JP3969357B2 - 印字装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字装置に関し、特に、小型化された本体ケース内に積層状態で収納された被記録媒体をピックアップローラにより順次搬送する印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から小型の印字装置では、該印字装置の本体ケース内に、被記録媒体を積層状態で収納できるように用紙大の凹型形状をなす収納部を設け、該収納部に被記録媒体を積層状態に束ねた用紙パッケージを収納するように構成された印字装置が種々提案されている。
例えば、複数の被記録媒体を束ね、これら被記録媒体の少なくとも一方の先端を除いて保持する部分と、この保持する部分により束ねられた被記録媒体の一方の先端の一方の外面の少なくとも一部を覆うように複数の被記録媒体を保持する部分とを有し、この伸びた部分の被記録媒体に接する内面の摩擦係数が該被記録媒体の摩擦係数にほぼ等しくなるように用紙パッケージを構成している。そして、この用紙パッケージに印字装置に一回で収納可能な量の被記録媒体を保持した状態で、印字装置の収納部に収納するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−46785号公報(段落(0022)、(0028)、図4、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の小型の印字装置においては、印字装置の収納部に収納された被記録媒体をピックアップする場合には、被記録媒体の斜行を防ぐために積層状態の該被記録媒体の側面部を押圧部材を介して搬送方向と略直角方向に押圧するため、押圧部材と被記録媒体の側面部との間に生じる摩擦力に抗して被記録媒体を搬送する必要がある。そのため、ピックアップローラの必要回転トルクが大きくなり、消費電力が大きくなるという問題がある。また、被記録媒体として感熱用紙の裏面側に粘着剤層と剥離紙とが積層された粘着剤付き感熱用紙を使用した場合には、被記録媒体の側面部において押圧部材と粘着剤層とが接触して、該押圧部材に粘着剤が付着するため、押圧部材と被記録媒体の側面部との間に生じる摩擦力が更に大きくなり、ピックアップローラの必要回転トルクが更に大きくなり、電力消費量が更に大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ピックアップローラを介して小さなトルクで被記録媒体をスムーズに搬送することができ、電力消費量の削減化を図ることができると共に、電池駆動の場合には、電池寿命の長時間化を図ることが可能な印字装置を提供することを目的とする。また、被記録媒体として粘着剤付き感熱用紙を使用した場合においても、該押圧部材への粘着剤の付着を防止し、積層状態の被記録媒体をピックアップローラに押圧する付勢力を小さくしても、該被記録媒体を常に安定して搬送することができる印字装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る印字装置は、本体ケースの一面側に開口する収納部に積層状態で収納される被記録媒体と、前記収納部に配置されて前記被記録媒体をピックアップするピックアップローラと、前記ピックアップローラに前記被記録媒体を押圧するピックアップ用付勢手段が内側の面に配置されて前記収納部を開閉可能に設けられた蓋体と、前記ピックアップローラによって搬送された被記録媒体に印字する印字手段と、を備えた印字装置において、前記収納部内の被記録媒体の蓋体側表面部を覆うように重ねられて前記ピックアップ用付勢手段によって押下される第1保護部材と、前記収納部の内縁に出退可能に設けられ、前記被記録媒体及び第1保護部材の一方の側面部を搬送方向と略直交する方向に押圧可能な押圧部材と、前記押圧部材に対向する収納部の内縁に設けられ、該被記録媒体及び第1保護部材の他方の側面部に当接可能な案内部と、を有し、前記第1保護部材の前記押圧部材に対向する部分の搬送方向に対して略直角方向の幅寸法は、前記被記録媒体の幅寸法よりも所定寸法大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【0007】
このような特徴を有する請求項1に係る印字装置によれば、本体ケースの収納部に設けられる押圧部材は、第1保護部材の搬送方向に沿った側面部に常に当接し、該第1保護部材の他方の側面部側を案内部に押圧している。一方、被記録媒体の幅寸法は、該第1保護部材の幅寸法よりも所定寸法小さいため、該押圧部材は、被記録媒体の側面部を案内部材に押圧しない。
これにより、被記録媒体の側面部は、案内部に押圧されないため、該被記録媒体の搬送方向に沿った側面部と押圧部材及び案内部との摩擦力が小さくなり、ピックアップローラを介して小さなトルクでスムーズに搬送することができ、電力消費量の削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の長時間化を図ることが可能となる。また、被記録媒体が斜行しても、該被記録媒体の搬送方向のいずれかの側面部が押圧部材又は案内部に当接するため、第1保護部材の幅寸法と被記録媒体の幅寸法との寸法差を所定寸法差以下にすることによって、この被記録媒体の斜行量を許容量以下に確実に抑制することができる。
【0008】
また、請求項2に係る印字装置は、請求項1に記載の印字装置において、前記押圧部材は、前記被記録媒体及び第1保護部材に対向する側面部に、該被記録媒体及び第1保護部材の側面に略直交する方向に突設される第1リブ部を有し、前記第1リブ部は、押圧部材の側面部の少なくとも1カ所に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような特徴を有する請求項2に係る印字装置によれば、被記録媒体が斜行して押圧部材の側面部に当接しても、該被記録媒体の側面部は、押圧部材の側面部に立設される少なくとも1列の第1リブ部と線接触によって当接しつつ搬送されるため、該押圧部材との接触面積が小さくなり、ピックアップローラを介してより小さなトルクでスムーズに搬送することができ、電力消費量の更なる削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の更なる長時間化を図ることが可能となる。また、第1保護部材の側面部は、被記録媒体の消費に従って、押圧部材の側面部に立設される少なくとも1列の第1リブ部に線接触しつつ収納部底面側方向に摺動するため、該第1保護部材を小さな押圧力で収納部底面側に確実に移動させることができ、ピックアップ用付勢手段の小型化を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に係る印字装置は、請求項1又は請求項2に記載の印字装置において、前記案内部は、前記被記録媒体及び第1保護部材に対向する側面部に、該被記録媒体及び第1保護部材の側面に略直交する方向に突設される第2リブ部を有し、前記第2リブ部は、案内部の側面部の少なくとも1カ所に設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような特徴を有する請求項3に係る印字装置によれば、被記録媒体が斜行して案内部の側面部に当接しても、該被記録媒体の側面部は、案内部の側面部に立設される少なくとも1列の第2リブ部に当接しつつ搬送されるため、該案内部との接触面積が小さくなり、ピックアップローラを介してより小さなトルクでスムーズに搬送することができ、電力消費量の更なる削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の更なる長時間化を図ることが可能となる。また、第1保護部材の側面部は、被記録媒体の消費に従って、案内部の側面部に立設される少なくとも1列の第2リブ部に線接触しつつ収納部底面側方向に摺動するため、該第1保護部材を更に小さな押圧力で収納部底面側に確実に移動させることができ、ピックアップ用付勢手段の更なる小型化を図ることができる。
【0012】
また、請求項4に係る印字装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印字装置において、前記第1保護部材は、該第1保護部材の搬送方向上流側端縁部から略垂直内側方向に所定長さ延出後、更に略垂直内側方向に延出された第2保護部材を有し、前記第2保護部材の少なくとも前記押圧部材に対向する側面部分は、該第1保護部材の押圧部材に対向する側面部分よりも所定寸法内側方向に位置するように形成されて、該第1保護部材と第2保護部材との間に前記被記録媒体が積層状態で挟持されることを特徴とする。
【0013】
このような特徴を有する請求項4に係る印字装置によれば、押圧部材の内側面は、第1保護部材の側面部に当接して該第1保護部材を押圧するが、第2保護部材の側面部には当接しないため、この第1保護部材の他方の側面部を案内部に確実に当接させることができ、第1保護部材の幅方向の位置決めを確実に行うことができる。また、ピックアップローラにより引き出される被記録媒体は、確実に第2保護部材と他の被記録媒体との間を摺動しつつ引き出され、摩擦力が一定になり安定して該被記録媒体を引き出すことができる。また、被記録媒体の蓋体側表面部は、第1保護部材を介して蓋体の内側面に配置されているピックアップ用付勢手段に当接するため、ピックアップローラによって最後に搬送される被記録媒体は第2保護部材と第1保護部材とに挟まれた状態で引き出され、摩擦力が一定になり該被記録媒体を最後の1枚まで安定して引き出すことができる。また、第2保護部材は、第1保護部材の搬送方向上流側端縁部から略垂直内側方向に所定長さ延出後、更に略垂直内側方向に延出して形成するため、該第2保護部材を容易に形成することができる。また、該第1保護部材の搬送方向上流側端縁部から略垂直内側方向に所定長さ延出した部分に当接することによって、該積層状態の被記録媒体の搬送方向下流側の端面部の位置合わせを容易に行うことができる。
【0014】
更に、請求項5に係る印字装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印字装置において、前記被記録媒体は、一面に設けられる粘着剤層と、前記粘着剤層を覆う剥離層と、を有する被記録媒体を含むことを特徴とする。
【0015】
このような特徴を有する請求項5に係る印字装置によれば、押圧部材の内側面は、第1保護部材の側面部に当接して該第1保護部材を押下するが、被記録媒体の側面部は押下しないため、剥離層で覆われた粘着剤層を有する被記録媒体の側面部の粘着剤が押圧部材の内側面に付着することを防止することができる。また、第1保護部材の各側面部は、押圧部材の内側面と案内部の内側面とに当接した状態で、被記録媒体の消費に従って収納部底面側に移動するため、被記録媒体の斜行や幅方向への偏り等によって該押圧部材の内側面と案内部の内側面とに付着した微量の粘着剤は、第1保護部材の各側面部に付着して該押圧部材の内側面と案内部の内側面から除去される。これにより、被記録媒体の補充の際に、第1保護部材を交換することによって、押圧部材の内側面と案内部の内側面への粘着剤の付着を防止でき、剥離層で覆われた粘着剤層を有する被記録媒体を常に安定して搬送することができ、印字装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した印字装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係る印字装置の概略構成について図1乃至図6に基づき説明する。
【0017】
図1に示すように、印字装置1の本体ケース2は、平面視、略矩形の形状を有し、長手方向の長さが約16cm、短手方向の長さが約10cmと略A6サイズの大きさで、厚みが約2cmの、上面が解放された直方体形状をしている。本体ケース2の上面には、本体ケース2の長手方向の一端寄りに本体上面の約1/4を占める大きさの略矩形の固定カバー3と、それを除く部分に収納部5が形成されている。固定カバー3に覆われた本体ケース2の内部には、後述の印刷機構部11が設けられている。また、収納部5を覆うようにケースカバー4が設けられている。
【0018】
ケースカバー4は、収納部5を覆う大きさで略矩形の形状をしたカバー上面4aと、その長手方向の両側面に設けられたカバー側面4bと、そのカバー側面4bの一端部に設けられた開閉軸4cと、カバー上面4aとカバー側面4bとで囲まれた凹部の、開閉軸4cの設けられた固定端側に対する自由端側近傍に設けられた用紙押さえ4d,バネ4g及びロック片4e,4fとで形成される。また、本体ケース2の長手方向の両外側面の一端部(図中左手方向)にはスライド溝2aが設けられ、ケースカバー4は、このスライド溝2aと開閉軸4cとで本体ケース2に係合している。この係合部を回転軸として、ケースカバー4は開閉される。尚、ケースカバー4を開く場合には、ケースカバー4を固定カバー3と離間する方向へスライド溝2aの長さ分だけ摺動させ、開閉軸4cを回転軸として開くようになっている。
【0019】
収納部5は、本体ケース2の上面の固定カバー3を除く部分に、固定カバー3に対してケースカバー4の厚み分だけ低い位置に固定カバー3方向を開口部とするコの字形に設けられた上面部5fと、この開口部に面し、上面部5fの中央部に設けられた凹部の底面をなす底面部5aと、底面部5aの四辺を囲んで凹部の側面をなす側面部5b,5c,5d,5eとによって形成されている。底面部5aは略A7サイズで、図2に示す、用紙パッケージ6を収納する。
【0020】
図2に示すように、用紙パッケージ6は、例えばA7サイズの、所定の大きさに裁断された粘着剤付き感熱用紙6a(図3参照)が複数枚積層された状態で、感熱用紙6aの、平面視、長手方向の面積の約2/3を覆う大きさの用紙ケース6bに収納されている。また、感熱用紙6aと略同じ大きさで、感熱用紙6aの用紙ケース6bから露出した部分を外圧から保護する補助シート6cが、積層された感熱用紙6aの粘着剤側の片面側に添えられるように該用紙ケース6b内に挿入されている。また、この補助シート6cの幅寸法は、後述のように感熱用紙6aの幅寸法よりも所定寸法(本実施形態では、約0.3mm)大きくなるように形成されると共に、補助シート6cの厚さ寸法は、感熱用紙6aの厚さ寸法よりも少し厚くなるように形成され、折れ曲がりにくくなっている(図12、図13参照)。
【0021】
また、図3に示すように、用紙パッケージ6に印刷面が補助シート6cと反対側になるように(図2中、下側になるように)収納される感熱用紙6aは、A7サイズの自己発色性を有する感熱シート(いわゆる、サーマルペーパ)等から構成される印刷媒体61と、該印刷媒体61の裏面に塗布される粘着剤層62と、該粘着剤層62を覆う剥離紙63とから構成されている。従って、後述のように印刷媒体61の印刷面がピックアップローラ20に当接されて給紙される(図4参照)。
また、剥離紙63の幅方向のほぼ中心線上には長手方向に粘着剤層62に達する切り込み部64が予め切り込まれている。また、この切り込み部64の両側近傍に該切り込み部64を挟むように所定距離寸法(本実施形態では、約2.5mmである。)で印刷される平行な直線65、65が予め印刷されている。即ち、切り込み部64は各直線65、65の間に切り込まれており、剥離紙63は各直線65、65間の中央部から外側方向(矢印N方向)に容易に剥離することができる。
【0022】
また、印字装置1の小型化を実現するために、印字装置1では後述のサーマルヘッド25を印字ヘッドとして利用し、被記録媒体として感熱用紙6aが用いられる。ここで、印字ヘッドとしてライン式のサーマルヘッド25を用いるのは、インクジェット式やインクリボン式のシリアル式印字ヘッドのようなヘッドの往復機構を必要とせず、また、インクカートリッジやリボンカセットを必要としないので小型化を図ることができ、また、消耗品が感熱用紙6aのみで済むので経済的にも効率が良いからである。また、感熱用紙6aを構成する印刷媒体61には、自己発色性を有する感熱シートだけでなく、サーマルヘッドの加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層した感熱穿孔タイプのもの等、種々のものを使用できる。
【0023】
また、図1に示す収納部5の凹部の長手方向の各側面部5c、5eと上面部5fとで成す縁部の、固定カバー3方向の一端部近傍には、ケースカバー4を閉じた場合に、ケースカバー4のロック片4e、4fと各々係合するロック部12及び連動ロック部7が設けられており、後述のように閉じられたケースカバー4が容易に開くのを防止している。
【0024】
更に、収納部5の上面部5fと側面部5eとで成す縁部には、押圧ガイド部材8と、切欠部9とが設けられている。押圧ガイド部材8の側面には感熱用紙6a及び補助シート6cの側面と直交する方向に2筋設けられた突起部8aが形成されており、補助シート6cの側面部に対し線で接して押圧力を加えると共に、搬送される感熱用紙6aを案内して、給紙時の斜行を防ぐようになっている。また、側面部5cの押圧ガイド部材8と対向する部位には、押圧ガイド部材8と同様に2筋の各突起部10aが設けられたガイド部材10が、側面部5cから突出する形状に形成されており、補助シート6cの側面部に対し線で接するように構成されると共に、搬送される感熱用紙6aを案内して、給紙時の斜行を防ぐようになっている。
また、切欠部9は、収納部5の上面部5fに対し、底面部5a方向への傾斜面を成す斜面部9bと、その両側面部9a,9cとから形成され、用紙パッケージ6の脱着時において、利用者が指等を挿入し、用紙パッケージ6を取り出し易くなるように設けられている。
【0025】
図4に示すように、印刷機構部11は、積層された感熱用紙6aを分離して搬送方向に給紙を行うピックアップローラ20、分離部21及びガイド板27と、感熱用紙6aをバネ24による付勢力でプラテンローラ22方向に押圧するペーパーガイド23と、感熱用紙6aをサーマルヘッド25へ搬送するプラテンローラ22と、バネ26の付勢力でプラテンローラ22方向に押圧され、そのプラテンローラ22上で感熱用紙6aに加熱印刷を行うサーマルヘッド25とが設けられている。
【0026】
図5に示すように、収納部5の底面部5aと、押圧ガイド部材8の突起部8a(図1参照)との接触部にはスライド溝5gが設けられ、後述の押圧ガイド部材8の出退動作の方向が、本体ケース2の長手方向と直交する方向に案内されるようになっている。また、押圧ガイド部材8の内部には、連動ロック部7からの作用を伝達するリンク体51と係合して動作するカム50が設けられている。カム50はカム押さえ8fと本体ケース2の内壁面とに挟まれることによって、本体ケース2の長手方向に動作方向が案内されるようになっている。さらに、本体ケース2の内壁面には、押圧ガイド部材8に付勢力を伝えるバネ8g(図8参照)を取り付けるための突片8eが設けられている。また、連動ロック部7は、ケースカバー4のロック片4fとの係合部を構成する、リンク体51に突状に設けられたの規制ブロック51a、51bと、リンク体51の不用意な動作を規制するストッパ52とで構成されている。
【0027】
次に、図6を参照して、リンク体51とカム50、54とで構成されるリンクカムの構造について説明する。
図6に示すように、収納部5の側面部5eに長手方向が沿うように固定されて、連動ロック部7の基部を構成する略直方体形状の案内支持ブロック53は、該案内支持ブロック53の、本体ケース2の側面側に面する面に、その略中間部に長手方向に沿った凹溝状の横案内溝53aが設けられている。この横案内溝53aの中間部近傍には、収納部5側の側面に対して貫通した貫通部53cが設けられており、また、横案内溝53aの上下に直交する方向に、ケースカバー4のロック片4fが上方向から挿通される縦案内溝53dが設けられている。また、横案内溝53aの下側で長手方向の一端には、貫通部53cの貫通方向に凹状の嵌合部53bが設けられ、この嵌合部53bには、樹脂等で成型された弓形の弾性体であるストッパ52の一端にL字形に突出形成されたL切片52aが嵌合されている。
【0028】
リンク体51において案内支持ブロック53の横案内溝53aの溝幅よりも若干狭い幅を有する板状部分の一端には、その長手方向に延長される方向に接合され、横案内溝53aの溝幅の約半分の幅を持つ細板部分が形成され、前記板状部分の他端には、略楕円形状の1焦点が板幅の中心線方向の交点と交差する部分に接合され、楕円の2焦点を結ぶ部分に縦長の穴状に形成されたカム軸受51dが形成されている。また、板状部分の、横案内溝53aと係合する面側の、細板部分との接合部近傍には、四角柱形状の規制ブロック51aと、三角柱形状の規制ブロック51bとが板面に対し垂直方向に突設され、板状部分の板断面方向の細板部先端には、円柱状のピン51cが垂設されている。
【0029】
案内支持ブロック53の横案内溝53aにはリンク体51が係合され、この横案内溝53aに沿った方向に前後に摺動されるようになっている。横案内溝53aに設けられた貫通部53cを介し、リンク体51の規制ブロック51a、51bは、案内支持ブロック53との係合部の裏側に露出され、縦案内溝53dと、規制ブロック51a、51bの間で挟まれた部分とで上下方向の凹溝を形成している。また、縦案内溝53dの下方向よりストッパ52の先端部52bが突出し、先端部52bが規制ブロック51a、51bの間の部分に嵌っている。
【0030】
リンク体51の一端には貫通孔としてカム軸受51dが形成され、この部分にカム54の作動軸54cが係合する。カム54は、その下方部分がプラテンローラ22のローラ軸22aに取り付けられるように膨らんだ略楕円形状をしており、円突起状の作動軸54cを一方の焦点とし、他方の焦点部分には、プラテンローラ22のローラ軸22aが係合するローラ軸受54dが設けられている。また、作動軸54cが形成されている面の裏側の面には、略半円状のカム突起54a、54bが形成されており、カム突起54a及び54bはサーマルヘッド25及びペーパーガイド23と各々対向する方向に突出されている。このカム54のカム突起54a、54bは、カム54の作動軸54cとローラ軸受54dを2焦点とした楕円に対し、ローラ軸受54dを中心軸とした遠心線上においてそれぞれの最も突出した部位を持つ。
【0031】
リンク体51の動作は左右方向に振幅を行う1次元的な動作であるが、カム54の作動軸54cの動作は、プラテンローラ22のローラ軸22aとの係合部であるローラ軸受54dを中心軸とした円周上の、上弧部分において振幅を行う2次元的な動作である。リンク体51のカム軸受51dは上下方向にスライド可能な長円形状をしており、このスライド孔で作動軸54cが振幅動作を行うことで、リンク体51はカム54に対して2軸方向の動作を伝達することができる。
【0032】
カム50は、板形状の板体にその長手方向の一端部に板面との直交方向に穿孔された接合孔50aと、他端部がすぼんだ形状をしており、そのすぼんだ部分である狭窄部50eとを有し、狭窄部50eの狭窄端にやや細幅の板形状の板体が接合された形状を有する。接合孔50aは、リンク体51のピン51cに上方向から嵌合し、リンク体51とカム50は接合される。
【0033】
押圧ガイド部材8は、板状の上面部8hと直交する板状の側面部8iとが、短手方向の片側縁同士で接合された、側面視、コ字形状を有する。側面部8iの長手方向両縁部には、短手方向に延設された各突起部8a、8aが形成されている。また、側面部8iの内面側には、本体ケース2の突片8eと対向する位置にバネ8gを取り付けるための突片8dが突設されており、下側両角部には、収納部5のスライド溝5gと係合して摺動し、押圧ガイド部材8が収納部5からはずれるのを防止する、L字形の各留め具部8c、8cが接合されている。さらに、上面部8hの下面側には、カム50の狭窄部50eに係合して、カムの作用を押圧ガイド部材8に伝達するカムフォロワー8bが、下方向に突設されている。
【0034】
次に、図4を参照して、印字装置1の印刷機構について説明する。積層された感熱用紙6aは、閉じられたケースカバー4に設けられているバネ4gの付勢力が、用紙押さえ4d及び補助シート6cを介して加えられることで、ピックアップローラ20に対して押圧される。押圧によって密着されたピックアップローラ20の回転にともない、摩擦力によって最下層の感熱用紙6aは搬送される。ここで、感熱用紙6aは、相互の摩擦力の影響で複数枚が重送される場合がある。そこで、複数枚が重送されたまま搬送されることを防止するため、分離部21のピックアップローラ20に対向する側の面には下方向への傾斜面が形成されており、搬送された感熱用紙6aがこの傾斜面に触突すると、感熱用紙6aの搬送方向先端面と、この傾斜面との摩擦力により、重送された感熱用紙6aが単葉に分離される。
【0035】
次に、分離された感熱用紙6aが傾斜面に案内されてガイド板27に触突すると、ガイド板27の面方向に従って水平方向に搬送され、ペーパーガイド23へと案内される。ペーパーガイド23は劣弧状の断面形状を成しており、搬送された感熱用紙6aの搬送方向はペーパーガイド23の凹面部に沿う方向に矯正される。プラテンローラ22の外周面はペーパーガイド23の内弧面と略密着状態にあり、感熱用紙6aはペーパーガイド23によってプラテンローラ22に密着するように押圧され、プラテンローラ22との間に発生する摩擦力によってその外周面上を搬送される。
【0036】
プラテンローラ22の上部には、サーマルヘッド25がプラテンローラ22に対峙し、プラテンローラに対して線接するようにバネ26の付勢力によって押圧されている。搬送された感熱用紙6aはサーマルヘッド25とプラテンローラ22との間隙にはさまれ、サーマルヘッド25の加熱によって感熱用紙6aの印刷媒体61の感熱層が反応してライン印刷が行われる。印刷された感熱用紙6aは、プラテンローラ22に搬送され、分離部21の上側の傾斜面によって印字装置1の外方へと案内され、印字装置1から排出される。
【0037】
次に、本発明に係る印字装置1の連動ロック部7及び押圧ガイド部材8等の動作について、図7乃至図12を参照して説明する。
【0038】
先ず、図7乃至図9を参照して、ケースカバー4の開蓋時における、カム54の動作について説明する。
図7に示すように、案内支持ブロック53の横案内溝53aに沿ってリンク体51が左右に移動できる範囲は、リンク体51の規制ブロック51bの左側縁部と、規制ブロック51aの右側縁部とが、案内支持ブロック53の貫通部53cの長手方向の両側縁部に各々当接する範囲である。また、ケースカバー4を開く場合、規制ブロック51bの左側縁部は貫通部53cの側縁に対して当接しており、リンク体51は、案内支持ブロック53に対して移動できる範囲の左端に位置する。この時、リンク体51の各規制ブロック51a、51b間の間隙は、案内支持ブロック53の縦案内溝53dとの同一線上にある。また、ストッパ52の先端部52bは、上方への押圧に対する阻害を受けず、縦案内溝53dに案内され各規制ブロック51a、51b間の間隙に侵入する。このため、各規制ブロック51a、51bは左右への動作を規制され、リンク体51の左右動に対するロックがかかる。
【0039】
また、この先端部52bが当接したケースカバー4のロック片4fを下方から押圧することで、ケースカバー4の自由端側は本体ケース2から若干離間した状態となり、利用者はケースカバー4の開蓋を行い易くなる。
【0040】
ここで、リンク体51の動作は左右方向に振幅を行う1次元的な動作であるが、カム54の作動軸54cの動作は、プラテンローラ22のローラ軸22aとの係合部であるローラ軸受54dを中心軸とした円周上の、上弧部分において振幅を行う2次元的な動作である。また、リンク体51のカム軸受51dは上下方向にスライド可能な長円形状をしており、このスライド孔で作動軸54cが振幅動作を行うことで、リンク体51はカム54に対して2軸方向の動作を伝達することができる。
【0041】
リンク体51がその可動範囲の左端に移動すると、作動軸54cはローラ軸受54dの鉛直線上より左側に位置する。この時、回転中心に対する各カム突起54a、54bの先端方向は、このカム突起54a、54bと、サーマルヘッド25及びペーパーガイド23との当接部に対して略遠心方向となる。すなわち、各々の当接部はカム54の回転中心から最も遠い位置に押動される。また、サーマルヘッド25及びペーパーガイド23は各バネ26、24の付勢力によって、各々プラテンローラ22の中心方向に、すなわちカム54の回転中心方向に押圧されており、それぞれ各カム突起54a、54bによってプラテンローラ22から離間する方向に押動されることになる。
【0042】
また、図8に示すように、リンク体51とカム50は、接合孔50aに嵌合されたピン51cで接合されている。リンク体51の左右方向への動作はそのままカム50に伝達され、カム50もまた左右方向に動作する。また、カム50はカム押さえ8fに当接されることによってその動作の制限を受け、本体ケース2の内壁面に対し常に密接した状態に保たれる。また、押圧ガイド部材8の設けられた突片8dと、本体ケース2の内壁面に設けられた突片8eに各々嵌合するバネ8gの付勢力によって、押圧ガイド部材8には、常に本体ケース2の内壁面から離間する方向(図8中、下方向)に押圧力が与えられている。
【0043】
ケースカバー4を開く場合、リンク体51はその可動範囲の左端に移動し、それにともないカム50も左方向に移動する。押圧ガイド部材8に突設されたカムフォロワー8bは、バネ8gの付勢力でカム50に対し下方向に押圧されているが、カム50と本体ケース2の内壁面との上下方向の相対的な位置関係は不変であるので、カム50の作用面に案内されてカムフォロワー8bは移動する。
つまり、ケースカバー4を開く場合、リンク体51はその可動範囲の左端に移動し、バネ8gの付勢力でカム50に対して押圧されたカムフォロワー8bは、カム50の凹面50b,斜面50cに沿って凸面50dに当接する位置に移動する。カム50の左右動に対しカムフォロワー8bは上下動するので、カムフォロワー8bは本体ケース2の内壁面と最も近い位置に移動する。カムフォロワー8bに接合さている押圧ガイド部材8は、カムフォロワー8bの動作にともない上方向に移動する。従って、図9に示すように、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、収納部5にセットされた用紙パッケージ6の補助シート6cの側面部から離間するため、該補助シート6cが押圧状態から解放される。
【0044】
また、図9に示すように、印字装置1の収納部5には用紙パッケージ6が、本体ケース2に対して用紙ケース6bで覆われた側がケースカバー4の固定端側となるように装着されている。また、積層状態の感熱用紙6aの上側に重ねられて挿入されている補助シート6cの露出した部分の長手方向の側縁のうち、ガイド部材10側(図9中、右手側)の側縁にはガイド部材10の各突起部10aが当接されて、用紙ケース6bの長手方向の側縁と、補助シート6cの長手方向の側縁との間で生じた段差が埋められるようになっている。また、補助シート6cの露出した部分の左手方向の側縁と、ケースカバー4を開けたことで連動されて収納部5の側面部5e方向(図9中、左手方向)に移動された押圧ガイド部材8の各突起部8aとの間には所定隙間が生じ、補助シート6cは非固定状態となる。そして、利用者が切欠部9に指等を入れ用紙パッケージ6の取り出しを行う場合、用紙パッケージ6は固定されていないので容易に取り出すことができる。
【0045】
次に、図10乃至図12を参照して、ケースカバー4の閉蓋時における、カム54の動作について説明する。
図10に示すように、ケースカバー4を閉じる場合、ケースカバー4のロック片4fを各規制ブロック51a、51b間の間隙に挿入して右方向に移動させるので、各規制ブロック51a、51bも右方向に移動される。また、リンク体51の規制ブロック51aの右側縁部は、貫通部53cの側縁に対して当接しており、該リンク体51は、案内支持ブロック53に対して移動できる範囲の右端に位置している。一方この時、リンク体51の規制ブロック51bは、案内支持ブロック53の縦案内溝53dに対して同一直線上にあるため、ストッパ52の先端部52bは、縦案内溝53dに案内されて規制ブロック51bの左側に侵入し、ストッパ52の先端部52bが有する斜面52cが規制ブロック51bの有する斜面に対して略平行となるように当接している。これにより、先端部52bに上方向に加わるストッパ52の付勢力は斜面52cを介して規制ブロック51bに伝達され、リンク体51は右方向へと動く付勢力を得る。このため、リンク体51はストッパ52よって左方向への動作を規制され、また、貫通部53cの側縁に当接した規制ブロック51aによって右方向への動作を規制されるので、リンク体51の左右動に対するロックがかかる。そして、各規制ブロック51a、51b間に挟まれたケースカバー4のロック片4fは、案内支持ブロック53内においてその位置を固定され、ケースカバー4の開蓋に対するロックがかかることになる。
【0046】
また、リンク体51がその可動範囲の右端に移動すると、カム軸受51d内に挿入されているカム54の作動軸54cは、ローラ軸受54dの鉛直線上より右側に位置する。この時、カム54の回転中心に対する各カム突起54a、54bの先端方向は、該各カム突起54a、54bと、サーマルヘッド25及びペーパーガイド23との当接部に対して略遠心方向からずれる方向となる。すなわち、各々の当接部は各カム突起54a、54bの側面と接することとなる。これにより、サーマルヘッド25及びペーパーガイド23は、各バネ26、24の付勢力によって、各々プラテンローラ22の中心方向に、即ち、カム54の回転中心方向に押圧されて、それぞれ各カム突起54a、54bの先端部による当接から解放されるため、プラテンローラ22に密接する方向に押動されることになる。
【0047】
また、図11に示すように、ケースカバー4を閉じる場合、リンク体51はその可動範囲の右端に移動し、それに伴ってカム50も右方向に移動する。また、押圧ガイド部材8に突設されたカムフォロワー8bは、バネ8gの付勢力でカム50に対し下方向に押圧されているが、カム50と本体ケース2の内壁面との上下方向の相対的な位置関係は不変であるので、カム50の作用面に案内されてカムフォロワー8bは移動する。つまり、ケースカバー4を閉じる場合、リンク体51はその可動範囲の右端に移動し、バネ8gの付勢力でカム50に対して押圧されたカムフォロワー8bは、カム50の凸面50d、斜面50cに沿って凹面50bに当接する位置に移動する。これにより、カム50の左右動に対しカムフォロワー8bは上下動するので、カムフォロワー8bは本体ケース2の内壁面から最も遠い位置に移動する。一方、カムフォロワー8bと接合さている押圧ガイド部材8は、カムフォロワー8bの動作にともない下方向に移動する。従って、押圧ガイド部材8は、収納部5にセットされた用紙パッケージ6の補助シート6cの側面を押圧する。
【0048】
また、図12に示すように、ケースカバー4を閉じたことで連動され、用紙パッケージ6の補助シート6cを押圧する方向(図12中、右手方向)に移動された押圧ガイド部材8によって該補助シート6cの左手方向の側縁は押圧される。これにより、この補助シート6cは押圧ガイド部材8の各突起部8aと、それに対向するガイド部材10の各突起部10aとで挟まれ、押圧ガイド部材8による付勢力によって用紙パッケージ6の補助シート6cは固定状態となる。また、後述のように感熱用紙6aの幅寸法は、補助シート6cの幅寸法よりも所定寸法(本実施形態では、約0.3mm)だけ小さくなるように形成されているため、印刷時において、感熱用紙6aは押圧ガイド部材8によってガイド部材10方向に押圧されない状態でピックアップローラ20によって搬送される。また、感熱用紙6aが斜行した場合には、該感熱用紙6aの短手方向の両端縁部が押圧ガイド部材8とガイド部材10の各々に突設された各突起部8a、10aに当接して、感熱用紙6aの長手方向が搬送方向に対して略平行となるよう矯正されるため、感熱用紙6aの斜行を許容量以下にすることができ、印字品質の向上を図ることができる。
【0049】
次に、用紙パッケージ6の補助シート6cの幅寸法と感熱用紙6aの斜行量との関係について図13及び図14に基づいて説明する。
図13及び図14に示すように、A7サイズの感熱用紙6aの長手方向の用紙長さ寸法をA1(mm)、短手方向の用紙幅寸法をB1(mm)とする。また、用紙パッケージ6の搬送方向に略直角方向のパッケージ幅寸法をB2(mm)とする。また、補助シート6cの搬送方向に略直角方向の補助シート幅寸法をB3(mm)とする。また、各押圧ガイド部材8及びガイド部材10の搬送方向下流側の各突起部8a、10aからサーマルヘッド25のヘッド印字位置までの距離をC1(mm)とする。従って、上記図4中、各押圧ガイド部材8及びガイド部材10の搬送方向下流側の各突起部8a、10aから、ピックアップローラ20、分離部21、ガイド板27、ペーパーガイド23、及びプラテンローラ22とサーマルヘッド25との当接位置までの感熱用紙6aの搬送距離をC1(mm)とする。また、感熱用紙6aの最大印字領域60の搬送方向の印字長さをL1(mm)とする。更に、押圧ガイド部材8の各突起部8aとガイド部材10の各突起部10aとの間に配置される感熱用紙6aの搬送時における最大斜行量、即ち、感熱用紙6aの搬送方向に対する最大斜行角度をθ(ラジアン)とする。
【0050】
ここで、最大斜行角度θは微少角度であるため、即ち、θ<<1より、下記の関係式が成立する。
θ=(B2+B3−2×B1)÷(2×A1−2×C1)
これより、例えば、許容可能な最大斜行角度をθ=0.01(ラジアン)、感熱用紙6aの長手方向の用紙長さ寸法をA1=105(mm)、短手方向の用紙幅寸法をB1=74(mm)、パッケージ幅寸法をB2=75(mm)、感熱用紙6aの搬送距離をC1=37.2(mm)、最大印字領域60の搬送方向の印字長さをL1=100(mm)とすると、補助シート幅寸法B3(mm)は、
B3=74.36(mm)
となる。よって、この場合には、補助シート6cの幅寸法をB3=74.3(mm)に設定することによって、感熱用紙6aの最大斜行角度θを0.01(ラジアン)以下にすることが可能となる。即ち、最大印字領域60の長手方向の最大斜行量を1.0(mm)以下にすることが可能となる。
【0051】
ここで、粘着剤付き感熱用紙6aは、被記録媒体として機能する。また、ケースカバー4、用紙押さえ4d及び各バネ4gは、ピックアップ用付勢手段を構成する。また、ケースカバ4は、蓋体として機能する。また、印字機構部11は、印字手段として機能する。また、補助シート6cは、第1保護部材として機能する。また、押圧ガイド部材8は、押圧部材として機能する。また、ガイド部材10は、案内部として機能する。また、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、第1リブ部として機能する。また、ガイド部材10の各突起部10aは、第2リブ部として機能する。また、剥離紙63は、剥離層として機能する。
【0052】
以上詳細に説明した通り本実施形態に係る印字装置1では、本体ケース2の収納部5に設けられる押圧ガイド部材8の各突起部8aは、ケースカバー4の閉蓋時に、補助シート6cの搬送方向に沿った側面部に常に当接し、該補助シート6cの他方の側面部側をガイド部材10の各突起部10aに押圧している。一方、感熱用紙6aの幅寸法は、該補助シート6cの幅寸法よりも所定寸法(例えば、約0.3mm)小さいため、ケースカバー4の閉蓋時に、該押圧ガイド部材8の各突起部8aは、感熱用紙6aの側面部をガイド部材10の各突起部10aに押圧しない。また、本体ケース2の収納部5に用紙パッケージ6を装着してケースカバー4を閉蓋することによって、積層状態の感熱用紙6aは、補助シート6cを介して用紙押さえ4d及び各バネ4gによりピックアップローラ20に押圧される。
【0053】
従って、ケースカバー4の閉蓋時に、感熱用紙6aの側面部は、ガイド部材10の各突起部10aに押圧されないため、該感熱用紙6aの搬送方向に沿った側面部と押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aとの摩擦力が小さくなり、ピックアップローラ20を介して小さなトルクでスムーズに感熱用紙6aを搬送することができ、電力消費量の削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の長時間化を図ることが可能となる。また、感熱用紙6aが斜行しても、該感熱用紙6aの搬送方向のいずれかの側面部が押圧ガイド部材8の各突起部8a又はガイド部材10の各突起部10aに当接して案内されるため、補助シート6cの幅寸法と感熱用紙6aの幅寸法との寸法差を所定寸法差以下(例えば、寸法差を0.3mm以下)にすることによって、この感熱用紙6aの斜行量を許容量以下に確実に抑制することができる(例えば、図13に示すように、最大印字領域60の搬送方向の印字長さをL1=100mmとした場合に、該最大印字領域60の長手方向の最大斜行量を1.0mm以下にすることが可能となる。)。
【0054】
また、ケースカバー4の閉蓋時に、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、補助シート6cの側面部に当接して該補助シート6cを搬送方向に対して略直角方向に押圧するが、感熱用紙6aの側面部は押圧しないため、剥離層63で覆われた粘着剤層62を有する感熱用紙6aの側面部の粘着剤が押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの内側面に付着することを防止することができる。また、補助シート6cの搬送方向に沿った各側面部は、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面に当接した状態で、感熱用紙6aの消費に従って収納部5の底面部5a側に移動するため、該押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面に付着した微量の粘着剤は補助シート6cの各側面部に付着して該押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面から除去される。これにより、用紙パッケージ6の入れ替え、または、補助シート6cを交換することによって、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面への粘着剤の付着を防止でき、剥離層63で覆われた粘着剤層62を有する粘着剤付き感熱用紙6aを常に安定して搬送することができ、印字装置1の信頼性の向上を図ることができる。
更に、補助シート6cの搬送方向に沿った各側面部は、感熱用紙6aの消費に従って、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aに線接触しつつ収納部5の底面部5a側方向に摺動するため、該補助シート6cを小さな押圧力で収納部5の底面部5a側に確実に移動させることができ、用紙押さえ4dや各バネ4gの小型化を図ることができ、引いては印字装置1の小型化を図ることができる。
【0055】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
(他の実施形態)
例えば、上記用紙パッケージ6に替えて、図15乃至図17に示す用紙パッケージ71を本体ケース2の収納部5に装着してもよい。尚、以下の説明において、前記実施形態に係る印字装置1と同一符号は、前記実施形態に係る印字装置1と同一あるいは相当部分を示すものである。
図15に示すように、用紙パッケージ71はA7サイズの粘着剤付き感熱用紙6aを複数枚、剥離紙63を上側(図15中、上側)にして積層した状態で、最上面と最下面とを側面視略コの字状に折り曲げた保護シート72で挟持するように構成されている。この保護シート72の厚さ寸法は、感熱用紙6aの厚さ寸法よりも少し厚くなるように形成され、折れ曲がりにくくなっている。また、用紙パッケージ71の本体ケース2への装着時に、保護シート72の上側になる表面には、感熱用紙6aの大きさを示す「サイズ A7」の文字が印刷されている。
【0056】
また、図16に示すように、保護シート72は、ほぼ一定の幅寸法の略長方形に形成され、積層された感熱用紙6aの剥離紙63側の最上面に重ねられて、感熱用紙6aを外圧から保護する略A7サイズの押圧部72Aと、この押圧部72Aの搬送方向下流側端縁部(図16中、下側端縁部)から該感熱用紙6aの積層可能な高さ寸法だけ延出された延出部72Bと、該延出部72Bの搬送方向下流側端縁部(図16中、下側端縁部)から押圧部72Aの搬送方向長さ寸法よりも所定寸法だけ短くなるように延出された印刷面保護部72Cと、から形成されている。即ち、保護シート72の延出部72を押圧部72Aに対して略直角内側に折り曲げ、更に、印刷面保護部72Cを延出部72Bに対して略直角内側に折り曲げて、該保護シート72を側面視略コの字形にして、積層された感熱紙6aを挟持して収納部5に装着した場合には、印刷面保護部72Cの搬送方向上流側端縁部と、ピックアップローラ20とは、所定隙間を形成する(図17参照)。
【0057】
また、この保護シート72の幅寸法は、上記補助シート6cと同様に、感熱用紙6aの幅寸法よりも所定寸法(例えば、約0.3mm)大きくなるように形成されている。
一方、保護シート72の印刷面保護部72Cは、用紙パッケージ71を収納部5に装着した場合に、該印刷面保護部72Cの押圧ガイド部材8に対向する側面部分に、所定幅寸法切り欠かれた逃げ部75が形成されている。これにより、用紙パッケージ71を収納部5に装着して、ケースカバー4を閉じた場合には、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、押圧部72Aの側面部には当接して、該押圧部72Aの他側の側面部をガイド部10の各突起部10aに押圧するが、印刷面保護部72Cの側面部には当接せず、該印刷面保護部72Cの他側の側面部はガイド部10の各突起部10aに接触しても、各突起部10aに押圧されないように構成されている。
【0058】
また、保護シート72の印刷面保護部72Cの逃げ部75に対して反対側の側端縁部の表面側には、用紙パッケージ71内に挟持されている被記録媒体である感熱用紙6aの種類を表示する4個の略正方形の各種別マーク73A〜73Dが搬送方向に沿って印刷されている。一方、収納部5の底面部5aには、各種別マーク73A〜73Dに対向する各位置に不図示の4個の反射型光センサが設けられており、該反射型光センサを介して各種別マーク73A〜73Dが黒色か白色かを検知して、用紙パッケージ71内に挟持されている感熱用紙6a等の被記録媒体の種類判別が可能となるように構成されている。例えば、保護シート72の各種別マーク73A〜73Cが黒色の正方形で、種別マーク73Dが白抜きの正方形の場合には、用紙パッケージ71内に粘着剤付き感熱用紙6a(図2、図3参照)が挟持されていることを表している。
【0059】
また、図17に示すように、収納部5の底面部5aには、ピックアップローラ20の搬送方向上流側に搬送方向に対して略直角方向に沿って保護シート72の厚さ寸法にほぼ等しい高さ寸法の横長のリブ部77が立設されている。一方、保護シート72の印刷面保護部72Cの該リブ部77に対向する部分は、リブ部77の長さ寸法よりも大きい幅寸法で切り欠かれた切欠部76が形成されている。そして、用紙パッケージ71を収納部5に装着した場合には、印刷面保護部72Cの切欠部76の内側端縁部は、収納部5の底面部5aに立設されたリブ部77の搬送方向上流側の側面部に対向するように配設される。これにより、感熱用紙6aの搬送時に、該感熱用紙6aとの摩擦力によって印刷面保護部72Cが搬送方向に引っ張られても、該印刷面保護部72Cの切欠部76がリブ部77の側面部に当接して停止することとなる。
【0060】
ここで、粘着剤付き感熱用紙6aは、被記録媒体として機能する。また、ケースカバー4、用紙押さえ4d及び各バネ4gは、ピックアップ用付勢手段を構成する。また、ケースカバ4は、蓋体として機能する。また、印字機構部11は、印字手段として機能する。また、保護シート72の押圧部72Aは、第1保護部材として機能する。また、押圧ガイド部材8は、押圧部材として機能する。また、ガイド部材10は、案内部として機能する。また、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、第1リブ部として機能する。また、ガイド部材10の各突起部10aは、第2リブ部として機能する。また、保護シート72の延出部72B及び印刷面保護部72Cは、第2保護部材を構成する。また、剥離紙63は、剥離層として機能する。
【0061】
従って、ケースカバー4の閉蓋時に、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、保護シート72の押圧部72Aの側面部に当接して押圧し、感熱用紙6aの側面部を押圧しない。このため、感熱用紙6aの側面部は、ガイド部材10の各突起部10aに押圧されず、該感熱用紙6aの搬送方向に沿った側面部と押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aとの摩擦力が小さくなり、ピックアップローラ20を介して小さなトルクでスムーズに感熱用紙6aを搬送することができ、電力消費量の削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の長時間化を図ることが可能となる。また、感熱用紙6aが斜行しても、該感熱用紙6aの搬送方向のいずれかの側面部が押圧ガイド部材8の各突起部8a又はガイド部材10の各突起部10aに当接して案内されるため、保護シート72の幅寸法と感熱用紙6aの幅寸法との寸法差を所定寸法差以下(例えば、寸法差を0.3mm以下)にすることによって、この感熱用紙6aの斜行量を許容量以下に確実に抑制することができる(例えば、上記図13と同様に、最大印字領域60の搬送方向の印字長さをL1=100mmとした場合に、該最大印字領域60の長手方向の最大斜行量を1.0mm以下にすることが可能となる。)。
【0062】
また、ケースカバー4の閉蓋時に、押圧ガイド部材8の各突起部8aは、保護シート72の押圧部72Aの側面部に当接して該押圧部72Aを搬送方向に対して略直角方向に押圧するが、感熱用紙6aの側面部は押圧しないため、剥離層63で覆われた粘着剤層62を有する感熱用紙6aの側面部の粘着剤が押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの内側面に付着することを防止することができる。また、保護シート72の押圧部72Aの搬送方向に沿った各側面部は、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面に当接した状態で、感熱用紙6aの消費に従って収納部5の底面部5a側に移動するため、該押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面に付着した微量の粘着剤は押圧部72Aの各側面部に付着して該押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面から除去される。これにより、用紙パッケージ71の入れ替え、または、保護シート72を交換することによって、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aの各内側面への粘着剤の付着を防止でき、剥離層63で覆われた粘着剤層62を有する粘着剤付き感熱用紙6aを常に安定して搬送することができ、印字装置1の信頼性の向上を図ることができる。
【0063】
また、保護シート72の押圧部72Aの搬送方向に沿った各側面部は、感熱用紙6aの消費に従って、押圧ガイド部材8及びガイド部材10の各突起部8a、10aに線接触しつつ収納部5の底面部5a側方向に摺動するため、該押圧部72Aを小さな押圧力で収納部5の底面部5a側に確実に移動させることができ、用紙押さえ4dや各バネ4gの小型化を図ることができ、引いては印字装置1の小型化を図ることができる。
【0064】
更に、押圧ガイド部材8の各突起部8aの内側面は、保護シート72の押圧部72Aの側面部に当接して該押圧部72Aをガイド部材10側方向に押圧するが、保護シート72の印刷面保護部72Cの側面部には当接しないため、この押圧部72Aの他方の側面部をガイド部材10の各突起部10aに確実に当接させることができ、押圧部72Aの幅方向の位置決めを確実に行うことができる。また、ピックアップローラ20により引き出される感熱用紙6aは、確実に印刷面保護部72Cと他の感熱用紙6aとの間を摺動しつつ引き出され、摩擦力が一定になり安定して該感熱用紙6aを引き出すことができる。また、積層された感熱用紙6aの最上面は、保護シート72の押圧部72Aを介してケースカバー4の用紙押さえ4dに当接するため、ピックアップローラ20によって最後に搬送される感熱用紙6aは保護シート72の押圧部72Aと印刷面保護部72Cとに挟まれた状態で引き出され、摩擦力が一定になり該感熱用紙6aを最後の1枚まで安定して引き出すことができる。また、保護シート72の延出部72を押圧部72Aに対して略直角内側に折り曲げ、更に、印刷面保護部72Cを延出部72Bに対して略直角内側に折り曲げて、該保護シート72を側面視略コの字形にして、積層された感熱紙6aを挟持することによって用紙パッケージ71を容易に形成することができ、該用紙パッケージ71の製造コストの削減化を図ることができる。また、用紙パッケージ71に挟持した積層状態の感熱用紙6aの搬送方向上流側端面部を、略コの字形に折り曲げた保護シート72の延出部72Bの内側面に当接することによって、該積層状態の感熱用紙6aの搬送方向下流側の端面部の位置合わせを容易に行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した通り、被記録媒体の側面部は、案内部に押圧されないため、該被記録媒体の搬送方向に沿った側面部と押圧部材及び案内部との摩擦力が小さくなり、ピックアップローラを介して小さなトルクでスムーズに搬送することができ、電力消費量の削減化を図ることができ、電池駆動の場合には、電池寿命の長時間化を図ることが可能な印字装置を提供することができる。また、被記録媒体が斜行しても、該被記録媒体の搬送方向のいずれかの側面部が押圧部材又は案内部に当接するため、第1保護部材の幅寸法と被記録媒体の幅寸法との寸法差を所定寸法差以下にすることによって、この被記録媒体の斜行量を許容量以下に確実に抑制することができる印字装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る印字装置の概略外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る印字装置の本体ケースに収納される用紙パッケージの一例を示す外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係る印字装置の用紙パッケージに収納される粘着剤付き感熱用紙の一例を示す図で、(A)は剥離紙側から見た要部断面図、(B)は幅方向の側断面図である。
【図4】図1に示す2点鎖線のA−A’矢視方向からみた印刷機構部の部分断面図である。
【図5】本実施形態に係る印字装置の押圧ガイド部材の内部の構成を示す斜視図である。
【図6】本実施形態に係る印字装置のリンクカムを構成する部品の分解斜視図である。
【図7】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを開いた時の、図1に示す2点鎖線のB−B’矢視方向からみたリンクカム機構を示す部分断面図である。
【図8】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを開いた時の、図1に示す2点鎖線のC−C’矢視方向からみたリンクカム機構を示す部分断面図である。
【図9】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを開いた時の本体ケースを示す平面図である。
【図10】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを閉じた時の、図1に示す2点鎖線のB−B’矢視方向からみたリンクカム機構を示す部分断面図である。
【図11】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを閉じた時の、図1に示す2点鎖線のC−C’矢視方向からみたリンクカム機構を示す部分断面図である。
【図12】本実施形態に係る印字装置のケースカバーを閉じた時の本体ケースを示す平面図である。
【図13】本実施形態に係る印字装置の印字開始時の用紙パッケージ等の寸法関係を模式的に示す平面図である。
【図14】本実施形態に係る印字装置の印字終了時の感熱用紙の最大印字領域を模式的に示す平面図である。
【図15】他の実施形態に係る印字装置の本体ケースに収納される用紙パッケージの一例を示す外観斜視図である。
【図16】他の実施形態に係る印字装置の用紙パッケージを構成する保護シートの広げた状態を示す図で、(A)は裏面図、(B)は表面図である。
【図17】他の実施形態に係る印字装置の用紙パッケージを本体ケースに装着した状態をを示す平面図である。
【符号の説明】
1 印字装置
2 本体ケース
4 ケースカバー
4d 用紙押さえ
4g バネ
5 収納部
6、71 用紙パッケージ
6a 感熱用紙
6b 用紙ケース
6c 補助シート
8 押圧ガイド部材
8a、10a 突起部
10 ガイド部材
11 印刷機構部
61 印刷媒体
62 粘着剤層
63 剥離紙
64 切り込み部
72 保護シート
72A 押圧部
72B 延出部
72C 印刷面保護部
75 逃げ部
76 切欠部
66 リブ部
Claims (5)
- 本体ケースの一面側に開口する収納部に積層状態で収納される被記録媒体と、前記収納部に配置されて前記被記録媒体をピックアップするピックアップローラと、前記ピックアップローラに前記被記録媒体を押圧するピックアップ用付勢手段が内側の面に配置されて前記収納部を開閉可能に設けられた蓋体と、前記ピックアップローラによって搬送された被記録媒体に印字する印字手段と、を備えた印字装置において、
前記収納部内の被記録媒体の蓋体側表面部を覆うように重ねられて前記ピックアップ用付勢手段によって押下される第1保護部材と、
前記収納部の内縁に出退可能に設けられ、前記被記録媒体及び第1保護部材の一方の側面部を搬送方向と略直交する方向に押圧可能な押圧部材と、
前記押圧部材に対向する収納部の内縁に設けられ、該被記録媒体及び第1保護部材の他方の側面部に当接可能な案内部と、を有し、
前記第1保護部材の前記押圧部材に対向する部分の搬送方向に対して略直角方向の幅寸法は、前記被記録媒体の幅寸法よりも所定寸法大きくなるように形成されていることを特徴とする印字装置。 - 前記押圧部材は、前記被記録媒体及び第1保護部材に対向する側面部に、該被記録媒体及び第1保護部材の側面に略直交する方向に突設される第1リブ部を有し、
前記第1リブ部は、押圧部材の側面部の少なくとも1カ所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。 - 前記案内部は、前記被記録媒体及び第1保護部材に対向する側面部に、該被記録媒体及び第1保護部材の側面に略直交する方向に突設される第2リブ部を有し、
前記第2リブ部は、案内部の側面部の少なくとも1カ所に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印字装置。 - 前記第1保護部材は、該第1保護部材の搬送方向上流側端縁部から略垂直内側方向に所定長さ延出後、更に略垂直内側方向に延出された第2保護部材を有し、
前記第2保護部材の少なくとも前記押圧部材に対向する側面部分は、該第1保護部材の押圧部材に対向する側面部分よりも所定寸法内側方向に位置するように形成されて、
該第1保護部材と第2保護部材との間に前記被記録媒体が積層状態で挟持されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印字装置。 - 前記被記録媒体は、一面に設けられる粘着剤層と、
前記粘着剤層を覆う剥離層と、を有する被記録媒体を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印字装置。
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