JP3980779B2 - 防湿被膜付きel蛍光体とそれを用いたel発光素子 - Google Patents

防湿被膜付きel蛍光体とそれを用いたel発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)発光素子に用いる防湿被膜付きEL蛍光体、およびそれを用いたEL発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機分散型のEL発光素子は、携帯情報端末、携帯ゲーム機、腕時計などの液晶表示部のバックライトをはじめとして、幅広い分野で面発光体として利用されている。従来の有機分散型EL発光素子は、銅や塩素を付活した硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Cl)などの蛍光体粒子を有機高分子中に分散含有させた発光体層の一方の面上に、反射絶縁層を介して背面電極を積層すると共に、発光体層の他方の面上に透明電極シート、さらに6-ナイロンフィルムなどの吸湿性フィルムを積層し、このような積層体を防湿性を有する表裏一対のパッケージングフィルムで封止した構造が一般的であった。
【0003】
吸湿性フィルムや防湿性を有するパッケージングフィルムは、EL蛍光体の発光特性が空気中の水分と接触することにより劣化し、電界印加による発光時の輝度が著しく低下するという問題を有しているために用いられており、吸湿性フィルムや防湿性パッケージングフィルムで水分の侵入を防ぐことによって、発光輝度の低下などを防止している。
【0004】
しかし、防湿性パッケージングフィルムとして用いられているポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フイルムなどは極めて高価であり、一般的な電子部品などでパッケージフィルムとして用いられているポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどと比べて単価が10〜20倍程度となる。従って、従来のEL発光素子においては、防湿性パッケージフィルムにより製造コストが増大するという問題があった。
【0005】
一方、蛍光体粒子の表面をアルミナ、シリカ、チタニアなどからなる防湿被膜で覆ったEL蛍光体(防湿被膜付きEL蛍光体/カプセル蛍光体)が提案されており(特開昭 62-195894号公報、特開平1-251579号公報、特開平 2-38482号公報、特開平2-113085号公報、特開平4-230996号公報など参照)、このような防湿被膜付きEL蛍光体を使用することによって、発光体層自体に防湿性を持たせたEL発光素子、すなわち吸湿性フィルムや防湿性パッケージングフィルムを有しないEL発光素子が実用化されつつある。
【0006】
このような発光体層自体に防湿性を持たせたEL発光素子によれば、部品点数の削減により製造コストの低減を図ることができるだけでなく、例えば背面電極に導電性粉末の塗布層を適用することによって、発光体層、反射絶縁層および背面電極層、さらには背面側の絶縁を確保する背面絶縁層を、透明電極シート上にスクリーン印刷により順に積層形成することが可能となるため、製造コストをより一層低減することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の防湿被膜付きEL蛍光体においては、蛍光体粒子表面をアルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物からなる防湿被膜で覆う際の条件によって、発光輝度が蛍光体本来の値から大幅に低下してしまうという問題があった。このような発光輝度の低下は、銅や塩素を付活した硫化亜鉛蛍光体などの高発光効率の蛍光体を使用した場合に顕著であった。
【0008】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、EL蛍光体粒子の表面を防湿被膜で覆った際の蛍光体本来の発光輝度からの低下を抑制した防湿被膜付きEL蛍光体、およびそれを用いたEL発光素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の防湿被膜付きEL蛍光体は、請求項1に記載したように、エレクトロルミネッセンス用の蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子の表面を覆うようにCVD法で形成された実質的に透明な防湿被膜とを具備する防湿被膜付きEL蛍光体において、前記防湿被膜中の塩素含有量が3.5at%(atomic%(原子%))以下であることを特徴としている。
【0010】
本発明の防湿被膜付きEL蛍光体において、防湿被膜中の塩素含有量は請求項2に記載したように、特に3.0at%以下とすることが好ましい。また、本発明においては、請求項3および請求項4に記載したように、防湿被膜として例えば酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも 1種の金属酸化物が用いられる。このような金属酸化物のうち、特に本発明では請求項5に記載したように、酸化ケイ素と酸化チタンとの混合物を用いることが好ましい。この際、請求項6に記載したように、防湿被膜中のケイ素とチタンの含有量比(Si/Ti)を 0.8〜 1.0の範囲に制御することが望ましい。
【0011】
本発明の防湿被膜付きEL蛍光体は、請求項7に記載したように、銅および塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体や、銅、マンガンおよび塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体などの高発光効率の蛍光体を用いる場合に特に効果的である。
【0012】
本発明のEL発光素子は、請求項10に記載したように、透明電極シートと、前記透明電極シート上に形成され、蛍光体粒子の表面をCVD法を適用して実質的に透明な防湿被膜で覆った防湿被膜付きEL蛍光体を含有する発光体層と、前記発光体層上に順に積層形成された反射絶縁層および背面電極層とを具備するEL発光素子において、前記防湿被膜付きEL蛍光体は塩素含有量が3.5at%以下の前記防湿被膜を有することを特徴としている。
【0013】
防湿被膜に含まれる塩素は、電界印加による発光時に蛍光体粒子に注入され、例えばZnSに発光中心としてドープされている塩素量を変化させる。防湿被膜が3.5at%を超えるような多量の塩素を含有していると、蛍光体粒子に注入される塩素量が増大し、ZnSにドープされている塩素量が最適値から大幅にずれるため、発光輝度が蛍光体本来の値から大幅に低下することになる。
【0014】
そこで、本発明の防湿被膜付きEL蛍光体においては、防湿被膜中の塩素含有量が3.5at%以下としている。このように、防湿被膜中の塩素含有量を低減することによって、防湿被膜の形成に伴う蛍光体粒子の発光輝度の低下を抑制することができるため、それを用いたEL発光素子の発光輝度を高めることができ、また寿命特性を向上させることが可能となる。
【0015】
このような本発明のEL発光素子によれば、素子全体を防湿フィルムで被覆することなく、高温高湿雰囲気下での駆動においても長期間にわたって良好な輝度を維持することができ、優れた発光効率および発光寿命特性を有するEL発光素子を安価に提供することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
図1は本発明の防湿被膜付きEL蛍光体の一実施形態の構造を模式的に示す断面図である。同図において、1はエレクトロルミネッセンス(EL)用の蛍光体粒子である。蛍光体粒子1の平均粒径は30μm 以下であることが好ましい。蛍光体粒子1の平均粒径が30μm を超えると、蛍光体層(発光体層)の成膜性が低下したり、また輝度が低くなる傾向がある。
【0018】
このような蛍光体粒子としては、硫化亜鉛蛍光体(ZnS)などの各種電場発光蛍光体を用いることができるが、特に銅および塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Cl)、銅、マンガンおよび塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Mn,Cl)などの高発光効率の電場発光蛍光体を用いることが好ましい。ZnS:Cu,Cl蛍光体において、Cu量は0.01〜0.10重量% の範囲とすることが好ましく、またCl量は 0.001〜0.10重量% の範囲とすることが好ましい。CuおよびClの付活量を上記した範囲内に制御することによって、特に高発光効率が得られる。同様に、ZnS:Cu,Mn,Clにおいて、Cu量は0.01〜0.10重量% の範囲、Mn量は 0.1〜 3重量% の範囲、またCl量は0.01〜0.10重量% の範囲とすることが好ましい。
【0019】
上述したような蛍光体粒子1の表面は、実質的に透明な防湿被膜2により覆われており、これらによって本発明の防湿被膜付きEL蛍光体3が構成されている。防湿被膜2としては例えば金属酸化物膜が用いられる。金属酸化物の種類は特に限定されるものではないが、防湿性、光透過性、絶縁性などの点から、酸化ケイ素(SiOx )、酸化チタン(TiOx )、酸化アルミニウム(AlOx )から選ばれる少なくとも 1種を用いることが好ましい。これらのうちでも、後に詳述するように、特に酸化ケイ素と酸化チタンとの混合物(SiOx −TiOx )を用いることが望ましい。
【0020】
なお、本発明で用いられる防湿被膜は、必ずしも金属酸化物に限られるものではなく、非酸化物を使用することもできる。非酸化物系の防湿被膜としては、例えば窒化ケイ素(SiNx )が挙げられる。
【0021】
金属酸化物膜などからなる防湿被膜2は、膜の均一性や製造コストなどを考慮して、化学気相成長法(CVD法)を適用して形成される。特に、熱(200℃以上)による蛍光体の輝度劣化、流動状態の粉体表面への膜形成性、さらには量産時の環境安全性などを考慮して、爆発や燃焼性のない材料を用い、かつ低温での反応性が高い反応系を利用することが望ましい。このような反応系としては、SiCl4+2H2O→SiO2+4HCl、TiCl4+2H2O→TiO2+4HClなどが挙げられる。
【0022】
また、防湿被膜2の膜厚は、平均厚さとして 0.1〜 0.5μm の範囲であることが好ましい。防湿被膜2の平均膜厚が 0.1μm 未満であると、十分な防湿効果が得られないおそれがある。一方、防湿被膜2の平均膜厚が 0.5μm を超えると、実質的に透明な防湿被膜2であっても、反射や屈折などにより発光輝度が低下するおそれがある。
【0023】
上述したような防湿被膜2において、本発明では防湿被膜2中の塩素(Cl)含有量を3.5at%以下としている。Cl含有量が3.5at%を超えると、電界印加による発光時に防湿被膜2に含まれるClが蛍光体粒子1に注入され、例えばZnSに発光中心としてドープされているCl量が最適値からずれるため、発光効率の低下を生じる。
【0024】
特に、高発光効率の蛍光体では、母体であるZnSにドープされるCu量やCl量などが厳密に制御されているため、防湿被膜2からのClの注入による特性劣化が著しい。防湿被膜2中のCl含有量は、さらに3at%以下とすることが好ましく、望ましくは2.8at%以下である。
【0025】
上述したように、防湿被膜2中のCl含有量を3.5at%以下とした防湿被膜付きEL蛍光体3においては、防湿被膜2の形成に伴う蛍光体粒子1の発光輝度の低下を抑制することができるため、電界印加により発光させた際に、蛍光体粒子1が本来有する値に近い優れた発光輝度を得ることが可能となる。
【0026】
本発明の防湿被膜付きEL蛍光体3によれば、例えばそれを用いてEL発光素子を構成した際の初期発光効率が100V,400Hzの駆動条件下で 3.0cd/W以上で、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が 300時間以上というような発光特性、あるいはそれを用いてEL発光素子を構成した際の初期発光効率が 40V,600Hzの駆動条件下で 4.5cd/W以上で、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が 500時間以上というような発光特性が得られる。
【0027】
ここで、防湿被膜2を構成する金属酸化物としては、上述したようにSiOx 、TiOx 、AlOx などが用いられるが、中でもSiOx およびTiOx はそれぞれ四塩化ケイ素(SiCl4 )および四塩化チタン(TiCl4 )という比較的取扱いやすいガスの加水分解反応を利用した化学気相成長法(CVD法)で容易にかつ低温で得られる。このことは熱的な輝度劣化を生じる蛍光体粒子1表面に均一に防湿被膜2を形成することにおいて利点となる。
【0028】
上述した方法により形成したSiOx 膜およびTiOx 膜は、それぞれ単独で用いることも可能であるが、SiOx 膜は防湿性が低いという難点を有し、一方TiOx 膜は膜中にClが残存しやすいという難点を有する。そこで、本発明の防湿被膜2としては、SiOx とTiOx との混合膜を適用することが好ましく、SiOx 膜およびTiOx 膜のそれぞれの難点を互いに補うことで良好な防湿被膜付き蛍光体3を再現性よく得ることが可能となる。
【0029】
SiOx とTiOx との混合膜からなる防湿被膜2において、SiとTiの含有量比(Si/Ti)は 0.8〜 1.0の範囲とすることが好ましい。Si/Ti比が 1.0より大きくSiOx 成分が多い場合には、防湿被膜2の防湿性が不十分となるおそれがある。一方、Si/Ti比が 0.8未満であると、TiOx 成分の増加により防湿被膜2中のCl量が増大するおそれがある。より好ましい防湿被膜2のSi/Ti比は 0.9〜 1.0の範囲である。この際、Cl/(Si+Ti)の比は 0.1以下とすることが好ましい。
【0030】
なお、防湿被膜2中のCl含有量を3.5at%以下する方法は、上述した防湿被膜2としてSiOx とTiOx との混合膜を用いると共に、防湿被膜2中のSi/Ti比を制御する方法に限らず、例えば塩化物原料を用いてCVD法で金属酸化物からなる防湿被膜2を形成する際に、プラズマを利用して反応効率を向上させたり、また反応温度を制御することによっても、防湿被膜2中のCl含有量を低減させることができる。非酸化物膜を用いる場合も同様である。
【0031】
次に、蛍光体粒子1の表面を防湿被膜2で覆う方法について詳述する。図2は蛍光体粒子1表面に防湿被膜2を形成するためのCVD装置の概略構成を示す図、図3は図2のA部の拡大図である。
【0032】
円筒状のリアクタ11は、中間付近に蛍光体粒子に防湿被膜を形成するための化学気相成長がなされる流動床12が配置されている。この流動床12は図3に示すように、上部が開放され、底部にガス流動穴13が開口されたボックス部14と、このボックス部14を支持するための支持部材15と、ボックス部14内の中間付近に水平に配置されたメッシュ部16と、ボックス部14の上部開口部付近に互いに隣接して複数配置された横置き三角柱体17間に形成されたノズル部18とから構成されている。リアクタ11の周囲には、ヒータ19が配置されている。
【0033】
20は例えば四塩化チタン供給源であり、四塩化チタン(TiCl4 )液21が収容された第1貯槽22と、四塩化チタン液21にキャリアとしての窒素をバブリングするための配管23と、ガス状の四塩化チタンを窒素と共に流動床12下部のリアクタ11に供給するための供給管24とから構成されている。
【0034】
25は例えば四塩化ケイ素供給源であり、四塩化ケイ素(SiCl4 )液26が収容された第2貯槽27と、四塩化ケイ素液26にキャリアとしての窒素をバブリングするための配管28と、ガス状の四塩化ケイ素を窒素と共に流動床12下部のリアクタ11に供給管24を経由して供給するための供給管29とから構成されている。
【0035】
水蒸気供給源30は、水31が収容された第3貯槽32と、水31中にキャリアとしてのアルゴンをバブリングするための配管33と、水蒸気をアルゴンと共に流動床12内に供給するための供給管34とから構成されている。
【0036】
補助用アルゴン供給管35は、先端が流動床12下部のリアクタ11に連結されている。ドライポンプ36は配管37を介して、リアクタ11上部に連結されている。このドライポンプ36から排出されたガスは、排ガス処理設備(図示せず)に供給される。
【0037】
上述したようなCVD装置を用いて、例えば以下のようにして蛍光体粒子1の表面に防湿被膜2を形成する。
【0038】
まず、図2および図3に示す流動床12内に、例えばZnS:Cu,Clからなる蛍光体粒子38を充填した後、ドライポンプ36を作動してリアクタ11内を減圧にする。続いて、ヒータ19により流動床12内の蛍光体粒子38を加熱し、アルゴンを 120℃程度に加熱された補助アルゴン供給管35からリアクタ11内に供給し、流動床12のメッシュ部16を通して蛍光体粒子38に吹き付けて流動させると同時に、例えば四塩化チタンと四塩化ケイ素の混合ガスを以下のようにして供給する。
【0039】
四塩化チタンは、四塩化チタン供給源20の四塩化チタン液21を例えば30℃に加熱し、この加熱された四塩化チタン液21中に窒素を配管23を通してバブリングし、四塩化チタンと窒素の混合ガスとして供給管24を通してリアクタ11内に供給する。一方、四塩化ケイ素は四塩化ケイ素供給源25の四塩化ケイ素液26を例えば 8℃に冷却し、この冷却した四塩化ケイ素液26中に窒素を配管28を通してバブリングし、四塩化ケイ素と窒素の混合ガスとして供給管29を通してリアクタ11に供給する。
【0040】
これら四塩化チタンと窒素の混合ガスおよび四塩化ケイ素と窒素の混合ガスは、流動床12のメッシュ部16を通して、流動状態の蛍光体粒子38に供給される。なお、供給管24内での四塩化チタンの液化を防ぐために、供給管24は例えば60℃程度に加熱することが好ましい。
【0041】
また、水蒸気供給源30の水31中に、アルゴンを配管33を通してバブリングし、水蒸気とアルゴンの混合ガスを供給管34を通して流動床12内の蛍光体粒子38に供給する。なお、供給管34内での水蒸気の液化を防ぐために、供給管34は例えば60℃程度に加熱することが好ましい。
【0042】
上述した四塩化チタン、四塩化ケイ素および水蒸気の供給によって、蛍光体粒子38の表面で[(TiCl4 +SiCl4 )+ 4H2 O→(TiO2 +SiO2 )+ 8HCl]の反応が生じ、蛍光体粒子38は酸化チタンと酸化ケイ素との混合膜からなる防湿被膜で覆われる。このような気相成長時の各条件は以下に示すような範囲に制御することが好ましい。すなわち、蛍光体量を100gとしたとき、気相成長温度 135〜 200℃、気相成長圧力 400〜 500Torr、TiCl4 +N2 流量 200〜 400sccm(TiCl4 液温30℃)、SiCl4 +N2 流量10〜50sccm(SiCl4 液温 8℃)、H2 O+Ar流量 300〜 500sccm(H2 O液温26℃)、流動補助用Ar流量 100sccm、気相成長時間 4hrである。
【0043】
上述した気相成長条件のうち、四塩化チタンと四塩化ケイ素の混合比に加えて、防湿被膜2中のCl含有量を3.5at%以下とする上で、気相成長温度の条件を制御することが重要である。すなわち、気相成長温度を 160〜 200℃の範囲とすることによって、上述した四塩化チタン、四塩化ケイ素および水蒸気による加水分解反応がより促進され、防湿被膜2のCl含有量を再現性よく削減することが可能となる。
【0044】
次に、本発明のEL発光素子の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4は本発明のEL発光素子の一実施形態の要部構造を示す断面図である。同図に示すEL発光素子40は、上述した本発明の防湿被膜付きEL蛍光体3を含有する発光体層41を有している。防湿被膜付きEL蛍光体3は、例えばシアノエチルセルロースやフッ素ゴムのような高誘電率を有する有機高分子中に分散含有され、発光体層41を構成している。
【0045】
防湿被膜付きEL蛍光体3を含有する発光体層41は、EL蛍光体3自体が防湿性を有しているため、吸湿フィルムや防湿フイルムを用いることなく、水分によるEL蛍光体3の特性低下を抑制し得るEL発光素子40、いわゆるストリップタイプのEL発光素子40とすることができる。
【0046】
このような発光体層41の一方の主面、すなわち発光面側には、ポリエステルフィルムのような透明絶縁フィルム上にITO蒸着膜などからなる透明電極を被着形成した透明電極シート42が一体的に積層配置されている。なお、透明電極としてのITO蒸着膜は、発光体層41と対向して配置されており、またITO蒸着膜上には例えばAgペーストのような導体ペーストの印刷層が供電部(図示せず)として形成されている。
【0047】
また、発光体層41の他方の主面、すなわち非発光面である背面側には、例えばTiO2 やBaTiO3 などの高反射性無機酸化物粉末をシアノエチルセルロースやフッ素ゴムなどの高誘電率を有する有機高分子に分散含有させた反射絶縁層43が積層形成されており、この反射絶縁層43を介して背面電極層44が一体的に積層形成されている。
【0048】
背面電極層44は、Ag粉末やCu粉末などの金属粉末、グラファイト粉末などのカーボン粉末、あるいはこれらの混合粉末などの塗布層により構成されている。なお、背面電極層44のさらに裏面側には、EL発光素子40の背面側の絶縁性を確保する背面絶縁層(図示せず)が積層形成される。
【0049】
上述した透明電極シート42、発光体層41、反射絶縁層43および背面電極層44からなる積層体は、例えば熱圧着されている。このうち、背面電極層44にはその裏面側に背面電極用リード45が付設されている。また、透明電極シート42の供電部(図示せず)には、透明電極用リード46が付設されている。このような積層体(熱圧着体)によって、ストリップタイプのEL発光素子40が構成されている。
【0050】
上記した構成を有するストリップタイプのEL発光素子40は、例えば以下のようにして作製される。
【0051】
まず、透明絶縁フィルム上にITO蒸着膜などを被着形成して、透明電極シート42を作製する。次いで、この透明電極シート42の表面に、例えばAgペーストやカーボンペーストのような導体ペーストを印刷して供電部を形成する。このような透明電極シート42の一方の主面上に、図4に示すしたように、発光体層41、反射絶縁層43および背面電極層44を、例えばスクリーン印刷で順に形成する。
【0052】
すなわち、透明電極シート42上に防湿被膜付きEL蛍光体3をシアノエチル系有機バインダやフッ素ゴムなどに分散させてペースト化したものを塗布、乾燥させることにより発光体層41を形成する。この際、透明電極シート42の供電部には、透明電極用リード46を予め仮止めしておく。
【0053】
次いで、無機酸化物粉末をシアノエチル系有機バインダやフッ素ゴムなどに分散させてペースト化したもの、および金属粉末やカーボン粉末などを有機バインダに分散させてペースト化したものを、発光体層41上に順に塗布、乾燥させることによって、反射絶縁層43と背面電極層44を積層形成する。
【0054】
この後、背面電極層44上に背面電極用リード45を仮止めし、さらにこの積層体を例えば熱ロールプレスして熱圧着することによって、ストリップタイプのEL発光素子40が得られる。
【0055】
上述した実施形態のEL発光素子40は、蛍光体粒子1表面に防湿被膜2を被覆した防湿被膜付きEL蛍光体3を用いているため、吸湿フィルムや防湿フイルムを省き、製造コストや製造工数を大幅に削減した上で、水分によるEL蛍光体3の特性低下を抑制することができ、高湿度雰囲気での駆動においても長期間にわたって発光輝度を維持することができる。そして、本発明の防湿被膜付きEL蛍光体3は、前述したように防湿被膜2中のCl含有量を3.5at%以下とすることによって、防湿被膜2の形成に伴う蛍光体粒子1の発光輝度の低下を抑制しているため、蛍光体粒子1が本来有する値に近い優れた発光輝度を安定して得ることが可能となる。
【0056】
このように、本発明のEL発光素子40は、安価でかつ優れた発光輝度および発光寿命特性を有するものである。本発明のEL発光素子40は、例えば 100V,400Hz の駆動条件下で 3.0cd/W以上の初期発光効率を示し、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が 300時間以上という寿命特性を有するものである。あるいは、 40V,600Hzの駆動条件下で 4.5cd/W以上の初期発光効率を示し、かつ40℃,90%RH の条件下での輝度半減時間が 500時間以上という寿命特性を有するものである。
【0057】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
【0058】
実施例1
前述した図2および図3に示したCVD装置を用いて、以下のようにして蛍光体粒子の表面に防湿被膜を形成した。まず、流動床12内にZnS:Cu,Clからなる100gの蛍光体粒子(平均粒径22μm)38を充填した後、ドライポンプ36を作動してリアクタ11内を減圧にした。
【0059】
続いて、ヒータ19により流動床12内の蛍光体粒子38を加熱し、アルゴンを 120℃に加熱された補助アルゴン供給管35を通してリアクタ11に供給し、流動床12のメッシュ部16を通して蛍光体粒子38に吹き付けて流動させると同時に、四塩化チタンと四塩化ケイ素の混合ガスを以下のように供給した。
【0060】
四塩化チタンは、四塩化チタン供給源20の四塩化チタン液21を30℃に加熱し、この加熱した四塩化チタン液21に窒素を配管23を通してバブリングし、四塩化チタンと窒素の混合ガスとして供給管24を通してリアクタ11に供給した。一方、四塩化ケイ素は四塩化ケイ素供給源25の四塩化ケイ素液26を 8℃に冷却し、この冷却した四塩化ケイ素液26に窒素を配管28を通してバブリングし、四塩化ケイ素と窒素の混合ガスとして供給管29を通してリアクタ11に供給した。
【0061】
これら四塩化チタンと窒素の混合ガスおよび四塩化ケイ素と窒素の混合ガスは、流動床12のメッシュ部16を通して流動状態の蛍光体粒子38に供給した。なお、供給管24内での四塩化チタンの液化を防ぐために、供給管24を60℃に加熱した。また、水蒸気供給源30の水(温度:26℃)31にアルゴンを配管33を通してバブリングし、水蒸気とアルゴンの混合ガスを供給管34を通して流動床12内の蛍光体粒子38に供給した。なお、供給管34内での水蒸気の液化を防ぐために供給管34を60℃に加熱した。
【0062】
上記した四塩化チタン、四塩化ケイ素および水蒸気を供給することによって、前述した反応にしたがって蛍光体粒子表面に酸化チタンと酸化ケイ素との混合膜からなる防湿被膜(厚さ 0.2μm)を形成した。気相成長条件は、蛍光体量100g、気相成長温度 135〜 200℃、気相成長圧力 400〜 500Tor 、TiCl4 +N2 流量 200〜 400sccm(TiCl4 液温30℃)、SiCl4 +N2 流量10〜50sccm
(SiCl4 液温 8℃)、H2 O+Ar流量 300〜 500sccm(H2 O液温26℃)、流動補助用Ar流量 100sccm、気相成長時間 4hrとした。
【0063】
このようにして、酸化チタンと酸化ケイ素との混合膜を被覆した防湿被膜付きEL蛍光体(ZnS:Cu,Cl)を用いて、図4に示したストリップタイプのEL発光素子40を組み立てた。
【0064】
このストリップタイプのEL発光素子について、過負荷駆動試験(200V,1kHz、10sec 印加)前後でのEL発光素子の発光効率の変化と、そのときの蛍光体粒子表面を被覆している酸化チタンと酸化ケイ素との混合膜からなる防湿被膜中のCl含有量との関係を調べた。図5にその結果を示す。なお、ここでの発光効率は 40V,600Hz駆動で得られた値とする。
【0065】
図5から明らかなように、防湿被膜中のCl含有量を3.5at%以下とした防湿被膜付きEL蛍光体を用いることによって、発光効率の低下を大幅に抑制することができることが分かる。
【0066】
次に、上述したストリップタイプのEL発光素子について、蛍光体表面を被覆している酸化チタンと酸化ケイ素との混合膜からなる防湿被膜中のTiとSiの比(Si/Ti)と、そのときのEL発光素子の発光寿命特性との関係を調べた。図6にその結果を示す。ただし、EL発光素子は温度40℃、湿度90%RH の高温高湿雰囲気中で100V,400Hzの条件で駆動した。
【0067】
図6から明らかなように、防湿被膜中のSi/Ti比を 0.8〜 1.0の範囲に制御した防湿被膜付きEL蛍光体を用いることによって、ストリップタイプのEL発光素子の初期発光効率を高めることができると共に、高温高湿雰囲気下での発光効率の低下を大幅に抑制することができることが分かる。
【0068】
上述したストリップタイプのEL発光素子と、防湿被膜で被覆していないZnS:Cu,Cl蛍光体粒子を用いると共に、素子全体を防湿フィルム(ポリクロロトリフルオロエチレン)で覆ったEL発光素子(比較例1)の発光寿命を比較した。図7にその結果を示す。図7から明らかなように、本発明のストリップタイプのEL発光素子は、防湿フィルムで素子全体をEL発光素子と比べても、寿命特性に優れることが分かる。
【0069】
実施例2
ZnS:Cu,Cl蛍光体粒子(平均粒径20μm )を用いて、実施例1と同様なCVD法によりSiOx −TiOx 混合膜からなる膜厚約 0.2〜 0.4μm の防湿被膜を、蛍光体粒子の表面に成長させた。気相成長時の条件は、成膜温度 160℃、成膜圧力 400〜 500Torr、TiCl4 +N2 流量 200sccm(TiCl4 液温30℃)、SiCl4 +N2 流量50sccm(SiCl4 液温 8℃)、H2 O+Ar流量 300sccm(H2 O液温26℃)、成膜時間 4hr、蛍光体量140gとした。XPS分析にて膜中のSi/Ti比を分析したところ、Si/Ti比は 0.9であった。また、SiOx −TiOx 混合膜中のCl含有量は3.0at%であった。
【0070】
このようにして、SiOx −TiOx 混合膜を被覆した防湿被膜付きEL蛍光体(ZnS:Cu,Cl)を用いて、図4に示したストリップタイプのEL発光素子40を組み立てた。このEL発光素子を温度40℃、湿度 90%RHの高温高湿槽中で100V,400Hzの駆動条件と40V,600Hz の駆動条件で点灯させ、輝度半減寿命と駆動電力変化を測定した。
【0071】
図8に100V,400Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を、図9に発光効率特性を示す。図10に 40V,600Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を、図11に発光効率特性を示す。なお、これらの図には防湿被膜で被覆していないZnS:Cu,Cl蛍光体粒子を用いると共に、素子全体を防湿フィルムで覆っていないEL発光素子(比較例2)の測定結果を併せて示す。
【0072】
図8〜図11から明らかなように、本発明の防湿被膜付きEL蛍光体を用いたEL発光素子は、100V,400Hzおよび40V,600Hz のいずれの駆動条件においても、40℃,90%RHの高温高湿雰囲気下で 400hr以上および 700hr以上と優れた輝度半減寿命を示し、また初期発光効率にも優れるものであった。
【0073】
実施例3
蛍光体粒子を防湿被膜処理する際のSiCl4 原料ガスの流量を調整することによって、防湿皮膜中のSi/Ti比を 0、 0.6、 0.8、 0.9とした防湿被膜付きEL蛍光体をそれぞれ作製した。気相成長時の条件は、成膜温度 200℃、成膜圧力 400〜 500Torr、TiCl4 +N2 流量 200sccm(TiCl4 液温30℃)、SiCl4 +N2 流量 0sccm(Si/Ti比は0)、10sccm(Si/Ti比は0.6)、25sccm(Si/Ti比は0.8)、50sccm(Si/Ti比は0.9)(いずれもSiCl4 液温は 8℃)、H2 O+Ar流量 300sccm(H2 O液温26℃)、成膜時間 4hr、蛍光体量140gとした。
【0074】
成膜後にXPS分析を行って、SiCl4 原料ガスの流量が10sccmのときのSi/Ti比は 0.6、SiCl4 原料ガスの流量が25sccmのときのSi/Ti比は 0.8、SiCl4 原料ガスの流量が50sccmのときのSi/Ti比は 0.9であることを確認した。
【0075】
上記した各防湿被膜付きEL蛍光体を用いて、それぞれ図4に示したストリップタイプのEL発光素子40を組み立てた。これら各EL発光素子を温度40℃、湿度 90%RHの高温高湿槽中にて100V,400Hzの駆動条件と40V,600Hz の駆動条件で点灯させた。図12に100V,400Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を、図13に発光効率特性を示す。図14に 40V,600Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を、図15に発光効率特性を示す。
【0076】
これらの図からSi/Ti比が高いほど長寿命特性を示すことが分かる。なお、Si/Ti比が 0.6の場合には 280時間の駆動で外観欠点(黒点)が発生し、またSi/Ti比が 0の場合には72時間駆動で外観欠点(黒点)が発生した。さらに、Si/Ti比が高いほど駆動中効率が下がらず、高効率な特性が得られた。特に、Si/Ti比が 0.9付近で最も高効率、長寿命となった。
【0077】
なお、各防湿被膜中のCl含有量をXPSで分析した。分析結果のグラフを図16に示す。膜中のSi/Ti比の増大に伴って、Cl含有量が減少することが分かる。
【0078】
実施例4
実施例3で示した各Si/Ti比の防湿被膜付きEL蛍光体を用いて、それぞれEL発光素子を作製した後、まず100V,400Hzの駆動条件と40V,600Hz の駆動条件で初期効率を測定した。その後、200V,1KHz の電源条件で10秒間の駆動(エージング)を行った。さらに、100V,400Hzの駆動条件と40V,600Hz の駆動条件でエージング後の効率を測定し、エージング前後におけるEL発光素子の効率特性変化を調べた。その結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0003980779
防湿被膜中のSi/Ti比が小さい(Si/Ti=0)蛍光体を用いて作製したEL発光素子は、エージングにより発光効率が大きく低下することが分かる。一方、Si/Ti比が大きい蛍光体を用いて作製したEL発光素子では、エージングによる発光効率の変化はほとんどないことが分かる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防湿被膜付きEL蛍光体によれば、蛍光体粒子表面を防湿被膜で覆った際の発光輝度の低下を抑制することができる。従って、このような防湿被膜付きEL蛍光体を用いることによって、全体を高価な防湿フィルムで被覆することなく、発光輝度および発光寿命特性に優れたEL発光素子を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防湿被膜付きEL蛍光体の一実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】 蛍光体粒子表面に防湿被膜を形成するためのCVD装置の一構成例を示す概略図である。
【図3】 図2に示すCVD装置のA部を拡大して示す図である。
【図4】 本発明によるEL発光素子の一実施形態の要部構造を示す断面図である。
【図5】 ストリップタイプのEL発光素子の過負荷駆動試験前後での発光効率の変化とそれに用いた防湿被膜付きEL蛍光体の防湿被膜中のCl含有量との関係を示す図である。
【図6】 SiOx −TiOx 混合膜からなる防湿被膜中のSi/Ti比とEL発光素子の発光寿命特性との関係を示す図である。
【図7】 本発明の実施例1によるストリップタイプのEL発光素子の発光寿命を従来のフィルムタイプのEL発光素子と比較して示す図である。
【図8】 本発明の実施例2によるストリップタイプのEL発光素子の 100V,400Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を示す図である。
【図9】 本発明の実施例2によるストリップタイプのEL発光素子の 100V,400Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光効率特性を示す図である。
【図10】 本発明の実施例2によるストリップタイプのEL発光素子の40V,600Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性を示す図である。
【図11】 本発明の実施例2によるストリップタイプのEL発光素子の40V,600Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光効率特性を示す図である。
【図12】 ストリップタイプのEL発光素子の防湿被膜中のSi/Ti比と 100V,400Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性との関係を示す図である。
【図13】 ストリップタイプのEL発光素子の防湿被膜中のSi/Ti比と 100V,400Hz の駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光効率特性との関係を示す図である。
【図14】 ストリップタイプのEL発光素子の防湿被膜中のSi/Ti比と 40V,600Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光寿命特性との関係を示す図である。
【図15】 ストリップタイプのEL発光素子の防湿被膜中のSi/Ti比と 40V,600Hzの駆動条件下での高温高湿駆動試験による発光効率特性との関係を示す図である。
【図16】 防湿被膜中のSi/Ti比とCl含有量の測定結果との関係を示す図である。
【符号の説明】
1……蛍光体粒子
2……防湿被膜
3……防湿被膜付きEL蛍光体
40……ストリップタイプのEL発光素子
41……発光体層
42……透明電極シート
43……反射絶縁層
44……背面電極層

Claims (12)

  1. エレクトロルミネッセンス用の蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子の表面を覆うようにCVD法で形成された実質的に透明な防湿被膜とを具備する防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜中の塩素含有量が3.5at%以下であることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  2. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜中の塩素含有量が3.0at%以下であることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  3. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜は、金属酸化物膜からなることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  4. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜は、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  5. 請求項4記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜は、酸化ケイ素と酸化チタンとの混合物からなることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  6. 請求項5記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜中のケイ素とチタンの含有量比(Si/Ti)が0.8〜1.0の範囲であることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  7. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記蛍光体粒子は、銅および塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体、または銅、マンガンおよび塩素が付活された硫化亜鉛蛍光体からなることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  8. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜を有する蛍光体粒子は、それを用いてEL発光素子を構成した際の初期発光効率が100V,400Hzの駆動条件下で3.0cd/W以上であり、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が300時間以上であることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  9. 請求項1記載の防湿被膜付きEL蛍光体において、
    前記防湿被膜を有する蛍光体粒子は、それを用いてEL発光素子を構成した際の初期発光効率が40V,600Hzの駆動条件下で4.5cd/W以上であり、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が500時間以上であることを特徴とする防湿被膜付きEL蛍光体。
  10. 透明電極シートと、前記透明電極シート上に形成され、蛍光体粒子の表面をCVD法を適用して実質的に透明な防湿被膜で覆った防湿被膜付きEL蛍光体を含有する発光体層と、前記発光体層上に順に積層形成された反射絶縁層および背面電極層とを具備するEL発光素子において、
    前記防湿被膜付きEL蛍光体は、塩素含有量が3.5at%以下の前記防湿被膜を有することを特徴とするEL発光素子。
  11. 請求項10記載のEL発光素子において、
    初期発光効率が100V,400Hzの駆動条件下で3.0cd/W以上であり、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が300時間以上であることを特徴とするEL発光素子。
  12. 請求項10記載のEL発光素子において、
    初期発光効率が40V,600Hzの駆動条件下で4.5cd/W以上であり、かつ40℃,90%RHの条件下での輝度半減時間が500時間以上であることを特徴とするEL発光素子。
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