JP3981104B2 - フィルタ回路及びこれを用いた無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特に無線通信装置の送信部における電力増幅器の後段に配置される帯域制限用フィルタに適したフィルタ回路及びこれを用いた無線通信装置に関する。
無線通信装置の送信部においては、高周波信号を増幅してアンテナに送信電力を供給する電力増幅器の後段に帯域制限のためのフィルタが配置される。このような用途のフィルタは、一般に複数の共振器を縦続接続することで実現される。この場合、共振器の入出力結合係数と外部Qの値を適当に決めることによって、フィルタの通過周波数範囲や阻止域減衰量を決定することができる。
フィルタに入力された信号の電力は、縦続接続された全ての共振器をほぼ同じ電力量で通過する。各共振器に蓄積されるエネルギー(電力)は共振器の入力結合係数及び出力結合係数に依存している。入力結合係数とは共振器の入力端と入力回路との間の結合係数であり、出力結合係数とは共振器の出力端と出力回路との間の結合係数である。一般に、これらの結合係数が小さい共振器に対しては、蓄積される電力が集中する。電力集中で問題となることは、金属エッジなどに電界が集中する結果、金属の抵抗によって発熱することで小型化のために用いている誘電体などを焦がしてしまうことである。電界集中の度合いに合わせて共振器を換えることは設計上困難であるため、通常は耐電力性の高い共振器を用いてフィルタを作ることになる。
そこで、フィルタを通過する信号電力を各共振器に分散させて所要のフィルタ特性を実現するために、複数の共振器を並列に接続してフィルタを構成する方法が提案されている(特許文献1)。複数の共振器を並列に接続すると、入力された信号の電力が各共振器に分配されることによって、フィルタの耐電力特性が向上する。この場合、各共振器に異なる共振周波数を持たせ、隣り合う共振周波数を持つ共振器を通過する信号が互いに逆相となるようにすることで、所要のフィルタ特性を実現することができる。
このような複数の共振器を並列接続したフィルタの設計は、非特許文献1に報告されているように複数の共振器を縦続接続したフィルタと等価になるようにする方法で行われている。
特開2001−345601号公報 加藤, 山中, 馬, 小林, "HFSSとMDSを用いた2重モード方形導波管フィルタの等価回路の検討," 信学技報, MW 98-85, pp. 73-80, Sep. 1998.
特許文献1のフィルタにおいては各共振器に電力を分散しているが、非特許文献1のように各共振器間で入力結合係数及び出力結合係数を変えることで所望のフィルタ特性を実現するため、電力分散を均等に行うことはできない。また、特許文献1のフィルタでは共振器縦続接続型フィルタと同様に特に所要帯域幅の両端で群遅延が大きくなってしまう。
近年の無線通信に使われる変調方式は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)のような角度変調方式であり、位相情報にも信号成分が含まれている。このため送信部に設けられる帯域制限用フィルタとしては、各共振器に均等に電力を分散させることが可能であり、位相歪の原因となる群遅延特性が平坦であることが求められている。
本発明の目的は、並列接続された複数の共振器への電力分散を均等にし、できるだけ平坦な群遅延特性を実現できるフィルタ回路及びこれを用いた無線通信装置を提供することにある。
本発明の第1の観点によるフィルタ回路は、群遅延の許容偏差に等しい負荷Q偏差を有する複数の共振器と;入力信号を前記共振器に分配する分配器と;前記共振器の出力信号を合成する合成器とを具備し、隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるように構成される。
ここで、前記隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするために、共振周波数fi の共振器及び共振周波数fi+1の共振器と前記合成器との間の各々の結合係数の極性を異ならせてよいし、前記分配器と共振周波数fi の共振器及び共振周波数fi+1の共振器との間の各々の結合係数の極性を異ならせてもよい。
本発明の第2の観点によるフィルタ回路は、群遅延の許容偏差に等しい負荷Q偏差を有する複数の共振器と;入力信号を前記共振器に分配する分配器と;前記共振器の出力信号を合成する合成器と;前記共振器の少なくとも一つと前記合成器との間に設けられ、隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするための遅延回路、あるいは、前記分配器と前記共振器の少なくとも一つとの間に設けられ、隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするための遅延回路とを具備する。
本発明に係るフィルタ回路では、入力信号が分配される複数の共振器の負荷Q偏差が群遅延の許容偏差に等しいため、群遅延特性が平坦化される。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るフィルタ回路では、信号入力端子11A及び11Bに電力分配器12の入力端が接続され、電力分配器12の出力端に入力結合器13を介してk個(kは4以上の整数)の共振器14−1〜14−kの入力端が接続される。共振器14−1〜14−kの出力端は、出力結合器15を介して電力合成器16の入力端に接続され、電力合成器16の出力端は信号出力端子17A及び17Bに接続される。信号入力端子11A及び11Bには、例えば図示しない電力増幅器からの高周波の送信信号が入力される。信号出力端子17A及び17Bから出力される帯域制限された送信信号は、例えば図示しないアンテナに供給される。
図2には、フィルタ回路に要求される周波数レスポンス20を示す。共振器14−1〜14−kは図2中に示されるように、それぞれ異なる共振周波数f1,f2,…,fk を有する。ここで、共振器14−1〜14−kの隣り合う共振周波数の差Δfi=fi+1−fi(iはk−1以下の任意の自然数)は、図2に示されるようにフィルタ回路の通過帯域幅(3dB帯域幅)をBWとして、以下の条件を満たすように設定される。
Δfi≦2*BW/(k−1) (1)
基本的に全ての共振器14−1〜14−kで負荷Qが等しい場合には、共振器14−1〜14−kの共振周波数が帯域幅BW内で等間隔に並ぶように共振周波数差Δfiを設定する。しかし本実施形態に示すように負荷Qが偏差を持つ場合には、式(1)の条件を満足することで、所望のフィルタ特性を実現できる。
また、図1のフィルタ回路は共振周波数fi の共振器(14−iとする)を通過する信号と共振周波数fi+1の共振器(14−i+1とする)を通過する信号が電力合成器16の出力信号においてほぼ逆相となるように構成される。このような位相関係は、外部Q;QEXTを実現するための入力結合器13または出力結合器14、電力分配器12あるいは電力合成器16の構成によって実現することができる。
一方、共振器14−1〜14−kの無負荷QをQUとし、外部QをQEXTとし、負荷QをQLとすると、QLは次式により決定される。
(1/QLj)=(1/QUj)+(2/QEXTj) (2)
ただし、jはk以下の自然数である。
既に知られているように、共振器の無負荷Qとは共振器の無負荷時のQであり、外部Qとは共振器の入出力端から見た負荷のQであり、負荷Qとは負荷が接続された状態でのQである。図1のフィルタ回路では、外部Qは入力結合器13と出力結合器15によって決定される。
ここで、負荷Qはさらに言えば共振器14−1〜14−k中において共振周波数での信号エネルギーが折り返す回数を意味しており、実質的には共振器14−1〜14−kを信号が通過する時間に比例する。従って、共振器14−1〜14−kの負荷Q;QL の値を小さな偏差で揃えることによって、フィルタ回路の蓄積エネルギーを等しくすることが可能となり、同時に群遅延特性を平坦化することが可能となる。
すなわち、共振器14−1〜14−kの負荷Qの偏差をフィルタ回路の群遅延の許容偏差(共振器14−1〜14−k間の許容される遅延時間差)に等しくすることで、許容偏差を持つより平坦な群遅延特性を実現することができる。最大の群遅延τ[sec]と負荷Q;QLの関係は、最も単純化した場合には次式で与えられる。
τ=N×QL/f (3)
ここで、fは共振器の共振周波数[Hz]であり、Nは共振器の長さを波長で表している。例えば1/4波長共振器であればN=1/4、半波長共振器であればN=1/2、1波長共振器であればN=1となる。従って、負荷Q;QLの許容偏差は群遅延の許容偏差と等しくなる。フィルタ回路の群遅延の許容偏差は仕様により異なるが、一般にはτ±20%以内、より好ましくはτ±10%である。このような仕様が与えられた場合、QLの許容偏差も±20%、好ましくは±10%となる。
次に、図3を用いて図1のフィルタ回路の動作原理を説明する。図3は、隣接する二つの共振周波数fi 及びfi+1をそれぞれ持つ共振器14−i及び14−i+1と、これらに接続される入力結合器13−i及び13−i+1、出力結合器15−i及び15−i+1について示している。入力結合器13−iの結合係数(電力分配器12と共振器14−iとの間の結合係数)をma、出力結合器15−iの結合係数(共振器14−iと電力合成器16との間の結合係数)をmb、入力結合器13−iの結合係数(電力分配器12と共振器14−i+1との間の結合係数)をmc、出力結合器15−i+1の結合係数(共振器14−i+1と電力合成器16との間の結合係数)をmdとする。
この場合、結合係数ma,mb,mc,mdのいずれか一つの極性を他の極性と逆にすることにより、共振器14−iを通過する信号と共振器14−i+1を通過する信号が電力合成器16の出力信号においてほぼ逆相となる。図1の例では、ma=m1,mb=m1,mc=m2,md=−m2としている。すなわち、結合係数ma,mb,mc,mdのうち一つを負極性、他を全て正極性としている。結合係数ma,mb,mc,mdのうち一つを正極性、他を負極性としても同様である。結合係数の正負は位相の正負を意味しており、容量的な結合と誘導的な結合として表す場合もある。
図1の例では、共振器14−i及び共振器14−i+1と電力合成器16との間の各々の結合係数の極性を異ならせているが、電力分配器13と共振器14−i及び共振器14−i+1との間の係合係数の極性を異ならせても同様の結果が得られる。また、ここでは結合係数ma,mb,mc,mdの大きさの関係を|ma|=|mb|,|mc|=|md|としているが、これに限られるものではない。
このように結合係数ma,mb,mc,mdのうち一つを第1の極性、他をこれと逆の第2の極性とした場合、図4に示されるように共振器14−i及び14−i+1の単体の周波数レスポンスを41及び42とすると、信号入力端子11A及び11Bから信号出力端子17A及び17Bまでのフィルタ回路全体としては、単体の周波数レスポンス41及び42の和として合成された周波数レスポンス43が得られる。周波数レスポンス43には共振周波数fi とfi+1の間にリップルが見られるが、これはfi とfi+1の間隔及び結合係数ma,mb,mc,mdの大きさを適当な値にすることにより、フィルタ回路の出力波形に求められるリップル量に調整でき、良好な周波数特性が得られる。
次に、比較例として結合係数ma,mb,mc,mdの極性を同一極性、例えば全て正極性とした場合の特性を図5に示す。この場合、フィルタ回路全体の周波数レスポンス44は、共振器14−i及び14−i+1の単体の周波数レスポンス41及び42の差として合成されたレスポンスとなる。この周波数レスポンス44においては、共振周波数fi とfi+1の間に非常に大きなリップルが存在するため、fi とfi+1の間隔や結合係数ma,mb,mc,mdの大きさを調整しても平坦な周波数特性を得ることはできない。本発明の一実施形態によると、図4に示したようにリップル量を小さくできるため、より平坦な周波数特性を実現することができる。
一方、特許文献1に記載されたフィルタ回路では、非特許文献1にも記載されているように従来からの共振器縦続接続型のフィルタと同じ特性にすることを目的として設計されるため、Dfが一定の値とならない。このため各共振器の入出力との結合係数を変えて所望のフィルタ特性を実現している。従って、各共振器の共振周波数の間隔を一定にすると、フィルタ回路の通過帯域内でリップルが大きくなってしまう。また、外部Qの値が大きく異なり、負荷Qの偏差も大きく異なってしまうために、群遅延特性が大きく変化してしまう。特に、フィルタの所望帯域幅の両端での群遅延が大きくなる。
これに対し、本発明の一実施形態に係るフィルタ回路では、共振器14−1〜14−kの負荷Q偏差を小さくして、入力される送信信号電力を共振器14−1〜14−kに均等に分配することで、一つの共振器への極端な電力集中を避けることが可能となり、群遅延特性を平坦化することができる。従って、QPSKやQAMのような、位相情報に信号成分を持つ変調方式を利用した無線通信装置においても、群遅延特性による位相歪に起因する信号劣化を避けることが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、隣接する共振周波数fi 及びfi+1の共振器14−i及び14−i+1をそれぞれ通過する信号が電力合成器16の出力信号においてほぼ逆相となるようにするため、図3で説明したように入力結合回路や出力結合回路により、結合係数ma,mb,mc,mdのいずれか一つの極性を他の極性と逆にする方法を示したが、第2の実施形態では遅延回路を用いる方法を示す。
すなわち、第2の実施形態では例えば図6に示すように共振器14−1〜14−kと電力合成器16との間に出力遅延回路18−1〜18−kを挿入する。出力遅延回路18−1〜18−kの遅延時間は、隣接する共振周波数fi 及びfi+1の共振器14−i及び14−i+1を通過する信号がほぼ互いに逆相関係となるように設定される。ここで、共振器14−i及び14−i+1を通過する信号が完全に逆になる必要は必ずしもなく、現実には共振器14−i及び14−i+1を通過する信号が例えば(180°±30°)+360°×n(nは自然数)の範囲の位相差を有する関係となるように設定される。
この場合、フィルタ回路の信号入力端子11A及び11Bから信号出力端子17A及び17Bまでの周波数レスポンスは第1の実施形態と同様に、図4に示したような周波数レスポンス43となる。このとき図3で説明した結合係数ma,mb,mc,mdの極性は全て正か全て負でよく、全て同相結合で逆相結合が無いため、立体回路以外の分布定数回路や集中定数回路においても結合器を実現することができる。例えば、平面回路を用いてギャップ結合によりフィルタ回路を実現する場合のように、正負の異なる位相関係を実現しにくい回路を用いる場合に有効な回路構成となる。
図6においては共振器14−1〜14−kと電力合成器16との間に出力遅延回路18−1〜18−kを挿入したが、図7に示すように電力分配器12と共振器14−1〜14−kとの間に入力遅延回路19−1〜19−kを挿入してもよい。
また、図6のように全ての共振器14−1〜14−kと電力合成器16との間、あるいは図7のように電力分配器12と全ての共振器14−1〜14−kとの間に遅延回路を挿入する必要は必ずしもなく、例えば一部の遅延回路18−2や19−2を省略することも可能である。
さらに、共振器14−1〜14−kのいずれかと電力合成器16との間に遅延回路を挿入し、かつ電力分配器12と共振器14−1〜14−kのいずれかとの間に遅延回路を挿入するという構成をとることも可能である。
要するに、隣接する共振周波数fi 及びfi+1の共振器14−i及び14−i+1を通過する信号がほぼ互いに逆相関係、例えば(180°±30°)+360°×n(nは自然数)の範囲の位相差を有する関係となるように共振器14−1〜14−kと電力合成器16との間や電力分配器12と共振器14−1〜14−kとの間に遅延回路を適宜挿入することが第2の実施形態の趣旨である。
第2の実施形態において、共振器14−1〜14−kの共振周波数f1,f2,…,fk が式(1)の関係を満たし、かつ負荷Q;QLをフィルタ回路の群遅延の許容偏差と等しい偏差、例えば±20%以内の偏差、好ましくは±10%以内の偏差となるようにすることは、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態においては、フィルタ回路の図2に示した周波数レスポンス20の通過帯域と帯域外減衰量は、入力結合器13及び出力結合器15の結合係数(図3で説明した結合係数ma,mb,mc,md)の大きさを適当に選ぶことによって実現される。
次に、図8〜12を用いて第2の実施形態に係るフィルタ回路を実際の回路素子を用いて実現する場合の幾つかの具体例について説明する。
(第1の具体例)
図8に示す第1の具体例に係るフィルタ回路は、裏面に接地導体膜102が被着された誘電体基板101上にマイクロストリップラインを形成することにより実現される。誘電体基板101の主面上に、信号入力端子111、電力分配器112、入力結合器113−1,113−2、半波長型共振器により形成された共振器114−1〜114−4、出力結合器電力115−1,115−2、電力合成器116、信号出力端子117及び出力遅延回路118が設けられている。図8では、それぞれ一つの信号入力端子111及び信号出力端子117が示されているが、図示しない他方の信号入力端子及び信号出力端子は接地導体膜102に接続される。
共振器114−1〜114−4は、それぞれ共振周波数f1,f2,f3,f4において半波長の長さを持つマイクロストリップラインによって形成され、これらにより励振及び検波を行っている。入力結合器113−1,113−2及び出力結合器115−1,115−2は、マイクロストリップ間の結合によって実現される。
電力分配器112及び電力合成器116は、マイクロストリップラインの分岐によって形成されている。電力分配器112及び電力合成器116におけるインピーダンス整合は、電力分配器112及び電力合成器116の各々の前後でマイクロストリップラインの幅を変えることによって実現することができる。
マイクロストリップラインを用いた共振器では、無負荷Qはほぼ同一となるため、負荷Qの偏差を小さくする、好ましくは負荷Qの値を等しくするためには、各々の共振器の庭側及び出力側の結合係数を均等にして外部Qを等しくする必要がある。これを実現するために、図8の例では入力結合器113−1,113−2及び出力結合器115−1,115−2のレイアウトを同一とすることにより、共振器114−1〜114−4の外部Qを揃えている。
一方、遅延回路118には半波長のマイクロストリップラインを用いている。このような遅延回路118によって、電力合成器16の出力側において共振周波数f1,f3を持つ共振器14−1,14−3を通過する信号と共振周波数f2,f4を持つ共振器14−2,14−4を通過する信号との位相差をほぼ180°とすることができる。
(第2の具体例)
第2の具体例に係るフィルタ回路では、図9に示されるように誘電体基板201、信号入力端子211、電力分配器212、入力結合器、半波長型共振器により形成された共振器214−1〜214−4、出力結合器、電力合成器216及び信号出力端子217については、図8に示した第1の具体例と基本的に同様であり、出力遅延回路118としてメアンダラインを用いた点が第1の具体例と異なっている。図10には、図9の各部の具体的な寸法例を示している。
(第3の具体例)
第3の具体例に係るフィルタ回路は、図11に示されるように誘電体基板301、信号入力端子311、電力分配器312、入力結合器、出力結合器、電力合成器316、信号出力端子317、及びメアンダラインにより形成された出力遅延回路318については、図9に示した第2の具体例と基本的に同様であり、楕円型共振器314−1,314−2を用いた点が第1、第2の具体例と異なっている。楕円型共振器は、一つの共振器で2つの共振周波数を実現できるため、図11のように大きさの異なる2つの楕円型共振器314−1,314−2を用いることにより、4つの共振周波数f1,f3,f2,f4を持つ共振器を実現できる。
(第4の具体例)
第4の具体例に係るフィルタ回路は、図12に示されるように誘電体基板401、信号入力端子411、電力分配器412、入力結合器、出力結合器、電力合成器416及び信号出力端子417については、図11に示した第3の具体例と基本的に同様であり、楕円型共振器に変えて矩形共振器414−1,414−2を用いた点が第3の具体例と異なっている。矩形共振器も楕円型共振器と同様に、一つの共振器で二つの共振周波数を実現できるため、図12のように大きさの異なる2つの矩形共振器414−1,414−2を用いることにより、4つの共振周波数f1,f3,f2,f4を持つ共振器を実現できる。
また、第1〜第3の具体例では入力遅延回路が設けられていたのに対し、図12では入力遅延回路419が設けられている。入力遅延回路419は、この例ではメアンダラインにより形成されているが、第1の具体例と同様に直線状のマイクロストリップラインを用いても構わないことは言うまでもない。
さらに、第1〜第3の具体例ではマイクロストリップラインを用いたフィルタ回路について示したが、コプレーナラインその他の伝送線路を用いてフィルタ回路を実現することも可能である。また、半波長共振器に代えて1/4波長共振器を用いてフィルタ回路を実現することもできる。
(応用例)
次に、フィルタ回路を無線通信装置に応用した例を図13により説明する。図13は、無線通信装置の送信部を概略的に示している。送信すべきデータ500は信号処理回路501に入力され、D/A変換、符号化及び変調などの処理が施されることにより、ベースバンドあるいはIF(Intermediate Frequency;中間周波数)帯の送信信号が生成される。信号処理回路501からの送信信号は周波数変換器(ミキサ)502に入力され、ローカル信号発生器503からのローカル信号と乗算されることによって、RF(Radio Frequency;高周波)帯の信号に周波数変換、すなわちアップコンバートされる。
RF信号は電力増幅器504によって増幅された後、帯域制限用フィルタ(送信用フィルタともいう)505に入力され、このフィルタ505で帯域制限を受けて不要な周波数成分が除去された後、アンテナ506に供給される。ここで、帯域制限用フィルタ505にこれまでの実施形態で説明したフィルタ回路を用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るフィルタ回路の等価回路図 フィルタ回路の周波数レスポンス特性の一例を示す図 第1の実施形態の原理を説明するための図 図3中に示した二つの共振器の周波数特性とフィルタ回路の周波数レスポンス特性を示す図 従来の二つの共振器の周波数特性とフィルタ回路の周波数レスポンス特性を示す図 本発明の第2の実施形態に係るフィルタ回路の等価回路図 本発明の第2の実施形態に係るフィルタ回路の変形例の等価回路図 第2の実施形態に係るフィルタ回路の第1の具体例を示す上面図及び下面図 第2の実施形態に係るフィルタ回路の第2の具体例を示す平面図 図9のフィルタ回路の各部の具体的な数値例を示す図 第2の実施形態に係るフィルタ回路の第3の具体例を示す平面図 第2の実施形態に係るフィルタ回路の第4の具体例を示す平面図 フィルタ回路の応用例である無線通信装置の送信部を示すブロック図
符号の説明
11A,11B…信号入力端子;
12…電力分配器;
13…入力結合器;
14−1〜14−k…共振器;
15…出力結合器;
16…電力合成器;
17A,17B…信号出力端子;
18…出力遅延回路;
19…入力遅延回路

Claims (7)

  1. 群遅延の許容偏差に等しい負荷Q偏差と2×BW/(k−1)以下(BWはフィルタ回路の帯域幅、kは共振器の個数であり、4以上の整数)の共振周波数差Δf i =f i+1 −f i (iはk−1以下の任意の自然数、f i 及びf i+1 は隣接する共振周波数)を有する複数の共振器と;
    入力信号を前記共振器に分配する分配器と;
    前記共振器の出力信号を合成する合成器と;を具備し、
    隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるように構成されるフィルタ回路。
  2. 前記隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするために、共振周波数fi の共振器及び共振周波数fi+1の共振器と前記合成器との間の各々の結合係数の極性を異ならせた請求項1記載のフィルタ回路。
  3. 前記隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするために、前記分配器と共振周波数fi の共振器及び共振周波数fi+1の共振器との間の各々の結合係数の極性を異ならせた請求項1記載のフィルタ回路。
  4. 群遅延の許容偏差に等しい負荷Q偏差と2×BW/(k−1)以下(BWはフィルタ回路の帯域幅、kは共振器の個数であり、4以上の整数)の共振周波数差Δf i =f i+1 −f i (iはk−1以下の任意の自然数、f i 及びf i+1 は隣接する共振周波数)を有する複数の共振器と;
    入力信号を前記共振器に分配する分配器と;
    前記共振器の出力信号を合成する合成器と;
    前記共振器の少なくとも一つと前記合成器との間に設けられ、隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするための遅延回路と;を具備するフィルタ回路。
  5. 群遅延の許容偏差に等しい負荷Q偏差と2×BW/(k−1)以下(BWはフィルタ回路の帯域幅、kは共振器の個数であり、4以上の整数)の共振周波数差Δf i =f i+1 −f i (iはk−1以下の任意の自然数、f i 及びf i+1 は隣接する共振周波数)を有する複数の共振器と;
    入力信号を前記共振器に分配する分配器と;
    前記共振器の出力信号を合成する合成器と;
    前記分配器と前記共振器の少なくとも一つとの間に設けられ、隣接する2つの共振周波数をそれぞれ持つ2つの共振器を通過する信号が前記合成器の出力信号においてほぼ逆相となるようにするための遅延回路と;を具備するフィルタ回路。
  6. 前記分配器と前記共振器の各々とを結合する同一レイアウトの複数の入力結合器、及び前記共振器の各々と前記合成器とを結合する同一レイアウトの複数の出力結合器をさらに具備する請求項またはのいずれか1項記載のフィルタ回路。
  7. 高周波信号を増幅する電力増幅器と;
    前記電力増幅器の出力端子に入力端子が接続された請求項1乃至のいずれか1項記載のフィルタ回路と;
    前記フィルタ回路の出力端子に接続されたアンテナと;を具備する無線通信装置。
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