JP4058275B2 - 保護管付地下埋設ケーブル用止水材及び止水方法 - Google Patents

保護管付地下埋設ケーブル用止水材及び止水方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護管付地下埋設ケーブル用の止水材並びに止水方法に関する。さらに詳しくは、上記ケーブルと保護管の間に介在して、水の浸入を防止するか、浸入した水を一定の区画内に封鎖してマンホール内に水が漏洩することを防止する止水材並びに止水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力ケーブルや光ファイバーケーブル等のケーブルは地下に埋設されるケースが増加している。これらのケーブルは通常塩化ビニル、プラスチック、金属パイプ等の保護管内にケーブル挿入され埋設されているが、保護管の継目や保護管のひび割れなどから管内に地下水などが浸入すること多々があり、この水が保護管内やマンホール内に堆積すると、ケーブルの点検や修理時にマンホール内の水の汲み上げても保護管内の水がマンホール内に侵入してくるため、汲み上げだけで数日を有するなどの莫大な労力や時間を要したり、マンホール内に常時侵入してくる水を下水として逐次排出・処理する必要があるなどの問題点があった。
そこで架橋ポリアクリル酸中和物等のアクリル酸(塩)系を主体とする吸水性樹脂を布帛で挟んだシートをケーブルに巻き付けて保護管との間隙を埋め、マンホール内への水の浸入を防ぐ方法(特開平10−051935)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、長期間のうちに樹脂の吸収量が大幅に低下し徐々に水漏れが生じる問題があり、また海岸線に近い場所や過去に海であった干拓地などでは海水や海水に近い水が保護管内に侵入してくると膨潤量が不充分で初期も止水性が不十分という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改良した止水材を得るべく鋭意検討した結果、特定の吸水性樹脂を所定量封入したテープ状及び/または帯状の止水材は、上記問題を起こすことがなくほぼ完全な止水が可能であることを見出し本発明に到達した。すなわち本発明は、少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、スルホン酸(塩)系吸水性樹脂(A)を封入してなるテープ状または帯状の構造体である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材であり、(A)が(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、及び/又は(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合物の架橋体である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材;並びに該止水材を用いた止水方法である。
【0005】
すなわち、ケーブル保護管内に浸入した水が海水であっても本発明の止水材を使用すると、止水材中のスルホン酸(塩)系吸水性樹脂(A)が速やかに吸水膨潤し、また長期間に渡り膨潤を維持することによって保護管内の間隙を封鎖し、従来得られなかった十分な止水性能を発揮することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、止水を行うために膨張剤としてスルホン酸(塩)系吸水性樹脂(A)を少なくとも一部が透水性を有する外装材中に封入する。
本発明に用いるスルホン酸(塩)系吸水性樹脂(A)は、スルホン酸基を有するラジカル重合性単量体、架橋剤および必要により他のアニオン性モノマー及び/又はノニオン性モノマー及び/又はカチオン性モノマー、更に必要により多糖類及び/若しくは単糖類中で重合してなり、また必要により重合後に加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂である。
スルホン酸基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、脂肪酸(炭素数2〜30)又は芳香族(炭素数8〜30)ビニルスルホン酸[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等]、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホアルキル(炭素数1〜9)[(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル等]、(メタ)アクリルアミドアルキル(炭素数1〜9)スルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]、アリルエーテルスルホン酸、スルホコハク酸アルキル(炭素数1〜9)アルケニル(炭素数1〜9)エステル等が挙げられる。この中で、好ましいものは、(メタ)アクリルアミドアルキル(炭素数1〜9)スルホン酸、更に好ましいものは(メタ)アクリルアミドアルキル(炭素数1〜5)スルホン酸である。
【0007】
架橋剤としては、例えば、▲1▼ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤、▲2▼ラジカル重合性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤、▲3▼反応性官能基を2個以上有する架橋剤などが挙げられる。好ましいのは、▲1▼、▲2▼である。
ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する化合物の具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)クリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソジアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基と反応性官能基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
反応性官能基を2個以上有する化合物としては、例えば、多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(ジエタノールアミン等)、ポリアミン(ポリエチレンイミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等)、ポリグリシジル化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等)、ポリイソシアネート類(MDI、TDI等)等が挙げられる。
【0008】
スルホン酸基を有するラジカル重合性単量体以外のアニオン性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基、リン酸基を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、不飽和モノまたはポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、フマル酸、フマル酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、イタコン酸グリコールモノアルキル(炭素数1〜9)エーテル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。この中で好ましいものは、(メタ)アクリル酸である。
リン酸基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数1〜9)リン酸モノエステル[2−アクリロイルオキシエチル(メタ)ホスフェート、フェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等]等が挙げられる。
上記、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基を含有する単量体又は架橋体の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩(トリエチルアミン塩等)もしくはアンモニウム塩等が挙げられる。
【0009】
ノニオン性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール(酢酸ビニルケン化物)、ポリヒドロキシアルキル(炭素数2〜5)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG、分子量:200〜4000)(メタ)アクリレート、ポリメトキシPEG(PEG分子量:200〜4000)(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0010】
カチオン性モノマーとしては、例えば、ジアルキル(炭素数1〜9)アミノ(メタ)アクリレート及びその4級塩[アルキル(炭素数1〜9)ハライド又はジアルキル(炭素数1〜9)硫酸との反応物]、ジアルキル(炭素数1〜9)アミノヒドロキシアルキル(炭素数1〜9)(メタ)アクリレート及びその4級塩、ジアルキル(炭素数1〜9)アミノ(メタ)アクリルアミド及びその4級塩、ジアルキル(炭素数1〜9)アミノヒドロキシアルキル(炭素数1〜9)(メタ)アクリルアミド及びその4級塩、N−アルキル(炭素数1〜9)アミノビニルピリジニウムハライド、トリメチルアリルアンモニウムハライドなどが挙げられる。
【0011】
多糖類としては、例えば、ショ糖、セルロース、CMC、デンプン等が挙げられ、単糖類としては、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース等が挙げられる。
【0012】
スルホン酸基を有するラジカル重合性単量体(a)とカチオン性モノマー(b)とノニオン性モノマー(c)及び(a)以外のアニオン性モノマー(d)の比率は、好ましくは、(a)10〜100重量%、(b)0〜10重量%、(c)0〜90重量%、(d)0〜90重量%であり、更に好ましくは(a)20〜100重量%、(b)0重量%、(c)0〜80重量%、(d)0〜80重量%である。(a)が10重量%以上、(b)が10重量%以下、(c)が90重量%以下であると、吸収量が十分であり漏水が生じない。(d)が90重量%以下であると、地下水や海水などに含まれる多価金属イオンによる架橋が抑えられて、該吸水性樹脂の吸収量の低下が防げる。特に好ましくは、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩(20〜100重量%)と(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)(0〜80重量%)の共重合物の架橋体である。
【0013】
吸水性樹脂の架橋方法は、通常の方法で良く、例えば分子内に2重結合を有する重合性架橋剤をモノマーの重合時に添加し共重合させ架橋体を得る方法;分子内にモノマー、ポリマーと反応しうる官能基を有する反応性架橋剤をモノマー重合前、重合後、あるいは未架橋のポリマーを作成した後などの任意の段階で添加し、必要により加熱し架橋体を得る方法;ポリマーの種類にもよるが、未架橋のポリマーを通常100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱し熱架橋させ架橋物をえる方法などを例示することができる。
吸水性樹脂の形状については特に限定はないが例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状などである。これらは重合後乾燥粉砕することによって得られる。
吸水性樹脂の粒子の粒度分布についても特に限定はないが、好ましくは、平均粒径で1〜2,000μm、更に好ましくは50〜1000μmの粒子である。
【0014】
重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、必要により粉砕し、更に必要により粒度調整して得られる吸収剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して吸水性樹脂とすることもできる。
このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても吸収性能と吸収速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、本発明に好適である。
表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)等];2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレン(炭素数1〜9)カーボネート(エチレンカーボネート等)、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。
このうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物である。
こうして得られるスルホン酸(塩)系の吸水性樹脂(A)の純水に対する吸水倍率は大きい程好ましく、好ましくは10〜1000倍、さらに好ましくは100〜1000倍である。また、吸水性樹脂のゲル強度も大きい程好ましく、好ましくは10,000〜50,000ダイン/cm2であり、特に好ましくは20,000〜50,000ダイン/cm2である。
吸水性樹脂の吸水倍率、ゲル強度は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水倍率の測定法>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の純水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Yg)を測定して下式より吸収倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Zg)をブランクとして差し引いた。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
<ゲル強度の測定法>予め吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸液量(Mg/g)を上記吸水倍率測定と同じティーバック法(JIS K7223−1996に準拠)で測定した。(M×0.75)gの生理食塩水を100ccのビーカーに採り、600rpmで攪拌しながら1gの吸水性樹脂を添加して均一に吸収させ、表面が平滑な吸液ゲルを作製する。この吸液ゲルを25#テに保温し、下記の条件でネオカードメーター(飯尾電機社製、M302型)を用いてゲル強度を測定した。
荷重 :200g
感圧軸の直径 :3mmФ
感圧軸の降下速度 :0.36cm/秒
スルホン酸(塩)系の吸水性樹脂(A)は、本発明において1種を使用しても良いし、(A)に対して従来公知のカチオン系吸水性樹脂(例えば、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋重合体からなる吸水性樹脂等)、ノニオン系吸水性樹脂(例えば、アクリルアミドの架橋重合体からなる吸水性樹脂等)、及び(A)系以外のアニオン系吸水性樹脂(例えば、サンウエットIM−5000D、三洋化成工業社製等)を併用しても良い。配合量は(A)に対して、0〜90重量%、好ましくは、0〜80重量%である。
【0015】
本発明において、外装材剤に封入する該スルホン酸(塩)系の吸水性樹脂(A)の目付量は、外装材の厚みや材質、外装材の巾、吸水性樹脂の種類などにもよるが、好ましくは、500〜5000g/m2、更に好ましくは1000〜4000g/m2である。(A)の目付量が、500g以上であると止水材の膨潤が充分で、完全な止水ができる。
一方、目付量が5000g以下であると外装材から(A)がこぼれず、また非経済的である。
【0016】
本発明に用いられる外装材は、(A)に水が接触できるように、少なくとも一部透水性を有する部分が必要である。外装材のすきまから水が浸入可能であるだけでもよいが、速やかに水を吸収できるようにするためには、外装材の少なくとも一部に透水性があって、且つ(A)が吸水膨潤した時においても破れが生じない程度の、湿潤強度及び湿潤状態での柔軟性を有する素材であることが好ましい。このため、布帛及びメッシュフィルムなどが好ましい。透水性を有する部分の面積が外装材全体の面積の内占める割合は25%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは75%以上である。外装材の常態強度は縦/横とも2kg/cm以上、好ましくは3kg/cm以上あれば取り扱い上の問題は生じない。湿潤強度(25#テのイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上、好ましくは0.1kg/cm以上必要である。
布帛としては、上記の湿潤強度があるものであれば特に限定は無く、任意の合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、アクリル繊維など)、半合成繊維(アセテート、レーヨンなど)、天然繊維(綿、絹、羊毛など)、これらの混合品(混紡品など)などすべての繊維素材が適用できる。また織物であっても不織布であってもよい。また、メッシュフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な穴を数多く開けたもの等が挙げられる。穴の大きさは透水性があれば特に限定はないが、好ましくは0.1〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
【0017】
また、水を吸収した(A)が包装材内で偏り無く膨張するためには、面積当りの樹脂量がほぼ均一に挟み込まれた状態で、(A)が外装材に固定されることが望ましく、そのために上記の素材中ではフェルト状の不織布が特に好ましい。フェルトとしては織フェルト、プレスフェルト、ニードルパンチフェルト等、一般にフェルトと称されるものであり、例えば、「産業用繊維資材ハンドブック」(日本繊維機械学会、362頁〜381頁)に記載されているものが使用できる。フェルトの目付量は特に制限はないが、50〜500g/m2が好ましく、特に90〜300g/m2が好ましい。
【0018】
本発明において、止水材の作成方法は、所定量の(A)を封入できかつ構造体の大きさが所定の寸法にできるものであれば特に限定はないが、例えば、外装材のシートの間に(A)を添加し必要により所定の大きさに裁断したもの、所定の大きさの袋状の外装材中に(A)を添加・封入したものなどが好ましい例として挙げることができる。
また、本発明の止水材は、(A)が膨潤後も止水材から押し出されないように、少なくとも該止水材の長さ方向の開口部は、樹脂が挟まれた状態で封鎖されていることが望ましい。
(A)の膨潤時の押し出しを防止する方法としては、例えば、開口部の布帛を構成する繊維の一部あるいは全部を熱融着繊維にしてヒートシールする方法、縫製による方法、ホットメルト等の接着剤を使用する方法及び開口部をフィルム状のもので挟み、ヒートシールや接着剤で固着する方法、開口部を包み込むようにヘムを用いて縫製等で取り付ける方法などが例示でき、(A)が吸水膨潤後に押し出されなければ、何れの方法を選んでもよいが、(A)の押し出しをほぼ完全に防止するためにはヘム止めする方法が更に好ましい。
この時のヘムの材質は特に制限はないが、水膨潤した時においても破れが生じない程度の、湿潤強度及び湿潤状態での柔軟性を有する素材であることが好ましい。このため、前記の布帛、メッシュフィルム及びスパンボンドが好ましく、特にスパンボンドが好ましい。
更に、本発明の止水材は、該外装材中に(A)がほぼ均一に添加された状態のもとで該外装材間をニードルパンチやヒートシールなどの方法で部分的に固定し外装材中での吸水性樹脂の流動・偏在を抑制・防止し、水を吸収した時に吸水性樹脂がシート内で偏り無く膨張させることも可能である。
【0019】
本発明の止水材の形状としては、作業性の面から、止水対象断面の形状に合わせて適当な大きさに切って使用できる様、切断可能なテープ状又は帯状であることが望ましい。
止水材の寸法については、好ましくは厚さ0.1〜5cm、巾0.3cm〜30cm、長さ0.1〜100mであり、特に好ましくは厚さ0.2〜3cm、巾0.5cm〜20cm、長さ0.5〜50mである。
厚さが0.1cm以上では所定量の吸水性樹脂または吸水性繊維が添加でき、止水効果が充分であり好ましい。一方厚みが5.0cm以下であれば止水材が厚すぎず、ケーブルと保護管の隙間にうまく止水材が充填できる。
止水材の幅に関しては、幅が0.3cm以上であると止水材が細すぎず止水効果が充分であり、一方幅が30cm以下であれば保護管の内部まで止水材を押し込むことができ作業性が低下しない。
長さに関しては、0.1m以上では止水材が短すぎずケーブルと保護管の隙間を埋めることができ、止水効果が発揮される。一方長さが100m以下であれば、止水材が大きすぎず、マンホールの様な狭い環境での作業性が低下しない。
【0020】
本発明の止水材を用いた止水方法について説明する。電力ケーブルや光ファイバーケーブル等の地下埋設ケーブルは、通常、塩化ビニルパイプ、陶管、ヒューム管等の保護管で保護されているが、保護管のひび割れの発生や継ぎ手のシール部のシール不良によって、地下水(場合によっては海水)が管内に浸入する場合が多い。該止水材は、保護管のシール部に外巻きして水の浸入を防止するために用いることも可能であるが、後述する図1のように地下埋設ケーブルのマンホールへの出口直前部分に、ケーブルと保護管の隙間に介在させて用いる方が、マンホール内への水の浸入するのを防止するという目的に対して効果的である。その理由は、水が保護管のどの部分から浸入するにせよ、水がマンホールへの入口直前で止水材に接触することにより、止水材に封入された(A)が膨潤して止水材が膨張する事により、保護管とケーブルとの間隙を完全に封鎖し、マンホール内に水が侵入することを防止できるからである。
【0021】
上記の止水材の設置方法については、通常保護管とケーブルの大きさがマチマチである場合が多いため、図2の様に保護管の手前での膨潤前の止水材をマンホール内のケーブルに巻き付けて、ケーブルと保護管の空隙をほぼ埋めることのできる大きさに合わせてテープ又は帯状の止水材を切断した後、ケーブルと保護管の間に挿入する方が止水をより完全に行うために好ましい。
通常この様にして止水材を設置するため、止水材は空隙に合わせて任意の大きさ及び形状で用いることが可能である方が好ましく、そのためには、ロール状に巻いたテープ状又は帯状であることが望ましい。テープ状又は帯状であればケーブルの周囲に巻き付けていき、ほぼ保護管の内径に達したところで切断して用いることができる。またテープ状又は帯状のものをロール状に巻いておくことにより止水材がコンパクトにできるため、多数のケーブルが存在するマンホールの狭い環境においても、ケーブルの周囲にうまく巻き付けることができる。
【0022】
上記に様に、電力ケーブルや光ファイバーケーブル等の地下埋設ケーブルは、通常、塩化ビニルパイプ、陶管、ヒューム管等の保護管で保護されているが、各保護管に存在する実際のケーブルの本数は、通常1本だけの単ケーブルの場合と3本のケーブルを縒った3重ケーブル(CVT)の2種類があるのが一般的である。
保護管内のケーブルの本数が1本の場合は、上記の方法でほぼ完全に止水することができるが、CVTの場合は、ケーブルの外周に単純に止水材を巻き付け保護管内に挿入しただけでは、止水材が膨潤しても、図3に示した様に保護ケーブルとケーブルの間の隙間や止水材とケーブルの間の隙間を完全には封鎖できない場合が多く、その部分から漏水が起こる場合がある。
従って、CVTの止水に関しては、本発明の止水材をケーブル外周に巻き付ける他に、その隙間を埋める別の水膨潤性の芯材などを止水部分のケーブル間に挟み込んだ後、該止水材をケーブルに巻き付けた方が好ましい。
【0023】
水膨潤性の芯材としては、該止水材と同様な水膨潤性の素材であって、ケーブル間の隙間及びケーブルと止水材の隙間を埋めることのできるものであれば特に限定はないが、例えば、本発明の止水材を短く切って図4−1の様に各々のケーブルに巻き付け芯材とし更にその外側から該止水材を巻き付ける方法、該止水材の一部を短く切断して図4−2の様にケーブル間の隙間に挿入した後別の該止水材をケーブルの周囲に巻き付ける方法、予め別途図5の様な該吸水性樹脂を添加した芯材を作成しておき、これをケーブル間に挿入した後、該止水材を巻き付ける方法などを例示することができる。
芯材の大きさに関しては、該間隙を埋められる大きさで有れば特に限定はないが、芯材を使用する場合は、地下埋設ケーブルの各ケーブルの直径前後より若干大きな3辺のハネを持つ芯材が好適であり、断面がY字形、特に三つ葉型の芯材(図5−2、3)が止水効果も十分であり、設置も短時間で行えるため好適に使用することができる。芯材は中実(例えば図5−1、5−3)でも中空(例えば図5−2)でもよい。
芯材の長さに対しても、目的の止水ができれば特に限定はないが、該止水材の巾と同じ程度0.3〜30cm程度のものが作業性もよく、止水効果も十分であるため好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明及び比較の止水材に使用した吸水性樹脂及び吸水性繊維に使用するモデル地下水及び人工海水に対する初期及び繰り返し後吸水量験を下記の方法で試験した。以下、特に定めない限り、%は質量%を示す。
【0025】
[モデル地下水の初期及び繰り返し後吸収量]
ビーカーにイオン交換水1000gに、塩化カルシウム0.1g、塩化マグネシウム0.05g及び硫酸第一鉄0.05gを添加し均一に溶解してモデル地下水とした。
このモデル地下水1000gに吸水性樹脂または吸水性繊維1.00gを添加し、マグネティックスターラーを用いて1時間撹拌した後、75μmの目開きを持つナイロンスクリーンを用いて膨潤した吸水性樹脂及び繊維をロ別し、過剰の地下水を水切りし、ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂及び繊維の重量を測定して、モデル地下水の初期吸収量(g/g)とした。
ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂又は繊維を全量ビーカーに入れ、更に新たに作成したモデル地下水1000gを添加し、1時間撹拌した後、再度75μmのナイロンスクリーンを用いて再度膨潤した吸水性樹脂及び繊維をろ別した。
同様な操作を計10回繰り返し、10回目の吸収量をモデル地下水の繰り返し後吸収量(g/g)とした。
【0026】
[人工海水の初期吸収量と繰り返し後吸収量]
市販の「アクアマリン」(人工海水の商標、八洲薬品社製)1000gに吸水性樹脂または吸水性繊維1.00gを添加し、マグネティックスターラーを用いて1時間撹拌した後、75μmの目開きを持つナイロンスクリーンを用いて膨潤した吸水性樹脂及び繊維をろ別し、過剰の地下水を水切りし、ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂及び繊維の重量を測定して、人工海水の初期吸収量(g/g)とした。
ナイロンスクリーン上の吸水性樹脂又は繊維を全量ビーカーに入れ、更に新たに作成した人工海水1000gを添加し、1時間撹拌した後、再度75μmのナイロンスクリーンを用いて再度膨潤した吸水性樹脂及び繊維をろ別した。
同様な操作を計10回繰り返し、10回目の吸収量を人工海水の繰り返し後吸収量(g/g)とした。
【0027】
実施例−1
3リットルの断熱重合槽に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成社製)400gとアクリル酸72g、水酸化ナトリウム40g、メチレンビスアクリルアミド0.05g及びイオン交換水988gを添加し、内容物を均一に溶解した後、5℃まで冷却した。
内容物に窒素を通じ、溶存酸素を除去した後、1%過酸化水素水溶液1g、0.1%L−アスコルビン酸水溶液2g及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド(商品名:V−50、和光純薬社製)の1%水溶液3gを添加し重合を開始させた。
10時間後、内容物を取り出し、ミートチョッパーで含水ゲルを細分化した後、100℃の通風式乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物を100〜1000μmに粉砕してスルホン酸系吸水性樹脂(1)を得た。このスルホン酸系吸水性樹脂(1)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
フェルト状のポリエステル不織布(目付量:150g/m2、厚み約1mm)の上に、スルホン酸系吸水性樹脂(1)を1200g/m2となるよう均一に散布した。その上にもう1枚の上記不織布を重ね、2枚の不織布をニードルパンチで固定した後、巾10cm、長さ3mに裁断した。外周をポリエステル製のスパンボンド(巾約3cm)を用いて、ヘム止めし、本発明の止水材(A)を作成した。止水材の厚みは4mmであった。
【0028】
実施例−2
3リットルの断熱重合槽に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸230gとアクリル酸120g、メチレンビスアクリルアミド2g及びイオン交換水1050gを添加し、内容物を均一に溶解したのち、5℃まで冷却した。内容物に窒素を通じ、溶存酸素を除去した後、0.5%の過硫酸アンモニウム水溶液2g及び0.5%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液2gを添加し重合を開始させた。
8時間後、内容物を取り出し、ミートチョッパーで含水ゲルを細分化した後、30%水酸化ナトリウム水溶液276gを加えて中和し、さらに均一に混練して重合体中の酸基の約75モル%をナトリウム塩に変換した。
この中和されたゲルを100℃の通風式乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物を100〜1000μmに粉砕してスルホン酸系吸水性樹脂(2)を得た。このスルホン酸系吸水性樹脂(2)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
実施例−1で用いたスルホン酸系吸水性樹脂(1)の代わりに(2)を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の止水材(B)を作成した。
【0029】
比較例−1
実施例1で用いたスルホン酸系吸水性樹脂の代わりに、アクリル酸系吸水性樹脂(イ)(サンウエットIM−5000D、三洋化成工業社製)を用いた。このアクリル酸系吸水性樹脂(イ)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
実施例−1で用いたスルホン酸系吸水性樹脂(1)の代わりにアクリル酸系吸水性樹脂(イ)を用いた以外は実施例1と同様にして比較の止水材(a)を作成した。
【0030】
比較例−2
実施例1で用いたスルホン酸系吸水性樹脂の代わりに、アクリル酸系吸水性単繊維(ロ)(商品名:ベルオアシス、カネボウ合繊社製)を用いた。このアクリル酸系吸水性単繊維(ロ)のモデル地下水及び人工海水における初期吸収量及び繰り返し後吸収量を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエステル短繊維(目付量:300g/m2)とアクリル酸系吸水性単繊維(ロ)(目付量1200g/m2)を混合・積層し、加熱圧縮して、厚み約5mmの吸水性不織布を得た。この吸水性不織布を巾10cm、長さ3mに裁断し、比較の止水材(b)を作成した。
【0031】
実施例−1、2及び比較例−1、2で作成した本発明の止水材(A)、(B)及び比較の止水材(a)、(b)を用いて、モデル地下水及び人工海水での単ケーブルを想定したの止水試験を下記の方法で行った。その結果を表2示す。
[単ケーブルの止水試験]
保護管を想定した内径13cm、長さ1mの塩ビ製パイプの中に外径4cm、長さ3mの電力ケーブルを挿入した。止水材を塩ビパイプの外側の電力ケーブルに押しつけながらきっちりと巻き付け、巻き付けた止水材の直径が約13cmに達したところで、止水材を切断した。切断した止水材を電力ケーブルに沿って滑らせ、保護管を想定した塩ビ製パイプの中にきっちりと挿入した。クランプなど用いて、塩ビパイプが垂直になる様に固定(挿入した止水材は塩ビパイプの下部に位置)し、塩ビパイプの上部から、該モデル地下水を1リットル/分の速度でポンプを用いて供給した。
モデル地下水の供給を始めてから、塩ビパイプ下部から漏れていた地下水が完全に止水できた時間を初期止水時間とした。
完全に下部からの漏水が停止したら、モデル地下水の供給量を1リットル/10分の供給量に減少させ、更にモデル地下水の供給を140時間継続し、再度塩ビパイプ下部からの漏水が起こるかどうかを観察した。漏水が起こった場合は、その時間を記録した。
モデル地下水の代わりに、人工海水を用いて同様な試験を行った。
【0032】
実施例−3
実施例−1で作成した止水材(A)を長さ30cmに切断し、約10cm毎に中心部に集めて縫製し、図5−2に示した様な一辺が約4.5cmで巾が10cmの三つ葉状の芯材を作成した。
保護管を想定した内径13cm、長さ1mの塩ビ製パイプの中に外径4cm、長さ3mの電力ケーブル3本を縒ったCVTケーブルを挿入した。
実施例−3で作成した芯材を塩ビパイプの内側の3本ケーブルの間に挟み込んだ。止水材(A)を塩ビパイプの外側の電力ケーブルに押しつけながらきっちりと巻き付け、巻き付けた止水材の直径が約13cmに達したところで、止水材を切断した。
切断した止水材を電力ケーブルに沿って滑らせ、ケーブル間に芯材を差し込んだ位置まで、保護管を想定した塩ビ製パイプの中にきっちりと挿入した。
クランプなど用いて、塩ビパイプが垂直になる様に固定(挿入した止水材は塩ビパイプの下部に位置)し、塩ビパイプの上部から、該モデル地下水を1リットル/分の速度でポンプを用いて供給した。
モデル地下水の供給を始めてから、塩ビパイプ下部から漏れていた地下水が完全に止水できた時間を初期止水時間とした。
完全に下部からの漏水が停止したら、モデル地下水の供給量を1リットル/10分の供給量に減少させ、更にモデル地下水の供給を140時間継続し、再度塩ビパイプ下部からの漏水が起こるかどうかを観察した。漏水が起こった場合は、その時間を記録した。
【0033】
【表1】
Figure 0004058275
【0034】
【表2】
Figure 0004058275
【0035】
表1〜2から以下のことが明らかである。
▲1▼本発明の止水材に使用するスルホン酸系吸水性樹脂(1)、(2)は、比較の吸水性樹脂(イ)、(ロ)に比べ人工海水に対する吸収量が高く、また地下水や人工海水での吸収量が長期的にも殆ど変化しない。
▲2▼本発明の止水材(A)、(B)は、比較の止水材(a)、(b)に比べ、長期間にわたり漏水を起こさず安定した止水効果を発現できる。
▲3▼膨潤性の芯材を併用することにより、CVTケーブルを用いた保護管つき地下埋設ケーブルに関しても、安定した止水効果を発現できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の保護管付地下埋設ケーブル用止水材は以下の効果を奏する。
▲1▼本発明保護管付地下埋設ケーブル用の止水材は、地下水や海水等に対しても従来得られなかった長期間にわたり優れた止水性能を有する。
▲2▼柔軟な素材を使用し、且つ任意に大きさの調整が可能なため、保護管の径やケーブルの径が異なった場合でも、簡易に大きさの調整が可能である。また、隙間に沿って膨潤することができるので、従来起こりやすかった水道の形成を膨潤によって防止することができる。
▲3▼保護管内の水を利用して、素材が膨潤することにより止水が可能となるため、初期にセットしておくだけで、保護管内に何時水が浸入してきても、それに合わせて随時止水効果を発揮できる。
▲4▼更に、芯材を用いることにより、一つの保護管内に複数のケーブルを有するCVTケーブルなどの止水にも十分対応できる。
▲5▼保護管付地下埋設ケーブル用の止水材として、簡便な方法で利用できる。
▲6▼本発明の止水方法を用いることにより、従来ケーブルの交換時などに莫大な時間と費用を要したマンホール内の排水などに関して、その時間や費用を大幅に低減できる。
以上のことから、電力ケーブル、光ファイバーケーブル等の保護管付地下埋設ケーブル用止水材並びに止水方法として有用である。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止水材を設置する位置を示した断面図である。
【図2】本発明の止水材を保護管内に設置する方法を示した概念図である。
【図3】止水材のみをCVTケーブルに設置した断面図である。
【図4】止水材の短片をCVTケーブルに挟み込んだ断面図である。
【図5】芯材の構造及びCVTケーブルへの挿入法を示した断面図及び斜視図である。
【符号の説明】
1:マンホール
2:ケーブル保護管
3:地下埋設ケーブル
4:止水材
5:CVTケーブル
6:止水材とケーブル及びケーブル間の隙間
7:止水材の短片
8:芯材
9:外装材
10:吸収性樹脂

Claims (16)

  1. 少なくとも一部が透水性を有する外装材中に、スルホン酸(塩)系吸水性樹脂(A)を封入してなるテープ状または帯状の構造体である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材であり、(A)が(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、及び/又は(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合物の架橋体である保護管付き地下埋設ケーブル用止水材。
  2. 前記構造体が前記(A)を目付量で500g〜5000g/m2封入し、大きさが厚み:0.1〜5.0cm、巾:0.3〜30cm、長さ:0.1〜100mである請求項1記載の止水材。
  3. 前記目付量が1000〜4000g/m2である請求項2記載の止水材。
  4. 前記外装材の少なくとも一部が布帛又はメッシュフィルムである請求項1〜3のいずれか記載の止水材。
  5. 前記布帛がフェルト状の不織布である請求項4記載の止水材。
  6. 前記構造体が、シートの間に前記(A)を添加し必要により所定の大きさに裁断したもの及び/又は袋状の外装材中に(A)を封入したものである請求項1〜5のいずれか記載の止水材。
  7. 前記外装材の少なくとも長さ方向の開口部が、ヘム止め、縫製、ヒートシール、接着剤による接着又はフィルム状のもので挟み込んだ状態でフィルムを固着する方法からなる群から選ばれるいずれかの方法で封鎖されてなる請求項1〜6のいずれか記載の止水材。
  8. 前記ヘムの材質がスパンボンドである請求項7記載の止水材。
  9. 前記包装材内部の(A)が流動しない様に、包装材同士をニードルパンチで固定してなる請求項1〜8のいずれか記載の止水材。
  10. 前記止水材が電力及び/又は通信ケーブル用である請求項1〜9のいずれか記載の止水材。
  11. 請求項1〜10のいずれか記載の止水材を保護管付地下埋設ケーブルのケーブルと保護管の間に介在させる保護管付き地下埋設ケーブルの止水方法。
  12. 該ケーブルと保護管の間を封鎖するように、ケーブル周囲を止水材で巻く請求項11記載の止水方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか記載の止水材及び水膨潤性の芯材を併用して使用する保護管内に3本構造を有する地下埋設ケーブルの止水方法。
  14. 地下埋設ケーブルのケーブル用マンホールへの出口直前部分のケーブルと保護管の間に止水材を介在せしめて、マンホールに水が侵入することを防止する請求項11〜13のいずれか記載の止水方法。
  15. 少なくとも一部が透水性を有する外装材中に前記(A)が封入されてなる、断面Y字形もしくは三つ葉形の構造体からなることを特徴とする地下埋設ケーブル止水用芯材。
  16. 前記地下埋設ケーブルの間隙に請求項15記載の芯材を挟み込むと共に、少なくとも一部が浸透性を有する外装材中に前記(A)が封入されてなるテープ状又は帯状の構造体からなる止水材をケーブル外周に巻き付けることを特徴とする地下埋設ケーブルの止水方法。
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