JP3975091B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンチレータとフォトダイオードとを組み合わせた放射線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療機関で使用されるX線断層撮像装置(X線CT装置)では、スライス方向に複数列のX線検出器を2次元配列し、1回のX線照射によって複数のCT画像を得る、いわゆるマルチスライス化が検討されている。また、この種のX線照射装置では、X線検出器としての放射線検出器が用いられているが、この放射線検出器においても、マルチスライス化に対応することが要請される。
【0003】
かかる要請に対応すべく、たとえば特開平7−333348号公報に開示された放射線検出器がある。この放射線検出器は、複数のシンチレータを2次元的に配置してなるシンチレータパネルと、これらの複数のシンチレータに対応して設けられた複数のフォトダイオードを有する配線基板を備えるものである。このように、複数のシンチレータを2次元的に配置することにより、複数のCT画像を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の放射線検出器では、複数のシンチレータとフォトダイオードとを対応させて配置する必要がある。ここで、シンチレータが1次元的に配設されているものであれば比較的その配置を容易に行うことができるが、2次元的にシンチレータが配置された放射線検出器では、このような対応関係を正確に行いながらシンチレータとフォトダイオードを配置するのは容易ではない。しかし、上記従来の公報に開示された放射線検出器では、それらを正確に対応する手段についてはなんら言及していないものである。特に近年においては、フォトダイオードの微細化、高集積化が進んでいるため、複数のシンチレータとフォトダイオードとを対応させて配置するのはさらに困難となっている。
【0005】
そこで、本発明の課題は、2次元的に配列された複数のシンチレータと、これらのシンチレータに対応して設けられた複数のフォトダイオードを有する放射線検出器において、シンチレータとフォトダイオードとを正確に対応させて配置することを容易に行うことができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る放射線検出器は、2次元状に配列された複数のシンチレータ、および複数のシンチレータを一体に固定するシンチレータ固定用部材を有し、シンチレータの光出射面側で、シンチレータがシンチレータ固定用部材よりも突出するシンチレータパネルと、第1導電型の半導体基板の表面側に、複数のシンチレータに対応して複数の第2導電型半導体層が形成され、第1導電型の半導体基板と各第2導電型半導体層の間に形成されるpn接合によりそれぞれがフォトダイオードとして機能し、半導体基板の裏面がシンチレータパネルと接合される光入射面となっている裏面入射型のフォトダイオードアレイとを備え、フォトダイオードアレイにおける光入射面には、シンチレータにおける突出した部位が嵌合される嵌合凹部が形成されており、フォトダイオードアレイの光入射面に形成された嵌合凹部は、シンチレータにおける突出した部分の形状に合わせて形成されており、第2導電型半導体層の面積はシンチレータの面積よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0007】
このように、本発明においては、フォトダイオードアレイの裏面における第2導電型半導体層に対応する位置に嵌合凹部が形成され、この嵌合凹部はシンチレータにおける突出した部分に合わせて形成されている。このため、シンチレータを単に嵌合凹部に嵌合させることにより、第2導電型半導体層(フォトダイオード)に対するシンチレータの位置ずれを小さなものとすることができる。
【0008】
ここで、本発明にいう「形状に合わせて形成され」とは、同一形状として形成されるものでもよし、ほぼ同一形状に形成されるものでもよい。
【0009】
また、上記課題を解決した本発明に係る放射線検出器は、2次元状に配列された複数のシンチレータ、および複数のシンチレータを一体に固定するシンチレータ固定用部材を有し、シンチレータの光出射面側で、シンチレータがシンチレータ固定用部材よりも突出するシンチレータパネルと、第1導電型の半導体基板の表面側に、複数のシンチレータに対応して複数の第2導電型半導体層が形成され、第1導電型の半導体基板と各第2導電型半導体層の間に形成されるpn接合によりそれぞれがフォトダイオードとして機能し、半導体基板の裏面がシンチレータパネルと接合される光入射面となっている裏面入射型のフォトダイオードアレイとを備え、フォトダイオードアレイにおける光入射面には、シンチレータにおける突出した部位が嵌合される嵌合凹部が形成されており、フォトダイオードアレイの光入射面に形成された嵌合凹部は、シンチレータにおける突出した部分の形状に合わせて形成されており、シンチレータにおける突出した部分には、フォトダイオードアレイに近づくにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパが付与されており、フォトダイオードアレイに形成された嵌合凹部には、シンチレータに付与されているテーパと同一角度のテーパが付与されていることを特徴とする
【0010】
このように、シンチレータにおける突出した部分および嵌合凹部に同一角度のテーパを付与しておくことにより、嵌合凹部に対するシンチレータの位置をより高精度に決めることができる。このため、第2導電型半導体層に対するシンチレータの位置ずれをさらに小さくすることができる。
【0012】
また、このようなテーパを付与することにより、シンチレータにおける放射線入射面である上面の面積が、光出射面である下面の面積よりも大きくなる。そのためシンチレータパネルにおけるシンチレータ間のギャップが小さくなるので、フォトダイオードアレイの高密度化および高出力化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による放射線検出器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0014】
図1は、本発明による放射線検出器の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。
【0015】
本放射線検出器は、放射線を入射して、その放射線によって生じた光を出射面から出射するシンチレータパネル1と、シンチレータパネル1から出射された光を光入射面から入射し、電気信号に変換するフォトダイオードアレイ2と、支持基板3とを備えている。なお、図1においては、シンチレータパネル1の下面が光出射面、フォトダイオードアレイ2の上面が光入射面となっている。
【0016】
図2は、図1に示した放射線検出器をシンチレータパネル1側から見た上面図である。シンチレータパネル1は、複数のシンチレータ11とシンチレータ固定用部材12とを備えている。シンチレータ11の間にシンチレータ固定用部材12を設けることによって、シンチレータ11において発生したシンチレーション光が、他のシンチレータ11に対応するフォトダイオードに入射する、いわゆる光クロストークの発生を抑制することができる。また、シンチレータ11とシンチレータ固定用部材12とが一体に固定されていることによって、シンチレータパネル1の機械的強度を向上させることができる。複数のシンチレータ11は、それぞれ検出対象の放射線の入射に対してシンチレーション光を発生する物質からなり、図2に示すように2次元アレイ状に配列されている。
【0017】
これらのシンチレータ11に対し、シンチレータ固定用部材12は複数のシンチレータ11の間に設けられている。また、シンチレータ11は、図1に示すように、シンチレータ固定用部材12よりも下方に突出しており、この突出した部位には、所定の角度のテーパが付与されている。このテーパは、フォトダイオードアレイ2に近づくにしたがって、狭まるようにして形成されている。このため、シンチレータ11の放射線入射面は、光出射面よりも大きい面積を有している。さらに、シンチレータ11の光出射面以外の面上には、シンチレータ11内で発生したシンチレーション光を反射する酸化チタンなどからなる光反射膜14が形成されている。
【0018】
フォトダイオードアレイ2は、pn接合が形成される表面側に対し、反対側の裏面を光入射面とする裏面入射型の構成を有している。フォトダイオードアレイ2は、導電型がn型(第1導電型)であり、フォトダイオードアレイ2の基体となるn型半導体基板21と、シンチレータ11と一対一で対応するようにn型半導体基板の表面側に形成されたp+型(第2導電型)拡散層である複数のp型半導体層(第2導電型半導体層)22と、複数のp型半導体層22の間にそれぞれ形成されたn型半導体基板21より高濃度のn+型拡散層であるn型半導体層(第1導電型半導体層)23とを備える。p型半導体層22の面積はシンチレータ11の面積よりも大きく設定されることが好ましい。このように設定することで、シンチレータ11から入射した光によって発生したキャリアが多少拡散しても、そのほとんどがp型半導体層22へ到達することができる。これによって、n型半導体基板21内部において発生したキャリアがp型半導体層22へ到達する効率を向上させることができる。
【0019】
本構成では、p型半導体層22と、p型半導体層22の裏面側に位置するn型半導体基板21のn型半導体層部分とがpn接合を形成することによって、フォトダイオード24が構成されている。裏面入射型のフォトダイオード24では、光入射面から入射されたシンチレータ11からのシンチレーション光を効率よく検出するため、フォトダイオード24が形成されている部分はn型半導体基板21の基板薄板部となっている。
【0020】
また、n型半導体基板21の光入射面側には、n型半導体基板21より高濃度のn型半導体層であるアキュムレーション層27が、全体に略一定の厚さで設けられている。また、フォトダイオードアレイ2の表面と光入射面とは、それぞれ異物の侵入を防止する保護膜28で被覆されている。
【0021】
さらに、フォトダイオードアレイ2は、n型半導体基板21の表面上にアノード電極(第2電極)25およびカソード電極(第1電極)26を備えている。アノード電極25はp型半導体層22に、カソード電極26はn型半導体層23にそれぞれ電気的に接続されている。これらのアノード電極25およびカソード電極26は、n型半導体基板21の表面上に配置されている。フォトダイオードアレイ2の動作時には、アノード電極25とカソード電極26との間には、フォトダイオード24への印加電圧が逆バイアスとなるような電圧が与えられる。また、フォトダイオード24への印加電圧は、零バイアスであっても良い。さらに、アノード電極25およびカソード電極26は、図1に示したように、フォトダイオードアレイ2の表面上であって、シンチレータ固定用部材12に対応する位置に設けられていることが好ましい。
【0022】
また、フォトダイオードアレイ2の光入射面であって、p型半導体層22に対応する位置には、嵌合凹部29が形成されている。この嵌合凹部29は、シンチレータ11における突出した部分の形状に合わせて形成されており、具体的には、嵌合凹部29には、シンチレータ11におけるシンチレータ固定用部材12から突出した部位に形成されたテーパと同一角度のテーパが付与されている。この嵌合凹部29に付与されたテーパは、シンチレータ11に近づくにしたがって、すなわち上方が広がるようにして形成されている。そして、この嵌合凹部29にシンチレータ11の下端部が嵌合される。
【0023】
支持基板3は、フォトダイオードアレイ2に対して表面側(図1中の下側)に位置している。支持基板3の上面上には、フォトダイオードアレイ2からの光検出信号の検出器外部への出力などに用いられる配線31が設けられている。アノード電極25およびカソード電極26と、これらに対応する配線31とは、バンプ電極32を介してバンプ接続されている。また、支持基板3は、樹脂材料等(アンダーフィル樹脂など)の接着剤からなる接着剤層33を介して、フォトダイオードアレイ2と一体に固定されている。基板薄板部を有する裏面入射型のフォトダイオードアレイ2においては、n型半導体基板21の強度が充分に得られない場合がある。これに対して、配線31を有する配線基板を支持基板として機能させ、フォトダイオードアレイ2と支持基板3とを一体に固定することによって、フォトダイオード24が形成されている基板薄板部を含むフォトダイオードアレイ2のn型半導体基板21の強度を高めることができる。
【0024】
また、シンチレータ11の間におけるシンチレータ固定用部材12とフォトダイオードアレイ2の間には、光学接着剤層13が形成されている。
【0025】
以上の構成を有する本実施形態に係る放射線検出器では、検出対象である放射線がシンチレータパネル1のシンチレータ11に入射すると、シンチレータ11内においてシンチレーション光が発生する。発生したシンチレーション光は直接に、または光出射面以外の面上に形成された光反射膜14によって反射されて、光出射面からフォトダイオードアレイ2へと出射される。そして、シンチレータ11の光出射面から出射された光は対応するフォトダイオード24へ入射する。このとき、保護膜28はフォトダイオード24の光入射面で光が反射することを防止する反射防止膜としての機能も果たす。
【0026】
フォトダイオード24へ入射したシンチレーション光によって、n型半導体基板21内部にキャリアが発生する。発生したキャリアは、p型半導体層22へ移動する。ここで、アキュムレーション層27は、シンチレーション光の入射によってn型半導体基板21内部の光入射面側付近で発生したキャリアを再結合させることなく、効率よくp型半導体層22へ移動させるように機能する。そして、光検出信号がアノード電極25およびカソード電極26から取り出される。
【0027】
また、本実施形態に係る放射線検出器においては、フォトダイオードアレイ2の裏面側におけるp型半導体層22に対応する位置に、嵌合凹部29が形成されている。この嵌合凹部29は、シンチレータ11におけるシンチレータ固定用部材12から突出した下端部と同一の形状を有しており、シンチレータ11の下端部と嵌合するようになっている。この嵌合凹部29にシンチレータ11を嵌合させることにより、シンチレータ11とp型半導体層22との位置決めを容易に行うことができる。また、嵌合凹部29およびシンチレータ11におけるシンチレータ固定用部材12から突出した部位には、それぞれ同一角度を有するテーパが形成されている。このようなテーパが付与されていることにより、シンチレータ11は、フォトダイオードアレイ2の方向に移動する(下降する)にしたがって、嵌合凹部29の中央に寄せられるようになる。よって、シンチレータ11とp型半導体層22(フォトダイオード24)との間の位置ずれを小さくすることができ、シンチレータ11をp型半導体層22に対応する位置に、好適に配置させることができる。
【0028】
以上に詳説した図1に示す放射線検出器の具体的な構成の一例としては、以下に示すような構成のX線検出器が挙げられる。すなわち、シンチレータパネル1の上面側から見た形状を一辺12mmの正方形とし、その中に8個×8個の配列(ピッチ1.5mm)で一辺1mm、厚さ2mmのシンチレータ11を配置する。シンチレータ11の光出射面以外の面上には、厚さ50μmの光反射膜14を形成する。また、シンチレータ11の間には厚さ1mmのシンチレータ固定用部材12を設ける。
【0029】
一方、フォトダイオードアレイ2については、基板厚板部の厚さが270μmでキャリア濃度1.0×1012cm-3のn型半導体基板21を用い、基板薄板部の厚さを10〜100μm、たとえば20μmまで薄板化する。また、n型半導体基板21の表面側に、キャリア濃度1.0×1019cm-3のp型半導体層22を厚さ0.5μmで形成する。また、p型半導体層22の間にはキャリア濃度1.0×1018cm-3のn型半導体層23を厚さ1.5μmで形成し、n型半導体基板21の光入射面側にはキャリア濃度5.0×1018cm-3のアキュムレーション層27を厚さ0.2μmで形成する。また、シンチレータパネル1とフォトダイオードアレイ2との間における光学接着剤層13の厚さについては、たとえば、数μm程度とする。
【0030】
次に、本発明に係る放射線検出器の製造方法の一例について説明する。図3は、図1に示した放射線検出器において用いられるシンチレータパネル1の製造方法の一例を示す工程図である。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、X線などの放射線が照射されるとシンチレーション光を発生するCWOもしくはCsIなどからなるシンチレータ11を用意する。次に、図3(b)に示すように、その一方の面(図3(b)中の下面)にシンチレータ固定用部材12を埋め込むための凹部を格子状に形成する。続いて、図3(c)に示すように、続いて、格子状に形成されたシンチレータ11の下端部をそれぞれ加工し、面取りして、所定角度のテーパを付与する。その後、図3(d)に示すように、光反射膜14を他方の面(図3中の上面)を除く全面に酸化チタン等を蒸着することにより形成する。
【0032】
シンチレータ11に光反射膜14を蒸着した後、図3(e)に示すように、シンチレータ11に形成された格子状の凹部に、X線を遮蔽する性質を有する銅もしくは鉛を埋め込むことにより、シンチレータ固定用部材12を形成する。それから、図3(f)に示すように、上下の面を研削することにより、シンチレータ11を複数に分割するとともに、光反射膜14のうち下面に形成されていた部分のみを取り除いて光出射面を形成する。そして、光反射膜14をシンチレータ11の上面に上記と同様の方法で形成してシンチレータパネルを形成する。その後、図1に示すように、別途製造されたフォトダイオードアレイ2の裏面にシンチレータパネル1を配置することにより、放射線検出器を製造することができる。
【0033】
上記の製造方法によって、第1実施形態の放射線検出器を製造することができる。
【0034】
次に、第1実施形態の放射線検出器の他の製造方法について説明する。
【0035】
まず、上記の製造方法と同様にして、図3(a)〜(c)の工程を経て、シンチレータ11を所定の形状に加工する。次に、シンチレータ11における格子状に形成された部位をそれぞれ切り出し、その表面全体に酸化チタンを蒸着するなどして光反射膜14を形成する。こうして光反射膜14が形成されたシンチレータ11,11…を、図4(a)に示すように、別途製造されたフォトダイオードアレイ2に形成された嵌合凹部29,29…にそれぞれ嵌合させる。このとき、シンチレータ11,11…は、それぞれフォトダイオード24,24に対応する位置に配置されている。こうして、シンチレータ11,11…をフォトダイオードアレイ2における嵌合凹部29,29…に嵌合させた後、隣接するシンチレータ11,11の間に、X線を遮蔽する性質を有する銅もしくは鉛を埋め込むことにより、シンチレータ固定用部材12を形成する。こうして、放射線検出器を製造することができる。
【0036】
かかる製造方法によれば、各々の嵌合凹部29にシンチレータ11を嵌め込んだ後に、シンチレータパネル1を製造することになるので、シンチレータパネル1を製造する際に、隣接するシンチレータ11,11の離間距離を正確に調整する必要がなくなる。したがって、その分、放射線検出器を容易に製造することができる。
【0037】
次に、本発明による放射線検出器の第2実施形態について図5を参照して説明する。
【0038】
図5は、第2実施形態に係る放射線検出器の側断面図である。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、シンチレータパネルの構成が異なり、フォトダイオードアレイ2および支持基板3の構成は同一であるので、フォトダイオードアレイ2および支持基板3の説明は省略する。
【0039】
図5に示すように、本実施形態に係るシンチレータパネル40は、複数のシンチレータ41を備えている。シンチレータ41は、その高さ方向全体にテーパが付与されており、上面、すなわち放射線入射面の面積は下面、すなわち光出射面の面積よりも大きくなっている。したがって、シンチレータ41を側面視すると、上辺が下辺よりも長い台形状をなしている。また、シンチレータ41の側面には、側部光反射膜42が形成されており、隣接するシンチレータ41,41の間には、光学接着剤層43が形成されている。さらに、シンチレータ41,41…の上面には、上面光反射シート44が形成されている。上面光反射シート44は、たとえば反射材を含む高分子材料からなる反射シートである。この上面光反射シート44は、隣接するシンチレータ41,41にまたがって貼着されており、シンチレータ41,41を固定するシンチレータ固定用部材としても機能している。また、複数のシンチレータ41,41が並設されたその最外部には、外枠45が設けられている。この外枠45に上面光反射シート44の端部が貼着されており、上面光反射シート44を介して、各シンチレータ41,41…が外枠45に取り付けられてシンチレータパネル40を形成している。
【0040】
以上の構成を有する本実施形態に係る放射線検出器においては、外枠45に貼着された上面光反射シート44がシンチレータ固定用部材として機能しているので、銅や鉛などからなるシンチレータ固定用部材を別途設ける必要がない。したがって、その分、装置の簡素化を図ることができる。また、シンチレータ41,41の上面の面積が広くなり、シンチレータ41,41の間のギャップが狭くなるので、フォトダイオードアレイ2の高密度化および高出力化を図ることができる。また、シンチレータ41および嵌合凹部29には、それぞれ同一角度のテーパが付与されていることから、シンチレータ41とp型半導体層22(フォトダイオード24)との間の位置ずれを小さくすることができる。
【0041】
本実施形態に係る放射線検出器の製造方法について説明すれば、次のようになる。
【0042】
まず、角柱状に形成したシンチレータ41の下面の四方をそれぞれ面取りすることにより、側面視した形状が、上辺の方が下辺よりも長い台形状になるように加工する。このシンチレータ41における側面に、それぞれ酸化チタンを蒸着する等によって側面光反射膜42,42を形成する。側面光反射膜42,42を形成したら、別途製造されたフォトダイオードアレイ2の裏面に形成された嵌合凹部29にシンチレータ41の下端部を嵌合させる。同様に、隣接する嵌合凹部29にもシンチレータ41を嵌合させ、さらに、隣接するシンチレータ41,41の間に光学接着剤層43を形成する。続いて、シンチレータ41,41における上面、すなわち放射線入射面の全面にわたって、上面光反射シート44を貼着する。この上面光反射シート44は、シンチレータパネル40におけるすべてのシンチレータ41,41…の上に貼着されているので、光反射膜のほか、シンチレータ固定用部材としても機能している。こうして、本実施形態に係る放射線検出器を製造することができる。
【0043】
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
【0044】
図6は、第3実施形態に係る放射線検出器の側断面図である。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、シンチレータパネルおよびフォトダイオードアレイの構成が異なる。
【0045】
図6に示すように、本実施形態に係る放射線検出器は、シンチレータパネル50およびフォトダイオードアレイ60を備えている。シンチレータパネル50は、第1実施形態よりも上面の面積が広いシンチレータ51を備えており、シンチレータ51の周面には、下面を除いて光反射膜54が形成されている。また、隣接するシンチレータ51,51の間には、シンチレータ固定用部材52が設けられている。シンチレータ51の上面の面積が広くなった分、シンチレータ固定用部材52は小さくなっている。また、シンチレータ固定用部材52には、下方に開口する凹部が形成されており、その凹部の断面形状は、上端部が尖った略三角形状をなしている。
【0046】
フォトダイオードアレイ60は、上記の第1実施形態と比較して、裏面の形状が異なっている。隣接する嵌合凹部29の間には、上端が尖った断面山形形状の突起部29Aが形成されている。その他は、上記第1実施形態と同様の構成を有している。また、突起部29Aとシンチレータ固定用部材52の間には、光学接着剤層53が形成されている。
【0047】
以上の構成を有する本実施形態に係る放射線検出器では、フォトダイオードアレイ2における隣接する嵌合凹部29,29の間は、上端が尖った突起部29Aが形成されている。この突起部29Aが形成されていることにより、シンチレータ51のテーパ部を突起部29Aに沿って形成することができるので、シンチレータ51の上面の面積を広くすることができる。このため、シンチレータ51,51の間のギャップが狭くなるので、フォトダイオードアレイ60の高密度化および高出力化を図ることができる。また、シンチレータ51および嵌合凹部29には、それぞれ同一角度のテーパが付与されていることから、シンチレータ51とp型半導体層22(フォトダイオード24)との間の位置ずれを小さくすることができる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、たとえばシンチレータおよび嵌合凹部には、それぞれテーパが付与されている。これに対して、このようなテーパが付与されず、シンチレータが直方体形状であり、嵌合凹部は直角に形成されている態様とすることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、2次元的に配列された複数のシンチレータと、これらのシンチレータに対応して設けられた複数のフォトダイオードを有する放射線検出器において、シンチレータとフォトダイオードとを正確に対応させて配置することを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線検出器の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。
【図2】図1に示した放射線検出器をシンチレータパネル側から見た平面図である。
【図3】図1に示した放射線検出器に用いられるシンチレータパネルの製造方法の一例を示す工程図である。
【図4】図1に示した放射線検出器の製造方法の一例を示す工程図である。
【図5】放射線検出器の第2実施形態の構成を示す側断面図である。
【図6】放射線検出器の第3実施形態の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1,40,50…シンチレータパネル、2,60…フォトダイオードアレイ、3…支持基板、11,41,51…シンチレータ、12…シンチレータ固定用部材、13,43,53…光学接着剤層、14,54…光反射膜、21…n型半導体基板、22…p型半導体層、23…n型半導体層、24…フォトダイオード、25…アノード電極、26…カソード電極、27…アキュムレーション層、28…保護膜、29…嵌合凹部、29A…突起部、31…配線、32…バンプ電極、33…接着剤層、42…側部光反射膜、44…上面光反射シート、45…外枠。

Claims (2)

  1. 2次元状に配列された複数のシンチレータ、および前記複数のシンチレータを一体に固定するシンチレータ固定用部材を有し、前記シンチレータの光出射面側で、前記シンチレータが前記シンチレータ固定用部材よりも突出するシンチレータパネルと、
    第1導電型の半導体基板の表面側に、前記複数のシンチレータに対応して複数の第2導電型半導体層が形成され、前記第1導電型の半導体基板と各第2導電型半導体層の間に形成されるpn接合によりそれぞれがフォトダイオードとして機能し、前記半導体基板の裏面が前記シンチレータパネルと接合される光入射面となっている裏面入射型のフォトダイオードアレイとを備え、
    前記フォトダイオードアレイにおける前記光入射面には、前記シンチレータにおける突出した部位が嵌合される嵌合凹部が形成されており、
    前記フォトダイオードアレイの光入射面に形成された前記嵌合凹部は、前記シンチレータにおける突出した部分の形状に合わせて形成されており、
    前記第2導電型半導体層の面積は前記シンチレータの面積よりも大きく設定されていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 2次元状に配列された複数のシンチレータ、および前記複数のシンチレータを一体に固定するシンチレータ固定用部材を有し、前記シンチレータの光出射面側で、前記シンチレータが前記シンチレータ固定用部材よりも突出するシンチレータパネルと、
    第1導電型の半導体基板の表面側に、前記複数のシンチレータに対応して複数の第2導電型半導体層が形成され、前記第1導電型の半導体基板と各第2導電型半導体層の間に形成されるpn接合によりそれぞれがフォトダイオードとして機能し、前記半導体基板の裏面が前記シンチレータパネルと接合される光入射面となっている裏面入射型のフォトダイオードアレイとを備え、
    前記フォトダイオードアレイにおける前記光入射面には、前記シンチレータにおける突出した部位が嵌合される嵌合凹部が形成されており、
    前記フォトダイオードアレイの光入射面に形成された前記嵌合凹部は、前記シンチレータにおける突出した部分の形状に合わせて形成されており、
    前記シンチレータにおける突出した部分には、前記フォトダイオードアレイに近づくにしたがって幅が狭くなるように形成されたテーパが付与されており、
    前記フォトダイオードアレイに形成された前記嵌合凹部には、前記シンチレータに付与されているテーパと同一角度のテーパが付与されていることを特徴とする放射線検出器。
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