JPH06306356A - 被覆蛍光体の製造方法 - Google Patents

被覆蛍光体の製造方法

Info

Publication number
JPH06306356A
JPH06306356A JP12071593A JP12071593A JPH06306356A JP H06306356 A JPH06306356 A JP H06306356A JP 12071593 A JP12071593 A JP 12071593A JP 12071593 A JP12071593 A JP 12071593A JP H06306356 A JPH06306356 A JP H06306356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
silica
film
silica film
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12071593A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Baba
俊之 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP12071593A priority Critical patent/JPH06306356A/ja
Publication of JPH06306356A publication Critical patent/JPH06306356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水酸基の含有量が少なくて遮水性に優れるシ
リカコーティング膜を蛍光体の熱等による劣化を防止し
つつ形成できて、輝度や発光寿命、ないしその維持性に
優れる被覆蛍光体を得ること。 【構成】 蛍光体の粉末(1)を被覆する水酸基含有の
シリカ膜(2)中に、一般式:FnSiR4-n(ただし、
Rはアルキル基又はアルコキシ基、nは1〜3の整数で
ある。)で表されるフッ素含有有機シランを拡散させて
シリカ膜と低温で脱水縮合反応させる被覆蛍光体の製造
方法。 【効果】 フッ素による撥水性を有する緻密なシリカコ
ーティング膜を形成できて水分劣化が生じにくいシリカ
被覆蛍光体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体の劣化を防止し
た被覆蛍光体の製造方法に関し、得られた被覆蛍光体は
輝度や発光寿命、その維持性に優れて照明装置や表示装
置等の発光型装置などに好ましく用いうる。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光ランプやEL発光体等の照明
装置、電子装置用観察スクリーン等の表示装置などにお
ける発光部の形成に用いる蛍光体は、水分で劣化して発
光力や輝度が低下することからシリカ膜で被覆する対策
が採られており、かかる被覆蛍光体の製造方法としてC
VD方式やゾル・ゲル方式でシリカコーティング膜を形
成する方法が知られていた(特開昭61−23678号
公報)。
【0003】しかしながら、シリカコーティング膜形成
時の加熱温度を高くすると蛍光体が熱劣化してコーティ
ング膜で被覆する前よりも輝度等が低下し、劣化速度も
速くなって寿命がより短縮化される問題点があった。一
方、蛍光体の熱劣化防止のため200〜400℃でシリ
カコーティング膜を形成すると遮水性に劣るためか水分
で劣化しやすい被覆蛍光体となる問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記低温形
成のシリカコーティング膜にあっては水酸基の含有量が
多くて水分が浸透しやすくそのため遮水性に乏しいこと
を究明して得た知見をもとに、水酸基の含有量が少なく
て遮水性に優れるシリカコーティング膜を蛍光体の熱等
による劣化を防止しつつ形成できて、輝度や発光寿命、
ないしその維持性に優れる被覆蛍光体が得られる製造方
法の開発を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光体の粉末
を被覆する水酸基含有のシリカ膜中に、一般式:FnSi
4-n(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基、n
は1〜3の整数である。)で表されるフッ素含有有機シ
ランを拡散させてシリカ膜と低温で脱水縮合反応させる
ことを特徴とする被覆蛍光体の製造方法を提供するもの
である。
【0006】
【作用】前記一般式で表されるフッ素含有有機シランを
水酸基含有のシリカ膜中に拡散させることにより、その
フッ素含有有機シランがシリカ膜中の水酸基を介し室温
等の低温で脱水縮合反応してシリカ膜中の水酸基を消費
除去し、かつシリカ膜の縮合反応を促進して緻密なシリ
カ膜に改質する。しかもフッ素含有のシリカ膜に改質し
て撥水性に優れるシリカ膜を形成する。
【0007】前記の結果、蛍光体の粉末を熱劣化させる
ことなく遮水性に優れるシリカコーティング膜を形成で
き、水分劣化が生じにくくて輝度や発光寿命、ないしそ
の維持性に優れる被覆蛍光体を得ることができる。
【0008】
【実施例】本発明の製造方法は、一般式:FnSiR4-n
(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基、nは1〜
3の整数である。)で表されるフッ素含有有機シランを
蛍光体粉末を被覆する水酸基含有のシリカ膜中に拡散さ
せてそのシリカ膜と低温で脱水縮合反応させることによ
り被覆蛍光体を得るものである。
【0009】本発明において用いられるフッ素含有有機
シランは、水分ないし水酸基との反応を介して脱水縮合
の反応機構を示すものであればよい。一般には、有機基
(R)に基づく反応生成物がシリカ膜中に残存しないこ
とが好ましいことから、前記一般式におけるRがメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基の如きアルキル
基、又はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基の如きアルコキシ基であるものなどが用いられ
る。
【0010】フッ素含有有機シランのシリカ膜中への拡
散は、適宜な方式で行ってよい。一般にはフッ素含有有
機シランの気流を、必要に応じヘリウムやアルゴン等の
不活性ガスを介しシリカ膜に対して供給する方式が採ら
れるが、液状のフッ素含有有機シランにシリカ膜で被覆
した蛍光体粉末を浸漬してもよい。
【0011】シリカ膜中に拡散させたフッ素含有有機シ
ランの脱水縮合反応に際しては、蛍光体粉末が熱劣化し
ない温度、一般には200〜400℃に加熱してもよい
が、好ましい方式は室温等の低温での反応である。
【0012】本発明においてフッ素含有有機シランで処
理する対象の、蛍光体粉末を被覆する水酸基含有のシリ
カ膜については特に限定はない。ちなみにSiO2のほ
か、例えばTiO2−SiO2、ZrO2−SiO2などの複合
形態で形成されたものであってもよい。
【0013】従って前記のシリカ膜は、適宜な方式で形
成したものであってよい。一般には、400℃以下での
低温CVD方式、減圧CVD方式、プラズマCVD方
式、低温ゾル・ゲル方式などの水酸基を含有しやすい方
式で形成されたシリカ膜が対象とされる。処理対象のシ
リカ膜の厚さは、通例30μm以下、就中10nm〜1μm
程度であるが、これに限定されない。
【0014】シリカ膜で被覆された蛍光体粉末そのもの
については特に限定はない。一般には、硫化亜鉛や硫化
カドミウム亜鉛を銅、マンガン、アルミニウム、銀、塩
素、ホウ素等で活性化したものや、希土類賦活酸化イッ
トリウム等の酸化物などからなる。蛍光体粉末の粒径は
任意であるが、平均粒径に基づき1μm以上、就中5〜
50μmが一般的である。
【0015】本発明において用いる、水酸基含有のシリ
カ膜で被覆された蛍光体粉末は、図1に例示の如くシリ
カ膜のみで被覆されたものであってもよいし、図2に例
示の如くシリカ膜の内部に1層又は2層以上の他のコー
ティング膜を有するものであってもよい。図中の1が蛍
光体粉末、2がシリカ膜,3が他のコーティング膜であ
る。
【0016】前記したシリカ膜以外のコーティング膜の
種類は任意であるが、輝度の向上に有効なものとしては
高誘電体からなるコーティング膜などがあげられる。そ
の高誘電体の例としては、Ta25、Al23、ZrO2
TiO2、BaTiO3、PbTiO3、PZT(PbZrO3
PbTiO3の固溶体)、PLZT(PZTのLa添加
物)、SrTiO3等の高誘電率で透光性の金属酸化物系
化合物などがあげられる。
【0017】前記の高誘電体層をシリカ膜の内部に有す
る被覆構造は、低電圧で高電界を形成できて蛍光体を高
輝度に発光させることができ、かつ蛍光体の発光特性を
低下させることなく耐水性を付与できて発光特性が低下
しにくい被覆蛍光体とすることができる利点を有してい
る。なお各被覆膜の厚さは30μm以下、就中10nm〜
1μmが一般である。
【0018】実施例1 厚さ0.2μmのシリカ膜でコーティングした平均粒径
20μmのZnS(比較例2)に、FSi(OC253
50℃に加温しつつ発生させた蒸気としてアルゴンガス
と共に供給する処理を室温で60分間続けてシリカ膜を
処理した。
【0019】比較例1 平均粒径20μmのZnSをそのまま用いた。
【0020】比較例2 室温(25℃)及び5Toorの条件にて、減圧反応管
内に設けたガラスフィルター上に平均粒径20μmのZn
Sを20g保持し、それにSi(OC254を50℃に
加温して発生された原料ガスをアルゴンガス(73cc/
分)と共に反応管下部よりZnS部に供給して流動層と
すると共に、反応管の上部より酸素ガスを50W、1
3.56MHzの高周波を印加した高周波コイル域に1
50cc/分の速度で供給してプラズマ化し、発生した酸
素ラジカル、ないし酸素プラズマを流動層化したZnS
部に供給する操作を約3時間続けて厚さ0.2μmのシ
リカ膜でコーティングされたZnSを得た。
【0021】評価試験 Si-OH吸収 実施例1又は比較例2で得た被覆ZnSの赤外吸収スペ
クトルを調べ、Si-OHに基づく吸収スペクトルを調べ
た。
【0022】輝度特性 厚さ50μmのポリエステルフィルムからなるベース基
板の片面に、銀粉含有の樹脂ペーストを部分塗布して幅
2mmの集電帯を形成後、ITOを分散含有させたフッ化
ビニリデン系共重合体の酢酸セロソルブ溶液からなる透
明導電塗料を塗布して厚さ約5μmの透明電極層(70
0Ω/□)を形成し、その上にリード電極を付設後、実
施例1又は比較例1,2で得た(シリカ被覆)ZnSを
分散含有するフッ化ビニリデン系共重合体の酢酸セロソ
ルブ溶液を塗布して厚さ約50μmの発光層を形成し
た。
【0023】他方、前記と同じ材質のベース基板の片面
に銀粉含有の導電性塗料を塗布して厚さ約5μmの背面
電極層を形成してリード電極を付設し、前記で得たベー
ス基板と共にその層付設側を内側にして、チタン酸バリ
ウム含有のフッ化ビニリデン系共重合体の酢酸セロソル
ブ溶液からなる厚さ約30μmの塗布層(絶縁層を兼ね
る接着層)を介して接着し、その接合体の上下に厚さ1
00μmのポリエステルフィルム(PET)又はポリク
ロロトリフルオロエチレンフィルム(PCTFE)を配
置し、その周縁を接着して密封構造としEL発光体を得
た。
【0024】前記のEL発光体の初期輝度(駆動電圧:
100V)を測定後、それを40℃、90%RHの雰囲
気下、かつ100V、400Hzによる駆動状態下に放置
し輝度が初期輝度の半分となる半減期を調べた。
【0025】前記の結果を表1に示した。なお輝度特性
は、実施例1の場合を100としてその相対割合を示し
た。
【表1】
【0026】上記の結果より、本発明による被覆蛍光体
によれば、湿度に対する耐久性に優れるEL発光体を形
成できてポリクロロトリフルオロエチレンフィルムの如
き水分を透過させにくい封止フィルムの必要を回避で
き、取扱いが容易なポリエステルフィルム等の汎用フィ
ルムで充分に保護できることがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、蛍光体粉末を熱劣化さ
せることなくシリカコーティング膜中の水酸基を除去で
き、かつフッ素による撥水性を有する緻密で遮水性に優
れるシリカコーティング膜を形成できて水分劣化が生じ
にくく、輝度や発光寿命、ないしその維持性に優れるシ
リカ被覆蛍光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆蛍光体の拡大断面図。
【図2】他の被覆蛍光体の拡大断面図。
【符号の説明】
1:蛍光体粉末 2:シリカ膜 3:他のコーティング膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の粉末を被覆する水酸基含有のシ
    リカ膜中に、一般式:FnSiR4-n(ただし、Rはアル
    キル基又はアルコキシ基、nは1〜3の整数である。)
    で表されるフッ素含有有機シランを拡散させてシリカ膜
    と低温で脱水縮合反応させることを特徴とする被覆蛍光
    体の製造方法。
JP12071593A 1993-04-22 1993-04-22 被覆蛍光体の製造方法 Pending JPH06306356A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12071593A JPH06306356A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 被覆蛍光体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12071593A JPH06306356A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 被覆蛍光体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06306356A true JPH06306356A (ja) 1994-11-01

Family

ID=14793212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12071593A Pending JPH06306356A (ja) 1993-04-22 1993-04-22 被覆蛍光体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06306356A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009516329A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 低圧水銀蒸気放電ランプ及びコンパクトな蛍光ランプ
US9196800B2 (en) 1996-06-26 2015-11-24 Osram Gmbh Light-radiating semiconductor component with a luminescence conversion element

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9196800B2 (en) 1996-06-26 2015-11-24 Osram Gmbh Light-radiating semiconductor component with a luminescence conversion element
JP2009516329A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 低圧水銀蒸気放電ランプ及びコンパクトな蛍光ランプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101828662B1 (ko) 유기 일렉트로루미네센스 소자 및 조명 장치
KR100902706B1 (ko) 기판 및 그 기판을 갖는 유기 전계 발광 소자
WO2015083660A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5895684B2 (ja) ガスバリア性フィルムの製造方法、および前記ガスバリア性フィルムを用いた電子デバイスの製造方法
JP5835083B2 (ja) 有機エレクトロニクスデバイス
US10032826B2 (en) Light extraction substrate, method for manufacturing light extraction substrate, organic electroluminescent element, and method for manufacturing organic electroluminescent element
JPH06299146A (ja) シリカ被覆蛍光体の製造方法
TWI242037B (en) Phosphor thin film, manufacturing method of the same and electroluminescence panel
CA2517479A1 (en) El function film and el device
WO2016208237A1 (ja) ガスバリアフィルム、透明導電部材、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに、ガスバリアフィルムの製造方法、透明導電部材の製造方法、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
US20020125821A1 (en) Electroluminescent display formed on glass with a thick film dielectric layer
JPH06306356A (ja) 被覆蛍光体の製造方法
KR100506833B1 (ko) 박막전계발광소자 및 그 제조방법
JPH06184533A (ja) 被覆蛍光体の製造方法
EP1554913B1 (en) Thin film phosphor for electroluminescent displays
JP4641722B2 (ja) エレクトロルミネセンス素子およびその製造方法
WO2014185392A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH06299147A (ja) 被覆蛍光体の製造方法
JP2000204367A (ja) 防湿被膜付きel蛍光体とそれを用いたel発光素子
WO2002073708A2 (en) Electroluminescent display device
JP3712949B2 (ja) エレクトロルミネッセンス素子およびその被膜
JPH06267697A (ja) プラズマ発生方法及びその装置並びに被覆粉体の製造方法
JPH08162269A (ja) 薄膜白色el素子及びこれを用いたフルカラーディスプレイ
JP2002299064A (ja) 誘電体層を備えるデバイス
JPH06272046A (ja) プラズマ発生装置