JP3977309B2 - 情報検索装置、情報検索方法、およびこの方法をコンピュータに実行させる情報検索プログラム - Google Patents

情報検索装置、情報検索方法、およびこの方法をコンピュータに実行させる情報検索プログラム Download PDF

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Description

この発明は、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者に発着時刻などの各種情報を提供するための情報検索装置、情報検索方法、およびこの方法をコンピュータに実行させる情報検索プログラムに関する。
鉄道などの旅客運輸サービスにおいて、駅構内に設置された電光掲示板などにより、先発列車や次発列車などの詳細情報(その発着時刻や発着番線、停車駅、運行状況など)を提供するサービスは従来からあった。
しかしながら上記従来技術では、どの利用者に対しても同一の情報を提供するため、個々の利用者は提供された情報の中から、自分にとって必要な情報を選び出さなければならなかった。大きな駅などの場合、多数の掲示板の中から目的の路線を探し出すだけで時間がかかり、その間に乗れたはずの列車に乗り遅れてしまうこともしばしばであった。また、前寄り車両のほうが降りたときに出口に近いにもかかわらず、たまたま後寄り車両に乗ってしまったなどの理由で、降車時に思わぬ時間がかかってしまうことも珍しくなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する個々の利用者に対して、それぞれのニーズに即した情報を個別に検索・提供することが可能な情報検索装置、情報検索方法、およびこの方法をコンピュータに実行させる情報検索プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる情報検索装置は、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者が改札口などの特定の場所を通過した時刻および当該利用者が前記サービスを利用する区間を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された時刻および区間にもとづいて前記利用者が利用する可能性の高い便を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された各便に関する情報からなる表示用データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された表示用データを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便に関する情報のみが選択的に通知される。
また、この発明にかかる情報検索装置は、上記の発明において、前記特定手段が前記受信手段により受信された時刻に所定時間を加算した時刻以降に出発する便を前記利用者が利用する可能性の高い便として特定することを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便が、そこから乗降口までの所要時間などを勘案のうえ特定される。
また、この発明にかかる情報検索装置は、上記の発明において、さらに、前記利用者が前記特定手段により特定された便のうち最も早く出発する便を前記区間だけ利用するものとして当該便の利用率を算出する算出手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、もっぱら既存のハードウエア(自動改札機など)で収集できる情報から各便の利用率を概算できる。
また、この発明にかかる情報検索装置は、上記の発明において、前記作成手段が少なくとも前記特定手段により特定された各便の利用率を含む表示用データを作成することを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い各便の利用率(込み具合)が通知される。
また、この発明にかかる情報検索装置は、上記の発明において、前記作成手段が少なくとも前記特定手段により特定された各便の乗降口のうち前記利用者にとって最適な乗降口に関する情報を含む表示用データを作成することを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い各便の最適な乗降口(降車時に最も改札口に近い号車やドアなど)が通知される。
また、この発明にかかる情報検索装置は、上記の発明において、前記送信手段により送信された表示用データが前記利用者の携行するICカード上もしくは携帯電話上に表示されることを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便に関する情報がその携行するICカード上または携帯電話上で通知される。
また、この発明にかかる情報検索方法は、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者が改札口などの特定の場所を通過した時刻および当該利用者が前記サービスを利用する区間を受信する受信工程と、前記受信工程で受信された時刻および区間にもとづいて前記利用者が利用する可能性の高い便を特定する特定工程と、前記特定工程で特定された各便に関する情報からなる表示用データを作成する作成工程と、前記作成工程で作成された表示用データを送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便に関する情報のみが選択的に通知される。
また、この発明にかかる情報検索方法は、上記の発明において、前記特定工程では前記受信工程で受信された時刻に所定時間を加算した時刻以降に出発する便を前記利用者が利用する可能性の高い便として特定することを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便が、そこから乗降口までの所要時間などを勘案のうえ特定される。
また、この発明にかかる情報検索方法は、上記の発明において、さらに、前記利用者が前記特定工程で特定された便のうち最も早く出発する便を前記区間だけ利用するものとして当該便の利用率を算出する算出工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、もっぱら既存のハードウエア(自動改札機など)で収集できる情報から各便の利用率を概算できる。
また、この発明にかかる情報検索方法は、上記の発明において、前記作成工程では少なくとも前記特定工程で特定された各便の利用率を含む表示用データを作成することを特徴とする。
この発明の発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い各便の利用率(込み具合)が通知される。
また、この発明にかかる情報検索方法は、上記の発明において、前記作成工程では少なくとも前記特定工程で特定された各便の乗降口のうち前記利用者にとって最適な乗降口に関する情報を含む表示用データを作成することを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い各便の最適な乗降口(降車時に最も改札口に近い号車やドアなど)が通知される。
また、この発明にかかる情報検索方法は、上記の発明において、前記送信工程で送信された表示用データは前記利用者の携行するICカード上もしくは携帯電話上に表示されることを特徴とする。
この発明によれば、利用者が改札口などを通過した時点で、その利用する可能性の高い便に関する情報がその携行するICカード上または携帯電話上で通知される。
また、この発明にかかる情報検索プログラムによれば、上記の方法をコンピュータに実行させることが可能である。
本発明にかかる情報検索装置、情報検索方法、およびこの方法をコンピュータに実行させる情報検索プログラムによれば、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する個々の利用者に対して、それぞれのニーズに即した情報を個別に検索・提供することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報検索装置、情報検索方法、および情報検索プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態にかかる情報検索装置を含む、情報検索システムの全体構成を示す説明図である。
図中、100は上記システムの利用者(具体的には列車の乗客)により携行されるICカードであり、上記利用者が特定の期間中、特定の区間において鉄道サービスを利用するための定期券として機能する。また、ICカード100の表面には任意の文字の表示が可能なリライトエリアが設けられている。
101はICカードリーダ/ライタであり、各駅の改札口に設置された自動改札機に内蔵されている。このICカードリーダ/ライタ101は、後述するサーバ102と無線あるいは有線LAN103により接続されており、ICカード100から読み取ったデータをサーバ102に送信するとともに、サーバ102から受信したデータをICカード100の表示メモリに書き込んで、そのリライトエリアに出力させる。
102はサーバであり、ICカードリーダ/ライタ101から受信したデータおよび事前にサーバ102に登録されているデータにもとづいて、後述する列車情報を検索するとともに、ICカード100への表示用データを作成して、ICカードリーダ/ライタ101に返信する。なお、このサーバ102が本発明にいう情報検索装置に相当する。
本システムの利用者が、ICカード100を提示して自動改札機を通過すると、自動改札機内のICカードリーダ/ライタ101により、ICカード100内のデータが読み取られる。このデータには、少なくとも下記の3つが含まれる。
・ICカード100の持ち主を特定するための情報(利用者ごとに付与される一意な利用者番号など。以下では「利用者情報」と言う)
・乗車区間を特定するための情報(利用線・乗車駅・降車駅・経由駅など。以下では「区間情報」と言う)
・有効期間(当該期間の開始日と終了日、あるいは終了日のみ)
そしてICカードリーダ/ライタ101は、上記区間情報および有効期間をチェックして、現在位置(ICカードリーダ/ライタ101およびそれを内蔵する自動改札機の設置場所)が上記区間内でありかつ現在日時が上記期間内である場合に、サーバ102に対して
・利用者情報
・区間情報
・現在時刻(利用者が自動改札機を通過した時刻)
などを送信する(なお、以下ではこれらをまとめて「改札通過情報」と言う)。
これを受信したサーバ102では、上記データとあらかじめ保持している運行ダイヤなどから、上記利用者が乗車する可能性の高い列車、具体的には直近のN本を特定する。さらに、特定した各列車の「列車情報」、具体的には
・系統
・種別(特急/急行/普通など)
・発着時刻
・乗車率および当該乗車率の計測駅
・発着番線
・乗車位置(乗車すべき車両番号やドア番号など)
などをICカードリーダ/ライタ101に返信する。
そしてICカードリーダ/ライタ101により、上記データがICカード100内の表示メモリに書き込まれ、そのリライトエリアに図2に示すように表示される。利用者は図示する画面で、どの列車の何号車に乗車すべきかなどをホームに向かいながら確認することができる。
次に、図3はこの発明の実施の形態にかかる情報検索装置、すなわち図1に示したサーバ102のハードウエア構成を示す説明図である。図中、301は装置全体を制御するCPUを、302は基本入出力プログラムを記憶したROMを、303はCPU301のワークエリアとして使用されるRAMを、それぞれ示している。
また、304はCPU301の制御にしたがってHD(ハードディスク)に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、305はカーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示するディスプレイを、306は文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボードを、307は本装置が接続されたLAN103への/からの各種データの送/受信を制御する通信制御部を、300は上記各部を接続するためのバスを、それぞれ示している。
次に、図4は図1に示した情報検索システムの機能構成を示す説明図である。図中、400xはICカード100の機能部、401xはICカードリーダ/ライタ101の機能部、402xはサーバ102の機能部を、それぞれ示している。
400aは記憶部であり、ICカード100を定期券として機能させるために必要なデータ、具体的には上述の利用者情報、区間情報、有効期間などを保持するとともに、後述する表示部400bによる表示の対象となるデータを保持する機能部である。この記憶部400aは、具体的にはICカード100内のメモリにより実現される。
400bは表示部であり、ICカードリーダ/ライタ101により記憶部400a内の所定領域(表示メモリ)に書き込まれたデータを、カード表面のリライトエリアに表示する機能部である。この表示部400bは、具体的にはICカード100のリライトエリアおよび当該エリアへのデータの表示を制御するマイクロプロセッサにより実現される。
次に、401aはカードリーダ部であり、ICカード100の記憶部400aに保持されているデータを読み出すとともに、後述する送信部401bに出力する機能部である。401bは送信部であり、カードリーダ部401aから入力したデータをサーバ102に送信する機能部である。
401cは受信部であり、サーバ102から送信されてきたデータを受信するとともに、当該データを後述するカードライタ部401dに出力する機能部である。401dはカードライタ部であり、受信部401cから入力したデータを、ICカード100の記憶部400aに書き込む機能部である。
次に、402aは受信部であり、ICカードリーダ/ライタ101から送信されてきたデータを受信するとともに、当該データを後述する列車特定部402dに出力する機能部である。
402bは列車情報DB(データベース)であり、個々の列車について下記に示すような諸項目を保持している。なお、本発明にいう列車情報には下記(1)〜(4)のほか、各列車の現時点での乗車率があるが、この乗車率だけは列車情報DB402bでなく、後述する乗降車TBL402cで別途管理される。
(1)運行ルートに関する情報(以下では「ルート情報」と言う)
具体的には系統、方面(上り/下り)、種別(特急/急行/普通など)などである。各列車はその始発駅−経由駅−終着駅の組み合わせごとに系統に分類され、系統、方面、および種別の3つが分かれば、運行ルートすなわち何線のどの駅から何線のどの駅に停車して何線のどの駅に向かう列車であるかを特定できる。
(2)運行スケジュールに関する情報(以下では「ダイヤ情報」と言う)
具体的には運行日(あるいは逆に運休日)、各駅における発着時刻や発着番線などである。
(3)運行車両に関する情報(以下では「車両情報」と言う)
具体的には車両ID、編成(何両編成であるか)、総定員数などである。なお、本発明において「車両」とは物理的な意味であり、「列車」とはある車両により実現される便を意味している。たとえば、A駅からJ駅まで走行した後、折り返し運転でJ駅からA駅まで走行した「車両」があった場合、「列車」としては2本と数える。そして列車情報DB402bや後述する乗降車TBL402cは、それぞれの「列車」について各種の列車情報を保持している。
(4)乗車位置に関する情報(以下では「乗車位置情報」と言う)
どの号車のどのドア付近に乗車するのが最も便宜であるかを示す情報である。たとえば各列車につき、停車する駅ごとに、当該駅の改札口に最も近い位置に停車する号車およびドアを保持しておく。
例)A駅・B駅・C駅・・・J駅の各駅に停車する列車001の乗車位置情報
B駅 3号車1番ドア
C駅 4号車3番ドア
・・・(中略)・・・
J駅 1号車1番ドア、5号車3番ドア
なお、改札口の最寄り位置に代えて、他線への乗換口の最寄り位置、エスカレータあるいはエレベータの最寄り位置などを保持するようにしてもよく、これらのうち複数をあわせて保持するようにしてもよい。たとえば、
例)A駅・B駅・C駅・・・J駅の各駅に停車する列車001の乗車位置情報
B駅 3号車1番ドア(改札口最寄り位置)
C駅 4号車3番ドア(改札口最寄り位置)
2号車2番ドア(○○線乗換口最寄り位置)
6号車3番ドア(△△線/××線乗換口最寄り位置)
4号車3番ドア(エスカレータ最寄り位置)
1号車1番ドア(エレベータ最寄り位置)
・・・(中略)・・・
J駅 1号車1番ドア、5号車3番ドア(改札口最寄り位置)
5号車3番ドア(エスカレータ最寄り位置)
1号車1番ドア(エレベータ最寄り位置)
次に、402cは乗降車TBL(テーブル)であり、現在運行中の列車ごとに一つずつ作成される(列車情報DB402bには運行予定のある全列車の情報が格納されるのに対し、乗降車TBL402cは現在運行中の列車についてのみ作成される点が異なる)。図5は、運行中の列車の数だけある乗降車TBL402cのうち、特に上述の列車001の乗降車TBL402cの一例を示す説明図である。
図示する乗降車TBL402cは、列車001がC駅を出発してD駅に向かう途中のものである。図中、「乗車数」とは各駅で列車001に乗車した乗客の人数、「降車数」とは各駅で列車001から降車した乗客の人数である。
この乗車数と降車数とは、列車001の各ドアにセンサを取り付けるなどして計測するのが最も正確であるが、ここでは簡略化して、もっぱらICカード100に保持された区間情報から乗車数と降車数とを概算することにする。すなわち、本システムの利用者は、各々そのICカード100に保持された区間だけ鉄道サービスを利用すると仮定し、区間途中からの乗車や区間途中での降車はないものとする。また、本システムの利用者は、自動改札通過後に当該駅から出発する最初の列車(正確には、後述する列車特定部402dにより特定された最直近の列車)に乗車するものとする。
そしてたとえばC駅において、J駅行きの先発列車000が発車した後、同じくJ駅行きの次発列車001が発車するまでの間に、D駅〜J駅のいずれかまでのICカード100(定期券)を提示して自動改札機を通過した乗客が110人いたとすると、列車001のC駅における乗車数は図示するように110となる。また、C駅の前のA駅あるいはB駅において、列車000の発車から列車001の発車までの間に、C駅までのICカード100(定期券)を提示して自動改札機を通過した乗客が計20人いたとすると、列車001のC駅における降車数は図示するように20となる。
また、図示する「累積乗車数」とは列車001が現時点までに停車した各駅における乗車数の合計、「累積降車数」とは列車001が現時点までに停車した各駅における降車数の合計であり、「実乗車数」とは累積乗車数から累積降車数を減算した人数、すなわち列車001の各駅における乗客数である。
また、図示する「乗車率」とは上述の実乗車数を列車の総定員数で除算した割合である。列車001の実乗車数が415人、総定員数が1000人であったとすると、乗車率は図示するように約0.42となる。
図4に戻り、次に402dは列車特定部であり、自動改札機を通過した利用者が乗車する可能性の高い列車、具体的には直近の列車をN本(このNは後述する利用者DB402fに保持されている)特定するとともに、特定した列車を後述する乗降車TBL更新部402eおよび列車情報編集部402gに通知する機能部である。
上述のように自動改札機内のICカードリーダ/ライタ101からは、ICカード100に保持された区間情報と改札通過時刻とが送信されてくるので、列車特定部402dは列車情報DB402bを検索して、上記区間情報として指定された降車駅(利用者の目的駅)に停車する列車であり、かつその発車時刻が上記通過時刻からX分後以降であるものを、発車時刻の早い順にN本特定する。
このXは利用者が自動改札機を通過してから、列車の乗降口に到達するまでの標準的・平均的な所要時間であって、あらかじめ駅ごとに設定しておく。なお、駅によっては改札口から各プラットホームまでの所要時間にばらつきがある(0番線だけが他のホームより遠いところにある、など)こともあるので、各駅の各ホームごとにXを設定するようにし、「列車の発車時刻≧改札通過時刻+当該列車の発着番線までの所要時間X」を満たす列車のみをN本検索するようにしてもよい。
402eは乗降車TBL更新部であり、列車ごとの乗降車TBL402cを作成/削除するとともに、自動改札機内のICカードリーダ/ライタ101から送信されてきた区間情報にもとづいて、乗降車TBL402cの内容を随時更新する機能部である。
たとえば、C駅を出てD駅に向かう途中の列車001の乗降車TBL402cが図5に示したような状態であるとき、D駅において、先発列車000が出てから次発列車001が出るまで(厳密には、列車001の発車時刻のX分前まで)の間に、ある乗客がその自動改札機をD駅−J駅間の定期券を提示して通過したとすると、乗降車TBL更新部402eは図5の乗降車TBL402cを図6に示すように更新する。図5と図6とを比較すると、D駅における「乗車数」とJ駅における「降車数」とが、それぞれ1ずつカウントアップされていることが分かる。
の時点でD駅の「累積乗車数」「累積降車数」「実乗車数」および「乗車率」もあわせて更新(再計算)するようにしてもよい。また、「乗車数」および「降車数」以外の項目は、列車001がD駅を出た時点でまとめて計算するようにしてもよい。たとえば、列車000が発車してから列車001が発車するX分前までの間に、D駅からE〜J駅のいずれかまでの定期券を提示してD駅の自動改札機を通過した乗客が計50人いたとすると、列車001がD駅を出た直後の乗降車TBL402cは図7に示すようになる。
図4に戻り、次に402fは利用者DBであり、個々の利用者についてその利用者番号や氏名などといった個人情報、区間情報や有効期間などその保持するICカード100の詳細情報のほか、本システムが提供する情報検索サービス(具体的には改札通過時に、定期券であるICカード100上に図2のような各種情報を表示するサービス)を利用するか否か、利用する場合の各種設定などを保持している。
本サービスを利用する場合の各種設定とは、検索する列車の本数N(図2の例ではN=3)、ICカード100への表示項目(たとえば図2の乗車率を表示させないなどの設定が可能)、ICカード100への表示形態(発車時刻の早い順/乗車率の低い順、など)、乗車位置として希望する位置(改札口に近い/乗換口に近い/エスカレータに近い/エレベータに近い、など)などである。これらの設定はあらかじめ、本サービスの利用開始時に各利用者に申告させておき、以後はインターネット上のホームページなどから随時変更できるようにする。
402gは列車情報編集部であり、列車特定部402dにより特定された各列車の列車情報を列車情報DB402bおよび乗降車TBL402cから読み出すとともに、これらの情報にもとづいて、ICカード100のリライトエリアへ表示する図2のような文字列データ(表示用データ)を生成する機能部である。このとき、列車情報編集部402gは利用者DB402fに保持された設定にしたがって上記データを作成する。
402hは送信部であり、列車情報編集部402gにより作成された文字列データを、ICカードリーダ/ライタ101の受信部401cに送信する機能部である。
次に、図8はこの発明の実施の形態にかかる情報検索装置、すなわちサーバ102における情報検索・更新処理の手順を示すフローチャートである。
本システムの利用者が自動改札機にICカード100を提示すると、その内部のデータがICカードリーダ/ライタ101のカードリーダ部401aにより読み取られ、区間と有効期間、およびカード本体の真正性などのチェックがおこなわれる。そしてこれらに問題がなかった場合は、ICカードリーダ/ライタ101の送信部401bから改札通過情報、すなわちICカード100内の利用者情報と区間情報、および改札通過時刻などがサーバ102へ送信され、その受信部402aにより受信される(ステップ801:Yes)。
次に、これらのデータは受信部402aから列車特定部402dへ出力され、列車特定部402dはまず上記利用者の降車駅を特定する(ステップS802)。たとえば、D駅の改札をD駅−J駅間の定期券を提示して通過した利用者の降車駅はJ駅である。
次に、列車特定部402dは上記駅に停車する列車であって、かつその発車時刻≧改札通過時刻+乗降口までの所要時間X、となるような列車をN本特定する(ステップS803)。なお、このNは受信部402aから入力した利用者番号で、利用者DB402fを引くことにより取得する。そして、乗降車TBL更新部402eには上記で特定したうち最直近の列車(その発車時刻が最も早いもの)と、上記で受信した区間情報を、また列車情報編集部402gには上記で特定したN本の列車と、上記で受信した利用者情報および区間情報を、それぞれ通知する。
乗降車TBL更新部402eは、上記で通知された最直近の列車の乗降車TBL402cを検索し、もし当該テーブルが存在しない、すなわちまだ作成されていない場合は(ステップS804:No)当該テーブルを新規作成した上で(ステップS805)、テーブル内の上記利用者の乗車駅(上述の例ではD駅)の「乗車数」、降車駅(同J駅)の「降車数」をそれぞれ1ずつ増加させる(ステップS806。これにより、たとえば図5のような乗降車TBL402cが図6のように更新される)。
一方、列車情報編集部402gは上記で通知されたN本の列車について、列車情報DB402bおよび乗降車TBL402cからその列車情報(発着時刻や乗車率など)を抽出する(ステップS807)。また、通知された利用者情報中の利用者番号で利用者DB402fを検索し、上記利用者が希望する表示項目や乗車位置などの設定を抽出する(ステップS808)。そして、上記設定にしたがって、利用者に列車情報を通知するための文字列データ(表示用データ)を作成し、送信部402hに出力する(ステップS809)。
そして送信部402hにより、上記データがICカードリーダ/ライタ101の受信部401cへ送信される(ステップS810)。その後、上記データはカードライタ部401dによりICカード100の記憶部400a(表示メモリ)に書き込まれ、これを受けた表示部400bにより図2のように表示される。
なお、鉄道会社は上記で説明した情報検索システムのほかに、列車の運行状況を把握するための列車運行管理システムを別途運営・管理しており、当該システムでは各駅における各列車の発着状況を常時監視している。そして、ある列車がある駅を出発したことを検知すると、その都度その旨をサーバ102に通知する。
この通知は上記列車や発車駅などの情報からなる「発車情報」の送信によりおこなわれ、これをその受信部402aで受信したサーバ102は(ステップS801:No、ステップS811:Yes)、次にその乗降車TBL更新部402eにより、上記列車の乗降車TBL402cを検索する。
そして、もし当該テーブルが存在しない、すなわちまだ作成されていない場合は(ステップS812:No。始発駅で乗客がないまま列車が発車したケースなどでは、ステップS805を経由しないため乗降車TBL402cの存在しない場合がある)、当該テーブルを新規作成した上で(ステップS813)、実乗車数や乗車率などを算出し上記駅のレコードを完成させる(ステップS814。これにより、たとえば図6のような乗降車TBL402cが図7のように更新される)。
また、列車運行管理システムからはある列車が終着駅に到達した旨の「終着情報」も随時送信されてくるので、これをその受信部402aで受信したサーバ102は(ステップS801:No、ステップS811:No、ステップS815:Yes)、上記列車の乗降車TBL402cを検索・削除する(ステップS816)。
以上説明したように、この発明にかかる情報検索装置、情報検索方法、および情報検索プログラムによれば、ICカード100の購入者に、駅構内の電光掲示板などによる従来の乗車案内とは異なる、よりきめ細かな(各利用者のニーズに即した)情報提供サービスを実施することができる。特にお年寄りや妊婦、病人や怪我人、ハンディキャップのある乗客などにとって、降車や乗換が最もスムーズな乗車位置や、席に座れそうな列車はどれであるかなどを事前に確認できるのは便利である。
なお、乗車位置としては上述した改札口最寄り位置などのほか、たとえば降車駅における延着証明書の発行窓口に最も近い車両、あるいは降車駅とは関係なく、弱冷房車や女性専用車両などを指定できるようにしてもよい。またICカード100に表示させる情報としては、列車情報として上述したもののほか、たとえば乗換駅、運行状況(遅延の有無など)、車内設備(公衆電話やお手洗いの有無など)など様々なものが考えられる。
なお、上述の実施の形態では乗客は全員ICカード100を保持しているものとして説明したが、実際には通常の乗車券で乗車する乗客も多いので、乗車率の計算にあたってはこれらの乗客の数も考慮するようにしてもよい。
すなわち自動改札機は、利用者の提示したのがICカード100でなく乗車券であるとき、券面に印刷された区間情報を光学的に読み取ってサーバ102に通知する。そしてこれを受けたサーバ102は、列車特定部402dにより最直近の列車を特定するとともに、乗降車TBL更新部402eによりその乗降車TBL402cの乗車数と降車数とを更新するが、以後の処理(すなわち列車情報編集部402gによる表示用データの作成、送信部402hによる表示用データの送信など)はおこなわない。あるいは、乗車券で乗車した乗客については、自動改札機上のパネル(通常は切符の取り忘れなどの警告を表示する)に列車情報を表示するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では上述のように、各利用者はICカード100内の区間情報どおりに鉄道サービスを利用するものとしたが、実際には上記区間の途中駅からの乗車や途中駅での降車などもあり得る。そこで、列車の各ドアにセンサを取り付け、現実の乗降者数を測定して乗車率を算出するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では定期券として機能するICカード100の表面に各種情報を表示するようにしたが、将来的には、自動改札機に携帯電話をかざすことで鉄道サービスを利用できるようになる可能性が高い。そこで、ICカード100でなく利用者の携帯電話上に上記情報を表示するようにしてもよい。すなわち、無線インターフェースなどにより携帯電話内の区間情報などを読み取った自動改札機から、サーバ102に改札通過情報が送信され、サーバ102で検索された列車情報などが、自動改札機を経由して(あるいは別途インターネットなどを経由して)携帯電話のディスプレイに送信・表示される。
また、上述した実施の形態ではもっぱら鉄道サービスを例として説明したが、このほかの旅客運輸サービス、たとえばバス、船舶、航空機などに応用することも可能である。個々のサービスの特性によって、利用者に通知すべき情報は異なるが、乗車券/回数券/定期券など何らかの証票が提示されたタイミングで、必要な情報提供をおこなうという点は同じである。
なお、逆にこれらが提示されるのは乗車時に限定されないので、提示の都度必要な情報を提供するようにしてもよい。たとえば、いったん改札を出てから別の改札を入って列車を乗り換える場合など、再入場時に乗換可能な列車の情報を表示する。また、降車時には降車駅周辺の地図やイベント情報、近隣の店舗におけるセール情報などを表示させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態で説明した情報検索法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、本発明にかかる情報検索装置、情報検索方法、および情報検索プログラムは、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する個々の利用者への情報提供に有用であり、特に、当該利用者がICカードや携帯電話など、文字情報の表示が可能な端末を携行している場合に適している。
この発明の実施の形態にかかる情報検索装置を含む、情報検索システムの全体構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる情報検索装置により検索され、ICカード100のリライトエリアに表示される列車情報の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる情報検索装置のハードウエア構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる情報検索装置を含む、情報検索システムの機能構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる乗降車TBL402cの一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる乗降車TBL402cの、乗降車TBL更新部402eによる更新直後の状態(乗客の改札通過時)を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる乗降車TBL402cの、乗降車TBL更新部402eによる更新直後の状態(列車発車時)を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる情報検索装置における、情報検索・更新処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100 ICカード
101 ICカードリーダ/ライタ
102 サーバ
103 LAN
300 バス
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 HDD
305 ディスプレイ
306 キーボード
307 通信制御部
400a 記憶部
400b 表示部
401a カードリーダ部
401b 送信部(ICカードリーダ/ライタ101側)
401c 受信部(ICカードリーダ/ライタ101側)
401d カードライタ部
402a 受信部(サーバ102側)
402b 列車情報DB
402c 乗降車TBL
402d 列車特定部
402e 乗降車TBL更新部
402f 利用者DB
402g 列車情報編集部
402h 送信部(サーバ102側)

Claims (6)

  1. 鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者が改札口などの特定の場所を通過した時刻および当該利用者が前記サービスを利用する区間に関する情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された時刻および区間に関する情報にもとづいて、前記受信手段により受信された時刻に所定時間を加算した時刻以降に出発する便を前記利用者が利用する可能性の高い便として特定する特定手段と
    記利用者は前記特定手段により特定された便のうち最も早く出発する便を前記区間だけ利用するものとして、前記特定手段によって特定された利用する可能性の高い便に関する情報にもとづいて当該便の累積乗車数を、前記受信手段によって上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記受信手段によって受信された区間に関する情報にもとづいて当該便の累積降車数を、前記受信手段によって上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記累積乗車数と前記累積降車数から実乗車数を、前記受信手段によって上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記実乗車数を当該便の総定員数で除算することによって、当該便の利用率を、前記受信手段によって上記情報が受信された際に算出するとともに記憶する算出手段と、
    前記特定手段により特定された各便に関する情報であって、少なくとも前記算出手段によって算出された各便の利用率を含む表示用データを作成する作成手段と、
    前記作成手段により作成された表示用データを前記利用者の携行するICカード上もしくは携帯電話上に表示されるように送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする情報検索装置。
  2. 前記算出手段は、前記累積乗車数および前記累積降車数を、前記便が停車する各駅ごとに集計し、
    前記作成手段は、前記累積乗車数および前記累積降車数を集計した駅に関する情報を含む表示用データを作成することを特徴とする前記請求項に記載の情報検索装置。
  3. 受信手段と、特定手段と、作成手段と、送信手段と、算出手段とを備えたコンピュータを用いる情報検索方法であって、
    前記受信手段が、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者が改札口などの特定の場所を通過した時刻および当該利用者が前記サービスを利用する区間に関する情報を受信する受信工程と、
    前記特定手段が、前記受信工程で受信された時刻および区間に関する情報にもとづいて、前記受信工程で受信された時刻に所定時間を加算した時刻以降に出発する便を前記利用者が利用する可能性の高い便として特定する特定工程と、
    前記算出手段が、前記利用者は前記特定工程で特定された便のうち最も早く出発する便を前記区間だけ利用するものとして、前記特定工程で特定された利用する可能性の高い便に関する情報にもとづいて当該便の累積乗車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記受信工程で受信された区間に関する情報にもとづいて当該便の累積降車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記累積乗車数と前記累積降車数から実乗車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出するとともに記憶し、前記実乗車数を当該便の総定員数で除算することによって、当該便の利用率を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出するとともに記憶する算出工程と、
    前記作成手段が、前記特定工程で特定された各便に関する情報であって、少なくとも前記算出工程で算出された各便の利用率を含む表示用データを作成する作成工程と、
    前記送信手段が、前記作成工程で作成された表示用データを前記利用者の携行するICカード上もしくは携帯電話上に表示されるように送信する送信工程と、
    を含むことを特徴とする情報検索方法。
  4. 前記算出工程は、前記累積乗車数および前記累積降車数を、前記便が停車する各駅ごとに集計し、
    前記作成工程は、前記累積乗車数および前記累積降車数を集計した駅に関する情報を含む表示用データを作成することを特徴とする前記請求項に記載の情報検索方法。
  5. 受信手段と、特定手段と、作成手段と、送信手段と、算出手段とを備えたコンピュータに実行させる情報検索プログラムであって、
    前記受信手段に、鉄道などの旅客運輸サービスを利用する利用者が改札口などの特定の場所を通過した時刻および当該利用者が前記サービスを利用する区間に関する情報を受信させる受信工程と、
    前記特定手段に、前記受信工程で受信された時刻および区間に関する情報にもとづいて、前記受信工程で受信された時刻に所定時間を加算した時刻以降に出発する便を前記利用者が利用する可能性の高い便として特定前記利用者が利用する可能性の高い便を特定させる特定工程と、
    前記算出手段に、前記利用者は前記特定工程で特定された便のうち最も早く出発する便を前記区間だけ利用するものとして、前記特定工程で特定された利用する可能性の高い便に関する情報にもとづいて当該便の累積乗車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出させるとともに記憶させ、前記受信工程で受信された区間に関する情報にもとづいて当該便の累積降車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出させるとともに記憶させ、前記累積乗車数と前記累積降車数から実乗車数を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出させるとともに記憶させ、前記実乗車数を当該便の総定員数で除算させることによって、当該便の利用率を、前記受信工程で上記情報が受信された際に算出させるとともに記憶させる算出工程と、
    前記作成手段に、前記特定工程で特定された各便に関する情報であって、少なくとも前記算出工程で算出された各便の利用率を含む表示用データを作成させる作成工程と、
    前記送信手段に、前記作成工程で作成された表示用データを前記利用者の携行するICカード上もしくは携帯電話上に表示されるように送信させる送信工程と、
    を実行することを特徴とする情報検索プログラム。
  6. 前記算出工程に、前記累積乗車数および前記累積降車数を、前記便が停車する各駅ごとに集計させ、
    前記作成工程に、前記累積乗車数および前記累積降車数を集計した駅に関する情報を含む表示用データを作成させることを特徴とする前記請求項に記載の情報検索プログラム。
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