JP3969219B2 - 建物用土台の固定構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎の上面に沿って配置され且つアンカーボルトへの固定および柱の固定が精度良く行える建物用土台の固定構造に関する。尚、本明細書において、基礎は、布基礎、べた基礎、または独立基礎などを含む。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリートからなる基礎の上面に沿って固定される建物用土台には、在来工法やプレハブ工法においても、断面角形の木材からなる土台が広く用いられている。かかる木材製の土台は、基礎の上方に立設するアンカーボルトにより固定されると共に、柱や間柱などもかかる土台を介して立設されている。
このため、土台の固定位置は正確さが求められ、完成した基礎に基準箇所を設け、墨出しにより土台の設置すべき位置を決めている。
また、木製土台においては、係る土台の設置位置が決まった際に、その設置位置に当該土台が納まるように、所定の位置からアンカーボルトがずれている距離を測定し、その結果を基にして上記土台に上記アンカーボルトの位置に合わせた孔明けをして上記土台を固定し、それに柱などを固定していた。
【0003】
この結果、従来の木材製の建物用土台には、以下のような問題があった。
(1)基礎に埋設され且つその上面から立設するアンカーボルトの立設位置がバラ付き易いため、個々の現場ごとに現場合わせによって、係るボルトの通し孔を土台に調整して孔明けする必要がある。
(2)白蟻による食害を受け易く、湿気によって腐食し易い。
(3)吸湿および放湿を繰り返すことにより、土台の断面寸法が経年変化するため、建物に歪みを招来させる。
(4)重量が大きいため、現場での作業性が低く、コスト高になり易い。
(5)加工精度が低く且つ寸法が狂いやすいため、モジュールユニット化が困難で建物の施工性が低下する。
(6)柱などとの接合部に複雑で熟練を要する継手構造の加工が必要となる。
(7)木材伐採による環境破壊につながり易い。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上において説明した従来の技術おける問題点を解決し、土台の設置位置に対してアンカーボルトの位置がずれて立設されても、建物用土台を確実に基礎の所定位置に正確に固定できると共に、前記従来の木製の土台に伴う問題点を解決可能とする建物用土台の固定構造を提供する、ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、少なくとも土台本体をアルミニウム合金の押出形材により形成する共に、所定の土台固定位置に対してアンカーボルトの位置がずれていても、係る土台本体の屋内・屋外方向のずれおよび長手方向のずれを吸収するように、土台本体と基礎との間に調整機能を有するワッシャを用いる、ことに着想して成されたものである。
【0006】
即ち、本発明の建物用土台の固定構造(請求項1)は、基礎の上面の所定位置に配置され且つ透孔を有する複数のベース板と、上記ベース板の上面において基礎の上面との間に係るベース板を固定し、中心部から周辺寄りに沿った平面視が長円形または楕円形などの異形ボルト貫通孔あるいは中心が周辺寄りに位置する円形のボルト貫通孔を有するワッシャと、アルミニウム合金からなり、上記ベース板の上に載置され且つ上記ワッシャを受け入れるワッシャ貫通孔を底面に有する土台本体と、を備え、上記基礎に埋設され且つ係る基礎の上面から垂直に立設するアンカーボルトの雄ネジ部を、上記ベース板の透孔に貫通させ、更に上記ワッシャのボルト貫通孔に貫通させ且つナットと締結して、上記ワッシャによってベース板を上記基礎の上面に固定し、上記土台本体のワッシャ貫通孔に上記ワッシャを貫通して当該土台本体を、複数のベース板に跨って位置決めすると共に、係る土台本体と上記ベース板とをボルトなどにより固定する、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、基礎の上面における土台固定位置に対しずれてアンカーボルトが立設されていたとしても、係るボルトの雄ネジ部を上記ベース板の大きな透孔やワッシャの(異形)ボルト貫通孔に貫通して、更にベース板の上で係るワッシャが固定されるため、当該ワッシャは回転不能となる。また、ワッシャの(異形)ボルト貫通孔に上記ボルトの雄ネジ部を貫通させると、当該ワッシャは、これを適宜回転することにより、上記アンカーボルトの位置ずれを吸収して、ベース板を土台設置位置と一致した位置に固定することができる。
しかも、ワッシャによりベース板が所定位置に固定されると、係るワッシャを土台本体の底面のワッシャ貫通孔に挿入することにより、係る土台本体を基礎の所定位置に正確に位置決めすることができる。
【0008】
従って、従来のように、現場における各部位ごとにボルト孔を土台に穿孔する必要がなくなるため、土台のモジュールユニット化が容易となって建物の施工性が向上する。しかも、少なくとも土台本体は、アルミニウム合金からなるため、前記食害、腐食、および吸湿も防止できる。
尚、上記ワッシャ貫通孔には、屋内・屋外方向の幅が上記ワッシャの外径とほぼ同じかやや大きい矩形の孔のほか、係る幅を直径とする円形孔も含まれる。また、係る貫通孔は、土台本体の底面に開口する孔のほか、係る底面に開口する凹溝として形成しても良い。上記柱には、竪枠や管柱のほか、間柱も含まれる。
【0009】
また、前記土台本体の上面には、水平方向のピン挿通孔を有する柱支持筒が固定される、建物用土台の固定構造(請求項2)も含まれる。
これによれば、土台本体の上に柱の下端部に挿入される柱支持筒を固定できるため、所定の位置に柱を迅速且つ精度良く立設することが可能となる。
更に、本発明には、前記土台本体は、アルミニウム合金の押出形材により形成されてなる、建物用土台の固定構造(請求項3)も含まれる。
これによれば、従来の木製の土台のように重量が大きくならず軽量化できると共に、前記ワッシャの上部を受け入れる上記ワッシャ貫通孔および柱支持筒を固定するボルトの通し孔を容易且つ精度良く形成することが可能となる。
尚、上記押出形材には、アルミニウム合金を押出成形した状態(生地材)である他、表面に陽極酸化皮膜または係る皮膜と塗装の双方を施した形態も含まれる。
【0010】
更に、本発明には、前記土台本体は、前記底面、上面、屋内側と屋外側の一対の側壁、およびこれらに囲まれた中空部を含み、且つ屋内および屋外方向に沿った3つ以上の中空部を備え、中間の中空部における上記底面に前記ワッシャ貫通孔が形成されている、建物用土台の固定構造(請求項4)も含まれる。
これによれば、土台本体に加わる建物の荷重を充分に支持できる強度が得られると共に、屋内・屋外方向の中間の中空部の底面に前記ワッシャの上部を受け入れる前記ワッシャ貫通孔が容易に形成でき、且つ屋内・屋外寄りの中空部を当該土台本体と前記ベース板とを連結するボルトの進入路および収納に活用することができる。尚、後述するように、上記中間の中空部を幅広くし、且つ上記屋内・屋外寄りの中空部を幅狭くすることにより、上記ワッシャ貫通孔の形成が一層容易となる。また、何れかの中空部を活用して、長手方向に連続して隣接する土台本体同士を接続する接続材を嵌合して連結することも可能である。
【0011】
また、本発明には、前記ベース板の真上において前記柱支持筒が立設している、建物用土台の固定構造(請求項5)も含まれる。
これによれば、土台本体の上面に立設される柱の重量およびこれを介して垂直に加わる建物の荷重を、当該土台本体を介して係る柱の直下に位置するベース板によって、強固に支持することが可能となる。
【0012】
更に、本発明には、前記柱支持筒は、前記土台本体の上面に固定され、係る柱支持筒に形成されるピン挿通孔は、前記基礎の長手方向にほぼ沿っている、建物用土台の固定構造(請求項6)も含まれる。
これによれば、土台本体の上面に立設すべき柱を、その底面の中心部付近から垂直に設けた支持穴に、上記土台本体の上面に固定した柱支持筒を挿入し、且つドリフトピンを当該柱の水平孔および上記ピン挿通孔に貫通することにより、係る柱を抜け出し不能にして土台本体上に強固に固定することができる。しかも、上記ピン挿通孔は、基礎の長手方向にほぼ沿っているため、打ち込まれたドリフトピンの端面が外部に露出したり、腐食する事態を予防することもできる。
尚、上記柱支持筒は、アルミニウム合金のパイプや鋼管などを用いるほか、断面円形のほか断面角形などのパイプを用いても良い。また、パイプでない中実材を用いても良い。但し、耐食性の観点からアルミニウム合金のパイプや中実材を用いることが望ましく、円形のパイプを用いればネジ切り加工も容易となる。
【0013】
加えて、本発明には、前記ベース板は、前記上向きの凹部を有する断面形状のアルミニウム合金からなる押出形材を、その押出方向に沿って所定の長さで切断し、且つ上記凹部において前記透孔を穿孔したものであり、前記ワッシャの外径は上記上向きの凹部の幅とほぼ同じかやや小さく係る凹部内で回転可能な寸法である、建物用土台の固定構造(請求項7)も含まれる。
これによれば、ベース板がアルミニウム合金の押出形材で形成されているため、基礎の上面に直に接触し且つ建物の床下における湿気に晒され易い当該ベース板が腐食しにくくなる。また、ベース板は、上向きの凹部を有する断面形状であり、前記ワッシャの外径は上記凹部の幅とほぼ同じかやや小さく、係る凹部内で係るワッシャが回転可能な寸法であるため、精度良く土台を設置できると共に、前記土台本体とのボルトなどによる固定も容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の固定構造により、基礎Kの上面Kuに沿って固定した建物用土台1を示す。係る建物用土台1は、図1(A)に示すように、基礎Kの上面Kuに配置される複数のベース板2と、係る複数のベース板2の上に跨って基礎Kの長手方向に沿って固定される土台本体10と、を含む。
柱Hを固定する円筒形の柱支持筒30は、上記土台本体10の上面12の上で且つ上記ベース板2の真上の位置に固定される。係る柱支持筒30の本体32には、上記基礎Kの長手方向に沿って水平に貫通する上下一対のピン挿通孔34が形成されている。尚、柱支持筒30は、中実材の円柱形の形態であっても良い。
【0015】
図1(B)に示すように、木製の柱Hは、その底面50における中心部に支持穴52が垂直に設けられ、図1(A),(B)に示すように、この支持穴52を中央で貫通する上下一対の水平孔54が水平に設けられている。
図1(A)中の太い矢印で示すように、上記柱Hを土台本体10の上面12に近付け、上記柱支持筒30を係る柱Hの支持穴52に挿入した後、互いに水平に連通する柱支持筒30のピン挿通孔34と柱Hの水平孔54とに、アルミニウム合金または鋼材からなり且つ先端にテーパを付したドリフトピン56を打ち込む。この結果、土台本体12の上面12上に、上記柱Hを抜け出し不能にして垂直に支持し且つ固定することができる。
【0016】
前記ベース板2は、図2に示すように、全体が偏平な矩形の板状の本体3と、基礎Kの屋内・屋外方向に中間に形成した上向きで且つ矩形の浅い凹部4と、係る凹部4の両側に浅い段部7を介して位置する厚肉部6,6と、を図示で左右方向に沿って有する。このベース板2は、アルミニウム合金(例えばJIS:A6063S−T5、またはA6061S−T6)からなり上記各部を有する断面形状の押出形材をその押出方向に沿って所定の長さで切断し、図2に示すように、凹部4の中央に大径の透孔5を、厚肉部6,6の四隅に雌ネジ孔8をそれぞれ設けたものである。凹部4の幅は、後述するワッシャ20の外径とほぼ同一または若干大きい寸法で、ワッシャ20は上記凹部4内で回転可能である。
また、前記土台本体10は、上記同様のアルミニウム合金の押出形材からなり、図2に示すように、平面視が矩形のワッシャ貫通孔18を有する底面16、柱支持筒30を固定する上面12、これらを接続する屋内側と屋外側の一対の側壁14、およびこれら囲まれ且つ一対の隔壁11により3つに仕切られた断面ほぼ矩形の中空部13,15を備える。
【0017】
図2に示すように、上記土台本体10の底面16に形成され且つ中央に位置する幅広の中空部15に開口するワッシャ貫通孔18における屋内・屋外方向の幅Wは、次述するワッシャ20の外径よりも大きい寸法である。
また、図2に示すように、土台本体10の上面12の四隅には、屋外・屋内側寄りで幅狭い中空部13,13に通じる通し孔19がそれぞれ形成され、これらの直下に位置する底面16には小径の通し孔(図示せず)が形成されている。これらの通し孔19などは、図2中の矢印で示すように、細長いボルト40を挿通させ、係るボルト40の雄ネジ部44を、ベース板2の各雌ネジ孔8にネジ結合して、係る土台本体10を上記ベース板2に固定するために使用される。
尚、図2,図3(A)に示すように、土台本体10の底面16の屋内側および屋外側には、各側壁14よりも外側に突出するリブ17が対称に位置している。係るリブ17は、土台本体10の屋内側に図示しない根太受けの支持金具を位置決めしたり、あるいは屋外側に図示しない水切り材を固定する際に活用される。
【0018】
図2および図3(A),(B)に示すように、ワッシャ20は、平面視が円形である本体21と、その中心部から周辺寄りに延びた長円形の異形ボルト貫通孔22と、からなる。係るボルト孔22は、当該ワッシャ20の中心をその中心寄りの位置において含んでいる。係るワッシャ20の外径は、図3(A),(B)に示すように、ベース板2の凹部4の幅および土台本体10のワッシャ貫通孔18の幅よりもやや小さく形成されている。このため、ワッシャ20の下部は、ベース板2の凹部4に回転可能に挿入されると共に、ワッシャ20の上部は、土台本体10のワッシャ貫通孔18に容易に受け入れられる。
【0019】
尚、上記ワッシャ20は、例えば前記同様のアルミニウム合金の棒材を所定の幅で輪切りした後、プレスなどで長円形の異形ボルト貫通孔22を打ち抜く方法や、係るボルト貫通孔22を内側に有するアルミニウム合金の押出形材を輪切りする方法により形成される。但し、合成樹脂の射出成形などにて形成しても良い。尚また、異形ボルト貫通孔22は、平面視で楕円形またはカーブした円弧形としても良い。尚更に、図3(B)において、本発明の理解を容易にするため、ワッシャ20のハッチングは一部を除き省略してある。
【0020】
図2および図3(A)に示すように、柱支持筒30は、円筒形の本体32と、基礎Kの長手方向に沿った上下一対のピン挿通孔34と、中空部36の下部に形成した雌ネジ部38と、を有する。係る柱支持筒30は、例えばアルミニウム合金のパイプを孔明け加工およびネジ切り加工したものである。
柱支持筒30は、図2および図3(A)に示すように、土台本体10の上面12における屋外・屋内方向の中央に設けた通し孔12aおよび角形の座金26の通し孔27を、中空部15側から貫通し、雌ネジ部38にネジ結合するボルト28によって、土台本体10の上面12に垂直に固定される。即ち、ボルト28と座金26とは、ワッシャ貫通孔18から中空部15内に挿入され、ボルト頭29を回転操作することで、柱支持筒30を予め土台本体10の上に固定している。
【0021】
図2および図3(A)に示すように、ボルト40は、本体42の下側に雄ネジ部44およびフランジ46を有し、本体42の上端に位置するボルト頭48には、平面視が正六角形のレンチ用の挿入穴47が形成されている。係るボルト40は、通し孔19から土台本体10の中空部13に挿入され、その雄ネジ部44を低面16に設けた小径の通し孔19aを介して、ベース板2の雌ネジ孔8に進入させ、図示しないレンチにより回転してネジ結合させる。
この結果、図3(A)の右側に示すように、係るボルト40の中間に位置するフランジ46が土台本体10の底面16に当接することにより、土台本体10をベース板2の上に固定できる。
【0022】
土台本体10は、以下のようにして基礎Kの上方に固定される。
図2および図3(A)に示すように、基礎Kの上面Kuにベース板2を配置し、その凹部4内にワッシャ20の下部を配置し、これらの透孔5と異形ボルト貫通孔22とを貫通したアンカーボルト24の雄ネジ部にナット25を締結する。
係る締結に際し、アンカーボルト24の立設位置が基礎Kの上面Kuにおけるベース板2を固定すべき予定位置の中央部から、内外方向ないし左右方向にずれている場合は、予め後述する操作を行う。
次いで、予め上面の辺12に柱支持筒30を固定した土台本体10の底面16を、ベース板2の厚肉部6,6上に載置する。
【0023】
この際、ワッシャ20の上部を、土台本体10のワッシャ貫通孔18に受け入れる。係る状態で、各通し孔19から上記ボルト40を中空部13内に挿入し、通し孔19の直下における底面16の通し孔19aを経て、ベース板2の雌ネジ孔8に、係るボルト40の雄ネジ部44をネジ結合する。
この結果、図3(A)に示すように、基礎K上の所定の位置にワッシャ20により正確に固定されたベース2上において、柱支持筒30を有する土台本体10が、ボルト40によって固定された本発明の建物用土台の固定構造1が得られる。
【0024】
ところで、図3(A),(B)に示すように、基礎Kにアンカー部が埋設されたアンカーボルト24が当該基礎Kの上面Kuにおいて、その所定の固定位置により設定されるベース板2の固定位置に対して、屋外・屋内・長手(左右)寄りにずれた位置に立設される場合がある。係るアンカーボルト24の雄ネジ部を、当該ボルト24よりも大径であるベース板2の透孔5に貫通させ、係るベース板2を基礎Kにおける所定の固定位置に一致するようにセットする。
次に、ベース板2から垂直に突出するアンカーボルト24の雄ネジ部を、ワッシャ20の異形ボルト貫通孔22に貫通させ、図3(B)中のカーブした矢印で示すように、当該ワッシャ20を適宜回転して、その下部をベース板2の凹部4内に配置する。
【0025】
この結果、アンカーボルト24の設置位置の誤差がベース板2の透孔5の範囲内であれば、係るベース板2は所定の位置に固定できる。これにより、ワッシャ20によって固定されるベース板2は、土台1の取り付け位置に対して正確な位置で固定される。図3(A)に示すように、係るワッシャ20の上部を、ワッシャ貫通孔18に挿入し且つベース板2の上に土台本体10を載置した後、4本のボルト40を前述したように、ベース板2の雌ネジ孔8に個別にネジ結合する。
この結果、上記アンカーボルト24がベース板2の中心部からずれた位置に設置されていても、本発明の固定構造によれば、ベース板2を所定位置に固定できるので、土台本体10を基礎Kの上面Kuにおける設置予定位置に、正確に固定することができる。
【0026】
本発明の建物用土台の固定構造は、具体的に以下の順序によって形成される。
図4(A)に示すように、ベース板2の固定位置に対して、アンカーボルト24は基礎Kの上面Kuにおいて図示で左手前寄りにずれた位置に立設されている。
次に、図4(B),(b)に示すように、ベース板2を、基礎Kの上面Kuの設置予定位置に位置するように配置し、且つその透孔5にアンカーボルト24を貫通させる。この際、図4(b)に示すように、アンカーボルト24は、大径の透孔5における図示で左下寄りにずれた位置で貫通する。
次いで、図4(C),(c)に示すように、ワッシャ20の異形ボルト貫通孔22に上記アンカーボルト24を貫通させると共に、当該ワッシャ20を回転ししつ、その下部をベース板2の凹部4内に配置する。
この結果、係るワッシャ20の中心は、ベース板2の透孔5の中心とは必ずしも一致しないが、概ね透孔5上に位置する。
【0027】
更に、図4(D),(d)に示すように、上記ベース板2およびワッシャ20を貫通したアンカーボルト24の雄ネジ部に、ナット25を締結する。この結果、ベース板2は、設置予定位置において固定され、ワッシャ20の中心位置は、概ねベース板2の透孔5の中心となり、ナット25の位置はワッシャ20の中心からずれた位置になるが、係るベース板2は設置予定位置において固定される。
以上の操作を、基礎Kの長手方向に沿って立設する複数のアンカーボルト24に対して行い、それぞれにベース板2およびワッシャ20を固定する。
図5(A)に示すように、土台本体10は、予め柱支持筒30を固定している。即ち、ボルト28および座金26を、底面16に設けたワッシャ貫通孔18を経て中空部15に挿入し、上面12にて屋内・屋外方向の中央で且つ追って上記ベース板2の真上となる位置に柱支持筒30を立設した後、座金26と上面12の通し孔27,12aを貫通するボルト28を、柱支持筒30の中空部36の雌ネジ部38にネジ結合することで、当該柱支持筒30を固定している。
【0028】
次に、基礎Kの上面Kuに沿って固定された複数のベース板2およびワッシャ20の上方に、所望数の柱支持筒30を予め固定した土台本体10を持ち上げた後、図5(A)中の太い矢印で示すように、下降させる。
その結果、図5(B)に示すように、土台本体10は、ベース板2の厚肉部6,6上にその底面16が載置される。この際、土台本体10の屋内側および屋外側の中空部13,13の上下に位置する通し孔19,19aが、ベース板2の各雌ネジ孔8と同軸心にして一致するように載置する。
【0029】
係る状態で、図5(B)の右側に示すように、ボルト40を通し孔19から土台本体10の中空部13に挿入し、その雄ネジ部44を通し孔19aを通じてベース板2の雌ネジ孔8にネジ結合する。この際、ボルト40は、そのボルト頭48の挿入穴47に図示しないレンチ用を挿入して回転される。係るボルト40は、そのフランジ46が土台本体10の底面16に当接して停止する。
その結果、図5(B)に示すように、ベース板2の固定位置に対してアンカーボルト24がずれた位置で立設されていても、ベース板2は所定の位置に固定されている。これにより、土台本体10を係る基礎Kの上面Kuに沿って、複数のベース板2を介して所定の位置に正確に固定した本発明の建物用土台の固定構造1を形成することができる。
【0030】
そして、図6(A),(B)に示すように、底面50の中心部の垂直な支持穴52およびこれを水平に貫通する一対の水平孔54を有する柱Hを、図示しないクレーンなどを用いて、ベース板2の真上における土台本体10の上方に吊り上げ、上記支持穴52と柱支持筒30とを心合わせしつつ当該柱Hを下降させる。
その結果、図6(B)に示すように、柱Hの底面50は、上記土台本体10の上面12の上に接触すると共に、柱支持筒30のピン挿通孔34,34と、柱Hの水平孔54,54とは、互いに同心となって連通する。
【0031】
係る状態で、図6(B)中の太い矢印で示すように、ドリフトピン56を、柱Hの水平孔54、柱支持筒30のピン挿通孔34、および反対側の水平孔54の順で、図示しない治具によって打ち込む。
この結果、図6(A),(B)に示すように、柱Hを、ベース板2の真上における土台本体10の上に抜け出し不能にして強固に立設することができる。従って、これ以降における建物の施工性や精度を向上させることが可能となる。
尚、上記ドリフトピン56は、1本のみ、あるいは3本以上を併用しても良く、これらに応じて、柱支持筒30のピン挿通孔34や柱Hの水平孔54も同数となるように調整される。
【0032】
本発明は、以上において説明した形態に限定されるものではない。
例えば、前記ベース板2には、硬質の合成ゴムまたは合成樹脂から成形したものを用いることも可能である。また、図7(A)に示すように、板状の本体3の中央付近に前記凹部4を形成せず透孔5のみを有するベース板2aとしても良い。
更に、前記ワッシャには、その中心を含み且つ係る中心から自己の中心が周辺寄りにずれている円形のボルト貫通孔を形成しても良い。この場合、円形のボルト貫通孔は、前記ナット25の外径よりも小さくすることが必要である。
あるいは、図7(B)に示すように、本体21の中心を含み且つ平面視が楕円形の異形ボルト貫通孔23を有するワッシャ20aを用いても良い。係るワッシャ20aを上記ベース板2aの上にワッシャ20を用いて固定すると、図7(C)に示すようになる。
【0033】
また、前記土台本体10において、一対の隔壁11,11を省略して、単一の中空部とした形態も使用可能である。
更に、前記土台本体10において、ベース板2,2間に位置する底面16および上面12の屋外側における位置に通気孔をそれぞれ形成しても良い。係る上下一対または上下複数個ずつの通気孔およびこれらに挟まれた中空部13を介して、外気を導入することにより、土台本体10上で且つ柱H,H間に配置される断熱材などの湿気を除去して、その寿命を高めることも可能である。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の固定構造により基礎の上面に固定した土台本体などを示す斜視図、(B)は上記土台本体に固定される柱を斜め下側から示した斜視図。
【図2】本発明の建物用土台の固定構造を示す分解斜視図。
【図3】 (A)は上記建物用土台の固定構造を示す垂直断面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図。
【図4】 (A)〜(D)は上記建物用土台の固定構造の施工工程を示す垂直断面図、(b)〜(d)は(B)〜(D)における平面図。
【図5】 (A),(B)は図4(D)に続く施工工程または得られた建物用土台の固定構造を示す垂直断面図。
【図6】 (A),(B)は上記建物用土台の固定構造により固定された土台本体の上に柱を立設した状態を示す概略図。
【図7】 (A)は異なる形態のベース板を示す斜視図、(B)は異なる形態のワッシャを示す斜視図、(C)は上記ベース板の凹部に上記ワッシャを載置した概略図。
【符号の説明】
1………………建物用土台の固定構造
2,2a………ベース板
4………………凹部
5………………透孔
10……………土台本体
12……………上面
13,15……中空部
14……………側壁
16……………底面
18……………ワッシャ貫通孔
20,20a…ワッシャ
22,23……異形ボルト貫通孔
24……………アンカーボルト
25……………ナット
30……………柱支持筒
34……………ピン挿通孔
40……………ボルト
K………………基礎
Ku……………上面
H………………柱
W………………幅

Claims (7)

  1. 基礎の上面の所定位置に配置され且つ透孔を有する複数のベース板と、
    上記ベース板の上面において基礎の上面との間に係るベース板を固定し、中心部から周辺寄りに沿った平面視が長円形または楕円形などの異形ボルト貫通孔あるいは中心が周辺寄りに位置する円形のボルト貫通孔を有するワッシャと、
    アルミニウム合金からなり、上記ベース板の上に載置され且つ上記ワッシャを受け入れるワッシャ貫通孔を底面に有する土台本体と、を備え、
    上記基礎に埋設され且つ係る基礎の上面から垂直に立設するアンカーボルトの雄ネジ部を、上記ベース板の透孔に貫通させ、更に上記ワッシャのボルト貫通孔に貫通させ且つナットと締結して、上記ワッシャによってベース板を上記基礎の上面に固定し、
    上記土台本体のワッシャ貫通孔に上記ワッシャを貫通して当該土台本体を、複数のベース板に跨って位置決めすると共に、係る土台本体と上記ベース板とをボルトなどにより固定する、ことを特徴とする建物用土台の固定構造。
  2. 前記土台本体の上面には、水平方向のピン挿通孔を有する柱支持筒が固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の建物用土台の固定構造。
  3. 前記土台本体は、アルミニウム合金の押出形材より形成されてなる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の建物用土台の固定構造。
  4. 前記土台本体は、前記底面、上面、屋内側と屋外側の一対の側壁、およびこれらに囲まれた中空部を含み、且つ屋内および屋外方向に沿った3つ以上の中空部を備え、中間の中空部における上記底面に前記ワッシャ貫通孔が形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の建物用土台の固定構造。
  5. 前記ベース板の真上において前記柱支持筒が立設している、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の建物用土台の固定構造。
  6. 前記柱支持筒は、前記土台本体の上面に固定され、係る柱支持筒に形成されるピン挿通孔は、前記基礎の長手方向にほぼ沿っている、ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の建物用土台の固定構造。
  7. 前記ベース板は、前記上向きの凹部を有する断面形状のアルミニウム合金からなる押出形材をその押出方向に沿って所定の長さで切断し、且つ上記凹部において前記透孔を穿孔したものであり、前記ワッシャの外径は上記上向きの凹部の幅とほぼ同じかやや小さく係る凹部内で且つ回転可能な寸法である、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の建物用土台の固定構造。
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