JP3975748B2 - ガスタービン設備及びガスタービン冷却方法 - Google Patents

ガスタービン設備及びガスタービン冷却方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ガスタービン設備及びガスタービン冷却方法に関する。
背景技術
近年の電力需要の増大や地球温暖化対策として、ガスタービン発電設備の大容量化・高効率化が求められている。特に、圧縮機により圧縮された空気を燃焼器へと導き燃料を供給して燃焼させ、その燃焼ガスによりガスタービンを駆動するガスタービン発電設備においては、燃焼温度をより高温化することにより大容量・高効率が実現できる。
しかしながら、より高温の燃焼ガスにさらされる燃焼ガスの持つエネルギーを回収するガスタービンは、冷却無しでは損傷を招き重大事故へと発展する可能性がある。このため、燃焼ガス温度の高いガスタービン発電設備においては圧縮空気や蒸気を用いてガスタービン高温部の冷却を行っている。
さらに、ガスタービン高温部を冷却する際にはガスタービン高温部の冷却に使用した冷媒からの熱回収を行うことでより高効率のガスタービン発電設備とすることができる。また、ガスタービン高温部の冷却に使用される冷媒の流量はできるだけ少量とすることが望ましい。
ガスタービン高温部を冷却するための冷却孔の構造はより冷却効率を向上するために複雑な構造となっている。このため、冷媒中に含まれる塵等により冷媒が流れにくくなったり、冷却孔が塞がれ冷媒が流れなくなると冷媒によるガスタービン高温部の冷却能力が落ちガスタービンの損傷を招く可能性がある。このため、ガスタービン高温部の冷却に用いられる冷媒はより清浄なものであることが求められている。また、複雑な冷却孔構造を冷媒が滞ることなく流れ、冷媒となる流体の流量をできるだけ小流量とし、発電設備の効率を向上させるためにもガスタービン冷却用の冷媒はより清浄であることが求められる。
圧縮機から吐出された空気を熱交換器にて冷却し、その後にブースターコンプレッサーで昇圧し、ガスタービン高温部を冷却し燃焼器へと回収する空気冷却ガスタービンの構成については例えば、特開昭54−82518号公報、に記載されている。
また、ガスタービン高温部の冷却技術として、特開平2−264127号公報,特開平2−267326号公報,特開平7−189740号公報,特開平7−317562号公報等があげられる。
上述した空気冷却ガスタービンにおいては、熱交換器での空気の冷却によるミストの発生、冷却空気内に含まれる異物によるブースターコンプレッサーの破損、冷却孔の目詰まりによる冷却効率の低下・タービンの破損等が考慮されていない。
例えば、ガスタービン高温部の冷却空気にダスト等の異物が混入していた場合、冷却効率を向上するために複雑な構造をしている冷却孔が異物により目詰まりを起し、冷媒の通過流量が減り十分な冷却が行われずガスタービンの損傷を招く可能性がある。
本発明の目的は、ガスタービン高温部の冷却に適した冷却空気を供給することができるガスタービン設備及びガスタービン冷却方法を提供することにある。
発明の開示
本発明のガスタービン設備は、気体を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えている。
そして、主に、
前記圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
該タービンの冷却系統に、前記圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離する手段とを設けることを特徴とする。
或いは、本発明のガスタービン冷却方法は、気体を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備のガスタービン冷却方法において、
前記圧縮機から気体を該タービンに供給して該タービンを冷却する工程を備え、
該タービンの冷却工程には、前記圧縮機により圧縮された気体を冷却する工程と、冷却された気体中に含まれる液体を分離する工程とを含むことを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
(実施例1)
本発明の一実施例を第1図を用い、以下詳細に説明する。第1図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す図である。主に、第1図に示す設備には、気体を圧縮して吐出する圧縮機1と、圧縮機1により圧縮された気体が供給される燃焼器2と、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3とを備えている。
また、本実施例の冷却系統には、上流側から、順次、圧縮機1により圧縮された気体を冷却する熱交換器4と、気体中に含まれる液体を分離する手段と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、ブースターコンプレッサー7と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段とを設けている。
次に、ガスタービンの高温部冷却系統を冷却空気の流れに沿って具体的に説明する。
圧縮機1の出口から分岐した冷却用圧縮空気は、熱交換器4に供給される。そして、熱交換器4にて、供給された圧縮空気は、約130℃付近まで冷却される。本実施例では、圧縮空気を間接的に冷媒によって冷却する。この冷却された圧縮空気は、熱交換器4から気体中に含まれる液体を分離する手段に送られる。
本実施例では、熱交換器4からの気体中に含まれる液体を分離する手段である気液分離器として、ミストセパレータ5を配置している。このミストセパレータ5に導かれた圧縮空気は、ミストセパレータ5内でミストが分離される。つまり、熱交換器4による冷却によって圧縮空気中に生じたミストをミストセパレータ5で分離する。ここで、ミストセパレータ5を通過させることにより、圧縮空気中のミストを除去することができ、その圧縮空気の流れの中で下流に配置されたブースターコンプレッサー7やタービン3の高温部の冷却空気通路の内部におけるエロージョン,汚れの付着を防止することができる。つまり、このような気液分離器を、冷却系統において、熱交換器4の下流側に設けているので、熱交換器4での冷却過程で含有したミストを除去することができる。そして、このような気液分離器を、冷却系統において、熱交換器4の下流側で且つブースターコンプレッサー7の上流側に設けているので、熱交換器4での冷却過程で含有したミストを除去し、ブースターコンプレッサー7やタービン3の高温部の冷却空気通路の内部におけるエロージョン,汚れの付着を防止することができる。
次に、圧縮空気は、ミストセパレータ5から気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段へと導かれる。本実施例では、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段としてサイクロン6を配置した。サイクロン6では、冷却された圧縮空気中に含まれるダスト等の異物を除去することができる。ここで冷却された圧縮空気を清浄化することにより、この空気中に含まれる塵等により、その圧縮空気の流れの中で下流に配置されたブースターコンプレッサー7の破損を防止することが可能となる。また、遠心力を利用した遠心式集塵手段であるサイクロン6は、金属メッシュ等を利用するフィルターに見られるような連続運転時の圧力損失の増加が少なく、長時間の連続運転が可能である。つまり、長時間の使用による目詰まりが起こりフィルター前後における圧力の損失が増大することを防ぐことができる。
即ち、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を、熱交換器4やミストセパレータ5の下流側に設けているので、熱交換器4やミストセパレータ5から送られる空気中の塵等を除去することができる。また、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を、熱交換器4やミストセパレータ5の下流側に設け、且つブースターコンプレッサー7の上流側に設けているので、熱交換器4やミストセパレータ5から送られる空気中の塵等を除去して、この空気中に含まれる塵等によるブースターコンプレッサー7の破損を防止することができる。なお、この位置における気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段として、サイクロン6を用いることで、連続運転時の圧力損失の増加が少なく、長時間の連続運転が可能であり、長時間の使用による目詰まりによって生じるフィルター前後における圧力の損失が増大することを防ぐことができる。
その後、圧縮空気は、サイクロン6からブースターコンプレッサー7に送られる。このブースターコンプレッサー7によって圧縮空気は、所望の圧力に昇圧される。この際、この圧縮空気は、タービン3の冷却用空気として、最適な50kg/cm付近に昇圧される。従って、空気の圧力を大きくするブースターコンプレッサー7により、冷却用空気として適切な圧力に昇圧することができる。
ここで、ガスタービンの運転時には、常に、冷却空気をタービン3に供給する必要があるので、ブースターコンプレッサー7はタービン軸により駆動する。しかしながら、各機器の配置やスペースの問題等により、タービン軸による駆動方式を採用できない場合がある。この場合には、電動機によりブースターコンプレッサー7を駆動する。但し、この際、電動機に不具合が発生すると、冷却空気のタービン3の高温部への供給が十分で無くなる。そのため、ブースターコンプレッサー7の電動機に不具合が発生した際には、直ちにガスタービンを停止させるための保護装置を設けることが望ましい。ブースターコンブレッサ7を駆動する電動機を設けた際に、電動機の不具合を検知する手段と、その検知信号に基づきガスタービン停止の指示をする手段とを備えた保護手段を設けることにより、冷却空気が十分にガスタービンの高温部に供給されない場合に、ガスタービンを停止して、ガスタービンの損傷を防ぐことができる。
また、ブースターコンプレッサー7の下流には気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を設けている。本実施例では、この集塵手段としてフィルター8を設置している。そして、冷却用の圧縮空気は、前述したブースターコンプレッサー7からこのフィルター8に送られる。
ここで、ガスタービンの起動・停止時には、圧縮機1から供給される冷却空気の流量が少ない。このため、サイクロン6では入口流速が遅くなり、その原理上十分な集塵能力が発揮できず冷却空気の清浄化がなされない可能性がある。これに対して、金属メッシュ等を利用するフィルター8では集塵能力は流速に左右されなので、起動・停止時の冷却空気の流速が遅い時には、このフィルター8により、冷却空気の清浄化を図ることができる。つまり、ブースターコンプレッサー7の下流側に繊維等に空気を衝突させて塵等を分離する手段であるフィルター8を設けることで、ガスタービンの起動・停止時の冷却空気の流速が遅い時に、冷却空気の清浄化を図ることができる。
また、ガスタービンの定格運転時においても、昇圧された圧縮空気(冷却空気)はタービン3へと導入される前に、フィルター8にて最終的な精度の優れた清浄化を図ることができる。このフィルター8で、再度、清浄化を図ることによって、ブースターコンプレッサー7内で発生した錆等の異物を除去することができる。つまり、冷却系統で、ブースターコンプレッサー7とタービン3との間に、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を設けているので、ガスタービンの定格運転時にでも、ブースターコンプレッサー7内で発生した錆等の異物を除去することができる。
次に、この冷却空気は、フィルター8からタービン3へと導かれる。タービン3で、冷却空気は、ガスタービン翼やローター等のタービン3の高温被冷却部を冷却する。その後、冷却後の冷却空気は、燃焼器2へと導かれる。そして、タービン3を冷却・熱交換したことにより得た熱を回収する。このように回収することにより、冷却系統をクローズドタイプとしている。
このような冷却系統によって、ガスタービン発電設備の効率の向上を図ることができる。
また、本実施例では、第1図に示すように、この冷却系統には、フィルター8の下流にてタービン3をバイパスするバイパス弁10及びバイパス系統11を設け、空気をガスタービンをバイパスして直接燃焼器2へと回収するように構成している。
ガスタービンの起動・停止時或いは部分負荷での運転中には、ブースターコンプレッサー7に過渡的なサージングが起きる。このような運転領域になる場合には、バイパス弁10を開いてバイパス系統11にも空気を送り、サージングが回避できる様に冷却空気の流量調整を行う。つまり、このようなバイパスの系統を配置することで、ブースターコンプレッサー7での過渡的なサージングを抑制することができる。
なお、ガスタービン起動・停止或いは部分負荷運転時には、タービン3を駆動する燃焼ガスの温度が定格運転時に比較して低いため、冷却空気を全量タービン3へと流すと、タービン3の高温部を冷却しすぎる可能性がある。この高温部を必要以上に冷却すると、タービン3の高温部表面と冷却孔との温度差による熱応力が発生し、タービンの破損を招く可能性がある。そのため、必要以上の冷却空気はバイパス系統11を介して燃焼器2へと回収する。つまり、バイパス弁10及びバイパス系統11を設けているので、必要以上の冷却空気をタービン3に送らないようにすることができる。即ち、バイパス弁10の開度を調整して、適切な量の冷却空気をタービン3に供給することができる。
このように、バイパス系統11には、タービン3をバイパスする冷却空気の流量を制御するための流量制御弁であるバイパス弁10を設置し、タービン3の高温部の冷却に必要な冷却空気を確保すると共に、必要以上の冷却空気はタービンをバイパスさせるように冷却空気の流量を制御している。
また、バイパス系統11を熱交換器4の上流へと回収する系統としても前述と同様の効果を得る事ができる。
更に、タービン3の高温部のメタル温度、或いは、回収された冷却空気温度を監視することにより、タービン3の高温部の冷却が適切に行われているかを判断し、バイパス弁10の開度を調整することで、より効率的なタービン3の高温部冷却系統設備を提供することができる。つまり、タービン3の高温部のメタル温度又は回収された冷却空気温度を検出する手段を設けることで、タービン3の高温部の冷却が適切に実施されているか確認することができる。また、タービン3の高温部の冷却が適切に実施されていない場合には、タービン3の高温部のメタル温度、或いは、回収された冷却空気温度に基づいて、バイパス弁10を調整する手段を設けることで、より適切な冷却を実施でき、効率的なタービン3の高温部冷却系統設備を提供することができる。
但し、プラント効率からすれば、このバイパス弁10は如何なる条件においても全閉としたいが、大気温度等天候によりガスタービン高温部の冷却状況が変化することも考えられ、状況に応じてバイパス弁開度を調整し、ガスタービン高温部の冷却状況を最適なものとすることが望ましい。
また、ガスタービン高温部を冷却した冷却空気を燃焼器へと回収せずに、ガスタービンを駆動した燃焼ガスと共に排気させるタイプのガスタービン発電設備においても、塵等による冷却孔の目詰まり、冷媒の流れが滞ることの無い冷却用空気を供給することが可能でありプラントの信頼性を向上させることができる。
なお、冷却空気を回収するクローズド冷却タイプでは、冷却空気の清浄化によって、特に顕著な効果が得られる。
(実施例2)
本発明の一実施例を第2図を用い、以下詳細に説明する。第2図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す図である。
主に、第2図に示す設備には、気体を圧縮して吐出する圧縮機1と、圧縮機1により圧縮された気体が供給される燃焼器2と、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3とを備えている。
また、本実施例の冷却系統には、上流側から、順次、圧縮機1により圧縮された気体を冷却する熱交換器4と、気体中に含まれる液体を分離する手段と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、ブースターコンプレッサー7と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段とを設けている。
特に、本実施例では、第2図に示すように、冷却系統において、熱交換器4の出口付近に、熱交換器4からの冷却空気(圧縮空気)の温度を検出する手段である温度計12を設けている。冷却空気(圧縮空気)の温度を検出する手段を設置しているので、冷却空気が最適な温度に調整されているかどうかを監視することができる。
また、本実施例では、温度計12で測定された温度に応じて、熱交換器4への冷媒の流量を調整する手段である流量調整弁13を設けている。この流量調整弁13で、温度計12で測定された温度に基づいて熱交換器4への冷媒供給を調整することができる。この調整によって、冷却空気温度の管理及び調節が可能となる。
また、本実施例では、フィルター8の前後の圧力差を測定する手段である差圧計14を設置している。この差圧計14によって、フィルター8の前後の圧力差を測定して、フィルター8の目詰まりを監視することができる。そして、フィルター8の前後の圧力差が大きくなると冷却空気をタービン3の高温部に十分な流量を供給することができなくなる。そのため、その際には、直ちにガスタービンを停止させる保護装置を設けることが望ましい。
つまり、差圧計14の測定値に基づきガスタービンの停止を指示することで、ガスタービンの損傷を防ぐことができる。
あるいは、冷却系統でフィルター8を並列に少なくとも2つ配置して、それらのフィルター8への流れを切換える切換弁15をフィルター8の夫々の入出側に設けて、使用するフィルターを切り換え、フィルター前後の圧力差を許容される範囲内とする機器構成も信頼性の向上につながる。
(実施例3)
本発明の一実施例を第3図を用い、以下詳細に説明する。第3図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す図である。
主に、第3図に示す設備には、気体を圧縮して吐出する圧縮機1と、圧縮機1により圧縮された気体が供給される燃焼器2と、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3とを備えている。
また、本実施例の冷却系統には、上流側から、順次、圧縮機1により圧縮された気体を冷却する熱交換器4と、気体中に含まれる液体を分離する手段と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、ブースターコンプレッサー7と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段とを設けている。
特に、本実施例では、第3図に示すように、ミストセパレータ5の下流に複数台(少なくとも2台)のフィルター16を冷却系統で並列に設置し、そのフィルター16の前後の差圧を測定する差圧計14を設けている。このような構成により、フィルター16における圧力損失を監視しながら、複数のフィルター16のうち使用するフィルター16に切り替える。そして、使用していない側のフィルター16に用いている金属メッシュ等の交換を可能とすることができる。
つまり、連続的な集塵効果を得て、且つ、フィルター目詰まりによる不具合を防止することができ、金属メッシュのメンテナンスが容易で適切な冷却系統を得ることができる。
即ち、本実施例のようなフィルター16では、冷却された圧縮空気中に含まれるダスト等の異物を除去することができる。ここで冷却された圧縮空気を清浄化することにより、この空気中に含まれる塵等により、その圧縮空気の流れの中で下流に配置されたブースターコンプレッサー7の破損を防止することが可能となる。また、複数のフィルター16の並列配置、その前後の差圧測定手段、複数のフィルター16の切り替え手段を設けているので、長時間の使用による目詰まりが起っても、複数のフィルター16を切り替えて使用し、その前後における圧力の損失が増大することを防ぐことができる。
即ち、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を、熱交換器4やミストセパレータ5の下流側に設けているので、熱交換器4やミストセパレータ5から送られる空気中の塵等を除去することができる。また、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段を、熱交換器4やミストセパレータ5の下流側に設け、且つブースターコンプレッサー7の上流側に設けているので、熱交換器4やミストセパレータ5から送られる空気中の塵等を除去して、この空気中に含まれる塵等によるブースターコンプレッサー7の破損を防止することができる。なお、この位置における気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段として、複数のフィルター16の並列配置、その前後の差圧測定手段、複数のフィルター16の切り替え手段を設けているので、連続運転時のフィルターにおける圧力損失の増大による冷却空気供給量の不足を防止し、長時間の連続運転が可能である。
(実施例4)
本発明の一実施例を第4図を用い、以下詳細に説明する。第4図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す図である。
主に、第4図に示す設備には、気体を圧縮して吐出する圧縮機1と、圧縮機1により圧縮された気体が供給される燃焼器2と、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3とを備えている。
また、本実施例の冷却系統には、上流側から、順次、圧縮機1により圧縮された気体を冷却する熱交換器4と、気体中に含まれる液体を分離し、且つ、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、ブースターコンプレッサー7と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段とを設けている。
気体中に含まれる液体を分離し、且つ、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段として、本実施例では、気液分離・集塵装置18とブースターコンプレッサー下流にフィルター8を配置している。本実施例での気液分離・集塵装置18は、前述した実施例1の気体中に含まれる液体を分離する手段(例えば、ミストセパレータ5)、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段(例えば、サイクロン6)の役割を果たすことができ、前述した効果に加え、設備の兼用によって設備の簡略化が図れる。
また、本実施例では、起動停止時の濾過精度があまり変わらないことから、フィルター8を省略して設備の簡略化を図ることもできる。
(実施例5)
本発明の一実施例を第5図及び第6図を用い、以下詳細に説明する。第5図及び第6図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す図である。
主に、第5図及び第6図に示す設備には、気体を圧縮して吐出する圧縮機1と、圧縮機1により圧縮された気体が供給される燃焼器2と、燃焼器2の燃焼ガスにより駆動されるタービン3とを備えている。
また、本実施例の冷却系統には、上流側から、順次、圧縮機1により圧縮された気体を冷却する熱交換器4と、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段(例えば、サイクロン6)と、ブースターコンプレッサー7と、設けている。
第5図の例では、気体中に含まれる液体を分離し、且つ、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段である気液分離・集塵装置18をブースターコンプレッサー7の下流側に設けている。
気液分離・集塵装置18を、熱交換器4,サイクロン6やブースターコンプレッサー7の下流側で、ブースターコンプレッサー7とタービン3との間に配置しているので、熱交換器4による冷却によって圧縮空気中に生じたミストを分離することができる。そして、その圧縮空気の流れの中で下流に配置されたタービン3の高温部の冷却空気通路の内部におけるエロージョン,汚れの付着を防止することができる。また、気液分離・集塵装置18という兼用設備を用いることで、設備の簡略化が図れる。
なお、本実施例では、タービン3の直前に、気液分離・集塵装置18を設けているので、信頼性の高い清浄度の優れた空気をタービン3に送ることができる。
また、第6図の例では、気体中に含まれる液体を分離し、且つ、気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段である気液分離・集塵装置18を、サイクロン6と、ブースターコンプレッサー7との間に設けている。
気液分離・集塵装置18を、熱交換器4,サイクロン6の下流側で、ブースターコンプレッサー7の上流側に配置しているので、熱交換器4による冷却によって圧縮空気中に生じたミストを分離することができる。そして、その圧縮空気の流れの中で下流に配置されたブースターコンプレッサー7やタービン3の高温部の冷却空気通路の内部におけるエロージョン,汚れの付着を防止することができる。また、気液分離・集塵装置18という兼用設備を用いることで、設備の簡略化が図れる。
産業上の利用可能性
本発明によると、ガスタービン高温部の冷却に適した冷却空気を供給することができるガスタービン設備及びガスタービン冷却方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。
第2図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。
第3図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。
第4図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。
第5図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。
第6図は、ガスタービンの高温部冷却系統を示す系統図である。

Claims (7)

  1. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離する液体分離手段と、該液体分離手段を通過した気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、該集塵手段を通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機とを設けることを特徴とするガスタービン設備。
  2. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離する液体分離手段と、該液体分離手段を通過した気体中に含まれる塵等を分離する第一の集塵手段と、該第一の集塵手段を通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機と、該第二の圧縮機により昇圧された気体中に含まれる塵等を分離する第二の集塵手段とを設けることを特徴とするガスタービン設備。
  3. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給して該タービンを冷却し、該タービンから該気体を該燃焼器に供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する間接冷却式の熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離するミセトセパレータと、該ミセトセパレータを通過した気体中に含まれる塵等を分離するサイクロンと、該サイクロンを通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機と、該第二の圧縮機により昇圧された気体中に含まれる塵等を分離するフィルターとを設けることを特徴とするガスタービン設備。
  4. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体の温度を測定する手段と、測定された温度に基づき前記熱交換器への冷媒の供給を制御する手段と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離する液体分離手段と、該液体分離手段を通過した気体中に含まれる塵等を分離する第一の集塵手段と、該集塵手段を通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機と、該第二の圧縮機により昇圧された気体中に含まれる塵等を分離する第二の集塵手段とを設け、
    前記第二の集塵手段は、該タービンの冷却系統で並列に少なくとも2つ設けたフィルターであることを特徴とするガスタービン設備。
  5. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる液体を分離する液体分離手段と、該液 体分離手段を通過した気体中に含まれる塵等を分離する第一の集塵手段と、該第一の集塵手段を通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機と、該第二の圧縮機により昇圧された気体中に含まれる塵等を分離する第二の集塵手段とを設け、
    前記第一の集塵手段は、該タービンの冷却系統で並列に少なくとも2つ設けたフィルターであることを特徴とするガスタービン設備。
  6. 気体を圧縮して吐出する第一の圧縮機と、該第一の圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備において、
    前記第一の圧縮機から気体をタービンに供給するタービン冷却系統を設け、
    該タービンの冷却系統に、前記第一の圧縮機により圧縮された気体を冷却する熱交換器と、該熱交換器により冷却された気体中に含まれる塵等を分離する集塵手段と、前記集塵手段を通過した気体中の液体及び塵等を分離する分離手段と、該分離手段を通過した気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧する第二の圧縮機とを設けることを特徴とするガスタービン設備。
  7. 気体を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧縮機により圧縮された気体が供給される燃焼器と、燃焼器の燃焼ガスにより駆動されるタービンとを備えたガスタービン設備のガスタービン冷却方法において、
    前記圧縮機により圧縮された気体を冷却し、その冷却された気体中に含まれる液体を分離し、その分離された気体中に含まれる塵等を分離し、その分離された気体を冷却用空気として適切な圧力に昇圧し、その昇圧された気体中に含まれる塵等を分離した後、その気体を該タービンに供給して該タービンを冷却することを特徴とするガスタービン冷却方法。
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