JP3970143B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置及びこの光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機などの画像形成装置に用いられる光走査装置は、画像情報に基づいて光ビームを射出し、高速で回転駆動された偏向部であるポリゴンミラーによりその光ビームを主査方向に等角速度走査し、光学素子であるfθレンズによりその等角度走査光を等速度走査光に変換して、感光体上の露光走査を行なっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような光走査装置のポリゴンミラーやfθレンズはハウジングに支持されている。このハウジングは、光走査装置の低コスト化を図るために樹脂を材料として形成されているものが広く普及している。
【0004】
また、光走査装置の中には、ポリゴンミラーを高速で回転させるために発生する騒音を防止するために、ポリゴンミラーを密閉状態にしてハウジングに取り付けているものもある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−197330号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような光走査装置では、ポリゴンミラーを高速で回転させることにより、ポリゴンミラーが熱を持ってしまう。一般的に樹脂材料は、熱伝導率が低いために、上述したようにハウジングが樹脂により形成されている光走査装置では、ポリゴンミラーで発生した熱が周囲へ伝達されにくく、発熱源付近に停滞しやすい。このため、ハウジングの部位毎に温度が異なるという状況が発生する。
【0007】
ハウジング内で広く場所を占有するfθレンズでは、ハウジングの部位毎に温度が異なることにより、温度偏差が生じ、部位毎に熱膨張による変化率に偏りが生じてしまう。
【0008】
また、ポリゴンミラーが密閉されて設けられている場合には、ポリゴンミラー部が集中的に高温となり、これにより、fθレンズに大きな温度偏差が生じてしまう。
【0009】
このような光走査装置を用いた画像形成装置では、fθレンズなどに温度偏差が生じると感光体上の像面での走査速度がfθレンズの部位によって変わり、画像の倍率がそれぞれの部位で変化してしまう。このために、主査方向に倍率偏差が生じ、高品質の画像が得られなくなってしまうことがある。
【0010】
本発明の目的は、偏向部からの熱により光学素子に温度偏差が生じることを防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の光走査装置は、画像情報に基づいて光ビームを出射する光源と、回転駆動され前記光源から出射された光ビームを対称な2方向に振り分けて偏向する偏向部と、前記偏向部を中心にして前記2方向に対称に配置され、前記偏向部により2方向に振り分けられて偏向された光ビームを等角速度走査光から等速度走査光に変換するものであって、樹脂により形成された複数のfθレンズと、前記偏向部と前記複数のfθレンズとを保持する金属により形成された第一のハウジングと、前記第一のハウジングを下面部で支持して収納するとともに前記光源を収納支持するものであって、樹脂により形成された第二のハウジングと、を備え、当該第二のハウジングの前記下面部に前記第二のハウジングの内部を露出させる開口部を有する。
【0012】
したがって、偏向部の回転により発生した熱を第一のハウジングを介して効率良くfθレンズに伝えるとともに、偏向部の回転により発生した熱を光走査装置の各部に効率良く伝えることにより、ハウジング内で広く場所を占有するfθレンズの部位毎での温度偏差及び倍率偏差が生じないようにするだけでなく、各々のfθレンズ間で温度偏差及び倍率偏差が生じることが防止される。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、前記第一のハウジングを支持する第二のハウジングと、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第一の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第一の嵌合片とを有し、前記第一の穴に前記第一の嵌合片がスライド自在に嵌合している第一の嵌合部と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第二の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第二の嵌合片とを有し、前記第二の穴と前記第二の嵌合片とが前記第一の位置決め部への接離方向及び前記第一の嵌合片の前記第一の穴へのスライド方向へ遊びを持って遊嵌している第二の嵌合部と、を備え、前記第一の嵌合部と前記第二の嵌合部とにより前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとの位置決めが行なわれている。
【0016】
したがって、第一のハウジングと第二のハウジングとの線膨張係数が違う場合であっても、偏向部で熱が発生したときに、第一のハウジングと第二のハウジングとの熱膨張が第二の嵌合部により規制されることがなく、第一のハウジングと第二のハウジングとに歪みが発生することを防止することが可能となる。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記第一のハウジングは、前記開口部から前記第二のハウジングの外部に突出して形成され放熱を行なうフィンを有する。
【0024】
したがって、熱がフィンから放出され、光走査装置全体の温度上昇が抑制され、これにより、光学素子の温度偏差の発生を防止することが可能であり、かつ、光学素子の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0027】
請求項4記載の発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電部と、前記像担持体の表面を露光走査しその表面に静電潜像を形成する請求項1ないし3のいずれか一記載の光走査装置と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、前記トナー像を記録媒体に転写させる転写部と、を備える。
【0028】
したがって、請求項1ないし3のいずれか一記載の発明と同じ作用を奏する。これにより、記録媒体に形成される画像中での倍率変化を防止することができる。また、複数の光源を有する場合には、像担持体上の光ビームの重なりが防止され、これにより、画像の色味が変化することを防止することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、光走査装置を備えたタンデム型フルカラーレーザプリンタ(以降、単にレーザプリンタという)への適用例である。
【0030】
図1は、本実施の形態のレーザプリンタを概略的に示す縦断正面図である。図1に示すように、レーザプリンタ1の本体ケース2内部の略中央部には、4つの作像部3(3Y、3C、3M、3B)と、光ビームL(L1,L2,L3、L4)を出射する光走査装置4と、中間転写ベルト5とが配置されている。各作像部3はそれぞれ異なる色の画像(トナー像)を形成する部分であり、これらの作像部3及びその作像部3の構成部品等に関する本明細書及び図面の記載において、Y、C、M、Bの添え字は、各々イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を示している。
【0031】
4つの作像部3Y、3C、3M、3Bは、使用するトナーの色が異なるために形成される画像の色が異なるものであり、基本的な構造は同じである。
【0032】
各作像部3は、矢印方向へ回転駆動される像担持体である感光体6(6Y、6C、6M、6B)、感光体6の周囲に配置された帯電部7、現像部8、クリーニング部9等により構成されている。
【0033】
感光体6は、円筒状に形成され、駆動源(図示せず)により回転駆動される。感光体6の外周面部には感光層が設けられており、感光体6の表面である外周面6aは被走査面とされている。光走査装置4から出射された光ビームLが感光体6の外周面6aに照射されることにより、感光体6の外周面6aには画像情報に応じた静電潜像が書き込まれる。なお、光走査装置4から出射された光ビームLを各感光体6の外周面6aに照射させるための照射用スリット10が、各作像部3における帯電部7と現像部8との間に設けられている。
【0034】
帯電部7は、感光体6の外周面6aを一様に帯電するもので、感光体6に対して非接触方式のものが採用されている。
【0035】
現像部8は、感光体6へのトナーの供給を行い、供給されたトナーが感光体6の外周面6aに書き込まれた静電潜像に付着することにより感光体6上の静電潜像がトナー像として顕像化させるもので、感光体6に対して非接触方式のものが採用されている。
【0036】
クリーニング部9は、感光体6の外周面6aに付着している残留トナーをクリーニングするもので、感光体6の外周面6aにブラシを接触させるブラシ接触方式のものが採用されている。
【0037】
中間転写ベルト5は、樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトで、感光体6上に形成されたトナー像が転写される。この中間転写ベルト5は、ローラ11、12、13により支持されて矢印方向へ回転駆動される。中間転写ベルト5の内周面側(ループの内側)には、各感光体6上のトナー像を中間転写ベルト5上に転写させるために中間転写ベルト5を感光体6に押圧する4個の転写ローラ14が配置されている。中間転写ベルト5の外周面6a側(ループの外側)には、中間転写ベルト5の外周面6aに付着した残留トナーや紙粉等をクリーニングするクリーニング部15が配置されている。
【0038】
本体ケース2内における4個の作像部3及び光走査装置4の下方には、記録媒体(用紙)Aが積層保持される給紙カセット16が配置されている。給紙カセット16内に積層保持されている記録媒体Aは、最上位のものから順に分離給紙される。
【0039】
本体ケース2内には、給紙カセット16内から分離給紙された記録媒体Aが搬送される搬送経路17が形成されている。この搬送経路17上には、レジストローラ18、中間転写ローラ19、定着部20、排紙ローラ21等が配置されている。
【0040】
レジストローラ18は、所定のタイミングで間欠的に回転駆動されるローラである。このレジストローラ18が間欠的に回転駆動されることにより、レジストローラ18の位置まで搬送されて停止していた記録媒体Aが、中間転写ベルト5と中間転写ローラ19とにより挟まれる転写位置へ送り込まれ、この転写位置において中間転写ベルト5上のトナー像が記録媒体Aに転写される。ここに、中間転写ベルト5と中間転写ローラ19とにより転写部が構成されている。
【0041】
定着部20は、記録媒体A上に転写されたトナー像を熱と圧力とを加えて記録媒体Aに定着させる部分である。定着部20内を通過する過程においてトナー像が定着された記録媒体Aは、排紙ローラ21により本体ケース2の上面部に形成されている排紙トレイ部22上に排紙される。
【0042】
次に、光走査装置4について図2に基づいて説明する。図2は光走査装置4を概略的に示す縦断正面図である。
【0043】
光走査装置4は、図示しない4つの光源ユニットと、各光源ユニットからの光ビームL1,L2,L3,L4を対称な2方向に振り分けて偏向走査する光偏向器23と、この光偏向器23を中心にして前記2方向に対称に配置され、光偏向器23により偏向走査される複数の光ビームL1,L2,L3,L4をそれぞれ対応する感光体6Y,6C,6M,6Bの外周面6a上に導き結像する光学系(光学素子であるfθレンズ24,25、トロイダルレンズ26,27,28,29、光路折り返し用ミラー30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41等)を備えており、これらの構成部材はハウジング42の内部に収納されている。
【0044】
ハウジング42は、光偏向器23及びfθレンズ24,25を保持する第一のハウジング43と、この第一のハウジング43を下面部で支持して収納するとともに光走査装置4の各部(トロイダルレンズ26,27,28,29、光路折り返し用ミラー30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41等)を収納支持する第二のハウジング44とから構成されている。第一のハウジング43は金属であるアルミにより形成され、第二のハウジング44は、樹脂により形成されている。第一のハウジング43の熱伝導率は、第二のハウジング44及びfθレンズ24,25の熱伝導率よりも高い。
【0045】
第二のハウジング44は、光走査装置4の各部を覆っておりカバーとして機能している。第二のハウジング44の上部には光ビームLが通過する開口部が設けられ、その開口部には防塵ガラス45,46,47,48が取り付けられている。また、第二のハウジング44の下面部には、第二の内部を露出させる2つの開口部49,50が設けられている。この第二のハウジング44の開口部49,50からは、第一のハウジング43に形成され放熱を行なうフィン51,52が外部に突出している。
【0046】
第一のハウジング43は、第一の嵌合部53と第二の嵌合部54とにより第二のハウジング44に対して位置決めされている。
【0047】
第一の嵌合部53は、第一のハウジング43の中央部において下方に向かって突出して形成された第一の嵌合片である円筒形状の円筒部55と、第二のハウジング44の下面部の中央部に形成され円筒部55がスライド自在に嵌合している第一の穴56とから構成されている。
【0048】
第二の嵌合部54は、第二のハウジング44の下面部において第一の穴56を挟んだ両端部に形成された2つの長孔57,58と、これらの長孔57,58に挿通され第一のハウジング43において円筒部55を挟んだ両端部の下部に取り付けられた第二の嵌合片である段付きネジ59,60とにより構成されている。これらの段付きネジ59,60の軸方向は円筒部55の軸方向と同じ、つまり、円筒部55の第一の穴56へのスライド方向aと同じとされている。
【0049】
長孔57,58は、第一の嵌合部53に対する接離方向bを長手方向として形成されている。そして、段付きネジ59,60は、ネジ部と頭部との間に形成された段部61がこの長孔57,58に挿通されている。この段部61の軸方向の長さ(高さ)は、第二のハウジング44の板厚よりも長く設定され、段部61の径は、長孔57,58の長手方向の幅よりも小さく設定されている。これらにより、段付きネジ59,60は、長孔57,58の長手方向(第一の嵌合部53に接離する方向b)及び円筒部55の第一の穴56へのスライド方向aへ移動可能とされている。つまり、段付きネジ59,60は、第一の嵌合部53に接離する方向b及び円筒部55の第一の穴56へのスライド方向aへ遊びを持って長孔57,58に遊嵌している。ここで、段付きネジ59,60は、第一のハウジング43の一部を構成している。
【0050】
光偏向器23は、偏向部であるポリゴンミラー62を有しており、このポリゴンミラー62はポリゴンモータ(図示せず)により高速で等速回転駆動される。このポリゴンミラー62は2段のポリゴンミラー62a,62bにより構成されている。そして、光偏向器23では、等速回転駆動されるポリゴンミラー62によって光ビームLを等角速度走査している。ポリゴンミラー62及びポリゴンモータは、第一のハウジング43の円筒部55に形成された保持部55aに保持されている。そして、このポリゴンミラー62及びポリゴンモータは、インナカバー63と遮音ガラス64とにより略密閉された密閉空間Sに収納されている。インナカバー63と遮音ガラス64との間には密閉性を向上させるためのシール部材65が設けられている。そして、ポリゴンミラー62に偏向された光ビームLは、遮音ガラス64を通過する。尚、図1、図2の構成では、ポリゴンミラー62a,62bはL1,L4の光ビーム用と、L2,L3の光ビーム用との上下2段に分けた構成となっているが、1つの厚めのポリゴンミラーで偏向走査する構成としてもよい。
【0051】
fθレンズ24,25は、樹脂材料により形成された結像レンズであり、第一のハウジング43にポリゴンミラー62を挟んだ位置で保持されている。これらのfθレンズ24,25は上下2層構造とされている。これらのfθレンズ24,25は、ポリゴンミラー62に偏向された光ビームLを等角速度走査光から等速度走査光に変換する。
【0052】
そして、この光走査装置4では、図示しない原稿読取装置(スキャナー)や画像情報出力装置(パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等)から入力される色分解された画像情報を光源駆動用の信号に変換し、それに基づいて各光源ユニット内の光源(半導体レーザ(LD))を駆動して光ビームL1,L2,L3,L4を出射する。各光源ユニットから出射された光ビームL1,L2,L3,L4は、ポリゴンモータで等速回転されている2段のポリゴンミラー62a,62bで対称な2方向に偏向走査される。
【0053】
光偏向器23のポリゴンミラー62a,62bで2ビームずつ2方向に偏向走査された光ビームL1,L2,L3,L4は、遮音ガラス64を通過し、fθレンズ24,25で等角速度走査光から等速度走査光に変換され、第1折り返しミラー30,31,32,33により折り返されて、トロイダルレンズ26,27,28,29を通過し、第2折り返しミラー34,36,38,40、第3折り返しミラー35,37,39,41、防塵ガラス45,46,47,48を介して各色用の感光体6Y,6C,6M,6Bの外周面6a上に照射され静電潜像を書き込む。
【0054】
ここで、光偏向器23によって偏向走査される光ビームL1,L2,L3,L4の走査方向が主走査方向であり、これは各感光体6Y,6C,6M,6Bの軸方向である。また、この主走査方向に直交する方向が副走査方向であり、これは感光体6Y,6C,6M,6Bの回転方向(感光体6の外周面6aの移動方向)であり、さらには中間転写ベルト5の搬送方向である。すなわち、中間転写ベルト5の幅方向が主走査方向、搬送方向が副走査方向となる。
【0055】
このような構成において、カラー画像のプリント時には、各作像部3の感光体6の外周面6aにそれぞれ異なった色のトナー像が形成され、各感光体6の外周面6aに中間転写ベルト5が押圧されることにより感光体6上のトナー像が中間転写ベルト5上に重ね転写され、中間転写ベルト5上にカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト5上に形成されたカラーのトナー像は、給紙カセット16内から分離給紙された記録媒体Aが中間転写ベルト5と中間転写ローラ19とによる挟持位置を通過する過程でその記録媒体Aに転写される。記録媒体A上に転写されたカラーのトナー像はその記録媒体Aが定着部20内を通過する過程で定着され、カラーのトナー像が定着された記録媒体Aが排紙トレイ部22に排紙される。
【0056】
ここで、このようなプリントの際には、光走査装置4のポリゴンミラー62が高速で回転することによりポリゴンミラー62が熱を持つことになる。さらに、ポリゴンミラー62が高速で回転することにより高温の気流が密閉空間S内部に発生する。このようにして発生した熱は、第一のハウジング43によりfθレンズ24,25に伝達される。このとき、第一のハウジング43がfθレンズ24,25の材料よりも熱伝導率が高い材料で形成されているので、上述したようなポリゴンミラー62の回転により発生した熱が効率良くfθレンズ24,25に伝わる。これにより、fθレンズ24,25に温度偏差が生じることを防止することができる。よって、fθレンズ24,25における主走査方向に倍率偏差が生じることを防止することができる。
【0057】
また、第一のハウジング43の材料は、第二のハウジング44の材料よりも熱伝導率が高い材料であるので、ポリゴンミラー62の回転により発生した熱を効率良く第二のハウジング44に伝えることができ、これによりその熱を光走査装置4の各部に効率良く伝えることができ、光走査装置4全体での温度偏差の発生を防止することができる。
【0058】
また、第一のハウジング43の材料が金属であり、fθレンズ24,25の材料が射出成形可能な樹脂であるので、例えば、第一のハウジング43の材料として樹脂よりも熱伝導率が高いカーボンフラファイトなどを使用した場合や、fθレンズ24,25の材料としてガラスを使用した場合などに比べて、光走査装置4のコストを低減することができる。また、第二のハウジング44の材料が樹脂であることにより、射出成形ができるので、光走査装置4のコストをさらに低減することができる。
【0059】
また、第一のハウジング43と第二のハウジング44との線膨張係数が違うことにより、ポリゴンミラー62の回転により熱が発生したときに、第一のハウジング43と第二のハウジング44との熱膨張率に違いが生じるが、このとき、例えば、第二の嵌合部が遊びを持っていない嵌合である場合には、線膨張係数の違いにより、第一のハウジング43と第二のハウジング44とに歪みが生じてしまうが、本実施の形態では、第二の嵌合部54が第一の嵌合部53に接離する方向b及び円筒部55の第一の穴56へのスライド方向aへ遊びを持った遊嵌であるので、第一のハウジング43と第二のハウジング44との熱膨張が第二の係合部に規制されることがなく、第一のハウジング43と第二のハウジング44とが熱膨張することができ、第一のハウジング43と第二のハウジング44とに歪みが発生することを防止することができる。これにより、fθレンズ24,25の位置精度の悪化を防止することができる。また、fθレンズ24,25の結像性能の悪化を防止することができ、感光体6に結像する光ビームLのスポット径の精度を向上することができる。
【0060】
また、第二のハウジング44に第二のハウジング44の内部を露出させる開口部49,50が形成されているので、ポリゴンミラー62からの熱がこの開口部49,50から放出され、光走査装置4全体の温度上昇が抑制される。これにより、fθレンズ24,25の温度偏差を防止できるともに、fθレンズ24,25の温度上昇を抑制することができ、fθレンズ24,25全体の倍率を安定させることできる。
【0061】
また、ポリゴンミラー62からの熱は、フィン51,52により第二のハウジング44の外部に放出されるので、光走査装置4全体の温度上昇がさらに抑制される。これにより、fθレンズ24,25の温度偏差を防止できるともに、fθレンズ24,25の温度上昇をさらに効果的に抑制することができ、光学素子全体の倍率をさらに安定させることができる。尚、フィン51,52に対して強制的に外気を当てるファンを設けることによりさらにフィン51,52の放熱効果を向上させることができる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態ではfθレンズ24,25に温度偏差及び倍率偏差が生じることが防止されるので、複数の光ビームLの相対位置を常に安定して保つことができる。また、fθレンズ24,25に温度偏差及び倍率偏差が生じることが防止されるので、記録媒体Aに形成される画像中での倍率変化を防止することができる。また、感光体6上の光ビームLの重なりを防止することができ、これにより画像の色味が変化することを防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の光走査装置によれば、画像情報に基づいて光ビームを出射する光源と、回転駆動され前記光源から出射された光ビームを対称な2方向に振り分けて偏向する偏向部と、前記偏向部を中心にして前記2方向に対称に配置され、前記偏向部により2方向に振り分けられて偏向された光ビームを等角速度走査光から等速度走査光に変換するものであって、樹脂により形成された複数のfθレンズと、前記偏向部と前記複数のfθレンズとを保持する金属により形成された第一のハウジングと、前記第一のハウジングを下面部で支持して収納するとともに前記光源を収納支持するものであって、樹脂により形成された第二のハウジングと、を備え、当該第二のハウジングの前記下面部に前記第二のハウジングの内部を露出させる開口部を有することにより、偏向部の回転により発生した熱を第一のハウジングを介して効率良くfθレンズに伝えるとともに、偏向部の回転により発生した熱を光走査装置の各部に効率良く伝えることにより、ハウジング内で広く場所を占有するfθレンズの部位毎での温度偏差及び倍率偏差が生じないようにするだけでなく、各々のfθレンズ間で温度偏差及び倍率偏差が生じることを防止することができるので、複数の光ビームの相対位置を常に安定して保つことができる。
【0065】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光走査装置において、前記第一のハウジングを支持する第二のハウジングと、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第一の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第一の嵌合片とを有し、前記第一の穴に前記第一の嵌合片がスライド自在に嵌合している第一の嵌合部と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第二の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第二の嵌合片とを有し、前記第二の穴と前記第二の嵌合片とが前記第一の位置決め部への接離方向及び前記第一の嵌合片の前記第一の穴へのスライド方向へ遊びを持って遊嵌している第二の嵌合部と、を備え、前記第一の嵌合部と前記第二の嵌合部とにより前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとの位置決めが行なわれていることにより、第一のハウジングと第二のハウジングとの線膨張係数が違う場合であっても、偏向部で熱が発生したときに、第一のハウジングと第二のハウジングとの熱膨張が第二の嵌合部により規制されることがなく、第一のハウジングと第二のハウジングとに歪みが発生することを防止することができる。これにより、光学素子の位置精度の悪化を防止することができ、光学素子の結像性能の悪化を防止することができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記第一のハウジングは、前記開口部から前記第二のハウジングの外部に突出して形成され放熱を行なうフィンを有することにより、熱がフィンから放出されるので、光走査装置全体の温度上昇を抑制することができ、これにより、光学素子の温度偏差の発生を防止することができ、かつ、光学素子の温度上昇を効果的に抑制することができ、光学素子全体の倍率をさらに安定させることができる。
【0071】
請求項4記載の発明の画像形成装置によれば、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電部と、前記像担持体の表面を露光走査しその表面に静電潜像を形成する請求項1ないし3のいずれか一記載の光走査装置と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、前記トナー像を記録媒体に転写させる転写部と、を備えることにより、請求項1ないし3のいずれか一記載の発明と同じ作用効果を奏することができる。これにより、記録媒体に形成される画像中での倍率変化を防止することができる。また、複数の光源を有する場合には、像担持体上の光ビームの重なりを防止することができ、これにより画像の色味が変化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のレーザプリンタを概略的に示す縦断正面図である。
【図2】光走査装置を概略的に示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ(画像形成装置)
4 光走査装置
5 中間転写ベルト(転写部)
6(6Y,6C,6M,6B) 感光体(像担持体)
6a 外周面(表面)
7 帯電部
8 現像部
19 中間転写ローラ(転写部)
24,25 fθレンズ(光学素子)
43 第一のハウジング
44 第二のハウジング、カバー
49,50 開口部
51,52 フィン
53 第一の嵌合部
54 第二の嵌合部
55 円筒部(第一の嵌合片)
56 第一の穴
57,58 長孔(第二の穴)
59,60 段付きネジ(第二の嵌合片)
62 ポリゴンミラー(偏向部)
A 記録媒体
L(L1,L2,L3L4) 光ビーム
Claims (4)
- 画像情報に基づいて光ビームを出射する光源と、
回転駆動され前記光源から出射された光ビームを対称な2方向に振り分けて偏向する偏向部と、
前記偏向部を中心にして前記2方向に対称に配置され、前記偏向部により2方向に振り分けられて偏向された光ビームを等角速度走査光から等速度走査光に変換するものであって、樹脂により形成された複数のfθレンズと、
前記偏向部と前記複数のfθレンズとを保持する金属により形成された第一のハウジングと、
前記第一のハウジングを下面部で支持して収納するとともに前記光源を収納支持するものであって、樹脂により形成された第二のハウジングと、
を備え、
当該第二のハウジングの前記下面部に前記第二のハウジングの内部を露出させる開口部を有する、
ことを特徴とする光走査装置。 - 前記第一のハウジングを支持する第二のハウジングと、
前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第一の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第一の嵌合片とを有し、前記第一の穴に前記第一の嵌合片がスライド自在に嵌合している第一の嵌合部と、
前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか一方に設けられた第二の穴と、前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとのいずれか他方に設けられた第二の嵌合片とを有し、前記第二の穴と前記第二の嵌合片とが前記第一の位置決め部への接離方向及び前記第一の嵌合片の前記第一の穴へのスライド方向へ遊びを持って遊嵌している第二の嵌合部と、
を備え、
前記第一の嵌合部と前記第二の嵌合部とにより前記第一のハウジングと前記第二のハウジングとの位置決めが行なわれている請求項1記載の光走査装置。 - 前記第一のハウジングは、前記開口部から前記第二のハウジングの外部に突出して形成され放熱を行なうフィンを有する請求項1又は2記載の光走査装置。
- 像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電部と、
前記像担持体の表面を露光走査しその表面に静電潜像を形成する請求項1ないし3のいずれか一記載の光走査装置と、
前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、
前記トナー像を記録媒体に転写させる転写部と、
を備える画像形成装置。
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