JP5005002B2 - 予約人数設定方法及び予約人数設定装置 - Google Patents
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Description
予約の取り方としては、通常、予約システムにおいて予約枠(同じ予約時刻に複数の患者を割り当てる時間枠。通常10分〜30分単位。)を設定し、医師が診察の終了した患者の次回の予約を予約枠に入力するようになっている。
患者の待ち時間を短縮するためには、1日に診察する予約患者の人数、その人数の各時間帯へ割り付けをどのように設定するのが適切なのかが課題となっていた。
(1)特許文献1の技術は、当日患者の来院数・来院時刻を正確に予測することは難しく、当日患者の人数が予測結果より少なかった場合、医師が患者を待つ時間(以下、「遊休時間」と呼ぶ)が増えたり、本来診察できるはずだった予約人数より少ない予約人数になったりするという病院にとって好ましくない状況が発生する可能性がある。
(2)特許文献2の技術は、当日患者の来院数のばらつきが大きいので、実際に来院する人数が平均値より少なくなる確率が大きくなってしまい、特許文献1と同様の問題がある。
この方法によれば、リスク率に対応する1日あたりの当日枠人数を求め、1日あたりの予約枠人数を求め、その予約枠人数を時間帯ごとに割り付ける。これによれば、リスク率を小さく抑えることにより、実際の当日利用者の人数が当日枠人数以下にならないので、当日枠人数に基づいて時間帯ごとに適切な予約枠人数を特定することができる。さらに、予約枠人数の予約利用者が入ることにより、当日枠人数以上の当日利用者と合わせて適度な人数の利用者を確保することが可能になる。
この方法によれば、正規分布とした場合に、当日利用者人数が(平均−zα*標準偏差)以下になる確率をリスク率とし、(平均−zα*標準偏差)を当日枠人数とする。
この方法によれば、利用者1人あたりのサービス利用時間を予約利用者及び当日利用者に分けて計算して用いるので、予約枠人数を精度よく計算することができる。
図1は、予約人数設定システム1の構成を示す図である。予約人数設定システム1は、例えば、病院に適用され、受付用端末2、医師用端末3及び管理サーバ4がLAN(Local Area Network)5を介して通信可能に構成される。受付用端末2は、病院の受付窓口の近くに設置されるPC(Personal Computer)等であり、当日に患者が来院する度に行われるオペレータの操作に従って患者数をカウントし、10分間の時間帯ごとの総患者数(=予約患者数+当日患者数)を管理サーバ4に送信する。医師用端末3は、病院の診察室における各医師の席に設置されるPC等であり、当日に患者を診察する度に行われる医師の操作(又は患者の入退室の検知による自動入力)に従って患者に対する診察状況を取得し、その診察状況を管理サーバ4に送信するとともに、管理サーバ4から所定日の各時間帯における最適な予約人数を取得し、ディスプレイに表示して医師に通知する。管理サーバ4は、受付用端末2から当日患者来院に関する履歴データを受信し、医師用端末3から診察状況に関する履歴データを受信し、受信した履歴データに基づいて所定日の各時間帯における最適予約人数を特定し、医師用端末3に送信する。
図2は、管理サーバ4の記憶部45に記憶される履歴データの構成を示す図である。図2(a)は、当日患者データ45Aの構成を示す。当日患者データ45Aは、所定期間において予約なしに当日来院した患者に関する履歴データであり、日付45A1、時間帯45A2及び当日患者数45A3を含むレコードからなる。日付45A1は、当日の年月日を示す。時間帯45A2は、受付可能な時間(例えば、7:50〜11:00)が所定時間(例えば、10分間)単位に区切られた時間帯を示し、当該時間帯の開始時刻及び終了時刻を含む。当日患者数45A3は、当該時間帯に来院した当日患者の総人数を示す。なお、各日付45A1の最終レコードは、各時間帯45A2の当日患者数45A3の合計(当該日付45A1における総当日患者数)を示す。
図6は、予約人数設定システム1における管理サーバ4の処理を示すフローチャートである。本処理は、所定期間における当該医師に係る当日患者データ45A及び診察データ45Bが管理サーバ4の記憶部45に記憶されていることを前提として行われる。
当日枠人数=μ−2σ=7.2[人]−2*2.1[人]=3.0[人]・・・式1
当日枠人数=μ−1.28σ=7.2[人]−1.28*2.1[人]=4.5[人]
・・・式2
X*(予約患者1回目診察時間+入れ替わり時間)
+当日枠人数*(当日患者1回目診察時間+入れ替わり時間)
+(X*予約患者再診率+当日枠人数*当日患者再診率)*(2回目診察時間+入れ替わり時間)
=180[分] ・・・式3
各予約時間帯の当日枠人数
=当日患者数平均*当日枠人数の合計/当日患者数の合計
=各予約時間帯の当日患者数平均*3.0/7.2 ・・・式4
各予約時間帯の予約可能人数
=(予約時間帯の長さ−各予約時間帯の当日枠人数*当日患者1人あたりの時間)/予約患者1人あたりの時間
=(10[分]−各予約時間帯の当日枠人数*6.5)/5.3 ・・・式5
当日患者1人あたりの時間=当日患者診察時間+入れ替わり時間
予約患者1人あたりの時間=予約患者診察時間+入れ替わり時間
各予約時間帯の調整人数
=予約可能人数*最適予約人数/予約可能人数の合計
=予約可能人数*29/30.28 ・・・式6
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
3 医師用端末
4 管理サーバ(コンピュータ、予約人数設定装置)
44 処理部
45 記憶部
45A 当日患者データ(当日利用者データ)
45A1 日付
45A2 時間帯
45A3 当日患者数(当日利用者人数)
45B 診察データ(サービス利用データ)
45B4 予約/当日(予約利用者及び当日利用者の区別)
45B6 診察時間(サービス利用時間)
45C 計算値データ
45C1 時間帯平均
45C2 平均
45C3 標準偏差
45C4 予約患者診察時間(予約利用者1人あたりのサービス利用時間)
45C5 当日患者診察時間(当日利用者1人あたりのサービス利用時間)
Claims (8)
- コンピュータにより、サービス提供施設の利用に係る時間帯ごとの予約人数を設定する予約人数設定方法であって、
前記コンピュータは、
所定期間内の各日付の各時間帯に予約なしに前記サービス提供施設を利用する当日利用者の人数の実績値を含む当日利用者データと、予約して前記サービス提供施設を利用する予約利用者と前記当日利用者とを含む各利用者による所定期間内のサービス利用時間の実績値を含むサービス利用データとを予め記憶するステップと、
1日あたりの前記当日利用者の人数の頻度分布において、前記当日利用者のために確保される当日枠人数以下である各当日利用者人数の日数の合計を全日数で除算した結果であるリスク率を取得するステップと、
前記当日利用者データに基づいて前記当日利用者の人数の頻度分布を求め、その当日利用者人数の頻度分布を用いて、前記除算した結果が、前記取得したリスク率になるように前記当日枠人数を特定するステップと、
前記サービス利用データに基づいて利用者1人あたりのサービス利用時間を計算し、その1人あたりのサービス利用時間、前記当日枠人数及び1日あたりのサービス利用時間から、前記予約利用者のために確保される予約枠人数を計算するステップと、
前記当日利用者データにおける所定日の各時間帯の当日利用者人数に(前記当日枠人数/前記当日利用者人数の合計値)を乗算して、各時間帯の当日枠人数を算出し、その算出した各時間帯の当日枠人数に基づいて各時間帯の予約枠人数を算出するステップと、
を実行することを特徴とする予約人数設定方法。 - 請求項1に記載の予約人数設定方法であって、
前記コンピュータは、
前記当日枠人数を特定するステップにおいて、
前記当日利用者人数の分布を正規分布とみなして、当該分布から平均及び標準偏差を計算し、正規分布の上側累積確率からリスク率に対応する係数zαを求め、前記当日枠人数を(平均−zα*標準偏差)とする
ことを特徴とする予約人数設定方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の予約人数設定方法であって、
前記コンピュータは、
前記サービス利用データに含まれる前記サービス利用時間の実績値を予約利用者及び当日利用者の区別とともに予め記憶し、
前記サービス利用データに基づいて予約利用者1人あたりのサービス利用時間及び当日利用者1人あたりのサービス利用時間を求め、前記予約利用者1人あたりのサービス利用時間、前記当日利用者1人あたりのサービス利用時間、前記当日枠人数及び1日あたりのサービス利用時間から前記予約枠人数を計算する
ことを特徴とする予約人数設定方法。 - 請求項3に記載の予約人数設定方法であって、
前記コンピュータは、
前記算出した各時間帯の当日枠人数に基づいて各時間帯の予約枠人数を算出する際に、1つの時間帯の長さから(各時間帯の当日利用者人数*当日利用者1人あたりのサービス利用時間)を減算し、その減算値を予約利用者1人あたりのサービス利用時間で除算し、その除算値に(前記予約枠人数/当該除算値の合計値)を乗算して、各時間帯の予約枠人数を算出する
ことを特徴とする予約人数設定方法。 - サービス提供施設の利用に係る時間帯ごとの予約人数を設定する予約人数設定装置であって、
所定期間内の各日付の各時間帯に予約なしに前記サービス提供施設を利用する当日利用者の人数の実績値を含む当日利用者データと、予約して前記サービス提供施設を利用する予約利用者と前記当日利用者とを含む各利用者による所定期間内のサービス利用時間の実績値を含むサービス利用データとを予め記憶する手段と、
1日あたりの前記当日利用者の人数の頻度分布において、前記当日利用者のために確保される当日枠人数以下である各当日利用者人数の日数の合計を全日数で除算した結果であるリスク率を取得する手段と、
前記当日利用者データに基づいて前記当日利用者の人数の頻度分布を求め、その当日利用者人数の頻度分布を用いて、前記除算した結果が、前記取得したリスク率になるように前記当日枠人数を特定する手段と、
前記サービス利用データに基づいて利用者1人あたりのサービス利用時間を計算し、その1人あたりのサービス利用時間、前記当日枠人数及び1日あたりのサービス利用時間から、前記予約利用者のために確保される予約枠人数を計算する手段と、
前記当日利用者データにおける所定日の各時間帯の当日利用者人数に(前記当日枠人数/前記当日利用者人数の合計値)を乗算して、各時間帯の当日枠人数を算出し、その算出した各時間帯の当日枠人数に基づいて各時間帯の予約枠人数を算出する手段と、
を備えることを特徴とする予約人数設定装置。 - 請求項5に記載の予約人数設定装置であって、
前記当日枠人数を特定する手段は、
前記当日利用者人数の分布を正規分布とみなして、当該分布から平均及び標準偏差を計算し、正規分布の上側累積確率からリスク率に対応する係数zαを求め、前記当日枠人数を(平均−zα*標準偏差)とする
ことを特徴とする予約人数設定装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の予約人数設定装置であって、
前記サービス利用データに含まれる前記サービス利用時間の実績値を予約利用者及び当日利用者の区別とともに予め記憶し、
前記サービス利用データに基づいて予約利用者1人あたりのサービス利用時間及び当日利用者1人あたりのサービス利用時間を求め、前記予約利用者1人あたりのサービス利用時間、前記当日利用者1人あたりのサービス利用時間、前記当日枠人数及び1日あたりのサービス利用時間から前記予約枠人数を計算する
ことを特徴とする予約人数設定装置。 - 請求項7に記載の予約人数設定装置であって、
前記算出した各時間帯の当日枠人数に基づいて各時間帯の予約枠人数を算出する際に、1つの時間帯の長さから(各時間帯の当日利用者人数*当日利用者1人あたりのサービス利用時間)を減算し、その減算値を予約利用者1人あたりのサービス利用時間で除算し、その除算値に(前記予約枠人数/当該除算値の合計値)を乗算して、各時間帯の予約枠人数を算出する
ことを特徴とする予約人数設定装置。
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