JP3107463B2 - 高吸水性繊維を用いた止水工法 - Google Patents

高吸水性繊維を用いた止水工法

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JP3107463B2 JP04238391A JP23839192A JP3107463B2 JP 3107463 B2 JP3107463 B2 JP 3107463B2 JP 04238391 A JP04238391 A JP 04238391A JP 23839192 A JP23839192 A JP 23839192A JP 3107463 B2 JP3107463 B2 JP 3107463B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、止水材として高吸水
性繊維からなる布状体を用いた池の止水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、修景池等の池の止水工法として
は、難通水性を有するゴムや、ポリ塩化ビニル等のプ
ラスチックなどのシートを池底面等に敷設する方法、
粘性土を池底面等に転圧して難通水性層を形成する方
法、難通水性を有するアスファルトマットを池底面等
に敷設する方法などが採用されている。
【0003】しかしながら、前記の工法では、池底面
等に突起物があると、シートの施工後の注水による水圧
で破断したり、施工後池が不等沈下や変形するとシート
が変形量に追従できずに破断するおそれがあるととも
に、破断箇所の発見、修復が困難であり、また、シート
の接合部は接着剤、熱融着等による接着方式で接合され
ているが、そのためには完全に接着されるよう念入りな
作業が必要であり、しかもシート重量もかなり重く、施
工が必ずしも容易ではなく、前記の工法では、所要の
難通水性を有する均質な粘性土を確保することが困難で
あり、また埋戻し厚さなどの転圧管理も厳密に行わなけ
ればならず、止水施工の品質確保に困難を伴い、さらに
前記の工法では、アスファルトマットのコストが大き
く、池底面等に曲線部が多い場合、アスファルトマット
がかなり重く、堅いので施工が困難であり、またマット
接合部に必要な熱融着作業が煩雑であり、施工設備も大
掛かりとなる、などの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の目的は、止水材の取扱や施工がより簡便で止水性能に
も優れた改良された止水工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、修景池等の
池の止水工法において、池の底面、内壁等の止水所要箇
所に、高吸水性繊維からなる布状体を敷設することを特
徴とする池の止水工法を要旨とする。
【0006】この発明で使用される高吸水性繊維は、繊
維全体が高吸水性であっても、繊維の外層のみが高吸水
性を有する複層構造を有するものでもよい。高吸水性繊
維としては、例えばアクリロニトリル系重合体をアルカ
リ金属水酸化物水溶液と反応させて得られるアクリル酸
塩単位とアクリルアミド単位とを有する繊維、ポリビニ
ルアルコールとアクリル酸塩との共重合体繊維、セルロ
ース繊維にアクリル酸をグラフト重合した繊維等を使用
することができる。これらの高吸水性繊維には、例えば
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、N,N’−メチレンビスア
クリルアミド、ジビニルエーテル等の架橋性単量体を共
重合することにより、あるいは重合体を適当な架橋剤、
放射線等により架橋することにより、重合体中に架橋構
造が導入されたものであることが好ましい。また、外層
のみが高吸水性を有する複層繊維としては、例えばアク
リロニトリル繊維の外層をアルカリ金属水酸化物水溶液
と反応させてアクリル酸塩単位とアクリルアミド単位と
を生成させたもの等が使用される。これらの高吸水性繊
維は、軽量であり、水中で吸水して数十倍〜数千倍に膨
潤する性質を有するものである。
【0007】これらの高吸水性繊維は、織布、不織布等
の布状体の形で、池の底面、内壁等の止水所要箇所に敷
設される。この敷設状態を図1に例示する。ここで、1
は高吸水性繊維からなる布状体、2は覆土である。この
覆土2は、池の使用環境によっては省略することもでき
る。この止水工法によると、繊維自体が保水性を有する
とともに、吸水により繊維が高度に膨潤して繊維間の隙
間がなくなり、十分な止水効果を奏することができる。
また、布状体1の継手部も、図2に示すように、布状体
を数cm〜数十cm程度重ねて施工するだけで、水圧お
よび覆土2の圧力下で各布状体が相互に密着して漏水を
有効に抑えることが可能であり、しかも該接合部は布状
体相互の滑りが許容されるため、池の変形等による要止
水面積の変動にも十分対応することができる。しかも、
高吸水性繊維は、軽量で、切断・接着も容易であり、ま
た素材的に柔軟であるため屈曲部での施工も容易であっ
て、専用の設備を特に要することなく、簡便に止水施工
を行うことができる。しかも高吸収性繊維からなる布状
体は、池の形状の変化に対する追従性にも優れるととも
に、池の底面や内壁の突起物により破断するおそれもな
く、また引張りに対する抵抗性も高く、信頼性の高い止
水施工を行うことができる。
【0008】表1に、前記複層繊維の1種であるランシ
ール(商品名、東洋紡績(株)製)の布状体を用いた場
合の止水性能試験結果を示すが、安定した止水性能を示
すことが明らかである。
【0009】
【表1】
【0010】この発明においては、高吸水性繊維からな
る布状体を2層以上を敷設することも、また該布状体を
適当な支持基材(これは、必ずしも難通水性を有する必
要はない。)と積層あるいは組合せて使用することがで
き、さらには必要に応じて難通水性を有するシート、粘
性土等の他の止水材をさらに組合せて使用することもで
きる。
【0011】この発明の止水工法は、修景池のほか、飲
料用水、農業用水、産業用水、治水用等のダム、消防用
水溜め、産業廃水処置池、下水処置池などの止水にも幅
広く利用することができる。
【0012】
【発明の効果】この発明によると、下記の効果が奏され
る。
【0013】(1)高吸水性繊維からなる布状体は、軽
量で柔軟性があり、また切断、接着等も容易であって、
止水施工を、専用の大型設備を使用することなく簡便且
つ確実に行うことができる。
【0014】(2)前記布状体の接合部における止水性
能も容易且つ確実に確保することができる。
【0015】(3)高吸水性繊維からなる布状体は、安
定した品質で比較的安価に入手可能であり、また池底面
等の突起物や池の変形等により破断されるおそれがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による止水施工状態を例を示す池縦断
面図である。
【図2】この発明における布状体の接合部を説明する縦
断面図である。
【符号の説明】
1 布状体 2 覆土
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−99836(JP,A) 特開 昭63−171909(JP,A) 実開 平4−18107(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 修景池等の池の止水工法において、池の
    底面、内壁等の止水所要箇所に、高吸水性繊維からなる
    布状体を敷設することを特徴とする池の止水工法。
JP04238391A 1992-09-07 1992-09-07 高吸水性繊維を用いた止水工法 Expired - Fee Related JP3107463B2 (ja)

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