JP3978282B2 - 補強木材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は補強木材に係り、特に木材の長手方向に対して直交する方向から大きな荷重が掛かる建物の筋交い材や梁材などとして有効に利用される補強木材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建物の屋根を支えるための横木として使用されている梁材は、大型建築物などにおいてはその強度を高める必要があり、従来は梁材として使われる木材の厚みを大きくすることで対処していた。しかしながら、梁材の厚みを大きくすると床から天井までの高さが低くなってしまう他、最近では大径の木材を得ること自体が年々難しくなっているといった問題がある。そこで、最近ではスギやカラマツなどの集成材を鉄筋などで補強した補強木造梁の実用化が図られている(例えば特開平8−312059号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水平に張り渡した梁材に対して上から荷重をかけた時に発生する梁材内部の圧縮応力と引張応力は、一般に梁材の上面及び下面に近い部分ほど大きくなるが、上記従来の補強木造梁にあっては、鉄筋が集成材の内部に埋め込まれているために、補強効果が必ずしも十分とはいえず、その分鉄筋の数を増やしたり、鉄筋の直径を太くしなければならない。また、圧縮側及び引張側の両方とも鉄筋で補強しているために、梁材自体が重くなってしまうといった問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、建物の筋交い材や梁材などの骨組材を補強する場合に、荷重を受けた時に発生する圧縮応力と引張応力に対して、補強効果が十分に発揮し得るように、補強材の材質及び配設位置を最適なものとすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る補強木材は、細長い木材の表面又は表面付近の長手方向に、木材の長手方向に対して直交する方向から荷重をかけたときの圧縮側に薄鋼板を固着し、引張側に繊維強化シートを緊張させた状態で固着したことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項に係る繊維強化シートは、炭素繊維を接着剤によって木材に固着したものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る補強木材を建物の梁材として利用する場合の好ましい形態を説明する。図1及び図2は、本発明に係る補強梁材の構造を示したものである。この実施例において、補強梁材1は、断面四角形の細長い母材2と、この母材2の上面3に固着された薄鋼板5と、この薄鋼板5とは反対側の下面4に固着された繊維強化シート6とで構成されている。この実施例における母材2は、スギ材やカラマツ材、間伐材などからなる板材2a,2b,2cを3枚重ね合せて形成した集成材であるが、断面が四角の角材を利用することもできる。
【0009】
前記薄鋼板5は、図1に示したように母材2の上面3に比べて長さ及び横幅ともに小さく形成されており、母材2の上面3の中央部に埋め込まれた状態で接着剤によって固着され、母材2の上面3と同一平面を形成している。また、上方からの荷重に対して母材2の長手方向の略中央付近での圧縮応力が最も大きくなることから、薄鋼板5は母材2の中央部分を含む両側に延びていれば十分であり、母材2の長手方向全体をカバーする必要はない。また、薄鋼板5の横幅も概ね母材2の横幅の1/2程度あれば十分であるため、薄鋼板5を補強することによる全体重量の増加にはさほど影響がない。なお、薄鋼板5の板厚は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択することができる。また、母材2に薄鋼板5を固着するための接着剤の種類は特に限定されず、例えばエポキシ系及びフェノール系の接着剤を用いることができる。
【0010】
一方、母材2の下面4に固着される繊維強化シート6は、母材2の下面4において、その長手方向に繊維方向を揃えた多数本の炭素繊維を配設し、この炭素繊維をエポキシ樹脂接着剤等によって母材2の下面4に接着し、そのまま固化させて強化シートとしたものである。繊維強化シート6の繊維材料としては、炭素繊維が代表的なものであるが、それ以外にガラス繊維やアラミド等を使用することもできる。なお、上からの荷重に対して母材2の下面4では長手方向の略中央付近において引張応力が最も大きくなることから、上記薄鋼板5と同様に、繊維強化シート6は中央部分を含む両側にまで延びていれば十分であり、母材2の長手方向全体をカバーする必要はない。また、炭素繊維の本数が多いほど引張応力に対する補強効果が大きくなるが、特に何本以上が必要であるという制約はない。
【0011】
また、この実施例では上述のような構成からなる補強梁材1で屋根を支えた時に発生する撓みを極力抑えるために、炭素繊維にテンション(緊張)を付与した状態で母材2に固着させている。炭素繊維にテンションを付与する手段としては、例えば図3に示すように、加圧機(図示せず)などによって予め母材2を構成する下部板材2cを弓なりに湾曲させ、その湾曲させた内側に炭素繊維7を張り渡し、その両端を下部板材2cの両端に固定する。次いで、下部板材2cの中央部を上から力F1で押圧し、下部板材2cの湾曲を是正して真っ直ぐに戻すことで炭素繊維7が左右方向に引張り力F2を受けて伸ばされ、下部板材2cの下面4に予め塗布してあるエポキシ樹脂接着剤8が緊張した状態の炭素繊維7に接着するため、結果的に繊維強化シート6にテンションが加わった状態で下部板材2cに固着されることになる。このように、予め繊維強化シート6にテンションを加えた状態で固着させることで、母材2の下面4側では常に中央部に向かって引張り力が働くため、補強梁材1に発生する撓みに対して効果的に作用することになる。なお、繊維強化シート6にテンションを加える手段は、上述の説明に限定されないのは勿論である。
【0012】
上記繊維強化シート6が固着された下部板材2cの上に、他の2枚の板材2a,2bを重ねて母材2を形成する際に、板材2aの上面に上記薄鋼板5を載置し、全体を圧着することによって、母材2の形成と同時にその上面3に薄鋼板5を固着する。
【0013】
上述の補強梁材1によれば、母材2の上面3に薄鋼板5を、母材2の下面4に繊維強化シート6をそれぞれ固着したので、補強梁材1の真上からかかる荷重に対して、圧縮応力が最も大きくなる上面3付近を圧縮力に強い薄鋼板5に負担させることができ、逆に引張応力が最も大きくなる下面4付近を引張力に強い繊維強化シート6に負担させることができるため、母材2を効果的に補強できることになる。しかも、繊維強化シート6は、母材2の長手方向に沿って繊維方向を揃えてあるので、母材2の中央部に大きく働くせん断力に対しても有効に作用することになる。また、上述の実施例では薄鋼板5が母材2の長手方向に沿って配設されているので、梁材として使用したときの水平方向での曲りやねじれに対しても薄鋼板5が有効に作用することになる。
【0014】
なお、上記実施例では母材2の表面に薄鋼板5と繊維強化シート6が現われている場合について説明したが、その上に化粧板などを被せて見栄えを良くし商品価値を高めることもできる。また、上記実施例では補強木材を建物の梁材として使用する場合について説明したが、トラス材や筋交い材などの骨組材に本発明を適用することも可能である。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
次に、上述の構成からなる補強梁材の強度試験について説明する。先ず、試験体となる母材2には、長さ×幅×厚さが2800mm×28.5mm×58mmのスプルスの集成材を用い、この母材2の上面3に長さ×幅×厚さが2000mm×18mm×4mの薄鋼板5を固着し、また母材2の下面4には炭素繊維に0.3%程度のテンションを加えた状態で繊維強化シート6を固着した。繊維強化シート6の幅は、母材2の約半分である。このようにして製作した補強梁材1を実施例1の試験体として用い、図2に示したように、補強梁材1の両端を支え、支点間のスパンLを2700mmとした。そして、試験装置(オイルジャッキ)を用いて所定の荷重をかけた時のスパン中央部の撓み量を変位計によって測定した。試験方法は3点曲げ試験とした。図4は、31Kg、61Kg、91Kg、121Kgの4種類の荷重をかけた時の撓み量の変化を示したグラフである。なお、この図において、グラフ▲1▼は実施例1の試験体を示し、グラフ▲2▼は上記試験体に用いた母材2のままで、補強を一切してない場合の比較例1の試験体を示し、グラフ▲3▼は上記実施例1の試験体に用いた母材2の上面及び下面に繊維強化シートを固着した場合の比較例2の試験体を示したものである。なお、比較例2における上下の繊維強化シートにはテンションが付与されていない。
【0016】
上記の試験結果によれば、実施例1の試験体の撓み量は、4種類の荷重いずれでも比較例2の試験体の約半分であり、比較例1の試験体に対しては半分以下であった。これは試験体に荷重をかけたときに、試験体の上面側には圧縮応力が働くが、この圧縮応力に対しては薄鋼板5が有効に作用する一方、試験体の下面側に働く引張応力に対しては繊維強化シート6が有効に作用するためである。これに対して、比較例2の試験体の場合、繊維強化シートは、下面側の引張応力に対して有効に作用するが、上面側の圧縮応力に対してはほとんど作用してないものと思われる。
【0017】
(実施例2)
上記実施例1における試験体を用いて曲げ強度、曲げ弾性率及びせん断破壊時の荷重−変位特性を試験した。この実施例2における支点間のスパンLは130cmである。次に、試験装置(島津製作所製 オートグラフDSC−500)を用いて補強梁材1の上からスパンの略中央部に10mm/minのスピードで荷重をかけ、その時の荷重値をロードセルによって測定した。下記の表1は実施例2の試験結果をまとめたものであり、また図5はせん断破壊時の荷重−変位特性をグラフで示したものである。表1によれば、実施例2に係る試験体は、補強を施してない比較例1の試験体に対して、曲げ強度が約1.8倍、曲げ弾性率が約2.2倍あり、また母材2の上下面を繊維強化シート6で補強した比較例2の試験体に対して、曲げ強度が約1.6倍、曲げ弾性率が約2.2倍あり、薄鋼板5と繊維強化シート6による顕著な補強効果が認められた。また、せん断破壊時の荷重は、実施例2の試験体が500Kgを越えているのに対して、比較例1,2の試験体とも350Kg前後に止まっている。また、せん断破壊時の撓み変形量も実施例2の試験体に比べて比較例1,2の試験体の方が大きくなっている。
【0018】
【表1】
Figure 0003978282
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る補強木材によれば、細長い木材の表面又は表面付近の長手方向に、木材の長手方向に対して直交する方向から荷重をかけたときの圧縮側に薄鋼板を固着し、引張側に繊維強化シートを固着したので、木材に発生する圧縮応力及び引張応力に対して効果的に作用し、荷重が掛かった時の曲げ強度及び曲げ弾性率を大幅に向上させることができた。したがって、これを建物の梁材として使用した場合には、従来のように梁材の厚さを大きくすることなく所定の強度を確保出来るといった効果がある。
【0020】
また、上記繊維強化シートに予め緊張を付与した状態で木材に固着させたので、木材の下面側では常に中央部に向かって引張り力が働くことになり、木材に発生する撓みに抑える方向に作用することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補強木材の一実施例を示す斜視図である。
【図2】上記図1のA−A線断面図である。
【図3】繊維強化シートを緊張させた状態で母材に固着する場合の一手段を示す説明図である。
【図4】試験体に荷重かけた時の撓み量の変化を示すグラフである。
【図5】試験体がせん断破壊する時の荷重−変位特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 補強梁材
2 母材(木材)
3 上面(圧縮側)
4 下面(引張側)
5 薄鋼板
6 繊維強化シート
7 炭素繊維
8 エポキシ樹脂接着剤

Claims (2)

  1. 細長い木材の表面又は表面付近の長手方向に、木材の長手方向に対して直交する方向から荷重をかけたときの圧縮側に薄鋼板を固着し、引張側に繊維強化シートを緊張させた状態で固着したことを特徴とする補強木材。
  2. 上記繊維強化シートは、炭素繊維を接着剤によって木材に固着したものであることを特徴とする請求項1記載の補強木材。
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