JP3969842B2 - 眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示させる眼鏡シミュレーションにおける合成画像作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを利用した眼鏡装用シミュレーションにおいて、正面肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせて、眼鏡の装用状態を確認するシステムが知られている(特開昭63−76581号公報)。このシステムでは、1台のビデオカメラ等を使って正面の肖像を肖像データとしてを取り込み、この取り込んだ肖像データと、コンピュータ内に保存された眼鏡フレームの形状データとを互いに正確なサイズでオーバーラップさせるため、角膜頂点間距離を利用してスケーリングを行っている。
【0003】
即ち、例えば、ある眼鏡装用者の角膜頂点間距離の実測値が60ミリで、画面上に取り込んだ画面上の角膜頂点間距離が30ミリだった場合、画面上の肖像は実際の1/2のサイズであり、画面の肖像を2倍に拡大すれば、実物大に表示されることになる。従って、例えば、この実物大に表示された正面肖像画像に、実物大の眼鏡フレーム画像をオーバーラップさせれば、装用者が眼鏡を装用した状態を正確なサイズでシミュレーションできることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、眼鏡を装用した正面肖像画像のシミュレーションは2次元的な平面画像であり、テンプル部品や智(ヨロイ)部品の装用状態を確認することはできなかった。しかし、眼鏡フレームのデザインイメージを確認する上で、眼鏡フレームを装用した側面肖像は重要である。即ち、ヨロイやテンプルに施されるオーナメント、宝石などによって、眼鏡装用者の横顔のイメージに大きな影響を与える。更に、テンプルの高さを変えてテンプルによる横顔の分割比率を変えることで、短い顔が長く見えたり、逆に長い顔が短く見えたりする効果が得られる。また、処方レンズとフレームとの装着状態を多面的にチェックすることもできる。従って、眼鏡フレームを装用した側面肖像画像が見られると、眼鏡フレームのデザイン決定などにおいて、総合的なきめの細かいデザインの判断・選定が可能となる。
【0005】
そこで、より多面的に眼鏡装用状態をシミュレーションできるように、側面肖像画像を肖像データとして使用し、眼鏡を装用した側面肖像画像を作成する試みが考えられる。
【0006】
それには、正面肖像画像の場合と同様に、側面肖像画像にフレーム画像を重ね合わせて合成するための正確なスケーリングが必要とされる。そのために、肖像をカメラで取り込む際に、「カメラと正面肖像の距離」と「カメラと側面肖像の距離」が正確に一致するように撮影し、側面肖像は正面肖像のスケーリング値と同じ値で拡大縮小する方法が考えられる。
【0007】
ところが、「カメラと正面肖像の距離」と「カメラと側面肖像の距離」を正確に一致させることは実際上非常に困難で、「カメラと側面肖像の距離」が「カメラと正面肖像の距離」よりも遠くなると側面肖像は画面上に小さく表示され、逆に「カメラと側面肖像の距離」が「カメラと正面肖像の距離」よりも近くなると側面肖像は大きく表示されることになる。特に、店頭での撮影スペースを小さくするために、カメラと肖像の距離を小さくとった場合、すなわちカメラの近くで撮影した場合、「カメラと正面肖像の距離」と「カメラと側面肖像の距離」のずれが小さくても、画面上に表示された正面肖像と側面肖像の大きさの差異はより増幅された状態になる。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、眼鏡の装用シミュレーションにおいて、カメラと肖像の距離に注意を払うことなく正面及び側面肖像を取り込むことができ、側面肖像画像のスケーリング値を簡単に且つ正確に求めることができ、側面肖像画像を正確なサイズで画面上に表示できる眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法は、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、前記人物の正面肖像の同一部分における正面肖像画像上の距離に対する実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求め、正面肖像画像の所定部分の垂直距離L1及び前記正面肖像画像の所定部分に対応する側面肖像画像の垂直距離L2を求め、これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めることを特徴とする。
【0010】
上記正面肖像画像のスケーリングに用いられる正面肖像の同一部分の距離としては、角膜頂点間距離、顔幅などが挙げられるが、特に、角膜頂点間距離を用いるのが好ましい。角膜頂点間距離は、眼鏡を製造する際にピューピロメータと呼ばれる専用の計測器で必ず実測される値であり、また、正面の肖像画像に取り込んでいる左右の瞳孔中心、すなわち左右の角膜頂点位置をポイントし、画像上の角膜頂点間の距離を計測することも容易であるからである。
【0011】
正面肖像画像のスケーリング値Aに、正面肖像画像と側面肖像画像とに共通する所定部分の垂直距離の比率L1/L2を掛けることによって、側面肖像画像のスケーリング値Bが得られる。このように、正面肖像画像のスケーリング値Aを用いることによって、側面肖像の実測をすることなく、正確な側面肖像画像のスケーリング値Bが求められる。正面及び側面肖像画像の共通する所定部分の垂直距離としては、例えば、角膜頂点、オトガイ点、唇の先端、あるいは鼻最下点などのうちの2点間の垂直距離を求めればよい。
【0012】
側面肖像画像のスケーリング値Bを用いることにより、側面肖像画像を正確なサイズ(ないし実物に対して所望の比率)で画面上に表示することができる。また、側面肖像画像のスケーリング値Bと眼鏡フレームの形状データとを用いて、側面肖像画像と眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして表示画面上に重ね合わせて表示できる。更に、正面肖像画像のスケーリング値Aと側面肖像画像のスケーリング値Bとを用いて、眼鏡フレームを装用した正面画像及び側面画像とを同一のサイズで表示画面上に表示することができ、これにより、眼鏡装用状態の確認や判断を正面及び側面から多面的に行うことができる。
【0013】
また、本発明の眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法は、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、前記人物の側面肖像の所定部分の距離を実測し、前記所定部分に対応する側面肖像画像上の距離に対する前記所定部分の実測した距離の比として側面肖像画像のスケーリング値を求め、このスケーリング値と眼鏡フレームの形状データとを用いて、側面肖像画像と眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして表示画面上に重ね合わせて表示することを特徴とする。側面肖像の所定部分の距離の実測を行う実測点としては、例えば、角膜頂点、ベンディングポイント、オトガイ点、唇の先端、鼻最下端などがあり、これらの2点間の距離などを計測すればよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法が適用される、実施形態にかかる眼鏡のオーダーメイドシステムの概要を示すフローチャート図、図3ないし図9は実施形態に係るオーダーメイドシステムにおける表示画面例を示す図、図10は実施形態に係るオーダーメイドシステムのハード構成の概要を示すブロック図である。以下、これらの図面を参照して実施形態の眼鏡のオーダーメイドシステムを説明する。
【0015】
この実施形態のオーダーメイドシステムのハード構成は、図10に示されるように、店頭対話システム100と、この店頭対話システム100に通信回線を通じて接続されるホストコンピュータ110と、このホストコンピュータ110に通信回線を通じて接続される製造工場の端末装置121,122から構成される。
【0016】
店頭対話システム100は、コンピュータ本体101と、表示画面(モニター)101a等の出力装置と、入力キーボード101bもしくはマウス101c等の入力装置とからなるコンピュータ装置をメインにし、さらに、必要に応じてこのコンピュータ装置に肖像画像を入力するためのデジタルカメラ、CCDカメラ等からなる肖像撮影装置102、眼鏡注文者等が選定したフレームの玉型形状を実測してコンピュータ装置に入力するための玉型計測器(三次元フレームトレーサー(3DFT))103等が設けられる。この店頭対話システム100の操作者は、眼鏡店等の店員でも、あるいは眼鏡注文者自身でもよい。
【0017】
コンピュータ本体101には、前記表示画面101a上で、予め用意された複数種類のベースデザインのフレームの中から任意の1つを選択し、この選択したベースデザインのフレームをもとにして、各種のフレームの種類、玉型及びパーツを含む眼鏡の各構成部材を任意に変更することによって、表示画面上で眼鏡注文者の好みに応じた最適な眼鏡仕様を決定して注文できるようにするプログラムソフトが格納されている。この格納されているソフトが有する機能の概要は、以下の通りである。
【0018】
a.表示画面101a上で、予め用意された複数種類のベースデザインのフレームの中から任意の1つを選択するベースデザイン選択機能
b.肖像撮影装置102によって撮影した眼鏡装用者(眼鏡注文者)の肖像を取り込む肖像取込機能
c.肖像撮影装置102により撮影された眼鏡装用者の肖像に選択されたフレームの画像を重ねて、眼鏡を装用した肖像を表示画面101a上に表示する合成画像作成機能
d.ベースデザイン選択機能を用いて選択したベースデザインのフレームをもとにして、各種のフレームの種類、玉型及びパーツを含む眼鏡の複数の構成部材のそれぞれについて表示画面上で必要な事項について変更、修正又は入力を行う1以上の変更機能
e.表示画面上で得られた1以上の眼鏡の画像を含むデータを記憶する記憶機能
f.記憶機能で記憶された眼鏡画像を含む1以上の眼鏡画像を表示画面上に表示して比較又は検討していずれかに決定するか又は決定せずに前記変更機能を行うステップに戻るかを決める比較検討機能
g.ベースデザイン選択機能を用いてベースデザインのフレームを選択した後に、肖像撮影装置102によって撮影した肖像を取り込む上記肖像取込機能、上記合成画像作成機能、上記1以上の変更機能、又は、上記比較検討機能のいずれか1以上の機能を操作者が任意に選択して行うことができるようにする機能
【0019】
この実施形態のオーダーメイドシステムの特徴は、以上の機能を備えることによって、ベースデザインのフレーム選択を行った後は、操作者が必要と考える手順または機能変更のみを行えるようにし、眼鏡注文者の自由意思を最大限に生かして迅速かつ適確な注文操作を行えるようにしていることである。
【0020】
また、いま1つの特徴は、前記合成画像作成機能が、前記肖像取込機能により取り込まれた眼鏡注文者の顔面の正面画像に選択されたフレームの正面画像を重ねる機能に加えて、前記肖像取込機能により取り込まれた眼鏡注文者の顔面の側面画像に選択されたフレームの側面画像を重ねる機能も有していることである。これによって、眼鏡フレームを装用した正面肖像だけではなく、眼鏡フレームを装用した側面肖像を確認でき、眼鏡フレームの決定において、総合的なデザインの判断・選定が可能となる。
【0021】
前記1以上の変更機能は、フレーム種類の変更機能、玉型の入れ替え機能、玉型の修正機能、パーツの変更機能、パーツ位置の変更機能、アイサイズやレンズ間距離等のサイズを変更するサイズ変更機能、フレーム構成部品のカラーを変更するカラー変更機能、レンズカラーの変更機能、レンズ装用の背景を変更する装用シーンの変更機能、又はレンズ処方の入力機能のいずれか1以上を含むものである。
【0022】
さらに、前記比較検討機能を行って主要な眼鏡仕様やイメージが決定された後に、顔面計測器104を用いて顔面計測を行い、その計測値を加味して眼鏡仕様を修正する機能も有しており、得られた顔面の計測値とシミュレーション画像によって決定された眼鏡の各パーツの位置関係から、眼鏡フレームのデータが修正される。このように、表示画面101aに表される2次元シミュレーションによって定まる眼鏡仕様に対して、顔面計測による顔面の正確な3次元データをもとに適切な修正が加わることによって、顔面にフィットする眼鏡を製造する製造データとして使用できる最適な眼鏡仕様を得ることができる。
【0023】
即ち、実際の立体の顔では、例えば、鼻骨格の形状に個人差があるため、鼻幅や高さに差異が生じ、フレームをパッドで支持した3次元の装用状態に個人差が現れるから、2次元シミュレーションの眼鏡仕様のイメージを損なわないようにするために、眼鏡仕様を修正する。
【0024】
また、上記コンピュータ本体101に格納されているプログラムソフトは、眼鏡仕様が決定された後に、眼鏡製造に必要なデータを含むデータを有する発注チェックデータベースにアクセスしてその仕様の眼鏡の製造の可否、価格もしくは納期を含む眼鏡注文時に必要な情報を得る発注チェックアクセス機能も有する。
【0025】
さらに、上記ソフトは、発注チェックアクセス機能を行って注文が決定された後、受注処理、受注した眼鏡の製造に必要なデータの処理及び眼鏡製造に必要な指図処理を含むデータを有する受注データベースにアクセスして発注を完了する発注アクセス機能も有する。なお、上記発注チェックデータベース及び受注データベースは、ホストコンピュータ110に格納されている。ホストコンピュータ110には、発注チェックデータベース及び受注データベースのほかに、受注データに基づいて、作業指示票を作成し、製造工場の端末装置121,122にフレームやレンズ製造に必要なデータを送る機能も有している。
【0026】
次に、上述の構成の眼鏡オーダーメイドシステムによってオーダーを行う場合の操作手順等を図1ないし図9を参照にしながら説明し、あわせて本実施形態の眼鏡オーダーメイドシステムの内容をより詳しく説明する。
【0027】
まず、対話システム100のキーボード101bもしくはマウス101cを通じて眼鏡オーダーメイドシステムをスタートさせる(ステップ1)。これにより、表示画面は図3に示されるようなオープニングの画面になる。このステップ1においては、眼鏡オーダーメイドシステムの概略を紹介するスライドショー画面を選定することもでき、また、必要に応じてスクリーンセイバーがかかるようにすることもできる。
【0028】
次に、キーボード101bもしくはマウス101cを通じて次のステップに進める操作を行う。この操作は、画面上の所定箇所をマウス101cでクリックするかあるいはキーボード101bの所定のキーを操作することにより行う。なお、以下の説明において、次のステップに進む際には同様の操作を行う。
【0029】
上記オープニングの画面から次のステップに進めると、表示画面は図4に示されるようなベースデザイン選択の画面になる(ステップ2)。このステップは、デザインのベースになるフレームを選択するステップである。このステップにおいては、予めコンピュータに格納されている複数のデザインベースになるフレーム画像の中から操作者の好みのものを選定する。デザインベースになるフレームとしては、フレームの種類(リムレス方式、リムロン方式もしくはフルリム方式等がある)毎に複数のデザインのものが用意され、表示画面に表示される。フレーム画像は、正面画像のほかに側面画像も表示されるようになっており、全体のデザインをより正確に把握できるようになっている。なお、ベースデザインのフレームを予め用意しておくのは、最終的にこの用意されたデザインの中からしか選定できないようにするためではなく、操作者に眼鏡フレームを最初からデザインさせることは現実的でないので、ベースになるモデルを提示し、このベースモデルをもとにして、操作者が各部を好みに応じて変更していくことにより、逆に、操作者の思いのままのデザインを迅速・適確に行うことを可能にするためである。
【0030】
上記ステップ2において、ベースデザインのフレームを選定したら、次の肖像取込ステップ(ステップ3)に進む。なお、ステップ2とステップ3とはその順序を逆にしてもよい。ステップ3は、操作者が不必要であるとした場合には、このステップをパス操作によって省略して次のフレームのみの表示・出力をするステップ(ステップ4)に進むことができるものである。
【0031】
肖像取込をするという選択をした場合、肖像撮影装置102によって顔面の正面の撮影が行われ、その画像がコンピュータに取り込まれる(ステップ31)。次に、表示画面上において、側面撮影を行うか否かの選択を行う(ステップ32)。側面撮影を行うという選択をした場合には、側面撮影が行われ(ステップ34)、正面画像及び側面画像に上記選択したフレームを重ねるオーバーラップがコンピュータによって行われる(ステップ35)。また、側面撮影を行わないという選択をした場合には、上記正面画像に上記選択したフレームを重ねるオーバーラップがコンピュータによって行われる(ステップ33)。
【0032】
図5は撮影により表示画面に取り込まれた肖像の表示画面、図6はオーバーラップの際の表示画面である。取り込まれた正面肖像に対しては、角膜頂点の位置及び角膜頂点間距離ないし瞳孔間距離であるPD値が画面上から入力され、また、取り込まれた側面肖像に対しては、角膜頂点位置、上耳底点(OBS点、ベンディングポイントとも呼ばれるモダンの曲げ点)及びテンプルが髮の毛に隠れる境界の点であるテンプル消失点位置が基準点として同様に画面上から入力される。オーバーラップの際には、これら基準点を表示画面上でフレームの対応する点に拡大・縮小により一致させる等の方法によって肖像画像にフレーム画像が重ねられる。このオーバーラップの際には、選択されたフレームのデザイン、肖像の顔の大きさ、マウントされるレンズのパワー等が考慮されて、フレームのサイズが調整され入力される。また、顔面の左右が対称でない点も考慮されると共に、必要に応じて表示画面上で肖像を回転させて補正し、より自然な顔面画像にし、より適切な評価が行えるようになっている。
【0033】
次に、上記オーバーラップのステップ33、ステップ35において、肖像画像にフレーム画像を重ねる合成画像作成方法について、図11ないし図18を用いて更に詳細に説明する。なお、ここで、図11ないし図18を用いて説明する画像合成作成方法は、本実施形態の眼鏡のオーダーメイドシステムに使用できるばかりでなく、通常のデザイン設計等においても眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法として利用できるものであって、例えば、表示画面上で肖像画像に既製の眼鏡フレームの画像を重ねて、眼鏡を装用した肖像を表示する場合などにも適用できる。
【0034】
この合成画像作成方法を実施するシミュレーション装置は、画面表示のためのディスプレイ、眼鏡フレームの情報を格納したデータベース、各種入力装置等を含むコンピュータと、人物の頭部正面及び頭部左右側面を撮影して静止画像データをコンピュータに入力するカメラとを備える。コンピュータは、カメラで撮影した人物の肖像を表示画面上に取り込むことができると共に、データベースから必要なフレーム画像情報を読み込んで、適当な修正を加えながら、画面上の肖像に重ねることができる。
【0035】
この合成画像作成方法では、まず、図11に示すように、画面上の正面肖像201の鼻稜の中心(ピューピロメーターのパッド位置の中心)を基準点206として求めると共に、肖像201を回転させて正しい姿勢に直す。
【0036】
その手順として、最初に図11(a)に示すように、肖像201上の左右の目の角膜頂点202L、202Rの座標を画像上からクリックして求め、角膜頂点202L、202R間を結んだ線分(以下「角膜頂点間線分」という)203を割り出す。そして、予め処方段階でピューピロメーターを用いて測定した実際の左右の目の角膜頂点距離つまり鼻位置(鼻稜)から左右の角膜頂点(瞳孔中心に相当)までの距離の実測値LPD、RPD(既知の値)の比を用いて、その比で前記肖像201上の角膜頂点間線分203を比例配分し、配分した点を、肖像201の眼鏡装用上の基準点206とする。
【0037】
同時に、実際の角膜頂点間距離PD(=LPD+RPD)と肖像201上の角膜頂点間距離との比を求め、その比率を、画面上に後で読み込む予定の眼鏡フレーム画像の表示倍率と合わせるべく、肖像201を拡大あるいは縮小する。例えば、フレームの表示倍率が1倍ならば肖像の倍率も1倍に設定し、フレームの表示倍率が1/2倍ならば肖像の倍率も1/2倍に設定する。この場合の拡縮倍率は、側面画像の拡縮にも利用するので一時記憶しておく。もちろん、フレームの表示倍率と肖像の倍率を合わせればよいので、フレーム側の表示倍率を肖像側の倍率に合わせてもよい。
【0038】
このように肖像201の倍率を合わせたら、次に図11(b)に示すように、画面上の水平基準線(X軸)207と垂直基準線(Y軸)208を、肖像201の基準点206を通るように補助線として表示させる。即ち、肖像撮影の際、常に水平で正面視した状態で画像を取り込むことができない場合があるので、顔の傾き等を補正するために位置関係を把握するための基準線を入れる。そして、図11(c)に示すように、角膜頂点間線分203が水平基準線207に一致するように、肖像201を基準点206を中心にして自動操作で肖像回転手段の制御のもとに回転修正する。これにより、肖像201側の処理は一応終わる。
【0039】
一方、図12に例示する眼鏡フレーム画像210には、レンズ211、ブリッジ212、パッド213、ヨロイ214、テンプル215等が示されている。そして、左右のレンズ211の玉型の幾何中心(図心)を結ぶ水平線(デイタムライン)217と、ブリッジ212の中心を通る垂直線(フレーム中心線)218との交わる点が、フレーム210の基準点216として設定されている。
【0040】
次に、肖像と眼鏡のフレーム画像を重ねる。その場合は、まず、各種のタイプのフレームデザインの中から、装用者の好みのデザインのフレームを選択し、フレームを肖像のどの位置に重ねるかを設定する。ここでは、図13(a)に示すように、肖像201の基準点206に対して所定距離、ここでは3mm下側の位置(Y=−3)にフレームの基準点216を設定する。そして、図13(b)に示すように、この位置にフレーム画像210を重ねることで、肖像の左右非対称性を考慮した眼鏡装用シミュレーション画像が得られる。この段階で、肖像201の回転微調整と、フレーム画像210の上下方向の位置修正をフレーム画像移動手段にて行うこともできる。
【0041】
なお、図14(a)に示すように、肖像201の角膜頂点間線分203を画面上の水平基準線207に対して自動回転により一致させた場合に、肖像201全体のバランスに偏りが生じるような場合には(例えば、顔面全体に対し、両眼が水平に位置していない場合)、自動回転修正した後で、図14(b)に示すように、肖像全体のバランスがとれるように肖像201を基準点206を中心に顔面全体にフレームが水平に配置されるように手動回転により再修正する。そして、図15(a)に示すように、フレーム画像の基準点216を設定し、同図(b)に示すようにフレーム画像210を重ねる。
【0042】
上述したように、フレームを回転させずに肖像を回転(自動回転、手動回転)させることによって位置の調整・補正を行っているため、その後のフレームの変形計算も回転方向の計算が不要となり、操作の短縮が可能となる。
【0043】
次に、本発明に係る合成画像作成方法において特徴となる正面肖像画像及び側面肖像画像のスケーリング値の算出方法について詳細に説明する。
【0044】
図17(a)、図17(b)は、それぞれデジタルカメラ等でコンピュータ内に取り込んだ正面肖像画像と側面肖像画像とを示している。
【0045】
図17(a)の正面肖像画像において、右角膜頂点300と左角膜頂点301とを画面上でヒットし、更に、これら左右の角膜頂点を結んだ直線S300からの垂直距離を求めるための高さ計測ポイントとして、顔面の下端であるオトガイ点302を、画面上でヒットする。なお、本実施形態では、高さ計測ポイントとしてオトガイ点302を使用したが、この高さ計測ポイントは正面と側面の両肖像において共通して明らかに特定できるポイントならば、どこでもよい。例えば、鼻最下点303、上唇の先端304、下唇の先端305等がある。
【0046】
この高さ計測ポイントを選定するにあたっては、装用者の顔の特徴によって決定することが望ましい。例えば、装用者の肉付きによりアゴのポイントが明確でない場合には、高さ計測ポイントを唇の先端304や305にとることが好ましく、口髭等で唇の先端が特定しにくい場合には、このポイントを鼻最下点303にとることが好ましい。
【0047】
但し、この高さ計測ポイントは、左右の角膜頂点を結んだ直線S300を水平線として、この水平線S300から遠いほど、側面画像のスケーリング値の誤差を少なくすることができる。そういった意味で、この高さ計測ポイントは、左右の角膜頂点を結んだ直線S300からできるだけ遠いポイントを選択することが望ましい。
【0048】
次に、側面肖像画像において、角膜頂点、本実施形態においては左角膜頂点301をヒットし、また、正面肖像でヒットした高さ計測ポイントであるオトガイ点302の側面肖像画像で対応する同じオトガイ点302をヒットする。また、後述するように、肖像と眼鏡フレームをオーバラップするために、上耳底点(OBS点)227やテンプル消失点231をヒットする。なお、画像から各ポイントをヒットする場合には、図18(a)、(b)の正面及び側面肖像画像を図示のように各部を拡大表示して正確にポイントすることが望ましい。
【0049】
次に、ピューピロメータで計測した角膜頂点間距離の実測値(例えば 64ミリ)を入力する。但し、この角膜頂点間距離の実測値の入力タイミングは、特に指定されるものではない。
【0050】
正面肖像画像のスケーリング値Aは、下記の式1により算出される。
A=(ピューピロメータで実測された角膜頂点間距離)/(画面上の角膜頂点間距離L400)=64ミリ/66ミリ=0.97………式1
【0051】
次に、正面肖像画像の水平線S300とオトガイ点302との垂直距離L401を画面上で求める(例えば100ミリ)。更に、側面肖像画像において、左角膜頂点301を通る画面の水平線S301と側面肖像上のオトガイ点302の垂直距離L402を画面上で求める(たとえば90ミリ)。
【0052】
以上のようにして求めた3つの値A、L401、L402を用い、側面肖像画像のスケーリング値Bを次の式2により算出する。
B=((正面肖像画像の垂直距離L401)×(正面肖像画像のスケーリング値A))/(側面肖像画像の垂直距離L402)=100ミリ×0.97/90ミリ=1.08………式2
【0053】
こうして、側面肖像画像のスケーリング値Bとして1.08倍の合成比率が得られる。式1および式2で算出されたスケーリング値A、Bを使用し、正面肖像画像データに正面肖像画像のスケーリング値Aを乗じ、また側面肖像画像データに側面肖像画像のスケーリング値Bを乗じて、それぞれの画像を画面に表示するようにする。
【0054】
次に、側面から見た眼鏡装用シミュレーション画像の合成方法を図16を用いて説明する。
【0055】
まず、予め取り込んである側面肖像201Sを、前述した側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて拡大あるいは縮小し、眼鏡フレームの表示倍率と一致させる。次に、図16(a)に示すように、側面肖像201Sの角膜頂点221とベンディングポイント(テンプルを曲げて耳に当てる点)227の抽出を行い、両点221、227を直線222で結ぶ。そして、この直線222の延長線上の角膜頂点221より所定距離d(例えばd=12mm)前方の点を、レンズアイポイント(基準点)223とする。
【0056】
次に、このレンズアイポイント223に、処方レンズのアイポイント(レンズ光軸とレンズ裏面の交点)を一致させた状態で、レンズの側断面画像225Aを重ねる。そして、ここでは、角膜頂点221とベンディングポイント227を結ぶ直線222より3mm(玉型形状を含めたレンズ処方より決まる値)下側に、平行にフレーム中心軸(以下「FC軸」という)226を設定する。FC軸226は、フレームフロント面(左右玉型を含むように設定された基準面)に直交し、左右の玉型の幾何中心(図心)を通る線である。次いで、このFC軸226が直線222に対して所定の角度(好ましくは3〜8度、より好ましくは5度)傾くように、レンズアイポイント223を中心にしてレンズ側断面画像225Aを回転してレンズ側断面画像225Bを得る。次いで、この傾けたレンズ側断面画像225Bに対応させて、図16(b)に示すように、レンズ側面画像225Cを表示する。これにより、実際に眼前に処方レンズを配置した合成画像が得られる。
【0057】
次に、正面フレーム画像より抽出したヨロイ固定位置228をレンズ側面画像225C上に反映させてプロットし、そのヨロイ固定位置228とベンディングポイント227とを線分229で結び、その線分229上にテンプルが一致するようにフレーム側面画像を重ねることで、側面から見たシミュレーション画像が得られる。なお、図16(b)に示すように、顔面の側面の頭髪230によりテンプルが隠れる境界点であるテンプル消失点231が存在するときには、このテンプル消失点231を抽出し、テンプル消失点231より先端側のテンプル部分を消去する。なお、テンプルの消失処理をテンプル消失点ではなく、頭髪の境界線で行ってもよい。
【0058】
このようにして、眼鏡装用者は正面のシミュレーション画像と側面のシミュレーション画像を見ながら、眼鏡を選択することができる。なお、上記実施形態では、肖像の基準点を決めるのに、鼻位置からの左右の角膜頂点距離の実測値を用いたが、それ以外の実測値(例えば、左右の耳の位置からの距離)を用いて肖像の基準点を設定してもよい。
【0059】
図1における上記フレームのみの表示・出力をするステップ(ステップ4)又は上記オーバーラップのステップ(ステップ33,ステップ35)が終了すると、次のトライアルのステップ(ステップ5)に進む。
【0060】
トライアルのステップ(ステップ5)は、上記ベースデザイン選択のステップ(ステップ2)において選択したベースデザインのフレームをもとにして、各種のフレーム種類、玉型及びパーツを含む眼鏡の複数の構成部材のそれぞれについて表示画面上で必要な事項について変更、修正又は入力を行う1以上の変更操作を行うステップ(ステップ50〜59、図7及び図8における<1>〜<10>)のうちのいずれかのステップに進むか、あるいは、これらのステップを省略して、選択したベースデザインのフレームをそのまま採用するか否かを決定する比較検討のステップ(ステップ6)に進むかを選択するステップである。
【0061】
ステップ50は、フレーム種類の変更を行うステップである。このステップは、ステップ2で選択したべースデザインのフレームの種類(フレームの方式)を変更したい場合に実行する。例えば、ステップ2で選択したフレームの種類がリムレスフレーム(スリーピースフレームともいう)である場合において、そのフレームをオーバーラップのステップによって表示画面上で装着した状態にしたときに、好みに合わないと感じたような場合に、その基本デザインを維持しつつ他の方式のフレーム(リムロン又はフルリム)に変更するものである。この変更は、フレームのデザインによっては構造的な事情等で他の方式に変更できない場合も有り得るので、変更の可否等が自動的に判断されて、変更の可否等の必要な事項が表示されるようになっている。
【0062】
ステップ51は、玉型の入れ替えを行うステップである。このステップ51は、ステップ2で選択したべースフレームの玉型を変更したい場合に実行する。例えば、ステップ2で選択したべースデザインのフレームの玉型が、そのフレームをオーバーラップのステップによって表示画面上で装着した状態にしたときに、好みに合わないと感じたような場合に、その玉型形状を変更するものである。その変更の態様としては、オリジナルの玉型から選択する態様、メーカーの社内品番から選択する態様、玉型形状計測器(3次元フレームトレーサー)103を用いて計測した玉型から選択する態様、推奨玉型から選択する態様等が用意されている。要するに、操作者もしくは顧客の好みに合う玉型を、自らのデザインを反映させたものから専門家が推奨するものまで自由に広く選択できるようになっている。
【0063】
ステップ52は、玉型のサイズや部分的デザインを修正する玉型修正のステップである。このステップ52は、ステップ2で選択したフレームの基本デザインを維持しつつ、玉型の相似的な拡大・縮小を行ったり、レンズの横幅(Aサイズ)及び/又は縦幅(Bサイズ)を変えたり、玉型の凹凸を修正したり、玉型の輪郭の一部曲線中に設定した3点間の曲線形状を変更(3点円弧挿入)したりするものである。
【0064】
ステップ53は、ステップ2で選択したべースデザインのフレームに標準的に採用されているパーツ類を変更するステップである。この変更は、ブリッジ、ヨロイ、テンプル、パッド、モダン、オーナメント、宝石等の眼鏡パーツの全てについて変更を行うことができるようになっている。
【0065】
ステップ54は、パーツの位置を変更するステップである。パーツの位置によって印象が異なる場合があるので、フロント全体やブリッジもしくはヨロイ、テンプルのそれぞれの位置を変更できるようになっている。但し、この変更には、構造・寸法上における必然的な制約があるので、可能な範囲等が判断されて表示されるようになっている。
【0066】
ステップ55は、アイサイズ、レンズ間距離(DBL)もしくはテンプル長のサイズを変更するステップである。
【0067】
ステップ56は、ブリッジ、ヨロイ、テンプル、パッド、モダンなどの眼鏡パーツのカラーを変更するステップである。この変更は、全体を一度に変更することも、また、各パーツごとに変更することもできる。
【0068】
ステップ57は、レンズカラーを変更するステップであり、好みのカラーを選択して変更する。
【0069】
ステップ58は、装用シーンの変更のステップである。装用シーンとは、肖像の背景画面のことであり、オフィース、結婚式、リゾートというような様々な背景を選択できるようになっている。
【0070】
ステップ59は、レンズ処方の入力を行うステップである。このステップは、この実施形態においては必ず行う必要があるので、トライアルの際に行われなかった場合には、比較検討のステップの後に行う。また、このシステムをフレームのみを選択する場合に用いる場合は、レンズ処方が不要となるが、その場合には処方入力ステップにおいてダミーデータを入力する。
【0071】
以上のトライアルのステップにおいて、ベースデザインのフレームに種々の変更を行って好みのフレームを1又は2以上決定し、次の比較検討のステップ(ステップ6)に進む。この比較検討のステップでは、注文すべきフレームを決定する。決定できなかった場合は再度トライアルのステップ5に戻る。
【0072】
比較検討のステップ(ステップ6)で決定がなされた場合には、次のステップ(ステップ7)において、レンズ処方が入力ずみか否かが判断され、入力されていない場合にはこれを入力する。また、既に入力されている場合には、次のステップ8に進む。
【0073】
ステップ8においては、顔面計測を行うか否かの判断を行い、顔面計測を行う場合には、顔面計測器104を用いてフレーム部品の各部の数値を計測し入力する(ステップ81)。一方、顔面計測を行わない場合(例えば、特別な眼鏡仕様でなかったり(ベースデザインフレームに対して、大幅な修正がないとき)、眼鏡装用者も特異な装用環境下にないと判断されるときや、眼鏡作成後の軽微なフィッティング作業で十分と思われるとき等)には、次のステップ9に進んで、テンプル長の入力を行い、その他の仕様は2次元の画面から得る。このステップ9が終了すると、以上のステップによって決定されたフレーム形状等を含む眼鏡製造に必要なデータが通信回線を通じてホストコンピュータ110に送信される。
【0074】
ホストコンピュータ110は、眼鏡製造に必要なデータを含むデータを有する発注チェックデータベースを有しており、上記店頭対話システム100から送信されたデータを解析して、製造可能か否かを判断し、製造不可能であれば、その旨の回答を店頭対話システム100に送信し、製造可能であれば次のステップに進む(ステップ10)。
【0075】
店頭対話システム100が製造不可能の回答を受け取った場合には、トライアルのステップ5に戻り、再度変更等のステップを行う。一方、製造可能と判断された場合には、ステップ11に進み、各パーツの寸法の計算、価格や納期等の計算が行われ、その結果が店頭対話システム100に回答される(ステップ12)。ここで、価格計算の際には、各パーツの種類、材質、グレード、寸法、重量、加工費等が考慮され、所定の計算ルールに従って行われる。
【0076】
店頭対話システム100において、上記ホストコンピュータ110から納期や価格等についての回答を受け取ったら、発注(オーダー)するか否かを決定する(ステップ13)。オーダーをしない旨の決定がなされてその旨の入力がなされた場合には、トライアルのステップ5に戻る。オーダーする旨の決定がなされてその旨の入力がなされると、その旨の回答がホストコンピュータ110に送信される。
【0077】
ホストコンピュータ110がオーダー決定の回答を受け取ると、ステップ14に移行し、ホストコンピュータ110に格納されている眼鏡の製造に必要なデータの処理及び眼鏡製造に必要な指図処理を含むデータを有する受注処理データベースが作動して眼鏡製造に必要なデータが作成され、フレーム製造を担当する製造工場の端末121にはフレーム製造指示及び製造データが送信され、レンズ製造を担当する製造工場の端末122にはレンズ製造指示及び製造データが送信される(ステップ14)。
【0078】
各製造工場においては、これらのデータが出力され(ステップ151,152)、フレーム製造(ステップ153)やレンズ製造(ステップ154)がなされ、さらに、これらは眼鏡組み立て工場に送られて眼鏡組み上げがなされ(ステップ16)、検査後、発送される(ステップ17)。
【0079】
以上詳述した実施形態にかかる眼鏡オーダーメイドシステムによれば、表示画面上で、予め用意された複数種類のベースフレームの中から任意の1つを選択し、この選択したベースフレームをもとにして、トライアルのステップにおいて、操作者が必要と考えるステップのみを自由に選んで行なうことができるから、眼鏡のデザイン決定等のための主要な工程を、予めコンピューターソフトによって定められた手順ではなく、操作者の自由な選択によって選ばれた手順に従って行うことができる。これにより、操作者や眼鏡装用者の感性をよりストレートに反映したデザイン決定の可能性を著しく増大させることができる。しかも、その主要な手順は、操作者や眼鏡装用者の自由意思によって決定できるので、操作者が必要と考えるステップのみを行って迅速な処理が可能になる。さらには、主要なステップを機械的に全部行うのではなく、必要なステップのみを行う方式にしたことによって、各ステップに豊富な機能をもたせてもそのことが直ちに全体の処理時間を長くすることにならないので、各機能をより充実させることが容易になった。加えて、各機能自体にもこのシステムの考え方を適用して必要なステップのみを行うようにしているので、さらに機能を充実でき、しかも迅速・適確な処理が可能になっている。また、主要なステップ自体を新たに加えても全体のシステムを変える必要は全くないので、システムアップが極めて容易であるというメリットもある。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、眼鏡の装用シミュレーションにおいて、肖像取込用のカメラと肖像との距離に注意を払うことなく正面及び側面肖像を取り込んで、側面肖像画像のスケーリング値を簡単に且つ正確に求めることができ、側面肖像画像を正確なサイズで画面上に表示できる。また、眼鏡フレームを装用した正面画像及び側面画像とを同一のサイズで表示画面上に表示することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる眼鏡のオーダーメイドシステムの概要を示すフローチャート図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる眼鏡のオーダーメイドシステムの概要を示すフローチャート図である。
【図3】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおけるオープニングの表示画面例を示す図である。
【図4】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおけるベースデザイン選択の表示画面例を示す図である。
【図5】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおける肖像撮影の表示画面例を示す図である。
【図6】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおけるオーバーラップの表示画面例を示す図である。
【図7】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおけるトライアルの表示画面例を示す図である。
【図8】実施形態にかかるオーダーメイドシステムにおけるトライアルの表示画面例を示す図である。
【図9】実施形態に係るオーダーメイドシステムにおける比較検討などの表示画面例を示す図である。
【図10】実施形態に係るオーダーメイドシステムのハード構成の概要を示すブロック図である。
【図11】本発明における画面上の正面肖像の取り扱いについての説明図で、(a)は肖像の基準点の設定の仕方を説明するための図、(b)は肖像と画面上の基準線の関係を示す図、(c)は肖像を回転させて角膜頂点間線分を画面上の水平基準線に一致させた状態を示す図である。
【図12】本発明における眼鏡フレームの正面画像の一例を示す図である。
【図13】本発明の説明図であり、(a)は図11(a)で求めた肖像の基準点とフレームの基準点の設定位置の関係を示す図、(b)は肖像とフレーム画像を重ね合わせた画像を示す図である。
【図14】本発明の説明図であり、(a)は角膜頂点間線分を画面上の水平基準線に一致させた場合に肖像全体のバランスが崩れる例を示す図、(b)は手動で肖像を回転させて肖像全体のバランスを保った状態を示す図である。
【図15】本発明の説明図であり、(a)は図14のように手動修正した肖像の基準点とフレームの基準点の設定位置の関係を示す図、(b)は肖像とフレーム画像を重ね合わせた画像を示す図である。
【図16】本発明における画面上の側面肖像の取り扱いについての説明図で、(a)は角膜頂点からレンズアイポイントを求め、その点を基準にしてレンズ側断面画像を重ねた状態を示す図、(b)はレンズ側面画像からフレーム画像の基準を設定した状態を示す図である。
【図17】画面上の正面肖像及び側面肖像のスケーリング値を求める方法を説明するための説明図で、(a)は正面肖像画像の計測点・計測距離を示す図、(b)は側面肖像画面の計測点・計測距離を示す図である。
【図18】画面上でスケーリングのための計測点をヒットする際に画面を拡大して行う様子を示す図である。
【符号の説明】
300 右角膜頂点
301 左角膜頂点
302 オトガイ点
L400 角膜頂点間距離
L401 正面肖像画像の所定部分の垂直距離
L402 側面肖像画像の所定部分の垂直距離
Claims (3)
- コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用していない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法であって、
前記コンピュータによって、
前記人物の正面肖像画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、
前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、
前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像において左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、
これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、
この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップとを実行することを特徴とする眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。 - 前記正面肖像画像のスケーリング値Aと前記側面肖像画像のスケーリング値Bとを用いて、眼鏡フレームを装用した正面画像及び側面画像とを同一のサイズで表示画面上に表示することを特徴とする請求項1に記載の眼鏡装用シミュレーションにおける合成画像作成方法。
- コンピュータを用いたシミュレーションにより、眼鏡を装用しない人物の肖像画像に眼鏡フレーム画像を重ね合わせた合成画像を作成して表示画面上に表示する眼鏡装用シミュレーション装置であって、
前記コンピュータは、
前記人物の正面肖像画像及び側面肖像画像を取り込むステップと、
前記人物の正面肖像画像上の角膜頂点間距離に対して前記人物の角膜頂点間の実測した距離の比として正面肖像画像のスケーリング値Aを求めるステップと、
前記正面肖像画像及び側面肖像画像の両肖像画像において共通して明らかに特定できるポイントを高さ計測ポイントとし、前記正面肖像画像の左右の角膜頂点を結んだ直線からこの高さ計測ポイントまでの垂直距離である正面肖像画像の垂直距離L1を求めるとともに、前記側面肖像画像において右又は左の角膜頂点から前記高さ計測ポイントまでの距離である側面肖像画像の垂直距離L2を求めるステップと、
これら得られた正面肖像画像のスケーリング値Aと正面肖像画像の垂直距離L1と側面肖像画像の垂直距離L2とから、側面肖像画像のスケーリング値Bを次式、B=A×L1/L2により求めるステップと、
この側面肖像画像のスケーリング値Bを用いて、前記側面肖像画像と前記眼鏡フレーム画像とをそれらの実物の大きさに対して同一の比率にして眼鏡フレームを装用した側面画像を表示画面上に表示するステップと、
を実行する機能を有するものであることを特徴とする眼鏡装用シミュレーション装置。
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