JP3975467B2 - 水素−酸素ガス発生装置及びそれを用いた水素−酸素ガス発生方法 - Google Patents

水素−酸素ガス発生装置及びそれを用いた水素−酸素ガス発生方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、電気分解により水素−酸素ガスを発生させるための装置及び方法に関し、特に、高い効率で水素−酸素ガスを発生させることを企図した水素−酸素ガス発生装置及び水素−酸素ガス発生方法に関するものである。
背景技術
ファラデーによって電気分解技術が開発され、これにより水の電気分解生成物として、2:1の比率の水素及び酸素からなる水素−酸素ガスが得られることが知られている。これまでに、水素−酸素ガスの研究はそれなりに続けられてきたが、実用性のある技術は、オーストラリアのブラウン エネルギー システム テクノロジー ピー ティー ワイ社(Brown Energy System Technology PTY.LTD.)のユル・ブラウン博士(Dr.Yull Brown)の開発に係るガス発生機であり、これに関連する特許文献としては、日本国登録実用新案第3037633号公報がある。
この技術は、水素−酸素ガスを発生させる電解槽の構造において、四方にボルト孔が形成され、中心の上側及び下側にガス流通長孔と電解液流通長孔とが互いに垂直になるように形成された多数個の電極板と、前記電極板の間に設置され外側に突出されたボルトハウジング孔が形成された多数個のスペーサを相互交番的に結合させ、スペーサの内周縁面にはオーリングでシーリングして電解液充填質を形成するとともに、前記の電極板の両側には電流連結ボルトとガス連結ニップル及び電解液連結ニップルとを持つ電解槽仕上板を装着して、前記電極板のボルト孔、スペーサのボルトハウジング孔及び電解槽仕上板のボルト孔に挟まれたステイボルトにナットを締結して電極板、スペーサ及び電解槽仕上板を相互結合させて構成したものである。
しかしながら、従来方法では、このような電解槽内に設けられた電極板の隣接するものどうしの間には、ショートしないだけの距離として最も短くとも50mmの間隔をとらねばならない。それより短い距離に接近させると、過電流となり、事故が発生しやすくなる傾向にある。このため、従来の装置及び方法では、電流密度を高めて水素−酸素ガスを高い効率で発生させることには限界があり、十分な効率が得られていなかった。
一方、電解槽の大きさには自ずと上限があるため、一台の水素−酸素ガス発生装置によって生産される水素−酸素ガスの量にも上限がある。しかるに、実用的見地からは、出来るだけ小さな装置によって単位時間当たり出来るだけ多くの量の水素−酸素ガスを生産することが望ましい。この点においても、従来の装置では、装置の小型化と水素−酸素ガスの発生量の向上との双方を満足させることは困難であった。
そこで、本発明は、電解条件を改善して水素−酸素ガス発生の効率を高め、これにより単位時間当たり電極単位面積当たりに発生する水素−酸素ガスの量を増大させ、もって装置の小型化及び装置あたりの水素−酸素ガス発生量の向上を可能となすことにある。
発明の開示
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
電解槽と、該電解槽内にて交互に配置された第1の電極及び第2の電極からなる電極群と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源と、前記電解槽内に収容される電解液の電気分解により発生する水素−酸素ガスを捕集するためのガス捕集手段とを有する水素−酸素ガス発生装置であって、
前記電解槽内に収容される電解液を振動撹拌するための振動撹拌手段を備えており、且つ、前記電極群において隣接する前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離が1mm〜20mmの範囲内に設定されていることを特徴とする水素−酸素ガス発生装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記ガス捕集手段は、前記電解槽に付設された蓋部材と、該蓋部材に設けられた水素−酸素ガス取出口に接続された水素−酸素ガス採取管とを含んでなる。
本発明の一態様においては、前記振動撹拌手段は、振動モータを含む振動発生手段と、該振動発生手段に連係して前記電解槽内で振動する振動棒に回転不能に且つ少なくとも一段に取り付けられた振動羽根とを含んでなり、前記振動モータは10Hz〜200Hzの振動数で振動する。本発明の一態様においては、前記振動発生手段は、前記電解槽の上部に振動吸収部材を介して取り付けられている。本発明の一態様においては、前記振動発生手段は、前記電解槽とは別の支持台により支持されている。本発明の一態様においては、前記ガス捕集手段は、前記電解槽に付設された蓋部材と、該蓋部材に設けられた水素−酸素ガス取出口に接続された水素−酸素ガス採取管とを含んでなり、前記振動棒は前記蓋部材を貫通して延びており、該蓋部材と前記振動棒との間には前記振動棒の振動を許容し且つ前記水素−酸素ガスの通過を阻止するためのシール手段が介在している。
本発明の一態様においては、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方は多孔性のものである。本発明の一態様においては、前記電源は直流パルス電源である。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
上記の様な水素−酸素ガス発生装置を用い、前記電解液として5重量%〜10重量%の電解質を含み液温20℃〜70℃でpH7〜10のものを用いて、電流密度5A/dm〜20A/dmとなるように前記電解液の電気分解を行なうことを特徴とする水素−酸素ガス発生方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記電気分解は、前記電解槽に蓋部材を付設した密閉下でなされる。本発明の一態様においては、前記電解質が水溶性のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物である。本発明の一態様においては、前記電源として直流パルス電源を用いる。
以上の様な本発明においては、振動撹拌手段の振動羽根により電解液中強力な振動流動が生ぜしめられるので、電解液は電極と十分良好な均一性をもって且つ十分な供給量をもって接触せしめられる。このため、陽極と陰極との間の距離を従来より著しく小さくしても、それらの間に電気分解に必要なイオンを十分に供給することが可能になり、また電極に発生する電解熱を迅速に放熱することができる。従って、高い電流密度で電気分解を行なって、高い効率で水素−酸素ガスを回収することができる。また、以上の様に陽極と陰極との間の距離を小さくすることで、単位容積あたりに配置される電極の有効表面積を十分に高めることができるので、電解槽を小型化しても十分な量の水素−酸素ガスを発生させることができる。
特に、以上の様な振動撹拌手段による電解液の振動撹拌を併用して電気分解を行なう場合には、電極近傍にて発生する水素や酸素が気泡を形成する前に電解液面へと運ばれて気相へと移行するので、電解液中にて生成せしめられた水素や酸素が電極表面に気泡として付着し電気抵抗を増加させるようなことがない。このため、上記の様に容易に高い電流密度での電気分解の実現が可能になるのである。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施の形態を説明する。尚、図面において、同様な機能を有する部材又は部分には同一の符号が付されている。
図1〜図3は本発明による水素−酸素ガス発生方法の実施される水素−酸素ガス発生装置の一実施形態の構成を示す図である。ここで、図1は断面図であり、図2は平面図であり、図3は側面図である。
これらの図において、10Aは電解槽であり、該電解槽には電解液14が収容されている。16は振動撹拌手段である。該振動撹拌手段16は、電解槽10Aとは別に配置された支持台100に防振ゴムを介して取り付けられた基台16a、該基台に下端を固定された振動吸収部材としてのコイルバネ16b、該コイルバネの上端に固定された振動部材16c、該振動部材に取り付けられた振動モータ16d、振動部材16cに上端を取り付けられた振動棒(振動伝達ロッド)16e、該振動棒の下半部において電解液14に浸漬する位置に回転不能に複数段に取り付けられた振動羽根16fを有する。振動モータ16d及び振動部材16cを含んで振動発生手段が構成され、該振動発生手段が振動棒16eと連係している。コイルバネ16b内には、後述の図16その他に示されているように、棒状のガイド部材を配置することができる。
振動モータ16dは例えばインバータを用いた制御により10〜200Hz、好ましくは20〜60Hzで振動する。振動モータ16dで発生した振動は、振動部材16c及び振動棒16eを介して振動羽根16fに伝達される。振動羽根16fは、電解液14中で所要の振動数で先端縁が振動する。この振動は、振動羽根16fが振動棒16eへの取り付け部分から先端縁へと「しなる」ように発生する。この振動の振幅及び振動数は、振動モータ16dのものとは異なるが、振動伝達経路の力学的特性及び電解液14との相互作用の特性などに応じて決まり、本発明では振幅0.1〜15.0mmで振動数200〜1000回/分とするのが好ましい。
図7は振動部材16cへの振動棒16eの取り付け部111の拡大断面図である。振動棒16eの上端に形成されたオネジ部に、振動部材16cの上側から振動応力分散部材16g1及びワッシャ16hを介してナット16i1,16i2を適合させており、振動部材16cの下側から振動応力分散部材16g2を介してナット16i3,16i4を適合させている。振動応力分散部材16g1,16g2は、振動応力分散手段として用いられており、例えばゴムからなる。振動応力分散部材16g1,16g2は、例えば硬い天然ゴム、硬い合成ゴム、合成樹脂等のショアーA硬度80〜120、好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成することができる。とくに、ショアーA硬度90〜100の硬質ウレタンゴムが耐久性、耐薬品性の点で好ましい。振動応力分散手段を使用することにより、振動部材16cと振動棒16eとの接合部分の近辺への振動応力の集中が防止され、振動棒16eが折れにくくなる。とくに、振動モータ16dの振動周波数を100Hz以上に高くした場合の振動棒16eの折れ発生防止の効果は顕著である。
図8は振動部材16cへの振動棒16eの取り付け部111の変形例を示す拡大断面図である。この変形例は、図7の取り付け部とは、振動部材16cの上側に振動応力分散部材16g1を配置しないこと、及び振動部材16cと振動応力分散部材16g2との間に球面スペーサ16xを介在させたことが異なるのみであり、他は同様である。
図9は振動棒16eへの振動羽根16fの取り付け部の拡大断面図である。振動羽根16fの各々の上下両側には、振動羽根固定部材16jが配置されている。隣接する振動羽根16fどうしの間には固定部材16jを介して振動羽根16fの間隔設定のためのスペーサリング16kが配置されている。尚、最上部の振動羽根16fの上側及び最下部の振動羽根16fの下側には、図1に示されているように、スペーサリング16kを介して又は介することなく、振動棒16eに形成されたオネジに適合するナット16mが配置されている。図9に示されているように、各振動羽根16fと固定部材16jとの間にフッ素系樹脂やフッ素系ゴムなどからなる振動応力分散手段としての弾性部材シート16pを介在させることで、振動羽根16fの破損を防止することができる。弾性部材シート16pは、振動羽根16fの破損防止効果を一層高めるために、固定部材16jから若干はみ出すように配置するのが好ましい。図示されているように、上側の固定部材16jの下面(押圧面)は凸状面とされており、下側の固定部材16jの上面(押圧面)は対応する凹状面とされている。これにより、固定部材16jにより上下方向から押圧される振動羽根16fの部分は湾曲せしめられ、振動羽根16fの先端部は水平面に対して角度αをなしている。この角度αは、例えば−30°以上30°以下好ましくは−20°以上20°以下とすることができる。特に、角度αは、−30°以上−5°以下または5°以上30°以下、好ましくは−20°以上−10°以下または10°以上20°以下とするのが好ましい。固定部材16jの押圧面を平面とした場合には、角度αは0°である。角度αは、全ての振動羽根16fについて同一である必要はなく、例えば、下方の1〜2枚の振動羽根16fについては−の値(即ち下向き:図9に示される向き)とし、それ以外の振動羽根16fについては+の値(即ち上向き:図9に示されるものと逆の向き)とすることができる。
図10〜図13は、振動羽根16f及び固定部材16jの変形例を示す平面図である。図10及び図11の変形例では、振動羽根16fは短冊状のもの2枚を互いに直交するように重畳させたものでもよいし、1枚の板から図示されているような十字形状に切り出したものでもよい。
振動羽根16fとしては、弾力性のある金属板、合成樹脂板またはゴム板などを用いることができる。振動羽根16fの厚みは、振動条件や電解液14の粘度などにより好ましい範囲は異なるが、振動撹拌手段16の作動時に、振動羽根が折れることなく、振動撹拌の効率を高めるように振動羽根16fの先端部分が“フラッター現象”(波打つような状態)を呈するように設定される。振動羽根16fがステンレス鋼板などの金属板からなる場合には、その厚みは0.2〜2mmとすることができる。また、振動羽根16fが合成樹脂板やゴム板からなる場合には、その厚みは0.5〜10mmとすることができる。振動羽根16fと固定部材16jとを一体成形したものを使用することもできる。この場合は、振動羽根16fと固定部材16jとの接合部に電解液14が浸入し固形分が固着して洗浄に手間がかかるというような問題を回避することができる。
金属製の振動羽根16fの材質としては、チタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼、磁性鋼などの磁性金属、これらの合金が挙げられる。合成樹脂製の振動羽根16fの材質としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンなどが挙げられる。
電解液14内での振動羽根16fの振動に伴って発生する振動羽根の“フラッター現象”の程度は、振動モータ16dの振動の周波数、振動羽根16fの長さ(固定部材16jの先端縁から振動羽根16fの先端縁までの寸法)と厚み、及び電解液14の粘度や比重などによって変化する。与えられた周波数においてもっともよく“しなる”振動羽根16fの長さと厚みとを選択することができる。振動モータ16dの振動の周波数と振動羽根16fの厚みとを一定にして、振動羽根16fの長さを変化させてゆくと、振動羽根のしなりの程度は図14に示すようになる。即ち、長さmが大きくなるに従って、ある段階までは大きくなるが、それをすぎるとしなりの程度Fは小さくなり、ある長さのときには殆どしなりがなくなり、さらに振動羽根を長くするとまたしなりが大きくなるという関係をくりかえすことが判った。
振動羽根の長さは、好ましくは、第1回目のピークを示す長さLか、第2回目のピークを示す長さLを選択することが好ましい。LにするかLにするかは、系の振動を強くするか流動を強くするかに応じて適宜選択できる。第3回目のピークを示す長さLを選択した場合は、振幅が小さくなる傾向にある。
以上のような振動攪拌手段16としては、以下の文献(これらは本発明者の発明に係る特許出願に関するものである)及び本出願人による特許出願である特願2001−135528、特願2001−338422に記載されているような振動撹拌機(振動撹拌装置)を使用することが可能である:
特開平3−275130号公報(特許第1941498号),
特開平6−220697号公報(特許第2707530号),
特開平6−312124号公報(特許第2762388号),
特開平8−281272号公報(特許第2767771号),
特開平8−173785号公報(特許第2852878号)
特開平7−126896号公報(特許第2911350号),
特開平9−40482号公報(特許第2911393号),
特開平11−189880号公報(特許第2988624号),
特開平7−54192号公報(特許第2989440号),
特開平6−33035号公報(特許第2992177号),
特開平6−287799号公報(特許第3035114号),
特開平6−280035号公報(特許第3244334号),
特開平6−304461号公報(特許第3142417号),
特開平10−43569号公報,
特開平10−369453号公報,
特開平11−253782号公報。
本発明において、振動撹拌手段16は、図1に示されている様に、電解槽の両端部に配置しても良いが、一方の端部のみに配置しても良い。また、振動羽根として両側に対称的に延びているものを使用すれば、振動撹拌手段16を電解槽の中央に配置し、その両側に後述の様な電極群を配置することも可能である。
なお、本発明において、特開平6−304461号公報に記載されている様な振動羽根が電解槽の底部に存在するタイプの振動撹拌手段を用いることにより、電解槽内の電極群の配置スペースが広くなり、電解槽の容積あたりのガス発生量を高めることができるとともに、上下方向に沿って電極を配置する場合には電極として後述の多孔性のものを使用する必要がなくなるという利点がある。
再び図1及び図2を参照する。本実施形態では、電解槽10Aの両端部にそれぞれ上記の様な振動撹拌手段16が配置されている。電解槽10A内には、2つの同様な電極群2x,2yが配置されている。電極群2x,2yは、図5A及び図5Bに示す様な構成を有する。即ち、第1の電極としての陽極71aと第2の電極としての陰極71bとを、絶縁体枠70を介して交互に配置する。図5Aでは、陽極71a及び陰極71bが1つづつ示されているが、実際には陽極71a及び陰極71bは所要数(例えば25〜50個)使用される。図6Aは絶縁体枠70を示す図であり、図6Bは陽極71aを示す図である。
電極の材料としては、通常の水の電気分解に使用されるものを使用することができる。たとえば、陽極71aとして二酸化鉛、マグネタイト、フェライト、黒鉛、白金、Pt−Ir合金、チタン合金、貴金属被覆チタン(例えば白金被覆チタン)などが例示でき、陰極71bとしてロジウム、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Mo,Ni−Co,Ni−Fe,Ni−Mo−Cd,Ni−S,ラネーニッケル等)、チタン合金等の貴金属が例示できる。絶縁体枠70の材料としては、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂などを使用することができる。絶縁体枠70の厚さにより陽極71aと陰極71bとの間の距離が設定され、この絶縁体枠70の厚さは1mm〜20mm、好ましくは1mm〜20mm、更に好ましくは1mm〜5mmの範囲内である。
電極は板状体であるから、図1に示すように、振動撹拌手段16の振動羽根16fによる振動撹拌で発生せしめられる電解液14の流動を遮るように振動羽根16fを向いた方向に対してほぼ直角に設けられる場合には、図5B及び図6Bに示す様に電極(陽極71a及び陰極71b)に多数の小孔74を開けた多孔性のものとする必要がある。これにより、小孔74を通って電解液14がスムースに流動することができる。孔の形状は円形状でも多角形状でもよく、特に制限はない。また、小孔74の大きさや数は電極本来の目的と多孔性にする目的との双方のバランスを考えて、適宜設定するのが好ましい。電極における小孔74の面積割合は、有効面積(即ち電解液14と接触する面積)で、電極面積が50%以上となる様にするのが好ましい。多孔性電極は網状であっても良い。
一方、電極が電解液14の流動の向きに対してほぼ平行に設けられる場合には、電極を多孔性にする必要はないが、その場合には、絶縁体枠70を環状のものではなく、電極周囲の適宜の数箇所に分散配置したものや電極の上下端部に分割して配置したものとすればよい。
陽極71a及び陰極71bは、それぞれ図2に示されている陽極主ブスバー71a’及び陰極主ブスバー71b’に接続されており、これら陽極主ブスバー71a’及び陰極主ブスバー71b’は図1に示されている電源34に接続されている。
電源34は、直流を発生するものであればよく、通常の平滑な直流でもよいが、その他の種々の波形の電流を使用することができる。この様な電解電流の波形は、例えば、「電気化学」第24巻398〜403頁、同449〜456頁、1996年4月15日全国鍍金材料組合連合会発行「めっき技術ガイド」378〜385頁、昭和58年6月15日(株)広信社発行「表面技術総覧」301〜302頁、同517〜527頁、同1050〜1053頁、昭和46年7月25日日刊工業新聞社発行「めっき技術便覧」365〜369頁、同618〜622頁等に記載されている。
本発明では、とりわけ、エネルギー効率の向上の観点から、パルス波形のうちの矩形波パルス波形をのものを使用することが好ましい。この様な電源(電源装置)は、交流電圧から矩形波状電圧を作成することができるものであり、このような電源は例えばトランジスタを用いた整流回路を有するものであり、パルス電源装置として知られている。このような電源装置または整流器としては、トランジスタ調整式電源、ドロッパー方式の電源、スイッチング電源、シリコン整流器、SCR型整流器、高周波型整流器、インバータデジタル制御方式の整流器(例えば(株)中央製作所製のPower Master)、(株)三社電機製作所製のKTSシリーズ、四国電機株式会社製のRCV電源、スイッチングレギュレータ式電源とトランジスタスイッチとからなりトランジスタスイッチがON−OFFすることで矩形波状のパルス電流を供給するもの、高周波スイッチング電源(交流をダイオードにて直流に変換した後にパワートランドスタで20〜30KHzの高周波をトランスに加えて再度整流、平滑化し出力を取り出す)、PR式整流器、高周波制御方式の高速パルスPR電源(例えばHiPRシリーズ((株)千代田)などが利用可能である。
各電極にかかる電圧はできる限り均等であることが好ましく、そのため、各電極間にコンデンサを配置することが望ましい。陽極71aと陰極71bとの間に印加する電圧は、通常の水の電気分解の場合と同様である。
電解液14は、電解質を含む水である。電解質としては、水溶性のアルカリ金属水酸化物(KOH、NaOHなど)またはアルカリ土類金属水酸化物(例えばBa(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)など)、あるいは第4級アルキルアンモニウムなど、従来公知のものを使用することができる。これらの中でもKOHが好ましい。電解液中の電解質の含有量は、5〜10%が好ましい。また、電解液のpHは、7〜10であるのが好ましい。
図1〜図2に示されている様に、電解槽10Aの上部には蓋部材10Bが付設されている。該蓋部材には、電解により発生する水素−酸素ガスを回収するための水素−酸素ガス取出口10B’が設けられている。該取出口10B’には、水素−酸素ガス採取管10B”が接続されている。これらの蓋部材10B及び水素−酸素ガス採取管10B”を含んで、水素−酸素ガス捕集手段が構成される。
電解槽10A及び蓋部材10Bの材質としては、例えばステンレススチール、銅、その他の金属あるいはポリカーボネート等の合成樹脂が例示される。
振動撹拌手段16の振動棒16eは、蓋部材10Bを上下方向に貫通して延びている。この貫通は、図4に示されている様に、蓋部材10Bに設けられた開口の内端縁に付された固定部材と振動棒16eの外面に付された固定部材との間をゴム板等のフレキシブル部材10Cにより気密にシールしたものとすることができる。あるいは、気密シールのための手段は、振動棒16eにサポートベアリングの内輪を取り付け、該サポートベアリングの外輪を蓋部材10Bの開口の内端縁に取り付け、外輪に対して内輪を上下に適宜のストロークにわたって移動可能にしたものであっても良い。この様なストロークユニットとしては、THK(株)製NS−A型(商品名)、NS型(商品名)が例示される。あるいは、蓋部材10Bに設けられた開口に、振動棒16eが通過する部分のみ開口せるゴム板またはその積層体等の気密シール手段を取り付けてもよい。このシール手段としては例えば、ゴム、特に変形性良好な軟らかいゴムが使用できる。振動棒の上下振動の振幅は、通常20mm以下、好ましくは10mm以下、特に好ましくは5mm以下であり、その下限は例えば0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上といった程度であるから、シール部材としてゴムなどを使用することで、追従が可能となり摩擦熱の発生も少なく良好な気密状態が実現される。
電解は、液温20〜70℃で、電流密度5〜20A/dmで行なうのが好ましい。電解により発生する水素−酸素ガスは、図26に示されて鋳る様に、ガス採取管10B”に接続されたシールポット10B”’を経て取り出される。シールポット10B”’もガス捕集手段を構成する。図27は、ガス発生装置により回収された水素−酸素ガスを利用するガス燃焼装置の一例を示す図である。水素−酸素ガスは、所要の容量のガス溜め、除湿器及び炎止めを経て燃焼ノズルへと供給される。この燃焼装置は、航空機、自動車、船舶等の動力装置、発電装置、ガス切断機、ボイラー、その他への適用が可能である。
本発明により発生せしめられる水素−酸素ガスは、所謂ブラウンガスとして知られており、その燃焼に際して空気を必要とせず、従って、燃焼により窒素酸化物等の環境汚染物質を生成することがない。
図15は振動撹拌手段の一変形例を示す断面図である。この例では、基台16aは、振動吸収部材41を介して電解槽10Aの上部に取り付けられた取り付け台40上に固定されている。また、取り付け台40には、垂直方向に上方へと延びた棒状のガイド部材43が固定されており、該ガイド部材43はコイルバネ16b内に位置している。振動モータ16dとそれを駆動するための電源136との間には、振動モータ16dの振動周波数を制御するためのトランジスタ・インバータ35が介在している。電源136は、例えば200Vである。このような振動モータ16dの駆動手段は、上記その他の本発明の実施形態においても使用することができる。
図16は振動撹拌手段の一変形例を示す断面図である。この例では、振動部材16cに垂直方向に下方へと延びた棒状の上側ガイド部材144が固定されており、取り付け台40に垂直方向に上方へと延びた棒状の下側ガイド部材145が固定されており、これらガイド部材144,145はコイルバネ16b内に位置している。上側ガイド部材144の下端と下側ガイド部材145の上端との間には、振動部材16cの振動を許容するような適度の間隙が形成されている。
図17は振動撹拌手段の一変形例を示す断面図である。この例では、振動モータ16dは、振動部材16の上側に付設された付加的振動部材16c’の下側に取り付けられている。また、振動棒16eは、電解槽10A内において分岐して2つの部分134とされており、これら2つのロッド部分134の間に振動羽根16fが掛け渡されて取り付けられている。
図18及び図19は振動撹拌手段の一変形例を示す断面図である。この例では、最も下側の振動羽根16fが下向きに傾斜しており、その他の振動羽根16fが上向きに傾斜している。このようにすると、電解槽10Aの底部に近い部分の電解液14の振動撹拌を充分に行うことができ、電解槽底部に溜りが発生するのを防止することができる。また、振動羽根16fの全部を下向きに傾斜させることができる。
図20及び図21は本発明装置を構成する振動撹拌手段の電解槽への取り付けの他の形態を示す断面図であり、図22はその平面図である。図20及び図21はそれぞれ図22のX−X’断面及びY−Y’断面に相当する。
この形態では、振動吸収部材として上記コイルバネ16bに代えてゴム板2と金属板1,1’との積層体3が用いられている。即ち、積層体3は、電解槽10Aの上端縁部に固定された取り付け部材118に防振ゴム112を介して取り付けられた金属板1’をボルト131により固定し、該金属板1’上にゴム板2を配置し、該ゴム板2上に金属板1を配置し、これらをボルト116及びナット117により一体化することで形成されている。
振動モータ16dは支持部材115を介してボルト132により金属板1に固定されている。また、振動棒16eの上端部はゴムリング119を介して積層体3特に金属板1とゴム板2とに取り付けられている。即ち、上側金属板1は図1その他に記載されている実施形態の振動部材16cの機能をも発揮するものであり、下側金属板1’は図1その他に記載されている実施形態の基台16aの機能をも発揮するものである。そして、これら金属板1,1’を含む積層体3(主としてゴム板2)が図1その他に記載されているコイルバネ16bと同様な振動吸収機能を発揮する。
図23A〜23Cは積層体3の平面図を示す。図20〜22の形態に対応する図23Aの例では、積層体3には振動棒16eを通すための貫通孔5が形成されている。また、図23Bの例では、積層体3は貫通孔5を通る分割線により2分割された2つの部分3a,3bからなり、これによれば装置組立の際に振動棒16eを容易に通すことができる。また、図23Cの例では、積層体3は、電解槽10Aの上端縁部に対応する環形状をなしており、中央部に開口6が形成されている。
図23A,23Bの例では、電解槽10Aの上部が積層体3により塞がれ、これにより上記の蓋部材10Bと同等の機能が発揮される。
図24A,24Bは、このような積層体3による電解槽の閉塞(シール)の様子を示す断面図である。図24Aの形態では、ゴム板2が貫通孔5において振動棒16eに当接してシールがなされる。また、図24Bの形態では、積層体3の開口部6において該積層体3と振動棒16eとに取り付けられこれらの間の空隙を塞ぐフレキシブルシール部材136が設けられている。
図25A〜25Eに振動吸収部材としての積層体3の例を示す。図25Bの例は上記図20〜22の実施形態のものである。図25Aの例では、積層体3は金属板1とゴム板2とからなる。図25Cの例では、積層体3は上側金属板1と上側ゴム板2と下側金属板1’と下側ゴム板2’とからなる。図25Dの例では、積層体3は上側金属板1と上側ゴム板2と中間金属板1”と下側ゴム板2’と下側金属板1’とからなる。積層体3における金属板やゴム板の数は、例えば1〜5とすることができる。尚、本発明においては、ゴム板のみから振動吸収部材を構成することも可能である。
金属板1,1’,1”の材質としては、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、その他適宜の合金を使用することができる。金属板の厚さは、例えば10〜40mmである。但し、積層体以外の部材に対して直接固定されない金属板(例えば上記中間金属板1”)は0.3〜10mmと薄くすることができる。
ゴム板2,2’の材質としては、合成ゴム又は天然ゴムの加硫物を使用することができ、JISK6386で規定される防振ゴムが好ましく、更に特に静的剪断弾性率4〜22kgf/cm好ましくは5〜10kgf/cm、伸び250%以上のものが好ましい。合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、アルキレンオキシド系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、フォスファビンゴムを例示することができる。ゴム板の厚さは、例えば5〜60mmである。
図25Eの例では、積層体3は上側金属板1とゴム板2と下側金属板1’ととからなり、ゴム板2が上側ソリッドゴム層2aとスポンジゴム層2bと下側ソリッドゴム層2cとからなる。下側ソリッドゴム層2a,2cのうちの一方を除去してもよいし、更に複数のソリッドゴム層と複数のスポンジゴム層とを積層したものであってもよい。
図28は、振動撹拌手段16の変形例を示す図である。この例では、振動モータ16dが電解槽10Aの側方に位置しており、振動部材16cが電解槽10Aの上方へと水平に延びている。そして、該振動部材16cに振動棒16cが取り付けられている。この構成によれば、電解槽10Aに対する上記蓋部材10Bの着脱が容易になる。
図29に、蓋部材10Bの変形例を示す。この例では、蓋部材10Bは、図1に示されている電極群2x,2yの上方の部分のみにおいて、電解槽10Aに付設される。そして、該蓋部材10Bの両端部には、下方へと延びた囲み部材63が付設されている。この囲み部材63には、その下部の電解液中に浸漬される部分に該電解液の流通を可能となすための開口65が形成されている。囲み部材63には、該開口65の上部領域の一部を遮蔽する遮蔽板64を上下位置調節可能に取り付けることができる。この上下位置調節のために、遮蔽板64に上下方向の長孔66を形成し、該長孔を介して、囲み部材63に形成されたネジ穴68にボルト67を適合させるようにすることができる。遮蔽板64の上下位置を調節することで、電極群2x,2yの上方の部分の液位を調節することができ、ひいてはガス圧が調節される。
この蓋部材を使用する場合には、振動撹拌手段の振動棒16eは蓋部材を貫通しないが、上記の様な密閉シール構造とすることが、水素−酸素ガスの回収効率向上や電解液の飛散防止等の観点から、好ましい。
また、本発明は、陽極と陰極との間に水素と酸素とを分離する隔膜を配置して、水素と酸素とを分離して回収する方式の電解によるガス発生装置にも適用することができる。この様な分離回収方式のガス発生装置については、例えば、M.Yamaguchiらの“Development of 2500cm Solid Polymer Electrolyte Water Electrolyzer in WE−NET”と題する報文に記載がある。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、これにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1〜3に関し説明した装置を用い、但し、蓋部材10Bとして図29に関し説明したものを使用して、以下の条件で水素−酸素ガスを発生させ、回収した。
電解槽及び蓋部材:
ステンレススチール製
270mm×1660mm×390mm(H)
振動発生手段:
振動モータ:(株)村上精機製作所製ユーラスバイブレータ
(商品名)、250W×3相×200V、2軸タイプ
振動羽根:ステンレススチール(SUS304)製、6枚
振動棒:チタン製、直径12mm
スペーサ:チタン製、12個
振動羽根用固定部材:12個
振動羽根用パッキング:テフロン(登録商標)製、12枚
電極群:
陽極:酸化皮膜ができず長期使用可能な白金めっきチタン合金製、
50枚
陰極:チタン合金製、50枚
絶縁体枠:合成ゴム製、厚さ5mm
電解液:蒸留水中に電解質としてKOHを8重量%添加したもの、
温度55℃、pH10
陽極−陰極間の印加電圧:2.0V(直流)
電流密度:5A/dm
水素−酸素ガスの回収量は、1000リットル/時であった。
[実施例2]
陽極−陰極間の印加電圧として、「電気化学」第24巻398〜403頁、同449〜456頁に記載のような交流重畳電流を用いること以外は実施例1と同様に実施した。
水素−酸素ガスの回収量は、1200リットル/時であった。
1か月間にわたって継続運転したところ、実施例1よりも低消費電力で安定して水素−酸素ガスの回収ができた。
[実施例3]
電解槽として270mm×850mm×340mm(H)のものを使用し、振動モータとして(株)村上精機製作所製ハイフレユーラスKHE−2−2T[100〜120Hz](商品名)を1台のみ用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
水素−酸素ガスの回収量は、800リットル/時であった。
[実施例4及び実施例5]
蓋部材10Bの付されていない振動撹拌手段の位置において、図20〜図24Bに関し説明した密閉シールを施したこと以外は実施例1及び実施例2と同様に実施した。
実施例1と同様に実施した実施例4では、水素−酸素ガスの回収量は、2000リットル/時であり、実施例2と同様に実施した実施例5では、水素−酸素ガスの回収量は、2500リットル/時であり、いずれも大幅に向上した。
[実施例6]
陽極−陰極間の印加電圧として、昭和46年7月25日日刊工業新聞社発行「めっき技術便覧」367〜368頁に記載のようなSCR形6相半波整流のパルス電源から得られるものを用いたこと以外は実施例1と同様に実施した。
実施例1よりもエネルギー消費量が少ないにもかかわらず、水素−酸素ガスの回収量は、2200リットル/時であった。
[実施例7]
蓋部材10Bとして図1〜図3に関し説明したものを使用したこと以外は実施例1と同様に実施した。
水素−酸素ガスの回収量は、3000リットル/時であり、実施例1に比べて大幅に向上した。
[実施例8]
電源34として(株)中央製作所製のインバータデジタル制御方式の多機能型整流器パワーマスターPND−1型を使用し、矩形波形のパルス電流(0.08秒通電、0.02秒遮断)を用いたこと以外は実施例7と同様に実施した。
エネルギー消費量が少ないにもかかわらず、水素−酸素ガスの回収量は、3500リットル/時であった。
産業上の利用可能性
(1)驚くべきことに、振動撹拌手段を併用すると、電極間の間隔を20mm以下にしても電解が良好に行なわれ、結果として水素−酸素ガスの発生効率を大幅に向上させることができる。
(2)電極間の間隔を低減することが可能になったことに伴い、1つのガス発生装置あたりの水素−酸素ガスの発生量を大幅に向上させることができる。
(3)振動撹拌手段の使用により、電解液中で発生する水素−酸素ガスの泡立ちが大きくならず、電気抵抗が大きくなることはない。
(4)本発明の装置は、深夜の安い電力を利用して、水素−酸素ガスを作り、これを貯蔵することにより、大需要に対する弾力的対応が可能である。電解の電源として直流パルス波形のものを用いれば、一層電力の節約になる。
(5)本発明の装置は、安全で危険のないカセットコンロの燃料供給源とすることができる。
(6)本発明の装置により得られたガスを使用して、従来の蓄熱冷暖房よりも優れた冷暖房装置を提供することができる。
(7)本発明の装置により発生するガスを用いて、小型、中型、大型の都市ゴミや産業廃棄物の焼却炉の燃焼を行なうことができ、これによれば無公害焼却が可能であるとともに経済性が高い。
(8)本発明の装置によれば、ボイラーやガスタービン等への燃料供給が可能である。
(9)都市部における安全で無公害のクリーンなガス発生装置として有用である。
(10)船舶の燃料製造装置としても有用である。
(11)ガスのプロペラ撹拌等の特別の手段を施さなくとも、均一性の良好なガスを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による水素−酸素ガス発生装置の構成を示す断面図である。
図2は、図1の水素−酸素ガス発生装置の平面図である。
図3は、図1の装置の側面図である。
図4は、図1の装置の部分拡大断面図である。
図5Aは、電極群の構成を示す斜視図である。
図5Bは、電極群の構成を示す正面図である。
図6Aは、電極群を構成する絶縁体枠を示す正面図である。
図6Bは、電極群を構成する電極を示す正面図である。
図7は、図1の装置の振動部材への振動棒の取り付け部の拡大断面図である。
図8は、振動部材への振動棒の取り付け部の変形例を示す拡大断面図である。
図9は、図1の装置の振動棒への振動羽根の取り付け部の拡大断面図である。
図10は、振動羽根及び固定部材の変形例を示す平面図である。
図11は、振動羽根及び固定部材の変形例を示す平面図である。
図12は、振動羽根及び固定部材の変形例を示す平面図である。
図13は、振動羽根及び固定部材の変形例を示す平面図である。
図14は、振動羽根の長さとしなりの程度との関係を示すグラフである。
図15は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図16は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図17は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図18は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図19は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図20は、本発明による水素−酸素ガス発生装置を構成する振動撹拌手段の電解槽への取り付けの形態を示す断面図である。
図21は、図20に示される装置の断面図である。
図22は、図20に示される装置の平面図である。
図23A〜23Cは、積層体の平面図である。
図24A,24Bは、積層体による電解槽の閉塞の様子を示す断面図である。
図25A〜25Eは、積層体の断面図である。
図26は、本発明による水素−酸素ガス発生装置のガス捕集手段の一部を示す図である。
図27は、水素−酸素ガス発生装置により回収された水素−酸素ガスを利用するガス燃焼装置の一例を示す模式図である。
図28は、振動撹拌手段の変形例を示す断面図である。
図29は、蓋部材の変形例を示す斜視図である。

Claims (11)

  1. 電解槽と、該電解槽内にて交互に配置された第1の電極及び第2の電極からなる電極群と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源と、前記電解槽内に収容される電解液の電気分解により発生する水素−酸素ガスを捕集するためのガス捕集手段とを有する水素−酸素ガス発生装置であって、
    前記電解槽内に収容される電解液を振動撹拌するための振動撹拌手段を備えており、且つ、前記電極群において隣接する前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離が1mm〜20mmの範囲内に設定されており、
    前記振動撹拌手段は、10Hz〜200Hzの振動数で振動する振動モータを含む振動発生手段と、該振動発生手段に連係して前記電解槽内で振動する振動棒に回転不能に且つ少なくとも一段に取り付けられた振動羽根とを含んでなり、
    前記電源は、前記電解液として5重量%〜10重量%の水溶性のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を含んでなり且つ液温20℃〜70℃でpH7〜10のものを使用した時に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に流れる電流の電流密度を5A/dm 2 〜20A/dm 2 とするものであることを特徴とする水素−酸素ガス発生装置。
  2. 前記ガス捕集手段は、前記電解槽に付設された蓋部材と、該蓋部材に設けられた水素−酸素ガス取出口に接続された水素−酸素ガス採取管とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  3. 前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離が1mm〜5mmの範囲内に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  4. 前記振動発生手段は、前記電解槽の上部に振動吸収部材を介して取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  5. 前記振動発生手段は、前記電解槽とは別の支持台により支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  6. 前記ガス捕集手段は、前記電解槽に付設された蓋部材と、該蓋部材に設けられた水素−酸素ガス取出口に接続された水素−酸素ガス採取管とを含んでなり、前記振動棒は前記蓋部材を貫通して延びており、該蓋部材と前記振動棒との間には前記振動棒の振動を許容し且つ前記水素−酸素ガスの通過を阻止するためのシール手段が介在していることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  7. 前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方は多孔性のものであることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  8. 前記電源は直流パルス電源であることを特徴とする、請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置。
  9. 請求項1に記載の水素−酸素ガス発生装置を用い、前記電解液として5重量%〜10重量%の水溶性のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を含み液温20℃〜70℃でpH7〜10のものを用いて、電流密度5A/dm2〜20A/dm2となるように前記電解液の電気分解を行なうことを特徴とする水素−酸素ガス発生方法。
  10. 前記電気分解は、前記電解槽に蓋部材を付設した密閉下でなされることを特徴とする、請求項9に記載の水素−酸素ガス発生方法。
  11. 前記電源として直流パルス電源を用いることを特徴とする、請求項9に記載の水素−酸素ガス発生方法。
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