JP3974395B2 - エアクリーナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等に用いられ、その吸入空気中の塵埃を除去するフィルタエレメントを有したエアクリーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアクリーナーは例えば車両用エンジンの吸気系統に備えられており、空気入口より空気を取り入れ、その中の微細なごみや埃等を除去して清浄化した上でエンジン等に供給するようになっている。このようにエアクリーナーが空気の濾過作用を行うことによりシリンダ内には大きなごみが入り込むことがなくなり、シリンダの摩耗の進行が抑えられてエンジンの寿命低下が防止される。
【0003】
このようなエアクリーナーとして、フィルタエレメント(濾過材)と、フィルタエレメントを収容保持し、一端に開口を有する有底のクリーナーケースと、開口を覆ってクリーナーケースに取り付けられるケースカバーと、ケースカバーの内部に取り付けられ、ケースカバーが開口を覆った状態でフィルタエレメントの一端を保持するように設けられた有底のダストカバーとを備えたものがある。このような構成のエアクリーナーによれば、空気が空気入口としてのインレット部からクリーナーケース内に入り、クリーナーケース内のフィルタエレメントを通って清浄化され、空気出口としてのアウトレット部から清浄化された空気がクリーナーケース外へ出る。
【0004】
フィルタエレメントは一般に、多数の孔が形成された円筒殻からなる基部の外周に蛇腹状に折り畳んだ不織布からなる濾紙を巻き付けるように取り付け、その上端及び下端を基部の内径と同程度の径の開口を有する円盤状の固定キャップにより保持された構成となっている。このような構成のフィルタエレメントは、ダストカバーによりフィルタエレメントの一端が保持された状態でクリーナーケースの開口部より挿入取り付けされ、このダストカバーをさらに保持するようにしてケースカバーがクリーナーケースの開口部を覆って取り付けられる。また、クリーナーケース内の空気が濾過清浄化されずに固定キャップの開口部を通ってフィルタエレメント内に入り込むのを防ぐため、ダストカバーの内部底面にリング状の受容溝が設けられるとともに、例えばOリングといったリング状のシールがフィルタエレメントとは別体に設けられる。そして、シールがリング状受容溝内に受容され、さらにフィルタエレメントの端部底面がシールと当接することにより、フィルタエレメントのダストカバー側固定キャップの開口部がその開口部の外部に対してシールされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
リング状のシールがフィルタエレメントに対して別体に設けられているため、例えば、フィルタエレメントの軸芯とクリーナーケース内部の軸芯とが偏芯するようにしてフィルタエレメントがクリーナーケース内に収容される場合のように、ダストカバーのフィルタエレメントに対する保持位置決めを行う必要がある場合には、別途フィルタエレメントに対する保持位置決め機能を設けていた。しかしながら、フィルタエレメントをクリーナーケース内に収容してケースカバーをクリーナーケースの開口を覆って取り付ける作業が手間取るため、シール機能と保持位置決め機能とを併せ持った機構を求める要望があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、フィルタエレメント着脱時の作業性を向上させたエアクリーナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、フィルタエレメントと、フィルタエレメントを収容保持し、一端に開口を有する有底のクリーナーケースと、開口を覆ってクリーナーケースに取り付けられるケースカバーと、ケースカバーの内部に取り付けられ、ケースカバーが開口を覆った状態でフィルタエレメントの一端を保持するように設けられた有底のダストカバーとを備えたエアクリーナーにおいて、フィルタエレメントの一端の底面上に断面台形状のリング状のシール(当該実施例における下部シール)が外方に突出して一体に設けられるとともに、ダストカバーの内部底面にシール断面と同一断面形状で同一径のリング状の凹部からなる受容溝が設けられ、シールがリング状受容溝内に受容されることにより、ダストカバーのフィルタエレメントに対する保持位置決めが行われるとともに、リング状のシールに囲まれた内部領域が他の外部領域に対してシールされるように構成される。
なお、クリーナーケースは一端側の開口を下方に向けて配設され、フィルタエレメントがこの一端側の開口からクリーナーケース内に上方に向かって挿入されて取り付けられ、この状態のフィルタエレメントの下端に受容溝内にシールを受容させるようにしてダストカバーが取り付けられ、フィルタエレメントの下端およびダストカバーを覆うとともにクリーナーケースの一端側の開口を覆ってケースカバーがクリーナーケースに装着されるように構成され、ダストカバーにはフィルタエレメントを受容する部分より外周側にクリーナーケースの内部空間と連通する連通部が設けられており、フィルタエレメントの濾材を通過できない大きさの小石、埃等が連通部を通過してダストカバーとケースカバーとに囲まれた空間内に捕捉されるように構成されているのが好ましい。
【0008】
このような構成によれば、断面台形状のリング状のシールがフィルタエレメントの一端の底面上に外方に突出して一体に設けられているため、ダストカバーの内部底面に設けられたシール断面と同一断面形状で同一径のリング状の凹部からなる受容溝内にこのシールを容易に受容させると同時にダストカバーのフィルタエレメントに対する保持位置決めを行うことができる。このことから、別途フィルタエレメントに対する保持位置決め機能を設けなくてもよいため、クリーナーケース内の構造がより単純化されて、フィルタエレメントをクリーナーケース内に収容してケースカバーをクリーナーケースの開口を覆って取り付ける作業が容易となり、フィルタエレメント着脱時の作業性は向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係るエアクリーナーの一実施形態を示す部分断面正面図であり、図2はその部分断面右側面図、図3は部分断面左側面図、図4は部分断面平面図である。また、図5は図1における矢視V−Vより見た断面図、図6は図2における矢視VI−VIより見た断面図、図7は図3における矢視VIIより見たの底面図である。また、図8は本エアクリーナーの分解斜視図である。
【0010】
図8に示すように、本エアクリーナー1はクリーナーケース10と、このクリーナーケース10内に収容保持された円筒状のフィルタエレメント60と、クリーナーケース10内に着脱自在に取り付けられて水分離部材としての役割を果たすインレットパイプ70とを備えて構成される。ここでクリーナーケース10はケース本体20と、このケース本体20の上部に着脱自在に取り付けられる上部カバー30と、ケース本体20の下部に着脱自在に取り付けられるケースカバー40と、ケース本体20の側部に着脱自在に取り付けられる側部カバー50とを有して構成されている。
【0011】
クリーナーケース10のケース本体20はその中央部が縦長の円筒形状に形成されており、その内部にはフィルタエレメント60を収容するための円筒状のエレメント収容空間ESが形成されている(図5及び図6参照)。このエレメント収容空間ESを構成するケース本体20の上壁21中央部には円形の上部開口21aが形成されており(図8参照)、この上部開口21aからは円筒状の連通管22が下方に延びて設けられている(図5参照)。また、エレメント収容空間ESの正面側には中空の水溜め槽半体23が形成されており、その右壁23aからは空気の入口であるインレット24が右方水平に突出して延びて設けられている。水溜め槽半体23の内部壁23bの上部にはエレメント収容空間ESと繋がる空気流入窓25が開口しており、インレット24より流入した空気はこの空気流入窓25からエレメント収容空間ES内に入り込むようになっている。
【0012】
クリーナーケース10を構成する側部カバー50はケース本体20に形成された上述の水溜め槽半体23の前方に着脱自在に取り付けられ、この側部カバー50がケース本体20に取り付けられた状態では、水溜め槽半体23と側部カバー50とにより水溜め槽が形成されてその内部には水溜め空間WSが形作られる(図4,5,6参照)。水溜め槽半体23の下部には水抜き孔が設けられており、この水抜き孔には水抜き用のアンローダバルブ91が取り付けられている(図2,7,8参照)。
【0013】
図9はインレットパイプ70の斜視図を示している。このインレットパイプ70の基部71はほぼ円筒状に形成されて水平方向に延びており、その上下部にはケース本体20に本インレットパイプ70を取り付けるための耳部72,72が上下に張り出して設けられている。基部71のケース本体20側に位置する内面は空気の入口側(インレット24側)では円筒曲面状に形成されているが、空気の出口側(空気流入窓25側)ではほぼ平面状に形成されるとともに、空気の出口側に延出して延びた空気案内部73が設けられている。また、空気案内部73の下方側には空気の出口側にほぼ水平に突出して延びた水分案内部74が設けられており、その先端部は先鋭状に形成されている。また、この水分案内部74の空気案内部73とは反対側(側部カバー50側)の付け根部、すなわち空気案内部73と水分案内部74との間にはインレット24側に延びた切り欠き75が設けられている。
【0014】
ケース本体20に形成された上記空気流入窓25の上下位置には、図8に示すようにインレットパイプ70を取り付けるための上下の突起26,26が設けられており、これら突起26,26にインレットパイプ70の上下の耳部72,72に形成された孔72a,72aを貫通させた上で両突起26,26の端部にプッシュナットN,Nを装着することによりインレットパイプ70をケース本体20に取り付けることができる。このように本エアクリーナー1におけるインレットパイプ70はケース本体20に対して着脱自在である。
【0015】
図10はフィルタエレメント60の部分断面正面図である。この図に示すように、本エアクリーナー1に用いられるフィルタエレメント60は多数の孔が形成された円筒殻からなる基部61の外周に蛇腹状に折り畳んだ不織布からなる濾紙62を巻き付けるように取り付け、その上端及び下端を円盤状の固定キャップ63,64により保持した構成となっている。上方の固定キャップ63の中央部には基部61の外周よりもやや大きい内周を有する円孔からなる空気排出口61aが設けられており、この空気排出口61aには上方に向かって外方に開いた円錐状のリップ部65aを有する円筒状のシール部材65が取り付けられている。
【0016】
また、フィルタエレメント60の下方に位置する固定キャップ64は、基部61の外周に巻き付けられた濾紙62の底面の形状に合わせて形成された円盤形状を有し、その中央部には基部61の内径と同程度の内径を有する開口64aが形成されている。そこで、エレメント収容空間ES内の空気が濾紙62で濾過清浄化されずに固定キャップ64の開口64aを通ってフィルタエレメント60内に入り込むのを防ぐため、固定キャップ64の下面側には断面台形リング状の下部シール66が一体に設けられている。それとともに、フィルタエレメント60の下部を保持するダストカバー80の底面部には図5及び図11に示すように断面台形状のリング状受容溝81が設けられており、下部シール66が受容溝81内に受容されることによって、固定キャップ64の開口64aはエレメント収容空間ESに対してシールされる。なお、下部シール66はシール性能を有するゴムを材料としており、樹脂やウレタン等を材料とする固定キャップ64と一体に成型されている。
【0017】
フィルタエレメント60は図5、図8及び図11に示すように上方に開口した円筒皿状のダストカバー80により下部が保持された状態でケース本体20の下部より挿入取り付けされ、このダストカバー80を更に下から保持するように上方に開口した円筒皿状のケースカバー40がケース本体20の下部に装着される。ダストカバー80の底面部には断面台形状のリング状受容溝81が形成されており、ダストカバー80がフィルタエレメント60の下部に取り付けられた状態では、上記フィルタエレメント60下部の下部シール66が上方から嵌入するようになっている。これにより、下部シール66が受容溝81内に受容されると同時にダストカバー80のフィルタエレメント60に対する保持位置決めが行われる。また、ダストカバー80の外周部には外方に張り出して設けられたリング状のガスケット保持部82が設けられており、このガスケット保持部82にはリング状のガスケット83が取り付けられている(図5及び図8参照)。このガスケットはケース本体20内に取り付けられたときにケース本体20の内壁に密着してダストカバー80とケース本体20内面との間の気密性を保つ働きをする。
【0018】
ケースカバー40の外周部には揺動自在に取り付けられた3つのクランプ43,43,43が取り付けられており、これらクランプ43,43,43をケース本体20下部に設けられたクランプ係止部27に係止することにより下部カバー40をケース本体20に固定することができるようになっている。また、下部カバー40の中央部には上下に貫通した孔が設けられており、この孔にはアンローダバルブ92が取り付けられている(図5,7,8参照)。
【0019】
このようにフィルタエレメント60がエレメント収容空間ES内に装着されると、ケース本体20の上壁21より下方に延びて形成された前述の連通管22がフィルタエレメント60の上部に取り付けられたシール部材65の開口部65aより嵌入する。フィルタエレメント60が完全にケース本体20内に装着されると、シール部材65のリップ部65bはケース本体20の上壁21に下方から押し付けられて外方に開き、円錐部内の空気が負圧になってリップ部65bがケース本体20の上壁21に密着する。これによりフィルタエレメント60の基部61と連通管22との間はシールされた状態となり、フィルタエレメント60の基部61内の空気は効率よくアウトレット32に流れるようになる。
【0020】
また、ケース本体20の上壁21下面には図5に示すように下方に突出したリング状のリップ部保護部29が設けられており、上述のようにフィルタエレメント60がエレメント収容空間ES内に取り付けられた状態では、外方に開いたシール部材65のリップ部65bはそのリップ部保護部29の内方に位置するようになっている。すなわち、フィルタエレメント60がクリーナーケース10内に取り付けられた状態では、リップ部保護部29は外方に広がったシール部材65のリップ部65bの外周を囲んで位置している。
【0021】
上部カバー30はケース本体20の上部に取り付けられる。この上部カバー30には箱形形状のボックス部31と、このボックス部31の中央部より水平に屈曲して延びて形成された筒状のアウトレット(空気出口)32とを有しており、上部カバー30がケース本体20の上壁21上面側に形成された上部カバー取付枠28に取り付けられた状態では、ボックス部31とケース本体20の上壁21との間にレゾネータ空間RSが形成されるようになっている(図5参照)。インレット24より流入した空気は空気流入窓25よりエレメント収容空間ES内に入り、フィルタエレメント60の外周を回りながら流れる。そして、フィルタエレメント60の濾紙62をその外周部より内周部に向かう方向に通過して基部61の内部空間内に至り、この基部61の内部空間と連通した連通管22より上記レゾネータ空間RS内を経てアウトレット32から本エアクリーナー1の外部に排出される。アウトレット32はエンジン(図示せず)の吸気系統に接続されるため、本エアクリーナー1内の空気はエンジンの吸気バルブの開閉により振動するが、上記のように空気の流路の途中にレゾネータ空間RS、すなわち共鳴空間が位置しているために吸気騒音は減衰し、吸気動作もスムーズに行われるようになる。
【0022】
また、上述のように、空気流入窓25よりエレメント収容空間ES内に入った空気はフィルタエレメント60の外周を回りながら流れるので、その遠心力により空気中に含まれる大きな埃や小石などが分離される。本エアクリーナー1においては、図6に示すように円筒状のエレメント収容空間ESの中心軸AX1とこのエレメント収容空間ES内に保持されたフィルタエレメント60の中心軸AX2とは僅かにずれてフィルタエレメント60の中心軸AX2はエレメント収容空間ESの中心軸AX1の後右方(図6では紙面の右下方)に位置しており、エレメント収容空間ESを形成する円筒状のケース本体20の内壁とフィルタエレメント60の外面とがなす空気通路の幅は広い部分から狭い部分へ滑らかに変化するようになっているので、インレット24より流入した空気の速度は徐々に速められてより効果的に小石等を分離できるようになっている。
【0023】
このように遠心力により分離された小石等はケース本体20の内壁に沿って下方に落ちていくが、これら小石等をケースカバー40内に導くため、リング状のガスケット保持部82の一部には上下に貫通した切り欠き部84(図6及び図11において斜線で示す部分)が設けられている。ケースカバー40の底壁41の上面側には図6及び図8に示すようにダストカバー80の底面を支持する3つのダストカバー支持リブ42,42,42が設けられているが、これらダストカバー支持リブ42,42,42はインレット24から流入した空気がケース本体20内を回る方向と同一の方向に曲がった羽根形状をしているので、ケース本体20内を回ることにより空気中より分離され、上記ガスケット保持部82の切り欠き部84を通ってケースカバー40まで降りてきた大きな埃や小石等はケースカバー40の中央に集められる。このようにしてケースカバー40の中央に集められた大きな埃や小石等は前述のクランプ43,43,43による係止を解除してケースカバー40をケース本体20より取り外すことにより本エアクリーナー1の外部に排出させることができる。
【0024】
インレット24よりケース本体20内に流入した空気中の水分はインレットパイプ70の基部内壁(基部71の内壁)において凝結して水滴となるが、この基部内壁に付着した水滴は自重により基部内壁の底部へ移動するとともに、エレメント収容空間ESに流れる空気により空気の出口側(空気流入窓25側)に押されて移動するのでインレットパイプ70に形成された前述の切り欠き75より水溜め空間WS内に落下する。また、インレットパイプ70の水分案内部74の先端が水溜め空間WS内に位置していることから、上記切り欠き75より落下しなかった水分も水分案内部74を伝ってその先端部から水溜め空間WS内に落下する。ここで、インレット24より流入した空気中の水分が凝結し易いようにするため、インレット24内に格子状の部材(例えばハニカム構造の筒状部材)を挿入取り付けするようにしてもよい。また、インレットパイプ70の基部内壁において水滴とならなかった空気(水分を含んだ空気)は水分を含まない空気よりも慣性が大きいため、空気流入窓25よりエレメント収容空間ES内に流入することなく直進してその多くは水溜め空間WS内に入ることになる。このように水溜め空間WS内に蓄積された水分は前述のアンローダバルブ91を押し上げて水溜め槽半体23に設けられた水抜き孔を開放することにより本エアクリーナー1の外部に排出させることができる。
【0025】
上述のように、インレット24より流入した空気中の水分はインレットパイプ70において分離されて水溜め空間WS内に蓄積されるが、全ての水分がインレットパイプ70において分離されるわけではない。インレットパイプ70において流入空気より分離されなかった水分はケース本体20の空気流入窓25よりエレメント収容空間ES内に入り込むが、その水分はエレメント収容空間ES内を回る間にケース本体20の内壁において凝結して下方に流れ落ちる。このような水分は図5からも分かるようにダストカバー80のガスケット保持部82に流れ落ちるが、このガスケット保持部82に流れ落ちた水分は前述の切り欠き84部よりケースカバー40内へ流入する。このようにケースカバー40内へ流入した水分は上述のアンローダバルブ92を押し上げてケースカバー40中央部の孔を開放することにより本エアクリーナー1の外部に排出させることができる。
【0026】
また、フィルタエレメント60の清掃時などフィルタエレメント60をケース本体20より取り外す場合には、先ずケース本体20下部のクランプ係止部27に引き掛けられたクランプ43,43,43の係止を解除してケース本体20よりケースカバー40を取り外し、続いてダストカバー80をフィルタエレメント60の下部より取り外す。そしてフィルタエレメント60の下部を手でつかんで斜めに傾け、ケース本体20の上壁21に吸着したシール部材65のリップ部65bを上壁21より剥がれるようにする。この後フィルタエレメント60を下方に引き抜いてケース本体20より取り出せばフィルタエレメント60をケース本体20より分離することができる。
【0027】
本エアクリーナー1の構成は上述の通りであるが、本エアクリーナー1においては前述のように、下部シール66がフィルタエレメント60の下方に位置する固定キャップ64の下面側に一体に設けられているため、下部シール66が受容溝81内に受容されると同時にダストカバー80のフィルタエレメント60に対する保持位置決めが行われる。このことから、別途フィルタエレメント60に対する保持位置決め機能を設けなくてもよいため、ケース本体20の構造がより単純化されて、フィルタエレメント60をダストカバー80により下部を保持させた状態でケース本体20の下部より挿入取り付けを行い、このダストカバー80を更に下から保持するようにケースカバー40をケース本体20の下部に装着させる作業が容易となり、フィルタエレメント60着脱時の作業性は向上する。
【0028】
なお、下部シール66はシール性能を有するゴムを材料として、樹脂やウレタン等を材料とする固定キャップ64と一体に成型されているが、本発明はこれに限られるものではなく、金属製の固定キャップにゴム製の下部シールを接着させて一体に形成されてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるエアクリーナーによれば、断面台形状のリング状のシールがフィルタエレメントの一端の底面上に外方に突出して一体に設けられているため、ダストカバーの内部底面に設けられたシール断面と同一断面形状で同一径のリング状の凹部からなる受容溝内にこのシールを容易に受容させると同時にダストカバーのフィルタエレメントに対する保持位置決めを行うことができる。このことから、別途フィルタエレメントに対する保持位置決め機能を設けなくてもよいため、クリーナーケース内の構造がより単純化されて、フィルタエレメントをクリーナーケース内に収容してケースカバーをクリーナーケースの開口を覆って取り付ける作業が容易となり、フィルタエレメント着脱時の作業性は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアクリーナーの一実施形態を示す部分断面正面図である。
【図2】図1に示す本エアクリーナーの部分断面右側面図である。
【図3】図1に示す本エアクリーナーの部分断面左側面図である。
【図4】図1に示す本エアクリーナーの部分断面平面図である。
【図5】図1における矢視V−Vより見た断面図である。
【図6】図2における矢視VI−VIより見た断面図である。
【図7】図3における矢視VIIより見た底面図である。
【図8】本エアクリーナーの分解斜視図である。
【図9】インレットパイプの斜視図である。
【図10】フィルタエレメントの部分断面正面図である。
【図11】ダストカバーの正面図である。
【符号の説明】
1 エアクリーナー
10 クリーナーケース
20 ケース本体
24 インレット
32 アウトレット
40 ケースカバー
60 フィルタエレメント
64 固定キャップ
66 下部シール(シール)
80 ダストカバー
81 受容溝
ES エレメント収容空間
WS 水溜め空間
RW レゾネータ空間
Claims (2)
- フィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントを収容保持し、一端に開口を有する有底のクリーナーケースと、
前記開口を覆って前記クリーナーケースに取り付けられるケースカバーと、
前記ケースカバーの内部に取り付けられ、前記ケースカバーが前記開口を覆った状態で前記フィルタエレメントの一端を保持するように設けられた有底のダストカバーとを備え、
前記フィルタエレメントの一端の底面上に断面台形状のリング状のシールが外方に突出して一体に設けられるとともに、前記ダストカバーの内部底面に前記シール断面と同一断面形状で同一径のリング状の凹部からなる受容溝が設けられ、前記シールが前記リング状受容溝内に受容されることにより、前記ダストカバーの前記フィルタエレメントに対する保持位置決めが行われるとともに、リング状の前記シールに囲まれた内部領域が他の外部領域に対してシールされるように構成されていることを特徴とするエアクリーナー。 - 前記クリーナーケースは前記一端側の開口を下方に向けて配設され、前記フィルタエレメントが前記一端側の開口から前記クリーナーケース内に上方に向かって挿入されて取り付けられ、この状態の前記フィルタエレメントの下端に前記受容溝内に前記シールを受容させるようにして前記ダストカバーが取り付けられ、前記フィルタエレメントの下端および前記ダストカバーを覆うとともに前記クリーナーケースの一端側の開口を覆って前記ケースカバーが前記クリーナーケースに装着されるように構成され、
前記ダストカバーには前記フィルタエレメントを受容する部分より外周側に前記クリーナーケースの内部空間と連通する連通部が設けられており、前記フィルタエレメントの濾材を通過できない大きさの小石、埃等が前記連通部を通過して前記ダストカバーと前記ケースカバーとに囲まれた空間内に捕捉されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアクリーナー。
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