JP3978829B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、後突時におけるトランク内のタイヤの挙動を、タイヤパンスペースを増加させずに一定にコントロールできるようにした車両の後部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の後部車体構造としては、図11に示すように、車両1の後部のトランク2内に、スペアタイヤ3の前部を上方に持ち上げるように傾斜させたタイヤパン4を設けると共に、このタイヤパン4の底面とサイドフレーム6,6とに脆弱部4a,6a,6aをそれぞれ形成したものが提案されている(実公平6−11906号公報参照)。
【0003】
この後部車体構造においては、後突時に、脆弱部4a,6a,6aによりタイヤパン4とサイドフレーム6,6が各々下側に折曲変形することで、スペアタイヤ3の前部が上方に持ち上がって、スペアタイヤ3が燃料タンク5の方向に移動するのが防止できると共に、タイヤパン4とサイドフレーム6,6の折曲変形で衝撃を吸収できるようになる。この構造であっても、上述のようにして、後突時におけるトランク内のスペアタイヤ3の挙動(前部が上方に持ち上がりながら前方に移動)をある程度はコントロール可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スペアタイヤ3として、ノーマルタイヤよりも小径のテンパータイヤをタイヤパン4に格納するときでも、ノーマルタイヤと略同一サイズの大径のタイヤパン4を設けているので、トランク2内におけるタイヤパンスペースが増加するという問題がある。
【0005】
また、タイヤパン4とサイドフレーム6,6に脆弱部4a,6a,6aを形成しているだけであるから、後突の状態によってはタイヤパン4とサイドフレーム6,6が期待するように折曲変形しないこともあるので、タイヤの挙動を一定にコントロールできないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、特に、後突時におけるトランク内のタイヤの挙動を、タイヤパンスペースを増加させずに一定にコントロールできるようにした車両の後部車体構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、車両の後部のトランク内にタイヤが略水平に配置された車両の後部車体構造において、上記トランク内のトランクフロアに、ノーマルタイヤよりも小径のテンパータイヤと略同一サイズのタイヤパンをトランク後壁面から前方に延びるように凹設して設けて、このタイヤパンに、タイヤパンに収納された状態のテンパータイヤの中心穴に対応する位置に、テンパータイヤを固定ボルトによって固定するテンパータイヤ固定部を設けるとともに、このタイヤパン前方のトランクフロアは、タイヤパン内のトランク後壁面に後部を当接させたノーマルタイヤの前部を上方に持ち上げた状態で、このノーマルタイヤを部分的にタイヤパンに格納できる長さに設定されている一方、上記トランク内の車幅方向の両側には、トランクフロアに固定されて、前後方向に伸長するサイドフレームがそれぞれ配置されて、上記タイヤパンのテンパータイヤ固定部よりも後方のサイドフレームに、このサイドフレームを下方へ折曲変形可能な脆弱部を設けたことを特徴とする車両の後部車体構造を提供するものである。
【0008】
本発明によれば、トランク内に、小径のテンパータイヤを格納できるサイズのタイヤパンを、トランク後壁面から前方に延びるように設けることにより、トランク後壁面からタイヤパンの前端部までの前後方向のタイヤパンスペースが減少される。
【0009】
また、上記タイヤパンに大径のノーマルタイヤを格納するときは、タイヤパンの後端部に相当するトランク後壁面にノーマルタイヤの後部を当接させると共に、ノーマルタイヤの前部をタイヤパンの前端部の前方のトランクフロアに当接させることにより、ノーマルタイヤは、前部を上方に持ち上げた状態で部分的にタイヤパンに格納される。
【0010】
さらに、上記タイヤパンのテンパータイヤ固定部よりも後方のサイドフレームに、このサイドフレームを下方へ折曲変形可能な脆弱部を設けることにより、後突時に、タイヤパンのテンパータイヤ固定部よりも後方のサイドフレームの脆弱部が必ず折曲変形される。
【0011】
請求項2のように、上記テンパータイヤの直径T1とタイヤパンの前後方向の長さTPとノーマルタイヤの直径T2との関係は、T1<TP<T2とすることが好ましい。
【0012】
請求項3のように、上記タイヤパンは、テンパータイヤの前部を上方に持ち上げるように傾斜させていると、小径のテンパータイヤは、前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパンに格納されると共に、大径のノーマルタイヤは、後端部の位置をより低くできて、前部を大きく上方に持ち上げた状態で部分的にタイヤパンに格納される。
【0013】
請求項4のように、上記脆弱部よりも後方のサイドフレームの後端部に、上方にオフセットしたバンパーブラケットを設けると、このオフセットしたバンパーブラケットに後突荷重が作用すると、サイドフレームが脆弱部で正確に下方へ折曲変形される。
【0014】
請求項5のように、上記サイドフレームの断面積を、後端部から上記脆弱部まで減少させると、サイドフレームが脆弱部で下方へ折曲変形されやすくなる。
【0015】
請求項6のように、上記タイヤパン内に、テンパータイヤの直径よりも短いジャッキをテンパータイヤの側方に配置すると、ジャッキにより各スペアタイヤの挙動が阻害されることなく、タイヤパンのスペースが有効に利用される。
【0016】
請求項7のように、上記テンパータイヤ固定部とジャッキ固定部との前後位置を一致させると、ジャッキにより各スペアタイヤの挙動が阻害されるおそれがなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0018】
自動車、例えば図9及び図10に示すようなコンバーチブルタイプの自動車10では、シートスペースAの真後ろに折り畳み式幌(コンバーティブルフード)を格納する幌スペースBと燃料タンク5を設置するタンクスペースCとが設けられているので、トランク11の前後方向のトランクスペースDが特に狭くなっている。
【0019】
図1はトランク11の平面図、図2はトランク11の側面断面図であって、トランク11内の車幅方向の両側には、前後方向に伸長する断面U字状のサイドフレーム12,12がそれぞれ配置され、各サイドフレーム12の接合フランジ12aの上面にトランクフロア13がスポット溶接等(×印参照)で固定されている。
【0020】
上記トランクフロア13には、ノーマルタイヤ3Aよりも小径のテンパータイヤ3Bと略同一サイズのタイヤパン14がトランク後壁面11aから、つまり、トランク後壁面11aを起点として前方に延びるように凹設して設けられ、このタイヤパン14の底面14aは、テンパータイヤ3Bの前部を上方に持ち上げるように角度θで傾斜させている。なお、タイヤパン14の底面14aの角度θに一致させてタイヤパン14の両側方のトランクフロア13も傾斜させている。
【0021】
上記タイヤパン14は、具体的には、前部両側が両側部との間で斜めのコーナー部14d,14dとなった横長台形状に形成されて、車幅方向の左側(図1では下側)にオフセットした位置の底面14aに、テンパータイヤ3Bの中心穴を固定するタイヤ固定ボルト15が設けられると共に、テンパータイヤ3Bの外周面から外れた右側(図1では上側)の底面14aに、ジャッキ16(図10参照)を固定するジャッキ固定部14bが設けられている。このジャッキ固定部14bは、テンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)と前後位置を一致させると共に、ジャッキ16は、前後方向に固定したときにテンパータイヤ3Bの直径よりも短いものが固定される。
【0022】
上記タイヤパン14内のトランク後壁面11aには、ノーマルタイヤ3Aの後端部を格納可能な凹部11bが形成されている。
【0023】
上記タイヤパン14の前方のトランクフロア13は、上記トランク後壁面11aに後部を当接させたノーマルタイヤ3Aの前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパン14に格納できる長さL1及び高さHに設定されている。上記テンパータイヤ3Bの直径T1とタイヤパン14の前後方向の長さTPとノーマルタイヤ3Aの直径T2との関係は、T1<TP<T2となっている。
【0024】
一方、上記各サイドフレーム12は、図4に詳細に示すように、タイヤパン前縦壁面14c付近から各サイドフレーム12の後端部12bに向かって、上記タイヤパン14の底面14aの角度θに一致させて傾斜させたトランクフロア13に沿うように、長さL2で接合フランジ12aの高さを徐々に低くしている。この結果、タイヤパン前縦壁面14c付近から各サイドフレーム12の後端部12bに向かって、各サイドフレーム12の断面積が徐々に減少することになる。
【0025】
この各サイドフレーム12の断面積が減少した部位におけるテンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)よりも後方位置の両側面部12c,12cの上部には、外方へV字状に打ち出した脆弱部12d,12dをそれぞれ形成して、これよりも後方の各サイドフレーム12が下方向きに折曲変形しやすくしている。また、テンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)よりも前方位置の両側面部12c,12cの下部には、内方へV字状に打ち出した脆弱部12e,12eをそれぞれ形成して、上記脆弱部12d,12dとの間の各サイドフレーム12が上方向きに折曲変形しやすくしている。
【0026】
上記各サイドフレーム12の後端部12bの上部には、サイドフレーム12から上方にオフセットさせたバンパーブラケット19を固定し、このバンパーブラケット19にバンパー20の上部をボルト等で取り付けると共に、バンパー20の下部は、トランク後壁面11aにボルト等で取り付けて、後突荷重をバンパー20を介してバンパーブラケット19に作用させるようにしている。
【0027】
上記構成において、トランク11内には、小径のテンパータイヤ3Bを格納できるサイズのタイヤパン14を、トランク後壁面11aを起点として前方に延びるように設けているので、トランク後壁面11aから前方に離れた位置からタイヤパン14を設ける場合に比べて、トランク後壁面11aからタイヤパン前縦壁面14cまでの前後方向のタイヤパンスペースを減少できる。しかも、タイヤパン14は小径のテンパータイヤ3Bを格納できるサイズであり、大径のノーマルタイヤ3Aを格納できるサイズではないので、この点からも前後方向のタイヤパンスペースを減少できる。
【0028】
また、タイヤパン14に大径のノーマルタイヤ3Aを格納するときは、タイヤパン14の後端部に相当するトランク後壁面11aにノーマルタイヤ3Aの後部を当接させて、このノーマルタイヤ3Aの前部をタイヤパン前縦壁面14cの前方のトランクフロア13に当接させることにより、ノーマルタイヤ3Aは、前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパン14に格納できるようになる。
【0029】
これにより、小径のテンパータイヤ3Bのみならず、大径のノーマルタイヤ3Aも、前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパン14に格納できるから、後突時には、テンパータイヤ3Bとノーマルタイヤ3Aの前部がそれぞれ上方に持ち上がって、各スペアタイヤ3(A,B)の挙動がコントロールされるので、各スペアタイヤ3(A,B)が燃料タンク5の方向に移動するのが防止できるようになる。
【0030】
また、タイヤパン14内のトランク後壁面11aの凹部11bに、ノーマルタイヤ3Aの後端部を格納することにより、特にタイヤパン14からはみ出る大径のノーマルタイヤ3Aであってもトランク11内での車幅方向の位置を確実に規制できるようになる。
【0031】
さらに、タイヤパン14は、各タイヤ3(A,B)の前部を上方に持ち上げるように傾斜させているから、小径のテンパータイヤ3Bは、前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパン14に格納できると共に、大径のノーマルタイヤ3Aは、後端部の位置をより低くできて、前部を大きく上方に持ち上げた状態でタイヤパン14に格納できるので、後突時における各タイヤ3(A,B)の挙動を一定にコントロールできるようになる。
【0032】
さらにまた、タイヤパン14のテンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)よりも後方の各サイドフレーム12に、この各サイドフレーム12を下方へ折曲変形可能な脆弱部12dを設けているから、後突時には、タイヤパン14のテンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)よりも後方のサイドフレーム12の脆弱部12dが必ず折曲変形するので、各タイヤ3(A,B)の挙動を一定にコントロールできるようになると共に、サイドフレーム12の折曲変形により衝撃も吸収できるようになる。なお、テンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)よりも前方位置のサイドフレーム12にも脆弱部12eを形成しているから、この脆弱部12eとの間のサイドフレーム12も上方向きに折曲変形するので、各タイヤ3(A,B)の挙動のコントロールがより確実になると共に、衝撃もより吸収できるようになる。
【0033】
また、サイドフレーム12の後端部12bで上方にオフセットしたバンパーブラケット19にバンパー20からの後突荷重が作用すると、サイドフレーム12が脆弱部12dで正確に下方へ折曲変形されるようになると共に、サイドフレーム12の断面積を、後端部12bから脆弱部12eまで減少させているので、サイドフレーム12が各脆弱部12d,12eでより折曲変形しやすくなる。
【0034】
さらに、タイヤパン14内に、テンパータイヤ3Bの直径よりも短いジャッキ16をテンパータイヤ3B(又はノーマルタイヤ3A)の側方で、テンパータイヤ固定部(タイヤ固定ボルト15)とジャッキ固定部14bとの前後位置を一致させて配置しているから、ジャッキ16により各タイヤ3(A,B)の挙動が阻害されることなく、タイヤパン14のスペースが有効利用できる。
【0035】
一方、図2、図3及び図5に示すように、トランクフロア13の下面には、車幅方向に伸長するU字状のクロスメンバー22が設けられ、このクロスメンバー22の前側面部22aの上部には前向きの接合フランジ22cが形成されると共に、後側面部22bには、タイヤパン14の前縦壁面14cに嵌まり合う切り込み22fが形成されて、この切り込み22fの上部及び切り込み22fの両側の後側面部22bの上部には、後向きの接合フランジ22d,22eがそれぞれ一連に形成されている。
【0036】
上記クロスメンバー22は、図3(a)に示したように、接合フランジ22cをタイヤパン前方のトランクフロア13の下面にスポット溶接等(×印参照)で固定すると共に、切り込み22fの接合フランジ22dをタイヤパン14の底面14aの下面にスポット溶接等(×印参照)で固定する。また、図3(b)に示したように、切り込み22fの両側の上部の接合フランジ22eをタイヤパン両側方のトランクフロア13の下面にスポット溶接等(×印参照)で固定する。
【0037】
上記切り込み22fのタイヤパン前縦壁面14cの両側のコーナー部14d,14d(図1参照)の側面に接合する接合フランジ22d′は、各コーナー部14dに沿って立ち上がるように湾曲させる。
【0038】
上記のようにクロスメンバー22を接合することにより、タイヤパン14の下面と前縦壁面14cとトランクフロア13と相俟って閉断面が構成されることになる。
【0039】
上記クロスメンバー22の両端部には、前向き及び後向きの接合フランジ22g,…をそれぞれ形成して、これらの各接合フランジ22g,…を上記各サイドフレーム12の各側面部12cにスポット溶接等でそれぞれ固定する。
【0040】
また、上記クロスメンバー22の両端部の外方の各サイドフレーム12には、図1に示したように、サスペンションタワー23に配置されるサスペンション用のサスペンションクロスメンバーを固定する固定部12fを設ける。
【0041】
上記のようなクロスメンバー22を設ける構成とすれば、このクロスメンバー22により、トランクフロア13のタイヤパン14の前部分に閉断面が構成されるから、タイヤパン14の前部の剛性が向上するようになる。
【0042】
したがって、後突時には、クロスメンバー22より後方のタイヤパン14の前端が変形しにくくなるので、スペアタイヤ3(A,B)の挙動が一定にコントロールされるようになり、スペアタイヤ3(A,B)の前部が上方に持ち上がって、スペアタイヤが燃料タンク5の方向に移動するのが有効に防止できると共に、タイヤパン14の変形で剛性が高まっていることにより、衝撃をより吸収できるようになる。
【0043】
また、クロスメンバー22の中央部ではタイヤパン14を含んで閉断面が構成されるが、クロスメンバー22の両端部ではタイヤパン14を含まずにトランクフロア13との間で閉断面が構成されるので、タイヤパン14のねじれ剛性も高められてタイヤパン14の振動が抑制されるようになる。
【0044】
さらに、クロスメンバー22の切り込み(中央部)22fの接合フランジ22dと両端部の接合フランジ22eとをつなぐ接合フランジ22d′を、タイヤパン14のコーナー部14dに沿うように湾曲させて設けているので、コーナー部14dにおける接合フランジ22d′のスポット溶接等が容易になると共に、接合フランジ22d′の接合強度も高まるようになる。
【0045】
さらにまた、クロスメンバー22の両端外方のサイドフレーム12に、サスペンションクロスメンバーを固定する固定部12fを設けているから、クロスメンバー22の車幅方向の剛性がタイヤパン14の前縦壁面14cとの接合で高められているので、サスペンションのアライメントの変化を有効に防止できるようになる。
【0046】
一方、自動車10の後部の剛性をより高めて、後突時のトランク11における衝撃の吸収を向上させるために、図6〜図8に示すように、後部車体の側壁下部付近で前後方向に伸長するサイドシル25とホイールハウス26の上方で車幅方向に伸長するリアデッキ27とを、ホイールハウス26に沿って設けられる第1レインフォースメント28で連結する構造を採用することができる。
【0047】
具体的には、逆L字状の第1レインフォースメント28は、ホイールハウスアウター29とインナーパネル30とリアフェンダー31とで囲まれた空間に配置されて、下端部28aがサイドシル25の上部に接合され、下接合フランジ28bがホイールハウスアウター29に接合されると共に、上接合フランジ28cがインナーパネル30に接合されて、インナーパネル30とホイールハウスアウター29との間で閉断面を構成している。この第1レインフォースメント28の後端部28dに上記リアデッキ27の両端部27aが接合されて、車体後部で左右の第1レインフォースメント28,28とリアデッキ27とで、車体後上部の剛性を高めるようにしている。
【0048】
また、自動車10の左右のドア32内の上部と下部には、前後方向に伸長する第1インパクトバー33と第2インパクトバー34とがブラケット35,…で固定されて、各ドア32の剛性を高めるようにしている。
【0049】
この各ドア32の上部の第1インパクトバー33の後端部33aに前端部36aが対向するように、上記車体後部の第1レインフォースメント28の外面には、閉断面を構成するように第2レインフォースメント36の接合フランジ36b,36bをそれぞれ固定して、前突時または後突時に、第1インパクトバー33の後端部33aと第2レインフォースメント36の前端部36aとが突き当たるようにすることにより、車体後側部の剛性を高めるようにしている。
【0050】
さらに、上記各ドア32の上部の第1インパクトバー33の前端部33bに端部37aが対向するように、上記自動車10の車室の前部のステアリングコラム(図示せず)を支持するステアリングメンバー37が車幅方向に配置される。これにより、側突時には、第1インパクトバー33の前端部33bとステアリングメンバー37の端部37aとが突き当たると共に、第1インパクトバー33の後端部33aと第2レインフォースメント36とが突き当たるようにすることにより、車体側部の剛性を高めるようにしている。
【0051】
上記前側のステアリングメンバー37と、両側の第1インパクトバー33,33及び第1、第2レインフォースメント28,36と、後側のリアデッキ27とで車室が四角枠形状に囲まれるので、コンバーチブルタイプの自動車10では全方向に対する車室の剛性の向上に寄与できるようになる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の後部車体構造は、トランク内に、小径のテンパータイヤを格納できるサイズのタイヤパンを、トランク後壁面から前方に延びるように設けたから、トランク後壁面からタイヤパンの前端部までの前後方向のタイヤパンスペースが減少し、タイヤパンのレイアウト性も向上すると共に、タイヤパンに大径のノーマルタイヤを格納するときは、トランク後壁面にノーマルタイヤの後部を当接させると共に、ノーマルタイヤの前部を前方のトランクフロアに当接させることにより、ノーマルタイヤは、前部を上方に持ち上げた状態で部分的にタイヤパンに格納できるようになる。
【0053】
したがって、大径のノーマルタイヤを前部を上方に持ち上げた状態で部分的にタイヤパンに格納できるので、後突時におけるノーマルタイヤの挙動をコントロールできるようになる。
【0054】
また、タイヤパンのテンパータイヤ固定部よりも後方のサイドフレームに脆弱部を設けたから、後突時に、サイドフレームが必ず折曲変形することで、各タイヤの挙動が一定にコントロールされるようになり、タイヤの前部が上方に持ち上がって燃料タンク等の方向に移動するのが防止できると共に、サイドフレームの折曲変形で衝撃を吸収できるようになる。
【0055】
請求項3のように、タイヤパンは、スペアタイヤの前部を上方に持ち上げるように傾斜させていると、小径のテンパータイヤは、前部を上方に持ち上げた状態でタイヤパンに格納できると共に、大径のノーマルタイヤは、後端部の位置をより低くできて、前部を大きく上方に持ち上げた状態で部分的にタイヤパンに格納できるので、後突時における各タイヤの挙動を一定にコントロールできるようになる。
【0056】
請求項4のように、サイドフレームの後端部にオフセットしたバンパーブラケットを設けると、このバンパーブラケットに後突荷重が作用すると、サイドフレームが脆弱部で正確に下方へ折曲変形されるようになる。さらに、請求項5のように、サイドフレームの断面積を、後端部から上記脆弱部まで減少させと、サイドフレームが脆弱部で下方へ折曲変形されやすくなる。
【0057】
請求項6のように、タイヤパン内に、テンパータイヤの直径よりも短いジャッキをテンパータイヤの側方に配置すると、ジャッキにより各スペアタイヤの挙動が阻害されないと共に、トランク内の別の場所にジャッキ用のスペースを確保する必要がないので、トランクスペースが拡大するようになる。
【0058】
請求項7のように、テンパータイヤ固定部とジャッキ固定部との前後位置を一致させると、ジャッキにより各タイヤの挙動が阻害されるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトランク部分の車体構造の平面図である。
【図2】 図1の側面断面図である。
【図3】 (a)は図1のF−F線断面図、(b)は図1のG−G線断面図である。
【図4】 (a)はサイドフレームの平面図、(b)は側面図である。
【図5】 (a)はクロスメンバーの平面図、(b)は斜視図である。
【図6】 (a)は自動車の平面図、(b)は側面図である。
【図7】 (a)はホイールハウス部分のレインフォースメントの平面図、(b)は側面図である。
【図8】 (a)は図7(b)のH−H線断面図、(b)は図7(b)のJ−J線断面図である。
【図9】 自動車の車体の斜視図である。
【図10】 自動車の後部の透視斜視図である。
【図11】 従来の後部車体構造であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
3A ノーマルタイヤ
3B テンパータイヤ
10 自動車
11 トランク
11a トランク後壁面
11b 凹部
12 サイドフレーム
12d,12e 脆弱部
13 トランクフロア
14 タイヤパン
14b ジャッキ固定部
14d コーナー部
15 タイヤ固定ボルト
16 ジャッキ
19 バンパーブラケット
20 バンパー
22 クロスメンバー
L1 長さ
H 高さ

Claims (7)

  1. 車両の後部のトランク内にタイヤが略水平に配置された車両の後部車体構造において、
    上記トランク内のトランクフロアに、ノーマルタイヤよりも小径のテンパータイヤと略同一サイズのタイヤパンをトランク後壁面から前方に延びるように凹設して設けて、このタイヤパンに、タイヤパンに収納された状態のテンパータイヤの中心穴に対応する位置に、テンパータイヤを固定ボルトによって固定するテンパータイヤ固定部を設けるとともに、このタイヤパン前方のトランクフロアは、タイヤパン内のトランク後壁面に後部を当接させたノーマルタイヤの前部を上方に持ち上げた状態で、このノーマルタイヤを部分的にタイヤパンに格納できる長さに設定されている一方、上記トランク内の車幅方向の両側には、トランクフロアに固定されて、前後方向に伸長するサイドフレームがそれぞれ配置されて、上記タイヤパンのテンパータイヤ固定部よりも後方のサイドフレームに、このサイドフレームを下方へ折曲変形可能な脆弱部を設けたことを特徴とする車両の後部車体構造。
  2. 上記テンパータイヤの直径T1とタイヤパンの前後方向の長さTPとノーマルタイヤの直径T2との関係は、T1<TP<T2となっている請求項1に記載の車両の後部車体構造。
  3. 上記タイヤパンは、テンパータイヤの前部を上方に持ち上げるように傾斜させている請求項1または請求項2に記載の車両の後部車体構造。
  4. 上記脆弱部よりも後方のサイドフレームの後端部に、上方にオフセットしたバンパーブラケットを設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の後部車体構造。
  5. 上記サイドフレームの断面積を、後端部から上記脆弱部まで減少させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の後部車体構造。
  6. 上記タイヤパン内に、テンパータイヤの直径よりも短いジャッキをテンパータイヤの側方に配置した請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の後部車体構造。
  7. 上記テンパータイヤ固定部とジャッキ固定部との前後位置を一致させた請求項6に記載の車両の後部車体構造。
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