JP3978360B2 - ギアードモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯槽の排水弁や換気扇のシャッタ等の駆動機構として利用されるギアードモータに係わり、具体的には、負荷に抗して部材を所定位置に移動する動作と、所定位置に保持する動作とを、ともに一台のモータ駆動により行う機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、洗濯機の排水弁や換気扇のシャッタやダンパ等の駆動源となるギアードモータは、モータ駆動によって負荷部材(ワイヤーやレバー等)を巻き上げ、その巻き上げ位置で所定時間、その負荷を保持し、かつこの保持状態から負荷部材を元の位置にもどすことが可能なように構成されている。このようなギアードモータは、駆動源となるモータのロータと負荷部材が連結された出力軸との間に差動クラッチ手段を備えている。そして、この差動クラッチ手段を連結した状態で上述した巻き上げおよび保持を行い、この差動クラッチ手段との連結が断たれると、負荷部材は負荷力によって元の位置まで戻るようになっている。
【0003】
なお、上述のギアードモータでは、負荷力によって負荷部材が元の位置まで戻る際、ロータと出力軸との間の輪列が高速回転するとともに、元の位置に戻ると急停止させられる。そのため、輪列を構成する各歯車等の伝達部材に甚大な力が作用して、破損に至らしめる危険性がある。そこで、高速回転を抑制する何らかの調速手段を輪列内に設けている。また、差動クラッチ手段における巻き上げ機能と保持機能の切替には、電磁力によるソレノイドクラッチ方式、またはモータのロータによる磁気誘導力クラッチ方式のいずれかが適用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般商用電源においては、10msec〜20msecの瞬間的な電圧降下または停電(以下「瞬停」と表記)が発生することがある。しかしながら、マイコンは50msec以下の「瞬停」に対応できていない。そこで、電磁力によるソレノイドクラッチ方式を適用したギアードモータでは、ソレノイド回路内にコンデンサを設けて充電しておき、ソレノイドに通電してクラッチをONにした状態で「瞬停」が発生すると、コンデンサを放電してソレノイドの通電状態を継続することでクラッチをONのまま保持することができる。ところが、ソレノイドクラッチ方式を適用すると、ソレノイドとコンデンサを別設する必要があり、またその設置のためのスペースを確保しなければならないから、製造コストおよび装置の小型化という点で不利である。
【0005】
一方、ソレノイドやコンデンサを必要としない、モータのロータによる磁気誘導力クラッチ方式は、通電時はロータの回転で磁気誘導力が発生するからクラッチ動作が機能して負荷を保持することができる。しかしながら、「瞬停」が発生したときはロータが急停止するため、磁気誘導力が僅か数msecで急激に消滅する。そのため、クラッチ機能は維持できず負荷はドラスティックに解放されることになる。一般的に「瞬停」の保持には、少なくとも約50msecの時間が必要であるから、ロータ回転に関係なくこの時間がクリヤできるクラッチ機能保持機構があればよいことになる。
【0006】
そこで本発明の第一の目的は、低価格でコンパクトに構成できるモータのロータによる磁気誘導力クラッチ方式を適用して「瞬停」に対応可能なギアードモータを提供することである。すなわち、低速時と高速時の2段階で動作可能な調速手段を設け、低速時は動作開始を一時的に押さえ、中速時は定常運転で、高速時は速度を安全な範囲内に安定に保つようにすることである。また第二の目的は、調速手段の低速時動作によって、動作開始を一時的に押さえ、その間は、クラッチONと同等の動作にすることで、「瞬停」時におけるクラッチ機能の保持を可能にすることである。さらに、第三の目的は、調速手段のガバナの内側と外側の両方を使うことによって、動作時間全体の長さだけでなく、開始時間、全体の時間、加速度等のさまざまな設定を可能にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るギヤードモータは、モータと、このモータのロータに連結されて所定負荷に抗して回転駆動される出力軸と、この出力軸と前記ロータとの連結を継/断切替操作するクラッチと、このクラッチの連結を切替えるクラッチ操作機構とを有し、このクラッチ操作機構は、前記ロータに連動した磁気誘導マグネットと、この磁気誘導マグネットに磁気誘導され前記ロータに連動して回転または停止する誘導リングによって前記クラッチの切替操作を行う磁気誘導手段からなり、前記ロータの回転停止初期において前記クラッチに継状態を維持させる遅延機構を含み、前記磁気誘導手段に、前記ロータの回転が停止すると前記誘導リングに連動して前記クラッチを断側へ移行させる断・動作部材を設け、この断・動作部材による断動作を前記遅延機構によって遅延させたこと特徴とする。
【0008】
また、前記遅延機構として、前記断動作部材の回動速度を緩慢にする緩衝部材または制動部材のいずれかを回動軸に連設した。前記遅延機構として、前記クラッチの連結切替は、クラッチに噛合するロックギアの回転制御によって行い、前記ロックギアの回転を一時的に抑制する制動部材を設けてもよい。
【0009】
さらに、前記断・動作部材の断動作にともない前記所定負荷による出力軸の回転速度を調整するための調速手段を前記遅延機構に形成した。しかも、前記調速手段は、出力軸の回転速度に応じて径方向に拡径される腕部と、この腕部に拡径されると当接する固定円筒内面を有し、前記腕部は、前記出力軸の回転速度が零および低速回転時に径方向に縮径して当接する固定円筒外面を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わるギアードモータの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係わるモータの一実施例を示す概略の平面図である。図2は図1に示す実施例の構成と動作を説明する模式図で、上側にAC同期モータ10のロータ11が駆動する減速歯車輪列12、下側に誘導リング13と連動する増速歯車輪列14がそれぞれ展開して図示されている。図2の配列位置は、図1に示す実際の平面配列と異なって図示されている。
【0011】
先ず図1および図2に基づいて、本発明に係わるギアードモータの構成を説明する。ロータ11がステータ15(図2参照)に対向して電磁作用で回転駆動されるAC同期モータ10とその駆動力を出力軸16に伝達する減速歯車輪列12、ならびにロータ11に連動して回転し、差動クラッチを構成する遊星歯車機構17の作動を切り換えて出力軸16を制御する誘導リング13を含み増速歯車輪列を連設する構成体は、ケース18に収納され、外部からAC同期モータ10に電源を投入する端子19を備える。また、出力軸16はレバー30(図2参照)で外部と接続される。
【0012】
ロータ11の回転支持部11aの先端には駆動クラッチ爪11bが形成され、ロータ11と同軸でロータ支軸24に回転自在に支持されたクラッチピニオン20下面の受動クラッチ爪20aに対向する。クラッチピニオン20は圧縮コイルバネ21により、受動クラッチ爪20aがロータ11の駆動クラッチ爪11bから離間する方向に付勢されている。また、クラッチピニオン20の付勢方向にはクラッチレバー22のカム面22aが臨み、クラッチピニオン20は常時、カム面22aに押圧されている。
【0013】
カム面22aは、圧縮コイルバネ21の付勢力に抗してクラッチピニオン20をロータ11の方向に押動し、受動クラッチ爪20aをロータ11の駆動クラッチ爪に咬合させる山面22bと咬合を解除する谷面とを備える。クラッチレバー22は、出力軸16を駆動する伝達歯車23と同じ支軸23aに回転自在に支持される。クラッチレバー22は、また、クラッチピニオン20に当接するカム面22aに沿って穿設された弧状の長孔22cにロータ支軸24を遊嵌し、所定の範囲を揺動する。
【0014】
さらに、クラッチレバー22の一部は、出力軸16と一体に設けた出力歯車16aの側面に形成されたクラッチレバー操作溝16bに相対し、操作用突起22dを咬合させている。このため、出力歯車16aの回転に伴い、クラッチレバー操作溝16bに追動する操作用突起22dがクラッチレバー22を回動して、カム面22aの山と谷を切り換える。これにより、駆動クラッチ爪11bと受動クラッチ爪20aとは咬合または離間し、ロータ回転支持部11aからクラッチピニオン20への回転の伝達を継/断する。
【0015】
ステータ15が通電された初期状態では、駆動クラッチ爪11bと受動クラッチ爪20aとは咬合状態にあり、ロータ11の回転はクラッチピニオン20に直接伝達される。クラッチピニオン20は、遊星歯車機構17の入力歯車17aに回転を伝達する。遊星歯車機構17の公転歯車17bは、伝達歯車23を介して出力歯車16aに連結しており、出力軸16にかかっている外部負荷の抵抗によって回転が阻止されている。
【0016】
このため、遊星歯車17cは、入力歯車17aと一体で回転する太陽歯車17dによって自転し、外接して噛合する内歯歯車17eに回転を伝達する。内歯歯車17eと一体で回転するリング歯車17fは増速歯車輪列14の小歯車14aに噛合し、小歯車14aと一体の大歯車14bに噛合するピニオン26bが一体に形成されたロックギア26を高速回転させる。
【0017】
一方、クラッチ操作機構の断・操作部材として機能する扇形歯車28は、復帰バネ27の張設によって図中時計方向に付勢されており、誘導リング13と一体形成された制動ピニオン13aが噛合して磁気誘導手段を構成する(図1参照)。誘導リング13は、磁気誘導によりロータ11の回転に連動して旋回し、扇形歯車28を復帰バネ27の付勢力に抗して回動する。扇形歯車28の一部を構成する回転規制部28aは扇形歯車28と共に回動して、高速回転しているロックギア26の突起26aの回転軌道内に入り、突起26aと係合してロックギア26の回転を規制し、増速歯車輪列14の回転を拘束する。
【0018】
増速歯車輪列14が拘束されたことによって、遊星歯車機構17のリング歯車17fすなわち内歯歯車17eの回転が阻止されるので、遊星歯車17cは公転を開始する。遊星歯車17cの公転で、遊星歯車機構17の公転歯車17bは、噛合する減速歯車輪列12に回転を伝達し、伝達歯車23の大径歯車23bから小径歯車23cを経て出力歯車16aを回動する。出力歯車16aが所定の角度回動すると、クラッチレバー操作溝16bに咬合するクラッチレバー操作用突起22dでクラッチレバー22が回動され、クラッチピニオン20を押圧から解放する。駆動クラッチ爪11bと受動クラッチ爪20aとの咬合は解除され、クラッチピニオン20は自由になる。
【0019】
自由になったクラッチピニオン20は、出力軸16の外部負荷による回転力が減速歯車列12に逆伝達されて増速された逆転に移行する。しかしながら、押圧を解かれて圧縮コイルバネ21の付勢力で上方に移動したクラッチピニオン20は突設された係合突起20bがクラッチレバー22の回動位置に形成された阻止部材22eに当接してクラッチピニオン20を拘束する。
【0020】
ロータ11が回転を継続する限り、誘導リング13は回転して、扇形歯車28を復帰バネ27の付勢力に抗して回転規制部28aとロックギア26の突起26aとの係合を維持し、増速歯車輪列14を介して遊星歯車機構17のリング歯車17fすなわち内歯歯車17eの拘束を継続する。一方、遊星歯車機構17は、クラッチピニオン20の拘束によって太陽歯車17dが回転を阻止されているから、公転歯車17bは回転不能となって減速歯車輪列12の停止状態を保持し、出力軸16の外部負荷は拘束部分が支持することになる。
【0021】
ステータ15への通電を断つと、ロータ11と共に誘導リング13は回転を停止する。扇形歯車18は復帰バネ27の付勢力で初期状態に戻る。ロックギア26は回転自在となり、増速歯車輪列14の拘束を解除する。支持を失った出力軸16の外部負荷は、出力歯車16aによって減速歯車輪列12側から公転歯車17bを回転し、まだ回転が拘束されている太陽歯車17dを固定側として遊星歯車17cが公転し、リング歯車17fが増速歯車輪列14を介して回転するロックギア26は自由であるから、出力軸16は外部負荷に従って回動する。
【0022】
出力軸16の外部負荷による回転で、共に回転する出力歯車16aは、クラッチレバー操作溝16bが係合する操作用突起22dによりクラッチレバー22を回動してカム面22aの山面22bを回帰させ、クラッチピニオン20を押圧して駆動クラッチ爪11bと受動クラッチ爪20aとの咬合を回復する。
【0023】
本発明に係わるギアードモータの動作としては、ステータ15への通電によって、出力軸16に取付けたレバー30は、一方向にクラッチレバー操作溝16bで設定される所定の角度まで一方向に回動し、ロータ11に連動する誘導リング13の回転で、電磁的な無接触のスリップ作用による牽引力を機械的拘束に連動させて所定の停止位置を保持し、通電が停止すると外部負荷の作用で初期状態に復帰する。機械的な摩擦部分がないので、摩耗によるトラブルが発生することはない。
【0024】
すなわち、洗濯機の排水弁に適用した場合は、開弁して排水が完了するまで開弁状態が保持される。また、換気扇のシャッタあるいは空調機のダンパーに適用した場合は、換気扇あるいは空調機と同時に通電され、換気扇の回転あるいは空調機作動でシャッタあるいはダンパーが開き、換気扇の回転中あるいは空調機作動中はシャッタあるいはダンパーは開いた位置に保持される。そして排水終了、換気扇あるいは空調機停止で通電を停止したときは、排水弁は閉止され、換気扇シャッタあるいは空調機ダンパーは閉じられる。
【0025】
本発明によれば、不特定外乱によって商用電源に頻繁に発生し、付属するマイコンで処理できない、時間にして10msec〜20msec程度の瞬間的電圧降下または停電(「瞬停」)によるロータ停止で誘導リング13の回転力によるレバー30の保持が解除されるトラブルを解消する遅延機構とともに、レバー30を保持するための保持力解除による各部材の高速回転、およびレバー30が所定位置まで移動した後の急停止、ならびに急停止後の反動とそれまでに回転していた方向への慣性力との衝突等を原因とする負荷による各部材の損傷を避ける調速手段が設けられる。
【0026】
すなわち、「瞬停」に対しては、誘導リング13の回転力喪失に出力軸16が直ちに応動することなく、適当な時間を負荷に耐えて通電時の位置に一時的に止どまることができる遅延機構、並びにレバー30の保持力解放後、各部材が高速回転や急停止等による大きな負荷を受けることなく、レバー30の保持解放後の動作により破損してしまう不具合を解消することができるように出力軸16を含む減速歯車輪列12および増速歯車輪列14の各回転動作が高速になり過ぎず、ゆっくりした動作で行われて最終的には静かに停止させることができる調速手段を設ける。
【0027】
以下、これらの動作を実現するための構成について述べる。先ず、「瞬停」対策としての遅延機構の第一実施例は、誘導リング13の回転力喪失によって、扇形歯車28が復帰バネ27の付勢力で回動するのを抑制すればよいから、図2に符号U,VおよびWで示すいずれかの回転軸に適当な二重円筒または二重円板式グリスダンパによる緩衝部材またはブレーキシュウによる制動部材を連結させて、急速な回動を規制する。グリスダンパやブレーキシュウは公知の機構であるから図示並びに説明は省略する。この部材に使用するグリスの粘性や間隙を調整して、速度/摩擦力の関係をさまざまに設定することができる。
【0028】
遅延機構の第二実施例は、扇形歯車28が復帰バネ27の付勢力で回動しても回転規制部28aがロックギアの突起26aとの係合を解かなければ、ロックギア26の回転は規制されたまま保持され、出力軸16は回動不能でレバー30を負荷状態に維持できることは容易に推測される。図示は省略するが、ロックギアの突起26aの形状を拡大して回転規制部28aと突起26aとの係合領域を拡張し、扇形歯車28が係合を解くまでの回動範囲を広げることで、「瞬停」時においてレバー30に負荷の支持を継続させる目的は達成される。
【0029】
図3は本発明に係わる第三実施例の調速手段32を含む遅延機構34の拡大図示で、(a)は平面図、(b)は側面図でいずれも回転を停止した状態が図示してある。樹脂成型で形成したロックギア26の開放面26cに、インサートモールドにより板面を回転軸と平行にして帯状の板バネ33を立設し調速および遅延機構の腕部とする。図示では2枚の板バネ33が対称に配置されているが、3枚でも4枚でもよい。
【0030】
また、図示は省略するが、板バネのバネ定数によるさまざまな設定が可能で、例えば外周配置箇所を90°の等間隔で4箇所とし、バネ弾性の強さを2箇所を弱く、2箇所を強くするなどして細かく設定することが可能である。いずれにせよ、板バネ33は、一端がロックギア26に埋設された片持梁状で、固定端33aから自由端33bがほぼU字状に開放面26cに沿って延在し、ロックギア26と一体で回転する。
【0031】
自由端33bの端末にゴムの角片をブレーキシュー35として接着する。ブレーキシュー35と板バネ33とはインサートモールドで結合してもよい。ブレーキシュー35は、板バネ33自由端末から回転軸と平行に突出する。ケース18に同じ外形で嵌合するカバー18aのロックギア26との対向部分にロックギア26と同心で小/大の二重円筒36,37が垂設され、ブレーキシュー35の自由端は二重円筒36,37の中間に挿入される。すなわち、ブレーキシュー35の内面35aは小円筒36による固定円筒外面36aに臨み、ブレーキシュー35の外面35bは大円筒37による固定円筒内面37aに臨む。
【0032】
ロックギア26が静止状態にあるときは、板バネ33の弾性付勢力により、ブレーキシュー内面35aが小円筒外周面36aに当接し、ロックギア26の回転は、ブレーキシュー内面35aと小円筒外周面36aの間に生じる摩擦で阻止される。従って、ロックギア26は作用する回転力が小さい間は、回転を停止している。
【0033】
作用する回転力が次第に大きくなると、ロックギア26は摩擦による停止状態が維持できずゆっくりと回転を開始する。すなわち、ロックギア26は回転力がある限界を超えるか、またはある時間を経過すると、摩擦力に抗して連続回転を開始する。そして、一旦回転を開始したロックギア26は、慣性によって速度を逓増し、高速領域と認識されるある速度に達する。ロックギア26が高速領域に入ると、板バネ33先端のブレーキシュー外面35bが遠心力によって外側に偏向し、固定円筒内面37aに摺接して回転速度が所定の範囲内に抑制される(図4(a),(b)参照)。ここに使用する板バネ33のバネ定数や摺接部分に適用するグリス粘度によってさまざまな設定が可能である。
【0034】
「瞬停」が発生したときは、ロックギア26がゆっくり回転している間は、外見上、ロータから回転駆動を受けているのと同等の状態となり、その間は「瞬停」をクリヤすることができる。ロックギア26は、出力軸16に対して大きい増速比で連結されているので、ロックギア26が僅か動いても、出力軸16には動きが殆ど観られない。
【0035】
以上、本発明に係わるギアードモータの実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、その形状や構成について、本発明の構成要件から逸脱しない範囲で、細部に関する多様な変更、部品の再構成、実施例における組合せ交換等、様々な改変をなし得ることが予期される。
【0036】
例えば、上記実施例では調速手段の腕部として板バネを使用したが、ブレーキシューと一体にゴムや合成樹脂で一体成型してもよい。また、ゴムを使用せずに板バネだけで腕部を構成することも可能である。また、遠心力による作用方向を上下にして、円筒の代わりに上下に円板を配設してもよい。さらには、出力軸に対する調速手段は、調速および「瞬停」保持時間との関係から設定するため、出力軸の上流側であればどこでもよい。
また磁気誘導マグネットはロータに直接設けても良いし、ロータに輪列によって連結された回転体に設けても良い。
【0037】
以上の説明で明らかなように、本発明に係わるギアードモータは、請求項1の記載によれば、モータと、このモータのロータに連結されて所定負荷に抗して回転駆動される出力軸と、この出力軸と前記ロータとの連結を継/断切替操作するクラッチと、このクラッチの連結を切替えるクラッチ操作機構とを有し、このクラッチ操作機構は、前記ロータに連動した磁気誘導マグネットと、この磁気誘導マグネットに磁気誘導され前記ロータに連動して回転または停止する誘導リングによって前記クラッチの切替操作を行う磁気誘導手段からなり、前記ロータの回転停止初期において前記クラッチに継状態を維持させる遅延機構を含み、前記磁気誘導手段に、前記ロータの回転が停止すると前記誘導リングに連動して前記クラッチを断側へ移行させる断・動作部材を設け、この断・動作部材による断動作を前記遅延機構によって遅延させたので、低速時動作によって動作開始を一時的に押さえ「瞬停」保持が可能になる。しかも、ソレノイドおよびコンデンサなどの電気部品が不要となり、スペースの削減とコストの低減が可能になる。
【0039】
さらに、本発明に係わるギアードモータは、請求項2の記載によれば、前記遅延機構として、前記断・動作部材の回動速度を緩慢にする緩衝部材または制動部材のいずれかを回動軸に連設したので、使用グリスの粘度や間隙を調整して前記断・動作部材が「瞬停」時のロータ停止に直ちに応動しないような動作時間を任意に設定することができる。
【0040】
さらに、本発明に係わるギアードモータは、請求項3の記載によれば、前記遅延機構として、前記クラッチの連結切替は、クラッチに噛合するロックギアの回転制御によって行い、前記ロックギアの回転を一時的に抑制する制動部材を設けたので、増速側にあるロックギアの僅かな回動は出力軸に殆ど伝達されず、「瞬停」が発生してもレバーは安定に保持することができる。
【0041】
しかも、本発明に係わるギアードモータは、請求項4の記載によれば、前記断・動作部材の断動作にともない前記所定負荷による出力軸の回転速度を調整するための調速手段を前記遅延機構に形成したので、調速手段の腕部における内側/外側の摩擦力の強弱によって、動作時間全体の長さだけでなく、開始時間、全体の時間、加速度等のさまざまな設定が可能になる。
【0042】
その上、本発明に係わるギアードモータは、請求項5の記載によれば、前記調速手段は、出力軸の回転速度に応じて径方向に拡径される腕部と、この腕部に拡径されると当接する固定円筒内面を有し、前記腕部は、前記出力軸の回転速度が零および低速回転時に径方向に縮径して当接する固定円筒外面を有するので、低速時/高速時の2段階の調速が可能となり、低速時には、動作開始を一時的におさえ、中速時は定常運転し、高速時は速度を一定に保つ動作機構を一箇所に集中することができ、性能の管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるギヤードモータの一実施例を示す概略の平面図である。
【図2】本発明に係わるギヤードモータの模式的動作説明図である。
【図3】本発明に係わるギヤードモータにおける静止状態にある調速手段の部分拡大図で(a)は平面図、(b)は側面の断面図である。
【図4】本発明に係わるギヤードモータにおける高速回転状態にある調速手段の部分拡大図で(a)は平面図、(b)は側面の断面図である。
【符号の説明】
10 AC同期モータ
11 ロータ
12 減速歯車輪列
13 誘導リング
14 増速歯車輪列
15 ステータ
16 出力軸
17 遊星歯車機構
20 クラッチピニオン
22 クラッチレバー
26 ロックギア
27 復帰バネ
28 扇形歯車
30 レバー
32 調速手段
33 板バネ
34 遅延機構
35 ブレーキシュー
36 小円筒
37 大円筒

Claims (5)

  1. モータと、このモータのロータに連結されて所定負荷に抗して回転駆動される出力軸と、この出力軸と前記ロータとの連結を継/断切替操作するクラッチと、このクラッチの連結を切替えるクラッチ操作機構とを有し、このクラッチ操作機構は、前記ロータに連動した磁気誘導マグネットと、この磁気誘導マグネットに磁気誘導され前記ロータに連動して回転または停止する誘導リングによって前記クラッチの切替操作を行う磁気誘導手段からなり、前記ロータの回転停止初期において前記クラッチに継状態を維持させる遅延機構を含み、前記磁気誘導手段に、前記ロータの回転が停止すると前記誘導リングに連動して前記クラッチを断側へ移行させる断・動作部材を設け、この断・動作部材による断動作を前記遅延機構によって遅延させたこと特徴とする請求項1に記載のギアードモータ。
  2. 前記遅延機構として、前記断・動作部材の回動速度を緩慢にする緩衝部材または制動部材のいずれかを回動軸に連設したことを特徴とする請求項に記載のギアードモータ。
  3. 前記遅延機構として、前記クラッチの連結切替は、クラッチに噛合するロックギアの回転制御によって行い、前記ロックギアの回転を一時的に抑制する制動部材を設けたことを特徴とする請求項に記載のギアードモータ。
  4. 前記断・動作部材の断動作にともない前記所定負荷による出力軸の回転速度を調整するための調速手段を前記遅延機構に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のギアードモータ。
  5. 前記調速手段は、出力軸の回転速度に応じて径方向に拡径される腕部と、この腕部に拡径されると当接する固定円筒内面を有し、前記腕部は、前記出力軸の回転速度が零および低速回転時に径方向に縮径して当接する固定円筒外面を有することを特徴とする請求項に記載のギアードモータ。
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