JP2003343282A - ガスタービン - Google Patents

ガスタービン

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JP2003343282A
JP2003343282A JP2002153659A JP2002153659A JP2003343282A JP 2003343282 A JP2003343282 A JP 2003343282A JP 2002153659 A JP2002153659 A JP 2002153659A JP 2002153659 A JP2002153659 A JP 2002153659A JP 2003343282 A JP2003343282 A JP 2003343282A
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turbine
gas turbine
compressor
boost compressor
antisurge
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JP2002153659A
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English (en)
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Kazunori Yamanaka
和典 山中
Shinya Marushima
信也 圓島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統
を冷媒が逆流し、冷却系統に設置されるフィルタを通過
しない冷媒がタービン高温部に供給されることを防止す
るガスタービンを提供する。 【解決手段】圧縮機1により圧縮され燃焼器2へと導か
れる圧縮空気の一部を熱交換器5にて冷却し、その下流
に設置したブースト圧縮機7により昇圧した冷却空気を
ガスタービン高温部に供給する冷却空気系統11を有す
る。制御装置10は、サージ回避配管系統の出入口にお
ける圧力を検出する圧力計13,14によって検出され
たサージ回避配管系統の出口圧力が入口圧力より高い場
合、アンチサージ弁9の閉じるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン高温部の
冷却用空気系統を有するガスタービンに係り、特に、タ
ービン高温部の冷却空気系統に設置されるブースト圧縮
機のアンチサージ系統に用いるに好適なガスタービンに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の地球温暖化対策として、ガスター
ビン発電設備の大容量化・高効率化が求められている。
特に、圧縮機により圧縮された空気を燃焼器へと導き燃
料を供給して燃焼させ、その燃焼ガスによりガスタービ
ンを駆動するガスタービン発電設備においては、燃焼温
度をより高温化することにより、大容量・高効率が実現
できる。しかしながら、より高温の燃焼ガスにさらさ
れ、燃焼ガスの持つエネルギーを回収するガスタービン
は、冷却無しでは損傷を招き重大事故へと発展する可能
性がある。このため、燃焼ガス温度の高いガスタービン
発電設備においては、圧縮空気や蒸気を用いてガスター
ビン高温部の冷却を行っている。
【0003】タービン高温部を冷却する冷却空気を圧縮
機出口すなわち燃焼器室から抽気して、冷却後の空気を
元の燃焼器に回収するクローズド冷却空気系統では、冷
却空気抽気位置と回収位置の圧力が同レベルにあるた
め、タービン高温部での冷却空気流路・配管・付属機器
での圧力損失分だけタービン圧縮機出口から抽気した空
気をブースト圧縮機にて昇圧する必要がある。
【0004】従来のブースト圧縮機を用いたガスタービ
ンとしては、例えば、特開平5−248260号公報に
記載されているように、圧縮機から吐出された空気を熱
交換器にて冷却し、タービン高温部を冷却するために冷
却系等を構成する機器・配管・タービン高温部に形成さ
れる冷却空気流路での圧力損失を考慮してブースト圧縮
機を設置するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】タービン高温部を冷却
するための冷却流路は、その冷却性能を向上するために
複雑で精密な構造を有しているため、冷却流路は圧力損
失が大きくなる。したがって、タービン高温部冷却のた
めの冷媒を供給する際に、冷却流路の圧力損失を考慮し
て冷媒を昇圧するブースト圧縮機が必要となる。
【0006】ブースト圧縮機は、通過する冷媒の流量・
圧縮機前後圧力比の状態によっては、サージにより破損
する恐れがある。そこで、ブースト圧縮機がサージによ
り破損する事を防ぐために、タービン高温部をバイパス
するアンチサージ系統を設け、ブースト圧縮機がサージ
域で運転されることを回避するようにしている。
【0007】一方、起動・昇速等ブースト圧縮機の回転
数が低い状態では、ブースト圧縮機の前後圧力比は小さ
いものである。この運転状態で、ブースト圧縮機がサー
ジ域での運転となり、アンチサージ弁を開くと、アンチ
サージ系統の接続先次第でその圧力バランスによりアン
チサージ系統を介して圧縮機上流側から下流側へと冷媒
が逆流し、タービン高温部へ供給される事態が生じるこ
とになる。
【0008】冷媒がアンチサージ系統を逆流すると、系
統に設置した冷媒を清浄化するためのフィルタを通過せ
ずにタービン高温部に冷媒が供給される。清浄化されて
ない冷媒がタービン高温部に供給されると、冷媒中に含
まれるダスト・ミストにより複雑な形状にて構成される
冷却流路を閉塞させる恐れがあるという問題が生じてく
る。冷却流路の閉塞はタービン高温部の破損を招き重大
事故に繋がる。
【0009】本発明の目的は、ブースト圧縮機保護のた
めのアンチサージ系統を冷媒が逆流し、冷却系統に設置
されるフィルタを通過しない冷媒がタービン高温部に供
給されることを防止するガスタービンを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、圧縮機にて圧縮した空気を燃焼器
に導き、この燃焼器にて発生した燃焼ガスによりタービ
ンを駆動するとともに、上記圧縮機により圧縮され上記
燃焼器へと導かれる圧縮空気の一部を熱交換器にて冷却
し、その下流に設置したブースト圧縮機により昇圧した
冷却空気をガスタービン高温部に供給する冷却空気系統
を有するガスタービンにおいて、上記ブースト圧縮機の
サージ回避の配管系統に空気が逆流してブースト圧縮機
の上流から下流の方向へ流れることを防止する防止手段
を備えるようにしたものである。かかる構成により、ブ
ースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷媒が逆
流し、冷却系統に設置されるフィルタを通過しない冷媒
がタービン高温部に供給されることを防止し得るものと
なる。
【0011】(2)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、サージ回避配管系統の出入口における
圧力を検出する圧力計と、この圧力計によって検出され
たサージ回避配管系統の出口圧力が入口圧力より高い場
合、アンチサージ弁を閉じるように制御する制御手段と
から構成するようにしたものである。
【0012】(3)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、上記ブースト圧縮機の回転数を検出す
る回転数計と、この回転数計によって検出されたブース
ト圧縮機の回転数が、サージ回避配管系統を空気が逆流
する回転数以下の場合、アンチサージ弁を閉じるように
制御する制御手段とから構成するようにしたものであ
る。
【0013】(4)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、上記ブースト圧縮機を回転する上記タ
ービンの回転数を検出する回転数計と、この回転数計に
よって検出されたタービンの回転数が、サージ回避配管
系統を空気が逆流する回転数以下の場合、アンチサージ
弁を閉じるように制御する制御手段とから構成するよう
にしたものである。
【0014】(5)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、上記タービンの排気温度を検出する排
気温度計と、この排気温度計によって検出された排気温
度に基づいて求められたタービンの回転数が、サージ回
避配管系統を空気が逆流する回転数以下の場合、アンチ
サージ弁を閉じるように制御する制御手段とから構成す
るようにしたものである。
【0015】(6)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、上記タービンの燃焼ガス温度を検出す
る燃焼ガス温度計と、この燃焼ガス温度計によって検出
された燃焼ガス温度に基づいて求められたタービンの回
転数が、サージ回避配管系統を空気が逆流する回転数以
下の場合、アンチサージ弁を閉じるように制御する制御
手段とから構成するようにしたものである。
【0016】(7)上記(1)において、好ましくは、
上記防止手段は、アンチサージ系統に設置された逆止弁
から構成するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を用いて、本
発明の第1の実施形態によるガスタービンの構成につい
て説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によるガ
スタービンの高温部冷却系統の構成を示す系統図であ
る。図2は、本発明の第1の実施形態によるガスタービ
ンの高温部冷却系統に用いるブースト圧縮機の特性図で
ある。
【0018】図1に示すように、圧縮機1にて圧縮した
空気を燃焼器2に導き、燃焼器2によって燃料と混合さ
せた後燃焼させ、燃焼ガスを発生する。発生した燃焼ガ
スにより、タービン3を駆動する。タービン3の回転に
より、タービン3と同軸に配置された圧縮機1が駆動さ
れる。また、タービン3の回転は、変速機4を介して、
ブースト圧縮機7に伝達される。
【0019】冷却空気系統11において、圧縮機により
圧縮され燃焼器へと導かれる圧縮空気の一部は、圧縮機
1の出口にて分岐して、熱交換器5に導かれる。熱交換
器5は、ブースト圧縮機7の出口空気温度がタービン高
温部の冷却に適切な温度となるように、ブースト圧縮機
7での空気温度上昇を考慮して、適切な空気温度まで冷
却する。
【0020】熱交換器5によって冷却された圧縮空気
は、フィルタ6へと導かれ、圧縮空気中に含まれるミス
ト及びダスト等の異物が除去される。その後、圧縮空気
は、ブースト圧縮機7により、タービン高温部冷却用空
気として最適な圧力まで昇圧される。ブースト圧縮機7
の下流にも、フィルタ8を設置し、使用する燃料が液体
の場合には、タービン3の高温部へ供給する冷却空気,
燃焼器2へ供給する燃料油噴霧空気を最終的に清浄化す
る。なお、フィルタ8に替えて、ストレナーを用いるよ
うにしてもよいものである。すなわち、通常の運転状態
では、圧縮機1から出た圧縮空気は、熱交換器5で冷却
された後、実線で示す矢印F1の流れに沿って、タービ
ン3に供給され、タービン3の高温部冷却に用いられ
る。
【0021】ここで、図2を用いて、圧縮機の特性につ
いて説明する。図2の横軸は圧縮機を流れる空気流量Q
を示し、縦軸は圧縮機の圧力比等,圧縮機の圧力特性を
表す物理量Hを示している。この圧縮機特性により、予
め、空気流量Qと圧力比Hに基づいて、図示するよう
に、サージライン、サージコントロールラインを定めて
いる。
【0022】タービン高温部へ冷却空気を供給する際
に、ブースト圧縮機7の圧力比・冷却空気の流量によっ
ては、ブースト圧縮機がサージ域での運転状態になる。
具体的には、図2中のA点の空気流量Q(圧縮機回転
数)・圧力比Hで運転している状態で、ブースト圧縮機
の下流側の流量バランスが変化して流量が減り、図2に
示すサージコントロールラインを超えると、ブースト圧
縮機のサージ保護機能が動作する。
【0023】この場合、ブースト圧縮機7がサージによ
る破損する事を防止するために、ブースト圧縮機7の下
流から大気開放するか、または、ブースト圧縮機7の上
流側に配管を接続し、配管途中に設置されるアンチサー
ジ弁9を開くことで、ブースト圧縮機を通過する流量を
確保し、ブースト圧縮機がサージ域で運転されることを
防止する。サージ域の運転状態では、圧縮機1から出た
圧縮空気は、熱交換器5で冷却された後、一点鎖線で示
す矢印F2の流れに沿って、一部がアンチサージ弁9か
らブースト圧縮機7の上流に戻り、他はタービン3に供
給され、タービン3の高温部冷却に用いられる。
【0024】このアンチサージ系統の接続先としては、
ブースト圧縮機の上流側であればよく、冷却器の上流
や、フィルタの上流等種々考えられる。図1では、冷却
器上流に接続した場合を示している。この場合、アンチ
サージ系統を空気が循環しても、バイパスした空気は再
度冷却器を通過するため、アンチサージ系統を循環する
ことによる冷却空気温度の上昇を防止できる。
【0025】なお、アンチサージ系統の接続先として
は、フィルタの上流としてもよいものである。この場
合、アンチサージ弁が開き冷却空気がアンチサージ系統
を循環した冷却空気は冷却器を通過しないので長時間の
循環運転を行うとブースト圧縮機の吐出空気温度が上昇
する恐れがある。しかしながら、機器の配置によっては
接続するアンチサージ系統の配管長さを短くすることが
可能であり設備のコスト削減に繋がる。また、タービン
高温部の冷却に使用する冷媒が空気等で大気に直接放出
しても問題ない場合には、アンチサージ系統は大気開放
としてもよいものである。
【0026】ここで、タービン3が起動・昇速中の状態
では、ブースト圧縮機の圧力比は小さく、ブースト圧縮
機7の吐出圧は吸込圧に対してあまり高くならないこと
がある。このため、冷却空気系統を構成する配管・冷却
器・フィルタの圧力損失を考慮すると、アンチサージ系
統の接続先によっては接続先の系統圧よりもブースト圧
縮機の吐出圧力の方が低くなる場合がある。この場合、
アンチサージ系統を、図1に破線の矢印F3で示すよう
に、逆流してタービン高温部へ冷却空気が供給される。
【0027】図1に示す系統においては、本来であれ
ば、矢印F1で示すように、フィルタ8を通過すること
によりダスト・ミストが除去された清浄な冷却空気が、
タービン高温部へ供給される。しかし、上述したよう
に、ブースト圧縮機7の下流側圧力が低く、破線の矢印
F3で示すように、冷却空気がアンチサージ系統を逆流
すると、フィルタを通過しない冷却空気がタービン高温
部へ供給される。タービン高温部に設けられる冷却空気
の流路は複雑な構造をしている。このため、冷却空気中
にダスト・ミスト等の異物が含まれていると、冷却流路
を閉塞させる可能性がある。冷却流路の閉塞はタービン
高温部の破損を招く恐れがあり重大事故に繋がることと
なる。
【0028】そこで、本実施形態では、アンチサージ弁
を開いた時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、
ブースト圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防
止する防止手段として、制御装置10と、圧力計13,
14とを備えている。制御装置10は、アンチサージ系
統の接続先であるブースト圧縮機7の上流に設置した圧
力計13によって検出された圧力Pinと、ブースト圧縮
機7の出口側に設置した圧力計14によって検出された
圧力Poutを比較して、アンチサージ弁の開閉条件の一
つとする。つまり、制御装置10は、ブースト圧縮機が
サージ域での運転状態になったとしても、アンチサージ
系統の接続先の圧力Pinがブースト圧縮機の吐出圧Pou
tよりも高く、アンチサージ系統を冷却空気が逆流する
破線矢印F3の流れとなる圧力バランスであれば、アン
チサージ弁9は開かずに、全閉のままとする。これによ
り、冷却空気がアンチサージ系統を逆流し、フィルタを
通過しない清浄化する前にタービン高温部へ供給され、
冷却空気中に含まれるダスト・ミストにより複雑で緻密
な形状で構成される冷却流路を閉塞することを防止する
できるものである。
【0029】ここで、アンチサージ系統を冷却空気が逆
流する恐れのあるような例えばブースト圧縮機の圧力比
がπ=1.1程度の吐出圧が低い状態で、ブースト圧縮
機がサージ域での運転となっても圧縮機を破損する事は
なく、アンチサージ弁を開かなくても問題ないものであ
る。また、このような運転状態は、ブースト圧縮機の特
性上回転数が低い状態で起き、起動・昇速途中で過渡的
にこのような状態になるものであり、通常短時間の運転
であり、圧縮機を破損することはないので、圧縮機がサ
ージ域で運転されたとしてもアンチサージ弁を開かなく
ても問題ないものである。
【0030】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない冷却空気がタービン高温部に供給されること
を防止することができ、冷却空気流路の閉塞によるター
ビン高温部の破損を防止することができる。
【0031】次に、図3を用いて、本発明の第2の実施
形態によるガスタービンの構成について説明する。図3
は、本発明の第2の実施形態によるガスタービンの高温
部冷却系統の構成を示す系統図である。なお、図1と同
一符号は、同一部分を示している。
【0032】本実施形態では、アンチサージ弁を開いた
時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、ブースト
圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防止する防
止手段として、制御装置10Aと、回転数計15とを備
えている。回転数計15は、ブースト圧縮機7の回転数
R13を検出する。すなわち、本実施形態では、図1に示
した例でブースト圧縮機の吐出圧とアンチサージ系統の
接続先の圧力を使用していた代わりに、ブースト圧縮機
7の回転数R13を用いるようにしている。
【0033】タービン高温部の冷却空気の温度を一定と
するために、ブースト圧縮機の入口空気温度を一定に制
御しているので、ブースト圧縮機7の圧力比は、ブース
ト圧縮機7の回転数R13により決まる。また、このと
き、ガスタービン圧縮機1の回転数R1は、ブースト圧
縮機7の回転数R13を、変速機4の変速比で除したもの
となる。ガスタービン圧縮機1の回転数R1と吐出圧P1
(図1の例における圧力計13によって検出される圧力
Pinに相当する)との関係は、予め、ガスタービン圧縮
機1の特性として求めておくことができる。
【0034】したがって、冷却空気の供給源であるガス
タービン圧縮機1の起動時におけるガスタービン回転数
と吐出圧力の特性と、ブースト圧縮機7の回転数と吐出
圧力特性、および冷却空気系統に設置される各機器・配
管の圧力損失とを合わせて考慮して、アンチサージ系統
の接続先の圧力とブースト圧縮機の吐出圧力より冷却空
気がアンチサージ系統を逆流する可能性のあるブースト
圧縮機の回転数を予め検討しておくことができる。制御
装置10Aは、回転数計15によって検出されたブース
ト圧縮機7の回転数R13が、所定の回転数以下でブース
ト圧縮機が運転されている場合は、ブースト圧縮機がサ
ージ域での運転状態になったとしてもアンチサージ弁9
を開かずに、運転を継続するように制御する。
【0035】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない空気がタービン高温部に供給されることを防
止することができ、冷却空気流路の閉塞によるタービン
高温部の破損を防止することができる。
【0036】次に、図4を用いて、本発明の第3の実施
形態によるガスタービンの構成について説明する。図4
は、本発明の第3の実施形態によるガスタービンの高温
部冷却系統の構成を示す系統図である。なお、図1と同
一符号は、同一部分を示している。
【0037】本実施形態では、アンチサージ弁を開いた
時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、ブースト
圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防止する防
止手段として、制御装置10Bと、回転数計16とを備
えている。回転数計16は、ガスタービン圧縮機1の回
転数R1を検出する。すなわち、本実施形態では、図1
に示した例でブースト圧縮機の吐出圧とアンチサージ系
統の接続先の圧力を使用していた代わりに、ガスタービ
ン圧縮機1の回転数R1を用いるようにしている。
【0038】図3の説明において上述したように、ガス
タービン圧縮機1の回転数R1と吐出圧P1(図1の例に
おける圧力計13によって検出される圧力Pinに相当す
る)との関係は、予め、ガスタービン圧縮機1の特性と
して求めておくことができる。ブースト圧縮機7の回転
数R13は、ガスタービン圧縮機1の回転数R1に、変速
機4の変速比を乗じたものとなる。また、ブースト圧縮
機7の圧力比は、タービン高温部の冷却空気の温度を一
定とするために、ブースト圧縮機の入口空気温度を一定
に制御しているので、ブースト圧縮機7の回転数R13に
より決まる。
【0039】したがって、アンチサージ系統を冷却空気
が逆流する可能性のあるブースト圧縮機回転数を検討し
その結果と変速機の変速比よりタービン回転数に換算す
ることができる。制御装置10Bは、回転数計16によ
って検出されたガスタービン圧縮機1の回転数R1が、
所定の回転数以下でガスタービン圧縮機が運転されてい
る場合は、ブースト圧縮機がサージ域での運転状態にな
ったとしてもアンチサージ弁9を開かずに、運転を継続
するように制御する。
【0040】このように、ブースト圧縮機7が変速機4
を介してタービン3により駆動されることで、電動モー
タ等の他の動力源によりブースト圧縮機7を駆動する場
合に比べて、冷却空気の供給により高い信頼性を得るこ
とができる。
【0041】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない空気がタービン高温部に供給されることを防
止することができ、冷却空気流路の閉塞によるタービン
高温部の破損を防止することができる。
【0042】次に、図5を用いて、本発明の第4の実施
形態によるガスタービンの構成について説明する。図5
は、本発明の第4の実施形態によるガスタービンの高温
部冷却系統の構成を示す系統図である。なお、図1と同
一符号は、同一部分を示している。
【0043】起動・昇速時のタービン回転数,大気温
度,燃料流量により排気温度が決まるので冷却空気がア
ンチサージ系統を逆流する可能性のあるブースト圧縮機
回転数を求め、これよりタービン回転数、排気温度を求
める事が可能である。
【0044】排気温度とブースト圧縮機回転数の関係
は、実際の運転中の計測データを基に制御設定値を調整
することでより、正確に冷却空気がアンチサージ系統を
逆流することを防止できる。
【0045】本実施形態では、アンチサージ弁を開いた
時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、ブースト
圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防止する防
止手段として、制御装置10Cと、排気温度計17とを
備えている。排気温度計17は、ガスタービン3の排気
温度T3を検出する。すなわち、本実施形態では、図1
に示した例でブースト圧縮機の吐出圧とアンチサージ系
統の接続先の圧力を使用していた代わりに、ガスタービ
ン3の排気温度T3を用いるようにしている。
【0046】ガスタービン3の排気温度T3よりタービ
ンの起動昇速の制御設定に従って、タービン回転数を求
めることで、同様にアンチサージ系統を冷却空気が逆流
する可能性のあるブースト圧縮機の運転状態を予測する
ことが可能である。すなわち、排気温度T3は、燃焼空
気流量と燃料流量により決まる。この際に燃焼空気の流
量はタービンの回転数にて圧縮機1が吸込む流量より決
まるので、ブースト圧縮機の圧力比が低く、冷却空気が
アンチサージ系統を逆流する可能性のあるブースト圧縮
機回転数と変速比よりタービン回転数を求める。制御装
置10Cは、排気温度計17によって検出された排気温
度T3が、ある一定値以下の排気温度ではアンチサージ
弁9を開かぬように制御する。
【0047】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない空気がタービン高温部に供給されることを防
止することができ、冷却空気流路の閉塞によるタービン
高温部の破損を防止することができる。
【0048】次に、図6を用いて、本発明の第5の実施
形態によるガスタービンの構成について説明する。図6
は、本発明の第5の実施形態によるガスタービンの高温
部冷却系統の構成を示す系統図である。なお、図1と同
一符号は、同一部分を示している。
【0049】本実施形態では、アンチサージ弁を開いた
時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、ブースト
圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防止する防
止手段として、制御装置10Dと、燃焼ガス温度計18
とを備えている。燃焼ガス温度計18は、燃焼ガスの温
度を検出する。すなわち、本実施形態では、図1に示し
た例でブースト圧縮機の吐出圧とアンチサージ系統の接
続先の圧力を使用していた代わりに、燃焼ガス温度を用
いるようにしている。
【0050】燃焼ガス温度は、燃焼空気流量と燃料流量
により決まる。この際に燃焼空気の流量は、タービンの
回転数にて圧縮機が吸込む流量より決まるので、ブース
ト圧縮機の圧力比が低く、冷却空気がアンチサージ系統
を逆流する可能性のあるブースト圧縮機回転数と変速比
よりタービン回転数を求め、ある一定値以下の燃焼ガス
温度以下ではアンチサージ弁を開しないように制御す
る。制御装置10Dは、燃焼ガス温度計18によって検
出された燃焼ガス温度が、ある一定値以下の排気温度で
はアンチサージ弁9を開かぬように制御する。
【0051】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない空気がタービン高温部に供給されることを防
止することができ、冷却空気流路の閉塞によるタービン
高温部の破損を防止することができる。
【0052】次に、図7を用いて、本発明の第6の実施
形態によるガスタービンの構成について説明する。図7
は、本発明の第6の実施形態によるガスタービンの高温
部冷却系統の構成を示す系統図である。なお、図1と同
一符号は、同一部分を示している。
【0053】本実施形態では、アンチサージ弁を開いた
時にアンチサージ系統を冷却空気が逆流して、ブースト
圧縮機の上流から下流の方向へ流れることを防止する防
止手段として、アンチサージ系統に逆止弁19を備えて
いる。逆止弁19を設けることにより、アンチサージ系
統の流れは、ブースト圧縮機下流から上流への一方向に
制限される。これによりブースト圧縮機がサージ域での
運転となりアンチサージ弁が開いた場合、ブースト圧縮
機の吐出圧が低くアンチサージ系統を逆流するような圧
力バランスだったとしても、逆止弁19により逆流を防
止することができる。
【0054】逆止弁19により逆流を防止することで、
上述の各実施形態のような計測器やアンチサージコント
ローラに依る場合と比べて、簡便で確実に逆流防止を実
現できる。
【0055】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブースト圧縮機保護のためのアンチサージ系統を冷
却空気が逆流し、冷却空気系統に設置されるフィルタを
通過しない空気がタービン高温部に供給されることを防
止することができ、冷却空気流路の閉塞によるタービン
高温部の破損を防止することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、ブースト圧縮機の保護
のために設置したアンチサージ系統を冷却空気が逆流す
ることを防止することで、冷却空気系統に設置したフィ
ルタを通過しない冷却空気がタービン高温部に供給さ
れ、翼等に構成されている複雑な冷却流路を閉塞させる
ことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統に用いるブースト圧縮機の特性図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【図4】本発明の第3の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【図5】本発明の第4の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【図6】本発明の第5の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【図7】本発明の第6の実施形態によるガスタービンの
高温部冷却系統の構成を示す系統図である。
【符号の説明】
1…圧縮機 2…燃焼器 3…タービン 4…変速機 5…熱交換器 6…フィルタ 7…ブースト圧縮機 8…フィルタ 9…アンチサージ弁 10…制御装置 11…冷却空気系統 12…アンチサージ系統 13…圧力計 14…圧力計 15…回転数計 16…回転数計 17…排気温度計 18…燃焼ガス温度計 19…逆止弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機にて圧縮した空気を燃焼器に導き、
    この燃焼器にて発生した燃焼ガスによりタービンを駆動
    するとともに、上記圧縮機により圧縮され上記燃焼器へ
    と導かれる圧縮空気の一部を熱交換器にて冷却し、その
    下流に設置したブースト圧縮機により昇圧した冷却空気
    をガスタービン高温部に供給する冷却空気系統を有する
    ガスタービンにおいて、 上記ブースト圧縮機のサージ回避の配管系統に空気が逆
    流してブースト圧縮機の上流から下流の方向へ流れるこ
    とを防止する防止手段を備えたことを特徴とするガスタ
    ービン。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 サージ回避配管系統の出入口における圧力を検出する圧
    力計と、 この圧力計によって検出されたサージ回避配管系統の出
    口圧力が入口圧力より高い場合、アンチサージ弁を閉じ
    るように制御する制御手段とから構成されることを特徴
    とするガスタービン。
  3. 【請求項3】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 上記ブースト圧縮機の回転数を検出する回転数計と、 この回転数計によって検出されたブースト圧縮機の回転
    数が、サージ回避配管系統を空気が逆流する回転数以下
    の場合、アンチサージ弁を閉じるように制御する制御手
    段とから構成されることを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 上記ブースト圧縮機を回転する上記タービンの回転数を
    検出する回転数計と、 この回転数計によって検出されたタービンの回転数が、
    サージ回避配管系統を空気が逆流する回転数以下の場
    合、アンチサージ弁を閉じるように制御する制御手段と
    から構成されることを特徴とするガスタービン。
  5. 【請求項5】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 上記タービンの排気温度を検出する排気温度計と、 この排気温度計によって検出された排気温度に基づいて
    求められたタービンの回転数が、サージ回避配管系統を
    空気が逆流する回転数以下の場合、アンチサージ弁を閉
    じるように制御する制御手段とから構成されることを特
    徴とするガスタービン。
  6. 【請求項6】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 上記タービンの燃焼ガス温度を検出する燃焼ガス温度計
    と、 この燃焼ガス温度計によって検出された燃焼ガス温度に
    基づいて求められたタービンの回転数が、サージ回避配
    管系統を空気が逆流する回転数以下の場合、アンチサー
    ジ弁を閉じるように制御する制御手段とから構成される
    ことを特徴とするガスタービン。
  7. 【請求項7】請求項1記載のガスタービンにおいて、 上記防止手段は、 アンチサージ系統に設置された逆止弁から構成されるこ
    とを特徴とするガスタービン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182883A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 General Electric Co <Ge> エンジンターンダウンを可能にするための方法およびタービンエンジン
CN103608564A (zh) * 2011-06-16 2014-02-26 涡轮梅坎公司 具有连接低压涡轮机的高压压气机的双轴涡轮发动机设计
CN113202581A (zh) * 2021-05-07 2021-08-03 中国大唐集团科学技术研究院有限公司华东电力试验研究院 一种燃机冷却系统以及冷却方法

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