JP3600144B2 - プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、及び性能管理システム、並びにプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置の性能確認システム - Google Patents

プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、及び性能管理システム、並びにプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置の性能確認システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置の性能評価方法、保守方法、及び性能管理システム、並びにプラズマ処理装置に係り、特に、プラズマ処理装置が所望の性能を維持し続けることを、継続的に担保することに用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうプラズマ処理装置の一例としては、従来から、図22に示すような、いわゆる2周波励起タイプのものが知られている。
図22に示すプラズマ処理装置は、高周波電源1とプラズマ励起電極4との間に整合回路2Aが介在されている。整合回路2Aはこれら高周波電源1とプラズマ励起電極4との間のインピーダンスの整合を得るための回路として設けられている。
【0003】
高周波電源1からの高周波電力は整合回路2Aを通して給電板3によりプラズマ励起電極4へ供給される。この整合回路2Aは導電体からなるハウジングにより形成されるマッチングボックス2内に収納されており、プラズマ励起電極4および給電板3は、導体からなるシャーシ21によって覆われている。
プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には凸部4aが設けられるとともに、このプラズマ励起電極(カソード電極)4の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が形成されている。この空間6にはガス導入管17が接続されており、導体からなるガス導入管17の途中には絶縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極14側とガス供給源側とが絶縁されている。
【0004】
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の孔7を介してチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。なお、符号9はチャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とを絶縁する絶縁体である。また、排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなるウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられておりその周囲にはサセプタシールド12が設けられている。
【0005】
サセプタシールド12はサセプタ電極8を受けるシールド支持板12Aと、このシールド支持板12Aの中央部に垂下形成された筒型の支持筒12Bとからなり、支持筒12Bはチャンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、この支持筒12Bの下端部とチャンバ底部10Aとがベローズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、これらの隙間がシャフト13の周囲に設けられた電気絶縁物からなる絶縁手段12Cによって真空絶縁されるとともに電気的にも絶縁されている。また、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、ベローズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
ウエハサセプタ8には、シャフト13およびマッチングボックス14内に収納された整合回路を介して第2の高周波電源15が接続されている。なお、チャンバ壁10とサセプタシールド12とは直流的に同電位となっている。
【0006】
図23に従来のプラズマ処理装置の他の例を示す。図22に示すプラズマ処理装置とは異なり、図23に示すプラズマ処理装置は1周波励起タイプのプラズマ処理装置である。すなわち、カソード電極4にのみ高周波電力を供給しており、サセプタ電極8は接地されている。図22で示される高周波電源15とマッチングボックス14がない。また、サセプタ電極8とチャンバ壁10とは直流的に同電位となっている。
【0007】
上記のプラズマ処理装置においては、一般的に13.56MHz程度の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうものである。
【0008】
そして、このようなプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価方法としては、例えば、以下のように実際に成膜等の処理をおこない、この被成膜特性を評価するというような方法でおこなっていた。
(1)堆積速度と膜面内均一性
▲1▼基板上にプラズマCVDにより所望の膜を成膜する。
▲2▼レジストのパターニングをおこなう。
▲3▼膜をドライエッチングする。
▲4▼アッシングによりレジストを剥離する。
▲5▼膜の膜厚段差を触針式段差計により計測する。
▲6▼成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。
▲7▼膜面内均一性は、6インチ基板面内において16ポイントで測定する。
(2)BHFエッチングレート
上記(1)▲1▼〜▲2▼と同様にレジストマスクをパターニングする。
▲3▼BHF液に1分間基板を浸漬する。
▲4▼純水洗浄後乾燥し、レジストをHSO+H で剥離する。
▲5▼上記(1)▲5▼と同様段差を計測する。
▲6▼浸漬時間と段差からエッチング速度を算出する。
(3)絶縁耐圧
▲1▼ガラス基板上にスパッタリングにより導電性膜を成膜し、下部電極としてパターニングする。
▲2▼プラズマCVDにより絶縁膜を成膜する。
▲3▼▲1▼と同様の方法で上部電極を形成する。
▲4▼下部電極用にコンタクト孔を形成する。
▲5▼上下電極にプロービングし、I−V特性(電流電圧特性)を測定する。このとき最大電圧として200V程度まで印加する。
▲6▼電極面積を100μm角とし、100pAをよぎるところが、1μA/cm に相当するので、この時のVを絶縁耐圧として定義する。
【0009】
さらに、上記のようなプラズマ処理装置に対しては、従来から、半導体および液晶製造に用いられる場合において、プラズマ処理速度(成膜時の堆積速度や、加工速度)が早く生産性が高いこと、そして、被処理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性(膜厚の膜面内方向分布、加工処理ばらつきの膜面内方向分布)に優れていることが、近年では、被処理基板の大型化に伴い、一段と強まっている。
また、被処理基板の大型化に伴い、投入電力量もkWオーダーが投入されるまで増大し、電力消費量が増す傾向にある。このため、電源の高容量化に伴い、電源の開発コストが増大するとともに、装置稼働時には電力使用が増すことからランニングコストを削減することが望まれている。
また、電力消費量が増大することは、環境負荷となる二酸化炭素の排出量が増大する。これは、被処理基板の大型化に伴ってさらに放出量が増大するとともに電力消費効率をさらに下げてしまうため電力消費量が増大するので、この二酸化炭素の放出量削減への要求も高くなっている。
一方、プラズマ励起周波数として、従来一般的であった13.56MHzに対して、これを越える30MHz以上のVHF帯の周波数を用いるなど、高周波数化を図ることで、プラズマ空間で消費される実効的な電力の増加を図ることができる。その結果として、プラズマCVDなどの体積装置においては、成膜時の堆積速度を向上させることができる可能性が示されていた。
【0010】
さらに、上記のようなプラズマチャンバを複数有するプラズマ処理装置に対しては、個々のプラズマチャンバに対して、プラズマ処理の機差をなくし、異なるプラズマチャンバにおいて処理をおこなった被処理基板においても、プラズマ処理速度(成膜時の堆積速度や、加工速度)や生産性、そして、被処理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性を向上させたい(膜厚の膜面内方向分布等の、処理のばらつきをなくしたいという要求がある。
同時に、プラズマチャンバを複数有するプラズマ処理装置に対しては、個々のプラズマチャンバに対して、供給するガス流量や圧力、供給電力、処理時間等の外部パラメータが等しい同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果が得られることが望まれている。
そして、プラズマ処理装置の新規設置時や調整・保守点検時において、複数のプラズマチャンバごとの機差をなくして処理のばらつきをなくし同一のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために必要な調整時間の短縮が求められるとともに、このような調整に必要なコストの削減が要求されていた。
【0011】
さらに、上記のようなプラズマ処理装置を複数有するプラズマ処理システムに対しても、同様に、各プラズマ処理装置における個々のプラズマチャンバに対して、プラズマ処理の機差をなくしたいという要求が存在していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、プラズマ処理装置においては、所望のレベルの性能を備えると共に、複数のプラズマチャンバ(プラズマ処理室)を備えるプラズマ処理装置やプラズマ処理システムにあっては、プラズマ処理の性能の機差をなくすような配慮が求められていた。しかし、たとえこのような配慮が充分になされたプラズマ処理装置であっても、プラズマ処理を繰り返す内に、所望の性能レベルが維持できなくなったり複数のプラズマ処理室間の機差が生じる可能性があった。また、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業をを行った場合には、調整の不備等により調整作業前の性能が維持されていない可能性があった。さらに、プラズマ処理装置を搬送する際には、一般に一旦分解してから搬送し、搬送先で再組み立てすることが行われている。この場合にも、搬送中の振動や再組み立て作業の不備等により搬送前の性能が維持されていない危険性があった。
【0013】
そして、このようなプラズマ処理装置の性能が所望の性能レベルや所望の機差内に維持されているかどうかを確認するための評価方法として、上記の(1)〜(3)のような動作評価方法を採用した場合には、プラズマ処理装置を作動させることが必要である上に、プラズマ処理装置の設置場所とは別の検査場所などにおいて被処理基板を複数のステップにより処理測定する必要がある。
このため、評価結果がでるまでには数日、あるいは数週間がかかり、その期間製造ラインを停止しなかった場合、プラズマ処理をおこなった被処理基板の特性は未知であり、もし、プラズマ処理装置の状態がよくなかった際には、そのプラズマ処理装置で処理した製品が製品としての基準に達しないおそれがあるため、より簡便な方法でプラズマ処理装置の動作を適正な状態に維持したいという要求があった。
【0014】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
▲1▼ プラズマ処理装置の性能が適正に維持されているかどうかを確認するための迅速かつ簡便な評価方法を提供すること。
▲2▼ プラズマ処理装置の性能が適正に維持されていない場合に、迅速に是正可能な保守方法を提供すること。
▲3▼ 納入先において、プラズマ処理装置の性能が適正に維持されるように管理するための性能管理システムを提供すること。
▲4▼ 適正な動作状態に簡便に維持可能なプラズマ処理装置を提供すること。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価方法は、
プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価方法は、 プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価方法は、 プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とする。
【0018】
前記において高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であっても良い。
前記において、時刻t とその後の時刻t との間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われるものでも良い。
前記において、時刻t とその後の時刻t との間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とするものでも良い。
前記において、時刻t とその後の時刻t との間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とするものでも良い。
本発明において先に記載の評価方法の結果、ΔAの絶対値が前記A の10%以上の場合に、高周波特性Aの是正作業を行うことを特徴とするプラズマ処理装置の保守方法を提供できる。前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であっても良い。
【0019】
また、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であっても良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻t とその後の時刻t との間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻t とその後の時刻t との間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻t とその後の時刻t との間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記サーバーが、プラズマ処理室の固有番号毎にA を記憶し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固有番号を受信して、当該固有番号に対応するA を用いて演算をすることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記納入先入出力装置に、プラズマ処理装置に接続されたインピーダンス測定器を接続して、インピーダンス測定器から前記サーバーに、A が直接送信されることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記サーバーが搬送元において出力装置を備え、ΔAの絶対値が前記A の10%を超える場合に、前記出力装置から、保守作業命令を出力することを特徴とするものでも良い。
【0023】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とする。
【0024】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とする。
【0025】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とする。
【0026】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とするものでも良い。
【0027】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記サーバーが、プラズマ処理室の固有番号毎にAを記憶し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固有番号を受信して、当該固有番号に対応するAを用いて演算をすることを特徴とする。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記納入先入出力装置に、プラズマ処理装置に接続されたインピーダンス測定器を接続して、インピーダンス測定器から前記サーバーに、Aが直接送信されることを特徴とするものでも良い。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、前記サーバーが、前記当該故障レベルを、前記納入先入出力装置にも発信することを特徴とするものでも良い。
【0028】
本発明に係るプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置であって、
前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とする。
【0029】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置であって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とする。
【0030】
本発明に係るプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置であって、
前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とする。
【0031】
本発明に係るプラズマ処理装置において、前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とするものでも良い。
【0032】
本発明に係るプラズマ処理装置は、時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われるものでも良い。
【0033】
本発明に係るプラズマ処理装置は、時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする。
【0034】
本発明に係るプラズマ処理装置は、時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とする。
【0035】
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムにおいて、ΔAの絶対値が前記A の10%以上の値である場合に、高周波特性Aの是正作業を行うことにより、ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とする。
【0038】
以下、上記各発明をさらに詳細に説明する。
上記各発明では、プラズマ処理室の電極に高周波電力を供給する際に測定した高周波特性Aを評価指標とした。これは、高周波特性Aが、プラズマ空間で消費される実効的な電力等のプラズマ処理装置の性能と密接な関連性を有するとともに、汚れが付着したり、組み立て精度に狂いが生じる等、性能に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、容易に変動する値であることに着目したものである。そして、この指標とした高周波特性Aが、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値は、プラズマ処理装置の性能変動幅と密接な関連を有すること、及びこの値が所定の値よりも小さければ、性能変動幅も所定の範囲内であると見なせることを見いだし、このΔAの絶対値と所定の値を比較することにより、プラズマ処理装置の性能評価を可能とした。
すなわち、分解搬送後の新規設置時やその後の使用によるプラズマ処理の繰り返し、あるいは調整・保守点検等の際に、プラズマ処理室の性能が所定の性能レベルを維持しているか、また、プラズマ処理室が複数ある場合には、性能の機差が充分抑えられているか等の評価を可能としたものである。
【0039】
この高周波特性Aの測定は瞬時に行うことができるので、基板への実際の成膜等による従来の検査方法を採用した場合に比べて、大幅に評価時間を短縮することができる。また、性能評価に必要な検査用基板等の費用、この検査用基板の検査処理費用、および、評価作業に従事する作業員の人件費等の、コストを削減することが可能となる。
そのため、本発明に係るプラズマ処理装置の評価方法によれば、プラズマ処理装置の性能評価を瞬時にしかもコストをかけずに行うことができる。また、本発明に係る保守方法によれば、性能評価結果を瞬時に、かつコストをかけずに行うことができるので、所望の頻度で性能評価を行い、その結果を直ちに反映して是正作業を行うことができる。また、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムによれば、メーカー等が管理するサーバーを利用することにより、納入先の使用者等が簡便に性能評価結果を知ることができる。また、本発明に係るプラズマ処理装置によれば、高周波特性Aという、常時確認可能な指標により性能を維持されるので、良好なプラズマ処理を行うことが可能となる。さらに、本発明に係るプラズマ処理装置の性能確認システムによれば、販売保守者が管理するサーバーを利用することにより、購入発注者が、プラズマ処理装置の動作性能状況を簡便に知ることができる。
【0040】
従って、何れの発明も、問題のあるプラズマ処理作業を行ってしまうことを事前に回避し、良好な状態にプラズマ処理装置を保つことに寄与するものである。また、プラズマ処理室に対して、常に同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、プラズマチャンバにおいて例えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性の膜を継続して得ることを可能とするものである。
なお、プラズマ処理装置が、複数のプラズマチャンバを有していたり、複数のプラズマ処理装置が結合してプラズマ処理システムを構成している場合には、各プラズマチャンバ毎にこの高周波特性Aを求めて指標とすることができる。
【0041】
上記各発明において、前記高周波特性Aの測定位置は、前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部とされる測定位置とすることができる。
これにより、高周波特性の変動を評価することで、プラズマ空間で消費される実効的な電力の変動を評価することができる。そして、同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得ることができるかどうかの評価が可能となる。
【0042】
また、本発明においては、上記の測定位置に変えて、前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体(給電線)に接続される前記入力端子とされる測定位置を前記高周波特性Aの測定位置とすることができる。
これにより、プラズマ処理室だけでなく、整合回路も含めて電気的高周波特性を評価することができる。そのため、上記測定位置で評価するのと比較して、プラズマ空間で消費される実効的な電力の評価、ひいてはプラズマ処理結果に対する評価をより的確に行うことができる。
【0043】
また、上記の測定位置に変えて、前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体(給電線)の前記高周波電源側端部とされる測定位置を前記高周波特性Aの測定位置とすることができる。
これにより、プラズマ処理室と整合回路だけでなく、高周波電力給電体も含めて電気的高周波特性を評価することができる。そのため、上記2つの測定位置で評価するのと比較して、プラズマ空間で消費される実効的な電力の評価、ひいてはプラズマ処理結果に対する評価を、さらに的確に行うことができる。
【0044】
上記各発明において、前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかとすることができる。これにより、電気的高周波的な特性でプラズマ処理装置を評価することが可能となる。なお、この内共振周波数fとしては、後述するように、高周波電力を供給する際に整合回路の出力端に接続される高周波電力配電体の端部で測定したプラズマ処理室の第1直列共振周波数 や、前記電極と協働してプラズマを発生する対向電極との容量によって規定される直列共振周波数 を採用したりすることができる。
高周波特性Aとしては、これらの他に数1で示される電圧電流の振幅比や数2で示される電圧電流の位相差等を適宜採用できる。
【0045】
【数1】
Figure 0003600144
【0046】
【数2】
Figure 0003600144
【0047】
ここで、前記高周波特性Aとして、インピーダンスZを採用した場合には、このインピーダンスZは、プラズマ励起する周波数における値であるから、Zとθとの周波数依存性を測定してはじめて把握可能なパラメータである共振周波数fに対して、プラズマチャンバの高周波数特性の周波数依存性を見る必要がなく、共振周波数fに比べて把握が容易である。また、プラズマチャンバのプラズマ励起する周波数における電気的高周波的特性をより直接的に捉えることができるパラメータである。
また、レジスタンスR、および、リアクタンスX、を採用した場合には、これらレジスタンスRとリアクタンスXとのベクトル量であるインピーダンスZを見ることに比べて、さらに直接的にプラズマチャンバのプラズマ励起する周波数における電気的高周波的特性を捉えることができる。
【0048】
また、前記高周波特性Aとしては、第1直列共振周波数f を採用することができる。
この第1直列共振周波数f は、機械的な構造をその多くの要因として決まる電気的高周波的な特性であり、各プラズマ処理室(プラズマチャンバ)ごとに異なっていると考えられる。また、この第1直列共振周波数f は、プラズマ発生の安定性や均一な動作に密接に関係する評価指標であると考えられる。
これにより、高周波特性Aとして、第1直列共振周波数f を選択した場合には、より的確な性能評価が可能となるものである。
【0049】
なお、前記高周波特性Aとして、共振周波数fを採用した場合には、第1直列共振周波数f 以外の直並列共振周波数にも着目するので、チャンバ内で分岐されたすべての電流経路の特性を見ることになる。そのため、第1直列共振周波数f を採用する場合に比べて、機差をより詳細に確認できるメリットを有するが、解析に手間を要するというデメリットを有する。
【0050】
ここで、第1直列共振周波数f の定義について説明する。
まず、プラズマチャンバのインピーダンスの周波数依存性を計測する。このとき、後述するようにプラズマチャンバのインピーダンス測定範囲を規定し、このインピーダンス測定範囲に対して、供給する電力周波数f を含む範囲で測定周波数を変化させてインピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定することにより、プラズマチャンバのインピーダンスの周波数依存性を計測する。ここで、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の値に設定される電力周波数f に対応して、測定周波数を例えば1MHz〜100MHz程度の範囲に設定する。
図6は第1直列共振周波数f を説明するためのインピーダンスZと位相θとの周波数依存特性を示すグラフである。
ついで、図6に示すように、測定周波数に対してインピーダンスZと位相θをプロットしてインピーダンス特性曲線および位相曲線を描画し、インピーダンスZの極小値のうち周波数の最小のもの、つまり、測定周波数の低い側から数えて一番最初に位相θがマイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロとなる周波数を、第1直列共振周波数f として定義する。
【0051】
次に、前述のプラズマチャンバのインピーダンス測定範囲(高周波数特性測定範囲)について説明する。
プラズマチャンバには整合回路を介して高周波電源が接続されているが、この整合回路の出力端子よりも出力側をインピーダンス測定範囲とする。
ここで、整合回路は、プラズマチャンバ内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する構成とされている。
図2は整合回路2Aを示す模式図である。
例えば、整合回路2Aとしては、図2に示すように、高周波電源1とプラズマ放電用の電極4との間に、コイル23とチューニングコンデンサ24とが直列に設けられ、さらに、高周波電源1には他のロードコンデンサ22が並列に接続され一端がアースされている構成の整合回路2Aが挙げられる。このような整合回路の受動素子のうち、出力最終段の受動素子の出力端子位置で切り離す、つまり、直接電極4側に接続される素子、上記例の場合は、チューニングコンデンサ24の出力端子位置PRで、整合回路2Aを切り離した状態で、これよりも先のプラズマチャンバ部分を前記測定範囲と定義する。
【0052】
また、上記の測定位置に変えて、図2に示すように、高周波電源1と整合回路2Aを接続する給電線(高周波電力給電体)1Aを、高周波電源1側端部からから切り離し、この高周波電源1側端部とされる測定位置PR2で、高周波電源1Aを切り離した状態で、これよりも先のプラズマチャンバ部分を前記測定範囲と定義することができる。
さらに、上記の測定位置に変えて、図2に示すように、高周波電源1と整合回路2Aを接続する給電線(高周波電力給電体)1Aを、整合回路2A側端部からから切り離し、この整合回路2Aの給電線1Aに接続される入力端子とされる測定位置PR3で、高周波電源1Aおよび給電線1Aを切り離した状態で、これよりも先のプラズマチャンバ部分を前記測定範囲と定義することができる。
【0053】
上記各発明において、前記高周波特性Aの、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値と比較する所定の値に特に制限はないが、例えば、Aの10%と設定することができる。この場合、たとえばプラズマCVD装置において、堆積速度の変動を5%以内に抑えることができる。
また、より好ましくは、Aの3%と設定することができる。この場合、たとえばプラズマCVD装置において、堆積速度の変動を2%以内に抑えることができる。
【0054】
上記本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムは、たとえば、プラズマ処理装置のメーカー、流通業者、メンテナンス業者等からユーザー等にプラズマ処理装置を納入するに際して、搬送元で分解後、納入先に搬送して、納入先にて再組み立てをするという一連の処理工程を経た後、あるいは、その後の使用期間中のように、時刻tからある時間が経過した後の時刻tにおいて、プラズマ処理装置の性能が維持されているかどうかを評価しその性能を管理するシステムである。
本管理システムにおけるサーバーは、プラズマ処理装置のメーカー、流通業者、メンテナンス業者等の搬送元が管理するものであるが、その設置場所は搬送元に特に限定されない。このサーバーは高周波特性Aの分解前の値Aを記憶している。そして、この記憶したAを用いて、搬入先にあるプラズマ処理装置の性能を評価するものである。
【0055】
このAの値は、メーカー等で管理している標準的な高周波特性Aの値としても良いが、プラズマ処理室の固有番号毎にAの値を記憶することにより、納入先の個別のプラズマ処理装置に対応して、より的確な評価ができる。従って、より精度の高い管理システムとすることができる。
なお、プラズマ処理室の固有番号とは、プラズマ処理室を個別に特定できる番号であれば特に限定はなく、その形式は数字だけでなく文字等を含むものであってもよい。例えば、プラズマ処理室を一つ備えたプラズマ処理装置の場合、当該プラズマ処理装置の製造番号を、当該プラズマ処理装置の固有番号として扱うこともできる。
【0056】
サーバーには、納入先に設置された入出力装置が通信回線で接続されている。この通信回線の媒体や形式に特に限定はなく、離間した地点におかれたサーバーと入出力装置との間で信号の授受ができるものであればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々の通信形式を活用できる。また、納入先の入出力装置にも特に限定はなく、パーソナルコンピュータ、専用端末機、電話機等を利用する通信回線の種類等に適応できる範囲で適宜選択できる。
【0057】
サーバーは、係る納入先入出力装置から再組み立て後における値Aを受信する。また、必要に応じてプラズマ処理装置の固有番号を受信する。ここで、再組み立て後とは、再組み立て直後だけでなく、その後の使用期間中を含むものである。すなわち、サーバーは、納入先のプラズマ処理装置の性能を反映する値Aを、適宜継続して受信できるものである。
納入先入出力装置からサーバーに対して、Aの値やプラズマ処理装置の固有番号を送信するためには、納入先入出力装置に納入先のユーザーや、納入先を訪問したサービスマン等がこれらの値を手で入力することができるが、この入力作業は適宜自動化や省力化が可能である。例えば、納入先入出力装置に、プラズマ処理装置に接続されたインピーダンス測定器を接続して、インピーダンス測定器から前記サーバーに、Aを直接送信することができる。また、単独のプラズマ処理室を備えたプラズマ処理装置を単独で使用する納入先においては、プラズマ処理装置の固有番号を一度納入先入出力装置に登録し、その後は入力作業を省略することができる。
【0058】
サーバーは、上記高周波特性A、Aの値から、内部の演算処理装置を用いてAと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算する。そして、その値が所定の値より小さい値である場合には、所定の性能を維持している旨の信号を、所定の値以上の値である場合には、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々評価情報として納入先入出力装置に発信する。すなわち、納入先入出力装置は評価情報を受信することができ、これにより、納入先においてプラズマ処理装置の性能評価結果を把握することが可能となる。なお、納入先入出力装置は、評価情報を表示器に表示したり、プリントアウトしたり、あるいは警報信号を発する等、適宜の方法で評価情報をユーザー等に伝達することができる。
【0059】
サーバーは、また、搬送元において出力装置を備え、ΔAの絶対値が所定の値を超える場合に、前記出力装置から、評価情報として保守作業命令を出力することができる。この場合、対応するプラズマ処理室の固有番号も併せて出力することが望ましい。これにより、納入先のプラズマ処理装置の不具合を搬送元においていち早く把握し、直ちに保守サービスを提供することができる。
なお、サーバーが搬送元におかれていない場合には、サーバーと出力装置との間には任意の通信回線が使用される。
【0060】
サーバーが、納入先入出力装置と搬送元の出力装置との双方に評価情報を提供する場合、両評価情報の基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくともよい。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報については、所定の値をAの10%とし、この値を越えたときに所定の性能を維持していない旨の信号を発信し、一方、搬送元の出力装置には、所定の値をAの3%として、この値を越える場合に保守作業命令を出力するようにしても良い。このように、搬送元の出力装置に対して、納入先入出力装置に対するよりも厳しい評価基準に基づき保守作業命令が出される場合には、納入先のプラズマ処理装置の性能が大きく変動する以前に搬送元による保守サービスを行うことができる。すなわち、より先手を打った保守体制を確立することができる。
【0061】
上記本発明に係る他のプラズマ処理装置の性能管理システムもまた、たとえば、プラズマ処理装置のメーカー、流通業者、メンテナンス業者等からユーザー等にプラズマ処理装置を納入するに際して、搬送元で分解後、納入先に搬送して、納入先にて再組み立てをするという一連の処理工程を経た後、あるいは、その後の使用期間中のように、時刻tからある時間が経過した後の時刻tにおいて、プラズマ処理装置の性能が維持されているかどうかを評価しその性能を管理するシステムである。
本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの特徴が、先のプラズマ処理装置の性能管理システムの特徴と異なる点は、サーバーが、各々所定の値の範囲によって決められた故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶すると共に、搬送元における出力装置を備える点である。そして、サーバーが、ΔAの絶対値を演算した後、その値が、何れかの故障レベルの所定の値の範囲である場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力するという処理を行う点にある。
【0062】
この性能管理システムの場合、搬送元では、保守作業命令が出力されると共に、どの程度の故障レベルかや、その故障レベルに応じてランク分けされたサービスエンジニアの情報も出力される。
そのため、この本発明に係る他のプラズマ処理装置の性能管理システムによれば、遠隔地に納入したプラズマ処理装置であっても、搬送元において、その故障レベルを把握することができる。そして、その故障レベルに応じて、教育訓練度合の異なるサービスエンジニアを派遣することができる。従って、人材活用が合理化できると共に、迅速、かつ、的確なサポートが可能となる。すなわち、装置納入後のフィールドサポート体制の合理化が可能となるものである。
【0063】
また、本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムにおいて、販売保守者がアップロードした各プラズマ処理室ユニットの動作性能状況を示す性能状況情報に対して、購入発注者が情報端末から公衆回線を介して閲覧を可能とすることにより、購入発注者に対して、購入後の使用時における、プラズマ処理装置の動作性能・保守情報を容易に提供することが可能となる。また、前記性能状況情報が、上述したようにプラズマ処理装置に対する性能パラメータとしての前記第1直列共振周波数f 等の高周波特性Aを含むことにより、購入発注者のプラズマ処理装置に対する性能判断材料を提供することが可能となる。さらに、前記性能状況情報を、カタログまたは仕様書として出力することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本実施形態のプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図、図2は図1におけるプラズマ処理装置の整合回路を示す模式図である。
【0065】
本実施形態のプラズマ処理装置は、CVD( chemical vapor deposition)、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなう1周波励起タイプのプラズマ処理装置とされ、図1に示すように、プラズマを励起するための平行平板型電極4,8を有するプラズマチャンバ(プラズマ処理室)CNと、この電極3に接続された高周波電源1と、前記プラズマチャンバCNと前記高周波電源1とのインピーダンス整合を得るための整合回路2Aとを具備する構成とされる。同時に、本実施形態のプラズマ処理装置は、後述するように、高周波特性Aとして前記整合回路2Aの出力端子位置PRから測定した前記プラズマチャンバCNの第1直列共振周波数f の3倍が、前記高周波電源1からプラズマチャンバCNに供給される電力周波数f より大きな値の範囲になるようにf00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。そして、分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後の使用期間においても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。
【0066】
さらに詳細に説明すると、本実施形態のプラズマ処理装置は、図1,図2に示すように、プラズマチャンバCNの上部に高周波電源1に接続されたプラズマ励起電極(電極)4およびシャワープレート5が設けられ、プラズマチャンバCNの下部にはシャワープレート5に対向して被処理基板16を載置するサセプタ電極(電極)8が設けられている。プラズマ励起電極(電極)4は、給電板(高周波電力配電体)3および整合回路2Aを介して第1の高周波電源1と接続されている。これらプラズマ励起電極4および給電板3は、シャーシ21に覆われるとともに、整合回路2Aは導電体からなるマッチングボックス2の内部に収納されている。
給電板3としては、幅50〜100mm、厚さ0.5mm、長さ100〜300mmの形状を有する銅の表面に銀めっきを施したものが用いられており、この給電板3は整合回路2Aからの端子およびプラズマ励起電極4にそれぞれネジ止めされている。
【0067】
また、プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には凸部4aが設けられるとともに、このプラズマ励起電極(カソード電極)4の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が形成されている。この空間6にはガス導入管17が接続されている。
このガス導入管17は、導体からなるとともに、ガス導入管17の途中には絶縁体17aがシャーシ21内側位置に介挿されてプラズマ励起電極4側とガス供給源側とが絶縁される。同時に、ガス導入管17には、シャーシ21の側壁を貫通する部分の外周を囲むように絶縁体17bが設けられており、ガス導入管17とシャーシ21とが絶縁されている。
【0068】
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の多数の孔7,7からチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。チャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とは絶縁体9により互いに絶縁されている。また、排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなるウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられている。
【0069】
サセプタ電極8はシャフト13で支持されており、このシャフト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベローズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセプタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
これらサセプタ電極8とシャフト13とが接続されて、シャフト13とベローズ11とチャンバ壁10とが接続されているため、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10は直流的に同電位となっている。さらに、チャンバ壁10とシャーシ21は接続されているため、チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2はいずれも直流的に同電位となっている。
【0070】
ここで、整合回路2Aは、プラズマチャンバCN内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する構成とされている。
整合回路2Aは、図1,図2に示すように、複数の受動素子として、高周波電源1と給電板3との間に、コイル23とチューニングコンデンサ24とが直列に設けられ、これらコイル23とチューニングコンデンサ24とには、並列にロードコンデンサ22が接続され、このロードコンデンサ22の一端はマッチングボックス21に接続されている。
マッチングボックス2は、同軸ケーブルとされる給電線1Aのシールド線に接続されており、このシールド線がアースされている。これにより、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2は接地電位に設定されることになり、同時に、ロードコンデンサ22の一端もアースされた状態となる。
【0071】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、サセプタ電極8に載置した基板16にCVD( chemical vapor deposition)、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなう。
このとき、高周波電力は、高周波電源1から給電線1Aの同軸ケーブル,整合回路2A,給電板3,プラズマ励起電極(カソード電極)4に供給される。一方、高周波電流の経路を考えた場合、電流はこれらを介してプラズマ空間(チャンバ室60)を経由した後、さらにもう一方の電極(サセプタ電極)8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10を通る。その後、シャーシ21,マッチングボックス2,給電線1Aのシールド線を通り、高周波電源1のアースに戻る。
【0072】
ここで、本実施形態のプラズマ処理装置における第1直列共振周波数f について説明する。
【0073】
第1直列共振周波数f は、プラズマチャンバCNのインピーダンスの周波数依存性を計測し、インピーダンスZの極小値のうち最小の周波数の値であり、この値が、前記電力周波数f より大きな値の範囲になるよう設定される。
この第1直列共振周波数f は、機械的な構造をその多くの要因としてきまる電気的高周波的な特性であり、具体的には図3,図4に示すように測定される。図3はプラズマ処理装置のインピーダンス特性を説明するための模式図であり、図4は、図3の等価回路を示す回路図である。
【0074】
プラズマチャンバCNの測定範囲としては、整合回路2Aの受動素子のうち出力最終段の受動素子の出力端子位置で切り離した状態をその対象とする。つまり、図3に示すように、給電板3に接続されるチューニングコンデンサ24(図2参照)の出力端子位置PRで、給電板3と整合回路2Aの端子とのネジ止めを外して整合回路2Aを切り離した状態のプラズマチャンバCNを測定範囲とする。
【0075】
そして図3に破線で示すように、インピーダンス測定器ANのプローブ105を切り離した出力端子位置PRおよびプラズマチャンバCNの例えばシャーシ21とされるアース位置に接続する。この状態で、インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば1MHz〜100MHzの範囲に変化させて、プラズマチャンバCNの上記測定範囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定する。
このプローブ105は、図3示すように、導線110上に絶縁被覆112を設け、この絶縁被覆112上に外周導体111を被覆してなるものである。このプローブ105は同軸ケーブルを通してインピーダンス測定器(共振周波数測定器)ANに接続されている。
【0076】
ついで、図5に示すように、測定周波数f(MHz)を横軸とし、縦軸としてインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)とを同一のグラフ上にプロットしていく。ここで、図において、左側の縦軸はインピーダンスZ(Ω)であり、右側の縦軸は位相θ(deg)に対応している。描画されたインピーダンス特性曲線および位相曲線のうち、インピーダンスの最小値Zmin の周波数、つまり、測定周波数fの低い側から数えて一番最初に位相θがマイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロとなる周波数を、第1直列共振周波数f として定義する。
【0077】
このとき、測定される第1直列共振周波数f に対して、考慮されている電気的高周波的要因は、図3に示すように、上記測定範囲のうち、以下のものが考えられる。
給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R
プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C
シャフト13のインダクタンスL および抵抗R
ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R
チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R
絶縁体17aを挟んでガス導入管17とプラズマ励起電極4との間の容量C
プラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量C
プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の容量C
【0078】
これらの電気的高周波的要因が、プラズマ発光時に供給される高周波電流が流れる回路と同様にして、図4に示すように、給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R 、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C 、シャフト13のインダクタンスL および抵抗R 、ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R 、チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R 、が順に直列に接続されてその終端の抵抗R がアースされるとともに、抵抗R とプラズマ電極容量C との間に、容量C ,容量C ,容量C の一端がアースされた状態でそれぞれ並列に接続された等価回路を形成しており、この等価回路のインピーダンス特性を計測することで、本実施形態の第1直列共振周波数f を定義することができる。
【0079】
このように定義された第1直列共振周波数f の3倍が、高周波電源1から供給される電力周波数f より大きな値の範囲になるようにf00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。そして、本プラズマ処理装置が分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後それが使用され被処理物のプラズマ処理が行われても、さらには、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。そのために、もし、Δfの絶対値がf00の10%以上となった場合は是正作業が行われる。
ここで、第1直列共振周波数f01を是正する方法としては、例えば、
▲1▼給電板3の形状、長さを調整する。
▲2▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10とのオーバーラップ面積を調整する。▲3▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の絶縁材の材質やその厚さを調節する。
▲4▼サセプタ8とチャンバ壁10とを導体で接続する等、調整する。
等の手法を適用することができる。
【0080】
例えば、本実施形態のプラズマ処理装置においては、電力周波数f を40.68MHzに設定して、0〜100MHzの範囲の測定周波数f(MHz)に対してインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)を測定し、図6に示すように、インピーダンス特性曲線および位相曲線を描画する。そして、
3f > f (1)
を満たすように、第1直列共振周波数f00を16.5MHzとして設定する。
【0081】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、分解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズマ処理)、あるいは調整作業が施された後においても、第1直列共振周波数f01 が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。そのため、ある時間が経過する間に、上記のような電気的高周波的な特性に影響を与える可能性のある事象があった場合にも、その時間の前後で、電気的高周波的な特性の差をなくすことが可能となり、これにより、インピーダンス特性を指標とする一定の管理幅内に本装置のプラズマチャンバCNの状態を維持することが可能となるので、プラズマ空間で消費される実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持することができる。
【0082】
その結果、上記のような電気的高周波的な特性に影響を与える可能性のある事象があった場合にも、その時間の前後で同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、プラズマチャンバCNにおいて例えばある時間を隔てて成膜をおこなった際に、経過した時間の前後で、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略同等な膜特性の膜を得ることが可能となる。具体的には、上記のΔf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値に維持することにより、時間の経過にかかわらず、すなわち、分解、搬送、再組み立てや使用回数、調整作業等の存在にかかわらず、略同一の条件で積層をおこなったプラズマチャンバCNにおいて、膜厚のばらつきの値を±5%の範囲におさめることができる。
そのため、従来考慮されていなかったプラズマ処理装置の全般的な電気的高周波的特性を設定することが可能となり、プラズマ発生の安定性を期待することができる。その結果、動作安定性が高く、プラズマチャンバCNで均一な動作が期待できるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
さらに、プラズマチャンバCNを複数備えたプラズマ処理装置、あるいはプラズマ処理装置を複数備えたプラズマ処理システムとして構成した場合には、複数のプラズマチャンバ間においても、同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果が得られる状態を維持することが可能となる。
これにより、膨大なデータから外部パラメータと実際の基板を処理するような評価方法による処理結果との相関関係によるプロセス条件の把握を不必要とすることができる。
【0083】
したがって、処理のばらつきをなくし同一のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために必要な調整時間を、被処理基板16への実際の成膜等による検査方法を採用した場合に比べて、第1直列共振周波数f を測定することにより、大幅に短縮することができる。しかも、処理をおこなった基板の評価によりプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をおこなうという2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズマ処理装置の評価を、しかも、プラズマ処理装置のプラズマチャンバCNが設置してある場所で短時間におこなうことが可能である。その上、被処理基板16への実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別々に行うしかなかった複数のプラズマチャンバCNを有するプラズマ処理装置の場合についても、結果をほぼ同時に得ることができる。
このため、製造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をする必要がなくなり、製造ラインとしての生産性を向上することができる。また、このような調整に必要な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能となる。
【0084】
さらに、本実施形態の各プラズマチャンバCNにおいては、その第1直列共振周波数f の3倍を、前記電力周波数f より大きな範囲の値に設定することにより、従来は、考慮されていなかったププラズマチャンバCNの全体的な電気的高周波的な特性をそれぞれ適正な範囲に収めることができる。これにより、各プラズマチャンバCNにおいて動作安定性を向上して、従来一般的に使用されていた13.56MHz程度以上の高い周波数の電力を投入した場合であっても、高周波電源1からの電力を、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ発生空間に効率よく導入することが可能となる。同時に、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力を大きくし、生成するプラズマ密度の上昇を図ることができる。
その結果、プラズマ励起周波数の高周波化による処理速度の向上を図ること、つまり、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。同時に、プラズマ発生の安定性を期待することができる。その結果、動作安定性の高いプラズマ処理装置を提供することが可能となる。しかも、これらを、複数のプラズマチャンバCNを備えたプラズマ処理装置、あるいはプラズマ処理システムとして構成することもできる。
【0085】
さらに、プラズマ空間に効率よく電力が供給されることにより、プラズマの不要な広がりも抑制でき、被処理基体16における膜面内方向におけるプラズマ処理の均一性の向上を図ることができ、成膜処理においては膜厚の膜面内方向分布の均一性の向上を図ることが可能となる。
同時に、プラズマ空間で消費される実効的な電力の増加により、プラズマCVD、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜状態の向上、すなわち、堆積した膜における絶縁耐圧や、エッチング液に対する耐エッチング性、そして、いわゆる膜の「固さ」つまり膜の緻密さ等の膜特性の向上を図ることが可能となる。
ここで、膜の緻密さは例えば、BHF液によるエッチングに対する浸食されにくさ、耐エッチング性によって表現可能である。
【0086】
また、本実施形態によれば、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の増加を図ることができるため、電力の消費効率を向上し、同等の処理速度もしくは膜特性を得るために、従来より少ない投入電力ですむようにできる。しかも、これらを、複数のプラズマチャンバCNを備えたプラズマ処理装置、あるいはプラズマ処理システムにおいて実現することもできる。したがって、本実施形態により、電力損失の低減を図ること、ランニングコストの削減を図ること、生産性の向上を図ることがより一層可能になる。同時に、処理時間をより短縮することが可能となるため、プラズマ処理時の電力消費に伴う二酸化炭素の総量を相当量削減することが可能となる。
【0087】
なお、図15に示すように、それぞれのインピーダンスが一致する複数本の導線101a〜101hの一端をプローブ取付具104に接続してなるフィクスチャを使用してプラズマチャンバCNのインピーダンス特性を測定することも可能である。
プローブ取付具104は、例えば50mm×10mm×0.5mmの銅板を、締め付け部106とリング部とができるように成形されている。リング部はプローブ105の外側にはめ込み可能な径とされる。このプローブ取付部104に導線101a〜101hの一端をハンダ付けなどにより電気的に接続する。
導線101a〜101hの他端には、測定対象(プラズマチャンバCN)との着脱用の端子(圧着端子)102a〜102hが取り付けられている。
このフィクスチャを使用するに際してはプローブ取付具104のリング状部104をプローブ105にはめ込み、締め付け部106で締め付けを行う。一方各導線101a〜101hは略点対称となるように圧着端子102a〜102hにおいて測定対象に、図16に示すように、ねじ114により着脱自在にねじ止めする
導体101a〜101hは、例えばアルミニウム、銅、銀、金により構成すればよく、または、銀、金を50μm以上メッキして構成してもよい。
【0088】
このようなフィクスチャを使用してインピーダンスを測定する方法を、図1、図15、及び図16を用いて説明する。
まずプラズマ処理装置の高周波電源1とマッチングボックス2をプラズマ処理装置から取り外す。インピーダンス測定具のプローブ105の導線110をマッチングボックス2と給電板3とを接続する導線113に接続する。次いでインピーダンス測定具のフィクスチャの導線101a〜101hに接続する圧着端子102a〜102hをプラズマ処理装置のハウジング21に給電板3を中心とする略点対称となるようにネジ114によってネジ止めする。インピーダンス測定具をこのように配置した後、測定信号をインピーダンス測定具の導線110に供給し、前記プラズマ処理装置の給電板3からプラズマ空間60を経てハウジング21に至る経路のインピーダンスを測定する。
これにより、測定対象の大きさ、あるいは、測定する2点間の距離に制約を与えることなく、かつ、測定対象に均一に電流を流すことができ、測定対象のインピーダンスを測定するのに影響を及ぼさない残留インピーダンス値を設定することにより、正確にインピーダンス測定をおこなうことができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、図1に示したように、サセプタ電極側8に基板16を載置してプラズマ励起電極4に対する電力周波数f と第1直列共振周波数f とを設定したが、カソード電極4側に基板16を取り付けるよう対応することも可能である。
【0090】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第2実施形態]
図7は本実施形態のプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
【0091】
本実施形態のプラズマ処理装置は、2周波励起タイプのプラズマ処理装置とされ、図1〜図4に示した第1実施形態と異なるのはサセプタ電極8側に電力を供給する点と、測定用端子61に関する点と、第1直列共振周波数f の設定に関する点である。それ以外の対応する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、高周波特性Aとして前記整合回路2Aの出力端子位置PRから測定した前記プラズマチャンバCNの第1直列共振周波数f の1.3倍が、前記高周波電源1からプラズマチャンバCNに供給される電力周波数f より大きな値の範囲になるようにf00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。そして、分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後の使用期間においても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。
【0092】
本実施形態のプラズマ処理装置は、図7に示すように、サセプタ電極8の周囲にサセプタシールド12が設けられ、サセプタ電極8およびサセプタシールド12はベローズ11により上下動可能に構成されている。この構成により、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間の距離が調整可能となっている。また、サセプタ電極8は、シャフト13下端に接続された給電板28、および、導電体からなるサセプタ電極側マッチングボックス26内部に収納された整合回路25を介して第2の高周波電源27と接続されている。
これら給電板28は、サセプタシールド12の支持筒12B下端に接続されたシャーシ29に覆われるとともに、シャーシ29は、同軸ケーブルとされる給電線27Aのシールド線によって接続されマッチングボックス26とともにアースされている。これにより、サセプタシールド12,シャーシ29,マッチングボックス26は直流的に同電位となっている。
【0093】
ここで、整合回路25は、第2の高周波電源27とサセプタ電極8との間のインピーダンスの整合を図るものとされ、この整合回路25としては、図7に示すように、複数の受動素子として、第2の高周波電源27と給電板28との間に、コイル30とチューニングコンデンサ31とが直列に設けられ、これらと並列にロードコンデンサ32が接続され、このロードコンデンサ32の一端はマッチングボックス26に接続されており、整合回路2Aと略同様の構成とされている。マッチングボックス26は給電線27Aのシールド線を介して接地電位に設定されており、同時に、ロードコンデンサ32の一端がアースされている。なお、コイル30と直列にチューニングコイルを接続することや、ロードコンデンサ32と並列にロードコンデンサを設けることも可能である。
給電板28としては給電板3と同様なものが適用され、この給電板28は整合回路25からの端子およびシャフト13にそれぞれネジ止めされている。
【0094】
本実施形態のプラズマチャンバCNの測定範囲である、整合回路2Aの受動素子のうち出力最終段の受動素子であるチューニングコンデンサ24の出力端子位置PRには、前記プラズマチャンバCNのインピーダンス測定用端子(共振周波数測定用端子)61が設けられている。このインピーダンス測定用端子61は、第1実施形態で測定範囲を規定した出力端子位置PRから、導体によってシャーシ21の外部までのびている。
【0095】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、第1、第2の高周波電源1,27からプラズマ励起電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワープレート5を介して反応ガスをチャンバ60内に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16に対して成膜等のプラズマ処理をおこなう。このとき、第1の高周波電源1から13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入する。そして、第2の高周波電源27からも第1の高周波電源1と同等の電力を供給するか、または、異なる周波数の電力、例えば1.6MHz程度の電力を投入することもできる。
【0096】
ここで、本実施形態のプラズマ処理装置における第1直列共振周波数f は、第1実施形態と同様にして測定・定義する。本実施形態の第1直列共振周波数f は、具体的には図8,図9に示すように測定・定義される。
図8は本実施形態のプラズマ処理装置のインピーダンス特性を説明するための模式図であり、図9は、図8の等価回路を示す回路図である。
【0097】
本実施形態のプラズマチャンバCNの測定範囲としては、インピーダンス測定用端子61からみたプラズマチャンバCNの状態をその対象とする。つまり、図9に示すように、第1実施形態における測定範囲に対して、チューニングコンデンサ24の出力端子位置PRと直列に接続されたインピーダンス測定用端子61、および、出力端子位置PRから給電板3等と並列に接続された整合回路2A、サセプタ電極8に接続された整合回路25をも含んで測定範囲とする。
ここで、図には高周波電源1,27が記載してあるが、これらは電力供給状態を示すものではなく、整合回路2A,25の設置状態を示すことを主眼とするものである。というのも、電力供給状態においては、インピーダンス特性を計測することはできないからである。
【0098】
そして、図8に破線で示すように、インピーダンス測定器ANのプローブ105をインピーダンス測定用端子61およびプラズマチャンバCNの例えばシャーシ21とされるアース位置に接続する。この状態で、インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば1MHz〜100MHzの範囲に変化させて、プラズマチャンバCNの上記測定範囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定する。
【0099】
ついで、図10に示すように、測定周波数f(MHz)を横軸とし、縦軸としてインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)とを同一のグラフ上にプロットしていく。ここで、図において、左側の縦軸はインピーダンスZ(Ω)であり、右側の縦軸は位相θ(deg)に対応している。描画されたインピーダンス特性曲線および位相曲線のうち、インピーダンスの最小値Zmin の周波数、つまり、測定周波数fの低い側から数えて一番最初に位相θがマイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロとなる周波数を、第1直列共振周波数f として定義する。
【0100】
このとき、測定される第1直列共振周波数f に対して、考慮されている電気的高周波的要因は、図8に示すように、上記測定範囲のうち、以下のものが考えられる。
整合回路2Aからの寄与
給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R
プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C
整合回路25からの寄与
サセプタ電極8とサセプタシールド12との間の容量C
シャフト13のインダクタンスL および抵抗R
ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R
チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R
絶縁体17aを挟んだガス導入管17とプラズマ励起電極4との間の容量C
プラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量C
プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の容量C
【0101】
これらの電気的高周波的要因が、プラズマ発光時に供給される高周波電流の流れる回路と同様と見なせる状態として、図9に示すように、給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R 、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C 、サセプタ電極8とサセプタシールド12との間の容量C 、シャフト13のインダクタンスL および抵抗R 、ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R 、チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R が、順に直列に接続されてその終端の抵抗R がアースされるとともに、出力端子位置PRに接続された整合回路2Aからの寄与、抵抗R とプラズマ電極容量C との間に一端がアースされた状態でそれぞれ並列に接続された容量C ,容量C ,容量C 、および、プラズマ電極容量C と容量C との間に接続された整合回路25からの寄与が、等価回路を形成しており、この等価回路のインピーダンス特性を計測することで、本実施形態の第1直列共振周波数f を定義することができる。
【0102】
このように定義された第1直列共振周波数f の1.3倍が、高周波電源1から供給される電力周波数f より大きな値の範囲になるようにf00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。そして、本プラズマ処理装置が分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後それが使用され被処理物のプラズマ処理が行われても、さらには、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。そのために、もし、Δfの絶対値がf00の10%以上となった場合は是正作業が行われる。
ここで、第1直列共振周波数f01を是正する方法としては、例えば、
▲1▼給電板3の形状を変化させる。
▲2▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10とのオーバーラップ面積を制御する。
▲3▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の絶縁を厚くする。
▲4▼サセプタシールド12とチャンバ壁10とを短絡する。
等の手法を適用することができる。
【0103】
例えば、本実施形態のプラズマ処理装置においては、電力周波数f を40.68MHzに設定して、0〜100MHzの範囲の測定周波数f(MHz)に対してインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)を測定し、図10に示すように、インピーダンス特性曲線および位相曲線を描画する。そして、
1.3f > f (2)
を満たすように、第1直列共振周波数f00を42.5MHzとして設定する。
【0104】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、第1実施形態と同等の効果を奏するとともに、前記プラズマチャンバCNの前記整合回路2Aの出力端子位置PRに、前記プラズマチャンバCNのインピーダンス測定用端子61を設けることにより、プラズマチャンバCNのインピーダンス特性測定時において、第1実施形態のようにプラズマチャンバCNと整合回路2Aとを切り離すために、電力供給線と整合回路2Aとを着脱する必要がない。このため、前記プラズマチャンバCNのインピーダンス特性を測定する際のプロービングを容易におこなうことが可能となり、第1直列共振周波数f の測定時における作業効率を向上することができる。
ここで、インピーダンス測定用端子61にインピーダンス測定器ANを接続してプラズマチャンバCNの周波数特性を測定する際に、測定用端子61からみるとプラズマチャンバCNと並列に整合回路2Aが接続されており、一見すると測定すべきインピーダンスに対して正確な測定ができないようにみえる。しかし、高周波電力供給時に使用される整合回路2Aを並列に接続した場合、図10に破線で示す整合回路2Aが接続されていない場合のインピーダンスZに比べて、図10に実線で示すように、インピーダンス特性曲線の形状は変化するが、急峻になっている第1直列共振周波数f 付近ではあまり変化がない。したがって、この第1直列共振周波数f を測定する際には、並列に接続された整合回路2Aの影響は少ないといえるので、第1直列共振周波数f を簡便に測定することが可能となる。
【0105】
なお、本実施形態において、インピーダンス測定用端子61が、マッチングボックス2を貫通せずに、インピーダンスを測定する際にプラズマ処理装置の高周波電源1とマッチングボックス2をプラズマ処理装置から取り外すように構成することも可能である。この場合にも、第1実施形態のようにプラズマチャンバCNと整合回路2Aとを切り離すために、電力供給線と整合回路2Aとを着脱する必要がなく、第1直列共振周波数f の測定時における作業効率を向上することができる。
【0106】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第3実施形態]
図11は本実施形態のプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
【0107】
本実施形態のプラズマ処理装置は、2周波励起タイプのプラズマ処理装置とされ、図7〜図9に示した第2実施形態と異なるのは、測定用端子61付近の構成に関する点と、第1直列共振周波数f および直列共振周波数f’の設定に関する点である。それ以外の対応する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、高周波特性Aとして前記整合回路2Aの出力端子位置PRから測定した前記プラズマチャンバCNの第1直列共振周波数f が、前記高周波電源1からプラズマチャンバCNに供給される電力周波数f の3倍りよ大きな値の範囲になるように、f00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。
また、後述するように、他の高周波特性A’として電極間4,8の容量C によって規定される直列共振周波数f’が、電力周波数f の(電極間の距離d/プラズマ非発光部の距離δ)の平方根倍よりも大きくなるように、f00’(高周波特性A’)が設定されて設計、製造されている。
そして、分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後の使用期間においても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。また、その時の直列共振周波数f01’(高周波特性A’)も、f01’とf00’との差Δf’(ΔA’)の絶対値がf00’の10%より小さい値となるように維持されている。
【0108】
本実施形態のプラズマ処理装置は、図11に示すように、整合回路2Aの出力端子位置PR付近に、前記整合回路2Aと前記インピーダンス測定用端子(共振周波数測定用端子)61とを切り替えるスイッチとして、整合回路2Aと給電板3との間に設けられるスイッチSW1と、インピーダンス測定用端子61と給電板との間に設けられるスイッチSW2とが設けられている。
これらスイッチ、SW1,SW2は、前記高周波電力配電体3端部と前記共振周波数測定用端子61との間に、プラズマを励起する際には前記配電体3端部と前記測定用端子61との電気的接続(SW2)を切るとともに前記配電体3端部と前記整合回路2Aの出力端子PRとの電気的接続(SW1)を確保し、かつ、前記プラズマ処理室CNの共振周波数を測定する際には前記配電体3端部と前記測定用端子61との電気的接続を確保するとともに前記配電体3と前記整合回路2Aの出力端子PRとの電気的接続を切断するものとされている。
【0109】
ここで、スイッチSW1,SW2を整合回路2A側に接続した場合における整合回路2Aの出力端子位置PR側からのインピーダンス特性(共振周波数特性)と、スイッチSW1,SW2を前記インピーダンス測定用端子61側に接続した場合におけるインピーダンス測定用端子61側からのインピーダンス特性(共振周波数特性)とが等しく設定さる、つまり、後述の図11に示すように、スイッチSW1付近のインピーダンスZ とスイッチSW2付近のインピーダンスZ とが等しく設定される。
すなわち、前記スイッチSW1,SW2により、前記高周波配電体3端部と前記共振周波数測定用端子61との電気的接続を切るとともに前記配電体3端部と前記整合回路2Aの出力端子PRとの電気的接続を確保した場合における前記整合回路2Aの出力端子PR位置で測定する共振周波数特性と、前記スイッチSW1,SW2により、前記配電体3端部と前記測定用端子61との電気的接続を確保するとともに前記配電体3と前記整合回路2Aの出力端子PRとの電気的接続を切断した場合における前記共振周波数測定用端子61で測定した共振周波数特性と、が等しく設定されてなる。
【0110】
これは、スイッチSW1を整合回路2A側に接続してスイッチSW2を開いた場合における整合回路2Aの出力端子PR側つまり出力端子位置PRからスイッチSW2への分岐点BまでのインピーダンスZ と、前記スイッチSW2を前記インピーダンス測定用端子61側に接続してスイッチSW1を開いた場合におけるインピーダンス測定用端子61側つまりインピーダンス測定用端子61からスイッチSW1への分岐点BまでのインピーダンスZ とが等しく設定されるということを意味している。
インピーダンス測定用端子61には、図8に示した第2実施形態と同様に、インピーダンス測定器ANのプローブが着脱自在に接続されてなる。このプローブには、同時に、プラズマチャンバCNの例えばシャーシ21とされるアース位置に着脱自在に接続されている。
【0111】
ここで、本実施形態のプラズマ処理装置における第1直列共振周波数f は、第2実施形態と同様にして測定・定義する。本実施形態の第1直列共振周波数f は、具体的には図11,図12に示すように測定・定義される。
図12は図11の本実施形態のプラズマ処理装置のインピーダンス特性測定用の等価回路を示す回路図である。
【0112】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、スイッチSW1を閉じるとともに、スイッチSW2を開いた状態において、図7〜図9に示した第2実施形態と同様にして、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、第1、第2の高周波電源1,27からプラズマ励起電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワープレート6を介して反応ガスをチャンバ60内に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16に対して成膜等のプラズマ処理をおこなう。このとき、第1の高周波電源1から13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入する。そして、第2の高周波電源27からも第1の高周波電源1からと同等か、異なる周波数の電力、例えば1.6MHz程度の電力を投入することもできる。
【0113】
本実施形態のプラズマチャンバCNの測定範囲としては、インピーダンス測定用端子61からみたプラズマチャンバCNの状態をその対象とする。これは、図11に示すように、スイッチSW1付近のインピーダンスZ とスイッチSW2付近のインピーダンスZ とが等しく設定されたことで、出力端子位置PRからみた状態のプラズマチャンバCNの測定範囲に等しいものとなっている。
これは、図11に示すように、第2実施形態における測定範囲に対して、スイッチSW1によって整合回路2Aを測定範囲から切り離し、測定範囲外とすることができるため、プラズマチャンバCN単独のより正確なインピーダンス特性を測定することが可能となる。ここで、第2実施形態における測定範囲と比べるとスイッチSW2が加わっているが、これは、プラズマ発光時にはスイッチSW1は閉じた状態となっている、つまり、インピーダンス特性に対するスイッチSW1の寄与が存在していることに対応している。すなわち、このスイッチSW1付近のインピーダンスZ と等しいインピーダンスZ を有するスイッチSW2付近を含んで上記測定範囲とすることにより、インピーダンス測定用端子61からみたプラズマチャンバCNの測定範囲を、実際にプラズマ発光時に高周波電流の流れる回路状態に近づけてインピーダンス測定の正確性をより向上することが可能となる。
【0114】
そして、スイッチSW2を閉じるとともに、スイッチSW1を開いた状態に設定して、図7〜図9に示した第2実施形態と同様にして、インピーダンス測定器ANの発振する測定周波数を例えば1MHz〜150MHzの範囲に変化させて、プラズマチャンバCNの上記測定範囲に対するインピーダンスのベクトル量(Z,θ)を測定する。ここで、インピーダンス測定器ANが、インピーダンス測定用端子61に着脱自在に接続されてなることにより、プラズマチャンバCNと整合回路2Aとを着脱することなく、かつ、第2実施形態における図8に示したインピーダンス測定プローブ105を着脱することなく、スイッチSW1,SW2切り替えのみによりインピーダンス特性の測定および第1直列共振周波数f の測定を容易におこなうことが可能となる。
【0115】
ついで、図13に示すように、測定周波数f(MHz)を横軸とし、縦軸としてインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)とを同一のグラフ上にプロットしていく。ここで、図において、左側の縦軸はインピーダンスZ(Ω)であり、右側の縦軸は位相θ(deg)に対応している。描画されたインピーダンス特性曲線および位相曲線のうち、インピーダンスの最小値Zmin の周波数、つまり、測定周波数fの低い側から数えて一番最初に位相θがマイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロとなる周波数を、第1直列共振周波数f として定義する。
【0116】
このとき、測定される第1直列共振周波数f に対して、考慮されている電気的高周波的要因は、図13に示すように、上記測定範囲のうち、以下のものが考えられる。
スイッチSW2のインダクタンスLSWおよび抵抗RSW
給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R
プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C
整合回路25からの寄与
サセプタ電極8とサセプタシールド12との間の容量C
シャフト13のインダクタンスL および抵抗R
ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R
チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R
絶縁体17aを挟んでガス導入管17とプラズマ励起電極4との間の容量C
プラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量C
プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の容量C
【0117】
これらの電気的高周波的要因が、プラズマ発光時に供給される高周波電流が流れる回路と同様と見なせる状態として、図12に示すように、スイッチSW2のインダクタンスLSWおよび抵抗RSW、給電板(フィーダ)3のインダクタンスL および抵抗R 、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C 、サセプタ電極8とサセプタシールド12との間の容量C 、シャフト13のインダクタンスL および抵抗R 、ベローズ11のインダクタンスL および抵抗R 、チャンバ壁10のインダクタンスL および抵抗R 、が順に直列に接続されてその終端の抵抗R がアースされるとともに、抵抗R とプラズマ電極容量C との間に一端がアースされた状態でそれぞれ並列に接続された容量C ,容量C ,容量C 、および、プラズマ電極容量C と容量C との間に接続された整合回路25からの寄与が、等価回路を形成しており、この等価回路のインピーダンス特性を計測することで、本実施形態の第1直列共振周波数f を定義することができる。
【0118】
このように定義された第1直列共振周波数f が、高周波電源1から供給される電力周波数f の3倍より大きな値の範囲になるようにf00 (高周波特性A)が設定されて設計、製造されている。そして、本プラズマ処理装置が分解搬送後、納入先において再組み立てした後においても、さらに、その後それが使用され被処理物のプラズマ処理が行われても、さらには、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されても、その時の第1直列共振周波数f01 (高周波特性A)が、f01とf00 との差Δf(ΔA)の絶対値がf00の10%より小さい値となるように維持されている。そのために、もし、Δfの絶対値がf00の10%以上となった場合は是正作業が行われる。
ここで、第1直列共振周波数f を是正する方法としては、例えば、
▲1▼給電板3の形状、長さを太く短くする。
▲2▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10とのオーバーラップ面積を減少する。
▲3▼プラズマ励起電極4とチャンバ壁10との間の絶縁を厚くする。
▲4▼サセプタシールド12とチャンバ壁10とを導体で短絡する。
等の手法を適用することができる。
【0119】
例えば、本実施形態のプラズマ処理装置においては、電力周波数f を40.68MHzに設定して、0〜150MHzの範囲の測定周波数f(MHz)に対してインピーダンスZ(Ω)と位相θ(deg)を測定し、図13に示すように、インピーダンス特性曲線および位相曲線を描画する。そして、
> 3f (3)
を満たすように、第1直列共振周波数f00 を123.78MHzとして設定する。
【0120】
そして、本実施形態においては、プラズマ励起電極(電極)4とサセプタ電極(対向電極)8との間のプラズマ電極容量C によって規定される直列共振周波数f’を、前記電力周波数f の3倍より大きな値の範囲に設定する。
’ > 3f (4)
ここで、直列共振周波数f’は、上記の第1直列共振周波数f’における、インピーダンス特性の測定と同様にして、プラズマ励起電極4,サセプタ電極8間のインピーダンス特性として定義されるものである。
つまりサセプタ電極8の一端をアースして、プラズマ励起電極4の一端からインピーダンス特性を測定し、測定周波数fの低い側から数えて一番最初に位相θがマイナスからプラスに変化したときに、位相θがゼロとなる周波数を、直列共振周波数f’として定義している。
直列共振周波数f’は、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との機械的な形状によって規定される電気的高周波的な特性であり、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C の平方根の逆数に比例する値となる。これにより、直接プラズマを発光させる前記電極4,8の周波数特性を規定できるため、プラズマ発光空間に対して電力をより効果的に投入することができ、さらなる電力消費効率の向上か、または、処理効率の向上を図ることが可能となる。
【0121】
さらに、本実施形態においては、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C によって規定される直列共振周波数f’を、前記電力周波数f に対して、下記(5)式なる関係を満たすように設定する。
’ > (d/δ)1/2 (5)
【0122】
図14は、プラズマ発光状態における電極間の状態を示す模式図である。
図14に示すように、この対向する平行平板型とされるプラズマ励起電極4,サセプタ電極8間の距離をdとし、この電極4,8間の距離方向においてそれぞれの電極4,8と発光時のプラズマとの距離の和をδとする。つまり、プラズマ発光時に目視できるプラズマ発光領域Pとプラズマ励起電極4との間のプラズマ発光していない部分の距離をδ 、プラズマ発光領域Pとサセプタ電極8との間のプラズマ発光していない部分の距離をδ としたときに、式(6)に示すようにこれらの和をδとする。
δ +δ = δ (6)
ここで、電極4,8間の距離dと、電極4,8間においてプラズマの発光していない部分の距離の和δとから、実際にプラズマ発光状態における電極4,8間のモデル的な容量C”が求められる。
【0123】
プラズマ発光時における平行平板電極4,8は、その間にあるプラズマ発光領域Pが導体として見なせるため、あたかも、電極4,8間の距離がδになったようにみなすことができる。その結果、プラズマ発光時の平行平板電極4,8間の容量C”は、電極4,8間の距離に反比例するため、非プラズマ発光時に容量C だったものが、プラズマ発光時には見かけ上d/δ倍になる。
∝ 1/d
” ∝ 1/δ (7)
∴C” ∝ d/δ・C
【0124】
そして、前記直列共振周波数f’は容量C の平方根の逆数に比例するため、プラズマ発光時における電極4,8間の直列共振周波数f”は容量C”の平方根の逆数に比例する、つまり、d/δの平方根の逆数に比例する。
’ ∝ 1/C
” ∝ 1/C” (8)
∴f” ∝ (d/δ)−1/2・f
【0125】
このプラズマ発光時における電極4,8間の直列共振周波数f”と前記電力周波数f との関係を第1直列共振周波数f と電力周波数f との関係のように設定する。
” > f (9)
この式(9)を式(8)によって書き直すと、上記式(5)となる。
前記直列共振周波数f’と前記電力周波数f とが、上記式(5)なる関係を満たしてなることにより、、上記のプラズマ発光時におけるモデル的な容量C”から規定される直列共振周波数f”の値と、非プラズマ発光時における電極4,8間の容量から規定される直列共振周波数f’の値との関係を設定することができる。したがって、直列共振周波数f’のd/δの平方根の逆数倍の値が、電力周波数f よりも大きく設定されることにより、プラズマ発光時における電極4,8の直列共振周波数f’を電力周波数f に対して設定し、プラズマ発光時の電力消費効率の向上を図ることが可能となる。
【0126】
本実施形態のプラズマ処理装置においては、第1実施形態と同等の効果を奏するとともに、インピーダンス測定用端子61にインピーダンス測定器を着脱自在に接続するとともに、スイッチSW1,SW2を設け、これらのインピーダンスZ とインピーダンスZ とを等しく設定することで、プラズマチャンバCNと整合回路2Aとを着脱することなく、かつ、インピーダンス測定用プローブ105を着脱することなく、スイッチSW1,SW2切り替えのみによりインピーダンス特性の測定および第1直列共振周波数f の測定を容易におこなうことが可能となり、同時に、インピーダンス測定端子61に接続されたインピーダンス測定器ANからのインピーダンス測定値を、整合回路2A出力側最終段の出力位置PRから測定した値と同等と見なすことができるため、第1直列共振周波数fの算出の補正が不要となり、実測値の換算が不要となり、作業効率を向上し、第1直列共振周波数fの測定をより正確におこなうことができる。
さらに、前記直列共振周波数f’と前記電力周波数f との値を設定することにより、直接プラズマを発光させる前記電極4,8の周波数特性を規定できるため、プラズマ発光空間に対して電力をより効果的に投入することができ、さらなる電力消費効率の向上か、または、処理効率の向上を図ることが可能となる。
【0127】
なお、本実施形態において、2つのスイッチSW1およびスイッチSW2を設ける構成としたが、分岐点から出力端子位置PRまでと分岐点からプローブまでのインピーダンスが等しく設定されていれば、よく、例えば1つのスイッチによりこれらの接続を切り替え可能とすることもできる。
【0128】
さらに、本発明における上記の各実施形態においては、プラズマ励起電極4に対する電力周波数f と第1直列共振周波数f とを設定したが、サセプタ電極側8に対する周波数を設定するよう対応することも可能である。この場合、図7,図11にPR’で示すように、インピーダンス測定範囲を規定する整合回路25の出力端子位置を設定することができる。
さらに、平行平板型の電極4,8を有するタイプに変えて、ICP(inductive coupled plasma)誘導結合プラズマ励起型、RLSA(radial line slot antenna)ラジアルラインスロットアンテナ型などのプラズマ処理装置や、RIE(Riactive Ion Etching)反応性スパッタエッチング用の処理装置に適用することもできる。
【0129】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムを第4実施形態として、図面に基づいて説明する。
[第4実施形態]
図17は本実施形態に係るプラズマ処理装置の性能管理システムのシステム構成図、図18は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【0130】
図17に示す性能管理システムは、サーバ210と、納入先の入出力装置220と、これらサーバ210と入出力装置220とを接続する通信回線230と、サーバーに接続された搬送元の出力装置240とから構成されている。
【0131】
サーバ210は、プラズマ処理装置のメーカー、流通業者、メンテナンス業者等の搬送元が管理するもので、その設置場所も搬送元とすることが望ましい。また、このサーバ210は、同時に複数の納入先の入出力装置220に対してサービスを提供するための高速な処理能力を持った計算機と、多様なサービスと納入先のプラズマ処理装置に関する情報を格納するための大容量記憶装置を備えたものであることが望ましい、具体的には、大型計算機、高性能ワークステーション等がよい。
サーバ210は、計算機211およびこれに接続された記憶装置212と、通信回線230と接続するための送受信手段213とから構成されている。また、このサーバーに、搬送元に設置された出力装置240が接続されている。
【0132】
また、納入先の入出力装置220は、納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン等が利用するもので、納入先に設置されるか、又は納入先に携帯されて利用される。この入出力装置は通信回線230を利用してサーバー210と信号の授受を行えるものであれば特に限定はなく、具体的にはパーソナルコンピュータ、専用端末機、電話機等が利用できる。
納入先入出力装置220は、本体221、および通信回線230と接続するための送受信手段223とから構成されている。
【0133】
通信回線230は、その媒体や形式に特に限定はなく、離間した地点におかれたサーバー210と入出力装置220との間で信号の授受ができるものであればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々の通信形式を活用できる。
【0134】
以下、図17を参照しながら、図18のフローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説明する。
納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能評価を開始するにあたり、まず、納入先に納入された、あるいは使用中のプラズマ処理装置について、プラズマ処理室の高周波特性Aを測定し、この値を入出力装置220から入力する(ステップ301)。
この入力されたAの値は、通信回線230を通じてサーバ210に送信される。
【0135】
これに対しサーバ210は、記憶装置212に格納された基準となる高周波特性Aの情報500を呼び出し、この値に基づき、AとAとの差の絶対値|ΔA|を計算する(ステップ302)。
なお、基準となる高周波特性Aは、プラズマ処理装置を納入先に搬送するに先立ち分解をする前に、搬送元で設定した高周波特性値であって、例えば上記(1)式を満たす第1直列共振周波数f00である。
【0136】
次にサーバ210は、|ΔA|とAとを比較し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体的には、|ΔA|がAの10%より小さい値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断する。また、|ΔA|がAの10%以上の値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断する(ステップ303)。
【0137】
次にサーバ210は、上記性能評価の結果を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置240の双方に提供する(ステップ304)。
この内、入出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信したりする。具体的には、所定の性能を維持していると判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されておりますので、そのままご使用ください。」といったメッセージを、所定の信号を維持していないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセージを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサービスマン等に伝えられるようにする。
また、出力装置240に対しても、所定の信号を維持していないと判断した場合に、プリントアウトや画面表示、信号出力等の指令信号を送信したり、あるいは、警報音発生信号を送信したりする。そして、出力装置240から、プリントアウト、画面表示、信号出力、あるいは警報音等の保守作業命令を出力する。なお、搬送元において、いずれの納入先のどの装置が保守を必要としているかを判断するために、入出力装置220からプラズマ処理室の固有番号を受信し、これを出力装置240から出力することが望ましいが、入出力装置220の固有番号、例えばアドレス番号や電話番号等から判断して、その判断結果を出力装置240から出力してもよい。
【0138】
この結果、納入先の顧客や納入先を訪問したサービスマン等は、プラズマ処理装置を実際に動作させて成膜された基板を検査するという作業を行うことなく、直ちに当該プラズマ装置の性能を評価することができる。
しかも、処理をおこなった基板の評価によりプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をおこなうという2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズマ処理装置の評価を、しかも、プラズマ処理装置のプラズマチャンバCNが設置してある場所で短時間におこなうことが可能である。その上、被処理基板への実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別々に行うしかなかった複数のプラズマチャンバを有するプラズマ処理装置の場合についても、結果をほぼ同時に得ることができる。
このため、製造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をする必要がなくなり、製造ラインとしての生産性を向上することができる。また、このような調整に必要な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能となる。
【0139】
また、搬送元のメーカー等においては、納入先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守作業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、顧客に対するアフタサービス体制を充実させることができる。
【0140】
なお、本実施形態のように、サーバーが、納入先の入出力装置220と搬送元の出力装置240との双方に評価情報を提供する場合、両評価情報の基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくともよい。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報については、所定の値をAの10%とし、この値を越えたときに所定の性能を維持していない旨の信号を発信し、一方、搬送元の出力装置には、所定の値をAの3%として、この値を越える場合に保守作業命令を出力するようにしても良い。このように、搬送元の出力装置に対して、納入先入出力装置に対するよりも厳しい評価基準に基づき保守作業命令が出される場合には、納入先のプラズマ処理装置の性能が大きく変動する以前に搬送元による保守サービスを行うことができる。すなわち、より先手を打った保守体制を確立することができる。
【0141】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの他の実施形態を第5実施形態として、図面に基づいて説明する。
[第5実施形態]
図19は本実施形態に係るプラズマ処理装置の性能管理システムのシステム構成図、図20は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示すフローチャートである。なお、両図において、図17及び図18と同一の構成要素には、同一の符号を附してその説明を省略する。
【0142】
図19に示す性能管理システムは、サーバ210と、納入先の入出力装置220と、これらサーバ210と入出力装置220とを接続する通信回線230と、サーバーに接続された搬送元の出力装置240とに加えて、プラズマ処理装置250に接続されたインピーダンス測定器260とから構成されている。
【0143】
本実施形態では、インピーダンス測定器260の出力端子が入出力装置220に接続され、インピーダンス測定器260で測定されたプラズマ測定装置250の高周波特性が、入出力装置220及び通信回線230を介して、人手による入力作業を経ることなく、直接サーバ210に送信されるようになっている。また、入出力装置220は、プラズマ処理室の固有番号Sの入力を受けると、インピーダンス測定器260の測定結果を読みとるようにプログラムされている。
【0144】
以下、図19を参照しながら、図20のフローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説明する。
納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能評価を開始するにあたり、まず、予めインピーダンス測定器260を入出力装置220に接続した上で、納入先に納入された、あるいは使用中のプラズマ処理装置について、プラズマ処理室の固有番号Sを入出力装置220から入力する。このとき、プラズマ処理室の高周波特性Aの測定値が、入出力装置220のプログラムに従い、自動的にインピーダンス測定器260から入出力装置220に入力される。(ステップ401)。
この入力された固有番号S及びAの値は、通信回線230を通じてサーバ210に送信される。
【0145】
これに対しサーバ210は、記憶装置212に格納された高周波特性Aの情報の中から、固有番号Sに対応する固有Aの情報600を呼び出し、この値に基づき、AとAとの差の絶対値|ΔA|を計算する(ステップ402)。
ここで、固有Aは、固有番号Sと1対1の関係で記憶装置212に格納されたもの、すなわち、各々のプラズマ処理室毎に設定した、あるいは、製造時等に実際に測定した個別の高周波特性Aである。
【0146】
次にサーバ210は、|ΔA|とAとを比較し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体的には、|ΔA|がAの10%より小さい値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していると判断する。また、|ΔA|がAの10%以上の値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持していないと判断する(ステップ403)。
【0147】
次にサーバ210は、上記性能評価の結果を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置240の双方に提供する(ステップ404)。
この内、入出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信したりする。具体的には、所定の性能を維持していると判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されておりますので、そのままご使用ください。」といったメッセージを、所定の信号を維持していないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセージを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサービスマン等に伝えられるようにする。
また、サーバ210は、出力装置240に対しても、プリントアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、警報音発生信号を送信したりする。具体的には、所定の信号を維持していないと判断した場合に、保守作業命令を送信する。なお、搬送元において、いずれの納入先のどの装置が保守を必要としているかを判断するために、サーバ210から出力装置240に対してプラズマ処理室の固有番号も同時に提供される。
【0148】
本実施形態のプラズマ処理装置の管理システムにおいては、第4実施形態と同等の効果を奏するとともに、固有番号S毎に実際の値を記憶することで、より精密な管理が可能となる。また、出力装置240に保守作業命令と共に固有番号240の情報が提供されるので、搬送元において、何れのプロセス処理装置に問題が生じたか、あるいは何れのプロセス処理装置のいずれのプロセス処理室に問題が生じたか等を直ちに把握できる。
なお、複数のプラズマ処理室を備えたプラズマ処理装置やプラズマ処理装置を複数備えたプラズマ処理システムにおいては、各々のプラズマ処理室の動作条件を揃え、同一のプロセスレシピで同等の成膜特性を得るために、同等の高周波特性を設定することが望ましい。そのため、固有Aは、プロセス処理室間でバラツキなく設定することが望ましいが、納入先の事情等種々の要因により他のプロセス処理装置と大きく異なるAを設定しても差し支えない。
【0149】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの他の実施形態を第6実施形態として説明する。
[第6実施形態]
本実施形態に係るプラズマ処理装置の性能管理システムのシステム構成もまた、第5実施形態の図19で示される。
本実施形態と第5実施形態との構成上の相違は、サーバ210が、エンジニア情報601として、各々所定の値の範囲によって決められた故障レベルを含む状態レベルと、故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報を記憶しているものである点である。表1は、エンジニア情報601の一例を示すものである。
【0150】
【表1】
Figure 0003600144
【0151】
以下、図19を参照しながら、図21のフローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説明する。図21のフローチャートにおけるステップ501及びステップ502は、各々図20のステップ401、402と同一なのでその説明を省略する。
【0152】
ステップ502で|ΔA|を求めた後、サーバ210は、|ΔA|をエンジニア情報601に照らして、どの状態レベルにあるかを評価する。そして、|ΔA|のレベルが、いずれかの故障レベルであると評価した際は、当該故障レベルに対応してエンジニア情報601に登録されているサービスエンジニアの情報を呼び出す。(ステップ503)。
【0153】
次にサーバ210は、上記性能評価の結果として、状態レベルを納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置240の双方に提供する(ステップ404)。
この内、入出力装置220に対しては、状態レベル(故障レベル)をプリントアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信したりすることにより発信する。
具体的には、状態レベルは「最良」であると判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されておりますので、そのままご使用ください。」といったメッセージを、状態レベルは「良」であると判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切に維持されておりますが、そろそろ点検が必要です。」といったメッセージを、状態レベルが何れかの故障レベルであると判断した場合には、例えば「ご照会の装置は、故障レベル2に該当します。性能が適切に維持されていない恐れがありますので、サービスエンジニアに調整を依頼してください。」といったメッセージを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサービスマン等に伝えられるようにする。
また、サーバ210は、出力装置240に対しては、状態レベルがいずれかの故障レベルに該当する場合、状態レベルだけでなく、当該故障レベルに対応したサービスエンジニアの情報と共に保守作業命令を出力する。
【0154】
本実施形態のプラズマ処理装置の管理システムによれば、搬送元において、保守作業命令が出力されると共に、どの程度の故障レベルかや、その故障レベルに応じてランク分けされたサービスエンジニアの情報も出力される。
そのため、このシステムによれば、遠隔地に納入したプラズマ処理装置であっても、搬送元において、その故障レベルを把握することができる。そして、その故障レベルに応じて、教育訓練度合の異なるサービスエンジニアを派遣することができる。従って、人材活用が合理化できると共に、迅速、かつ、的確なサポートが可能となる。すなわち、装置納入後のフィールドサポート体制の合理化が可能となるものである。
【0155】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性能確認システムの実施形態を第7実施形態として、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、購入発注者を単に発注者、また販売保守者を単に保守者という。
[第7実施形態]
図24は本実施形態のプラズマ処理装置の性能確認システムのシステム構成図である。
この図において、参照符号C1 ,C2 ,……はクライアント・コンピュータ(以下、単にクライアントという)、Sはサーバ・コンピュータ(性能状況情報提供手段,以下単にサーバという)、Dはデータベース・コンピュータ(基準情報記憶手段,以下単にデータベースという)、またNは公衆回線である。クライアントC1 ,C2 ,……とサーバSとデータベースDとは、この図に示すように公衆回線Nを介して相互に接続されている。
【0156】
クライアントC1 ,C2 ,……は、一般に広く普及しているインターネットの通信プロトコル(TCP/IP等)を用いてサーバSと通信する機能(通信機能)を備えたものである。このうち、クライアントC1 (発注者側情報端末)は、発注者が保守者に発注したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムのプラズマチャンバの性能状況を公衆回線Nを介して確認するためのコンピュータであり、サーバSが保持する「プラズマチャンバの性能情報提供ページ」を情報提供ページ(Webページ)として閲覧する機能(プラズマチャンバの性能状況情報閲覧機能)を備えたものである。また、クライアントC2 (保守者側情報端末)は、保守者が上記「性能状況情報」の一部である「第1直列共振周波数f 情報」をサーバSにアップロードするとともに、クライアントC1 を介して発注者から発せられた電子メールを受信するためのものである。
ここで、プラズマ処理装置又はプラズマ処理システムは、上記の第1〜第3実施形態に準じる構成とされるとともに、チャンバ数等の構成条件は、任意に設定可能なものとされる。
【0157】
上記サーバSの通信機能は、公衆回線Nがアナログ回線の場合にはモデムによって実現され、公衆回線NがISDN(Integrated Services Digital Network)等のデジタル回線の場合には専用ターミナルアダプタ等によって実現される。サーバSは、性能状況情報提供用のコンピュータであり、上記クライアントC1 から受信される閲覧要求に応じて、性能状況情報をインターネットの通信プロトコルを用いてクライアントC1 に送信する。ここで、上述した発注者が保守者からプラズマ処理装置を納入された時点では、性能状況情報を閲覧するための個別の「閲覧専用パスワード」が保守者から個々の発注者に提供されるようになっている。このサーバSは、正規な閲覧専用パスワードが提供された場合のみ、性能状況情報のうち動作保守状況情報をクライアントC1 に送信するように構成されている。
【0158】
ここで、具体的詳細については後述するが、上記「性能状況情報」は、保守者の販売するプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおけるプラズマチャンバの機種に関する情報、各機種における仕様書としての品質性能情報、納入された各実機における品質性能を示すパラメータの情報、および、このパラメータ、メンテナンスの履歴情報等から構成されている。
このうち、各実機における品質性能、パラメータ、メンテナンスの履歴情報については、「閲覧専用パスワード」が提供された発注者のみに閲覧可能となっている。
【0159】
また、これら「性能状況情報」は、保守者または発注者からサーバSに提供されるとともに実際の動作・保守状況を示す「動作保守状況情報」と、データベースDに蓄積されると共にカタログとして未購入のクライアントが閲覧可能な「性能基準情報」とから構成されるものである。「性能基準情報」は、保守者が各プラズマチャンバによっておこなうプラズマ処理に対して客観的に性能を記述するためのものであり、プラズマCVD、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜状態を予測可能とするものである。
【0160】
本実施形態では、これら「性能基準情報」は、データベースDに蓄積されるようになっている。
サーバSは、クライアントC1 から受信される「性能状況情報」の閲覧要求に対して、データベースDを検索することにより必要な「性能基準情報」を取得して、「性能状況情報提供ページ」として発注者のクライアントC1 に送信するように構成されている。また、サーバSは、「閲覧専用パスワード」が提供された発注者から受信される「性能状況情報」の閲覧要求に対しては、同様に、データベースDを検索することにより必要な「性能基準情報」を取得するとともに、当該「性能基準情報」にクライアントC2 を介して保守者から提供された「動作保守状況情報」を組み合わせて「性能状況情報」を構成し、「性能状況情報提供ページ」として発注者のクライアントC1 に送信するように構成されている。
【0161】
データベースDは、このような「性能状況情報」を構成する「性能基準情報」をプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムのプラズマチャンバの機種毎に記憶蓄積するものであり、サーバSから受信される検索要求に応じてこれら「性能基準情報」を読み出してサーバSに転送する。図24では1つのサーバSのみを示しているが、本実施形態では、汎用性のある「性能基準情報」を保守者が複数箇所から管理する複数のサーバ間で共通利用することが可能なように、これらサーバとは個別のデータベースDに「性能基準情報」を蓄積するようにしている。
【0162】
次に、このように構成されたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの性能確認システムの動作について、図25に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、このフローチャートは、上記サーバSにおける「性能状況情報」の提供処理を示すものである。
【0163】
通常、保守者は、不特定の発注者に対して販売するプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャンバの「性能状況情報」、特に「性能基準情報」を購入時の指標として提示することになる。一方、発注者は、この「性能基準情報」によってプラズマチャンバCNにどのような性能、つまりどのようなプラズマ処理が可能なのかを把握することができる。
【0164】
また、保守者は、特定の発注者に対して納入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおけるプラズマチャンバの「性能状況情報」のうち、「性能基準情報」を使用時の指標として提示するとともに、「動作保守状況情報」を動作状態のパラメータとして提示することになる。一方、ユーザーとしての発注者は、「性能基準情報」と「動作保守状況情報」とを比較することによってプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャンバの動作確認をおこなうとともにメンテナンスの必要性を認識し、かつ、プラズマ処理状態の状態を把握することができる。
【0165】
例えば、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムを保守者から購入しようとする発注者は、サーバSにアクセスすることにより、以下のようにして自らが購入しようとするプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの「性能状況情報」の実体を容易に確認することができる。
【0166】
まず、発注者がアクセスしようとした場合には、予め設定されたサーバSのIPアドレスに基づいてクライアントC1 からサーバSに表示要求が送信される。一方、サーバSは、上記表示要求の受信を受信すると(ステップS1)、カタログページCPをクライアントC1 に送信する(ステップS2)。
図26は、このようにしてサーバSからクライアントC1 に送信されたメインページCPの一例である。このカタログページCPには、保守者が販売する多数の機種毎にその「性能状況情報」のうち「性能基準情報」を表示するための機種選択ボタンK1,K2,K3,K4…、と、後述するように、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムを保守者から納入された発注者の使用するカスタマーユーザ画面の表示要求をするためのカスタマーユーザボタンK4から構成されている。
【0167】
例えば、発注者がクライアントC1 に備えられたポインティングデバイス(例えばマウス)等を用いることによって上記プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの機種を選択指定した後、機種選択ボタンK1〜K4…のいずれかを選択指定すると、この指示は、「性能状況情報」のうち「性能基準情報」の表示要求としてサーバSに送信される。
【0168】
この表示要求を受信すると(ステップS3)、サーバSは、選択された機種のうち、表示要求された情報に該当するサブページをクライアントC1 に送信する。すなわち、サーバSは、「性能基準情報」の表示が要求された場合(A)、図27に示すような選択された機種を指定することによってデータベースDから「真空性能」「給排気性能」「温度性能」「プラズマ処理室電気性能」等のデータ、およびこれらのデータにおけるプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム毎の、各パラメータのばらつきの値のデータを取得し、これらの掲載された仕様書ページCP1をクライアントC1 に送信する(ステップS4)。
【0169】
仕様書ページCP1には、図27に示すように、選択された機種を示す機種種別K6、真空性能表示欄K7、給排気性能表示欄K8、温度性能表示欄K9、プラズマ処理室電気性能表示欄K10から構成されている。これらは、選択された機種のプラズマチャンバにおける「性能基準情報」に対応するものであり、それぞれ、
真空性能表示欄K7には、
到達真空度 1×10−4Pa以下
操作圧力 30〜300Pa
給排気性能表示欄K8には、
Figure 0003600144
排気特性 500SCCM流して20Pa以下
温度性能表示欄K9には、
ヒータ設定温度 200〜350±10℃
チャンバ設定温度 60〜80±2.0℃
の項目が記載されている。
ここで、SCCM(standard cubic centimeters per minute) は、標準状態(0℃、1013hPa)に換算した際におけるガス流量を表しており、cm/min に等しい単位を表している。
【0170】
そしてこれらのパラメータPに対して、それぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれのパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin のばらつきを、以下の式(10B)
(Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B)
として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそれぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0171】
また、プラズマ処理室電気性能表示欄K10には、前述した第1〜第4実施形態で説明した第1直列共振周波数f の値、および、この設定範囲と電力周波数f との関係が記載される。また、これ以外にも、電力周波数f におけるプラズマチャンバのレジスタンスRおよびリアクタンスX、そして、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8間のプラズマ容量C プラズマ励起電極4と、プラズマチャンバの接地電位とされる各部との間のロス容量C 等の値が記載される。また、仕様書ページCP1には、「プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの納入時においては各パラメータ値がこのページに記載された設定範囲内にあることを保証します」という性能保証の文言が記載される。
【0172】
これにより、従来は、考慮されていなかったプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの全体的な電気的高周波的な特性およびプラズマチャンバの電気的特性のばらつきを購入時の新たなる指標として提示することができる。また、クライアントC1 またはクライアントC2 において、これら性能状況情報をプリンタ等に出力しハードコピーを作ることにより、上記の性能状況情報内容の記載されたカタログまたは仕様書として出力することが可能である。さらに、第1直列共振周波数f 、レジスタンスR、リアクタンスX、容量C ,C 等の値および上記性能保証の文言をクライアントC1 …の端末、カタログまたは仕様書等に提示することにより、発注者が、電機部品を吟味するようにプラズマチャンバCNの性能を判断して保守者から購入することが可能となる。
【0173】
なお、サーバSは、このようなサブページのクライアントC1 への送信が完了した後に、クライアントC1 から接続解除要求が受信されない場合は(ステップS5)、次のサブページの表示要求を待って待機し(ステップS3)、一方、クライアントC1 から接続解除要求が受信された場合には(ステップS5)、当該クライアントC1 との交信を終了する。
【0174】
また、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムを保守者から納入した発注者は、サーバSにアクセスすることにより、以下のようにして自らが購入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおけるプラズマチャンバの「性能状況情報」の実体を容易に確認することができる。
この発注者は保守者と売買契約を締結した時点で、発注者個別に対応するとともに、購入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの機種番号、およびそれぞれのプラズマチャンバの機種番号にも対応可能なカスタマーユーザIDと、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの「動作保守状況情報」を閲覧するための個別の「ユーザー専用パスワード(閲覧専用パスワード)」が保守者から個々の発注者に提供されるようになっている。このサーバSは、正規な閲覧専用パスワードが提供された場合のみ、「動作保守状況情報」をクライアントC1 に送信するように構成されている。
【0175】
まず、発注者がアクセスしようとした場合には、前述のカタログページCPにおいて、カスタマーユーザボタンK5を指定操作することにより、発注者はカスタマーユーザ画面の表示要求をサーバSに送信する。
一方、サーバSは、上記表示要求の受信を受信すると(ステップS3−B)、当該発注者に対して、「閲覧専用パスワード」の入力を促す入力要求としてのサブページをクライアントC1 に送信する(ステップS6)。図28はカスタマーユーザページCP2を示すものであり、このカスタマーユーザページCP2はカスタマーユーザID入力欄K11、およびパスワード入力欄K12から構成される。
【0176】
この入力要求としてのカスタマーユーザページCP2はクライアントC1 に表示されるので、発注者は、当該入力要求に応答してプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの識別を可能とするために、保守者から供与された「閲覧専用パスワード」を「カスタマーユーザID」とともにクライアントC1 に入力することになる。
ここで、発注者は、図28に示すカスタマーユーザID入力欄K11およびパスワード入力欄K12に、それぞれ、カスタマーコードIDとパスワードを入力する。サーバSは、クライアントC1から正規の「カスタマーユーザID」および「閲覧専用パスワード」が受信された場合のみ(ステップS7)、当該「閲覧専用パスワード」に予め関連付けられた「動作保守状況情報」のサブページをクライアントC1 に送信する(ステップS9)。
【0177】
すなわち、「動作保守状況情報」の閲覧は、上記プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの購入契約を締結した特定の発注者のみ、つまり正規の「閲覧専用パスワード」を知り得るもののみに許可されるようになっており、当該発注者以外の第3者がサーバSにアクセスしても「動作保守状況情報」を閲覧することができない。通常、保守者は同時に多数の発注者との間で納入契約を締結するとともに、各々の発注者へ複数のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの納入を同時に並行して行う場合があるが、上記「閲覧専用パスワード」は、個々の発注者毎および各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバ毎に相違するものが提供されるので、個々の発注者は、各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバに対して、それぞれ自らに提供された「閲覧専用パスワード」に関連付けられた「動作保守状況情報」を個別に閲覧することができる。
【0178】
したがって、納入に係わる秘密情報が発注者相互間で漏洩することを確実に防止することができるとともに、複数のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムが納入された場合にでもそれぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバを個別に識別可能とすることができる。なお、サーバSは、正規の「閲覧専用パスワード」が受信されない場合には(ステップS7)、接続不許可メッセージをクライアントC1 に送信して(ステップS8)、発注者に「閲覧専用パスワード」を再度入力するように促す。発注者が「閲覧専用パスワード」を誤入力した場合には、この機会に正規の入力を行うことにより「動作保守状況情報」を閲覧することができる。
【0179】
このID、パスワードが確認されると(ステップS7)、サーバSは、表示要求された情報に該当するサブページをデータベースDから読み出してクライアントC1 に送信する。すなわち、サーバSは、ユーザIDによって識別された個別のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバに対する「性能基準情報」「動作保守状況情報」の表示が要求された場合、機種を指定することによってデータベースDから「真空性能」「給排気性能」「温度性能」「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、これらの掲載された仕様書ページCP3をクライアントC1 に送信する(ステップS9)。
【0180】
図29は、このようにしてサーバSからクライアントC1 に送信された「動作保守状況情報」のサブページCP3である。このメンテナンス履歴ページCP3には、図29に示すように、納入されたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの機械番号を示すロット番号表示K13、真空性能表示欄K7、給排気性能表示欄K8、温度性能表示欄K9、プラズマ処理室電気性能表示欄K10、そして、真空性能メンテナンス欄K14、給排気性能メンテナンス欄K15、温度性能メンテナンス欄K16、プラズマ処理室電気性能メンテナンス欄K17から構成されている。これらは、納入された実機の「性能基準情報」および「動作保守状況情報」に対応するものであり、それぞれ、真空性能表示欄K7、真空性能メンテナンス欄K14には、
到達真空度 1.3×10−5Pa以下
操作圧力 200Pa
給排気性能表示欄K8、給排気性能メンテナンス欄K15には、
Figure 0003600144
温度性能表示欄K9、温度性能メンテナンス欄K16には、
ヒータ設定温度 302.3±4.9℃
チャンバ設定温度 80.1±2.1℃
の項目が記載されている。
【0181】
そしてこれらのパラメータPに対して、それぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれのパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin のばらつきを、以下の式(10B)
(Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B)
として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそれぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0182】
さらに、このサブページCP3には、各プラズマチャンバ毎のメンテナンス欄を表示するための「詳細」ボタンK18が各メンテナンス履歴欄K14,K15,K16,K17ごとに設けられ、発注者が、当該情報を閲覧可能となっている。
【0183】
発注者が、当該詳細欄により表示要求をおこなった場合には、メンテナンス履歴の詳細情報の記載されたメンテナンス詳細ページCP4がデータベースDからクライアントC1 に送信する。
【0184】
図30は、このようにしてサーバSからクライアントC1 に送信された「詳細メンテナンス情報」のサブページCP4である。
図には電気性能メンテナンスのページを示している。
このメンテナンス履歴ページCP3には、図30に示すように、納入されたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの機械番号を示すロット番号表示K13、選択された各メンテナンス欄が表示される。ここで、各メンテナンス欄としては、各プラズマチャンバに対応するパラメータPのメンテナンス時の値と、これらのパラメータPのばらつきの値とが、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム、および、各プラズマチャンバ毎のロット番号毎に表示される。
【0185】
また、プラズマ処理室電気性能表示欄K10およびプラズマ処理室電気性能メンテナンス欄K17には、前述した第1〜第4実施形態で説明したように、第1直列共振周波数f の値、および、この設定範囲と電力周波数f との関係が記載される。また、これ以外にも、電力周波数f におけるプラズマチャンバのレジスタンスRおよびアクタンスX、そして、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8間のプラズマ容量C プラズマ励起電極4と、プラズマチャンバの接地電位とされる各部との間のロス容量C 等の値が記載される。
【0186】
同時に、データベースDから「性能基準情報」としての「真空性能」「給排気性能」「温度性能」「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、これらを図29,図30に示すように、「動作保守状況情報」とセットでメンテナンス履歴ページCP3、メンテナンス詳細ページCP4に表示することにより、「性能基準情報」を参照して「動作保守状況情報」を閲覧することができ、これにより、発注者は、納入されたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびプラズマチャンバの「性能状況情報」のうち、「性能基準情報」を使用時の指標として確認するとともに、「動作保守状況情報」を動作状態を示すパラメータとして検討することができる。同時に、「性能基準情報」と「動作保守状況情報」とを比較することによってプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびプラズマチャンバの動作確認をおこなうとともにメンテナンスの必要性を認識し、かつ、プラズマ処理状態の状態を把握することができる。
【0187】
なお、サーバSは、このようなサブページCP3、CP4のクライアントC1 への送信が完了した後に、クライアントC1 から接続解除要求が受信されない場合は(ステップS5)、接続不許可メッセージをクライアントC1 に送信して(ステップS8)、発注者に「閲覧専用パスワード」を再度入力するか、次のサブページの表示要求を待って待機し(ステップS3)、一方、クライアントC1 から接続解除要求が受信された場合には(ステップS5)、当該クライアントC1 との交信を終了する。
【0188】
本実施形態のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの性能確認システムにおいて、購入発注者が販売保守者に発注したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの動作性能状況を示す性能状況情報の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側情報端末と、販売保守者が前記性能状況情報をアップロードする販売保守者側情報端末と、前記購入発注者側情報端末の要求に応答して、販売保守者側情報端末からアップロードされた性能状況情報を購入発注者側情報端末に提供する性能状況情報提供手段と、を具備することができ、さらに、前記性能状況情報が、前記第1直列共振周波数f およびこのパラメータに対して、それぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャンバ毎のばらつきの値を含むとともに、前記性能状況情報が、カタログまたは仕様書として出力されることにより、販売保守者がアップロードしたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびそのプラズマチャンバの性能基準情報および動作保守状況情報からなる性能状況情報に対して、購入発注者が情報端末から公衆回線を介して閲覧を可能とすることにより、発注者に対して、購入時に判断基準となる情報を伝達することが可能となり、かつ、使用時における、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびそのプラズマチャンバごとの動作性能・保守情報を容易に提供することが可能となる。
また、前記性能状況情報が、上述したようにプラズマチャンバに対する性能パラメータとしての前記第1直列共振周波数f およびそのばらつきの値を含むことにより、発注者のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムその各プラズマチャンバに対する性能判断材料を提供できるとともに、購入時における適切な判断をすることが可能となる。さらに、前記性能状況情報を、カタログまたは仕様書として出力することができる。
【0189】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理装置の性能評価方法によれば、プラズマ処理装置を分解、搬送後再組み立てが施されたり、その後被処理物が導入されてプラズマ処理が行われたり、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されたりした際に、プラズマ処理装置の性能が適正に維持されているかどうかを迅速かつ簡便に確認できる。
また、本発明のプラズマ処理装置の保守方法によれば、プラズマ処理装置の性能が適正に維持されていない場合に、迅速に是正が可能となる。
また、本発明のプラズマ処理装置の性能管理システムによれば、納入先において、プラズマ処理装置の性能が適正に維持されるために、納入先におけるプラズマ処理装置の性能評価をメーカー等の搬送元で支援できると共に、メーカー等の搬送元で充実した保守サービス体制を整えることが可能となる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、適正な動作状態に簡便に維持することが可能であり、良好なプラズマ処理を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1におけるプラズマ処理装置の整合回路を示す模式図である。
【図3】本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態におけるプラズマ処理装置のインピーダンス特性を説明するための模式図である。
【図4】図3におけるプラズマ処理装置の等価回路を示す回路図である。
【図5】第1直列共振周波数f を説明するためのインピーダンスZと位相θとの周波数依存特性を示すグラフである。
【図6】本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態における第1直列共振周波数f およびインピーダンスZと位相θとの周波数依存特性を示すグラフである。
【図7】本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図8】本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態におけるプラズマ処理装置のインピーダンス特性を説明するための模式図である。
【図9】図8におけるプラズマ処理装置の等価回路を示す回路図である。
【図10】本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態における第1直列共振周波数f およびインピーダンスZと位相θとの周波数依存特性を示すグラフである。
【図11】本発明に係るプラズマ処理装置の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図12】図11におけるプラズマ処理装置の等価回路を示す回路図である。
【図13】本発明に係るプラズマ処理装置の第3実施形態における第1直列共振周波数f およびインピーダンスZと位相θとの周波数依存特性を示すグラフである。
【図14】プラズマ発光状態における電極間の状態を示す模式図である。
【図15】インピーダンス測定器のプローブを示す斜視図である。
【図16】図15のインピーダンス測定器のプローブの接続状態を示す模式図である。
【図17】本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの第4実施形態におけるシステム構成図である。
【図18】同性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの第5実施形態におけるシステム構成図である。
【図20】同性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理システムの第5実施形態で実現される評価情報提供方法を示すフローチャートである。
【図22】従来のプラズマ処理装置の一例を示す模式図である。
【図23】従来のプラズマ処理装置の他の例を示す模式図である。
【図24】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムを示すシステム構成図である。
【図25】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるサーバSの建築状況情報の提供処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるメインページCPの構成を示す平面図である。
【図27】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるサブページCP1の構成を示す平面図である。
【図28】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるメインページCP2の構成を示す平面図である。
【図29】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるサブページCP3の構成を示す平面図である。
【図30】本発明のプラズマ処理装置の性能確認システムに係わるサブページCP4の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1…高周波電源
1A…給電線
2…マッチングボックス
2A…整合回路
3…給電板
4…プラズマ励起電極(電極:カソード電極)
5…シャワープレート
6…空間
7…孔
8…ウエハサセプタ(対向電極:サセプタ電極)
9…絶縁体
10…チャンバ壁
10A…チャンバ底部
11…ベローズ
12…サセプタシールド
12A…シールド支持板
12B…支持筒
13…シャフト
16…基板
17…ガス導入管
17a,17b…絶縁体
21…シャーシ
22…ロードコンデンサ
23…コイル
24…チューニングコンデンサ
25…整合回路
26…マッチングボックス
27…第2の高周波電源
27A…給電線
28…給電板(高周波電力配電体)
29…シャーシ
30…コイル
31…チューニングコンデンサ
32…ロードコンデンサ
60…チャンバ室
61…インピーダンス測定用端子(共振周波数測定用端子)
105…プローブ
AN…インピーダンス測定器(共振周波数測定器)
B…分岐点
CN…プラズマチャンバ(プラズマ処理室)
P…プラズマ発光領域
PR,PR’…出力端子位置
SW1,SW2…スイッチ

Claims (37)

  1. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
    前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方法。
  2. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方法。
  3. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能評価方法であって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値を求め、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合に、性能を維持していると判断し、その値が前記A の10%以上の値である場合に、性能を維持していないと判断することを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方法。
  4. 前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  5. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  6. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  7. 時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  8. 請求項1から請求項3の何れかに記載された評価方法の結果、ΔAの絶対値が前記A の10%以上の場合に、高周波特性Aの是正作業を行うことを特徴とするプラズマ処理装置の保守方法。
  9. 前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とする請求項に記載のプラズマ処理装置の保守方法。
  10. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  11. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  12. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし前記高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tにおける値Aを記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が前記A の10%より小さい値である場合には、性能を維持している旨の信号を、前記A の10%以上の値である場合には、性能を維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  13. 前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  14. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  15. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  16. 時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  17. 前記サーバーが、プラズマ処理室の固有番号毎にAを記憶し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固有番号を受信して、当該固有番号に対応するAを用いて演算をすることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  18. 前記納入先入出力装置に、プラズマ処理装置に接続されたインピーダンス測定器を接続して、インピーダンス測定器から前記サーバーに、Aが直接送信されることを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  19. 前記サーバーが搬送元において出力装置を備え、ΔAの絶対値が前記A の10%を超える場合に、前記出力装置から、保守作業命令を出力することを特徴とする請求項1から請求項1の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  20. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  21. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  22. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置の性能管理システムであって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の時刻tにおける値Aと、前記高周波特性Aのその後の時刻t における値A と、の差であるΔAの絶対値に応じて複数の故障レベルを設定し、該設定された複数の故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
    前記サーバーは、前記高周波特性Aのその後の時刻tにおける値Aを、前記納入先入出力装置から受信し、前記Aと、このAとの差であるΔAの絶対値を演算し、
    その値が、先に設定した何れかの故障レベルである場合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システム。
  23. 前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  24. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  25. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  26. 時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  27. 前記サーバーが、プラズマ処理室の固有番号毎にAを記憶し、納入先入出力装置から納入したプラズマ処理室の固有番号を受信して、当該固有番号に対応するAを用いて演算をすることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  28. 前記納入先入出力装置に、プラズマ処理装置に接続されたインピーダンス測定器を接続して、インピーダンス測定器から前記サーバーに、Aが直接送信されることを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  29. 前記サーバーが、前記当該故障レベルを、前記納入先入出力装置にも発信することを特徴とする請求項2から請求項2の何れかに記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  30. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 この電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置であって、
    前記高周波電力を供給する際に整合回路の出力端子に接続される前記高周波電力配電体の端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  31. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置であって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電源に接続される前記高周波電力給電体の前記高周波電源側端部である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  32. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
    前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
    入力端子と出力端子とを有し前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するとともに該入力端子に前記高周波電源を高周波電力給電体を介して接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
    を具備するプラズマ処理装置であって、
    前記高周波電力を供給する際に前記高周波電力給電体に接続される前記入力端子である測定位置で非プラズマ発光時に測定した前記プラズマ処理室の高周波特性A(ただし高周波特性Aは、共振周波数f、前記高周波電力の周波数におけるインピーダンスZ、前記高周波電力の周波数におけるレジスタンスR、または、前記高周波電力の周波数におけるリアクタンスXのいずれかである。)の、時刻tとその後の時刻tにおける値A、Aの差ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  33. 前記高周波特性Aが、第1直列共振周波数f であることを特徴とする請求項30から請求項32の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  34. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求項30から請求項32の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  35. 時刻tとその後の時刻tとの間に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請求項30から請求項32の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  36. 時刻tとその後の時刻tとの間に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とする請求項30から請求項32の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  37. ΔAの絶対値が前記A の10%以上の値である場合に、高周波特性Aの是正作業を行うことにより、ΔAの絶対値が前記A の10%より小さい値に維持されていることを特徴とする請求項30から請求項32の何れかに記載のプラズマ処理装置。
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