JP3979148B2 - 診療予約管理方法および診療予約管理プログラム - Google Patents

診療予約管理方法および診療予約管理プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院、医院等(以降、病院という)における診察や治療のように、患者毎に、診察する医師毎に、また、診療の内容によって必要な時間が変動する場合の診療時間帯の予約と、実際の診療受付順番を管理する診療の予約と診療受付順管理の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院の診療の予約および当日の診療受付方法は、多くは次のように行われていた。すなわち、予約は診療の窓口単位に時間枠を設定し、単位時間枠ごとに何人受付できるかを決めて、患者の希望する時間枠にあきを見つけてその時間帯に診療を受けることを目安として予約するようにしている。
【0003】
また、予約外患者の扱いは当日の受付順に受付事務員や看護婦の裁量によって診療の進み具合、予約患者の空き具合を見ながら診療の順番を決めている。
このように、診療は科目、担当医、診療の内容により、さらに患者それぞれにより、毎回必要な時間が変わるので、病院での実際の診療時間はなかなか予定通りに行うことが難しく、これまでにも次のような診療時間の予約受付方法の改善や工夫が提案されている。
【0004】
特開平7−93409号公報(予約管理システム)には予約日、予約開始時間、所要時間の入力フィールドを有する予約画面に、予約日に行うべき処置を入力する処置入力フィールドを設けて、処置コードが入力されたときには処置テーブルから処置コードに対応する所要時間を検索してそれを予約データとして反映させて正確な予約時間管理の実現を図っている。
【0005】
また、特開平8−22491号公報(受付けシステム)には、所定の単位時間毎に時間分けして設定された所定の時間枠中に診療をできる患者数を示す能力情報をドクター毎に記憶するドクター能力テーブルを設定し、診療を行うことができる時間帯を示すスケジュール情報をドクター毎に設けることにより、受付時に患者に対して診療の開始予定時刻を具体的に求めて通知することができる受付システムが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来実施されている一般的な診療予約受付システムにおいては、単位時間に何人受け付けできるかにより予約するので、単位時間当りでの受付人数の制限が運用上融通がきかず運用上の障害となっていた。
また、予約取得時の予約時間はあくまで目安であり、実際に診療を行う時間は、予約外患者との順番のやり繰りの結果、後送りとなったり、変動が多く発生して、予約取得時に予約した時間帯に実際に診療が行われる確実性が求められている。
【0007】
特に、予約外患者の受付順については、予約患者は「時間」で管理されているのに対して、予約外患者は「受付順」で管理されており、それぞれの管理方法が異なっているため、実際の診察室への引き込みは受付事務員、看護婦等の判断で順番の管理がされており公平さを欠き、トラブルの原因となることがある。
また、予約時間を確実に診療時間に結びつけると、取得枠に縛られた運用になりがちで、実際の診療の進行が変動したときには、稼働率が悪くなったり、運用の円滑性を欠くことになる。
【0008】
また、提案されている前記公知の技術を以てしても、特開平7−93409号公報(予約管理システム)によると、診療の内容を示す処置コードを用いることにより診療に要する時間をより正確化する効果は発揮するが、前記した他の問題の解決は実現されないと思われる。
もうひとつの公知技術、特開平8−22491号公報(受付けシステム)では、受付時に患者に対して診療の開始予定時刻を具体的に求めて待ち時間の予想を、より正確に通知できる改善はなされるかもしれないが、予約外患者の扱い、および、円滑な運用と効率化の問題は解決できないと思われる。
【0009】
以上のような課題を解決するため、本発明は、予約患者、予約外患者を含めた統一的な受付方法と診療順序の円滑な決定、通知方法の改善を実現する手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1には本発明の診療予約受付管理装置の構成図を示す。本発明の各プログラムはこの装置を構成する各手段をコンピュータに機能させるものである。
診療予約受付管理装置は病院における医師による診察、検査や治療等の診療を受けるために、あらかじめ診療の予約をしたり、当日診療のための受付をして実際の各診療する場所で順番を待つ患者の診療の流れを制御するものであり、予約受付、予約患者および予約外患者の診療受付、診療の実績管理の機能に関する手段を図示してある。以下、図に示す構成を説明する。
【0011】
2は診療の待行列を識別する診療窓口IDおよび患者を識別する患者IDに対応して診療に要する時間の統計情報を記憶する診療時間記憶手段である。診療の実績時間を各診療窓口毎に、また、受診した患者毎に統計処理して記憶するものである。
12は診療窓口ID毎に区分して設定された時間枠に診療の受付情報を記憶する受付情報記憶手段である。診療は各診療窓口毎にスケジュール化された診療可能な時間帯がその日毎に予定されるが、診療の予約あるいは診療の受付をするときに患者に診療する時刻を区分して設定した時間枠のいずれかの中であることを予定してもらうようにしている。すなわち、この受付情報は各時間枠の中の診療を予約済あるいは当日受付済の各患者について、患者IDとその患者の診療に要すると見積もった時間とその時間枠の中での診療順序を含んだ情報である。
【0012】
予約受付に関し、3は、少なくとも診療を希望する患者を識別する患者IDおよび診療窓口IDおよび区分して設定された時間枠を含む予約条件を入力する予約条件入力手段であり、7は診療時間記憶手段2に記憶された統計情報から、入力された予約条件に対応する診療時間の実績値を検索する診療時間実績検索手段であり、9は入力された予約条件と検索された診療時間実績値とに基づき受付情報記憶手段12に患者の診療の受付情報を設定する受付情報更新手段である。
【0013】
次に診療受付に関し、4は診療を予約していない予約外患者の診療を受付けるときは、診療を希望する診療窓口IDおよび患者IDおよび時間枠を診療受付情報として入力し、予約患者が当日病院に到着したときには患者IDを入力して受付情報を検索して予約情報に基づいて診療受付情報を入力する診療受付入力手段であり、8は受付情報記憶手段12に記憶された受付情報を入力された時間枠で検索する受付情報検索手段であり、10は時間枠内の予約外患者の診療順番を検索した受付情報に存在する予約患者数に1を加えた番号を先頭とするように順次割りつけて通知し、予約患者の到着時に診療受付をしたときには同じ時間枠内の予約患者のなかで当着順に1を先頭とする番号を診療順番として通知する診療順番通知手段である。
【0014】
また、11は受付情報更新手段9が予約条件入力手段3あるいは診療受付入力手段4から診療条件として入力された時間枠に診療時間実績検索手段7により検索された診療に要する時間が時間枠の受付情報として記憶されている残時間を超える場合には時間枠の前後の時間枠の残時間を取り込み各時間枠の開始時刻および終了時刻を変更する診療時間枠変更手段である。
【0015】
診療実績管理に関して、1は診療の開始時刻を診療窓口IDおよび患者IDとともに通知する診療開始時刻通知手段であり、5は診療の終了時刻を診療窓口IDおよび患者IDとともに通知する診療終了時刻通知手段であり、6は通知された診療の開始時刻と終了時刻とから算出した診療時間を、診療窓口IDに対応して、および診療窓口IDと患者IDとの組合せに対応して診療時間記憶手段2に記憶された診療時間の実績統計値を更新する診療時間実績更新手段である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本実施の形態においては、パーソナルコンピューター、ワークステーション等の汎用的な目的で使用される計算機上で実行するコンピュータプログラムにより実現する形態を示す。
本発明の診療予約管理プログラムは、処理装置、主記憶装置、入出力装置などから構成される計算機上で、コンピュータプログラムとして実行して診療予約受付管理装置として実現される。また、コンピュータプログラムは、フロッピーディスクやCD−ROM等の可搬型媒体やネットワーク接続された他の計算機の主記憶装置や補助記憶装置等に格納されて提供される。
【0017】
本発明のコンピュータプログラムは、可搬型媒体から直接計算機の主記憶装置にロードされ、または、補助記憶装置を備えた計算機においては可搬型媒体から一旦補助記憶装置にコピーまたはインストール後に、主記憶装置にロードされて実行する。また、ネットワーク接続された他の装置に格納されて提供された場合も、他の装置からネットワークを経由して受信後に、主記憶装置にロードされ、あるいは補助記憶装置を備える計算機においては補助記憶装置にコピー後に、主記憶装置にロードされて実行するものである。
【0018】
図2に本発明の実施の形態の構成図を示す。本実施の形態は、病院の診療を受ける患者に対して、あらかじめ予定された診療時間帯で患者の希望する時刻近くに診療可能な時間帯を見つけて診療の予約を行い、また、当日の診療の受付を行い、予約された患者の診療順序を確定し、また、診療予約をしていない予約外患者の受付を行い、その診療順序を確定する診療予約受付管理に関する。
【0019】
まず、図2によりその構成を説明する。20は診療予約受付管理装置であり、コンピュータに備えたコンピュータプログラムを実行することで、予約受付、予約患者診療受付、予約外患者診療受付、診療実績管理、受付情報管理などの機能を実現するものである。
201は患者DBであり、患者についての属性情報および患者の診療の実績に基づいた診療時間実績統計データを格納するものである。また、202は診療DBであり、病院の各診療窓口毎の診療時間枠に受付けた診療の受付情報と診療の進捗に伴う状態情報、また、各診療窓口毎の診療時間実績統計データ等を格納するものである。これらのデータベースに記憶した情報に基づいて各コンピュータプログラムが処理の実行を進めることになる。
【0020】
患者は、病院で診療を受けたときに発行された患者IDカードを所持しており、これを用いて本人の属性を提示することができる。21は予約受付機であり患者IDカード211を提示する患者は予約受付機21を用いて予約を行う。このIDカードを所持しないあるいは発行されていない患者は窓口において病院職員が操作する窓口受付機23により予約や予約患者の受診のための到着の登録、予約外患者の診療の受付を行う。予約患者の到着の登録あるいは予約外患者の診療の受付時には診療順番票231が窓口受付機23で発行される。
【0021】
また、患者IDカード221を持参した予約済患者は診療受付機22を用いて当日の診療の受付を行うことができる。このとき、診療順番票222が発行される。診療順番票222あるいは231には後述するように、区分して設定された時間枠毎に診療を受ける順番を提示される。
病院での診療は診察室24における医師の診察、検査室25における心電図やレントゲン撮影等の検査、リハビリ室26における治療などがあり、それぞれ複数の診療が並行してかつそれぞれの時間枠に区切って患者の診療を行うので、それぞれの治療について待行列を作って順番を待つことになる。この診療の順番を当日の診療受付機22で発行された診療順番票222あるいは窓口受付機23で発行された診療順番票231に示された順とするように運用される。
【0022】
診療が行われ終了したときには診療DB202に記憶された受付情報の状態が更新され、また、診療窓口毎の診療に要した時間が診療DB202に、患者毎の診療に要した時間はさらに診療窓口毎に区分して患者DB201にそれぞれ統計処理して更新して記憶される。
このように、本発明の実施の形態の診療予約受付管理装置は、予約され、当日受付された診療が、あるいは予約外患者が予約なしに当日受付られた診療が、過去の診療実績の統計情報に基づきスケジュールされ、また公平に順序付けられて各診療窓口毎に円滑に実施されるように、そして診療実績の統計情報を記録して将来の診療に要する時間の見積りの精度をあげるような仕組みとして動作することを目的としている。
【0023】
図3には診療時間枠と診療順番の説明図(その1)を示す。これにより、本発明の実施の形態における予約の管理方法を例示して説明する。(a)には内科K医師の診療時間枠を例示している。医師の診察は待行列ができる診療のひとつであり、各診療窓口毎に診療の時間割を用意して予定する患者を割りつけるようにして予約する。すなわち、各患者には何日の何時から何時までの間に診療するのでその時間帯に診察室に来て待つようにという約束の仕方を前提とする。
【0024】
ここでいう時間割を区分して設定した時間帯という意味で時間枠という。図3(a)には30分刻みで内科のK医師の時間枠NK(1)からNK(6)を例示している。12時から30分は予備時間として、午前中を希望する患者が多い場合とか、実際の診療時間が予定を超えたときに使用する時間である。
図3(b)には時間枠NK(1)に予約されている患者、予約外患者mmの受け付けられた状態を例示している。ここには予約患者aaが10分の診療時間を、予約患者bbが5分の診療時間を予約しており、当日診療を受け付けた予約外患者mmが5分の予約となっており、30分の時間枠の残り時間が10分であること示している。
【0025】
ここで、各患者の診療時間が記されているのは、過去の診療の実績統計から今回の診療に必要な診療時間として設定したものである。診療履歴のない患者については診療窓口毎の診療時間の統計値に基づいて設定している。
各患者IDに付けてある○印は予約患者を示している。また、数字付き○印は当日診療を受けるために診療受付したときに付番された診療順番である。診療順番は、各診療の時間枠の中での順番である。ここには患者mmに▲3▼としてあり3番の診療順番であることを示している。予約外患者mmにのみ診療順番が付いているのは、ここに例示しているように同じ時間枠に予約患者があり、まだ当日の診療の受付を済ませていないときでも、診療受付時点で二人の予約患者より後の順番になるように付番するようにしているため可能となっている。
【0026】
次に、図3(c)においては、予約患者bbが当日の診療受付を行ったので、同じ時間枠の中の予約患者内で最初の番号を付番している。
図3(d)では、当日の診療受付時間を各診療の時間枠ごとにあらかじめ定めた時刻以降の受付はせず、締切とするようにしており、その時間までに受付をしなかった予約患者については予約をキャンセルしたこととするようにしていることを示している。すなわち●で示した予約患者aaはキャンセルされたのでこの予約された時間帯は残時間に組み入れられる。
【0027】
そして(e)に示すように、時間枠内の診療受付された患者の診療が終了したとき、この残時間は次の時間枠の残り時間に組み替えされ、その分次の時間枠の開始時間が繰り上げられる。本発明の実施の形態においては、以上のように予約患者、予約外患者を診療時間枠に割付け、受付け時に診療順番を通知する運用が進行する。
【0028】
図4には診療時間枠と診療順番の説明図(その2)を示す。ここでは、予約受付時あるいは当日の予約外患者の診療受付時における、希望する時間枠の拡張、変更による診療の割付けの方法について説明しておく。
時間枠に新たな診療希望があったときに、診療に必要とされる時間はすでに説明したように実績統計情報から定まる値を用いる。この時間以上、十分にその時間枠に残時間があればそこに割付けができるが、その時間枠の残時間では不足するとき、前後の時間枠に残時間があってそれを組み入れることによって希望の時間枠に診療を受けることができる場合には時間枠を変更するようにしている。
【0029】
具体例を示すと、図4(a)は内科K医師の診療時間枠の並びを示す。ここで、NK(3)に新たな予約希望があったときに、(b)に示すようにNK(3)の残時間が12分であり例えば24分の診療時間が必要とされた場合に、その前後の時間枠NK(2)、NK(4)に残時間がそれぞれ12分、24分があるのでこれらから組み入れることで24分の時間を予約できるようにしている。
【0030】
このとき、時間枠の変更はその中心時刻が変わらないように両方の残時間から均等に組み入れるようにしている。この例では各6分の残時間の組み入れでこれを実現している様子を示している。この方法によると、各時間枠に予定された診療の約束を実現できるように、かつ、残時間を有効に活用して診療のスケジュールを作ることができる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態の各機能の実現のために、診療予約受付管理装置の各コンピュータプログラムが共通に参照したり更新する診療DB202および患者DB201に格納された情報の構成について説明する。
患者DB201は各患者毎の属性や各種履歴を格納するものであり具体的には図5(b)に患者個人別診療時間実績統計情報の例を示している。また、診療DB202は共通的な制御に必要な情報を格納するもので、具体的には、図5(a)に診療窓口別診療時間実績統計情報の例を示し、図6に診療受付情報の説明図により診療窓口別診療時間枠とそこに格納される受付情報の例を示している。
【0032】
まず、図5(b)により患者個人別診療時間実績統計情報を説明する。この情報の構成は各患者を識別する患者IDに対応して過去に受けた診療の単位、すなわち診療を受けるために待行列を作った窓口を示す診療窓口IDと、そこで受けた診療時間の累計と、診療の回数と、そこから算出される平均診療時間からなる。具体的に図5(b)には、患者aaが内科AA医師(NAA)に5回診療を受け、その診療時間の累計は50分と記録されている。同様にレントゲン検査(XRR)を2回受けており合計40分かかったとして記録されていることを示している。そしてこれらの平均時間は10分、20分と算出されている。
【0033】
本発明の実施の形態では予約を受けたときには各患者別の実績をこのDBを参照して、今回受診したい診療のIDが格納されていればここに算出された統計値、例えば平均診療時間を用いることにより患者毎に,また受診する診療毎に診療時間を推定して予約する時間として使用するようにしている。この統計値はここに示すように、過去すべての診療に関して使用する以外に最近の傾向のデータを使用することもできる。すなわち、診療の技術、患者の症状、医師の技術等の変化に対応する必要もあったり、統計値は種々のものが利用されてもよい。
【0034】
患者が診療履歴を持たない診療科目であるようなときには、図5(a)に示す各診療窓口別の診療時間統計情報を利用することになる。ここに示す具体例で説明すると、各診療窓口ID毎に診療した累計時間、診療回数、そして統計値の一つとして平均診療時間を格納した構成となっており、診療DB202の一部に格納されている。
【0035】
以上のような診療時間の実績の記録は、各診療が行われる度に診療時間を計測して記録される別装置からバッチ的に入力することもできるし、リアルタイムに診療の開始時刻、終了時刻を受信して診療回数のカウント、診療時間の累積を行ってもよい。
各機能の動作の説明に移る前に、図6診療受付情報の説明図を参照しながら、共通に参照し更新する受付情報について説明する。図6(a)には診療窓口別診療時間枠の例を示してある。これまでにも、患者が診療を受けるために行列を作る診療窓口毎に診療する時間枠を区分して設定することを説明してきた。この診療時間枠の設定は診療窓口それぞれの診療可能な時間帯を診療の形態、その他の事情により区分して設定するものであり、具体例を図6(a)の内容で説明する。ここには、診療をする内科AA医師、内科BB医師のある日の診療時間枠の設定を示しており、AA医師は9時から12時までを30分刻みで区分して時間枠を設定している。各時間枠はIDで区別できるようにして、NAA(1)で9時から9時30分までの時間帯の診療枠を示す。12時から30分は予備の時間として、予約や診療の時間の調整に使用するものである。
【0036】
内科BB医師の時間枠の設定は、診療時間を10時から15時までとし、10時から1時間、11時から1時間そして14時から1時間の3個の時間枠として設定している例を示している。このように診療待行列を作る診療単位毎にそれぞれの条件で時間枠が設定されるようにしている。
図6(b)には、診療を予約したり、当日の診療の受付をしたり、実際の診療が進むにともない、その後の診療の時間枠の変更を行ったり、これらの変更を反映した予約外患者の受付や案内を実態に合わせて行えるように制御する情報をまとめて受付情報として診療DB202に格納している様子を示している。
【0037】
図は具体的に3月14日9時10分現在の内科AA医師の診療時間枠に関する受付情報の例を示している。診療時間枠NAA(1)は(a)に示したように開始時刻9時、終了時刻9時30分であり、現在予約患者2名、当日受け付けられた予約外患者1名が記録されている。
予約患者aaは予定診療時間10分、患者bbは5分の予定が記録されている。予定外患者mmは予定診療時間5分となっている。現在時刻は9時10分であり時間枠NAA(1)は実際に診療が進捗している時刻である。また、各時間枠の診療受付はその開始時刻より以前の定められた時刻に受付を終了するようになっており、NAA(1)の診療の受付は終了している。診療の受付が終了すると、予約患者についてはそれまでに診療受付が終了していない場合、予約がキャンセルとされるようになっている。
【0038】
この例では患者aaは予約患者として記録されていたが診療受付がされていないのでキャンセルされたことが診療順番に×印で示されている。また、実績診療時間にも×印が示され実績の記録がなされないようになっている。
残時間はこの診療時間枠の時間30分の内予約患者および当日予約外で診療受付した予約外患者の予定診療時間、診療がなされた患者については実績診療時間の合計22分を差し引いた8分が記録されていることが分かる。患者bbは診療が終わって予定の5分より実績の時間が長くなり7分となっている。
【0039】
また、診療順番は、診療受付時間に間に合った予約患者bbはこの時間枠の中の予約患者の内で最初の受付であったので1番、予約外患者mmは当日受付時点で最初の予約外患者であったので、予約患者2名の後の順番の内で先頭の順番すなわち3番が付けられている。
この状態では患者mmが診療中であるが、診療の終了した時点でこの時間枠NAA(1)は実績時間が格納され、その結果残時間で残った時間は次の時間枠NAA(2)に組み入れられることになる。
【0040】
以上のように例示により各DBの構成および受付情報の役割が明確になったので以下にフローチャートで各機能の動作を説明する。図7には予約受付のフローチャートを示す。
ステップS71に示すように、予約は通常前日までに、受診したい診療窓口ID(診療の科目、必要あれば医師名)、日付、時間帯、患者ID(患者名)を本発明の実施の形態の診療予約受付管理装置に入力することで、これを予約条件として受付処理が始まる。
【0041】
この予約条件の入力は、病院の窓口で申し込まれたり、電話で受け付けた内容を受付担当者が窓口受付機23に入力してもよいし、患者が予約受付機21を操作して入力してもよい。さらには、インターネット経由、携帯端末経由で入力してもよい。
ステップS72で、入力された患者IDにより患者DB201を検索して、今回診療を希望する診療窓口IDが登録されていれば、そこに対応して記録されている診療に要する実績時間の平均値を取得し、今までこの病院で受信したことがない患者の場合には、診療IDにより診療DB202を検索して、対応する診療窓口の実績統計値として診療に要する時間の平均値を取得する。
【0042】
ステップS73では、ここに取得された診療に要すると思われる時間と、診療DBに格納され時間枠毎に診療の受付情報として記憶管理されている予約の空き時間(残時間)とを比較して選択した時間枠に割り付け可能か否かを判断する。否の場合にはステップS74において時間帯の再選択を予約処理をする担当者あるいは患者に対して要求し、空きの時間枠を表示して、希望する時間枠を選択させることになる。
【0043】
ステップS75では、入力された予約患者IDおよび検索された診療時間実績統計値である予定する診療時間と予約可能な空き時間として残時間を予約する時間枠の受付情報を更新する。このようにして、予約は指定された日付、診療窓口、時間枠にどの患者がどれだけの時間の診療を予定するかを記憶し、その時間枠の予約可能な時間はあとどれだけであるかを更新したことになる。
【0044】
次に、図8には診療受付のフローチャートを示す。ステップS81で予約患者の場合には、ステップS83で診療受付機22に患者IDカードを読ませて患者IDを入力し、ステップS84で予約してある内容を診療DB202の受付情報を検索して診療窓口の診療時間枠内の受付情報として取得する。そして、患者IDに対応する受付情報を予約状態から診療受付状態に更新し、ステップS85で、時間枠内の診療順番を同じ時間枠内の予約患者のなかでの受付順番号で採番して発行する。
【0045】
ステップS81で予約外患者の場合には、窓口での受付担当者が前記予約受付の処理を説明したと同様に、ステップS82で患者ID、診療窓口ID、診療時間枠を入力し、患者IDによる診療実績時間統計値あるいは診療窓口毎の診療時間統計値を検索して予定する診療時間をもとめて入力する。
予約外患者の場合にはステップS84では新たな診療時間を時間枠に確保するのでその時間枠の診療受付可能な時間を示す残時間を割り付けた時間分削って更新する。
【0046】
ステップS85では、予約外患者の場合には、診療順番は同じ時間枠の中で予約患者数に1を加えた数から受付順に採番して順番として通知する。
このように、当日の診療受付は、窓口受付機23あるいは診療受付機22を用いて予約患者については診療のために病院に到着したことを受け付けて診療順番を通知し、予約外患者については新規に希望する診療の時間枠を受け付けて同時に診療順番を通知する。
【0047】
図9には、診療実績管理のフローチャートを示す。予約患者、予約外患者とも各診療待行列の窓口で通知された順番に呼ばれて診療を受けるが、各診療が終了する毎に、診療実績が記録されるが、その一環としてステップS91では診療実績時間が各診療を行った診察室24、検査室25、リハビリ室26からそれぞれ何らかの方法で診療予約受付管理装置に入力される。
【0048】
ステップS92では診療窓口別に診療時間統計情報の更新が行われる。すなわち、診療DB202に格納された統計情報の更新は少なくともその診療窓口のすべての診療の診療時間の合計値を積算するとともに診療の回数をカウントするようにしている。これにより診療時間の平均値が得られるので、この値を利用することにより診療実績のない患者の予約を受け付けるときに診療時間を見積もることになる。
【0049】
また、ステップS93では患者DB201に格納された患者毎の情報の更新について、患者別診療窓口別の診療時間統計情報の更新を行う。すなわち、前記した実績診療時間を患者別の診療窓口別に振り分けて積算し、診療を受けた回数をカウントする。これにより、診療を受けたことのある患者の診療時間はそれぞれの平均診療時間の実績で予約する時間を見積もり、実際にかかる時間に近い時間で予約時間枠を構成することができる。
【0050】
なお、これらの実績統計値をより詳細な診療内容に応じて記憶して、その区分を予約受付時に入力することでよりきめ細かく精度向上を行うこともできる。
(付記1) 患者の診療予約および受付を管理する装置において実行される診療予約管理方法であって、
患者を識別する患者IDと診療の種別を識別する診療窓口IDと診療予約希望日および診療予約希望時間とを診療予約として受け付けるステップと、
前記診療予約受付時に患者IDと診療窓口IDとの組合せごとに診療に必要とした診療時間の実績統計値を記憶した患者DBに前記診療予約受付時の患者IDと診療窓口IDとの組合せの実績統計値があるかどうかを検索し、前記実績統計値がある場合にはその値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定し、前記実績統計値がない場合には、診療窓口IDごとに診療に必要とした診療時間の実績値を記憶した診療窓口DBから検索した、該当する診療窓口IDの実績統計値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定するステップと、
前記決定した診療予約時間をもとに診療予約日時を決定するステップと、
前記決定した診療予約日時を診療窓口IDごとに設定可能な時間枠ごとに区分してある受付情報記憶手段に記憶するステップと、
を有することを特徴とする診療予約管理方法。
【0051】
(付記2) 前記診療窓口IDは診察する科目名あるいは医師名あるいは処置名あるいは検査名のいずれかに対応する識別名であることを特徴とする付記1記載の診療予約管理方法。
(付記3) 前記診療予約時間が前記受付情報記憶手段内の該当する診療窓口IDの該当する時間枠内での残時間を超える場合には、外時間枠の前後の時間枠の残時間を取り込み、前記各時間枠の開始時刻および終了時刻を変更するステップを有することを特徴とする付記1記載の診療予約管理方法。
【0052】
(付記4) 患者の診療予約および受付を管理する装置において実行される診療予約管理方法であって、
患者を識別する患者IDと診療の種別を識別する診療窓口IDとを診療受付として受け付けるステップと、
前記診療受付時の日付で、診療窓口IDごとに設定してある時間枠に区分して予約済みの患者IDを記憶しておく受付情報記憶手段に前記患者IDと前記診療窓口IDとの組合せで予約がされているかどうかを検索し、予約がされている場合には、前記受付情報記憶手段の同じ診療窓口IDの同じ時間枠内の予約患者の中で診療受付を受け付けた順に診療順番を割り付け、予約がされていない場合には予約外患者として、前記診療受付時の時間と同じ時間枠内の予約患者数に1を加えた番号を先頭とするように順次診療順番を割り付けるステップと、
を有することを特徴とする診療予約管理方法。
【0053】
(付記5) 前記予約外患者の診療受付時に患者DBに患者IDと診療窓口IDとの組合せの実績統計値があるかどうかを検索し、前記実績統計値がある場合にはその値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定し、前記実績統計値がない場合には、診療窓口IDごとに診療に必要とした診療時間の実績統計値を記憶した診療窓口DBから、該当する診療窓口IDの実績統計値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定するステップと、
診療受付時と同じ時間枠内で前記決定した診療予約時間が取れるかどうかを判断し、予約が取れる場合には前記診療受付時の時間枠内で予約患者数に1を加えた番号を先頭とするように順次診療順番を割り付け、診療予約時間がとれない場合には、該時間枠の次の時間枠の予約されていない残時間を取り込んで、診療時間枠を変更し、前記診療受付時の時間枠内で予約患者数に1を加えた番号を先頭とするように順次診療順番を割り付けて受付情報記憶手段に記憶するステップと、
をさらに有することを特徴とする付記4記載の診療予約管理方法。
【0054】
(付記6) 前記受付情報記憶手段はさらに診療受付締切時間を記憶しており、
前記診療受付締切時間を超えた場合に、該当する時間枠内に予約していてかつ診療受付をしていない患者IDを削除するステップを有することを特徴とする付記4記載の診療予約管理方法。
【0055】
(付記7) 患者の診療予約および受付を管理する装置において実行するためのプログラムであって、該装置に、
患者を識別する患者IDと診療の種別を識別する診療窓口IDと診療予約希望日および診療予約希望時間とを診療予約として受け付けるステップと、
前記診療予約受付時に患者IDと診療窓口IDとの組合せごとに診療に必要とした診療時間の実績統計値を記憶した患者DBに前記診療予約受付時の患者IDと診療窓口IDとの組合せの実績統計値があるかどうかを検索し、前記実績統計値がある場合にはその値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定し、前記実績統計値がない場合には、診療窓口IDごとに診療に必要とした診療時間の実績値を記憶した診療窓口DBから検索した、該当する診療窓口IDの実績統計値を診療に必要とする時間として診療予約時間を決定するステップと、
前記決定した診療予約時間をもとに診療予約日時を決定するステップと、
前記決定した診療予約日時を診療窓口IDごとに設定可能な時間枠ごとに区分してある受付情報記憶手段に記憶するステップと、
を動作させることを特徴とする診療予約管理プログラム。
【0056】
(付記8) 患者の診療予約および受付を管理する装置において実行するための処理を行わせるためのプログラムであって、該装置に、
患者を識別する患者IDと診療の種別を識別する診療窓口IDとを診療受付として受け付けるステップと、
前記診療受付時の日付で、診療窓口IDごとに設定してある時間枠に区分して予約済みの患者IDを記憶しておく受付情報記憶手段に前記患者IDと前記診療窓口IDとの組合せで予約がされているかどうかを検索し、予約がされている場合には、前記受付情報記憶手段の同じ診療窓口IDの同じ時間枠内の予約患者の中で診療受付を受け付けた順に診療順番を割り付け、予約がされていない場合には予約外患者として、前記診療受付時の時間と同じ時間枠内の予約患者数に1を加えた番号を先頭とするように順次診療順番を割り付けるステップと、
を動作させることを特徴とする診療予約管理プログラム。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、診療の窓口すなわち待行列毎にかつ患者毎に診療に要した時間の統計値を用いて、より正確な診療の時間予約が可能となり、診療の待ち時間を少なくすることができる。また、予約患者と予約外患者を診療の受付時点で各診療時間枠の中での診療の順序を明確に通知できる。さらに、リアルタイムに診療の受付が可能な時間帯の把握ができる。これらにより、患者には円滑な受診で気持ちよい診療が実現し、病院には診療の運用効率向上の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成図
【図2】 本発明の実施の形態の構成図
【図3】 診療時間枠と診療順番の説明図(その1)
【図4】 診療時間枠と診療順番の説明図(その2)
【図5】 診療時間実績統計情報の説明図
【図6】 診療受付情報の説明図
【図7】 予約受付のフローチャート
【図8】 診療受付のフローチャート
【図9】 診療実績管理のフローチャート
【符号の説明】
1 診療開始時刻通知手段
2 診療時間記憶手段
3 予約条件入力手段
4 診療受付入力手段
5 診療終了時刻通知手段
6 診療時間実績更新手段
7 診療時間実績検索手段
8 受付情報検索手段
9 受付情報更新手段
10 診療順番通知手段
11 診療時間枠変更手段
12 受付情報記憶手段

Claims (4)

  1. 患者の診療を管理する装置において実行される診療予約管理方法であって、
    前記装置が、診療可能な時間を所定の時間間隔に分割して、複数の診療時間枠を生成する診療時間枠生成ステップと、
    前記装置が、予約患者が入力する患者IDと診療希望に基づいて、該予約患者を診療する予約患者の診療時間枠内の診療順番を選択する診療時間枠選択ステップと、
    前記装置が、患者の診療時間を統計した実績統計時間を格納するデータベースの中から、前記予約患者に対応する第一の実績統計時間を検索する検索ステップと、
    前記予約患者に対応した第一の実績統計時間がある場合には選択した診療時間枠の時間から前記実績統計時間を減算し、前記予約患者に対応した第一の実績統計時間がない場合には選択した診療時間枠の時間から予め定められた診療予定時間を減算して、第一の残時間を算出する残時間算出ステップと、
    前記装置が、前記第一の残時間と予約外患者に対応する第二の実績統計時間又は前記診療予定時間を比較する比較ステップと、
    前記装置が、前記比較ステップにおいて前記残時間が前記第二の実績統計時間又は前記診療予定時間より小さいと判別したときは、第二の診療時間枠における第二の残時間と前記第一の残時間を加算して、合計残時間を算出する合計残時間算出ステップと、
    からなることを特徴とする診療予約管理方法。
  2. 請求項1に記載の診療予約管理方法において、
    前記残時間算出ステップは、前記装置が予め定められた第一の期間内に前記第一の残時間を算出し、
    前記合算残時間算出ステップは、前記装置が予め定められた第二の期間内に前記合計残時間を算出する、
    ことを特徴とする診療予約管理方法。
  3. 請求項1に記載の診療予約管理方法において、
    前記合算残時間算出ステップは、前記装置が、前記第二の実績統計時間又は前記診療予定時間よりも長い合計残時間を算出することを特徴とする診療予約管理方法。
  4. 患者の診療を管理する装置において実行するためのプログラムであって、該装置に、
    予約患者が入力する患者IDと診療希望に基づいて、予約患者を診療する第一の診療時間枠内の診療順番を選択する診療時間枠選択ステップと、
    患者の診療時間を統計した実績統計時間を格納するデータベースの中から、前記予約患者に対応する第一の実績統計時間を検索する検索ステップと、
    前記予約患者に対応した第一の実績統計時間がある場合には選択した診療時間枠の時間から前記実績統計時間を減算し、前記予約患者に対応した第一の実績統計時間がない場合には選択した診療時間枠の時間から予め定められた診療予定時間を減算して、第一の残時間を算出する残時間算出ステップと、
    前記第一の残時間と予約外患者に対応する第二の実績統計時間又は前記診療予定時間を比較する比較ステップと、
    前記比較ステップにおいて前記残時間が前記第二の実績統計時間又は前記診療予定時間より小さいと判別したときは、第二の診療時間枠における第二の残時間と前記第一の残時間を加算して、合計残時間を算出する合計残時間算出ステップと、
    を動作させることを特徴とする診療予約管理プログラム。
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