JP3971753B2 - 保護管付地下埋設ケーブル用止水材及び止水方法 - Google Patents
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Description
そこで(i)マンホールへの出口直前部分のケーブルと保護管の間に、モルタルまたはゴム製のパッキンを設けてマンホール内への水の浸入を防ぐ方法。(ii)パッキントとして水膨潤性ウレタンを使用する方法、(iii)親水性ウレタンのプレポリマーと硬化剤を配管とケーブルの間隙に挿入し内部で硬化させる方法、(iv)膨張率が8倍以上の吸水性繊維等を圧縮した板状の水膨潤材料を使用する方法(例えば、特許文献1)、(v)吸水性樹脂を布帛で挟んだシートをケーブルに巻き付けて保護管との間隙を埋め、マンホール内への水の浸入を防ぐ方法(例えば、特許文献2)等が提案されている。
更に(iv)、(v)の方法では、通常のアニオン系を主体とする吸水性繊維や吸水性樹脂を用いているため、通常の地下水に対しては初期の止水性は良好であるものの、長期間のうちに地下水中に含まれるCa、Mg、Fe等の多価金属イオンなどにより吸水性樹脂が経時的に高度に架橋されてしまい樹脂の吸収量が大幅に低下し徐々に水漏れが生じる問題があった。また、海岸線に近い場所や過去に海であった干拓地などではCa、Mgイオンをかなり多く含有する海水や海水に近い水が保護管内に侵入してくるための通常のアニオン性単量体構成成分を主体とする吸水性繊維や樹脂では膨潤量が不充分で初期も止水性が不十分という問題があった。
すなわち本発明は、少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、カチオン性吸水性樹脂及び/又はノニオン性吸水性樹脂が、500〜5000g/m2(4000g/m2以下を除く)の目付量で封入されてなる、テープ及び/又は帯状の構造体であって、該構造体の厚みが0.1〜5cmであり、巾が0.3〜30cmであり、長さが0.1〜100mである保護管付き地下埋設ケーブル用止水材; 少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、カチオン性吸水性樹脂(アクリルアミドとアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体架橋物であって、アクリルアミドの量が合計モノマーに対して34.88〜80重量%であるカチオン性吸水性樹脂を除く)、ノニオン性吸水性樹脂(アクリル酸ナトリウムの含有量が0.8〜10質量%のアクリルアミド重合体の架橋物からなる吸水性樹脂を除く)、又はカチオン性吸水性樹脂及びノニオン性吸水性樹脂が、1000〜4000g/m2の目付量で封入されてなる、テープ及び/又は帯状の構造体であって、該構造体の厚みが0.1〜5cmであり、巾が0.3〜30cmであり、長さが0.1〜100mである保護管付き地下埋設ケーブル用止水材; 少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、カチオン性吸水性樹脂、又はカチオン性吸水性樹脂及びノニオン性吸水性樹脂が、500〜5000g/m2(1000g/m2以上を除く)の目付量で封入されてなる、テープ及び/又は帯状の構造体であって、該構造体の厚みが0.1〜5cmであり、巾が0.3〜30cmであり、長さが0.1〜100mであって、該カチオン性吸水性樹脂が、アクリルアミドとアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体架橋物であってアクリルアミドの量が合計モノマーに対して34.88〜80重量%である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材;止水用芯材並びにこれらの止水材を用いた止水方法である。
(i)本発明の保護管付地下埋設ケーブル用止水材は、地下水や海水等に対しても従来得ら
れなかった長期間にわたり優れた止水性能を有する。
(ii)柔軟な素材を使用し、且つ任意に大きさの調整が可能なため、保護管の径やケーブルの径が異なった場合でも、簡易に大きさの調整が可能である。また、隙間に沿って膨潤することができるので、従来起こりやすかった水道の形成を膨潤によって防止することができる。
(iii)保護管内の水を利用して、素材が膨潤することにより止水が可能となるため、初期
にセットしておくだけで、保護管内に何時水が浸入してきても、それに合わせて随時止水効果を発揮できる。
(iv)更に、芯材等用いることにより、一つの保護管内に複数のケーブルを有するCVTケーブルなどの止水にも十分対応できる。
(v)保護管付地下埋設ケーブル用の止水材として、簡便な方法で利用できる。
(vi)本発明の止水方法を用いることにより、従来ケーブルの交換時などに莫大な時間と費用を要したマンホール内の排水などに関して、その時間や費用を大幅に低減できる。
すなわち、ケーブル保護管内に浸入した水がたとえ多価金属塩を含む水や海水であっても本発明の止水材に達すると、止水材中のカチオン性吸水性樹脂、又はカチオン性吸水性樹脂及びノニオン性吸水性樹脂ノニオン性及び/又はカチオン性吸水性樹脂が速やかに吸水膨潤し、また長期間に渡り膨潤を維持することによって保護管内の間隙を封鎖し、従来得られなかった十分な止水性能を発揮することができる。
本発明に用いるノニオン性の吸水性樹脂としては、(メタ)アクリルアミド重合体架橋物、ビニルアルコール重合体架橋物、エチレンオキサイド重合体架橋物、ポリヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート架橋重合体、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200〜4000)(メタ)アクリレート重合体架橋物、ポリメトキシPEG(PEG分子量:200〜4000)(メタ)アクリレート架橋重合体、デンプン架橋体、ヒドロシエチルセルロース架橋体:及びこれらノニオン系ポリマーの構成成分と(メタ)アクリル酸(アルカリ金属中和塩)などに代表されるアニオン性モノマーの共重合物の架橋体としてアクリル酸ナトリウムの含有量が0.8〜10質量%のアクリルアミド重合体の架橋物からなる吸水性樹脂などを例示できるが、アニオン性モノマーを共重合した重合体架橋物を使用する場合は、アニオン性成分の含有量が通常吸水性樹脂全体の10重量%以下が好ましく、5重量%以下が更に好ましい。アニオン性成分の含有量が10重量%を超えると、地下水や海水などに含まれる多価金属イオンによりアニオン性分が徐々に架橋されて該吸水性樹脂の吸収量の低下を招き、漏水が生じる場合がある。
これらノニオン性の吸水性樹脂及びカチオン性の吸水性樹脂の中で、カチオン性吸水性樹脂は地下水、海水、多価金属塩を含有する水などに対する吸収量がノニオン性の吸水性樹脂に比べ高く、その結果止水材の膨潤度合いも大きくなり、同一添加量では速やかな止水が可能であり、また添加量を減らしても止水が可能であるので更に好ましい。
これらノニオン性の吸水性樹脂及び/又はカチオン性の吸水性樹脂は、本発明において1種を使用しても良いし、2種以上を併用して使用しても良い。
吸水性樹脂の形状については特に限定はないが例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状などである。
吸水性樹脂の粒子の粒度分布についても特に限定はないが、通常平均粒径で1〜2,000ミクロン、好ましくは50〜1000ミクロンの粒子である。
一方、目付量が5000gを超えると外装材から該吸水性樹脂がこぼれる場合がありまた非経済的である。
布帛としては、上記の湿潤強度があるものであれば特に限定は無く、任意の合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、アクリル繊維など)、半合成繊維(アセテート、レーヨンなど)、天然繊維(綿、絹、羊毛など)、これらの混合品(混紡品など)などすべての繊維素材が適用できる。また織物であっても不織布であってもよい。また、メッシュフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な穴を数多く開けたもの等が挙げられる。穴の大きさは透水性があれば特に限定はないが、好ましくは0.1〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
また、本発明の止水材は、吸水性樹脂が膨潤後も止水材から押し出されないように、少なくとも該止水材の長さ方向の開口部は、樹脂が挟まれた状態で封鎖されていることが望ましい。
吸水性樹脂の膨潤時の押し出しを防止する方法としては、例えば、開口部の布帛を構成する繊維の一部あるいは全部を熱融着繊維にしてヒートシールする方法、縫製による方法、ホットメルト等の接着剤を使用する方法及び開口部をフィルム状のもので挟み、ヒートシールや接着剤で固着する方法、開口部をを包み込むようにヘムを用いて縫製等で取り付ける方法などが例示でき、吸水性樹脂が吸水膨潤後に押し出されなければ、何れの方法を選んでもよいが、吸水性樹脂の押し出しをほぼ完全に防止するためにはヘム止めする方法が更に好ましい。
この時のヘムの材質は特に制限はないが、水膨潤した時においても破れが生じない程度の、湿潤強度及び湿潤状態での柔軟性を有する素材であることが好ましい。このため、前記の布帛、メッシュフィルム及びスパンボンドが好ましく。特にスパンボンドが好ましい。
更に、本発明の止水材は、該外装材中に水膨潤性吸水性樹脂がほぼ均一に添加された状態のもとで該外装材間をニードルパンチやヒートシールなどの方法で部分的に固定し外装材中での吸水性樹脂の流動・偏在を抑制・防止し、水を吸収した時に吸水性樹脂がシート内で偏り無く膨張させることも可能である。
止水材の寸法については、通常厚さ0.1〜5cm、巾0.3cm〜30cm、長さ0.1〜100mであることが望ましい。好ましくは厚さ0.2〜3cm、巾0.5〜20cm、長さ0.5〜50mである。厚さが0.1cm未満では所定量の吸水性樹脂または吸水性繊維が添加できず止水効果が不充分な場合があるため好ましくなく、一方厚みが5.0cmを超えると止水材が厚すぎてケーブルと保護管の隙間にうまく止水材が充填できない場合がある。
止水材の幅に関しては、幅が0.3cm未満であると止水材が細すぎて止水効果が不充分な場合があり、一方幅が30cmを超えると保護管のかなり内部まで止水材を押し込む必要があり作業性が低下する。
長さに関しては、0.1m未満では止水材が短すぎてケーブルと保護管の隙間を埋めることができず止水効果が不充分となり、一方長さが100mを超えると止水材が大きすぎてマンホールの様な狭い環境での作業性が著しく低下する。
通常この様にして止水材を設置するため、止水材は空隙に合わせて任意の大きさ及び形状で用いることが可能である方が好ましく、そのためには、ロール状に巻いたテープ状又は帯状であることが望ましい。テープ状又は帯状であればケーブルの周囲に巻き付けていき、ほぼ保護管の内径に達したところで切断して用いることができる。またテープ状又は帯状のものをロール状に巻いておくことにより止水材がコンパクトにできるため、多数のケーブルが存在するマンホールの狭い環境においても、ケーブルの周囲にうまく巻き付けることができる。
保護管内のケーブルの本数が1本の場合は、上記の方法でほぼ完全に止水することができるが、CVTの場合は、ケーブルの外周に単純に止水材を巻き付け保護管内に挿入しただけでは、止水材が膨潤しても、図3に示した様に保護ケーブルとケーブルの間の隙間や止水材とケーブルの間の隙間を完全には封鎖できない場合が多く、その部分から漏水が起こる場合がある。
従って、CVTの止水に関しては、本発明の止水材をケーブル外周に巻き付ける他に、その隙間を埋める別の水膨潤性の芯材などを止水部分のケーブル間に挟み込んだ後、該止水材をケーブルに巻き付けた方が好ましい。
芯材の大きさに関しては、該間隙を埋められる大きさで有れば特に限定はないが、芯材を使用する場合は、CVTの各ケーブルの直径前後より若干大きな3辺のハネを持つ芯材が好適であり、断面がY字形(図5−1)、特に三つ葉型の芯材(図5−2、3)が止水効果も十分であり、設置も短時間で行えるため好適に使用することができる。芯材は中実(例えば、図5−1,5−2)でも中空(例えば図5−3)でもよい。
芯材の長さに対しても、目的の止水ができれば特に限定はないが、該止水材の巾と同じ程度0.3〜30cm程度のものが作業性もよく、止水効果も十分であるため好適に使用することができる。
本発明及び比較の止水材に使用した吸水性樹脂及び吸水性繊維に使用するモデル地下水及び人工海水に対する初期及び繰り返し後吸水量験を下記の方法で試験した。以下、特に定めない限り、%は質量%を示す。
ビーカーにイオン交換水1000gに、塩化カルシウム0.1g、塩化マグネシウム0.05g及び硫酸第一鉄0.05gを添加し均一に溶解してモデル地下水とした。
このモデル地下水1000gに吸水性樹脂または吸水性繊維1.00gを添加し、マグネティックスターラーを用いて1時間撹拌した後、75μmの目開きを持つナイロンスクリーンを用いて膨潤した吸水性樹脂及び繊維をロ別し、過剰の地下水を水切りし、ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂及び繊維の重量を測定して、モデル地下水の初期吸収量(g/g)とした。
ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂又は繊維を全量ビーカーに入れ、更に新たに作成したモデル地下水1000gを添加し、1時間撹拌した後、再度75μmのナイロンスクリーンを用いて再度膨潤した吸水性樹脂及び繊維をろ別した。
同様な操作を計10回繰り返し、10回目の吸収量をモデル地下水の繰り返し後吸収量(g/g)とした。
市販の「アクアマリン」(人工海水の商標、八洲薬品社製)1000gに吸水性樹脂または吸水性繊維1.00gを添加し、マグネティックスターラーを用いて1時間撹拌した後、75μmの目開きを持つナイロンスクリーンを用いて膨潤した吸水性樹脂及び繊維をロ別し、過剰の地下水を水切りし、ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂及び繊維の重量を測定して、人工海水の初期吸収量(g/g)とした。
ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂又は繊維を全量ビーカーに入れ、更に新たに作成した人工海水1000gを添加し、1時間撹拌した後、再度75μmのナイロンスクリーンを用いて再度膨潤した吸水性樹脂及び繊維をろ別した。
同様な操作を計10回繰り返し、10回目の吸収量を人工海水の繰り返し後吸収量(g/g)とした。
3リットルの断熱重合槽にアクリルアミド50%水溶液600gとアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの70%水溶液800g、メチレンビスアクリルアミド0.1g及びイオン交換水600gを添加し、内容物を均一に溶解したのち、5℃まで冷却した。
内容物に窒素を通じ、溶存酸素を除去した後、1%過酸化水素水溶液1g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液2g及び1%アゾV−50水溶液3gを添加し重合を開始させた。
10時間後、内容物を取り出し、ミートチョッパーで含水ゲルを細分化した後、100℃の通風式乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物を100〜1000μmに粉砕してカチオン性吸水性樹脂(3)を得た。このカチオン系吸水性樹脂(3)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1で用いたノニオン性吸水性樹脂(1)の代わりにカチオン性吸水性樹脂(3)を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の止水材(C)を作成した。
ノニオン性吸水性樹脂(1)の代わりに、アニオン性吸水性樹脂(イ)(サンウエットIM−5000D、三洋化成工業社製)を用いたを用いた以外は実施例1と同様にして比較の止水材(a)を作成した。このアニオン性吸水性樹脂(イ)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
ノニオン性吸水性樹脂(1)の代わりに、アニオン性吸水性単繊維(ロ)(商品名:ベルオアシス、カネボウ合繊社製)を用いた。このアニオン性吸水性単繊維(ロ)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエステル短繊維(目付量:300g/m2)とアニオン性吸水性単繊維(ロ)(目付量1200g/m2)を混合・積層し、加熱圧縮して、厚み約5mmの吸水性不織布を得た。この吸水性不織布を巾10cm、長さ3mに裁断し、比較の止水材(b)を作成した。
3リットルの断熱重合槽にアクリルアミド50%水溶液500gとアクリル酸ナトリウム500g、メチレンビスアクリルアミド0.1g及びイオン交換水1000gを添加し、内容物を均一に溶解したのち、5℃まで冷却した。
内容物に窒素を通じ、溶存酸素を除去した後、1%過酸化水素水溶液1g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液2g及び1%アゾV−50水溶液3gを添加し重合を開始させた。
10時間後、内容物を取り出し、ミートチョッパーで含水ゲルを細分化した後、100℃の通風式乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物を100〜1000μmに粉砕してアニオン性成分を50%含有する比較の吸水性樹脂(ハ)を得た。この比較の吸水性樹脂(ハ)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
ノニオン性吸水性樹脂(1)の代わりに比較の吸水性樹脂(ハ)を用いた以外は実施例1と同様にして比較の止水材(c)を作成した。
[単ケーブルの止水試験]
保護管を想定した内径13cm、長さ1mの塩ビ製パイプの中に外径4cm、長さ3mの電力ケーブルを挿入した。
止水材を塩ビパイプの外側の電力ケーブルに押しつけながらきっちりと巻き付け、巻き付けた止水材の直径が約13cmに達したところで、止水材を切断した。
切断した止水材を電力ケーブルに沿って滑らせ、保護管を想定した塩ビ製パイプの中にきっちりと挿入したクランプなど用いて、塩ビパイプが垂直になる様に固定(挿入した止水材は塩ビパイプの下部に位置)し、塩ビパイプの上部から、該モデル地下水を1リットル/分の速度でポンプを用いて供給した。
モデル地下水の供給を始めてから、塩ビパイプ下部から漏れていた地下水が完全に止水できた時間を初期止水時間とした。
完全に下部からの漏水が停止したら、モデル地下水の供給量を1リットル/10分の供給量に減少させ、更にモデル地下水の供給を140時間継続し、再度塩ビパイプ下部からの漏水が起こるかどうかを観察した。漏水が起こった場合は、その時間を記録した。
モデル地下水の代わりに、人工海水を用いて同様な試験を行った。
実施例1で作成した止水材(A)を長さ30cmに切断し、約10cm毎に中心部集めて縫製し、図5−2に示した様な一辺が約4.5cmで巾が10cmの三つ葉状の芯材を作成した。
保護管を想定した内径13cm、長さ1mの塩ビ製パイプの中に外径4cm、長さ3mの電力ケーブル3本を縒ったCVTケーブルを挿入した。
実施例4で作成した芯材を塩ビパイプの内側の3本ケーブルの間に挟み込んだ。止水材(A)を塩ビパイプの外側の電力ケーブルに押しつけながらきっちりと巻き付け、巻き付けた止水材の直径が約13cmに達したところで、止水材を切断した。
切断した止水材を電力ケーブルに沿って滑らせ、ケーブル間に芯材を差し込んだ位置まで、保護管を想定した塩ビ製パイプの中にきっちりと挿入した。
クランプなど用いて、塩ビパイプが垂直になる様に固定(挿入した止水材は塩ビパイプの下部に位置)し、塩ビパイプの上部から、該モデル地下水を1リットル/分の速度でポンプを用いて供給した。
モデル地下水の供給を始めてから、塩ビパイプ下部から漏れていた地下水が完全に止水できた時間を初期止水時間とした。
完全に下部からの漏水が停止したら、モデル地下水の供給量を1リットル/10分の供給量に減少させ、更にモデル地下水の供給を140時間継続し、再度塩ビパイプ下部からの漏水が起こるかどうかを観察した。漏水が起こった場合は、その時間を記録した。
モデル地下水の代わりに、人工海水を用いて同様な試験を行った。
(i)本発明の止水材に使用するノニオン性吸水性樹脂(1) 〜 (2)及びカチオン性吸水性樹脂(3)は、比較の吸水性樹脂(イ)〜(ロ)に比べ人工海水に対する吸収量が高く、また地下水や人工海水での吸収量が長期的にも殆ど変化しない。
(ii)本発明の止水材(A)〜(C)は、比較の止水材(a)〜(c)に比べ、長期間にわた
り漏水を起こさず安定した止水効果を発現できる。
(iii)膨潤性の芯材を併用することにより、CVTケーブルを用いた保護管つき地下埋設
ケーブルに関して安定した止水効果を発現できる。
2:ケーブル保護管
3:地下埋設ケーブル
4:止水材
5:CVTケーブルの構造
6:止水材とケーブル及びケーブル間の隙間
7:止水材の短片
8:芯材
9:外装材
10:吸水性樹脂
Claims (8)
- 少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、カチオン性吸水性樹脂、又はカチオン性吸水性樹脂及びノニオン性吸水性樹脂が、500〜5000g/m2(1000g/m 2 以上を除く)の目付量で封入されてなる、テープ及び/又は帯状の構造体であって、該構造体の厚みが0.1〜5cmであり、巾が0.3〜30cmであり、長さが0.1〜100mであって、該カチオン性吸水性樹脂が、アクリルアミドとアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体架橋物であってアクリルアミドの量が合計モノマーに対して34.88〜80重量%である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材。
- 該ノニオン性吸水性樹脂が、アクリル酸ナトリウムの含有量が0.8〜10質量%のアクリルアミド重合体の架橋物からなる吸水性樹脂である請求項1記載の止水材。
- 該吸水性樹脂中のアニオン性単量体構成成分の含有量が10質量%以下である請求項1または2記載の止水材。
- 請求項1〜3いずれか記載の止水材を保護管付地下埋設ケーブルのケーブルと保護管の間に介在させる保護管付地下埋設ケーブルの止水方法。
- 該ケーブルと保護管の間を封鎖するようにケーブル周辺を止水材で巻く請求項4記載の止水方法。
- 請求項1〜3の何れか記載の止水材及び水膨潤性の芯材を併用する保護管内に3本構造を有する地下埋設ケーブルの止水方法。
- 該芯材が、少なくとも一部が透水性を有する外装材中にカチオン性吸水性樹脂及び/又はノニオン性吸水性樹脂が封入されてなり、ケーブル間の隙間・ケーブルと止水材の隙間を埋めることのできる構造体からなる請求項6記載の止水方法。
- 該地下埋設ケーブルのケーブル用マンホールへの出口直前部のケーブルと保護管の間に止水材を介在せしめてマンホールに水が侵入するのを防止する請求項4〜7の何れか記載の止水方法。
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