JP3441969B2 - 光偏向走査装置およびこれを搭載する画像形成装置 - Google Patents

光偏向走査装置およびこれを搭載する画像形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザビームプリン
タやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる
光偏向走査装置およびこれを搭載する画像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタやレーザファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる光偏向走査装置は、
高速回転する回転多面鏡によってレーザビーム(レーザ
光)等の光ビームを反射させてこれを偏向走査し、得ら
れた走査光を回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜
像を形成する。次いで、感光体の静電潜像を現像装置に
よってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体
に転写して定着装置へ送り、記録媒体上のトナーを加熱
定着させることで印刷(プリント)が行なわれる。
【0003】図6は一従来例による光偏向走査装置を示
すもので、図示しない半導体レーザから発生されたレー
ザ光はコリメータレンズによって平行化され、絞り50
1bを経てシリンドリカルレンズによって線状の光束に
集光されて、回転多面鏡503の反射面に入射する。そ
の反射光は、回転多面鏡503の回転によって偏向走査
されて、所定の方向(主走査方向)の走査光となり、結
像レンズ系504を経て図示しない回転ドラム上の感光
体に結像する。感光体に結像する光束は、回転多面鏡5
03の回転による主走査と、回転ドラムの回転による副
走査に伴なって静電潜像を形成する。
【0004】半導体レーザやシリンドリカルレンズ、回
転多面鏡503、結像レンズ系504等は合成樹脂製の
光学箱510の側壁や底壁に取り付けられる。回転ドラ
ムは光学箱510の外側に配設されており、光学箱51
0の一端部には走査光を光学箱510から回転ドラムに
向かって取り出すための窓511が設けられている。
【0005】結像レンズ系504は、球面レンズ504
aとトーリックレンズ504bからなり、回転多面鏡5
03によって等角速度で走査される走査光を回転ドラム
上において等速度で走査する走査光に変換するいわゆる
fθ機能を有する。
【0006】光学箱510の上向きの開口は、光学箱5
10内に回転多面鏡503や結像レンズ系504等を組
み付けたうえで、ふた部材520によって閉塞される。
【0007】回転多面鏡503を回転駆動するモータ5
03aは、モータ基板に実装された駆動用ICと、該駆
動用ICから供給される駆動電流によって励磁されるス
テータおよびこれに対向するロータ等からなる磁気回路
によって構成される。
【0008】このような構成の光偏向走査装置におい
て、画像形成装置のプリント速度P(mm/s)、プリ
ンタ解像度T(dpi)、回転多面鏡503の反射面の
数Mとすると、回転多面鏡503の回転数N(rpm)
は以下の式によって定められる。
【0009】N=P/25.4×T/M×60 近年では、光偏向走査装置を搭載する画像形成装置の高
精細化と高速化に伴なって回転多面鏡503の回転数が
上昇し、数万回転に及ぶものも開発されている。回転多
面鏡503を高速回転させると、風切り音による騒音が
大きくなるため、回転多面鏡503を覆う密閉型のカバ
ー512を配設することで、運転中の騒音を低減するよ
うに工夫されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、回転多面鏡を密閉型のカバーによって
覆うと、回転多面鏡の回転による風損エネルギーがカバ
ー内で熱に変わり、内部が著しく昇温して、回転多面鏡
の反射面の蒸着膜を酸化させたり、剥離を起こす等のト
ラブルを生じる。
【0011】加えて、カバー内の昇温がカバー自体の温
度を上昇させ、その結果、ふた部材によって密閉された
光学箱内の雰囲気の温度が上昇して、特に結像レンズ系
がプラスチックレンズを含んでいる場合にはその光学特
性を著しく劣化させるため、画像のピンぼけ等の画質劣
化を招くという不都合もある。また、光学箱の材質は、
プラスチック材料等の非金属であることが多いため、放
熱性が悪く、このために内部が極めて昇温しやすい傾向
にある。
【0012】このような昇温による問題を解決するため
には、光学箱を大型化して熱容量を増大させたり、放熱
フィン等を付加する等の対策も考慮されているが、装置
全体の大型化につながり、商品性を著しく損なうおそれ
がある。
【0013】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、回転多面鏡を覆う
カバーの放熱を促進し、カバー内の昇温による画質劣化
等を回避できる小型かつ高性能な光偏向走査装置および
これを搭載する画像形成装置を提供することを目的とす
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の光偏向走査装置は、光ビームを偏向走査す
る回転多面鏡と、該回転多面鏡を覆うカバーと、前記光
ビームを感光体に結像させる結像手段と、前記回転多面
鏡を回転駆動する駆動手段と、前記カバーの頂部に当接
された伝熱部材と、該伝熱部材の熱を外部部品へ放出す
るための放熱板を有することを特徴とする。
【0015】カバーが密閉型であるとよい。
【0016】結像手段と回転多面鏡を収容する光学箱
と、その開口を閉じるふた部材が設けられており、該ふ
た部材が、カバーの頂部に向かって開口する開口部を備
えているとよい。
【0017】伝熱部材が、カバーの頂部と放熱板の間に
弾力的に圧縮された状態で挟持されているとよい。
【0018】
【作用】回転多面鏡は、回転中の風切り音による騒音を
低減するためのカバーによって覆われている。カバー内
は、回転多面鏡の風損エネルギーによって昇温しやすい
ため、カバーの頂部に伝熱部材を当接し、これを、ふた
部材の開口部から外部へ露出させ、放熱板によって画像
形成装置の本体フレーム等に直接放熱する。
【0019】光学箱等を大型化することなく回転多面鏡
のカバーの放熱を促進し、カバー内の昇温による画質劣
化を防ぐことで、小型かつ高性能な画像形成装置を実現
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0021】図1は一実施の形態による光偏向走査装置
の内部構成を示すもので、半導体レーザ1から発生され
た光ビームであるレーザ光はコリメータレンズ1aによ
って平行化され、絞り1bを経てシリンドリカルレンズ
2によって線状の光束に集光されて、回転多面鏡3の反
射面に入射する。その反射光は、回転多面鏡3の回転に
よって偏向走査されて、所定の方向(主走査方向)の走
査光となり、結像手段である結像レンズ系4を経て図示
しない回転ドラム上の感光体に結像する。感光体に結像
する光束は、回転多面鏡3の回転による主走査と、回転
ドラムの回転による副走査に伴なって静電潜像を形成す
る。
【0022】半導体レーザ1やシリンドリカルレンズ
2、回転多面鏡3、結像レンズ系4等は非金属材料であ
るプラスチック製の光学箱10の側面や底壁に取り付け
られる。回転ドラムは光学箱10の外側に配設されてお
り、光学箱10の一端部には走査光を光学箱10から回
転ドラムに向かって取り出すための窓11(図2参照)
が設けられている。
【0023】結像レンズ系4は、比較的安価なプラスチ
ック製の球面レンズ4aとトーリックレンズ4bからな
り、回転多面鏡3によって等角速度で走査される走査光
を回転ドラム上において等速度で走査する走査光に変換
するいわゆるfθ機能を有する。
【0024】光学箱10の上向きの開口は、光学箱10
内に回転多面鏡3や結像レンズ系4等を組み付けたうえ
で、ふた部材20によって閉塞される。
【0025】回転多面鏡3を回転駆動する駆動手段であ
るモータ3aは、モータ基板3bと、これに実装された
駆動用ICから供給される駆動電流によって励磁される
ステータおよびこれに対向するロータからなる磁気回路
によって構成される。
【0026】回転多面鏡3を高速回転させると風切り音
による騒音が増大するため、回転多面鏡3を覆う密閉型
のカバー12が設けられている。図2に示すように、カ
バー12は、アルミダイキャスト等の金属材料によって
一体成形されたもので、レーザ光を入出射させるための
開口12aを有し、該開口12aには、防塵のための防
塵ガラス13が取り付けられている。このようにカバー
12は、回転多面鏡3の風切り音が外へ洩れるのを防ぐ
防音と、回転多面鏡3が浮遊塵埃等によって汚染される
のを防ぐ防塵等の目的を兼ねて配設されたものである。
【0027】カバー12が密閉型であるために、回転多
面鏡3の回転による風損エネルギーが放出されずに、カ
バー12内が著しく昇温して、回転多面鏡3の反射面の
蒸着膜が変質したり、剥離等を起こして、反射率の低下
等による画質劣化を起こすおそれがある。これを防ぐた
めに、カバー12の頂部に、熱伝導性にすぐれたシリコ
ンゴムシート等で作られた伝熱部材14を当接し、さら
にその上に、アルミ等の金属製の放熱板15を当接し
て、放熱板15を外部部品である画像形成装置の本体フ
レーム30にビス16によって固着する。カバー12内
部の熱は、カバー12の頂部から伝熱部材14と放熱板
15を経て本体フレーム30に直接放出される。
【0028】ふた部材20は、図4に示すように、カバ
ー12の頂部を露出させるための開口部20aを備えて
いる。放熱板15は、図3に示すように、ふた部材20
の一部分に重なるように配設され、ふた部材20の開口
部20aから露出するカバー12の頂部と放熱板15の
間に伝熱部材14が弾力的に圧縮されて挟持される。
【0029】ふた部材20の開口部20aの開口寸法
は、少なくとも伝熱部材14の面積より小さい。従っ
て、伝熱部材14がふた部材20とカバー12の頂部の
間に弾力的に圧縮された状態で挟持されると、カバー1
2の頂部とふた部材20の間が伝熱部材14によって密
封され、浮遊塵埃等が光学箱10内に侵入するのを防ぐ
ことができる。
【0030】本実施の形態によれば、回転多面鏡の周囲
を密閉型のカバーによって覆うことで風切り音による騒
音を低減するとともに、カバーの熱をカバーの頂部から
伝熱部材と放熱板を経て本体フレームに直接逃がすこと
で、光学箱を大型化することなくカバー内の昇温を防ぐ
ことができる。
【0031】このようにして、カバー内の昇温による回
転多面鏡の反射率の低下や、光学箱内の雰囲気温度が上
昇することによる結像レンズ系等の光学特性の劣化等の
トラブルのない、小型かつ高性能でしかも運転音の静か
な画像形成装置を実現できる。
【0032】なお、本実施の形態におけるカバーは密閉
型であるが、密閉型でないカバーの場合にも適用できる
ことは言うまでもない。
【0033】また、伝熱部材としてシリコンゴムシート
を用いれは前述のようにカバーとふた部材の間を密封す
る密封手段を兼ねることができるが、シリコンゴムシー
トの替わりに熱伝導率の高いバネ材からなる伝熱部材を
配設し、カバーとふた部材の間はモルトプレーン等の防
塵部材によって密封するように構成することもできる。
【0034】次に画像形成装置の全体構成を説明する。
図5に示すように、画像形成装置本体Aは、その上部に
ブック原稿の画像面の画像情報を読みとる画像読みとり
手段となるスキャナ部Bを有し、さらにその下部にシー
トデッキDを組み付けて構成されている。
【0035】前記スキャナ部Bは、走査系光源201、
プラテンガラス202、装置本体Aに対して開閉可能な
原稿圧板203、ミラー204、レンズ205、および
受光素子(光電変換素子)206および画像処理部など
を有して構成されている。そして、プラテンガラス20
2上に本や厚紙、カール紙等のブック原稿やシート状原
稿などを原稿面を下側にして載置し、原稿圧板203に
より背面を押圧して静止状態でセットし、読みとり開始
キーを押すと、走査系光源201がプラテンガラス20
2の下部を図1の矢印a方向に走査して原稿面の画像情
報を読みとる。走査系光源201により読みとられた原
稿の画像情報は画像処理部で処理され、電気信号に変換
されて図1の光偏向走査装置であるレーザスキャナ11
1に伝送される。
【0036】ここで、画像形成装置本体Aは、レーザス
キャナ111に画像処理部の処理信号を入力すれば複写
機として機能し、パーソナルコンピュータの出力信号を
入力すればプリンタとして機能する。また、他機のファ
クシミリ装置からの送信信号を入力したり、画像処理部
の処理信号を他機のファクシミリ装置に送信すれば、フ
ァクシミリ装置として機能する。
【0037】209は排熱ファンで本体の中の昇温した
空気を本体外に排出する。
【0038】一方、画像形成部Cの下部にはシートカセ
ット208を装着しており、このシートカセット208
は下段カセット208aと上段カセット208bの2個
で1つの給送ユニットとして構成されている。本実施の
形態では3つの給送ユニットU1,U2,U3を装着し
て6個のカセットを装着するようにしている。そして、
上方に位置する1つの給送ユニットU1は装置本体Aに
対して着脱可能に取り付け、下方の2つの給送ユニット
U2,U3はシートデッキDに着脱可能に取り付けられ
ている。
【0039】前記カセット208a,208b内に収容
されたシート(記録紙)は、後述するように給送回転体
となるピックアップローラ103により繰り出され、フ
ィードローラ104と、リタードローラ105との協働
作用により1枚ずつ分離、給送された後、搬送ローラ1
07,108によって搬送され、レジストローラ106
に導かれ、該レジストローラ106によって画像形成動
作に同期するようにして画像形成部Cへと給送される。
【0040】画像形成部Cは、電子写真感光体ドラム
(回転ドラム)112、画像書き込みミラー113、現
像器114および転写帯電器115等を有して構成され
ている。そして、転写帯電器115により一様に帯電さ
れた電子写真感光体ドラム112の表面にレーザスキャ
ナ111から射出された画像情報に対応するレーザ光が
画像書き込み光学系により走査されて潜像を形成し、こ
の潜像に現像器114によりトナー画像が形成されて、
レジストローラ106により電子写真感光体ドラム11
2の回転に同期して搬送されたシートに転写帯電器11
5によりシートの第1面にトナー画像が転写される。
【0041】117はトナーが形成されたシートを搬送
する搬送ベルト、118は定着装置、119は排出ロー
ラである。トナー画像が形成されたシートは搬送ベルト
117により定着装置118に搬送されて、加熱および
加圧されてトナー画像がシート表面に定着された後、排
出ローラ119によって機外に配置されたソータ120
に排出、積載される。
【0042】また、シートの両面に画像を記録する場合
には、定着装置118から排出されたシートが排出ロー
ラ119に挟持され、シートの後端が分岐点207を通
過した時点で該排出ローラが逆転し、シート両面トレイ
121上に一旦載置された後、搬送ローラ107,10
8により搬送されて、レジストローラ106に到達し、
反転されたシートは第2面に前述と同様に画像が形成さ
れた後、ソータ120に排出積載されるように構成され
ている。
【0043】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0044】光学箱等を大型化することなく回転多面鏡
を覆うカバーの放熱を促進し、カバー内の昇温による画
質劣化等のトラブルを防ぐことができる。これによっ
て、小型かつ高性能な画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による光偏向走査装置の内部を示
す一部破断平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿ってとった断面図である。
【図3】図1の装置の上面を示す一部破断平面図であ
る。
【図4】図1の装置のふた部材を示す平面図である。
【図5】画像形成装置の全体を説明する図である。
【図6】一従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 1b 絞り 2 シリンドリカルレンズ 3 回転多面鏡 3a モータ 4 結像レンズ系 10 光学箱 12 カバー 13 防塵ガラス 14 伝熱部材 15 放熱板 20 ふた部材 20a 開口部 30 本体フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、
    該回転多面鏡を覆うカバーと、前記光ビームを感光体に
    結像させる結像手段と、前記回転多面鏡を回転駆動する
    駆動手段と、前記カバーの頂部に当接された伝熱部材
    と、該伝熱部材の熱を外部部品へ放出するための放熱板
    を有する光偏向走査装置。
  2. 【請求項2】 カバーが密閉型であることを特徴とする
    請求項1記載の光偏向走査装置。
  3. 【請求項3】 結像手段と回転多面鏡を収容する光学箱
    と、その開口を閉じるふた部材が設けられており、該ふ
    た部材が、カバーの頂部に向かって開口する開口部を備
    えていることを特徴とする請求項1または2記載の光偏
    向走査装置。
  4. 【請求項4】 伝熱部材が、カバーの頂部と放熱板の間
    に弾力的に圧縮された状態で挟持されていることを特徴
    とする請求項1ないし3いずれか1項記載の光偏向走査
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか1項記載の光
    偏向走査装置と、これを支持する本体フレームを有し、
    前記光偏向走査装置の放熱板が、前記本体フレームに直
    接放熱するように構成されていることを特徴とする画像
    形成装置。
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