JP3978868B2 - アスピレータキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスピレータを取り付けるための取付穴を塞ぐためのアスピレータキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアスピレータキャップは、図6に示すように、例えばエラストマ樹脂で形成された蓋部110、ノブ120、及び円筒壁部130を有し、その円筒壁部130をヒータケース200に設けられているアスピレータの取付穴210に圧入して使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のアスピレータキャップ100は、樹脂製品であることから冷熱により圧縮歪みが発生し、円筒壁部130の外径が縮小して取付穴210より抜け落ちることがあった。
このアスピレータキャップ100の抜け落ちを防止する手段として、図7に示すように、ケース200側には取付穴210の内周面にリブ220を設け、キャップ100側には円筒壁部130の外周面全周に溝140(図8参照)を設けて、円筒壁部130を取付穴210に嵌め入れた時にリブ220と溝140との係合によって抜け難くすることができる。しかし、この場合、キャップ100を取り外す時(ノブ120を引き上げて円筒壁部130を取付穴210より引き抜く時)に大きな力を必要とする。
【0004】
そこで、例えば図9に示すように、取付穴210に設けたリブ220を一部無くすことでキャップ100を抜き易くすることも考えられるが、これを可能にするためには、リブ220を無くした側にキャップ100のノブ120が位置している必要がある。
また、キャップ100を取り外す時は、ノブ120を引き上げて円筒壁部130全体を取付穴210内で傾けながら引き抜くため、取付穴210の内周面に対してノブ120が設けられている部位(図7のB部)の円筒壁部130を内径側へ押し倒しながら引き抜く必要がある。つまり、円筒壁部130が取付穴210の内周面に強く押し当てられるため、円筒壁部130と取付穴210の内周面との間に働く摩擦力が増大して、円筒壁部130を引き抜く力が大きくなってしまう。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、通常は抜けにくく、ノブを引き上げて取り外す時に抜け易くできるアスピレータキャップを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
アスピレータキャップは、取付穴の内周に圧入状態で嵌合する円筒壁部に、その円筒壁部を取付穴に嵌め入れた時に取付穴に設けられているリブに係合する周溝が円筒壁部の外周面全周に渡って形成され、且つ円筒壁部の周方向にてノブが設けられている位置に周溝と略直交する方向にスリットが形成されている。
このアスピレータキャップは、円筒壁部を取付穴の内周に嵌め入れた時に、円筒壁部の外周に形成された周溝と取付穴の内周面に設けられたリブとが係合することにより、取付穴に圧入するだけの従来品と比較して、より抜け難くすることができる。
また、アスピレータキャップを取付穴より取り外す際は、ノブを引き上げた時に、ノブが設けられている部位の円筒壁部が取付穴の内周面に押し当てられて円筒壁部に形成されているスリットが周方向に潰れることにより、円筒壁部が容易に内径側へ倒れることができる。これにより、ノブが設けられている部位の円筒壁部を取付穴の内周面に押し当てる力を低減できる。つまり円筒壁部と取付穴の内周面との間に働く摩擦力を低減できるため、比較的弱い力で円筒壁部を取付穴から引き抜くことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はアスピレータキャップを取付穴に取り付けた状態を示す断面図である。
アスピレータキャップ1は、アスピレータ(図示しない)を取り付けるために予め設けられている取付穴2(図2及び図5参照)を塞ぐもので、アスピレータを使用しないマニュアルエアコン搭載車に適用される。
取付穴2は、図2に示すように、ヒータケース3に設けられ、ケース3の外側へ円筒状に突設されている。また、取付穴2を形成する円筒内周面には、図5に示すように内径側へ突出するリブ4が複数箇所(例えば4か所)に設けられている。このリブ4は、円筒内周面の高さ方向(図2の上下方向)の略中央部に位置し、最大で0.5mm程度内径側へ突出している。
【0007】
アスピレータキャップ1は、例えばエラストマ樹脂等の弾性を有する材質から成り、図2に示すように、蓋部5、ノブ6、及び円筒壁部7を有している。
蓋部5は、取付穴2の円筒外径より若干大きな外径を有する略円形状に設けられて、取付穴2を完全に塞ぐことができる。
ノブ6は、図3にも示すように、蓋部5の周方向の一部から外径方向へ板状に延びて設けられ、ノブ6の両面には滑り止めの凹凸部6aが形成されている。
円筒壁部7は、蓋部5の一方の面から円筒状に延びて設けられ、その外径が取付穴2の内周面に圧入状態で嵌合できる大きさ(つまり取付穴2の円筒内径より若干大きい外径)に設けられている。円筒壁部7の先端外側角部には、取付穴2への圧入を容易に行うために、傾斜面7a(面取り)が設けられている(図4参照)。
【0008】
また、円筒壁部7には、円筒壁部7を取付穴2に圧入した時に、リブ4に係合する周溝7bが円筒壁部7の外周面全周に渡って形成され、且つ円筒壁部7の周方向にてノブ6が設けられている位置に周溝7bと略直交する方向(円筒壁部7の高さ方向)にスリット7cが形成されている。このスリット7cは、図2及び図3に示すように、円筒壁部7の略全高に渡って形成され、円筒壁部7の先端まで開口している。
円筒壁部7の内側には、剛性を確保するための補強用リブ7dが複数箇所に設けられている。但し、この補強用リブ7dは、図3に示すように、スリット7cが形成されている部位の近傍(例えばスリット7cから周方向に約90度離れた位置まで)には設けられていない。
【0009】
次に、本実施形態の作用について説明する。
アスピレータキャップ1は、図1に示すように、円筒壁部7を取付穴2の内周に圧入して取り付けられ、蓋部5によって取付穴2を塞ぐことができる。このアスピレータキャップ1は、円筒壁部7を取付穴2に圧入した状態で、円筒壁部7に形成された周溝7bと取付穴2に設けられたリブ4とが係合することにより、アスピレータキャップ1を取付穴2から抜け難くすることができる。
また、取付穴2からアスピレータキャップ1を取り外す時は、ノブ6を引き上げた時に、ノブ6が設けられている部位の円筒壁部7(図3のA部)が取付穴2の内周面に押し当てられて円筒壁部7に形成されているスリット7cが周方向に潰れることにより、円筒壁部7が容易に内径側へ倒れることができる。これにより、取付穴2から円筒壁部7を引き抜く際に、ノブ6が設けられている部位の円筒壁部7を取付穴2の内周面に押し当てる力を低減できる。つまり円筒壁部7と取付穴2の内周面との間に働く摩擦力を低減できる。
【0010】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、アスピレータキャップ1の円筒壁部7を取付穴2に圧入した時に、取付穴2に設けられているリブ4と円筒壁部7の外周面全周に形成された周溝7bとが係合することにより、冷熱の影響によって円筒壁部7の外径が縮小しても、取付穴2よりアスピレータキャップ1が抜け落ちることを防止できる。また、ヒータケース3内の風圧がアスピレータキャップ1に掛かる場合は、周溝7bとリブ4との係合力が周方向全体で均等に作用するため、アスピレータキャップ1が容易に抜け落ちることはない。
一方、オートエアコンを組み込むために、取付穴2からアスピレータキャップ1を取り外す必要がある時は、ノブ6を引き上げた時にスリット7cが周方向に潰れて円筒壁部7が容易に内径側へ倒れるため、比較的弱い力で円筒壁部7を取付穴2から引き抜くことができ、容易にアスピレータキャップ1を取付穴2から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスピレータキャップを取付穴に取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】アスピレータキャップと取付孔の断面図である。
【図3】アスピレータキャップの下面図である。
【図4】ノブ側から見たアスピレータキャップの側面図である。
【図5】取付穴の平面図である。
【図6】アスピレータキャップを取付穴に取り付けた状態を示す断面図である(従来技術)。
【図7】アスピレータキャップと取付穴の断面図である(従来技術)。
【図8】ノブ側から見たアスピレータキャップの側面図である(従来技術)。
【図9】取付穴の平面図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 アスピレータキャップ
2 取付穴
4 リブ
5 蓋部
6 ノブ
7 円筒壁部
7b 周溝
7c スリット
Claims (1)
- アスピレータを取り付けるために予め設けられている取付穴を塞ぐためのアスピレータキャップであって、
前記取付穴は、その内周面に内径側へ突出するリブが設けられ、
前記アスピレータキャップは、
前記取付穴を塞ぐ蓋部と、
この蓋部の外周縁の一部に設けられたノブと、
前記蓋部に対し円筒状に設けられ、前記取付穴の内周に圧入状態で嵌合する円筒壁部とを有し、
前記円筒壁部には、前記円筒壁部を前記取付穴に嵌め入れた時に前記リブに係合する周溝が前記円筒壁部の外周面全周に渡って形成され、且つ前記円筒壁部の周方向にて前記ノブが設けられている位置に前記周溝と略直交する方向にスリットが形成されていることを特徴とするアスピレータキャップ。
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1998
- 1998-05-28 JP JP14721298A patent/JP3978868B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11342960A (ja) | 1999-12-14 |
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