,ZnS,ZnSe,ZnTe,C
dSe,CdTe,PbS,PbSe,PbTe,Se
Te,CuCl,CuBrおよびCuIから選ばれた半
導体またはこれらの半導体の2種以上の固溶体からなる
もの、ならびにこれらの金属および半導体から構成され
る複合微粒子が好ましい。
【0023】非線形光学材料に占める微粒子の割合は、
目的とする非線形光学材料の用途、微粒子の材質、マト
リックスの材質等に応じて適宜変更可能であるが、概ね
0.0001〜80体積%の範囲内である。なお、上記
(4) の微粒子を用いる場合、この微粒子は当該微粒子と
は材質的に異なるマトリックスと組み合わせて用いるこ
とが好ましい。
【0024】上述した微粒子を前述した物質からなるマ
トリックスに分散させてなる本発明の非線形光学材料
は、例えばイオン注入法、ゾル−ゲル法、スパッタ法、
蒸着法、レーザーアベレーション法、CVD法等の方法
により製造することができる。イオン注入法による製造
は、例えば、所望のマトリックス材料に微粒子材料のイ
オンを高速で打ち込み、必要に応じて熱処理を行うこと
により行うことができる。
【0025】ゾル−ゲル法による製造は、例えば、マト
リックス原料と微粒子原料とを含有したゾル溶液を調製
し、このゾル溶液をゲル化してゲル体を得た後、このゲ
ル体に熱処理を施して当該ゲル体を硬質化するとともに
微粒子を析出させることにより行うことができる。
【0026】また、スパッタ法による製造は、例えば、
通常のスパッタ装置を用いて基板(例えば、石英ガラス
等)上にマトリックス材料を層状に堆積させた後、この
上に微粒子材料を島状に堆積させ、前記マトリックス材
料の堆積と前記微粒子材料の堆積を所望回数繰り返した
後に必要に応じて熱処理を施すことにより行うことがで
きる。
【0027】蒸着法による製造は、例えば、通常の蒸着
装置を用いて基板(例えば、石英ガラス等)上にマトリ
ックス材料を層状に堆積させた後、この上に微粒子材料
を島状に堆積させ、前記マトリックス材料の堆積と前記
微粒子材料の堆積を所望回数繰り返した後に必要に応じ
て熱処理を施すことにより行うことができる。
【0028】レーザーアベレーション法による製造は、
例えば、通常のレーザーアベレーション装置を用いて基
板(例えば、石英ガラス等)上にマトリックス材料を層
状に堆積させた後、この上に微粒子材料を島状に堆積さ
せ、前記マトリックス材料の堆積と前記微粒子材料の堆
積を所望回数繰り返した後に必要に応じて熱処理を施す
ことにより行うことができる。
【0029】CVD法による製造は、例えば、通常のC
VD装置を用いて基板(例えば、石英ガラス等)上にマ
トリックス材料を層状に堆積させた後、この上に微粒子
材料を島状に堆積させ、前記マトリックス材料の堆積と
前記微粒子材料の堆積を所望回数繰り返した後に必要に
応じて熱処理を施すことにより行うことができる。
【0030】なお、マトリックス材料を層状に層状に堆
積させる工程および微粒子材料を島状に堆積させる工程
は、上述のスパッタ法、蒸着法、レーザーアベレーショ
ン法およびCVD法を適宜組み合わせて行うことができ
る。また、マトリックス材料層の形成は、ゾル−ゲル法
によるディップコートにより行うこともできる。
【0031】上述のようにして得ることができる本発明
の非線形光学材料は、遅い応答の比率が極めて小さく、
高速の非線形光学応答を示す。ここで、本発明でいう遅
い応答の比率とは、ポンプ−プローブ法、縮退四光波混
合法等の非線形応答測定法において測定される非線形応
答曲線を遅い応答と速い応答とに成分分離し、その0点
(非線形応答の原点)におけるそれぞれの非線形信号の
強度を求め、速い応答に対する遅い応答の比率を意味す
る。
【0032】次に、本発明の光スイッチ素子について説
明する。本発明の光スイッチ素子は、前述したように、
マトリックスに微粒子を分散させてなる非線形光学材料
によって光路の一部または全部が形成されており、前記
非線形光学材料によって光制御するものであり、前記非
線形光学材料が上述した本発明の非線形光学材料からな
ることを特徴とするものである。
【0033】上記の光スイッチ素子の具体例としては、
ファブリ・ペロー共振器型,導波路型(マッハツェンダ
ー型,方向性結合器型等)等の各種形態の全光型光スイ
ッチ素子が挙げられる。前記のファブリ・ペロー共振器
型の光スイッチ素子は、例えば、前述した本発明の非線
形光学材料からなる平板を2枚の平行なハーフミラー中
に配置することにより得ることができる。また、前記の
導波路型の光スイッチ素子は、例えば、当該光スイッチ
素子中の光路の一部または全部を前述した本発明の非線
形光学材料によって形成することにより得ることができ
る。
【0034】上述した光スイッチ素子は、例えば次のよ
うにして駆動されて光制御を行う。すなわち、光スイッ
チ素子にポンピング光を入射させ、光スイッチ素子から
の出射光強度をオフ状態にしたい場合にはポンピング光
の入射強度が前記の非線形光学材料に非線形光学応答を
生じさせない強度となるように当該ポンピング光の入射
強度を調整し、光スイッチ素子からの出射光強度をオン
状態にしたい場合にはポンピング光の入射強度が前記の
非線形光学材料に非線形光学応答を生じさせる強度とな
るように当該ポンピング光の入射強度を調整する。
【0035】あるいは、非線形光学材料に非線形光学応
答を生じさせない入射光強度のバイアスポンピング光
と、このバイアスポンピング光と同一波長のトリガーポ
ンピング光とを光スイッチ素子に入射させ、光スイッチ
素子からの出射光強度をオフ状態にしたい場合には、バ
イアスポンピング光とトリガーポンピング光とが重畳さ
れた光の入射強度が前記の非線形光学材料に非線形光学
応答を生じさせない強度となるようにトリガーポンピン
グ光の入射強度を調整し、光スイッチ素子からの出射光
強度をオン状態にしたい場合には、バイアスポンピング
光とトリガーポンピング光とが重畳された光の入射強度
が前記の非線形光学材料に非線形光学応答を生じさせる
強度となるようにトリガーポンピング光の入射強度を調
整する。
【0036】
【作用】本発明の非線形光学材料は、これを構成するマ
トリックスが熱伝導率2W/mK以上の物質からなる。
非線形光学材料への光の入射に伴って、マトリックス中
に分散されている微粒子に熱が発生するが、この熱は、
マトリックスの熱伝導率が2W/mK以上と高いことか
ら高速でマトリックス中に放散し、さらに、マトリック
スから雰囲気中に高速で放散する。このため、微粒子へ
の熱の蓄積およびマトリックスへの熱の蓄積が抑制さ
れ、その結果として、従来の非線形光学材料に比べて遅
い応答の比率が低減し、また、遅い応答がより高速化さ
れて、非線形光学応答が高速化される。
【0037】また、本発明の光スイッチ素子では、光路
の一部または全部が本発明の非線形光学材料からなり、
この非線形光学材料によって光制御されるわけである
が、当該非線形光学材料の非線形光学応答の速度は上述
のように従来の非線形光学材料に比べて高速であるの
で、光制御を高速で行うことが可能になる。また、光制
御を高速で繰り返し行うことも可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 マトリックス材料としてZnS多結晶基板(1cm角,
厚さ0.1mm,熱伝導率2.6W/mK)を用意し、
市販のイオン注入装置を用いて加速エネルギー160k
eVの条件下で前記のZnS多結晶基板にドーズ量1×
107 イオン/cm2 までCu+ イオンを注入して、C
u微粒子を析出させた。これにより、ZnS多結晶基板
にCu微粒子を分散させてなる非線形光学材料が得られ
た。この非線形光学材料を透過型電子顕微鏡で観察した
ところ、ZnS多結晶基板の表面(イオン注入を行った
側の表面)から50nmの深さまでCu微粒子の析出が
認められ、当該Cu微粒子はほぼ球形をなし、その平均
半径は20nmであった。また、非線形光学材料(イオ
ン注入部)に占めるCu微粒子の割合は約50体積%で
あった。
【0039】上記の非線形光学材料について、ポンプ−
プローブ方式の縮退四光波混合法に基づく測定装置を用
いて、透過光の強度変化(吸収変化)から非線形光学応
答を測定した。このとき、ポンプ光としては波長630
nm,パルス幅100フェムト秒(以下フェムト秒を
「fs」と略記する),強度0.5mJ/cm2 の単色
光を用い、プローブ光としてはパルス幅100fs,強
度5μJ/cm2 の白色光を用いて、大気中、室温下で
測定した。この結果(信号光の強度減衰)を図1に実線
で示す。なお、ポンプ光およびプローブ光のパルス間隔
は100マイクロ秒(以下マイクロ秒を「μs」と略記
する)とした。
【0040】図1に実線で示したように、上記条件下で
の非線形光学応答は応答時間が約3ピコ秒(以下ピコ秒
を「ps」と略記する)という高速のものであり、これ
より遅い非線形光学応答は観測されなかった。また、S
/N比は50以上であった。また、上記のポンプ光およ
びプローブ光のパルス間隔をそれぞれ20psとした以
外は上記と同様にして非線形光学応答を測定したとこ
ろ、パルス間隔が100nsのポンプ光およびプローブ
光を入射させた上記の測定の場合と同様の結果が得られ
た。このときのS/N比は約50であった。これらのこ
とから、上記の非線形光学材料は約3psという高速の
非線形光学応答性を有し、約50ギガビット/秒の高帯
域デジタル光信号のスイッチング動作が可能であると予
測される。
【0041】比較例1 熱伝導率が本発明の範囲外である白板ガラス(ソーダラ
イムガラス,1cm角,厚さ0.1mm,熱伝導率0.
5W/mK)をマトリックス材料として用いた以外は実
施例1と同様にして、白板ガラスにCu微粒子を分散さ
せてなる非線形光学材料を得た。この非線形光学材料に
おけるCu微粒子の平均半径は23nmであり、当該非
線形光学材料(イオン注入部)に占めるCu微粒子の割
合は50体積%であった。この非線形光学材料につい
て、実施例1と同様にして透過光の強度変化(吸収変
化)から非線形光学応答を測定した。このとき、ポンプ
光としては波長590nm,パルス幅100fs,強度
0.5mJ/cm2 の単色光を用い、プローブ光として
はパルス幅100fs,強度5μJ/cm2 の白色光を
用いて、大気中、室温下で測定した。この結果(信号光
の強度減衰)を図1に破線で示す。なお、ポンプ光およ
びプローブ光のパルス間隔は100μsとした。
【0042】図1に破線で示したように、上記条件下で
の非線形光学応答は、応答時間が約5psという高速の
もの(以下「速い応答」という)の他に応答時間が25
0psという遅い応答を含むものであった。そして、速
い応答と遅い応答の成分比は、0点(非線形応答の原
点)におけるピーク高さの比で6:1であった。なお、
0点におけるピーク高さの比は、速い応答と遅い応答と
を下式により成分分離し、この結果から求めた。
【0043】
【数1】
【0044】また、上記のポンプ光およびプローブ光の
パルス間隔をそれぞれ20psとした以外は上記と同様
にして非線形光学応答を測定しようとしたところ、ノイ
ズが多く、応答信号は認められなかった。
【0045】比較例2 イオン注入後にアルゴンガス雰囲気中で600℃,60
時間の熱処理を行った以外は実施例1と同様にして、C
u微粒子が分散されたZn多結晶基板を得た。この基板
におけるCu微粒子の平均半径は1200nmであり、
当該Cu微粒子のサイズは本発明における限定範囲外で
あった。また、この基板(イオン注入部)に占めるCu
微粒子の割合は40体積%であった。この基板について
実施例1と同様にして非線形光学応答を測定しようとし
たが、散乱光が極めて多く、信号光は認められなかっ
た。
【0046】実施例2〜実施例26 マトリックス材料および当該マトリックス材料に注入す
るイオン種(微粒子の原料)として、それぞれ表1また
は表2に示すものを用いた以外は実施例1と同様にし
て、表1または表2に示す非線形光学材料を実施例毎に
得た。これらの非線形光学材料について、ポンプ光(単
色光)としてそれぞれ表1または表2に示すもの(パル
ス間隔100μs)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、非線形光学応答を測定した。これらの結果、いずれ
の実施例で得られた非線形光学材料においても非線形光
学応答は応答時間が10ps以下という高速のものであ
り、これより遅い非線形光学応答は観測されなかった。
また、S/N比はいずれの実施例においても20以上で
あった。
【0047】また、ポンプ光およびプローブ光のパルス
間隔をそれぞれ50psとした以外は上記と同様にして
非線形光学応答を測定したところ、パルス間隔が100
μsのポンプ光およびプローブ光を入射させた上記の測
定の場合と同様の結果が得られた。このときのS/N比
はいずれの実施例においても20以上であった。これら
のことから、実施例2〜実施例26で得られた各非線形
光学材料は10ps以下という高速の非線形光学応答性
を有し、20ギガビット/秒以上の高帯域デジタル光信
号のスイッチング動作が可能であると予測される。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】実施例27 市販の3元スパッタ装置を用いて、石英ガラス基板上に
マトリックス材料としてのMgOを厚さ約100nmの
薄膜状に堆積させた後、この上に微粒子材料としてのC
dTeを島状に堆積させ、この後、MgOの堆積および
CdTeの堆積を同条件で交互に繰り返して、前記の石
英ガラス基板上に計10層を積層した。スパッタリング
後、アルゴンガス雰囲気中において800℃で24時間
熱処理してMgOを多結晶化させ、これにより多結晶の
MgO薄膜に平均半径32nmのCdTe微粒子が分散
された非線形光学材料を得た。この非線形光学材料にお
けるマトリックスであるMgO多結晶体の熱伝導率は3
5W/mK、当該非線形光学材料に占めるCdTe微粒
子の割合は5体積%であった。
【0051】上記の非線形光学材料について、実施例1
と同様にして透過光の強度変化(吸収変化)から非線形
光学応答を測定した。このとき、ポンプ光としては波長
700nm,パルス幅120fs,パルス間隔100n
s,強度0.5mJ/cm2の単色光を用い、プローブ
光としてはパルス幅120fs,パルス間隔100μ
s,強度5μm/cm2 の白色光を用いて、大気中、室
温下で測定した。この結果、非線形光学応答は応答時間
が4ps以下という高速のものであり、これより遅い非
線形光学応答は観測されなかった。また、S/N比は3
0であった。
【0052】また、ポンプ光およびプローブ光のパルス
間隔をそれぞれ20psとした以外は上記と同様にして
非線形光学応答を測定したところ、パルス間隔が100
μsのポンプ光およびプローブ光を入射させた上記の測
定の場合と同様の結果が得られた。このときのS/N比
も30であった。これらのことから、上記の非線形光学
材料は4ps以下という高速の非線形光学応答性を有
し、50ギガビット/秒以上の高帯域デジタル光信号の
スイッチング動作が可能であると予測される。
【0053】比較例3 スパッタリング後の熱処理を行わなかった以外は実施例
27と同様にして、アモルファスのMgO薄膜にCdT
e微粒子が分散された非線形光学材料を得た。X線回折
法による評価の結果、前記のMgO薄膜の結晶度は20
%であった。また、このアモルファスMgOの熱伝導率
は0.9W/mKであり、本発明における限定範囲外で
あった。上記の非線形光学材料について、実施例27と
同条件で非線形光学応答の測定を行った結果(ポンプ光
およびプローブ光のパルス間隔はそれぞれ100μ
s)、非線形光学応答は応答時間が6psという高速の
もの(以下「速い応答」という)の他に応答時間が63
0psという遅い応答を含むものであった。そして、速
い応答と遅い応答の成分比は、0点におけるピーク高さ
の比で5:1であった。また、上記のポンプ光およびプ
ローブ光のパルス間隔をそれぞれ100psとした以外
は上記と同様にして非線形光学応答を測定したところ、
ノイズが多く、応答信号は認められなかった。
【0054】実施例28 マトリックスの原料としてTi(OBu)4(Bu;ブチル
基)を、また微粒子の原料としてAuCl3 をそれぞれ
用い、Ti(OBu)4 とAuCl3 とをモル比で100
0:1の割合で含有するゾル溶液(BuOH−EtOH−H
2O混合溶液;Etはエチル基を示す)を調製した。次い
で、このゾル溶液についてゾル−ゲル熟成を行って、A
u微粒子が分散されたTiO2 多孔質ゲルを得た。この
後、前記の多孔質ゲルを5℃/時間の昇温速度で900
℃まで加熱し、この温度で所定時間熱処理して、気孔の
ないバルク体を得た。このバルク体が本発明の非線形光
学材料に相当する。このようにして得られた非線形光学
材料についてX線回折測定を行ったところ、TiO2
晶とAu結晶が観察され、当該非線形光学材料はTiO
2 多結晶体にAu微粒子が分散されたものであることが
確認された。Au微結晶の平均半径を透過型電子顕微鏡
による観察から求めたところ、32nmであった。ま
た、この非線形光学材料におけるマトリックスであるT
iO2 多結晶体の熱伝導率は8W/mKであった。
【0055】上記の非線形光学材料について、実施例1
と同様にして透過光の強度変化(吸収変化)から非線形
光学応答を測定した。このとき、ポンプ光としては波長
630nm,パルス幅100fs,パルス間隔100μ
s,強度5mJ/cm2 の単色光を用い、プローブ光と
してはパルス幅100fs,パルス間隔100μs,強
度5μJ/cm2 の白色光を用いて、大気中、室温下で
測定した。この結果、非線形光学応答は応答時間が8p
s以下という高速のものであり、これより遅い非線形光
学応答は観測されなかった。また、S/N比は30であ
った。また、ポンプ光およびプローブ光のパルス間隔を
それぞれ20psとした以外は上記と同様にして非線形
光学応答を測定したところ、パルス間隔が100μsの
ポンプ光およびプローブ光を入射させた上記の測定の場
合と同様の結果が得られた。このときのS/N比も30
であった。これらのことから、上記の非線形光学材料は
8ps以下という高速の非線形光学応答性を有し、これ
により100ギガビット/秒以上の高帯域デジタル光信
号のスイッチング動作が可能であると予測される。
【0056】比較例4 実施例28と同様にしてAu微粒子が分散されたTiO
2 多孔質ゲルを得た後、この多孔質ゲルを780℃まで
加熱した以外は実施例28と同様にして、Au微粒子が
分散されたアモルファスTiO2 からなる非線形光学材
料を得た。この非線形光学材料におけるマトリックスで
あるアモルファスTiO2 の熱伝導率は、本発明におけ
る限定範囲外の1.5W/mKであった。上記の非線形
光学材料について、実施例28と同条件で非線形光学応
答の測定を行った結果(ポンプ光およびプローブ光のパ
ルス間隔はそれぞれ100μs)、非線形光学応答は応
答時間が6psという高速のもの(以下「速い応答」と
いう)の他に応答時間が395psという遅い応答を含
むものであった。そして、速い応答と遅い応答の成分比
は、0点におけるピーク高さの比で8:1であった。ま
た、上記のポンプ光およびプローブ光のパルス間隔をそ
れぞれ100psとした以外は上記と同様にして非線形
光学応答を測定したところ、ノイズが多く、応答信号は
認められなかった。
【0057】実施例29 実施例1と同様にして作製した非線形光学材料(厚さ
0.1mm)の両面に誘電体多層膜からなる厚さ2μm
の反射防止膜を蒸着した後、ミラーの反射率90%、共
振器長0.2mmのファブリ・ペロー共振器に挿入し
て、ファブリ・ペロー共振器型の光スイッチ素子を作製
した。この光スイッチ素子の概略を図2に示す。図2に
示したように、この光スイッチ素子1は、反射率が90
%である2枚のミラー2を共振器長が0.2mmとなる
ように互いに対向させ配置してなるファブリ・ペロー共
振器に、両面に反射防止膜3が蒸着された非線形光学材
料4を挿入したものであり、前記の非線形光学材料4は
その厚さ方向に光が透過するように2枚のミラー2の間
に配置されている。
【0058】次に、大気中、室温下で上記の光スイッチ
素子に波長630nm,パルス幅100fs,パルス間
隔100μsの単色光をその入射強度が0.1〜200
μJ/cm2 と徐々に増加するように入射させ、入射光
と共振器からの出射光について時間波形を比較した。そ
の結果、光双安定スイッチ動作が観測され、スイッチに
要する時間はオン・オフともに8psであった。このこ
とから、この光スイッチ素子は極めて高速のスイッチ性
能を有することが判明した。また、S/N比は20であ
った。また、上記の光(単色光)のパルス間隔を20p
sとした以外は同様にして光双安定スイッチ動作を観察
したところ、100μsのパルス間隔で入射させた上記
の測定の場合と同様のスイッチ性能が確認された。この
ことから、上記の光スイッチ素子は50ギガビット/秒
の高帯域デジタル信号のスイッチング動作が可能である
ことが実証された。なお、このときのS/N比も20で
あった。
【0059】実施例30 SiO2 ガラスからなる基板上に実施例10と同様にし
て非線形光学材料(厚さ5μmのSiCスパッタ薄膜に
Si微粒子を分散させたもの)を形成し、この非線形光
学材料を反応性イオンエッチング法によりマッハツェン
ダー型線路(線幅5μm,厚さ5μm)に成形した後、
この上に厚さ30μmのSiO2 ガラス層をスパッタリ
ング法により堆積させて、図3にその概略を示す導波路
型(マッハツェンダー型)の光スイッチ素子を得た。図
3に示した光スイッチ素子10は、SiO2 ガラスから
なる基板11上に前記の非線形光学材料からなるマッハ
ツェンダー型線路12を形成し、このマッハツェンダー
型線路12を厚さ30μmのSiO2 ガラス層13で被
覆したものであり、光は前記のマッハツェンダー型線路
12中を伝播する。
【0060】次に、大気中、室温下で上記の光スイッチ
素子の入射ポート14(図3参照)から波長1064n
m,パルス幅280fs,パルス間隔100μsの単色
光をその入射強度が0.1〜500μJ/cm2 と徐々
に増加するように入射させ、出射ポート15(図3参
照)からの出射光の時間波形を観察した。その結果、光
双安定スイッチ動作が観測され、スイッチに要する時間
はオン・オフともに10psであった。このことから、
この光スイッチ素子は極めて高速のスイッチ性能を有す
ることが判明した。また、S/N比は20であった。ま
た、上記の光(単色光)を25psのパルス間隔で入射
させて光双安定スイッチ動作を観察したところ、100
μsのパルス間隔で入射させた上記の測定の場合と同様
のスイッチ性能が確認された。このことから、上記の光
スイッチ素子は40ギガビット/秒の高帯域デジタル信
号のスイッチング動作が可能であることが実証された。
なお、このときのS/N比も20であった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遅い応答の比率が小さい非線形光学材料を提供すること
が可能になるとともに、高速での光制御が可能な光スイ
ッチ素子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1でそれぞれ得た非線形
光学材料についての非線形光学応答(信号光の強度減
衰)の測定結果を示すグラフである。
【図2】実施例29で作製したファブリ・ペロー共振器
型の光スイッチ素子の概略を示す側面図である。
【図3】実施例30で作製した導波路型(マッハツェン
ダー型)の光スイッチ素子の概略を示す平面である。
【符号の説明】
1 ファブリ・ペロー共振器型の光スイッチ素子 2 ミラー 4 非線形光学材料 10 導波路型(マッハツェンダー型)の光スイッチ素
子 12 非線形光学材料からなるマッハツェンダー型線路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に透明なマトリックスに微粒子を
    分散させてなる非線形光学材料において、 前記マトリックスが熱伝導率2W/mK以上の物質から
    なり、前記微粒子のサイズが1〜500nmであること
    を特徴とする非線形光学材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスが、ダイヤモンド,GaA
    s,GaP,InP,SiC,ZnS,CdS,ZnS
    e,CdSe,ZnTe,CdTe,SiO2,Al2
    3 ,TiO2 ,LiNbO3 ,MgO,Y23 ,Mg
    O・Al23,MgO・SiO2 ,MgTiO2 ,Y3
    Al512 ,Y3Ga512 ,Yb3Al512 ,Yb3
    Ga512 ,AlN,Si34 またはBNの単結晶体
    もしくは多結晶体である、 請求項1に記載の非線形光
    学材料。
  3. 【請求項3】 微粒子が、(i) Cu,Au,Ag,S
    n,Pt,Pd,Ni,Co,Rh,Ir,Fe,R
    u,Os,Mn,Mo,W,Nb,Ta,Bi,Sbま
    たはPbからなる金属単体、(ii)Cu,Au,Ag,S
    n,Pt,Pd,Ni,Co,Rh,Ir,Fe,R
    u,Os,Mn,Mo,W,Nb,Ta,Bi,Sbお
    よびPbから選ばれた金属同士の合金または(iii) C
    u,Au,Ag,Sn,Pt,Pd,Ni,Co,R
    h,Ir,Fe,Ru,Os,Mn,Mo,W,Nb,
    Ta,Bi,SbおよびPbから選ばれた1種または複
    数種を総量で80 mol%以上含む合金からなる、請求項
    1または請求項2に記載の非線形光学材料。
  4. 【請求項4】 微粒子が、Si,Ge,AlSb,In
    P,GaAs,GaP,ZnS,ZnSe,ZnTe,
    CdSe,CdTe,PbS,PbSe,PbTe,S
    eTe,CuCl,CuBr,CuI,TlCl,Tl
    Br,TlI,SixGe(1-x)(0<x<1),Znx
    CdyPb(1-x-y)zSewTe(1-z-w)(0≦x≦1,
    0≦y≦1,0≦z≦1,0≦w≦1)およびTlx
    (1-x)ClyBrz(1-y-z)(0≦x≦1,0≦y≦
    1,0≦z≦1)のうちから選ばれた半導体またはこれ
    らの半導体の2種以上の固溶体からなる、請求項1また
    は請求項2に記載の非線形光学材料。
  5. 【請求項5】 微粒子が、請求項3または請求項4に記
    載の微粒子を該微粒子およびマトリックスと異なる物質
    で被覆したものである、請求項1または請求項2に記載
    の非線形光学材料。
  6. 【請求項6】 マトリックスに微粒子を分散させてなる
    非線形光学材料によって光路の一部または全部が形成さ
    れており、前記非線形光学材料によって光制御する光ス
    イッチ素子において、 前記非線形光学材料が請求項1〜請求項5のいずれか1
    項に記載の非線形光学材料であることを特徴とする光ス
    イッチ素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100441716B1 (ko) * 1999-02-16 2004-07-23 도요다 지도샤 가부시끼가이샤 광비선형 재료 및 그 제조방법
JP2006200009A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 金属微粒子分散複合体及びその製造方法
CN102169244A (zh) * 2011-06-01 2011-08-31 中国工程物理研究院流体物理研究所 一种低电压驱动的电光开关

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