JP3971009B2 - ドレン穴付きノズル翼の製造方法 - Google Patents

ドレン穴付きノズル翼の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用蒸気タービンの静止翼に用いられるドレン穴付きノズル翼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発電用の蒸気タービンにおいて、静止翼であるノズル翼には蒸気中の水滴分離除去のためのドレン穴を設けている。
図26はドレン穴付きノズル翼の一例を示した斜視図で、図27はそのドレン穴の開口側を示した端面図である。
このドレン穴付きノズル翼1は、図示のように、背面側のドレン穴2と腹面側のドレン穴3をノズル翼1の長手方向に沿って平行に有するもので、これら背面側のドレン穴2と腹面側のドレン穴3には、図27に矢印で示したように、タービン内を流れる蒸気に向かって各々開口する複数のスリット部4,4,4,4及びスリット部5,5,5,5から水滴がそれぞれ流入するようになっている。そして、両方のドレン穴2,3に流入した水滴は、ドレン穴付きノズル翼1を放射状に多数固定して備えたタービンの外周側に接続した吸引手段による吸引によって排出される。
【0003】
以上のドレン穴付きノズル翼1は、ロストワックス法により製造されるステンレス製品であり、従来は、そのドレン穴2,3及びスリット部4,5を機械加工により形成していた。
即ち、図28に示すように、先ず、ドレン穴2,3をドリル6による深穴加工(例えば、直径4〜5mm、深さ200mm等)で形成した後、図29に示すように、スリット部4,4,4,4(スリット部5,5,5,5)を放電加工機7により形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにドレン穴付きノズル翼1において、従来は、ドレン穴2,3及びスリット部4,5の形成を機械加工により行っていたため、以下に列挙するような問題があった。
1)ステンレス製品の深穴加工が難加工である。
2)ノズル翼1が三次元形状のため、加工治具が高価である。
3)ノズル翼1が三次元形状のため、背面及び腹面から各々のドレン穴2,3までの肉厚が均一でない。
4)スリット部4,5の放電加工に時間がかかる。
5)ドレン穴2,3とスリット部4,5が一致しない場合がある。
6)加工手順が長く、量産が難しい。
7)コストが非常に高い。
8)高度な加工技術を必要とする。
9)従来は機械加工のため、直線的なドレン溝しかできず、高性能化のための曲がりのあるノズル翼のドレン溝は加工不可能である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ドレン穴の深穴加工とスリット部の放電加工を不要にして、コストを抑えたドレン穴付きノズル翼を提供すること、さらには、高性能化に対応した曲線形状のドレン溝を提供することにある。
また、本発明は、このようなドレン穴付きノズル翼を得るための製造方法を提供することも目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、蒸気中の水滴分離除去用のドレン穴をノズル翼の長手方向に沿って有するドレン穴付きノズル翼の製造方法であって、ドレン溝形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体を得る本体製造工程と、貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、前記ノズル翼本体との接合部に前記ドレン溝と前記ノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を有する蓋体を得る蓋体製造工程と、前記ノズル翼本体の前記ノズル溝の開放部に前記蓋体を溶接して接合する接合工程と、前記蓋体との接合部を含んで前記ノズル翼本体の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴としている。
【0012】
このように、請求項1記載の発明によれば、先ず、ドレン溝形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填することで、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体が得られ、また、貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填することで、ノズル翼本体との接合部にドレン溝とノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を有する蓋体が得られる。そして、蓋体をノズル翼本体のノズル溝の開放部に溶接して接合することで、ノズル翼本体の表面の貫通部から内部のドレン溝に連続するドレン穴を形成でき、さらに、蓋体との接合部を含んでノズル翼本体の表面を研磨することで、ドレン穴付きノズル翼を仕上げられる。
【0015】
請求項2記載の発明は、蒸気中の水滴分離除去用のドレン穴をノズル翼の長手方向に沿って有するドレン穴付きノズル翼の製造方法であって、ドレン溝形成部及び貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体を得るとともに、このノズル翼本体との接合部に一側部で連続して形成され、前記ドレン溝と前記ノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を他側部に有する蓋体を得る本体及び蓋体製造工程と、前記ノズル翼本体の前記ノズル溝の開放部に前記蓋体の前記他側部を溶接して接合する接合工程と、前記蓋体との接合部を含んで前記ノズル翼本体の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴としている。
【0016】
このように、請求項2記載の発明によれば、先ず、ドレン溝形成部及び貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填することで、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体が得られるとともに、このノズル翼本体との接合部に一側部で連続して形成され、ドレン溝とノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を他側部に有する蓋体が得られる。そして、蓋体の他側部をノズル翼本体のノズル溝の開放部に溶接して接合することで、ノズル翼本体の表面の貫通部から内部のドレン溝に連続するドレン穴を形成でき、さらに、蓋体との接合部を含んでノズル翼本体の表面を研磨することで、ドレン穴付きノズル翼を仕上げられる。
【0019】
請求項3記載の発明は、内部のドレン穴に連続する貫通部を有するドレン穴部材をセットした鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に前記貫通穴を有する部分が露出するドレン穴部材を長手方向に沿って埋設したノズル翼を得るノズル翼製造工程と、前記ドレン穴部材の前記露出部分を含んで前記ノズル翼の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴としている。
【0020】
このように、請求項3記載の発明によれば、内部のドレン穴に連続する貫通部を有するドレン穴部材をセットした鋳型内に金属溶湯を充填することで、背面側及び腹面側の両側面または片側面に貫通穴を有する部分が露出するドレン穴部材を長手方向に沿って埋設したノズル翼が得られ、このドレン穴部材の露出部分を含んでノズル翼の表面を研磨することで、ドレン穴付きノズル翼を仕上げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るドレン穴付きノズル翼の製造方法の実施の形態例を図1から図25に基づいて説明する。先ず、図1は本発明を適用した一例としてのドレン穴付きノズル翼の要部を示すもので、(a)は背面側を示した斜視図、(b)は腹面側を示した斜視図である。そして、図2は図1(a)の矢印A方向から外周側端面を見た側面図で、図3は同じく図1(a)の矢印B−B線に沿った断面図である。これらの図1から図3において、前述した図26及び図27と同様に、1はドレン穴付きノズル翼、2,3はドレン穴、4,5はスリット部であって、11はノズル翼本体、21は背面側蓋体、31は腹面側蓋体である。この実施の形態例では、ノズル翼本体11に背面側蓋体21及び腹面側蓋体31を接合しているが、背面側蓋体21または腹面側蓋体31の何れか一方のみをノズル翼本体11に接合しても良い。
【0022】
ノズル翼本体11は、ロストワックス法により得られるステンレス製精密鋳造品であり、図4(a)及び(b)に示すように、その背面側及び腹面側の両面に、長手方向に沿って外端面に開口するドレン溝12,13を有するものである。
【0023】
背面側蓋体21も、ロストワックス法により得られるステンレス製精密鋳造品であり、ノズル翼本体11の背面側のドレン溝12に対応するものである。
即ち、この背面側蓋体21は、図5(a)及び(b)に示すように、その長手方向に沿ってドレン溝12に対応する溝部22を有するとともに、この溝部22から表面側への貫通部である数個の切欠部23,23,23,23を有している。
これら数個の切欠部23,23,23,23は、ノズル翼本体11の一端側から形成されていて、ノズル翼本体11の他端側からは、各切欠部23,23,23,23と交互となるように数個の接合突部24,24,24,24が形成されている。なお、ノズル翼本体11の端部側の接合突部24は、各切欠部23,23,23,23間に位置する他の接合突部24,24,24よりも幅広いものとなっている。
【0024】
腹面側蓋体31も、ロストワックス法により得られるステンレス製精密鋳造品であり、ノズル翼本体11の腹面側のドレン溝13に対応するものである。
即ち、この腹面側蓋体31は、図6(a)及び(b)に示すように、その長手方向に沿ってドレン溝13に対応する溝部32を有するとともに、この溝部32から表面側への貫通部である数個の切欠部33,33,33,33を有している。
これら数個の切欠部33,33,33,33は、ノズル翼本体11の一端側から形成されていて、ノズル翼本体11の他端側からは、各切欠部33,33,33,33と交互となるように数個の接合突部34,34,34,34が形成されている。なお、ノズル翼本体11の端部側の接合突部34は、各切欠部33,33,33,33間に位置する他の接合突部34,34,34よりも幅広いものとなっている。
この腹面側蓋体31は、前記背面側蓋体21と対称形状のものである。
【0025】
以上の背面側蓋体21と腹面側蓋体31を、図7に示すように、ノズル翼本体11の背面側及び腹面側のドレン溝12,13に組み付けて、図8に示すように、溶接により固定する。
図8では、太線により溶接痕14,15を示しており、即ち、ノズル翼本体11の背面側及び腹面側のドレン溝12,13に対し背面側蓋体21と腹面側蓋体31を、溶接痕14で示されるように、切欠部23,33と反対側において溶接により互いに接合するとともに、溶接痕15で示されるように、切欠部23,33側の接合突部24,34の先端部において溶接により互いに接合する。
その後、溶接痕14,15を含んで表面をバフ研磨により仕上げることによって、図26及び図27に示したと同様に、背面側のドレン穴2と腹面側のドレン穴3とその各々のスリット部4,4,4,4及びスリット部5,5,5,5を有するドレン穴付きノズル翼1の完成品を得る。
【0026】
以上の通り、ノズル翼本体11の背面側及び腹面側の両ドレン溝12,13の開放部に背面側蓋体21及び腹面側蓋体31をそれぞれ接合することによって、ノズル翼本体11表面の各スリット部4,5(各切欠部23,33)から内部の各ドレン溝12,13に連続する各ドレン穴2,3をそれぞれ形成できるため、従来のようなドレン穴2,3の深穴加工とスリット部4,5の放電加工が不要となり、従って、従来に比べてコストを抑えることができるといった利点が得られる。
【0027】
次に、本発明を実施するための金型構成例等について説明する。
図9はロストワックス法により前記ノズル翼本体11を得るためのロー型作製用の金型構造例を示したもので、上金型41及び下金型42の前記ノズル翼本体11用の造型部43,44に、前記ドレン溝22,32に各々対応する溝形状のドレン溝形成部45,46を有する。
このように、背面側及び腹面側の両ドレン溝22,32を有するノズル翼本体11を得るためのロー型作製用の金型を構成する。
【0028】
前記ノズル翼本体11を得るため、前記金型構造を有する金型でロー型を製作する。
そして、ロストワックス法により前記ノズル翼本体11を得る。
【0029】
図10はロストワックス法により前記蓋体21,31を得るためのロー型作製用の金型構造例を示すもので、片方の型構造を示しており、金型61に形成した蓋形状部62は、その造型部内に前記溝部22,32に対応した突条部63と、前記切欠部23,33に対応した突段部(貫通部形成部)64を有している。
このような金型61上に、図11に示すように、金型65を重ねて、前記蓋体21,31用のロー型を製作する。
こうして製作したロー型から、ロストワックス法により前記蓋体21,31をえる。
【0030】
次に、本発明を実施する場合の各種対策例について説明する。
図12は前記蓋体21,31の溶接を深く行うための対策例を示したもので、ノズル翼本体11のドレン溝12,13と各蓋体21,31との接合部を、図示のように曲面形状(R形状)として、深い溶接痕14,15が得られるようにしている。
これにより、バフ研磨による仕上げ状態において、必要充分な溶接代が得られる。
【0031】
図13は前記蓋体21,31の切欠部23,33(スリット部4,5)の稜線を確保するための対策例を示したもので、切欠部23,33の先端部を、図示のように曲面形状(R形状)としておけば、バフ研磨による仕上げ状態において、スリット部4,5(特に腹面側のスリット部5)の稜線を確保して直線的にすることができる。
【0032】
図14は前記蓋体21,31の位置決めのための対策例を示したもので、図示のように、ノズル本体11のドレン溝12,13に段部16を形成して、蓋体21,31にも対応する段部26,36を形成しておく。
これにより、ノズル翼本体11のドレン溝12,13の段部16に蓋体21,31の段部26,36が合致して、ドレン溝12,13に蓋体21,31を位置決めできる。
【0033】
図15は前記蓋体21,31の切欠部23,33(スリット部4,5)の角部の溶接を深く行うための対策例を示したもので、接合突部24,34の先端部の両側を、図示のように曲面形状(R形状)により若干幅広に形成しておく。
これにより、ドレン溝12,13に対する接合突部24,34の先端部の溶接の際に、曲面形状(R形状)により若干幅広となった接合突部24,34の先端部両側も溶接して、図示のようにスリット部4,5の内側まで入った溶接痕15を得る。
なお、スリット部4,5の内側において、可能な限り、ドレン溝12,13に接合突部24,34の両側部を溶接するようにしても良い。
【0034】
図16は前記蓋体21,31の切欠部23,33(スリット部4,5)の稜線間での湯廻りを確保するための対策例を示したもので、切欠部23,33の先端部を、図示のように曲面形状(R形状)とすることにより、湯廻り不良の発生をなくすことができる。
【0035】
図17は前記蓋体21,31の切欠部23,33(スリット部4,5)間の溶接部分を増やした対策例を示した平面図で、図18は蓋体21,31の溶接を深く行うとともに位置決めのための対策例も併せて示した断面図である。
即ち、先ず、蓋体21,31の接合突部24,34の先端部中央に、図示のように小凹部25,35を形成する。そして、蓋体21,31の接合突部24,34と反対側の端部とこれに対応するドレン溝12,13の端部を、図示のように面取りしておく。
また、ノズル本体11のドレン溝12,13に段部16,17を形成して、蓋体21,31にも対応する段部26,36及び段部27,37を形成しておく。これにより、ノズル翼本体11のドレン溝12,13の段部16,17に蓋体21,31の段部26,36及び段部27,37がそれぞれ合致して、ドレン溝12,13に蓋体21,31を位置決めできる。
そして、図19に示したように、蓋体21,31の接合突部24,34と反対側の端部とこれに対応するドレン溝12,13の端部とを溶接して、深い溶接痕14を形成するとともに、接合突部24,34の先端部とドレン溝12,13の端部とを溶接する際に、小凹部25,35においても溶接することで、深くて充分に広い溶接痕15を形成する。
【0036】
図20は前記蓋体21,31の切欠部23,33(スリット部4,5)の溶接部分を増やして溶接した固定状態を示したもので、接合突部24,34の先端部の両側を、図示のように曲面形状(R形状)により若干幅広に形成するとともに、接合突部24,34の先端部中央に、図示のように小凹部25,35を形成する。
これにより、ドレン溝12,13に対する接合突部24,34の先端部の溶接の際に、図示のように小凹部25,35においても溶接することで、深くて充分に広い溶接痕15を形成するとともに、曲面形状(R形状)により若干幅広となった接合突部24,34の先端部両側も溶接して、図示のようにスリット部4,5の内側まで入った溶接痕15を得る。
以上のような溶接を行うようにしても良い。
【0037】
図21は前記ドレン溝形成部45,46を標準化して金型に取り付ける対策例を示すもので、図21(a)はドレン溝形成部45,46とともにAタイプの金型構造例を示した分解断面図、図21(b)はBタイプの金型構造例を示した分解断面図である。
Aタイプの金型構造は、図21(a)に示すように、上金型41A及び下金型42Aのノズル翼本体用造型部43A,44Aに各々形成した凹部47A,48Aに、ドレン溝形成部45,46のホルダブロック71,72をそれぞれ入れて、各々のボルト73,74によりそれぞれ固定したものである。
Bタイプの金型構造は、図21(b)に示すように、上金型41B及び下金型42Bのノズル翼本体用造型部43B,44Bに各々形成した凹部47B,48Bに、前記Aタイプと同様のドレン溝形成部45,46のホルダブロック71,72をそれぞれ入れて、各々のボルト73,74によりそれぞれ固定したものである。
このように、金型タイプが相違しても、ドレン溝形成部45,46を共用化することで、経済性に優れたものとなる。
【0038】
図22は形状変化のある前記蓋体21,31の固定状態例を示したもので、図示のように、表面に三次元的なうねり形状のあるノズル翼本体11の場合であっても、ドレン溝形成部45,46とホルダブロック71、72をノズル面なりの形状のものを金型にセットすることで、同様に表面が三次元的なうねり形状があるノズル溝12,13の深さが変化しない切欠部23,33(スリット部4,5)を有する蓋体21,31を取り付けることができる。
【0039】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図23は単純な蓋体81の固定構造例を示したもので、図示のように、ノズル翼本体11のノズル溝12,13の開放部に、単純な板状の蓋体81を溶接しても良い。
この場合、蓋体81には、図示しないが、予め切欠部または穴部による貫通部を形成しておく。
【0040】
図24はドレン穴形成部材91の鋳込み構造例を示したもので、図示のように、内部のドレン穴92への貫通穴による貫通部93,93,…を有する金属パイプによるドレン穴形成部材91を、ノズル翼本体11の製造時に鋳込んで、ノズル翼本体11の表面にドレン穴形成部材91の貫通部93,93,…を露出させたものである。
この場合、ドレン穴形成部材91は、ノズル翼本体11とは異なる金属である。
【0041】
図25は前記ノズル翼本体11に蓋体19を一体に形成した構造例を示したもので、図示のように、ノズル翼本体11のノズル溝12,13の開放部の一側部に、外部に突出する板状の蓋体19を一体に形成しておく。この蓋体19には、図示しないが、予め切欠部または穴部による貫通部を形成しておく。
そして、蓋体19をノズル溝12,13の開放部に折り曲げて溶接する。
以上のようなドレン穴構造を採用しても良い。
【0042】
なお、以上の実施の形態例においては、ノズル翼をロストワックス法により得られるステンレス製精密鋳造品としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノズル翼の成形法は任意であり、また、ノズル翼の材質はステンレス以外の金属であっても良い。
また、ドレン穴の寸法・形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係るドレン穴付きノズル翼の製造方法によれば、特に、蓋体をノズル翼本体のノズル溝の開放部に溶接することによって、ノズル翼本体の表面の貫通部から内部のドレン溝に連続するドレン穴を形成することができ、さらに、蓋体との接合部を含んでノズル翼本体の表面を研磨することによって、仕上げることができる。
【0047】
請求項2記載の発明に係るドレン穴付きノズル翼の製造方法によれば、特に、蓋体の他側部をノズル翼本体のノズル溝の開放部に溶接することによって、ノズル翼本体の表面の貫通部から内部のドレン溝に連続するドレン穴を形成することができ、さらに、蓋体との接合部を含んでノズル翼本体の表面を研磨することによって、仕上げることができる。
【0049】
請求項3記載の発明に係るドレン穴付きノズル翼の製造方法によれば、内部のドレン穴に連続する貫通部を有するドレン穴部材をセットした鋳型内に金属溶湯を充填することによって、背面側及び腹面側の両側面または片側面に貫通穴を有する部分が露出するドレン穴部材を長手方向に沿って埋設したノズル翼を得ることができ、このドレン穴部材の露出部分を含んでノズル翼の表面を研磨することによって、仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのドレン穴付きノズル翼の要部を示すもので、(a)は背面側を示した斜視図、(b)は腹面側を示した斜視図である。
【図2】図1(a)の矢印A方向から外周側端面を見た側面図である。
【図3】図1(a)の矢印B−B線に沿った断面図である。
【図4】ノズル翼本体を示すもので、(a)は背面側を示した斜視図、(b)は腹面側を示した斜視図である。
【図5】背面側の蓋体を示すもので、(a)は背面側から見た斜視図、(b)は反対側から見た斜視図である。
【図6】腹面側の蓋体を示すもので、(a)は腹面側から見た斜視図、(b)は反対側から見た斜視図である。
【図7】ノズル翼本体に対する背面側及び腹面側の各蓋体の取付方を示した斜視図である。
【図8】ノズル翼本体に背面側及び腹面側の各蓋体を接合した状態を示した斜視図である。
【図9】ロストワックス法によりノズル翼本体を得るためのロー型作製用の金型構造例を示した断面図である。
【図10】ロストワックス法により蓋体を得るためのロー型作製用の金型構造例を示すもので、片方の型構造を示した一部破断の斜視図である。
【図11】図10の型構造を含む金型構造例を示した断面図である。
【図12】蓋体の溶接を深く行うための対策例を示した断面図である。
【図13】蓋体の貫通部(スリット部)の稜線を確保するための対策例を示した断面図である。
【図14】蓋体の位置決めのための対策例を示した断面図である。
【図15】蓋体の貫通部(スリット部)の角部の溶接を深く行うための対策例を示した断面図である。
【図16】蓋体の貫通部(スリット部)の稜線間での湯廻りを確保するための対策例を示した断面図である。
【図17】蓋体の貫通部(スリット部)間の溶接部分を増やした対策例を示した平面図である。
【図18】蓋体の溶接を深く行うとともに位置決めのための対策例も併せて示した断面図である。
【図19】図18の対策による蓋体の固定状態を示した断面図である。
【図20】蓋体の貫通部(スリット部)の溶接部分を増やして溶接した固定状態を示した平面図である。
【図21】ドレン溝形成部を標準化して金型に取り付ける対策例を示すもので、(a)はドレン溝形成部とともにAタイプの金型構造例を示した分解断面図、(b)はBタイプの金型構造例を示した分解断面図である。
【図22】形状変化のある蓋体の固定状態例を示した断面図である。
【図23】単純な蓋体の固定構造例を示した断面図である。
【図24】ドレン穴形成部材の鋳込み構造例を示した一部破断の斜視図である。
【図25】ノズル翼本体に蓋体を一体に形成した構造例を示した断面図である。
【図26】ドレン穴付きノズル翼の一例を示した斜視図である。
【図27】図26のノズル翼をドレン穴の開口側から見た端面図である。
【図28】従来の深穴加工を例示した斜視図である。
【図29】従来の放電加工を例示した斜視図である。
【符号の説明】
1 ドレン穴付きノズル翼
2,3 ドレン穴
4,5 スリット部
11 ノズル翼本体
12,13 ドレン溝
19 蓋体
21,31 蓋体
22,32 溝部
23,33 貫通部
24,34 接合突部
45,46 ドレン溝形成部
64 貫通部形成部
81 蓋体
91 ノズル穴形成部材
92 ノズル穴
93 貫通部(スリット部)

Claims (3)

  1. 蒸気中の水滴分離除去用のドレン穴をノズル翼の長手方向に沿って有するドレン穴付きノズル翼の製造方法であって、
    ドレン溝形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体を得る本体製造工程と、
    貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、前記ノズル翼本体との接合部に前記ドレン溝と前記ノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を有する蓋体を得る蓋体製造工程と、
    前記ノズル翼本体の前記ノズル溝の開放部に前記蓋体を溶接して接合する接合工程と、
    前記蓋体との接合部を含んで前記ノズル翼本体の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴とするドレン穴付きノズル翼の製造方法。
  2. 蒸気中の水滴分離除去用のドレン穴をノズル翼の長手方向に沿って有するドレン穴付きノズル翼の製造方法であって、
    ドレン溝形成部及び貫通部形成部を設けた鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に開放されたドレン溝を長手方向に沿って有するノズル翼本体を得るとともに、このノズル翼本体との接合部に一側部で連続して形成され、前記ドレン溝と前記ノズル翼本体外部とを互いに連続する貫通部を他側部に有する蓋体を得る本体及び蓋体製造工程と、
    前記ノズル翼本体の前記ノズル溝の開放部に前記蓋体の前記他側部を溶接して接合する接合工程と、
    前記蓋体との接合部を含んで前記ノズル翼本体の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴とするドレン穴付きノズル翼の製造方法。
  3. 内部のドレン穴に連続する貫通部を有するドレン穴部材をセットした鋳型内に金属溶湯を充填して、背面側及び腹面側の両側面または片側面に前記貫通穴を有する部分が露出するドレン穴部材を長手方向に沿って埋設したノズル翼を得るノズル翼製造工程と、
    前記ドレン穴部材の前記露出部分を含んで前記ノズル翼の表面を研磨する仕上げ工程と、からなること、を特徴とするドレン穴付きノズル翼の製造方法。
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