JP3974560B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流発電機等の回転電機に関し、特に回転電機の出力電力を外部機器に導くために用いられる出力端子構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用交流発電機においては、出力端子ボルトの反取り出し側に雄ねじ部を設け、整流装置の正極側冷却フィンに設けられた貫通孔に加締め固定された片側締結ナットに出力端子ボルトの雄ねじ部を締結固定している。そして、出力端子ボルトの取り出し側では、ハーネス側ターミナルが樹脂製の絶縁ブッシュ、リヤ側エンドフレーム、樹脂製の絶縁ブッシュを介してナットで締め付け固定されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−107654号公報(段落[0009]、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用交流発電機においては、車両側のハーネスに電気的に接続されたターミナルが出力端子ボルトに挿入され、ナットで締め付け固定されて、電力が車両側の機器に出力される。ここで、正極側冷却フィンから出力端子ボルトに到る電気伝導経路には、出力端子ボルトの反出力取り出し側の雄ねじ部と片側締結ナットとの締結部が介在し、かつ、出力端子ボルトからハーネス側ターミナルに到る電気伝導経路には、出力端子ボルトの出力取り出し側の雄ねじ部とナットとの締結部が介在している。これらの締結部での電気抵抗は大きく、高出力電流の取り出し時に、締結部での発熱が大きくなる。
そこで、出力端子ボルトの反出力取り出し側の締結部における発熱が出力端子ボルトに近接して配設されている整流装置を構成するダイオードの温度上昇をもたらすことがあった。また、出力端子ボルトの出力取り出し側の締結部における発熱が樹脂製の絶縁ブッシュの熱劣化や熱収縮をもたらし、ナットによる締結が緩み、ハーネス側ターミナルの出力端子ボルトへの締め付け力の低下をもたらしていた。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、整流装置からハーネス側ターミナルへの主電気伝導経路におけるねじによる締結部をなくし、出力端子での発熱を抑えて、ダイオードの温度上昇を防止できるとともに、ハーネス側ターミナルの出力端子への締め付け力不足の発生を防止できる回転電機を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、上記整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、反出力取り出し側に設けられた頭部および出力取り出し側に設けられた出力端子取付用雄ねじ部を有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該出力端子取付用雄ねじ部を該正極側ヒートシンクの他面から延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられた取付部材を備え、上記出力端子は、締結座と、該締結座の出力取り出し側に設けられたハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部と、該締結座の反出力取り出し側に設けられた取付部とを有し、上記出力端子取付用雄ねじ部に螺着された出力端子取付用ナットにより該取付部を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に締め付け固定されて、該締結座およびハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、上記ハーネス側ターミナルが上記ハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部に螺着されたハーネス側ターミナル取付用ナットにより上記締結座に面接触状態に締め付け固定されているものである。
【0007】
また、この発明は、複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、該整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、上記出力端子は、その反出力取り出し側に設けられた頭部と、その出力取り出し側に設けられた雄ねじ部とを有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、筒状の中継部材がその一端を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に密接するように上記出力端子に取り付けられ、上記ハーネス側ターミナルが、上記中継部材の他端に面接触状態に密接して、上記雄ねじ部に螺着されたナットにより上記中継部材を介して上記正極側ヒートシンクに締め付け固定されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される整流装置を示す斜視図、図3は図2に示される整流装置のサーキットボードを取り除いた状態の要部を示す平面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の出力端子にハーネス用ターミナルを取り付けた状態を示す要部断面図である。
【0009】
図1において、車両用交流発電機は、アルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたハウジング3と、このハウジング3内に設けられ、一端部にプーリ4が固定されたシャフト6と、このシャフト6に固定されたランデル型の回転子7と、この回転子7の軸方向両端部に固定されたファン5と、回転子7を包囲するようにハウジング3に固定された固定子8と、シャフト6の他端部に固定されて回転子7に電流を供給するスリップリング9と、スリップリング9の表面に摺動する一対のブラシ10と、このブラシ10を収納するブラシホルダ11と、固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流装置20と、ブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク17に取り付けられて、固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18とを備えている。
【0010】
そして、回転子7は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線12と、この界磁巻線12を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア13、14とを備えている。また、固定子8は、円筒状の固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16とから構成されている。
【0011】
整流装置20は、図2および図3に示されるように、三相交流を全波整流する複数個のダイオード素子21と、ダイオード素子21を支持・冷却する正極側ヒートシンク22と、ダイオード素子21を支持・冷却する負極側ヒートシンク23と、サーキットボード24とから構成されている。そして、インサート導体25がサーキットボード24にインサート成形され、ダイオード素子21がインサート導体25に接続されて三相全波整流回路を構成している。なお、正極側および負極側ヒートシンク22、23には、アルミニウムなどの良熱伝導材料が用いられ、サーキットボード24には、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂が用いられる。
【0012】
正極側ヒートシンク22は、周方向の両端および中央にフランジ部26を有する円弧平板状に形成され、複数個のダイオード素子21が周方向に並んで主面22aに実装されている。一方、負極側ヒートシンク23は、正極側ヒートシンク22より大径の円弧平板状に形成され、複数個のダイオード素子21が周方向に並んで主面23aに実装されている。そして、正極側および負極側ヒートシンク22、23は、主面22a、23aを同一面位置として同心状に配置され、サーキットボード24が正極側および負極側ヒートシンク22、23の主面22a、23a上に配置されている。この時、両端のフランジ部26は、負極側ヒートシンク23の主面23aの周方向両端部上に位置している。また、図示していないが、中央のフランジ部は、負極側ヒートシンク23の主面23aの周方向中央部に位置している。そして、両端のフランジ部26の一方は、負極側ヒートシンク23の端部から周方向に延出するように構成されている。
そして、取付ねじ27がリヤブラケット2の内方からサーキットボード24、フランジ部26および負極側ヒートシンク23を貫通してリヤブラケット2に締着される。これにより、整流装置20が、周方向の両端および中央部の3箇所で、リヤブラケット2の取付面2aに取付ねじ27で締め付け固定されている。そして、正極側ヒートシンク22は、絶縁ブッシュ28、29により負極側ヒートシンク23および取付ねじ27と電気的に絶縁されている。また、負極側ヒートシンク23はリヤブラケット2の取付面2aを介してリヤブラケット2に電気的に接続されている。
【0013】
ついで、車両用交流発電機の出力端子部構造について図4を参照しつつ説明する。
取付部材としての中継端子ボルト30は、鉄などの導電材料で作製され、頭部30aの根元部にローレット加工が施されている。そして、中継端子ボルト30は、正極側ヒートシンク22の両端のフランジ部26の一方に穿設された貫通孔26aにローレット部30bを圧入してフランジ部26に取り付けられている。また、出力端子31は、鉄などの導電材料で作製され、締結座32と、締結座32の一側に延設されたハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部33と、締結座32の他側に延設された取付部34とを有し、貫通孔34aが取付部34の先端に穿設されている。また、絶縁ブッシュとしてのターミナルモールド35が例えばフェノール樹脂を用いて出力端子31に一体にモールド成形されている。
この出力端子31は、貫通孔34aに中継端子ボルト30の出力端子取付用雄ねじ部30cを通して装着され、雄ねじ部30cに螺着された出力端子取付用ナット36によりフランジ部26(正極側ヒートシンク22)に締め付け固定されている。この時、ナット36の締め付け力は、ローレット結合部および頭部30aとフランジ部26との当接により受けられる。そして、ターミナルモールド35がリヤブラケット2に遊嵌状態に装着されている。この時、フック部35aがターミナルモールド35に形成されており、ターミナルモールド35がリヤブラケット2に対して径方向に僅かに移動できるようになっている。
そして、ハーネス側ターミナル37が雄ねじ部33に螺着されたハーネス側ターミナル取付用ナット38により締結座32に締め付け固定される。
【0014】
このように構成された車両用交流発電機においては、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ10およびスリップリング9を介して界磁巻線12に供給され、磁束が発生される。この磁束により、一方のポールコア13の爪状磁極がN極に着磁され、他方のポールコア14の爪状磁極がS極に着磁される。一方、エンジンの回転トルクがベルトおよびプーリ4を介してシャフト6に伝達され、回転子7が回転される。そこで、固定子巻線15に回転磁界が与えられ、固定子巻線15に起電力が発生する。この交流の起電力が整流装置20を通って直流に整流されるとともに、その大きさがレギュレータ18により調整される。そして、整流装置20の出力が、中継端子ボルト30、出力端子31およびハーネス側ターミナル37を介してバッテリに充電される。
【0015】
この実施の形態1によれば、ハーネス側ターミナル37は締結座32に対して面接触状態で電気的に接続され、取付部34はフランジ部26(正極側ヒートシンク22)に対して面接触状態で電気的に接続されている。そこで、ハーネス側ターミナル37から正極側ヒートシンク22に到る主電気伝導経路には、ねじによる締着部やローレット結合部が排除されているので、電気抵抗の上昇が抑えられ、出力電力の損失を低減することができる。さらに、ハーネス側ターミナル37から正極側ヒートシンク22に到る電気伝導経路での発熱が抑えられ、当該電気伝導経路での発熱に起因するダイオード素子21の温度上昇が抑えられる。
【0016】
また、ハーネス側ターミナル37を出力端子31に固定するためのナット38の締め付け力は直接締結座31に受けられるので、仮にナット38と雄ねじ部33との締結部で発熱が生じ、ターミナルモールド35の熱劣化や熱収縮が発生しても、ナット38の締め付け力は確保される。そこで、ハーネス側ターミナル37の出力端子31への締め付け力不足の発生が防止される。
また、出力端子31を正極側ヒートシンク22に固定するためのナット36の締め付け力は中継端子ボルト30の頭部30aと正極側ヒートシンク22との当接面で受けられるので、仮にローレット部30bと貫通孔26aとのローレット結合部で発熱が生じても、ナット36の締め付け力は確保される。そこで、出力端子31の正極側ヒートシンク22への締め付け力低下の発生が防止される。
【0017】
また、取付ねじ27により正極側ヒートシンク22のフランジ部26の中継端子ボルト30の取付位置近傍をリヤブラケット2に締め付け固定している。そこで、中継端子ボルト30と取付ねじ27とが近接しているので、フランジ部26の耐振強度が高くなり、ハーネス側ターミナル37および出力端子31を介して中継端子ボルト30に伝達される振動に起因するフランジ部26の損傷の発生が抑制される。
また、中継端子ボルト30がフランジ部26の延出部に取り付けられているので、中継端子ボルト30は正極側ヒートシンク22の取付ねじ27の周方向外側に位置する。そこで、中継端子ボルト30は取付ねじ27を挟んでダイオード素子21と相対して配置され、中継端子ボルト30とダイオード素子21との距離が離間し、中継端子ボルト30や出力端子31での発熱に起因するダイオード素子21の温度上昇が抑えられる。
【0018】
また、ターミナルモールド35が出力端子31に一体にモールド成形されているので、部品点数が削減され、組み付け性が向上される。
また、ターミナルモールド35がリヤブラケット2に遊嵌状態に装着されているので、ターミナルモールド35はリヤブラケット2に対して出力端子31の軸方向および径方向に僅かに移動可能となり、ナット36の締着時に出力端子31の逃げが確保され、正極側ヒートシンク22と出力端子31の取付部34との面接触部の面圧を大きくすることができる。
また、中継端子ボルト30を正極側ヒートシンク22からハウジング3の軸方向に延出させ、出力端子31を中継端子ボルト30からハウジング3の径方向に延出させてリヤブラケット2から引き出しているので、車両用交流発電機の軸方向長さの増大を抑えることができる。
【0019】
ここで、図5に示される出力端子構造を採用した比較例としての車両用交流発電機を作製し、この実施の形態1による効果を検証した。
この比較例としての車両用交流発電機では、図6に示される整流装置50を用いている。つまり、正極側ヒートシンク22に代えて正極側ヒートシンク51を用いている。この正極側ヒートシンク51は、周方向両端および中央にフランジ部52を有する円弧平板状に形成され、複数個のダイオード素子21が周方向に並んで主面51aに実装されている。そして、正極側および負極側ヒートシンク51、23が、主面51a、23aを同一面位置として同心状に配置され、サーキットボード24が正極側および負極側ヒートシンク51、23の主面51a、23a上に配置されている。この時、両端のフランジ部52は、負極側ヒートシンク23の主面23aの周方向両端部上に位置している。また、図示していないが、中央のフランジ部は、負極側ヒートシンク23の主面23aの周方向中央部上に位置している。
【0020】
そして、図5に示されるように、出力端子53が正極側ヒートシンク51の周方向両端のフランジ部52の一方に穿設された貫通孔52aにローレット部53bを圧入してフランジ部52に取り付けられている。そして、この出力端子53は、リヤブラケット2から軸方向に引き出され、ナット54がその雄ねじ部53cに締め付けられる。このナット54の締め付け力は、出力端子53の頭部53aとサーキットボード24との当接面で受けられ、絶縁ブッシュ55が圧縮される。また、図示していないが、取付ねじ27が、周方向中央および他端の位置で、リヤブラケット2の内方からサーキットボード24、フランジ部52および負極側ヒートシンク23を貫通してリヤブラケット2に締着される。これにより、整流装置50が負極側ヒートシンク23をリヤブラケット2の取付面2aに密接させてリヤブラケット2に取り付けられる。そして、ハーネス側ターミナル37が雄ねじ部53cに螺着されたナット38によりナット54に締め付け固定される。
【0021】
そして、14V、180A(2.5kW)の出力が得られるように実施の形態1および比較例の車両用交流発電機を運転し、出力端子31、53およびダイオード素子21の温度を測定した。なお、雰囲気温度は100℃である。
比較例の車両用交流発電機では、出力端子53の温度は200℃で、ダイオード素子の温度は180℃であった。しかし、この実施の形態1による車両用交流発電機では、出力端子31の温度は140℃で、ダイオード素子21の温度は160℃であり、出力端子31およびダイオード素子21の温度低減効果が得られることが確認できた。
【0022】
つまり、この比較例では、ハーネス側ターミナル37から正極側ヒートシンク51への電気伝導経路中に、雄ねじ部53cとナット54との締結部およびローレット部53bと貫通孔52aとのローレット結合部が存在している。これらの接続部は、ほぼ線接触状態となっており、接触面積が小さく、電気抵抗を増大させている。そこで、これらの接続部での発熱が大きく、出力端子53の温度上昇をもたらしたものと推考される。さらに、出力端子51が負極側ヒートシンク23の周方向の一端部上のフランジ部52に取り付けられているので、出力端子53がダイオード素子21に近接配置されることになり、出力端子53の発熱がダイオード素子21の温度上昇をもたらしたものと推考される。
【0023】
そこで、リップルを低減させるためにダブルレクチ化する場合には、ヒートシンクに実装するダイオード素子の個数が倍増し、ダイオード素子と出力端子(中継端子ボルト)との距離が近くなるので、ダイオード素子の温度上昇を抑える点で、本出力端子構造を採用することは特に有効である。
【0024】
また、この比較例では、ナット54は樹脂製の絶縁ブッシュ55を圧縮させて締め付けられているので、ナット54と雄ねじ部53cとの締結部での発熱が絶縁ブッシュ55の熱劣化および熱収縮をもたらす。さらに、ナット54の締め付け力は、出力端子53の頭部53aと樹脂製のサーキットボード24との当接面で受けられている。そこで、出力端子53のローレット部53bと貫通孔52aとのローレット結合部での発熱がサーキットボード24の熱劣化および熱収縮をもたらす。その結果、ナット54の締め付けに緩みが生じ、ハーネス側ターミナル37の出力端子53への締め付け力低下を発生させることになる。
【0025】
一方、この実施の形態1によれば、ハーネス側ターミナル37を出力端子31に固定するためのナット38の締め付け力は直接締結座31に受けられているとともに、出力端子31を正極側ヒートシンク22に固定するためのナット36の締め付け力は中継端子ボルト30の頭部30aと正極側ヒートシンク22との当接面で受けられるので、上述の比較例での不具合は解消される。
【0026】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機における出力端子部周りを示す要部断面図、図8はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の出力端子にハーネス用ターミナルを取り付けた状態を示す要部断面図である。
【0027】
図7および図8において、出力端子40は、鉄等の導電材料で作製され、頭部40aの根元部にローレット加工が施されている。中継部材としてのブッシングナット41は、鉄等の導電材料で円筒状に作製され、出力端子40の雄ねじ部40cに螺合する雌ねじ部41aがその一端内周に形成され、ナット部41bが他端外周に形成されている。そして、出力端子40が、正極側ヒートシンク22の周方向一端に形成されたフランジ部26に穿設された貫通孔26aにローレット部40bを圧入してフランジ部26に取り付けられている。さらに、ブッシングナット41が、出力端子40の雄ねじ部40cに雌ねじ部41aを螺合させ、ナット部41bで締め付け固定されている。そこで、ブッシングナット41および出力端子40の頭部40aが正極側ヒートシンク22のフランジ部26の両面に面接触状態で当接する。これにより、出力端子40は、ローレット結合力に加えて、ブッシングナット41の締め付け力により、正極側ヒートシンク22に強固に固定される。
【0028】
そして、出力端子40が取り付けられた整流装置20は、上記実施の形態1と同様に、周方向の両端および中央の3箇所で、取付ねじ27によりリヤブラケット2の取付面2aに締着固定される。そして、出力端子40の出力取り出し側がリヤブラケット2から軸方向に延出している。さらに、絶縁ブッシュ42がリヤブラケット2に装着され、出力端子40とリヤブラケット2との電気的絶縁が確保されている。
さらに、ハーネス側ターミナル37が雄ねじ部40cに螺着されたナット38によりブッシングナット41に締め付け固定される。
【0029】
この実施の形態2においても、ハーネス側ターミナル37はブッシングナット41に対して面接触状態で電気的に接続され、ブッシングナット41はフランジ部26(正極側ヒートシンク22)に対して面接触状態で電気的に接続されているので、出力端子部での電気抵抗の上昇が抑えられ、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、ブッシングナット41がハーネス側ターミナル37と正極側ヒートシンク22のフランジ部26との間に介装されているので、ナット38を雄ねじ部40cに締着する際に、ブッシングナット41の軸方向長さに相当する出力端子40の部位が伸びて締め付け力が発生する。そこで、ナット38の締め付け荷重は出力端子40を伸ばすことで分散支持されることになり、出力端子40の折れ等の損傷の発生が低減される。
【0030】
また、ハーネス側ターミナル37を出力端子40に固定するためのナット38の締め付け力は直接ブッシングナット41に受けられるので、仮にナット38と雄ねじ部40cとの締結部で発熱が生じ、絶縁ブッシュ42の熱劣化や熱収縮が発生しても、ナット38の締め付け力は確保される。そこで、ハーネス側ターミナル37の出力端子40への締め付け力不足の発生が防止される。
また、ナット38の締め付け力は出力端子40の頭部40aと正極側ヒートシンク22との当接面で受けられるので、仮にローレット部40bと貫通孔26aとのローレット結合部で発熱が生じても、ナット38の締め付け力は確保される。そこで、出力端子40の正極側ヒートシンク22への締め付け力低下の発生が防止される。
【0031】
なお、上記実施の形態2では、ブッシングナット41を出力端子40の雄ねじ部40bに締着するものとしているが、ブッシングナット41に代えて円筒状に形成された金属製のブッシングを用いてもよい。この場合、ブッシングを出力端子40に遊嵌状態に装着し、出力端子40のブッシングからの延出部にナット38を締着して、ハーネス側ターミナル37およびブッシングを正極側ヒートシンク22のフランジ部26に締め付け固定することになる。これにより、ハーネス側ターミナル37とブッシングとの面接触状態が確保され、ブッシングとフランジ部26との面接触状態が確保される。
【0032】
また、上記各実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限定されるものではなく、交流電動機、交流電動発電機等の回転電機に適用してもよい。さらに、この発明は、車両用の回転電機に限定されるものではなく、例えば船舶用の回転電機にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
この発明は、複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、上記整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、反出力取り出し側に設けられた頭部および出力取り出し側に設けられた出力端子取付用雄ねじ部を有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該出力端子取付用雄ねじ部を該正極側ヒートシンクの他面から延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられた取付部材を備え、上記出力端子は、締結座と、該締結座の出力取り出し側に設けられたハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部と、該締結座の反出力取り出し側に設けられた取付部とを有し、上記出力端子取付用雄ねじ部に螺着された出力端子取付用ナットにより該取付部を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に締め付け固定されて、該締結座およびハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、上記ハーネス側ターミナルが上記ハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部に螺着されたハーネス側ターミナル取付用ナットにより上記締結座に面接触状態に締め付け固定されているので、ねじによる締結部が整流装置からハーネス側ターミナルへの主電気伝導経路から排除され、出力端子での発熱が抑えられ、ダイオードの温度上昇を防止できるとともに、ハーネス側ターミナルの出力端子への締め付け力不足の発生を防止できる回転電機が得られる。
【0034】
また、この発明は、複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、該整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、上記出力端子は、その反出力取り出し側に設けられた頭部と、その出力取り出し側に設けられた雄ねじ部とを有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、筒状の中継部材がその一端を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に密接するように上記出力端子に取り付けられ、上記ハーネス側ターミナルが、上記中継部材の他端に面接触状態に密接して、上記雄ねじ部に螺着されたナットにより上記中継部材を介して上記正極側ヒートシンクに締め付け固定されているので、ねじによる締結部が整流装置からハーネス側ターミナルへの主電気伝導経路から排除され、出力端子での発熱が抑えられ、ダイオードの温度上昇を防止できるとともに、ハーネス側ターミナルの出力端子への締め付け力不足の発生を防止できる回転電機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される整流装置を示す斜視図である。
【図3】 図2に示される整流装置のサーキットボードを取り除いた状態の要部を示す平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の出力端子にハーネス用ターミナルを取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図5】 比較例としての車両用交流発電機の出力端子にハーネス用ターミナルを取り付けた状態を示す要部断面図である。
【図6】 比較例としての車両用交流発電機に適用される整流装置のサーキットボードを取り除いた状態の要部を示す平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機における出力端子部周りを示す要部断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の出力端子にハーネス用ターミナルを取り付けた状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
3 ハウジング、20 整流装置、21 ダイオード素子、22 正極側ヒートシンク、23 負極側ヒートシンク、24 サーキットボード、25 インサート導体、30 中継端子ボルト(取付部材)、30a 頭部、30c 出力端子取付用雄ねじ部、31 出力端子、32 締結座、33 ハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部、34 取付部、35 ターミナルモールド(絶縁ブッシュ)、36 出力端子取付用ナット、37 ハーネス側ターミナル、38 ハーネス側ターミナル取付用ナット、40 出力端子、40a 頭部、40c 雄ねじ部、41 ブッシングナット(中継部材)。

Claims (9)

  1. 複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、上記整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、反出力取り出し側に設けられた頭部および出力取り出し側に設けられた出力端子取付用雄ねじ部を有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該出力端子取付用雄ねじ部を該正極側ヒートシンクの他面から延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられた取付部材を備え、
    上記出力端子は、締結座と、該締結座の出力取り出し側に設けられたハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部と、該締結座の反出力取り出し側に設けられた取付部とを有し、上記出力端子取付用雄ねじ部に螺着された出力端子取付用ナットにより該取付部を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に締め付け固定されて、該締結座およびハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、
    上記ハーネス側ターミナルが上記ハーネス側ターミナル取付用雄ねじ部に螺着されたハーネス側ターミナル取付用ナットにより上記締結座に面接触状態に締め付け固定されている
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 上記出力端子は、上記ハウジングから径方向に延出していることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 樹脂製の絶縁ブッシュが上記出力端子に一体にモールド成形され、該出力端子と上記ハウジングとの間の電気絶縁性を確保していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転電機。
  4. 上記絶縁ブッシュが上記ハウジングに遊嵌状態に装着されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  5. 上記取付部材の上記正極側ヒートシンクへの取付位置が、上記整流装置の上記ハウジングへの締着固定位置に近接していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 上記取付部材の上記正極側ヒートシンクへの取付位置が、上記整流装置の上記ハウジングへの締着固定位置を挟んで上記ダイオード素子と相対していることを特徴とする請求項5記載の回転電機。
  7. 複数個のダイオード素子がそれぞれ実装された正極側および負極側ヒートシンクおよび該ダイオード素子を接続するインサート導体がインサート成形された樹脂製のサーキットボードを有し、該負極側ヒートシンクをハウジングに電気的に接続させて、かつ、該正極側および負極側ヒートシンクおよび該サーキットボードを該ハウジングの取付面に締着固定して該ハウジングに取り付けられた整流装置と、該整流装置の出力を外部に取り出す出力端子と、上記出力端子に取り付けられたハーネス側ターミナルとを備えた回転電機において、
    上記出力端子は、その反出力取り出し側に設けられた頭部と、その出力取り出し側に設けられた雄ねじ部とを有し、該頭部を上記正極側ヒートシンクの一面に面接触状態に密接させ、該正極側ヒートシンクを貫通して該雄ねじ部を上記ハウジングから延出させるように該正極側ヒートシンクに取り付けられており、
    筒状の中継部材がその一端を上記正極側ヒートシンクの他面に面接触状態に密接するように上記出力端子に取り付けられ、
    上記ハーネス側ターミナルが、上記中継部材の他端に面接触状態に密接して、上記雄ねじ部に螺着されたナットにより上記中継部材を介して上記正極側ヒートシンクに締め付け固定されている
    ことを特徴とする回転電機。
  8. 上記出力端子の上記正極側ヒートシンクへの取付位置が、上記整流装置の上記ハウジングへの締着固定位置に近接していることを特徴とする請求項7記載の回転電機。
  9. 上記出力端子の上記正極側ヒートシンクへの取付位置が、上記整流装置の上記ハウジングへの締着固定位置を挟んで上記ダイオード素子と相対していることを特徴とする請求項8記載の回転電機。
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