JP2002299064A - 誘電体層を備えるデバイス - Google Patents

誘電体層を備えるデバイス

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JP2002299064A
JP2002299064A JP2001093857A JP2001093857A JP2002299064A JP 2002299064 A JP2002299064 A JP 2002299064A JP 2001093857 A JP2001093857 A JP 2001093857A JP 2001093857 A JP2001093857 A JP 2001093857A JP 2002299064 A JP2002299064 A JP 2002299064A
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dielectric
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Kosuke Terada
幸祐 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛化合物誘電体層を有し、信頼性の高い誘電
体層を備えるデバイスを提供する。 【解決手段】 アルミナ焼結体基板1c上に背面電極と
してAu電極2を0.5μm程度の厚さでストライプ状
に形成する。その上に四三酸化鉛−酸化マグネシウム−
酸化ニオブからなる鉛化合物誘電体層3を20μmの厚
さで設ける。さらにその上に反応防止用誘電体層である
チタン酸バリウム誘電体層4を7μmの厚さで設ける。
膜厚30nm程度の第1Si34膜5を高周波スパッタ
法により作製し、膜厚700nm程度のZnS:Mn発
光層6を設ける。第2Si34膜7およびSiO2膜8
作製後に真空中または不活性ガス中で熱処理を行い、最
後に透明電極としてITO電極9を200nm程度の膜
厚で高周波スパッタ法により作製し、エッチングにより
Au電極2と直交するようなストライプ状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体層を備える
デバイスに関し、特にELディスプレイに用いる表示デ
バイスに関する。
【0002】
【従来の技術】高い誘電率を示す誘電体は、小さい印加
電圧で多くの電荷を蓄積することができることからコン
デンサーなどの各種電子部品に多く利用されている。こ
の中でディスプレイに利用される薄膜EL(Electrolum
inescent)素子では高誘電率誘電体層を用いることで発
光層中の移動電荷量が増加し、発光輝度の向上などの高
性能化が期待できる。
【0003】薄膜EL素子による薄膜ELディスプレイ
は近年の情報化社会の発展に伴う表示装置の軽量化、低
容量化、低消費電力化および大画面化などの要求の高ま
りに伴い、視認性の良さや寿命の長さなど優れた特色を
もつ平面薄型ディスプレイとして期待されている。
【0004】薄膜EL素子は基板上に少なくとも一方が
透明電極である一対の電極とそれに挟まれた絶縁誘電体
層とEL発光層とを備えた構造を有しており、一対の電
極間に交流電界を加えることにより発光が得られるもの
である。発光層はその材料により素子の発光色が決ま
り、また発光効率にも影響を及ぼす。ZnS:Mn発光
層は現在最も発光効率が高く、黄色のモノクロ表示装置
として実用化されている。その他では、赤色発光を示す
CaS:Eu,ZnS:Sm発光層、緑色発光を示すZ
nS:Tb,CaS:Ce発光層、青色発光を示すZn
S:Tm,SrS:Ce発光層が知られている。
【0005】また絶縁誘電体層はEL発光層との界面に
電荷を蓄積し、この蓄積された電荷が交流電界の極性の
変化に伴い発光層中を移動する。この移動電荷により発
光層中の発光中心が励起され発光が得られるため移動電
荷量が大きいほど発光輝度が高くなる。誘電体の誘電率
が高いほど、また誘電体の絶縁耐圧が高いほど誘電体層
の膜厚を薄くすることができるため誘電体層の単位面積
当たりの容量が増加し、蓄積電荷量の増加とともにEL
素子の発光輝度を向上させることができる。誘電体は誘
電率が高いほど、また耐圧が高いほど発光輝度を高めら
れることになり、誘電率と絶縁破壊電界をかけたものを
性能指数として誘電体の性能を表すものとして用いられ
ている。
【0006】絶縁誘電体として従来は、Si34やSi
2,Al23,Y23,Ta25等の薄膜絶縁層が用
いられているが、特公平7−44072号公報記載のE
L素子および特開平7−50197号公報記載のELラ
ミネート誘電層構造体などでは、発光特性を向上させる
ためにさらに比誘電率、性能指数が高いチタン酸バリウ
ムおよび鉛を含む復合ペロブスカイト材料をEL素子に
応用する検討がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ELディスプレイの発
光輝度向上のために高誘電率材料の中でも比較的低温度
の焼成温度で高い比誘電率が得られる材料として四三酸
化鉛−酸化マグネシウム−酸化ニオブより生成される鉛
化合物誘電体を検討し、850℃焼成、1時間の焼成で
誘電率531pF/cm(比誘電率6000)、耐圧
0.2MV/cm、性能指数106.2μC/cm2
非常に優れた特性が得られることが見出されたが、実際
に上記誘電体を薄膜EL素子に応用する場合、発光層熱
処理工程後に発光層と上記誘電体層との間に反応が生じ
発光輝度が著しく低下してしまう。発光層熱処理工程は
発光層を改質し高輝度の素子を得るために必要な工程で
ある。そしてこの熱処理は発光層の酸化を防ぐために、
真空または不活性ガス雰囲気中で行う必要がある。上記
の発光層と誘電体層との化学反応は真空および不活性ガ
ス雰囲気の両条件で生じる。上記反応は鉛の化合物を用
いた場合に多く生じることも分かっており、さらに上記
誘電体材料を用い、電極として銀電極を用いた場合、銀
電極と誘電体層とが接することにより反応が生じ、薄膜
EL素子に適用した場合に破壊が生じ易くなるなどの問
題がある。
【0008】本発明の目的は、鉛化合物誘電体層を有
し、信頼性の高い誘電体層を備えるデバイスを提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空あるいは
不活性ガス雰囲気中の熱処理工程を経て形成され、誘電
体層を備えるデバイスにおいて、鉛化合物からなる誘電
体層を有し、前記鉛化合物からなる誘電体層と他の構成
層との間に反応防止用誘電体層が設けられることを特徴
とする誘電体層を備えるデバイスである。
【0010】本発明に従えば、鉛化合物からなる誘電体
層と他の構成層との間に反応防止用誘電体層が設けられ
るので、誘電率の高い鉛化合物誘電体層を他の構成層と
反応することなく用いることができ、信頼性の高い誘電
体層を備えるデバイスを実現できる。誘電体層を備える
デバイスがEL素子であれば、信頼性が高く、発光輝度
の高い薄膜ELディスプレイを作製することができる。
【0011】また本発明は、硫化物層を有し、前記硫化
物層と前記鉛化合物からなる誘電体層との間に反応防止
用誘電体層を設けることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、硫化物層と鉛化合物から
なる誘電体層との間に反応防止用誘電体層を設けるの
で、特に硫化物層を構成層とするデバイスにおいて誘電
率の高い鉛化合物誘電体層を反応することなく用いるこ
とができ、信頼性の高い誘電体層を備えるデバイスを実
現できる。誘電体層を備えるデバイスがEL素子であれ
ば、信頼性が高く、発光輝度の高い薄膜ELディスプレ
イを作製することができる。
【0013】また本発明は、銀含有層を有し、前記銀含
有層と前記鉛化合物からなる誘電体層との間に反応防止
用誘電体層を設けることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、銀含有層と鉛化合物から
なる誘電体層との間に反応防止用誘電体層を設けるの
で、金属電極などに安価で抵抗率の低い銀電極を用いる
ことができ、より安価で高性能な誘電体層を備えるデバ
イスを実現できる。誘電体層を備えるデバイスがEL素
子であれば、特に発光輝度の高い薄膜ELディスプレイ
を作製することができる。
【0015】また本発明は、前記鉛化合物からなる誘電
体層は、四三酸化鉛−酸化マグネシウム−酸化ニオブか
らなることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、鉛化合物からなる誘電体
層は、四三酸化鉛−酸化マグネシウム−酸化ニオブから
なるので、誘電率、性能指数がより高い誘電体層が形成
でき、より高性能な誘電体層を備えるデバイスを実現で
きる。誘電体層を備えるデバイスがEL素子であれば、
特に高輝度なELディスプレイを作製することができ
る。
【0017】また本発明は、前記反応防止用誘電体層
は、チタン酸バリウムを主成分とすることを特徴とす
る。
【0018】本発明に従えば、反応防止用誘電体層は、
チタン酸バリウムを主成分とするので、反応防止誘電体
層による誘電体層全体の絶縁容量の低下を最小限に抑え
ることができ、誘電体層に蓄積できる電荷量がより大き
い高性能な誘電体層を備えるデバイスを実現できる。誘
電体層を備えるデバイスがEL素子であれば、特に発光
輝度の高い薄膜ELディスプレイを作製することができ
る。
【0019】また本発明は、前記鉛化合物からなる誘電
体層は、粉末材料を焼結したものであることを特徴とす
る。
【0020】本発明に従えば、鉛化合物からなる誘電体
層は、粉末材料を焼結したものであるので、効率よく鉛
化合物からなる誘電体層を作製することができる。
【0021】また本発明は、前記反応防止用誘電体層
は、粉末材料を焼結したものであることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、反応防止用誘電体層は、
粉末材料を焼結したものであるので、効率よく反応防止
用誘電体層を作製することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は、本発明の実
施例である誘電体層を備えるデバイスとして作製したE
Lディスプレイ1の断面図である。ELディスプレイは
発光を示すEL素子部1aと水分を含んだ外気から素子
を保護する保護部1bと基板1cとから構成される。
【0024】EL素子部1aは、Au電極2、鉛化合物
誘電体層3、チタン酸バリウム誘電体層4、第1Si3
4膜5、ZnS:Mn発光層6、第2Si34膜7、
SiO 2膜8、ITO(Indium Tin Oxide)電極9から
構成される。まず、アルミナ焼結体基板1c上に背面電
極としてAu電極2を0.5μm程度の厚さでストライ
プ状に形成する。この電極はAu導体ペーストGB−1
003(田中金属工業製)を325メッシュのスクリー
ンで印刷形成し、850℃、10分の熱処理により作製
した。その上に鉛化合物からなる誘電体層3を20μm
の厚さで作製する。鉛化合物誘電体層3は、四三酸化鉛
−酸化マグネシウム−酸化ニオブよりなる粉末材料であ
る誘電体ペーストLST−5000(田中金属工業製)
を165メッシュのスクリーンで印刷形成し、850
℃、1時間の大気中熱処理により焼結して作製した。
【0025】鉛化合物誘電体層3は、絶縁耐圧が0.2
MV/cm程度以下しかなく従来EL絶縁膜に用いられ
るSi34やSiO2,Al23,Y23,Ta25
1/20以下でしかない。このため絶縁耐圧を従来と同
様以上に保つためには20倍以上の層厚が必要となり、
成膜速度の遅いスパッタ成長法等では作製時間が長過ぎ
て作製コストが上昇する。したがって、本実施例のよう
に粉末材料を焼結して作製することにより容易に層厚の
厚い誘電体層を作製することができる。
【0026】鉛化合物誘電体層3の誘電特性を別途測定
すると、誘電率531pF/cm(比誘電率600
0)、耐圧0.2MV/cmで性能指数106.2μC
/cm2の優れた誘電特性を示した。さらにその上に反
応防止用誘電体層であるチタン酸バリウム誘電体層4を
7μmの厚さで作製した。反応防止誘電体層として低い
比誘電率の絶縁材料を用いた場合、誘電体層全体の容量
が低下するため高誘電率の鉛化合物誘電体層を用いる効
果を失わせてしまう。本実施例で用いたチタン酸バリウ
ムを主成分とする誘電体層は、反応防止性を示す材料の
中でも高い誘電率をもつため、反応防止層を設けること
による全体の絶縁層容量の低下を抑えることができる。
これにより蓄積電荷が低下することを防ぎ、反応を防止
するとともに高い発光輝度を維持することができる。
【0027】チタン酸バリウム誘電体層4は、粉末材料
である誘電体ペーストLST−1000T(田中金属工
業製)を500メッシュのスクリーンで印刷塗布し、8
50℃、1時間の大気中熱処理により焼結して作製し
た。ペーストLST−1000T中には主成分であるチ
タン酸バリウムの他に鉛、アルミニウム、ホウ素、珪
素、亜鉛よりなるガラスおよび金属酸化物が添加されて
おり、作製された誘電体層はチタン酸バリウムとこれら
添加剤との混合物である。チタン酸バリウム誘電体に
は、このような少量の焼結助剤を含むことが多いが、こ
のような添加物を含んでいても本発明の効果は十分に得
られる。また、反応防止誘電体層としては層厚が厚いほ
ど反応防止効果があり、また鉛化合物誘電体層の表面の
凹凸を被覆するためにも層厚が厚いことが好ましい。こ
のため本実施例では、粉末材料を焼結して厚膜を作製し
た。
【0028】チタン酸バリウム誘電体層4の誘電特性を
別途測定すると誘電率80pF/cm(比誘電率90
0)、耐圧0.2MV/cm、性能指数16μC/cm
2の誘電特性を示した。さらにその上に膜厚30nm程
度の第1Si34膜5を高周波スパッタ法により作製す
る。これは発光層と誘電体層との界面状態を通常の薄膜
EL素子と同じにするため挿入する。さらに発光層とし
て膜厚700nm程度のZnS:Mn発光層6を作製す
る。このZnS:Mn発光層6は、Mnを0.45wt
%含んだZnS:Mnペレットを蒸着源とした電子ビー
ム共蒸着(EB)法により作製され黄色発光をする硫化
物層である。第2Si34膜7およびSiO2膜8は、
それぞれ膜厚30nm程度、膜厚35nm程度で高周波
スパッタ法によりそれぞれ作製する。第2Si34膜7
およびSiO2膜8作製後に真空中または不活性ガス中
で熱処理(アニール)を行う。真空アニールは1×10
-4Pa以下の高真空中で630℃、1時間加熱保持す
る。また不活性ガス中アニールは窒素雰囲気中で630
℃、1時間加熱保持する。この熱処理工程は、通常の薄
膜EL素子作製過程で行われるもので、EL素子の発光
輝度を向上させる。最後に透明電極としてITO電極9
を200nm程度の膜厚で高周波スパッタ法により作製
し、フォトレジストを用いたウエットエッチングにより
Au電極2と直交するようなストライプ状に作製した。
【0029】EL保護部1bは、保護ガラス10、エポ
キシ樹脂11、シリコンオイル12から構成される。深
さ1mm程度で掘り込み加工された保護ガラス10を、
EL素子部1aを前記掘り込み部分に封じ込めるように
配置し、保護ガラス10の周辺部をエポキシ樹脂11に
より基板1cと接着する。その後封止空間にシリコンオ
イル12を、予め保護ガラス20に設けておいたオイル
導入口13より注入し、オイル導入口13を封止ガラス
14で封止して作製される。
【0030】作製されたELディスプレイ1は、Au電
極2およびITO電極9間に交流電圧を印加することに
より、交点の部分で発光する。上記のように作製したE
Lディスプレイ1のEL素子部1aにおける誘電体層の
単位面積当たりの容量は325pF/mm2であり、従
来の薄膜EL素子の容量130pF/mm2と比べて約
2.5倍であった。真空中アニールまたは不活性ガス中
アニールを行った両サンプル共にほぼ容量比に近い輝度
上昇が得られた。また、作製されたEL素子部1aは鉛
化合物誘電体層3とチタン酸バリウム誘電体層4との膜
厚は合わせて27μmあり、これによりEL素子部1a
に充分な絶縁耐圧が得られ、従来使用される300V程
度の駆動において破壊することはなかった。なお、反応
防止用誘電体層であるチタン酸バリウム誘電体層3を除
いた従来構造の素子を作製したところ、真空アニールま
たは不活性ガス中アニールを行った両サンプル共に化学
反応によってアニール後にEL素子部1a全体が黒ずん
だ色となり、素子の発光輝度が著しく低下した。
【0031】このように、鉛化合物誘電体層3とZn
S:Mn発光層6との間にチタン酸バリウム誘電体層4
を設けることで、鉛化合物誘電体層3とZnS:Mn発
光層6とが反応することなく、高誘電率を有する鉛化合
物誘電体層3を使用することができる。特に四三酸化鉛
−酸化マグネシウム−酸化ニオブより生成される鉛化合
物誘電体層を使用することが可能でさらに高輝度で、信
頼性の高いELディスプレイが得られる。
【0032】(実施例2)図2は、本発明の他の実施例
である誘電体層を備えるデバイスとして作製したELデ
ィスプレイ1の断面図である。ELディスプレイは発光
を示すEL素子部1aと水分を含んだ外気から素子を保
護する保護部1bと基板1cとから構成される。
【0033】EL素子部1aは、Ag電極15、第1チ
タン酸バリウム誘電体層4a、鉛化合物誘電体層3、第
2チタン酸バリウム誘電体層4b、第1Si34膜5、
ZnS:Mn発光層6、第2Si34膜7、SiO2
8、ITO(Indium TinOxide)電極9から構成され
る。まず、セラミック等の基板1c上に背面電極として
銀含有層であるAg電極15を3μm程度の厚さでスト
ライプ状に形成する。この電極はAg導体ペーストMH
406(田中金属工業製)を325メッシュのスクリー
ンにより印刷塗布し、850℃、10分の熱処理により
作製した。
【0034】Ag電極15は安価で抵抗率が低く、これ
を用いることによって安価で高性能なELディスプレイ
を作製することができる。
【0035】さらにその上に反応防止用誘電体層である
第1チタン酸バリウム誘電体層4aを7μm程度の厚さ
で作製する。この誘電体層の作製は、実施例1に示す方
法と同じである。さらにその上に四三酸化鉛−酸化マグ
ネシウム−酸化ニオブよりなる鉛化合物誘電体膜3を実
施例1と同様の方法で作製し、反応防止用誘電体層であ
る第2チタン酸バリウム誘電体層4bを7μm、膜厚3
0nm程度の第1Si 34膜5、硫化物層であるZn
S:Mn発光層6、膜厚30nm程度の第2Si 34
7、膜厚35nm程度のSiO2膜8をそれぞれ実施例
1と同様の方法で作製する。SiO2膜8作製後にアニ
ールを行う。アニールは実施例1と同様の真空中アニー
ルと不活性ガス中アニールである。透明電極としてIT
O電極9を200nm程度の膜厚で高周波スパッタ法に
より作製し、フォトレジストを用いたウエットエッチン
グによりAg電極15と直交するようなストライプ状に
作製した。
【0036】EL保護部1bは、保護ガラス10、エポ
キシ樹脂11およびシリコンオイル12から構成され
る。実施例1と同様に深さ1mm程度で掘り込み加工さ
れた保護ガラス10を、EL素子部1aを前記掘り込み
部分に封じ込めるように配置し、保護ガラス10の周辺
部をエポキシ樹脂11により基板1cと接着する。その
後封止空間にシリコンオイル12を、予め保護ガラス1
0に設けておいたオイル導入口13より注入し、オイル
導入口13を封止ガラス14で封止して作製される。
【0037】作製されたELディスプレイ1は、Ag電
極15およびITO電極9間に交流電圧を印加すること
により、交点の部分で発光する。上記のように作製した
ELディスプレイ1のEL素子部1aにおける誘電体層
の単位面積当たりの容量は260pF/mm2であり、
従来の薄膜EL素子の容量130pF/mm2と比べて
約2倍であった。真空中アニールまたは不活性ガス中ア
ニールを行った両サンプル共にほぼ容量比に近い輝度上
昇が得られた。また、EL素子部1aは、十分な絶縁耐
圧を有し、従来使用される300V程度の駆動において
破壊することはなかった。なお、反応防止用誘電体層で
ある第1チタン酸バリウム誘電体層4aを除いた従来構
造のELディスプレイを作製したところ真空中アニール
または不活性ガス中アニールを行った両サンプル共に反
応によってアニール後にEL素子部1a全体が赤味がか
った色となり、300V以下の駆動電圧で破壊した。
【0038】このように、鉛化合物誘電体層3とZn
S:Mn発光層6との間だけではなく鉛化合物誘電体層
3とAg電極15との間にもチタン酸バリウム誘電体層
4aを設けることで、鉛化合物誘電体層3とAg電極1
5とが反応することなく、高誘電率を有する鉛化合物誘
電体層3を使用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電率の
高い鉛化合物誘電体層を他の構成層と反応することなく
用いることができ、信頼性の高い誘電体層を備えるデバ
イスを実現できる。誘電体層を備えるデバイスがEL素
子であれば、信頼性が高く、発光輝度の高い薄膜ELデ
ィスプレイを作製することができる。
【0040】また本発明によれば、特に硫化物膜を構成
層とするデバイスにおいて誘電率の高い鉛化合物誘電体
層を反応することなく用いることができ、信頼性の高い
誘電体層を備えるデバイスを実現できる。
【0041】また本発明によれば、金属電極などに安価
で抵抗率の低い銀電極を用いることができ、より安価で
高性能な誘電体層を備えるデバイスを実現できる。
【0042】また本発明によれば、誘電率、性能指数が
より高い誘電体層が形成でき、より高性能な誘電体層を
備えるデバイスを実現できる。
【0043】また本発明によれば、反応防止誘電体層に
よる誘電体層全体の絶縁容量の低下を最小限に抑えるこ
とができ、誘電体層に蓄積できる電荷量がより大きい高
性能な誘電体層を備えるデバイスを実現できる。
【0044】また本発明によれば、効率よく鉛化合物か
らなる誘電体層および反応防止用誘電体層を作製するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である誘電体層を備えるデバイ
スとして作製したELディスプレイ1の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例である誘電体層を備えるデ
バイスとして作製したELディスプレイ1の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ELディスプレイ 1a EL素子部 1b 保護部 1c 基板 2 Au電極 3 鉛化合物誘電体層 4 チタン酸バリウム誘電体層 5 第1Si34膜 6 ZnS:Mn発光層 7 第2Si34膜 8 SiO2膜 9 ITO(Indium Tin Oxide) 10 保護ガラス 11 エポキシ樹脂 12 シリコンオイル 13 オイル導入口 14 封止ガラス 15 Ag電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB06 AB07 AB11 AB18 BA06 BB01 BB03 CA02 CB01 DA05 DB02 DC02 DC04 EA01 EA02 EC00 EC01 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空あるいは不活性ガス雰囲気中の熱処
    理工程を経て形成され、誘電体層を備えるデバイスにお
    いて、鉛化合物からなる誘電体層を有し、前記鉛化合物
    からなる誘電体層と他の構成層との間に反応防止用誘電
    体層が設けられることを特徴とする誘電体層を備えるデ
    バイス。
  2. 【請求項2】 硫化物層を有し、前記硫化物層と前記鉛
    化合物からなる誘電体層との間に反応防止用誘電体層を
    設けることを特徴とする請求項1記載の誘電体層を備え
    るデバイス。
  3. 【請求項3】 銀含有層を有し、前記銀含有層と前記鉛
    化合物からなる誘電体層との間に反応防止用誘電体層を
    設けることを特徴とする請求項1または2記載の誘電体
    層を備えるデバイス。
  4. 【請求項4】 前記鉛化合物からなる誘電体層は、四三
    酸化鉛−酸化マグネシウム−酸化ニオブからなることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘電体
    層を備えるデバイス。
  5. 【請求項5】 前記反応防止用誘電体層は、チタン酸バ
    リウムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の誘電体層を備えるデバイス。
  6. 【請求項6】 前記鉛化合物からなる誘電体層は、粉末
    材料を焼結したものであることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1つに記載の誘電体層を備えるデバイス。
  7. 【請求項7】 前記反応防止用誘電体層は、粉末材料を
    焼結したものであることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1つに記載の誘電体層を備えるデバイス。
JP2001093857A 2001-03-28 2001-03-28 誘電体層を備えるデバイス Pending JP2002299064A (ja)

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