JP3977114B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマ処理装置に関し、特に、装置固有の高周波特性を検出してプロセス性能を評価可能なプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子および液晶ディスプレイ(LCD:Liquid CrystalDisplay)等の製造工程においては、エッチング、薄膜形成、およびスパッタリング等のプラズマを利用した多くのプロセスがある。
【0003】
これらのプロセスにおいては、高周波電力がプロセスを行なう処理チャンバ内に外部から印加され、プラズマが処理チャンバ内で発生される。そして、プラズマを発生させるとき、高周波電源からの高周波電力を効率良く処理チャンバ内に供給するために高周波電源と処理チャンバとの間に、可変インダクタンス素子および可変キャパシタンス素子等からなるインピーダンス整合回路が設けられる。
【0004】
このようなプラズマを利用して各種の処理を行なうプラズマ処理装置においては、歩留まりの良い製品を生産するためにプロセス性能を一定に保持することが重要である。そして、製品の量産は複数のプラズマ処理装置を用いて行なわれるため、プロセス性能がプラズマ処理装置間でばらつかないようにする必要がある。
【0005】
しかし、プロセス性能の経時変化およびプラズマ処理装置間でのプロセス性能のバラツキを検知することは困難であり、従来は、製品に異常が発生したときにプロセス性能が変化したものとしてプラズマ処理装置のメンテナンスを行ない、プロセス性能を一定に保持していた。また、経験的にプロセス性能が変化する時期を予測し、定期的にプラズマ処理装置のメンテナンスを行なうことによりプロセス性能を一定に保持していた。
【0006】
これに対して、特開平11−121440号公報には、高周波電力を処理チャンバへ供給する高周波給電系の電気的な変化を検出してプラズマ処理装置およびプロセスを評価する方法が開示されている。
【0007】
図29を参照して、プラズマ処理装置300は、チャンバ250と、放電電極251と、テーブル253と、モニタ254と、整合回路255と、高周波電源256と、コンピュータ257とを備える。
【0008】
放電電極251は、テーブル253上に設けられる。モニタ254は放電電極251に接続され、プラズマQが発生したときの電気的な物理量としてプラズマQのインピーダンスを測定する。
【0009】
整合回路255は、モニタ254と高周波電源256との間に接続され、高周波電源256から出力された高周波電力を効率良くチャンバ250へ供給するためにインピーダンスを整合する。
【0010】
高周波電源256は、整合回路255と接地ノードGNDとの間に接続され、高周波電力を発生する。コンピュータ257は、モニタ254に接続され、モニタ254により測定されたインピーダンスに基づいてプラズマ処理装置およびプロセス性能を評価する。
【0011】
半導体ウェハ252が放電電極251上に載置された状態で、高周波電源256は高周波電力を出力し、整合回路255は、高周波電源256から出力された高周波電力を効率良くチャンバ250へ供給するためにインピーダンスを整合する。そして、高周波電力は、モニタ254を介して放電電極251へ供給され、チャンバ250内にプラズマQが発生する。この場合、チャンバ250には、エッチングまたは薄膜形成等を行なうための反応ガスが供給されており、プラズマQが発生することにより、半導体ウェハ252はエッチング等される。
【0012】
モニタ254は、プラズマQが発生した状態でプラズマQのインピーダンスを測定し、その測定したインピーダンスをコンピュータ257へ出力する。そして、コンピュータ257は、モニタ254により測定されたインピーダンスを受け、その受けたインピーダンスに基づいてプラズマ処理装置300およびプロセス性能を評価する。
【0013】
また、特開2000−269195公報には、プラズマ処理装置におけるプラズマのインピーダンス、高周波電圧のピーク間電圧および高周波電圧が印加される電極に生じる自己バイアス電圧を測定することにより、プラズマを用いた半導体ウェハの加工特性の経時変化、および真空容器内の洗浄時期を検知することが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11−121440号公報および特開2000−269195公報に開示された方法は、プラズマ処理装置内で発生するプラズマのインピーダンス、プラズマ処理装置の幾何学的な構成により決定される装置固有のインピーダンス、およびプラズマのインピーダンスをモニターするインピーダンスモニタからプラズマ処理装置までの高周波給電部のインピーダンスを含む全体のインピーダンスを測定する。
【0015】
すなわち、プラズマが発生した場合の等価回路は図30に示す回路となる。図30を参照して、回路210は、マッチングボックスの等価回路であり、回路220は、処理チャンバまでの同軸ケーブルの等価回路であり、回路230は、処理チャンバ内の等価回路であり、回路240は、アース系の等価回路である。
【0016】
回路210は、インピーダンスZMを有する。回路220は、インピーダンスZCを有する。回路230は、インピーダンスZQを有する。回路240は、インピーダンスZEを有する。高周波電源200は、接地ノードGNDと回路210との間に接続され、高周波電力を出力する。
【0017】
高周波電源200から出力された高周波電力は、回路210,220を介して処理チャンバである回路230へ供給される。そして、リターン電流は、アース系である回路240を介して高周波電源200の接地ノードGND側へ流れる。
【0018】
したがって、プラズマが発生したときのインピーダンスは、インピーダンスZM,ZCによって決定される処理チャンバまでのインピーダンスと、インピーダンスZQ,ZEによって決定されるプラズマのインピーダンスおよび装置固有のインピーダンスとを含む。
【0019】
その結果、従来の方法では、装置固有のインピーダンスだけを抽出することができないという問題がある。
【0020】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、装置固有の高周波特性を検出し、その検出した高周波特性に基づいてプロセス性能を評価するプラズマ処理装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、プラズマ処理装置は、プラズマを発生するためのチャンバと、チャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、プラズマが発生するまでの高周波電力の範囲でチャンバにおける高周波特性を検出し、その検出した高周波特性に基づいてチャンバにおけるプロセス性能を評価する特性評価回路とを備える。
【0022】
チャンバ内でプラズマが発生しない範囲の高周波電力が供給されて高周波特性が検出される。そして、検出された高周波特性に基づいてプロセス性能が評価される。
【0023】
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置に固有な高周波特性を検出できる。また、プラズマ処理装置に固有な高周波特性に基づいて正確にプロセス性能を評価できる。
【0024】
好ましくは、特性評価回路は、検出された高周波特性をプロセス性能が正常であるときの標準高周波特性と比較し、その比較結果に応じてプロセス性能が正常か否かを評価する。
【0025】
検出された高周波特性を標準高周波特性と比較することによりプロセス性能が評価される。
【0026】
したがって、この発明によれば、プロセス性能が正常か否かを容易に評価できる。
【0027】
より好ましくは、特性評価回路は、検出された高周波特性が標準高周波特性に一致するときプロセス性能は正常であると評価し、検出された高周波特性が標準高周波特性に不一致であるときプロセス性能は異常であると評価する。
【0028】
検出された高周波特性と標準高周波特性との一致/不一致を検出し、その検出結果に基づいてプロセス性能が評価される。
【0029】
したがって、この発明によれば、プロセス性能が正常か否かを迅速に評価できる。
【0030】
さらに好ましくは、プラズマ処理装置は、チャンバにおけるプラズマの発生を検知するプラズマ検知回路をさらに備え、特性評価回路は、プラズマ検知回路がプラズマの発生を検知すると、高周波特性の検出を中止する。
【0031】
チャンバにおいてプラズマが発生したとき、プロセス性能の評価が中止される。
【0032】
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置に固有の高周波特性を性格に検出できる。
【0033】
好ましくは、プラズマ処理装置は、プラズマが発生されるまでの範囲の高周波電力をチャンバへ供給するもう1つの高周波電源と、高周波電源から出力された高周波電力のチャンバへの供給をオン/オフする第1のスイッチと、もう1つの高周波電源から出力された高周波電力のチャンバへの供給をオン/オフする第2のスイッチとをさらに備え、プロセス性能の評価時、第1のスイッチはオフされ、第2のスイッチはオンされる。
【0034】
専用の高周波電源を用いて、プラズマが発生しない範囲の高周波電力がチャンバに供給されて、プラズマ処理装置に固有の高周波特性が検出される。
【0035】
したがって、この発明によれば、プラズマの発生を検知する特別の検出器を設けなくても、装置固有の高周波特性を正確に検出できる。
【0036】
より好ましくは、特性評価回路は、もう1つの高周波電源から出力される高周波電圧のチャンバへの入射波に対するチャンバからの反射波の比である反射係数を検出し、その検出した反射係数に基づいてプロセス性能を評価する。
【0037】
高周波電圧のチャンバへの入射波、およびチャンバからの反射波が検出され、入射波に対する反射波の比が演算される。そして、演算結果である反射係数に基づいてプロセス性能が評価される。
【0038】
したがって、この発明によれば、チャンバに起因したプラズマ処理装置に固有の高周波特性に基づいてプロセス性能を評価できる。
【0039】
さらに好ましくは、もう1つの高周波電源は、周波数を固定した高周波電力を発生し、特性評価回路は、高周波電力の周波数を固定したときの高周波特性を検出し、その検出した高周波特性に基づいてプロセス性能を評価する。
【0040】
高周波電力の周波数が固定されて高周波特性が検出される。そして、検出された高周波特性に基づいてプロセス性能が評価される。
【0041】
したがって、この発明によれば、迅速にプロセス性能を評価できる。
さらに好ましくは、もう1つの高周波電源は、周波数を所定の範囲で変化させた高周波電力を発生し、特性評価回路は、高周波電力の周波数を変えたときの高周波特性を検出し、その検出した高周波特性に基づいてプロセス性能を評価する。
【0042】
高周波電力の周波数を変化させて高周波特性が検出される。そして、検出された高周波特性に基づいてプロセス性能が評価される。
【0043】
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置の各部の経時変化等に起因したプロセス性能の変化を検出できる。
【0044】
さらに好ましくは、高周波特性は、チャンバにおけるインピーダンスであり、特性評価回路は、高周波電力の周波数を変化させたときのインピーダンスの周波数特性および電圧と電流との位相差の周波数特性に基づいて共振周波数を検出し、その検出した共振周波数に基づいてプロセス性能を評価する。
【0045】
周波数の変化させて検出された高周波特性に基づいてプラズマ処理装置の共振周波数が検出される。そして、検出された共振周波数に基づいてプロセス性能が評価される。
【0046】
したがって、この発明によれば、プロセス性能が変化した要因を詳細に特定できる。
【0047】
さらに好ましくは、特性評価回路は、検出した共振周波数および共振特性に基づいて等価回路の回路定数を求め、その求めた回路定数に基づいてプロセス性能を評価する。
【0048】
周波数の変化させて検出された高周波特性に基づいて、プラズマ処理装置の各部における等価回路の回路定数が決定される。そして、決定された回路定数に基づいてプロセス性能が評価される。
【0049】
したがって、この発明によれば、プロセス性能が変化したプラズマ処理装置の場所および原因を検出できる。
【0050】
さらに好ましくは、共振特性は、共振周波数よりも高い周波数における特性と共振周波数よりも低い周波数における特性とを含む。
【0051】
共振周波数を中心として、共振周波数の高周波数側および低周波数側で選択された周波数における高周波特性と、共振周波数における高周波特性とに基づいてプロセス性能が評価される。
【0052】
したがって、この発明によれば、装置の固有の高周波特性に基づいてプロセス性能を評価できる。
【0053】
さらに好ましくは、共振特性は、高周波電圧と高周波電流との位相差、およびインピーダンスを含む。
【0054】
共振周波数の近傍におけるインピーダンス、および高周波電圧と高周波電流との位相差に基づいてプロセス性能が評価される。
【0055】
したがって、この発明によれば、プロセス性能を容易に評価できる。
さらに好ましくは、プラズマ処理装置は、もう1つの高周波電源をチャンバに接続するケーブルをさらに備え、特性評価回路は、ケーブルとチャンバとの接続部において高周波特性を検出する。
【0056】
高周波特性は、チャンバに最も近い位置で検出される。
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置に固有の高周波特性を容易に検出できる。
【0057】
さらに好ましくは、高周波特性は、インピーダンスであり、特性評価回路は、予め検出されたケーブルのインピーダンスを検出したインピーダンスから除去し、その除去したインピーダンスに基づいてプロセス性能を評価する。
【0058】
チャンバと、チャンバの周辺部に起因するインピーダンスが検出される。
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置に固有の高周波特性を正確に検出できる。
【0059】
さらに好ましくは、プラズマ処理装置は、特性評価回路により検出された高周波特性が、プロセス性能が正常であるときの標準高周波特性からずれているとき高周波特性を補正する補正回路をさらに備える。
【0060】
検出された高周波特性が正常時の特性に対して変化しているとき、高周波特性が補正される。
【0061】
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置の移設等の前後において、高周波特性を一定に保持できる。
【0062】
さらに好ましくは、補正回路は、検出された高周波特性が標準高周波特性になるように高周波特性を補正する。
【0063】
検出された高周波特性が標準高周波特性に対して変化しているとき、高周波特性が標準高周波特性になるように補正される。
【0064】
したがって、複数のプラズマ処理装置の高周波特性を一定に保持できる。
さらに好ましくは、補正回路は、高周波電力をチャンバに供給する系に設けられる。
【0065】
高周波電力を効率良くチャンバに供給できるように高周波特性が補正される。
したがって、この発明によれば、高周波電力の供給経路に経時変化が生じても高周波特性を一定に保持できる。
【0066】
さらに好ましくは、補正回路は、チャンバから高周波電源へのリターン電流が流れる系に設けられる。
【0067】
リターン電流の漏れが少なくなるように高周波特性が補正される。
したがって、この発明によれば、リターン電流が流れる経路に経時変化が生じても高周波特性を一定に保持できる。
【0068】
好ましくは、プラズマ処理装置は、所定期間ごとに高周波特性を検出するように特性評価回路を制御する制御回路をさらに備える。
【0069】
プラズマ処理装置に固有の高周波特性が定期的に検出される。
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置のメンテナンスを行なう時期を容易に検知できる。
【0070】
より好ましくは、プラズマ処理装置は、特性評価回路により検出された高周波特性をプロセス性能が正常であるときの標準高周波特性と比較し、検出された高周波特性が標準高周波特性から所定量だけずれているときアラームを発生するアラーム回路をさらに備える。
【0071】
検出された高周波特性が標準高周波特性から所定量だけずれているとき、アラームが発生される。
【0072】
したがって、この発明によれば、プラズマ処理装置のプロセス性能の変化を容易に検知できる。
【0073】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0074】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるプラズマ処理装置100は、チャンバ1と、ステージ4と、上部電極6と、ガスライン7と、排気口8と、高周波整合器9と、高周波電源10と、高周波電流検出器11と、コンピュータ12とを備える。
【0075】
ステージ4は、下部電極2と、絶縁体3とから成る。下部電極2は、その主面以外の部分が絶縁体3に囲まれる。そして、下部電極2は、高周波電源10からの高周波電力を受ける。絶縁体3は、下部電極2を電気的に絶縁する。
【0076】
上部電極6は、ステージ4に対向して設けられる。ガスライン7は、反応ガスをチャンバ1に導入する。排気口8は、チャンバ1内に導入された反応ガスを真空ポンプ(図示せず)により排気するための口である。
【0077】
高周波電源10は、その一方端が接地ノードGNDに接続され、他方端が高周波整合器9に接続される。そして、高周波電源10は、たとえば、13.56MHzの高周波電力を出力する。
【0078】
高周波整合器9は、高周波電源10と高周波電流検出器11との間に接続される。そして、高周波整合器9は、高周波電源10から出力された高周波電力を効率良くチャンバ1内の下部電極2に供給するためにインピーダンスを整合する。
【0079】
高周波電流検出器11は、下部電極2と高周波整合器9との間に設けられる。そして、高周波電流検出器11は、高周波電源10と下部電極2との間の高周波給電経路に流れる高周波電流を検出し、その検出した高周波電流をコンピュータ12へ出力する。
【0080】
コンピュータ12は、高周波電流検出器11から受けた高周波電流と高周波電源10が出力した高周波電力とに基づいて、後述する方法によってプロセス性能を評価する。
【0081】
プラズマ処理装置100においては、ガスライン7から反応ガスがチャンバ1に導入され、その導入された反応ガスが排気口8から排気されてチャンバ1内の圧力が10〜200Pa程度に保持される。そして、下部電極2に高周波電力が供給され、プラズマが下部電極2と上部電極6との間で発生され、下部電極2上に載置された半導体ウェハ5が処理される。プラズマ処理装置100においては、平行に配置された下部電極2と上部電極6との間でプラズマが発生されるため、プラズマ処理装置100は平行平板型のプラズマ処理装置である。
【0082】
このような平行平板型のプラズマ処理装置としてプラズマエッチング装置がある。したがって、以下においては、プラズマ処理装置100がプラズマエッチング装置である場合について説明する。
【0083】
まず、プラズマ処理装置100の通常時の動作について説明する。半導体ウェハ5は洗浄された後、チャンバ1内の下部電極2上にセットされる。チャンバ1の蓋が閉められた後、チャンバ1内の気体は真空ポンプ(図示せず)により排気口8から排気される。そして、チャンバ1は、チャンバ1内の圧力が10-8Pa程度になるまで真空ポンプにより排気され、蓋を開けたときにチャンバ1内に入った酸素等の不純物が除去される。
【0084】
その後、ガスライン7から反応ガスが導入され、チャンバ1内の圧力が10〜200Pa程度に保持される。そうすると、高周波電源10は、高周波電力を発生し、高周波整合器9および高周波電流検出器11を介して高周波電力を下部電極2に供給する。この場合、高周波整合器9は、高周波電源10からの高周波電力を効率良く下部電極2に供給するためにインピーダンスを整合する。
【0085】
そして、下部電極2と上部電極6との間で放電が生じ、チャンバ1内にプラズマが発生する。そうすると、半導体ウェハ5は、発生したプラズマ中のイオンによってエッチング処理される。半導体ウェハ5のエッチング処理が終了すると、高周波電源10は、高周波電力の発生を停止し、チャンバ1内の反応ガスは真空ポンプにより排気されて半導体ウェハ5が交換される。そして、次の半導体ウェハが下部電極2に載置され、上述した操作が繰返し行なわれる。
【0086】
上述したエッチングを長時間行なうと、エッチングにより生成物が生成され、その生成された生成物がステージ4および上部電極6を含むチャンバ1の内壁に付着する。また、エッチングを長時間行なうと、ステージ4を構成する各種の部品が消耗・劣化したり、締め付け部の緩みによる組立て精度が低下する。
【0087】
その結果、プラズマ処理装置100における高周波特性が変化し、それに対応してチャンバ1内に生成されるプラズマの特性が変化する。そうすると、プラズマ処理装置100におけるプロセス性能が初期状態、またはメンテナンス直後の正常状態から外れ、所定のエッチングが行なわれないという不具合が生じる。
【0088】
したがって、このようなエッチングの不具合が生じる前に、プロセス性能が変化する原因を事前に検知する必要がある。
【0089】
そこで、次に、プラズマ処理装置100におけるプロセス性能を評価してプロセス性能が変化したか否かを検知する方法について説明する。プロセス性能は、チャンバ1内にプラズマが発生しない高周波電力を下部電極2に供給して評価される。これは、チャンバ1内にプラズマが発生する高周波電力を下部電極2に供給してプロセス性能を評価した場合、発生したプラズマの特性も反映されるため、エッチングによる生成物が付着したこと等に起因したチャンバ1の内壁の状態変化による高周波特性の変化を検出できないからである。
【0090】
プロセス性能を評価する場合、高周波電源10は、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生し、その発生した高周波電力を高周波整合器9および高周波電流検出器11を介して下部電極2へ供給する。そして、高周波電流検出器11は、高周波電源10から下部電極2までの間の高周波給電部に流れる高周波電流を検出し、その検出した高周波電流をコンピュータ12へ出力する。
【0091】
より具体的には、高周波電源10は、図2に示すように、高周波電力を零からA(チャンバ1内にプラズマが発生しない高周波電力の上限値)まで増加させる。この場合、高周波電流検出器11は、プロセス性能が正常な場合、特性イで示される高周波電流を検出する。また、高周波電流検出器11は、ステージ4の絶縁体3が消耗して実質的に部品寸法または厚さが変化した場合、特性ロで示される高周波電流を検出する。さらに、高周波電流検出器11は、ステージ4の構成部品の組立て精度が劣化した場合またはステージ4のうちプラズマに晒された部分にエッチングによる生成物が付着した場合、特性ハで示される高周波電流を検出する。
【0092】
図2の零からAまでの領域は、チャンバ1内にプラズマが発生しない高周波電力の範囲であるため、この範囲の高周波電力が下部電極2に供給された場合に、高周波電流検出器11が検出する高周波電流はマイクロアンペア程度の微小な電流である。したがって、高周波電流検出器11は、このような微小電流を検出可能な高周波電流検出器であることが好ましい。
【0093】
高周波電流検出器11が検出する高周波電流は、下部電極2から絶縁体3を介して接地電位であるチャンバ1に流れる漏れ電流、または下部電極2へ高周波電力を給電する高周波給電部における漏れ電流である。
【0094】
したがって、下部電極2および絶縁体3を含むステージ4の構成部品に劣化がなく、組立て精度が良い場合には、ステージ4部分におけるインピーダンスは安定しており、零からAまでの範囲の高周波電力が下部電極2に供給された場合、特性イで示されるように、高周波電流は高周波電力の増加に伴い直線的に増加する。
【0095】
一方、絶縁体3が消耗して実質的に部品寸法または厚さが変化した場合、絶縁体3の絶縁性が低下するためステージ4部の絶縁抵抗が低下する。その結果、特性ロで示されるように、高周波電流は、高周波電力の増加に伴い特性イで示される高周波電流よりも大きくなる。
【0096】
また、ステージ4部の部品の締め付けが緩くなったり、エッチングによる生成物がステージ4に付着した場合、ステージ4の構成部品間の浮遊容量または接触抵抗が不安定になり、その結果、ステージ4部におけるインピーダンスが不安定になる。そうすると、特性ハで示されるように、高周波電流は高周波電力の増加に伴い非線形に変化する。
【0097】
なお、ステージ4部の正常/異常に拘わらず、高周波電力がAよりも右側の領域ではチャンバ1内にプラズマが発生し、高周波電流は急激に大きくなる。
【0098】
この発明においては、コンピュータ12は、ステージ4部のインピーダンスが安定しており、プロセス性能が正常であることを示す特性イを記憶している。そして、コンピュータ12は、高周波電流検出器11からの高周波電流を特性イで示される高周波電流と比較し、その比較結果に応じてプロセス性能が正常か否かを評価する。
【0099】
具体的には、コンピュータ12は、高周波電流検出器11からの高周波電流が特性イで示される高周波電流と一致した場合、プロセス性能は正常であると評価し、一致しない場合、プロセス性能は異常であると評価する。
【0100】
好ましくは、コンピュータ12は、プロセス性能が異常であると評価した場合、高周波電流検出器11からの高周波電流が特性イで示される高周波電流とどのようにずれているかを判定する。すなわち、コンピュータ12は、高周波電流検出器11からの高周波電流が特性ロで示される高周波電流であるのか、特性ハで示される高周波電流であるのかを評価する。これにより、プロセス性能が変化したプラズマ処理装置100における場所および原因を特定することができる。
【0101】
つまり、高周波電流検出器11からの高周波電流が特性ロで示される高周波電流である場合、上述したように、絶縁体3が消耗して実質的に部品寸法または厚さが変化していることになり、高周波電流検出器11からの高周波電流が特性ハで示される高周波電流である場合、上述したように、ステージ4部の部品の締め付けが緩くなったり、エッチングによる生成物がステージ4に付着していることになる。
【0102】
このように、プラズマが発生しない範囲の高周波電力を下部電極2に供給した場合の高周波電流を検出し、その検出した高周波電流を、プロセス性能が正常である場合の特性イで示される高周波電流と比較することにより、プロセス性能が正常か否かを評価できる。また、検出した高周波電流が、正常な場合の高周波電流からどのようにずれているかを検出することによりプロセス性能が変化したプラズマ処理装置100における場所および原因を特定できる。
【0103】
上記においては、プラズマが発生しない範囲の高周波電力を下部電極2に供給して高周波電流を検出すると説明したが、この発明においては、高周波電流に代えて高周波電圧を検出してもよい。この場合、検出される高周波電圧は、ステージ4部のインピーダンスを反映した電圧であるので、上述した場合と同様にしてプロセス性能を評価できる。
【0104】
また、上述したような、プラズマが発生しない場合の高周波特性を評価する方法と、プラズマが発生した場合の高周波特性を評価する方法とを併用してもよい。この場合、エッチングを行なっている途中で装置全体の高周波特性を評価してプラズマ処理装置100に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生している場合、上述したような、プラズマが発生しない場合の高周波特性を評価する。その結果、プラズマが発生しない場合の高周波特性に異常がない場合、プラズマの変動、上部電極6、およびチャンバ1の異常を疑えば良いので、異常場所の特定を迅速に行なうことができる。
【0105】
さらに、上記においては、平行平板型のプラズマ処理装置について説明したが、この発明においては、これに限らず、誘導結合型のプラズマ処理装置であったてもよい。
【0106】
さらに、上記においては、エッチング装置について説明したが、この発明においては、これに限らず、高周波放電を利用したプラズマCVD装置、およびスパッタリング装置等の成膜装置であってもよい。
【0107】
実施の形態1によれば、プラズマ処理装置は、プラズマが発生しない高周波電力の範囲における高周波電流を検出する高周波電流検出器と、その検出した高周波電流をプロセス性能が正常である場合の高周波電流と比較してプロセス性能を評価するコンピュータとを備えるので、プロセス性能が変化したとき、プロセス性能が変化する要因となったプラズマ処理装置における場所および原因を特定できる。
【0108】
[実施の形態2]
図3を参照して、実施の形態2によるプラズマ処理装置101は、チャンバ1と、下部電極2と、絶縁体3と、上部電極6と、高周波整合器9と、高周波電源10と、発検知13と、窓14と、モニタ15と、給電ライン16と、制御装置20とを備える。なお、プラズマ処理装置101においては、ガスラインおよび排気口は省略されている。
【0109】
チャンバ1、下部電極2、絶縁体3、上部電極6、高周波整合器9、および高周波電源10については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0110】
発光検知器13は、チャンバ1内のプラズマ発光を検知し、その検知したプラズマ発光を電気信号に変換して制御装置20へ出力する。発光検知器13は、具体的には光電子増倍管から成る。窓14は、チャンバ1内にプラズマが発生した場合、プラズマ発光を発光検知器13に導くための窓であり、プラズマを吸収しない材質から成る。そして、窓14には、チャンバ1の外部からの光(迷光)が発光検知器13に入射するのを防止する遮光板が設けられている。
【0111】
モニタ15は、下部電極2と高周波整合器9との間に接続され、高周波電力が下部電極2に供給されたとき、給電ライン16に流れる高周波電流、および給電ライン16に高周波電流が流れることに起因して発生する高周波電圧を検出し、その検出した高周波電圧および高周波電流を制御装置20へ出力する。
【0112】
制御装置20は、高周波電源10および高周波整合器9を制御する。また、制御装置20は、発光検知器13からの電気信号と、モニタ15からの高周波電圧および高周波電流とを受け、その受けた高周波電圧および高周波電流に基づいて、プラズマ処理装置101におけるプロセス性能を評価するとともに、発光検知器13からの電気信号が所定の強度に達したときプロセス性能の評価を中止する。
【0113】
図4を参照して、モニタ15は、電流検出回路150Aと、電圧検出回路150Bとを含む。電流検出回路150Aは、ピックアップコイル151と、抵抗152と、積分回路153とから成る。ピックアップコイル151は、給電ライン16に近接して配置され、その一方端は接地ノードGNDに接続され、他方端はノードN1に接続される。抵抗152は、ノードN1と接地ノードGNDとの間に接続される。積分回路153は、ピックアップコイル151の他方端に接続され、ノードN1上に発生する電圧Viを積分して高周波電流を求める。
【0114】
給電ライン16に高周波電流が流れると、ピックアップコイル151に電流が発生し、その発生した電流はピックアップコイル151と抵抗152とから成る回路を流れる。その結果、ノードN1には、電流が抵抗152を流れることによる電圧Viが発生する。すなわち、給電ライン16に高周波電流が流れると、電圧Viが発生し、その発生する電圧Viは、次式により表される。
【0115】
【数1】
Figure 0003977114
【0116】
ただし、Mは給電ライン16とピックアップコイル151との間の相互インダクタンスである。
【0117】
したがって、積分回路153は、ノードN1上の電圧Viを積分し、式(1)に基づいて高周波電流を求める。
【0118】
電圧検出回路150Bは、電極154と、抵抗155と、増幅回路156とを含む。電極154は、給電ライン16に近接して配置される。抵抗155は、ノードN2と接地ノードGNDとの間に接続される。増幅回路156は、ノードN2を介して電極154に接続され、給電ライン16に高周波電流が流れることにより電極154に誘起される電圧Vvを積分して高周波電圧を求める。
【0119】
電極154は、接地ノードGNDから絶縁されているため、給電ライン16に高周波電流が流れると、電圧Vvが電極154に誘起される。そして、電圧Vvは次式により表される。
【0120】
【数2】
Figure 0003977114
【0121】
ただし、Rは抵抗155の抵抗値であり、Cは電極154と給電ライン16との間のキャパシタンスである。
【0122】
したがって、増幅回路156は、電極154に誘起された電圧Vvを積分し、式(2)により高周波電圧を求める。
【0123】
なお、電流検出回路150Aにより検出された高周波電流と、電圧検出回路150Bにより検出された高周波電圧との位相差θの誤差を少なくするために、ピックアップコイル151は、できる限り電極154に近づけて配置される。
【0124】
また、検出された高周波電流および高周波電圧は、同軸ケーブルを介して制御装置20へ出力される。これは、検出した高周波電流および高周波電圧がRFノイズにより影響されるのを防止するためである。
【0125】
さらに、積分回路153および増幅回路156は、モニタ15の外部に設けられてもよい。
【0126】
このように、モニタ15は、高周波電力が下部電極2に供給されたとき、給電ライン16に高周波電流が流れることに起因して発生する高周波電流Iおよび高周波電圧Vを検出して制御装置20へ出力する。
【0127】
モニタ15により検出された高周波電流I(ベクトルにより表示される電流を意味する。以下、同じ。)および高周波電圧V(ベクトルにより表示される電圧を意味する。以下、同じ。)に基づいてインピーダンスZが求められる。そして、このインピーダンスZは、プラズマ処理装置101のチャンバ1内部の配置構造、たとえば、下部電極2および上部電極6の配置等の幾何学的な構成によって決定される装置固有のインピーダンス、モニタ15から下部電極2までの高周波給電部のインピーダンス、およびプラズマ処理装置101のアースライン(高周波電流Iの帰路)のインピーダンス等を含むものである。
【0128】
したがって、モニタ15により高周波電流Iおよび高周波電圧Vを検出することは、インピーダンスZを検出することに相当する。
【0129】
プラズマ処理装置101において、通常のエッチング処理が行なわれるとき、制御装置20は、所定の高周波電力を出力するように高周波電源10を制御する。その他の操作は実施の形態1において説明したとおりである。
【0130】
プラズマ処理装置101におけるプロセス性能を評価する場合、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を下部電極2に供給する。これは、チャンバ1内にプラズマが発生した状態で高周波電流Iおよび高周波電圧Vを検出して求めたインピーダンスには、プラズマのインピーダンスも含まれるため、プラズマ処理装置101に固有のインピーダンスを検出できないからである。
【0131】
図5は、高周波電力とプラズマ発光の発光強度との関係を示す図である。縦軸は発光強度を示し、横軸は高周波電力を示す。図5に示す関係を測定した場合のチャンバ1における放電条件は、反応ガス:窒素、ガスの圧力:66.5Pa、ガスの流量:100sccm、電極間距離:1cm、被処理物:無し、である。
【0132】
図5を参照して、高周波電力が零から増加すると、50Wまではプラズマ発光は観測されず、高周波電力が50Wから60Wの間でプラズマが発生する。そして、高周波電力が60Wでプラズマ発光が検知され、高周波電力の増加に伴いプラズマ発光の強度も強くなる。
【0133】
したがって、プラズマ処理装置101においてプロセス性能を評価する場合、高周波電力を10Wとした。
【0134】
また、プラズマ処理装置101においてプロセス性能を評価する場合、高周波整合器9の動作を強制的に停止する。これは、高周波整合器9がインピーダンスの自動整合を行なった場合、給電ライン16に流れる高周波電流および高周波電圧が変化し、上述したインピーダンスZに誤差が生じ、測定の再現性を低下させるからである。
【0135】
再び、図3を参照して、プラズマ処理装置101のプロセス性能を評価する動作が開始されると、制御装置20は、10Wの高周波電力を発生するように高周波電源10を制御し、高周波整合器9の動作を停止する。高周波電源10は、10Wの高周波電力を発生し、その発生した10Wの高周波電力を高周波整合器9、給電ライン16およびモニタ15を介して下部電極2に供給する。
【0136】
そうすると、モニタ15は、上述した方法によって高周波電流Iおよび高周波電圧Vを検出し、その検出した高周波電流Iおよび高周波電圧Vを制御装置20へ出力する。制御装置20は、モニタ15から受けた高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいてインピーダンスZを求める。このインピーダンスZは、上述したようにプラズマ処理装置101に固有のインピーダンスである。また、制御装置20は、高周波電流Iと高周波電圧Vとの位相差θを求める。そして、制御装置20は、インピーダンスZおよび/または位相差θによってプロセス性能を評価する。
【0137】
この場合、発光検知器13は、チャンバ1内におけるプラズマ発光を検知し続け、プラズマ発光を検知すると、その検知したプラズマ発光を電気信号に変換して制御装置20へ出力する。制御装置20は、発光検知器13からの電気信号の強度が所定の強度を超えない限り、モニタ15から受けた高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいてインピーダンスZおよび位相差θを求め、その求めたインピーダンスZおよび/または位相差θに基づいてプロセス性能を評価する。
【0138】
インピーダンスZは、モニタ15から下部電極2までの高周波給電部、下部電極2の部分、およびリターン電流が下部電極2からチャンバ1の接地ノードGNDを介して高周波電源10へ帰る帰路に起因したインピーダンスであるため、求めたインピーダンスZが変化すれば、これらの各部におけるインピーダンスが変化したことになり、このインピーダンスZの変化はプラズマ処理装置101におけるエッチング性能を変化させる。
【0139】
また、位相差θが変化した場合も、上述した各部におけるインピーダンスが変化したことになり、この位相差θの変化はプラズマ処理装置101におけるエッチング性能を変化させる。
【0140】
したがって、制御装置20は、求めたインピーダンスZが変化した場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化したと評価し、インピーダンスZが変化しない場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化しないと評価する。
【0141】
また、制御装置20は、求めた位相差θが変化した場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化したと評価し、位相差θが変化しない場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化しないと評価する。
【0142】
さらに、制御装置20は、求めたインピーダンスZおよび位相差θが変化した場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化したと評価し、インピーダンスZおよび位相差θが変化しない場合、プラズマ処理装置101のプロセス性能が変化しないと評価する。
【0143】
この制御装置20は、インピーダンスZおよび位相差θのいずれか一方に基づいてプロセス性能を評価しても良いし、インピーダンスZおよび位相差θの両方に基づいてプロセス性能を評価しても良い。そして、このプロセス性能の評価は、定期的に行ない、インピーダンスZおよび/または位相差θが変化した場合に、プロセス性能が変化したと評価してプラズマ処理装置101のメンテナンスを行なう。
【0144】
上記においては、モニタ15により検出した高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいてインピーダンスZおよび位相差θを求めてプラズマ処理装置101のプロセス性能を評価すると説明したが、この発明においては、モニタ15が検出した高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいてプロセス性能を評価するようにしてもよい。高周波電流Iおよび高周波電圧Vは、モニタ15から下部電極2までの高周波給電部、下部電極2の部分、およびリターン電流が下部電極2からチャンバ1の接地ノードGNDを介して高周波電源10へ帰る帰路に起因したインピーダンスによって変化するからである。
【0145】
したがって、制御装置20は、モニタ15から受けた高周波電流Iおよび高周波電圧Vが変化するか否かによってプラズマ処理装置101のプロセス性能を評価する。
【0146】
このように、制御装置20は、プラズマが発生しない高周波電力が下部電極2へ供給されたときの高周波特性(高周波電流I、高周波電圧V、インピーダンスZおよび位相差θ)に基づいてプラズマ処理装置101のプロセス性能を評価する。そして、制御装置20は、発光検知器13から受けた電気信号の強度が所定の強度を超えると、高周波電源10を強制的に停止する。これにより、プロセス性能の評価が中止される。
【0147】
上記においては、発光検知器13は、光電子増倍管から成ると説明したが、発光検知器13としてフォトダイオードを用いてもよい。この場合、フォトダイオードの感度は、一般的には、光電子増倍管よりも低いため、プラズマ発光のスペクトル分布に感度が一致するフォトダイオードを選択することが重要である。
【0148】
発光検知器13は、光を用いてチャンバ1におけるプラズマの発生を検知する手段であるが、電気を用いてチャンバ1におけるプラズマの発生を検知してもよい。以下、各種の方法について説明する。
【0149】
チャンバ1においてプラズマが発生した場合、下部電極2に印加される高周波電圧に、図6に示すバイアス電圧Vdcと呼ばれる直流電圧が重畳され、電圧波形はマイナス側にシフトする。したがって、このバイアス電圧Vdcを検出することにより、プラズマがチャンバ1内で発生したことを検知することができる。
【0150】
プラズマ処理装置においては、通常、ブロッキングコンデンサが高周波整合器9の出力側に設けられる。そうすると、プラズマ中の電子が下部電極2に入射する速度と、プラズマ中のイオンが下部電極2に入射する速度との間に速度差が生じる。その結果、バイアス電圧Vdcが発生する。
【0151】
そこで、このバイアス電圧Vdcを検出する手段を設けたプラズマ処理装置を図7に示す。図7を参照して、プラズマ処理装置102は、プラズマ処理装置101から発光検知器13および窓14を除去し、制御装置20を制御装置20Aに代え、ブロッキングコンデンサ17および検出回路18を追加したものであり、その他はプラズマ処理装置101と同じである。
【0152】
ブロッキングコンデンサ17は、高周波整合器9の出力側に接続される。検出回路18は、ブロッキングコンデンサ17とモニタ15との間に接続される。そして、検出回路18は、チャンバ1内でプラズマが発生すると、バイアス電圧Vdcを検出し、その検出したバイアス電圧Vdcを制御装置20Aへ出力する。制御装置20Aは、検出回路18からバイアス電圧Vdcを受けると、チャンバ1内でプラズマが発生したことを検知し、高周波電源10を強制的に停止する。これにより、プラズマ処理装置102のプロセス性能の評価が中止される。
【0153】
制御装置20Aは、検出回路18からバイアス電圧Vdcを受けない限り、制御装置20と同じようにモニタ15から受けた高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいてプロセス性能を評価する。
【0154】
最近のプラズマ処理装置においては、被処理物である半導体ウェハの温度を正確に制御するために、下部電極2のうち半導体ウェハを載置する側に誘電体膜を形成し、高周波電源10とは別に下部電極2に直流電圧を供給することにより、半導体ウェハと下部電極2との間に静電力を発生させ、その発生させた静電力により半導体ウェハを下部電極2に吸着させる、いわゆる、静電チャックが広く用いられている。
【0155】
このような静電チャックを用いたプラズマ処理装置においては、下部電極2のうち半導体ウェハを載置する側に設けられた誘電体膜の影響により、検出回路18によってバイアス電圧Vdcを検出できなくなる。
【0156】
そこで、モニタ15が検出した高周波電圧Vのピーク間電圧Vppの不連続な変化を検出する。高周波電力を増加させ、チャンバ1内でプラズマが発生すると、上述したインピーダンスZにプラズマのインピーダンスが加わるため、ピーク間電圧Vppは、プラズマの発生により不連続に変化する。したがって、制御装置20,20Aは、モニタ15から受けた高周波電圧Vに基づいてピーク間電圧Vppを求め、その求めたピーク間電圧Vppが不連続に変化するとチャンバ1におけるプラズマの発生を検知する。そして、制御装置20,20Aは、チャンバ1におけるプラズマの発生を検知すると、高周波電源10を強制的に停止して、プロセス性能の評価を終了する。
【0157】
なお、上述した検出回路18およびピーク間電圧を検出する手段をモニタ15に設けてもよい。
【0158】
また、給電ライン16には、高周波電圧Vを検出するセンサのみを設け、そのセンサが検出した高周波電圧Vに基づいてプラズマの発生の有無を判断する手段を他の部分に設けてもよい。
【0159】
さらに、バイアス電圧Vdcまたはピーク間電圧Vppを検出する素子は、通常、高周波整合器9の内部に設けられるので、高周波整合器9の内部に設けられた素子によってバイアス電圧Vdcまたはピーク間電圧Vppを検出するようにしてもよい。
【0160】
プラズマの発生を光により検知する方法、およびプラズマの発生を電気(電圧)により検知する方法のいずれにおいても、チャンバ1内においてプラズマが発生しない高周波電力を事前に検出しておき、その検出した高周波電力の範囲において、上述した高周波特性(高周波電流I、高周波電圧V、インピーダンスZおよび位相差θ)の検出を行なう必要がある。そして、バイアス電圧Vdcが検出された場合、またはピーク間電圧Vppが不連続に変化した場合、高周波特性の検出は中止される。
【0161】
高周波特性の検出は、反応ガスをチャンバ1に導入して行なうことは必ずしも必要でないが、プラズマ処理装置の安全上、反応ガスをチャンバ1に導入しないと高周波電圧を下部電極2に供給できないようにインターロックが設定されている場合が多い。
【0162】
チャンバ1に反応ガスを流さず、チャンバ1内の圧力が低い場合に、または逆にチャンバ1内の圧力が高い(たとえば大気圧)場合に、高周波電力を下部電極2に印加すると、パッシェンの法則で知られているように、プラズマの発生電圧が高くなり、プラズマを生成するための高周波電力も高くなる。また、これらの条件下においては、一般的に安定したプラズマの生成が困難であり、アーク的な放電が発生して下部電極2、上部電極6および高周波電源10に障害を与えることが多い。
【0163】
そこで、高周波特性の検出は、チャンバ1内に反応ガスを流した条件下で行なうことが望ましい。
【0164】
8インチウェハ対応の平行平板型のプラズマ処理装置(エッチング装置)において、装置固有のインピーダンスを検出した例を図8に示す。図8においては、7台のプラズマ処理装置について、装置固有のインピーダンスを検出した結果を示す。
【0165】
7台のプラズマ処理装置のうち、1台のプラズマ処理装置におけるインピーダンスが他の6台のプラズマ処理装置におけるインピーダンスよりも低い。
【0166】
インピーダンスが低いプラズマ処理装置について、メンテナンス時に調査した結果、下部電極2の周りに設けられた絶縁体3に不具合が見つかり、これが、インピーダンスが低い原因であることがわかった。
【0167】
なお、上記においては、下部電極2上に半導体ウェハを載置しない条件で高周波特性の検出を行なうように説明したが、この発明においては、下部電極2に半導体ウェハを載置した条件で高周波特性を検出してもよい。
【0168】
また、上記においては、プラズマ処理装置101,102は平行平板型のプラズマ処理装置であるとして説明したが、この発明においては、誘導結合型のプラズマ処理装置であってもよい。
【0169】
実施の形態2によれば、プラズマ処理装置は、プラズマが発生しない高周波電力の範囲において高周波特性を検出するモニタと、その検出した高周波特性に基づいてプロセス性能を評価する制御装置とを備えるので、高周波特性が変化する否かを検出することによりプロセス性能の変化の有無を検知できる。
【0170】
[実施の形態3]
図9を参照して、実施の形態3によるプラズマ処理装置103は、プラズマ処理装置101に高周波電源21、スイッチ22,23、および給電ライン24を追加し、制御装置20を制御装置20Bに代えたものであり、その他はプラズマ処理装置101と同じである。
【0171】
スイッチ22は、給電ライン16に接続された給電ライン24に接続され、オン/オフされることにより、高周波電源21からの高周波電力を下部電極2に供給したり、供給を停止したりする。
【0172】
高周波電源21は、スイッチ22と接地ノードGNDとの間に接続され、チャンバ1にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生する。なお、高周波電源21は、高周波電源10と同じ周波数(13.56MHz)の高周波電力を発生する。スイッチ23は、高周波整合器9と給電ライン16との間に接続される。
【0173】
制御装置20Bは、高周波電源10,21、高周波整合器9、およびスイッチ22,23を制御する。
【0174】
より具体的には、制御装置20Bは、プラズマ処理装置103が半導体ウェハのエッチング装置として使用される場合、スイッチ22をオフし、高周波電源21を停止させ、スイッチ23をオンし、高周波電源10および高周波整合器9を駆動する。また、制御装置20Bは、プラズマ処理装置103における装置固有のインピーダンスZを検出する場合、スイッチ22をオンし、高周波電源21を駆動し、スイッチ23をオフし、高周波電源10および高周波整合器9を停止する。
【0175】
プラズマ処理装置103においては、通常動作時、高周波電源10からの高周波電力を下部電極2へ供給して半導体ウェハのエッチング処理を行ない、プロセス性能を評価するとき、高周波電源21からの高周波電力を下部電極2へ供給して上述した方法と同じ方法によって装置固有のインピーダンスZを検出する。そして、半導体ウェハのエッチング処理を行なう動作は実施の形態1において説明したとおりであり、インピーダンスZを検出する動作は実施の形態2において説明したとおりである。
【0176】
このように、インピーダンスZを検出するために、プラズマが発生しない低い範囲の高周波電力を発生する高周波電源21を設けることによって、モニタ15は高周波電流Iおよび高周波電圧Vを高精度に測定でき、その結果、インピーダンスZおよび位相差θを高精度に検出できる。
【0177】
したがって、実施の形態3によるプラズマ処理装置は、装置固有の高周波特性を検出するために、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生する高周波電源を備えることを特徴とする。
【0178】
高周波電源21は、通常、数ワット程度の低い高周波電力を発生するため、プラズマが発生しない範囲の高周波電力を安定して出力でき、その結果、チャンバ1内にプラズマが発生したか否かを検知する手段を設ける必要がない。
【0179】
次に、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生する手段としてネットワークアナライザーを用いた例について説明する。
【0180】
ネットワークアナライザーは、プラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生するとともに、測定系の特性インピーダンスに対する被測定物(実施の形態3においてはプラズマ処理装置)の反射係数と透過係数の測定から被測定物の高周波特性を測定するものである。
【0181】
図10を参照して、ネットワークアナライザーを用いてプラズマ処理装置の高周波特性(インピーダンスZ)を検出する方法について説明する。ネットワークアナライザー30とチャンバ1とが特性インピーダンスZ0である給電ライン26によって接続されている。この場合、通常、インピーダンスの整合が取れず、ネットワークアナライザー30からチャンバ1に供給された高周波電力は反射する。したがって、接続部27においてチャンバ1に入射する信号の電圧と、反射する信号の電圧とを振幅および位相を含む複素ベクトルとしてそれぞれa,bと表すと、電圧の反射係数Γは次式により定義される。
【0182】
【数3】
Figure 0003977114
【0183】
そうすると、プラズマ処理装置のインピーダンスZは、電圧の反射係数Γと、給電ライン26の特性インピーダンスZ0とを用いて次式のように表される。
【0184】
【数4】
Figure 0003977114
【0185】
式(4)から明らかなように、Z=Z0のとき、電圧の反射係数Γ=0となり、反射波は生じない。この条件は一般にインピーダンス整合条件と呼ばれる。
【0186】
したがって、給電ライン26の特性インピーダンスZ0を予め測定しておけば、ネットワークアナライザー30によって入射波aと反射波bとを検出することにより、プラズマ処理装置の装置固有のインピーダンスZを式(3)および(4)を用いて検出することができる。
【0187】
図11を参照して、プラズマ処理装置104は、プラズマ処理装置103のモニタ15および高周波電源21をネットワークアナライザー30に代え、制御装置20Bを制御装置20Cに代えたものであり、その他は、プラズマ処理装置103と同じである。
【0188】
ネットワークアナライザー30は、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生し、その発生した高周波電力を下部電極2に供給する。そして、ネットワークアナライザー30は、接続部27における高周波電圧の入射波aと反射波bとを検出し、その検出した入射波aおよび反射波bを制御装置20Cへ出力する。
【0189】
制御装置20Cは、高周波整合器9、高周波電源10、スイッチ22,23およびネットワークアナライザー30を制御する。
【0190】
装置固有のインピーダンスZを検出するとき、制御装置20Cは、スイッチ22をオンし、ネットワークアナライザー30を駆動し、スイッチ23をオフし、高周波整合器9および高周波電源10を停止する。そうすると、ネットワークアナライザー30は、チャンバ1内にプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生して下部電極2へ供給する。そして、ネットワークアナライザー30は、接続部27における高周波電圧の入射波aおよび反射波bを検出し、その検出した入射波aおよび反射波bを制御装置20Cへ出力する。
【0191】
そうすると、制御装置20Cは、上記式(3)および(4)に基づいてプラズマ処理装置104の装置固有のインピーダンスZを求める。
【0192】
この場合、ネットワークアナライザー30から接続部27までの高周波給電部(給電ライン16,24)のインピーダンスの影響を除去するため、予め、接続部27に基準となる既知のインピーダンスを挿入して給電ライン16,24のインピーダンスを校正している。そして、この実施の形態3においては、給電ライン16,24のインピーダンスとして50Ωが用いられた。
【0193】
上述した方法によって求めたインピーダンスZの抵抗成分Rおよび容量成分Cを図12に示す。インピーダンスZの測定に用いたプラズマ処理装置は11台であり、そのうち、2台のプラズマ処理装置(符号28で示すプラズマ処理装置)は、他のプラズマ処理装置に対してインピーダンスZの容量成分Cが大きいことが解った。
【0194】
インピーダンスZの測定を行なった期間に、容量成分Cの大きい2台のプラズマ処理装置で処理した製品を調査した結果、アルミニウム配線の側壁がエッチングされ、配線幅が細くなるサイドエッチング現象の発生頻度が大きいことが解った。このため、この容量成分Cの大きい2台のプラズマ処理装置について、メンテナンスを行なった。
【0195】
そして、再度、上述した方法によってインピーダンスZを測定した。その結果を図13に示す。図13において、白丸は、図12において容量成分Cが大きかった2台のプラズマ処理装置(符号28で示すプラズマ処理装置)におけるインピーダンスZの抵抗成分Rおよび容量成分Cを表す。図13に示すように、容量成分Cは、他のプラズマ処理装置の容量成分Cと同等となり、その後、実際に半導体ウェハのエッチング処理を行なった結果、サイドエッチング現象は観測されなかった。そして、容量成分が変化した主な原因は、チャンバ1内部の部品の組み立て精度が低いことと絶縁部材が劣化したためと解った。
【0196】
上述したように、本来の高周波電源10と別に設けたネットワークアナライザー30を用いてプラズマ処理装置104に固有のインピーダンスZを測定することにより、プロセス性能が変化する原因を特定することができる。
【0197】
すなわち、プラズマ処理装置104の組立て状態の差異、プラズマ処理装置104の設置場所に伴うケーブル等の長さの相違、プラズマ処理装置の接地アースの状態の差異、プラズマ処理装置104における下部電極2および上部電極6等の部品の消耗、磨耗および腐食等は、プラズマ処理装置104に固有なインピーダンスZに大きく影響するため、上述した方法によってプラズマ処理装置104に固有なインピーダンスZを測定し、インピーダンスZの変化を検出することによって、インピーダンスZを変化させる原因がプラズマ処理装置104のどの部分で発生しているのかを特定できる。
【0198】
なお、プラズマ処理装置104の組立て状態の差異としては、より具体的には、ボルト等の締め付けトルクの差異による接触抵抗の変化、または部品の取り付け距離の差異による静電容量の変化等がある。
【0199】
プラズマ処理装置104においては、ネットワークアナライザー30は、スイッチ23をオフして、インピーダンスZを測定したが、接続部27において、プラズマ処理装置104の本来の高周波電源10を切り離し、ネットワークアナライザー30を接続部27に直接接続してインピーダンスZを測定してもよい。
【0200】
また、上記においては、ネットワークアナライザーを用いた例について説明したが、この発明においては、LCRブリッジを用いてインピーダンスZを検出してもよい。特に、インピーダンスZを測定する周波数が10MHz以下の場合には、LCRブリッジを用いることが可能である。
【0201】
さらに、上記においては、平行平板型のプラズマ処理装置を例にしたため、評価すべきインピーダンスZの成分は抵抗成分Rおよび容量成分Cであったが、誘導結合型のプラズマ処理装置の場合には、評価すべきインピーダンスZの成分は抵抗成分Rおよび誘導性リアクタンス成分Lになる。
【0202】
その他は、実施の形態2と同じである。
実施の形態3によれば、プラズマ処理装置は、本来の高周波電源の他に、チャンバ内でプラズマが発生しない範囲の高周波電力を発生し、下部電極に供給する高周波電圧の入射波および反射波を検出してプラズマ処理装置のインピーダンスを測定するネットワークアナライザーを備えるので、プラズマのインピーダンスを含まない装置固有のインピーダンスを正確に測定することができる。
【0203】
また、測定したインピーダンスの変化を検出することにより、プラズマ処理装置間におけるプロセス性能の違いを正確に評価できる。
【0204】
さらに、プラズマ処理装置の移設・保守・メンテナンス等を行なう前後に、インピーダンスを測定し、その測定したインピーダンスが変化しないことを確認することにより、プロセスの再現性の評価が容易となり、プロセスの再現性の評価に用いる半導体ウェハの使用量を削減できる。
【0205】
[実施の形態4]
図14を参照して、実施の形態4によるプラズマ処理装置105は、プラズマ処理装置104の制御装置20Cを制御装置20Dに代えたものであり、その他はプラズマ処理装置104と同じである。
【0206】
ネットワークアナライザー30は、高周波電力の周波数を掃引できるものである。したがって、制御装置20Dは、高周波整合器9、高周波電源10、およびスイッチ22,23を制御する他に、高周波電力の周波数を変化するようにネットワークアナライザー30を制御する。
【0207】
プラズマ処理装置105においては、装置固有のインピーダンスZを測定するとき、ネットワークアナライザー30は、周波数の異なる高周波電力を発生してチャンバ1へ供給し、接続部27における入射波および反射波を検出することを特徴とする。
【0208】
ネットワークアナライザー30が固定した周波数を有する高周波電力を発生してプラズマ処理装置105のインピーダンスを測定する場合、図15に示すように、接続部27からチャンバ1側のインピーダンスは、インピーダンスZにより表すことができる。そして、インピーダンスZは、次式により表わされる。
【0209】
【数5】
Figure 0003977114
【0210】
そして、プラズマ処理装置105が平行平板型のプラズマ処理装置である場合、X=1/ωCであり、プラズマ処理装置105が誘導結合型のプラズマ処理装置である場合、X=ωLである。
【0211】
したがって、未知数R,C(またはL)は、1つの周波数を有する高周波電力を下部電極2へ供給したときの接続部27における入射波および反射波を検出することにより、式(3)〜(5)を用いて求めることができる。
【0212】
しかし、高周波電力の周波数を変化させた場合、図16に示すように、接続部27からチャンバ1の下部電極までの間に等価回路42が挿入される。等価回路42は、抵抗R、キャパシタンスC1,C2およびリアクタンスLを含む。そして、この場合、プラズマ処理装置105に固有なインピーダンスZは、次式により表される。
【0213】
【数6】
Figure 0003977114
【0214】
ただし、C1は、接続部27から下部電極2までの高周波給電部の対地間寄生容量であり、C2は下部電極2と接地電位であるチャンバ1との間に挿入される絶縁体3の寄生容量である。
【0215】
プラズマ処理装置105に固有なインピーダンスZが式(6)によって表される場合、1つの周波数に固定された高周波電力を下部電極2に供給して接続部27における入射波および反射波を検出する方法では式(6)の未知数C1,C2,R,Lを求めることができない。
【0216】
したがって、ネットワークアナライザー30は、周波数を変化させた高周波電力を下部電極2に供給して接続部27における入射波および反射波を検出する。そして、制御装置20Dは、各周波数におけるインピーダンスZおよび高周波電流と高周波電圧との位相差θを求める。
【0217】
図17は、高周波電力の周波数を1MHz〜50MHzの範囲で変化させた場合のインピーダンスZおよび位相差θの周波数依存性を示す。この場合、プラズマ処理装置105におけるチャンバ1の直径は20cmであり、下部電極2および上部電極6の直径は10cmであり、下部電極2と上部電極6との間の距離は2cmである。また、チャンバ1の内部は、真空ポンプ(図示せず)により真空に引かれている。さらに、ネットワークアナライザー30は、1MHz刻みで周波数を1MHzから50MHzまで変化させた。
【0218】
高周波電力の周波数を高くしていくと、インピーダンスZは、約30MHz近傍で最小となり、それ以上の周波数においては、逆に増加した。また、位相差θは、約30MHzの周波数までは、−90度、すなわち、容量性の負荷であることを示し、周波数が30MHzを超えると、+90度、すなわち、誘導性の負荷に急変する。
【0219】
そこで、30MHzの近傍で周波数を詳細に変化させてインピーダンスZを測定した結果、インピーダンスZは、29.72MHzの周波数で最小となり、位相差θは零(0)になった。したがって、29.72MHzの周波数はプラズマ処理装置105の共振周波数である。
【0220】
共振周波数(29.72MHz)を含む共振周波数の前後の4点を用いてフィッティングを行ない、等価回路42の未知数C1,C2,R,Lを求めることにより装置固有のインピーダンスを検出できる。
【0221】
なお、フィッティングを行なう場合、必ずしも、共振周波数を含む必要はないが、フィッティング精度を向上させるためには共振周波数を含むのが好ましい。
【0222】
また、同様に、共振周波数よりも大きい周波数か、または小さい周波数のように偏ることなく、共振周波数を挟んだ周波数を選択してインピーダンスZを測定することが好ましい。
【0223】
図17においては、円印が実測値であり、実線がフィッティングした結果を示す。このフィッティングは、周波数を1MHz刻みで変化させた場合の全てのポイントを用いて行なわれた。実測値とフィッティングの結果とは良く一致している。
【0224】
そして、等価回路42の未知数C1,C2,R,Lを求めた結果、C1=15.3pF、C2=170.3pF、L=168.2nH、R=0.51Ωであった。これらの値は、絶縁体3がアルミナセラミックスの場合の値である。
【0225】
絶縁体3が、同一形状の四弗化エチレン(テフロン(R))の場合、C1=11.9pF、C2=126.4pF、L=152.9nH、R=0.61Ωであった。
【0226】
絶縁体3の材質が、アルミナセラミックスからテフロン(R)に代わることにより、主にC2の値が大きく変化することがわかった。これは、アルミナセラミックスの誘電率が、四弗化エチレンの誘電率よりも大きいためと考えられる。
【0227】
これらの結果をまとめると表1に示すようになる。
【0228】
【表1】
Figure 0003977114
【0229】
なお、測定の誤差は0.1%程度と再現性も非常に良好である。
プラズマ処理装置105の他の部分についても、等価回路を仮定し、測定したインピーダンスZから等価回路の回路定数を求めることができる。
【0230】
したがって、ネットワークアナライザー30により、高周波電力の周波数を変化させてインピーダンスZを求めることにより、プラズマ処理装置105の各部の寸法変化、状態変化(磨耗、消耗など)、および組立て精度を高精度にモニタリングできる。そして、その結果、プラズマ処理装置間におけるプロセス性能の違い、プラズマ処理装置の経時変化等を定量的に把握することができ、プラズマ処理装置の安定稼動に寄与できる。
【0231】
上記においては、等価回路42は図18に示すπ型回路からなるとして説明したが、この発明においては、図19に示すT型回路であっても良く、図20に示す直列に接続されたn(nは自然数)個のT型回路51〜5nであってもよい。なお、図18〜図20におけるZ1〜Z3は、R、C,L等の回路素子を表す。
【0232】
また、図20に示すn個のT型回路に他の回路が加えられてもよいし、等価回路を並列に接続したり、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
【0233】
このように、回路素子の数、すなわち、未知数が増加した場合、周波数を変化させて測定するインピーダンスZの実測数を増加させる必要がある。等価回路が、たとえば、m個の回路素子から成るとき、m個以上の周波数でインピーダンスZを測定する必要がある。
【0234】
高周波電力の周波数を変化させた場合に、8インチウェハ対応のシリコン酸化膜用のエッチング装置についてインピーダンスを測定した例を示す。
【0235】
17台の平行平板型のエッチング装置について、高周波電力の周波数を変化させて装置固有のインピーダンスZを測定し、その測定したインピーダンスZに基づいて、上述した方法によって抵抗成分Rおよび容量成分Cを求めた結果を図21に示す。ネットワークアナライザー30の発振周波数は1〜50MHzの範囲である。なお、図21における容量成分Cは、実質的には下部電極2の下側の等価回路42に含まれるキャパシタンスC2を表す(図16参照)。
【0236】
また、同じ17台のエッチング装置についての1ヶ月間におけるエッチング速度の平均値を図22に示す。
【0237】
図21において、符号29で示すプラズマ処理装置は、他のプラズマ処理装置に比べ、抵抗成分Rおよび容量成分Cが大きい。そして、これに対応して、図22に示すように、1ヶ月の平均のエッチング速度も、他のプラズマ処理装置における平均のエッチング速度よりも大きい。
【0238】
この原因としては、プラズマ処理装置の高周波給電ライン(接続部27から下部電極2までの部分)の距離の相違、チャンバ1の蓋の開閉部における表面処理(絶縁性皮膜)が腐食により磨耗していること等が判明した。
【0239】
上述したように、図21に示す容量成分Cは、下部電極2の下側の等価回路42に含まれる容量成分C2を表すので、この判明した原因は、高周波電力の周波数を変化させて測定したインピーダンスに基づいて求めた容量成分の違いと良い一致を示す。
【0240】
したがって、高周波電力の周波数を変化させてインピーダンスを測定し、その測定したインピーダンスに基づいて求めた容量成分が、他のプラズマ処理装置の容量成分、またはプロセス性能が正常であるときの容量成分と異なるとき、下部電極2の下側、すなわち、接続部27から下部電極2までの経路に原因があり、その部分をメンテナンスすればよい。
【0241】
その他は、実施の形態2と同じである。
実施の形態4によれば、プラズマが発生せず、かつ、周波数を変化させた高周波電力を下部電極に供給して装置固有のインピーダンスを測定し、その測定したインピーダンスに基づいてプラズマ処理装置の各部における等価回路の回路定数を決定するので、プラズマ処理装置に固有のインピーダンスの変化がプラズマ処理装置のどの部分で発生しているのかを正確に検出できる。
【0242】
[実施の形態5]
図23を参照して、実施の形態5によるプラズマ処理装置106は、プラズマ処理装置101の制御装置20を制御装置20Eに代え、補正回路43を追加したものであり、その他はプラズマ処理装置101と同じである。
【0243】
補正回路43は、接続部27とチャンバ1との間に接続される。そして、補正回路43は、プラズマ処理装置106に固有のインピーダンスZが、プロセス性能が正常であるときのインピーダンスからずれた場合に、そのずれたインピーダンスを補正するための回路である。たとえば、、補正回路43は、可変キャパシタンス(C)と可変インダクタンス(L)とから成る。
【0244】
制御装置20Eは、プラズマ処理装置101に含まれる制御装置20の機能に加え、モニタ15から入力された高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいて求めたインピーダンスZが正常なインピーダンスからずれていると評価したとき、そのずれたインピーダンスを正常なインピーダンスになるように補正回路43を構成する可変キャパシタンスCおよび可変インダクタンスLを補正する。
【0245】
インピーダンスを補正する方法について説明する。図24および図25を参照して、2つの接地ノードGND,GNDの間に、高周波電源10、高周波整合器9およびチャンバ1が直列に接続された系において、高周波電源10は、高周波整合器9を介してチャンバ1に高周波電力を供給する。
【0246】
この場合、チャンバ1の本来のインピーダンスZは、高周波整合器9とチャンバ1との間の接続部27からチャンバ1側を見たインピーダンスであるとする。そして、図24に示す系において、インピーダンスが、プラズマ処理装置106の経時変化等で変化した場合、図25に示すように、インピーダンスが変化したチャンバ1Aと接続部27との間に補正回路43を接続し、接続部27からチャンバ1A側を見た場合のインピーダンスがインピーダンスZになるように補正回路43のインピーダンスが補正される。
【0247】
補正回路43は、基本的には、高周波整合器9からチャンバ1までの高周波給電部であれば、どの位置に配置されてもよいが、プラズマ処理装置に固有のインピーダンスZを測定するポイントである接続部27からチャンバ1までの位置に補正回路43を配置することが好ましい。これは、補正回路43を接続部27からチャンバ1までの位置に接続した方が、インピーダンスZの測定誤差が減少し、プラズマ処理装置間の差およびプラズマ処理装置の経時変化を見出し易いからである。
【0248】
実施の形態5によるプラズマ処理装置は、図26に示すプラズマ処理装置107であってもよい。図26を参照して、プラズマ処理装置107は、プラズマ処理装置101に補正回路44を追加し、制御装置20を制御装置20Fに代えたものであり、その他はプラズマ処理装置101と同じである。
【0249】
補正回路44は、チャンバ1と接地ノードGNDとの間に接続される。そして、補正回路44は、プラズマ処理装置107に固有のインピーダンスZが、プロセス性能が正常であるときのインピーダンスからずれた場合に、そのずれたインピーダンスを補正するための回路である。たとえば、、補正回路44は、可変キャパシタンス(C)と可変インダクタンス(L)とから成る。なお、補正回路44が、リターン電流47が流れる系に配置される場合、チャンバ1から高周波電源10の接地ノードGNDまでの部分は、表皮抵抗の影響を小さくするために、細線ではなく、表面積の広い銅板45,46等で構成されることが好ましい。
【0250】
制御回路20Fは、プラズマ処理装置101に含まれる制御装置20の機能に加え、モニタ15から入力された高周波電流Iおよび高周波電圧Vに基づいて求めたインピーダンスZが正常なインピーダンスからずれていると評価したとき、そのずれたインピーダンスを正常なインピーダンスになるように補正回路44を構成する可変キャパシタンスCおよび可変インダクタンスLを補正する。
【0251】
プラズマ処理装置107におけるインピーダンスの補正方法は、プラズマ処理装置106におけるインピーダンスの補正方法と同じである。
【0252】
プラズマ処理装置106においては、インピーダンスを補正するための補正回路43は、高周波給電部に配置されるが、プラズマ処理装置107においては、インピーダンスを補正するための補正回路44は、高周波電源10から供給された高周波電力のリターン電流47が流れる系に配置される。そして、補正回路44は、チャンバ1から高周波電源10へのリターン電流47が流れる系であれば、どの位置に配置されてもよい。
【0253】
また、補正回路44は、上部電極6とチャンバ1との間、またはチャンバ1の一部に設けられてもよい。
【0254】
上記においては、プラズマ処理装置のインピーダンスが経時変化した場合のインピーダンスの補正について説明したが、上述したインピーダンスの補正方法は、複数のプラズマ処理装置間でインピーダンスが異なる場合に、基準となるインピーダンスに各プラズマ処理装置のインピーダンスを補正する場合にも適用可能である。
【0255】
そこで、どのプラズマ処理装置のインピーダンスを正しいインピーダンス(基準となるインピーダンス)とするのかについて説明する。一般的には、プラズマ処理装置を新規に購入した場合、工場に納入されたときの立会い試験時のインピーダンスを正しいインピーダンスとする。これは、装置メーカ出荷時のインピーダンスを正しいインピーダンスとすることも考えられるが、工場に納入されたときのインピーダンスの方が、部品等の磨耗による変化もなく、そのプラズマ処理装置の本来の性能を発揮できると考えられるからである。
【0256】
しかし、同じ構成の複数のプラズマ処理装置を納入し、インピーダンスが相互に異なる場合、すでに工場で稼動中の複数のプラズマ処理装置において納入時のインピーダンスが不明となった場合、およびプラズマ処理装置の構成を納入時の状態から変える場合等、補正の対象となるプラズマ処理装置の本来のインピーダンスZが不明である場合が生じる。
【0257】
このような場合には、基準となるプラズマ処理装置において、装置固有のインピーダンスと密接な関係にある諸量に基づいて、プラズマ処理装置に固有のインピーダンスを補正回路43,44によって補正することが可能である。
【0258】
チャンバ1にプラズマが発生した場合に誘起されるバイアス電圧Vdc、または高周波電圧のピーク間電圧Vppを、基準となるインピーダンスZを有するプラズマ処理装置において予め検出し、その他のプラズマ処理装置においても、これらのバイアス電圧Vdcまたはピーク間電圧Vppが基準となるプラズマ処理装置のバイアス電圧Vdcまたはピーク間電圧Vppと同じになるように補正回路43,44のインピーダンスを補正する。これによって、複数のプラズマ処理装置間において、装置間の差または装置状態の経時変化による装置性能の変化を防止できる。
【0259】
なお、この実施の形態5によるインピーダンスを補正する方法は、プラズマ処理装置102〜105にも適用可能である。
【0260】
その他は、実施の形態2と同じである。
実施の形態5によれば、プラズマ処理装置は、装置固有のインピーダンスが本来のインピーダンスからずれた場合、そのずれたインピーダンスを補正する補正回路を備えるので、プラズマ処理装置の各部の寸法変化または磨耗・消耗等による状態変化、組み立て精度に起因する装置間の差、および装置状態の経時変化等でインピーダンスが変化した場合にも、本来のインピーダンスに容易に補正できる。また、複数のプラズマ処理装置間において、インピーダンスが本来のインピーダンスになるように、インピーダンスを補正できる。
【0261】
[実施の形態6]
実施の形態1から実施の形態5においては、プラズマ処理装置に固有のインピーダンスを検出し、その検出したインピーダンスに基づいてプラズマ処理装置のプロセス性能を評価することについて説明したが、この実施の形態6においては、検出した装置固有のインピーダンスをプラズマ処理装置の点検、保守、および管理等に用いた例について説明する。
【0262】
プラズマ処理装置のプロセス性能の経時変化を検出するには、インピーダンスZを定期的に測定する必要がある。
【0263】
実施の形態4において説明したように、8インチウェハ対応のシリコン酸化膜用の17台の平行平板型のエッチング装置(プラズマ処理装置)について、プラズマが発生しない範囲の高周波電力を下部電極2に供給してインピーダンスZを測定し、3台のプラズマ処理装置においては、他のプラズマ処理装置よりもエッチング速度が大きいことを検出した。そして、この3台のプラズマ処理装置については、原因を調査し、対策を実施した。
【0264】
これらの17台のプラズマ処理装置においては、チャンバ1内の清掃、および部品の交換等を1ヶ月ごとに実施する定期メンテナンスの最後に、実施の形態3において説明した方法によって、装置固有のインピーダンスZを定期的に測定した。
【0265】
図27は、定期メンテナンス時にインピーダンスZを測定した17台のプラズマ処理装置におけるエッチング速度の1ヶ月の平均値を示したものである。図22に示す場合に比べ、エッチング速度のバラツキは大幅に減少し、チップの歩留まりも向上した。
【0266】
図27に示す例は、プラズマ処理装置を停止して行なう定期メンテナンスの機会を利用して装置固有のインピーダンスを測定した例を示したが、上述したプラズマ処理装置101〜107のモニタ15またはネットワークアナライザー30が検出したインピーダンスを制御装置20〜20Fへ入力することにより、プラズマ処理装置101〜107を停止することなく、定期的に装置固有のインピーダンスZを測定することができる。
【0267】
また、モニタ15またはネットワークアナライザー30から制御装置20〜20Fへの信号を外部からモニタすることにより、プラズマ処理装置101〜107のインピーダンスをリアルタイムに把握することができ、プラズマ処理装置101〜107のインピーダンスZが変化した場合に、アラーム(警告)を発生させ、プラズマ処理装置101〜107の異常を検知することができる。
【0268】
したがって、このアラーム機能を備えたプラズマ処理装置の一例として、プラズマ処理装置108を図28に示す。図28を参照して、プラズマ処理装置108は、プラズマ処理装置101にアラーム回路70を追加したものであり、その他はプラズマ処理装置101と同じである。
【0269】
アラーム回路70は、制御装置20が上述した方法によって求めたインピーダンスZを受け、その受けたインピーダンスZが、プロセス性能が正常である場合のインピーダンスに対して所定量だけずれている場合、アラーム(警告)を発する。これにより、プラズマ処理装置108において、装置に固有のインピーダンスが変化し、プロセス性能が変化したことを容易に検知することができる。
【0270】
このアラームを発生するレベルは、各プラズマ処理装置の構成等により異なるが、ネットワークアナライザー30を用いた場合、容量成分において予め設定しておいた基準値から0.1%〜5%の範囲の変動を、アラームを発するしきい値として設定する。
【0271】
さらに、インピーダンスの定期的な測定は、各々のプラズマ処理装置について行なうとして説明したが、複数のプラズマ処理装置についてインピーダンスの測定を定期的に行ない、測定したインピーダンスが相互に異なる場合、実施の形態5において説明した補正方法を用いてインピーダンスを補正し、複数のプラズマ処理装置における装置固有のインピーダンスを相互に一致させることが可能である。
【0272】
実施の形態6によれば、装置固有のインピーダンスを定期的に測定するので、インピーダンスの変化を容易に検出できる。また、複数のプラズマ処理装置を対象として、装置固有のインピーダンスの変化を容易に検出できる。
【0273】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図2】 高周波電流と高周波電力との関係図である。
【図3】 実施の形態2によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図4】 図3に示すモニタの回路図である。
【図5】 プラズマの発光強度と高周波電力との関係図である。
【図6】 高周波電圧の波形図である。
【図7】 実施の形態2によるプラズマ処理装置の他の概略ブロック図である。
【図8】 図7に示すプラズマ処理装置において検出されたインピーダンスを示す図である。
【図9】 実施の形態3によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図10】 図9に示すネットワークアナライザーによるインピーダンスの測定方法を説明するための図である。
【図11】 実施の形態3によるプラズマ処理装置の他の概略ブロック図である。
【図12】 図11に示すプラズマ処理装置において検出されたインピーダンスの容量成分および抵抗成分を示す図である。
【図13】 図11に示すプラズマ処理装置において検出されたインピーダンスの容量成分および抵抗成分を示す図である。
【図14】 実施の形態4によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図15】 高周波電力の周波数が固定された場合のプラズマ処理装置の等価回路を示す図である。
【図16】 高周波電力の周波数が変化する場合のプラズマ処理装置の等価回路を示す図である。
【図17】 インピーダンスおよび位相の周波数依存性を示す図である。
【図18】 π型等価回路を示す回路ブロック図である。
【図19】 T型等価回路を示す回路ブロック図である。
【図20】 n個のT型等価回路を直列接続した図である。
【図21】 図14に示すプラズマ処理装置において検出されたインピーダンスの容量成分および抵抗成分を示す図である。
【図22】 複数のプラズマ処理装置におけるエッチング速度の平均値を示す図である。
【図23】 実施の形態5によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図24】 インピーダンスを補正する方法を説明するための第1のブロック図である。
【図25】 インピーダンスを補正する方法を説明するための第2のブロック図である。
【図26】 実施の形態5によるプラズマ処理装置の他の概略ブロック図である。
【図27】 複数のプラズマ処理装置におけるエッチング速度の平均値を示す図である。
【図28】 実施の形態6によるプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図29】 従来のプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図30】 従来のプラズマ処理装置の等価回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1,1A,250 チャンバ、2 下部電極、3 絶縁体、4 ステージ、5,252 半導体ウェハ、6 上部電極、7 ガスライン、8 排気口、9 高周波整合器、10,21,200,256 高周波電源、11 高周波電流検出器、12,257 コンピュータ、13 発光検知器、14 窓、15,254モニタ、16,24,26 給電ライン、17 ブロッキングコンデンサ、18 検出回路、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F 制御装置、22,23 スイッチ、27 接続部、28,29 領域、30 ネットワークアナライザー、42 等価回路、43,44 補正回路、45,46 銅板、47 リターン電流、51〜5n T型等価回路、70 アラーム回路、100〜108 プラズマ処理装置、150A 電流検出回路、150B 電圧検出回路、151 ピックアップコイル、152,155 抵抗、153 積分回路、154 電極、156 増幅回路、210,220,230,240 回路、251 放電電極、253 テーブル、255 整合回路。

Claims (19)

  1. プラズマを発生するためのチャンバと、
    前記チャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、
    前記高周波電源から前記チャンバに高周波電力を供給する経路に挿入される特性評価装置とを備え、
    前記特性評価装置は、
    前記プラズマが発生するまでの高周波電力の範囲で前記チャンバにおけるインピーダンスである高周波特性を検出する高周波特性検出回路と、
    前記高周波特性検出回路が検出した高周波特性を前記チャンバにおけるプロセス性能が正常であるときの前記チャンバにおけるインピーダンスである標準高周波特性と比較し、その比較結果に応じて前記プロセス性能が正常か否かを判定する判定回路とを含む、プラズマ処理装置。
  2. 前記判定回路は、前記検出された高周波特性が前記標準高周波特性に一致するとき前記プロセス性能は正常であると評価し、前記検出された高周波特性が前記標準高周波特性に不一致であるとき前記プロセス性能は異常であると評価する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記チャンバにおけるプラズマの発生を検知するプラズマ検知回路をさらに備え、
    前記高周波特性検出回路は、前記プラズマ検知回路が前記プラズマの発生を検知すると、前記高周波特性の検出を中止する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記プラズマが発生されるまでの範囲の高周波電力を前記チャンバへ供給するもう1つの高周波電源と、
    前記高周波電源から出力された高周波電力の前記チャンバへの供給をオン/オフする第1のスイッチと、
    前記もう1つの高周波電源から出力された高周波電力の前記チャンバへの供給をオン/オフする第2のスイッチとをさらに備え、
    前記プロセス性能の評価時、
    前記第1のスイッチはオフされ、
    前記第2のスイッチはオンされる、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記高周波特性検出回路は、前記もう1つの高周波電源から出力される高周波電圧の前記チャンバへの入射波に対する前記チャンバからの反射波の比である反射係数を検出し、
    前記判定回路は、前記検出した反射係数に基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記もう1つの高周波電源は、周波数を固定した高周波電力を発生し、
    前記高周波特性検出回路は、前記高周波電力の周波数を固定したときの高周波特性を検出し、
    前記判定回路は、前記検出した高周波特性に基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記もう1つの高周波電源は、周波数を所定の範囲で変化させた高周波電力を発生し、
    前記高周波特性検出回路は、前記高周波電力の周波数を変えたときの高周波特性を検出し、
    前記判定回路は、前記検出した高周波特性に基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  8. 判定回路は、前記高周波電力の周波数を変化させたときのインピーダンスの周波数特性および電圧と電流との位相差の周波数特性に基づいて共振周波数を検出し、その検出した共振周波数に基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記判定回路は、前記検出した共振周波数および共振特性に基づいて等価回路の回路定数を求め、その求めた回路定数に基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記共振特性は、前記共振周波数よりも高い周波数における特性と前記共振周波数よりも低い周波数における特性とを含む、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記共振特性は、高周波電圧と高周波電流との位相差、およびインピーダンスを含む、請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記もう1つの高周波電源を前記チャンバに接続するケーブルをさらに備え、
    前記高周波特性検出回路は、前記ケーブルと前記チャンバとの接続部において前記高周波特性を検出する、請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記判定回路は、予め検出された前記ケーブルのインピーダンスを前記検出したインピーダンスから除去し、その除去したインピーダンスに基づいて前記プロセス性能を評価する、請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記高周波特性検出回路により検出された高周波特性が、前記プロセス性能が正常であるときの標準高周波特性からずれているとき前記高周波特性を補正する補正回路をさらに備える、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記補正回路は、前記検出された高周波特性が前記標準高周波特性になるように前記高周波特性を補正する、請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記補正回路は、前記高周波電力を前記チャンバに供給する系に設けられる、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記補正回路は、前記チャンバから前記高周波電源へのリターン電流が流れる系に設けられる、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  18. 所定期間ごとに前記高周波特性を検出するように前記高周波特性検出回路を制御する制御回路をさらに備える、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記高周波特性検出回路により検出された高周波特性を前記プロセス性能が正常であるときの標準高周波特性と比較し、前記検出された高周波特性が前記標準高周波特性から所定量だけずれているときアラームを発生するアラーム回路をさらに備える、請求項18に記載のプラズマ処理装置。
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