JP3975396B2 - イメージセンサの出力補正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、イメージセンサから出力する各画素のセンサ信号を、イメージセンサによる撮影画像を画面に写し出す表示領域に即するように補正するイメージセンサの出力補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、MOS型のイメージセンサにあっては、その1画素分の光センサ回路が、図1に示すように、入射光Lsの光量に応じたセンサ電流を生ずる光電変換素子としてのフォトダイオードPDと、フォトダイオードPDに流れるセンサ電流を弱反転状態で対数出力特性をもって電圧信号Vpdに変換させるトランジスタQ1と、その電圧信号Vpdを増幅するトランジスタQ2と、読出し信号Vsのパルスタイミングでもってセンサ信号Voを出力するトランジスタQ3とからなり、対数出力特性をもたせることによってダイナミックレンジを拡大して光信号の検出を高感度で行わせることができるようにしている。
【0003】
このような構成によるイメージセンサでは、各画素の光センサ回路におけるフォトダイオードPDに充分な光量をもって入射光Lsが当たっているときには、トランジスタQ1には充分なセンサ電流が流れることになり、そのトランジスタQ1の抵抗値もさほど大きくないことから、イメージセンサとして残像を生ずることがないような充分な応答速度をもって光信号の検出を行わせることができる。
【0004】
しかし、フォトダイオードPDの入射光Lsの光量が少なくなってトランジスタQ1に流れる電流が小さくなると、トランジスタQ1はそれに流れる電流が1桁小さくなるとその抵抗値が1桁大きくなるように動作するように設定されていることから、トランジスタQ1の抵抗値が増大し、フォトダイオードPDの寄生容量Cとの時定数が大きくなってその寄生容量Cに蓄積された電荷を放電するのに時間がかかるようになる。そのため、入射光Lsの光量が少なくなるにしたがって、残像が長時間にわたって観測されることになる。
【0005】
図6は、フォトダイオードPDのセンサ電流が1E−10Aから1E−15Aまで急激に変化した場合の電圧信号Vpdの変化特性を示している。
【0006】
この特性から、フォトダイオードPDへの入射光Lsの光量が少ない1E−12A程度のセンサ電流では、1/30secごとにセンサ信号Voを出力させるようにする場合、その時間内では電圧信号Vpdが飽和しないことがわかる。
【0007】
したがって、フォトダイオードPDの入射光Lsの光量が少ないときのセンサ電流に応じた電圧信号Vpdの飽和時間が長くなるため、図8に示すような読出し信号Vsのパルスタイミングでセンサ信号Voの読み出しを行うと、当初ほど大きなレベルの出力が残像となってあらわれる。なお、図8中、Vpd′は増幅用のトランジスタQ2によって反転増幅された電圧信号を示している。
【0008】
そのため従来では、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れるセンサ電流をMOS型トランジスタを用いて弱反転状態で対数出力特性をもって電圧信号に変換するようにした光センサ回路を画素単位として、複数の画素をマトリクス状に配設したイメージセンサにあって、撮影に先がけて各光センサ回路におけるトランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定時間だけ撮影時の定常値よりも低く設定することにより、フォトダイオードPDの寄生容量Cに蓄積された残留電荷を排出して初期化することにより、センサ電流に急激な変化が生じても即座にそのときの入射光Lsの光量に応じた電圧信号Vpdが得られるようにして、入射光量が少ない場合でも残像が生ずることがないようにしている(特開2000−329616号公報参照)。
【0009】
このような光センサ回路にあっては、図3に示すように、入射光量に応じてフォトダイオードPDに流れるセンサ電流が多いときには対数出力特性を示すが、センサ電流が少ないときにはフォトダイオードPDの寄生容量Cの充電に応答遅れを生じてほぼ線形の非対数出力特性を示すようになっている。図中、WAは非対数応答領域を示し、WBは対数応答領域を示している。
【0010】
このような光センサ回路を画素に用いたイメージセンサを車両に搭載して、車両の自動走行の制御のために走行中の道路前方の白線検出を行わせるような場合に、昼夜にわたる撮影や、暗いトンネル内からトンネル出口の明るい部分または明るいトンネル入口からトンネル内の暗い部分を撮影するような苛酷な条件下でも、広いダイナミックレンジをもって路面に対して白線をコントラスト良く写し出すことができるようになる。
【0011】
しかし、このような対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたイメージセンサでは、図9に示すように、各画素のセンサ信号の出力範囲がイメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域DAよりも狭いと、ワイドダイナミックレンジの特性が充分にいかされなくなってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、画素構成によるイメージセンサ、特に対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたイメージセンサでは、各画素のセンサ信号の出力範囲がイメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域よりも狭いと、ワイドダイナミックレンジの特性が充分にいかされなくなってしまうことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるイメージセンサの出力補正装置は、イメージセンサから出力する各画素のセンサ信号をイメージセンサによる撮影画像を画面に写し出す表示領域に即するように補正するべく、イメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域におけるイメージセンサから出力する各画素のセンサ信号の最小値および最大値を検出する手段と、前記最小値の数フレーム分を記憶して平均化する第1のローパスフィルタと、前記最大値の数フレーム分を記憶して平均化する第2のローパスフィルタと、前記各画素のセンサ信号から前記平均化された最小値を減ずることによってセンサ信号のオフセットを行うオフセット手段と、前記平均化された最小値から最大値までの出力幅を求める減算回路と、前記求められたセンサ信号の出力幅を平均化する第3のローパスフィルタと、前記平均化されたセンサ信号の出力幅が表示領域における最大値または所定値になるようにゲイン補正値をテーブル設定するメモリと、前記オフセットされたセンサ信号に前記ゲイン補正値を乗ずることによってセンサ信号のゲイン調整を行う手段とをとるようにしている。
【0014】
【実施例】
本発明に係るイメージセンサにあっては、基本的に、前述した図1に示す光センサ回路を画素単位に用いている。
【0015】
そして、その光センサ回路にあって、撮影に先がけて、対数特性変換用のトランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定時間だけ撮影特の定常値よりも低く設定して、フォトダイオードPDの寄生容量Cに蓄積された電荷を排出して初期化するようにしている。
【0016】
図2は、そのときの光センサ回路における各部信号のタイムチャートを示している。ここで、t1は初期化のタイミングを、t2は光信号検出のタイミングを示している。トランジスタQ1のドレイン電圧VDを定常値(ハイレベルH)から低い電圧(ローレベルL)に切り換える所定時間tmとしては、例えば1画素分の読出し速度が100nsec程度の場合に5μsec程度に設定される。図中、TはフォトダイオードPDの寄生容量Cの蓄積期間を示しており、その蓄積期間TはNTSC信号の場合1/30sec(または1/60sec)程度となる。
【0017】
このようなものにあって、初期化時にMOSトランジスタQ1のドレイン電圧VDがローレベルLに切り換えられると、そのときのゲート電圧VGとドレイン電圧VDとの間の電位差がトランジスタQ1のしきい値よりも大きければトランジスタQ1が低抵抗状態になる。それにより、そのときのソース側の電位がドレイン電圧VDと同じになり(実際にはしきい値分の電位差が残る)、フォトダイオードPDの接合容量Cが放電状態になる。
【0018】
図4は、初期化時におけるトランジスタQ1の電荷qの流れによる動作状態を模擬的に示している。
【0019】
そして、tm時間の経過後にそのドレイン電圧VDが定常のハイレベルHに切り換えられて光信号の検出が行われると、ソース側の電位がドレイン電圧VDよりも低くなって、そのときのゲート電圧VGとドレイン電圧VDとの間の電位差がしきい値よりも大きければMOSトランジスタQ1が低抵抗状態になり、フォトダイオードPDの接合容量Cが充電状態になる。
【0020】
図5は、光信号検出時におけるトランジスタQ1の電荷qの流れによる動作状態を模擬的に示している。
【0021】
このように光信号の検出に先がけてフォトダイオードPDの接合容量Cを放電させて初期化したのちにその接合容量Cを充電させるようにすると、その初期化のタイミングから一定の時間経過した時点での出力電圧(フォトダイオードPDの端子電圧)Vpdは入射光Lsの光量に応じた値となる。すなわち、初期化後には入射光Lsの光量の変化に追随した一定の時定数による放電特性が得られるようになる。
【0022】
その際、長時間放置すればドレイン電圧VDからトランジスタQ1を通して供給される電流とフォトダイオードPDを流れる電流とは同じになるが、前に残った電荷がなければ常に同じ放電特性が得られるので残像が生ずることがなくなる。
【0023】
したがって、初期化してから一定の時間を定めて光信号を検出するようにすれば、入射光Lsの光量に応じた残像のないセンサ信号Voを得ることができるようになる。
【0024】
図6はフォトダイオードPDのセンサ電流が1E−10Aから1E−15Aまで急激に変化した場合の電圧信号Vpdの変化特性にあって、初期化してから一定の時間1/30sec経過後に光信号の検出のタイミングを設定したときを示している。
【0025】
図7は、1/30secのタイミングで光信号の読み出しをくり返し行わせたときの電圧信号Vpdの増幅信号の特性を示している。これによれば、1/30secごとに得られる信号特性はフォトダイオードPDへの入射光Lsの光量に応じたセンサ電流に即したものとなり、残像の影響がないことがわかる。
【0026】
図10は、このような光センサ回路を画素単位として、画素をマトリクス状に複数配設して、各画素のセンサ信号の時系列的な読出し走査を行わせるようにしたイメージセンサの具体的な構成例を示している。
【0027】
そのイメージセンサは、その基本的な構成が、例えば、D11〜D44からなる4×4の画素をマトリクス状に配設して、各1ライン分の画素列を画素列選択回路1から順次出力される選択信号LS1〜LS4によって選択し、その選択された画素列における各画素を、画素選択回路2から順次出力される選択信号DS1〜DS4によってスイッチ群3における各対応するスイッチSW1〜SW4が逐次オン状態にされることによって各画素のセンサ信号Voが時系列的に読み出されるようになっている。図中、4は各画素における前記トランジスタQ1のゲート電圧VG用電源であり、6はドレイン電圧VD用電源である。
【0028】
そして、そのイメージセンサにあって、各1ライン分の画素列の選択に際して、その選択された画素列における各画素の前記トランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定のタイミングをもって定常時のハイレベルHおよび初期化時のローレベルLに切り換える電圧切換回路5が設けられている。
【0029】
このように構成されたイメージセンサの動作について、図11に示す各部信号のタイムチャートとともに、以下説明をする。
【0030】
まず、画素列選択信号LS1がハイレベルHになると、それに対応するD11,D12,D13,D14からなる第1の画素列が選択される。そして、LS1がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D11,D12,D13,D14のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0031】
次いで、画素列選択信号LS1がローレベルLになった時点で次のLS2がハイレベルHになると、それに対応するD21,D22,D23,D24からなる第2の画素列が選択される。そして、LS2がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D21,D22,D23,D24のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0032】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4が連続的にハイレベルHになって各対応する第3および第4の画素列が順次選択され、LS3およびLS4がそれぞれハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D31,D32,D33,D34およびD41,D42,D43,D44のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0033】
また、画素列選択信号LS1がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第1の画素列における各画素D11,D12,D13,D14のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号の読出しにそなえる。
【0034】
次いで、画素列選択信号LS2がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第2の画素列における各画素D21,D22,D23,D24のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の径過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号の読出しにそなえる。
【0035】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4がそれぞれT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第3および第4の画素列にそれぞれ対応するドレイン電圧VD3をローレベルLに切り換えて各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の径過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号の読出しにそなえる。
【0036】
なお、ここでは画素列選択信号LSX(X=1〜4)がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点でドレイン電圧VDXをローレベルLに切り換えて初期化を行わせるようにしているが、その初期化のタイミングは画素列選択信号LSXがローレベルL状態にある画素列選択の休止期間T4中であればよい。
【0037】
本発明は、このように構成されたイメージセンサにあって、図12(a)に示すように、各画素のセンサ信号の出力範囲がイメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示装置の表示領域DAよりも狭いと、ワイドダイナミックレンジの特性が充分にいかされなくなってしまうので、図12(b)に示すように、センサ信号の範囲が表示領域DAの全領域にわたるように、イメージセンサから出力する各センサ信号のオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしている。
【0038】
そのため、本発明によるイメージセンサの出力補正装置は、イメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域におけるイメージセンサから出力する各画素のセンサ信号の最小値Vominおよび最大値Vomaxを検出する手段と、その検出されたセンサ信号の最小値Vominが表示領域DAの下限値VLになるようにセンサ信号をオフセットする手段と、検出されたセンサ信号の最小値Vominから最大値Vomaxまでの出力幅VWが表示領域DAにおける最大幅WMになるようにセンサ信号のゲイン調整を行う手段とをとるようにしている。
【0039】
なお、その場合、センサ信号の範囲が表示領域DAの全領域にわたるようにセンサ信号のゲイン調整を行うだけではなく、その表示領域DAの任意の範囲にわたるようにするべく、センサ信号の最小値から最大値までの出力幅が表示領域における予め設定された所定の幅になるようにセンサ信号のゲイン調整を行うようにすることも可能である。
【0040】
図13は、本発明によるイメージセンサの出力補正装置の具体的な一構成例を示している。
【0041】
ここでは、その出力補正装置15が、イメージセンサ8から出力する各画素のセンサ信号Voの最大値Vomaxを検出する最大値検出回路151およびセンサ信号Voの最小値Vominを検出する最小値検出回路152と、その検出された最大値Vomaxの数フレーム分を記憶して急峻な変化を吸収して平均化するローパスフィルタ153および検出された最小値Vominの数フレーム分を記憶して急峻な変化を吸収して平均化するローパスフィルタ154と、センサ信号Voからその平均化された最小値Vominを減ずることによってセンサ信号Voのオフセットを行わせるオフセット補正回路155と、その平均化された最小値Vomin′から最大値Vomax′までの出力幅VWを求める減算回路156と、その求められたセンサ信号の出力幅VWを平均化するローパスフィルタ157と、その平均化されたセンサ信号の出力幅VW′に応じた所定のゲイン補正値Gを読み出すルックアップ用のメモリ158と、オフセット補正されたセンサ信号Vooにその読み出されたゲイン補正値Gを乗ずることによってゲイン調整を行うゲイン補正回路159とによって構成されている。Voaは、センサ信号Voのオフセットおよびゲイン調整された補正信号を示している
【0042】
ローパスフィルタ153,154および157としては、FIRフィルタ、IIRフィルタまたは移動平均フィルタなどが用いられる。ローパスフィルタ157は、特にこれを設けなくともよい。
【0043】
ルックアップ用のメモリ158には、予めセンサ信号の出力幅VW′に応じて、その出力幅VW′が表示領域DAの全領域にわたるようにゲイン調整を行うためのゲイン補正値Gの特性がテーブル設定されている。
【0044】
その際、センサ信号Voの出力幅VW′が表示領域DSの任意の範囲にわたるようにする場合には、そのようにゲイン調整を行うためのゲイン補正値Gの特性がテーブル設定されている。
【0045】
メモリ158にテーブル設定されたセンサ信号の出力幅VW′に応じた所定のゲイン補正値Gの特性を任意に設定することによって、ゲイン調整されるセンサ信号のカーブを適宜変化させることができるようになる。
【0046】
ルックアップ用のメモリ158を用いる代わりに除算器を用いて、表示領域における最大幅をセンサ信号の出力幅VW′によって除算することによって、ゲイン補正値Gを演算処理によって求めるようにすることも可能である。
【0047】
また、本発明は、図14に示すように、センサ信号の出力幅VWを予め設定されたしきい値Vsで分割して(同図a)、各分割領域ごとにセンサ信号のオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしている(同図b)。
【0048】
図15は、その場合におけるイメージセンサの出力補正装置の構成例を示している。
【0049】
ここでは、イメージセンサ8から出力する各画素のセンサ信号Voを信号分割回路16において所定のしきい値Vsによって分割して、その一方の分割信号Vo1を図13と同じ構成による出力補正装置15Aによってオフセットおよびゲイン調整を行わせ、他方の分割信号Vo2を図13と同じ構成による出力補正装置15Bによってオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしている。そして、そのそれぞれ補正された各分割信号Vo1′およびVo2′を合成回路17によって合成するようにしている。
【0050】
その際、出力補正装置15Aにおいて一方の分割信号Vo1のオフセットおよびゲイン調整を行わせる場合、その分割信号Vo1の最大値がしきい値Vsとなる。また、出力補正装置15Bにおいて他方の分割信号Vo2のオフセットおよびゲイン調整を行わせる場合、その分割信号Vo2の最小値がしきい値Vsとなる。
【0051】
さらに、本発明は、図16に示すように、センサ信号をいったんオフセットおよびゲイン調整したうえで、その補正がなされたセンサ信号の出力幅VW′を予め設定されたしきい値Vs′で分割して(同図b)、各分割領域ごとにセンサ信号のオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしている(同図c)。
【0052】
図17は、その場合におけるイメージセンサの出力補正装置の構成例を示している。
【0053】
ここでは、イメージセンサ8から出力する各画素のセンサ信号Voを図13と同じ構成による出力補正装置15Aによってオフセットおよびゲイン調整を行わせたうえで、その補正されたセンサ信号Voaを信号分割回路16において所定のしきい値Vs′によって分割して、その一方の分割信号Vo1′を図13と同じ構成による出力補正装置15Bによってオフセットおよびゲイン調整を行わせ、他方の分割信号Vo2′を図13と同じ構成による出力補正装置15Cによってオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしている。そして、そのそれぞれ補正された各分割信号Vo1″およびVo2″を合成回路17によって合成するようにしている。
【0054】
その際、出力補正装置15Bにおいて一方の分割信号Vo1′のオフセットおよびゲイン調整を行わせる場合、その分割信号Vo1′の最大値がしきい値Vs′となる。また、出力補正装置15Cにおいて他方の分割信号Vo2′のオフセットおよびゲイン調整を行わせる場合、その分割信号Vo2′の最小値がしきい値Vs′となる。
【0055】
また、本発明では、図3に示す出力特性をもった光センサ回路を画素に用いるのでは、非対数応答領域WBがあるために低照度時に対数出力特性が失われてコントラストが低下してしまうので、その非対数応答領域WBの出力特性を対数特性に変換する手段を設けて、全領域にわたって対数出力特性が得られるように変換されたセンサ信号を、前述したようにオフセットおよびゲイン調整するようにしている。
【0056】
具体的には、図18に示すように、イメージセンサ8から時系列的に読み出される各画素のセンサ信号VoをAD変換器13によってデジタル信号に変換したうえで、予めそのデジタル信号の値に応じて所定の出力が得られるように入出力特性の変換テーブルが設定されたルックアップ用のメモリ14を用いて非対数応答領域の出力特性を対数特性に変換するようにしている。
【0057】
図19は、光センサ回路から出力するセンサ信号Voの非対数応答領域の出力特性を対数特性に変換して、低照度から高照度までの全領域にわたって対数特性を示すように補正したセンサ信号Vo′を示している。
【0058】
また、センサ信号Voのデジタル値に応じてルックアップメモリ14を用いて非対数応答領域の出力特性を対数特性に変換するに際して、例えばその変換データを1バイト(8ビット)で表現する系統の場合、8ビットで表現可能な領域ごとに分割するようにする。
【0059】
その場合、図示しないコントローラの制御下において、各分割した信号にそれぞれ識別符号を付すことによって、変換された信号を利用する側からも各分割された信号を識別することができるようにする。また、そのコントローラの制御下で、信号利用側からの求めに応じて分割する領域を切り換えることができるようにしている。
【0060】
図20は、光センサ回路から出力するセンサ信号Voを、任意の入射光量を境として、2つに分割してそれぞれ特性をVo1′,Vo2′に切り替えた場合を示している。
【0061】
また、センサ信号Voの非対数応答領域の感度を上げて出力特性を対数特性に変換するようにすると、センサ信号Voに含まれるノイズも増幅されて、ノイズが強調されたセンサ信号に変換されてしまう。
【0062】
その際、対数特性に変換されたセンサ信号Voにフィルタをかけてノイズを除去することが考えられるが、その際全領域にわたってフィルタをかけると、イメージセンサの出力画像の全体がぼやけたものになってしまう。
【0063】
そのため、本発明では、センサ信号Vo′における対数特性に変換された低照度時の出力信号の部分、すなわちもとのセンサ信号Voにおける非対数応答領域に対応する部分のみにフィルタをかけてノイズ除去を行うようにしている。
【0064】
このようなフィルタ処理を行うことによって、センサ信号Voの非対数応答領域の感度を上げて出力特性を対数特性に変換する際して増幅されたノイズ成分が有効に除去される。したがって、それ以外のノイズが増幅されていない部分に同様のフィルタ処理が不必要に行われず、イメージセンサの出力画像の全体がぼやけるようなことがなくなり、ノイズ成分が有効に除去されたコントラストの良い処理画像が得られるようになる。
【0065】
また、本発明は、センサ信号Vo′における対数特性に変換された低照度時の出力信号の部分のみにフィルタをかけてノイズ除去を行わせるに際して、光センサ回路における非対数応答領域の出力特性を対数特性に変換する度合、すなわち入出力特性変換用のメモリ14における増幅率に応じてフィルタ特性を変化させるようにしている。
【0066】
このように、メモリ14の増幅率に即したフィルタ特性をもってノイズ除去を行わせることにより、ノイズ除去の過不足を生ずることなく、センサ信号Voの入出力特性変換時に増幅されたノイズ成分を適切に除去することができるようになる。
【0067】
また、入出力特性変換時の増幅率が大きいと、図21に示すように、デジタル信号による各隣接する画素間のセンサ信号が離散的となってイメージセンサの出力画像の画質が悪くなってしまうが、このフィルタ処理を行わせることによって、各隣接する画素間のセンサ信号が平滑化されてセンサ信号の連続性が良くなる。
【0068】
本発明のフィルタ処理には、一般的なノイズ除去のためのフィルタが広く用いられる。
【0069】
図22は、IIRローパスフィルタの一例を示している。他にもFIRフィルタ等が用いられる。
【0070】
図23は、隣り合う画素の出力の平均値を求めて高周波成分を除去する方式(移動平均処理)によるフィルタ処理回路の一例を示している。画像信号は連続性を有していることから、隣接する画素と比較して急峻に変化する信号はノイズとして扱うことが可能である。
【0071】
図24は、フレームメモリFMを複数用いて、同一位置の画素の出力に対してフィルタ処理するようにしたものである。使用するフィルタとしては、図22や図23に示すものが用いられる。
【0072】
図25ないし図28は、センサ信号Vo′における対数特性に変換された低照度時の出力信号の部分のみにフィルタをかけてノイズ除去を行わせるようにしたときの具体的なフィルタ処理回路の構成例をそれぞれ示している。
【0073】
図25に示すフィルタ処理回路では、比較回路21に予め入出力変換されたセンサ信号Vo′の切替点となる信号値が設定されており、イメージセンサの各画素から時系列的に送られてくるセンサ信号Vo′の値によって信号切替回路22の切り替えを行いながら、対数特性に変換された低照度時の出力信号のみをローパスフィルタ23によって処理した信号と、センサ信号Vo′における他の部分における何らフィルタ処理しない信号とを選択的に出力するように構成している。
【0074】
図26に示すフィルタ処理回路では、ローパスフィルタ23によって処理した信号の値と比較回路21に設定された値とを比較して信号の切り替えを行わせるようにしている。
【0075】
また、図27および図28にそれぞれ示すフィルタ処理回路では、入出力特性変換時の増幅率に応じてフィルタ特性を変化させながら、センサ信号Vo′における対数特性に変換された低照度時の出力信号の部分のみのフィルタ処理を行わせることができるようにしている。
【0076】
図27に示すフィルタ処理回路では、比較回路21′に複数の値が設定されており、その各設定値とセンサ信号Vo′とをそれぞれ比較して、信号切替回路22においてそれぞれフィルタ特性の異なる複数のローパスフィルタ23−1〜23−4による各処理信号のうちの一つを選択的に出力する構成となっている。
【0077】
図28に示すフィルタ処理回路では、複数設けられたローパスフィルタ23−1〜23−4のうちの特定のローパスフィルタ23−3によって処理された信号の値と比較回路21に設定された値とを比較して、信号切替回路22においてそれぞれフィルタ特性の異なる複数のローパスフィルタ23−1〜23−4による各処理信号のうちの一つを選択的に出力する構成となっている。
【0078】
なお、図27および図28に示すフィルタ処理回路ではそれぞれフィルタ特性の異なる複数のローパスフィルタ23−1〜23−4による各処理信号のうちの一つを選択的に出力するようにしているが、1つのローパスフィルタ23におけるフィルタ特性の定数を切り換えるようにしてもよい。
【0079】
図1に示すような光センサ回路を画素単位に用いたイメージセンサでは、図29に示すように、各画素の構造上からくる出力特性のバラツキを生じてしまい、その出力特性が揃うように各画素の出力補正を行う必要があるものになっている。図中、Ioは入射光がないときにフォトダイオードPDに流れる暗電流に応じた暗時のセンサ電流を示している。
【0080】
各画素の出力特性のバラツキの要因としては、主として、トランジスタQ1のサブスレッショルド領域の特性を利用して入射光Lsの光量に応じた電圧信号Vpdを生じさせるに際して、そのトランジスタQ1のサブスレッショルド値が画素ごとに異なるためである。また、各画素にあって対数変換された電圧信号を高インピーダンスをもって増幅して出力させる必要があるが、その増幅用トランジスタQ2の特性の不揃いも各画素の出力のバラツキの要因となっている。
【0081】
各画素の出力特性のバラツキを補正する手段が本願と同一の出願人によって提案されている(特願2000−404931、特願2000−404933、特願2001−75035、特願2001−75036)。
【0082】
本発明では、各画素の出力特性のバラツキを補正したうえで、前述した各画素から時系列的に出力するセンサ信号Voを前述のようにオフセットおよびゲイン調整するようにしている。
【0083】
あるいはまた、各画素の出力特性のバラツキを補正したうえで、前述のように完全な対数特性に変換する処理を行い、その変換されたセンサ信号Vo′をオフセットおよびゲイン調整するようにしている。
【0084】
図30は、イメージセンサにおける各画素の出力特性のバラツキを補正するための具体的な構成を示している。
【0085】
それは、イメージセンサ8および各画素のセンサ信号を時系列的に読み出すための駆動制御を行うECU9と、イメージセンサ8から時系列的に出力する各画素のセンサ信号Voをデジタル信号に変換するAD変換器10と、予め各画素の特性に応じたオフセット補正値OFSおよびゲイン補正のための乗数MLTが設定されており、ECU9から与えられるセンサ信号読出し時における画素のアドレス(X,Y)の信号ADDRESSに応じて所定のオフセット補正値OFSおよび乗数MLTを読み出すメモリ11と、そのメモリ11から読み出されたオフセット補正値OFSおよび乗数MLTにもとづいてデジタル信号に変換されたセンサ信号DSのオフセット補正およびゲイン補正の各演算処理を行う出力補正回路12とによって構成されている。
【0086】
イメージセンサ8から時系列的に出力する各画素のセンサ信号Voとしては、前述したように、各画素におけるトランジスタQ1のゲート電圧VGが撮影時の定常値よりも高い値に切り換えられたときの暗時の出力と、光をしゃ断した状態での各画素におけるトランジスタQ1のゲート電圧VGおよびドレイン電圧VDが撮影時の定常値よりも低い値にそれぞれ切り換えられたときの明時の出力とが採用される。
【0087】
図26は、3つの画素の構成上からくる各センサ信号A,B,Cの出力特性のバラツキ状態の一例を示している。ここで、画素出力のしきい値Hに応じたセンサ電流の値Imは各画素のセンサ信号信号A,B,Cが非対数応答領域WAから対数応答領域WBに切り換わる点を示している。また、Ioは暗時のセンサ電流を示している。
【0088】
ここでは、このような非対数応答領域WAにおける各画素のセンサ信号の出力特性の形状がほぼ同一で、対数応答領域WBにおける各画素のセンサ信号の出力特性の傾きがそれぞれ異なるときのイメージセンサの出力補正を行わせる場合を示している。各画素のパラメータとして、それぞれの各センサ信号が非対数応答領域WAから対数応答領域WBに切り換わる点の情報と、暗時の画素出力とを用いている。
【0089】
図31は、出力補正回路12における処理のフローを示している。
【0090】
メモリ11には、センサ電流がImの値のときに画素出力がHとなるようなオフセット補正値OFSが設定されている。そして、オフセット補正部121において、そのオフセット補正値OFSを用いた加減算処理をなすことによって各画素のデジタル信号に変換されたセンサ信号DSのオフセット補正を行わせると、図33に示すように、各画素のセンサ信号A,B,Cにおける非対数応答領域WAの特性が一致するようになる。
【0091】
次に、そのオフセット補正されたセンサ信号DS1にもとづき、ゲイン補正部122において、しきい値H以上の対数応答領域WBに対してゲイン補正のための乗算処理を行う。
【0092】
具体的には、オフセット補正されたセンサ信号DS1がしきい値H以上であるか否かを判断して、しきい値H以上であれば、すなわちセンサ信号DS1が対数応答領域WBにあれば、メモリ10から読み出されたゲイン補正のための所定の乗数MLTを用いて、
出力←H+(センサ信号DS1−H)×乗数
なる演算を行って、その演算結果を出力補正されたセンサ信号DS2として出力する。
【0093】
このような各画素のセンサ信号A,B,Cのゲイン補正が行われた結果、図34に示すように、対数応答領域WBの特性が一致するようになる。
【0094】
また、その際、オフセット補正されたセンサ信号DS1がしきい値Hよりも小さければ、すなわちセンサ信号DS1が非対数応答領域WAにあれば、そのままオフセット補正されたセンサ信号DS1を出力補正されたセンサ信号DS2として出力する。
【0095】
図36は、3つの画素の構成上からくる各センサ信号A,B,Cの出力特性のバラツキ状態の他の例を示している。
【0096】
ここでは、このような対数応答領域WBにおける各センサ信号の出力特性の傾きがほぼ同一で、非対数応答領域WAにおける各センサ信号の出力特性の形状がそれぞれ異なるときにイメージセンサの出力補正を行わせる場合を示している。
【0097】
図35は、出力補正回路12における処理のフローを示している。
【0098】
メモリ11には、センサ電流がImの値のときに画素出力がHとなるようなオフセット補正値OFSが設定されている。そして、オフセット補正部121において、そのオフセット補正値OFSを用いた加減算処理をなすことによって各画素のデジタル信号に変換されたセンサ信号DSのオフセット補正を行わせると、図37に示すように、各画素のセンサ信号A,B,Cにおける対数応答領域WBの特性が一致するようになる。
【0099】
次に、そのオフセット補正されたセンサ信号DS1にもとづき、ゲイン補正部112において、しきい値H以下の非対数応答領域WAに対してゲイン補正のための乗算処理を行う。
【0100】
具体的には、オフセット補正されたセンサ信号DS1がしきい値H以下であるか否かを判断して、しきい値H以下であれば、すなわちセンサ信号DS1が非対数応答領域WAにあれば、メモリ10から読み出されたゲイン補正のための所定の乗数MLTを用いて、
出力←H−(H−センサ信号DS1)×乗数
なる演算を行って、その演算結果を出力補正されたセンサ信号DS2として出力する。
【0101】
このような各画素のセンサ信号A,B,Cのゲイン補正が行われた結果、図38に示すように、非対数応答領域WAの特性が一致するようになる。
【0102】
また、その際、オフセット補正されたセンサ信号DS1がしきい値Hよりも大きければ、すなわちセンサ信号DS1が対数応答領域WBにあれば、そのままオフセット補正されたセンサ信号DS1を出力補正されたセンサ信号DS2として出力する。
【0103】
図40は、イメージセンサ8における各画素の構成上からくるセンサ信号A,B,Cの出力特性のバラツキ状態のさらに他の例を示している。
【0104】
ここでは、対数応答領域WBにおける各センサ信号A,B,Cの出力特性の傾きがそれぞれ異なるとともに、非対数応答領域WAにおける各センサ信号A,B,Cの出力特性の形状がそれぞれ異なる場合を示している。
【0105】
このような場合には、図39の出力補正回路12における処理のフローに示すように、前述した図31および図35に示す各処理を組み合せて行わせることによって、各センサ信号A,B,Cのオフセット補正およびゲイン補正が逐次なされて最終的に非対数応答領域WAおよび対数応答領域WBの特性が一致したセンサ信号DS2′が得られるようになる。
【0106】
【発明の効果】
以上、本発明によるイメージセンサの出力補正装置は、イメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域におけるイメージセンサから出力する各画素のセンサ信号の最小値および最大値を検出する手段と、前記最小値の数フレーム分を記憶して平均化する第1のローパスフィルタと、前記最大値の数フレーム分を記憶して平均化する第2のローパスフィルタと、前記各画素のセンサ信号から前記平均化された最小値を減ずることによってセンサ信号のオフセットを行うオフセット手段と、前記平均化された最小値から最大値までの出力幅を求める減算回路と、前記求められたセンサ信号の出力幅を平均化する第3のローパスフィルタと、前記平均化されたセンサ信号の出力幅が表示領域における最大値または所定値になるようにゲイン補正値をテーブル設定するメモリと、前記オフセットされたセンサ信号に前記ゲイン補正値を乗ずることによってセンサ信号のゲイン調整を行う手段とをとるようにしたもので、イメージセンサから出力する各画素のセンサ信号を、イメージセンサによる撮影画像を画面に写し出す表示領域に即するように補正することができ、ダイナミックレンジの広い特性をもったイメージセンサによる撮影画像を充分にいかしたコントラストの良い画像を画面に表示させることができるという利点を有している。
【0107】
また、本発明は、センサ信号の出力幅を予め設定されたしきい値で分割して、各分割領域ごとにオフセットおよびゲイン調整を行わせるか、または、センサ信号をいったんオフセットおよびゲイン調整したうえで、その補正されたセンサ信号の出力幅を予め設定されたしきい値で分割して、各分割領域ごとにオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしたもので、各分割領域ごとに表示領域に即するように任意の対数特性をもったセンサ信号に変換することができるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイメージセンサに用いられる1画素分の光センサ回路を示す電気回路図である。
【図2】光センサ回路における各部信号のタイムチャートである。
【図3】光センサ回路の初期化を行わせたときの入射光量に応じたセンサ電流に対するセンサ信号の出力特性を示す図である。
【図4】光センサ回路の初期化時におけるトランジスタQ1の電荷qの流れによる動作状態を模擬的に示す図である。
【図5】光センサ回路の光信号検出時におけるトランジスタQ1の電荷qの流れによる動作状態を模擬的に示す図である。
【図6】光センサ回路におけるフォトダイオードPDのセンサ電流が変化したときの各電圧信号Vpdの変化特性を示す図である。
【図7】光センサ回路において所定のタイミングで光信号の読み出しをくり返し行わせたときの電圧信号Vpdの増幅信号の特性を示す図である。
【図8】初期化を行わないときの光センサ回路における入射光量が少ないときに所定のタイミングで読み出される画信号の出力特性を示す図である。
【図9】表示装置の表示領域における光センサ回路から出力するセンサ信号の出力範囲を示す特性図である。
【図10】本発明に係るイメージセンサの具体的な構成例を示すブロックである。
【図11】そのイメージセンサにおける各部信号のタイムチャートである。
【図12】本発明によって光センサ回路からのセンサ信号の出力範囲が表示装置における表示領域の全域にわたるように補正するときのセンサ信号の処理状態の一例を示す特性図である。
【図13】本発明によるイメージセンサの出力補正装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【図14】本発明によって光センサ回路からのセンサ信号の出力範囲がその分割領域ごとに表示装置における表示領域の全域にわたるように補正するときのセンサ信号の処理状態の他の例を示す特性図である。
【図15】本発明によるイメージセンサの出力補正装置の他の実施例を示すブロック構成図である。
【図16】本発明によって光センサ回路からのセンサ信号の出力範囲がその分割領域ごとに表示装置における表示領域の全域にわたるように補正するときのセンサ信号の処理状態のさらに他の例を示す特性図である。
【図17】本発明によるイメージセンサの出力補正装置のさらに他の実施例を示すブロック構成図である。
【図18】図3に示すセンサ回路から出力するセンサ信号を全領域にわたって対数出力特性に変換するための具体的な構成例を示すブロック図である。
【図19】光センサ回路から出力するセンサ信号を全領域にわたって対数特性に変換した特性図である。
【図20】光センサ回路から出力するセンサ信号を任意の点で分割してそれぞれ対数特性に変換した特性図である。
【図21】イメージセンサにおける各画素のデジタル化されたセンサ信号が離散的になっている状態の一例を示す図である。
【図22】一般的なローパスフィルタの一構成例を示す電気回路図である。
【図23】隣接画素の出力の平均値を求めて高周波成分を除去する方式によるフィルタ処理を行うときの一構成例を示すブロック図である。
【図24】複数のフレームメモリを用いて、同一画素についてフィルタ処理を行うときの一構成例を示すブロック図である。
【図25】対数特性に変換されたセンサ信号のフィルタ処理を行うときの一構成例を示すブロック図である。
【図26】対数特性に変換されたセンサ信号のフィルタ処理を行うときの他の構成例を示すブロック図である。
【図27】対数特性に変換されたセンサ信号をフィルタ特性を変化させながらフィルタ処理するときの一構成例を示すブロック図である。
【図28】対数特性に変換されたセンサ信号をフィルタ特性を変化させながらフィルタ処理するときの他の構成例を示すブロック図である。
【図29】イメージセンサにおける各画素の出力特性のバラツキ状態の一例を示す図である。
【図30】イメージセンサにおける各画素の出力のバラツキを補正するための具体的な構成例を示すブロック図である。
【図31】図30の構成における出力補正回路における処理のフローの一例を示す図である。
【図32】イメージセンサにおける各画素の構成上からくるセンサ信号の出力特性のバラツキ状態の一例を示す特性図である。
【図33】図32に示す出力特性のバラツキをもった各画素のセンサ信号をオフセット補正した結果を示す特性図である。
【図34】図30に示す出力特性のバラツキをもった各画素のセンサ信号をオフセット補正およびゲイン補正した結果を示す特性図である。
【図35】図30の出力補正回路における処理のフローの他の例を示す図である。
【図36】イメージセンサにおける各画素の構成上からくるセンサ信号の出力特性のバラツキ状態の他の例を示す特性図である。
【図37】図36に示す出力特性のバラツキをもった各画素のセンサ信号をオフセット補正した結果を示す特性図である。
【図38】図36に示す出力特性のバラツキをもった各画素のセンサ信号をオフセット補正およびゲイン補正した結果を示す特性図である。
【図39】図30の出力補正回路における処理のフローのさらに他の例を示す図である。
【図40】イメージセンサにおける各画素の構成上からくるセンサ信号の出力特性のバラツキ状態のさらに他の例を示す特性図である。
【符号の説明】
8 イメージセンサ
15 出力補正装置
151 最大値検出回路
152 最小値検出回路
153 ローパスフィルタ
154 ローパスフィルタ
155 オフセット補正回路
156 減算回路
157 ローパスフィルタ
158 ルックファップ用メモリ
159 ゲイン補正回路
15A 出力補正装置
15B 出力補正装置
16 信号分割回路
17 合成回路

Claims (5)

  1. イメージセンサによって撮影された画像を画面に写し出す表示領域におけるイメージセンサから出力する各画素のセンサ信号の最小値および最大値を検出する手段と、前記最小値の数フレーム分を記憶して平均化する第1のローパスフィルタと、前記最大値の数フレーム分を記憶して平均化する第2のローパスフィルタと、前記各画素のセンサ信号から前記平均化された最小値を減ずることによってセンサ信号のオフセットを行うオフセット手段と、前記平均化された最小値から最大値までの出力幅を求める減算回路と、前記求められたセンサ信号の出力幅を平均化する第3のローパスフィルタと、前記平均化されたセンサ信号の出力幅が表示領域における最大値または所定値になるようにゲイン補正値をテーブル設定するメモリと、前記オフセットされたセンサ信号に前記ゲイン補正値を乗ずることによってセンサ信号のゲイン調整を行う手段とによって構成されたイメージセンサの出力補正装置。
  2. センサ信号の出力幅を予め設定されたしきい値で分割して、各分割領域ごとにセンサ信号のオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしたことを特徴とする請求項1の記載によるイメージの出力補正装置。
  3. センサ信号をいったんオフセットおよびゲイン調整したうえで、その補正がなされたセンサ信号の出力幅を予め設定されたしきい値で分割して、各分割領域ごとにセンサ信号のオフセットおよびゲイン調整を行わせるようにしたことを特徴とする請求項1の記載によるイメージの出力補正装置。
  4. イメージセンサにおける各画素が、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流されるセンサ電流をトランジスタのサブスレッシュ領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換して、その変換された電圧信号に応じたセンサ信号を出力するものであることを特徴とする請求項1に記載によるイメージセンサの出力補正装置。
  5. 撮影に先がけて、イメージセンサにおける各画素の光電変換素子の寄生容量に過剰電荷を流入させて初期化するようにしたことを特徴とする請求項1に記載によるイメージセンサの出力補正装置。
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