JP3968503B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ等の撮像装置において、設置や固定のための取付構造に係る技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、監視やモニタリング用途のビデオカメラでは、当該カメラの設置又は固定用に別体の取付金具を専用部品として用意している。つまり、設置等の際には、カメラを建物の天井付近に吊るして設置する場合と、三脚やハウジング内に据え置く場合の2通りの形態が存在し、取付面については使用勝手を配慮して上下2面が用いられる。
【0003】
そして、その場合に、設置業者が取付金具の取付ネジ等を外す事で必要な面に付け替える作業が要求されている。
【0004】
図19乃至図21は、従来のビデオカメラの外観構成を示したものであり、図19が正面図、図20が平面図、図21が側面図をそれぞれ示している。
【0005】
ビデオカメラaの外筐については、フロントパネルbとカメラケースc、リアパネルdからなり、図19及び図20に示すように、フランジバック調整用のリングeの一部がビデオカメラ本体からの上下に露出している。また、図21に示すように、フロントパネルbの側面にはフランジバック調整後のロック用にネジ部材fが設けられている。
【0006】
図20に示すように、カメラ本体とは別に、取付部gを備えた専用の取付金具hが、本体にネジ等の締結部品により固定されている(本例では3本のネジによる固定)が、ビデオカメラの用途から考えると分かるように、壁や天井、三脚や旋回台等の機器に設置するために用いられる取付金具hの位置に関して次の2形態が挙げられる。
【0007】
(1)ビデオカメラが天井に吊り下げられて設置される場合に、カメラ本体の上面に取付金具を取り付ける形態
(2)三脚等に乗せて固定する場合に、カメラ本体の下面(底面)に取付金具を取り付ける形態。
【0008】
このように、カメラの使用状況に応じて取付金具hのカメラ本体への取付位置が異なってくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成では、取付金具に関して、製品の出荷時点でカメラ本体におけるどちらかの面に取り付けられていても、ユーザの使用状況や製品仕向け地での諸事情に応じて、取付位置を変更しなければならないという問題がある。そして、この作業は設置業者が行うこととなり、一度に何十、何百台のビデオカメラを設置する際には多大な労力と時間を必要とする。
【0010】
尚、設置業者がビデオカメラを設置する際、特に監視用途等では、通常人手の触れない場所にカメラが設置される場合が多く、従って、一度設置したらカメラがそのまま放置状態となってしまうことを考慮して、カメラ設置時には必要以上の締付トルクをもってネジ締結を強固に行う場合が非常に多い。そのため、取付金具に関しては特定の工具を選ばなくても破損しないように過度とも言える強度を併せ備えている。
【0011】
また、顧客の要望に合わせた外観デザインのカスタマイズ要求が頻繁に行われているため、その度に外装部品を新規に設計する必要が生じることになるが、それに伴って内部構造にも変更が生じる場合が多い。
【0012】
そこで、本発明は、撮像装置において、カメラ設置や固定の作業性を改善するとともに、その際に必要な強度を保証すること及び外装部品の変更を容易に行えるようにすることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、設置又は固定用の取付部が設けられた撮像装置において、装置の外筐のうち、複数の側面に上記取付部がそれぞれに付設され、該各取付部を構成する取付用部材が各々装置の外装部品の内面に埋め込まれ、装置の外装部品のうち、取付用部材が取り付けられる部分が、装置内のシャーシに形成された凹部に嵌め込まれ、装置内に配置されるところの上シャーシ、下シャーシ、フロントシャーシ及びリアシャーシからなるシャーシの内部に回路部品を配置して当該シャーシで該回路部品を囲い込むようにされ、取付用部材としてナットを用いるとともに、外装部品のうち当該ナットを取り付けた部分が、シャーシに形成された凹部に嵌め込まるようにしたものである。
【0014】
従って、本発明によれば、装置外筐の複数の側面に対してそれぞれに取付部を設けることにより、使用状況に応じてそれらの取付部を選択できるので、取付金具の位置を変更する必要がなくなり、作業性が向上する。
【0015】
そして、取付用部材を装置の外装部品に取り付けるとともに、その取り付け部分が、装置内のシャーシに形成された凹部に嵌め込まれる構成を有するので、作業時の強度を確保できる。さらには、シャーシ内部に回路部品を配置して、外装部品をシャーシに対して着脱可能な状態で取り付けられる構造を有するので、外装部品のデザイン変更に対して柔軟に対処できる。
また、シャーシを上シャーシ、下シャーシ、フロントシャーシ及びリアシャーシの4個の部品にて構成することとし、その4個の部品で構成したシャーシにより回路部品囲い込んでいるので、シャーシの強度を確保し、更に、シャーシで内部の不要輻射等を安全規格に適合させることができ、ノイズ耐性の向上を図ることができる。
また、取付用部材としてナットを用いることにより、作業性良く、取付ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は撮像装置に関するものであり、以下に示す形態例では、その取付金具が機器本体の側面のうち、複数の側面(例えば、対向する2面)において事前に内蔵された構造を有しているために、設置業者による取付金具の付け替え作業を省くことが可能となり、作業性の大幅な改善を図ることができる。また、専用の部品を設計上新たに起こさずに外装部品の内側に取付用部材(ネジ部材等)を取り付け、内部のシャーシで挟みこむ構造をもって強度を保つようにしているために、専用部品を省くとともに、必要な強度及び機能の確保を可能にしている。そして、本構造にあっては内部シャーシのみで各部品を保持すると同時にシャーシにより内蔵部品を完全に覆う方式をとっており、外装部品については嵌め込み構造や、必要最小限のネジ締結だけで取り付けられるために、外装デザインの変更等にも容易に対処することができる。これにより、顧客の独自デザインへの対応や製品構造のプラットフォーム化等が可能となってくる。
【0017】
尚、以下では、CCD型、MOS型等の撮像素子を用いたビデオカメラを例に挙げて説明するが、ビデオカメラへの適用に限らず、スチルカメラ、あるいは動画及び静止画の撮影が可能な各種形態の装置に本発明を適用できることは勿論である。
【0018】
図1乃至図4は、本発明を監視用CCDカメラに適用した場合の撮像装置1について全体の外観を示したものであり、図1が正面図、図2が平面図、図3が側面図、図4が底面図である。尚、図2乃至図4に一点鎖線で示すP軸が撮像系の光軸である。
【0019】
撮像装置1の外筐は、フロントパネル2とカメラケース3、リアパネル4から構成される。アルミダイカスト等で一体に形成する形態や、内部にダイカスト部品等のシャーシを内蔵し、これに合成樹脂製のモールドカバーをかぶせた形態が挙げられるが、本例では、後者の形態において、フロントパネル2、カメラケース3、そしてコネクタを配したリアパネル4が各別の部材として外筐を構成している。
【0020】
フロントパネル2にはレンズマウント部5が設けられており、光軸Pの周りに円形状をしたレンズマウント面5aが光軸Pに対して直交する配置をもって形成されていて、当該レンズマウント部5の内周には、図1に示すようにレンズ取付部6が設けられている。このレンズ取付部6には、レンズの取付用ネジ穴等が形成されている。
【0021】
尚、レンズマウント面5aに取り付けられるレンズの種類(CマウントレンズやCSマウントレンズ等)に応じたフランジバック距離(レンズマウント面に対する撮像素子の光軸方向の距離)を調整するための機構がフロントパネル2内に組み込まれているが、外観上では、図3に示すように当該調整機構を構成する調整ネジ7がフロントパネル2の外側面に設けられているのみである。
【0022】
本例では、装置外筐の上下2面を取付面として利用するために、図2、図4に示すように、カメラケース3の上面及び下面には取付部8、9がそれぞれに設けられ、これらはカメラ本体の設置や固定に用いられる。つまり、天井等に吊り下げる設置形態では、カメラケース上面の取付部8を使用し、また、三脚や旋回台、雲台等に乗せて固定したり、監視用箱内に装置を収容して設置する形態では、カメラケース下面の取付部9を使用できる構造となっている(各取付部については上下各面において内蔵された構成となっているが、後で詳述する。)。
【0023】
図5乃至図8は、カメラ内部におけるプリント基板の配置例を示したものであり、図5が正面図、図6が平面図、図7が左側面図、図8が右側面図である。
【0024】
本例では、下記に示す4つの基板群10から構成されている(数字は各基板に付した符号を示す。)。
【0025】
・基板11=信号処理回路が配された基板
・基板12=電源用基板
・基板13=撮像素子が配される、画像取り込み系の基板
・基板14=外部との入出力用端子等を備えた基板。
【0026】
そして、カメラ本体の内部では、撮像素子が実装される基板13が最も前方(撮影方向)に位置するとともに、外部装置との接続用の基板14が最も後方に位置されており、両者の間において基板11、基板12が互いに平行な状態で前後方向に配置されている。
【0027】
本例では、図5に示すように基板13が四角形状をなし、基板14は四角形状の一部が切り欠かれることで、ほぼ鍵括弧状の形状をしている。また、基板11、基板12については、図7、図8に示すように、ほぼ長方形状をなしているが、それらの前端部分が幅狭にされるとともに、後端部には後方への突出部分が形成されている。尚、図示は省略するが、各プリント基板の間は、種々のハーネスやコネクタ等の配線用部材を用いて接続されている。また、これらのプリント基板の取付については、ビデオカメラに内蔵されたシャーシ(板金等により形成されている。)にネジ等の締結部材で固定する形態が挙げられるが、基板をシャーシに嵌め込む等の構造を用いるとともに、締結用のネジ部材の数を極力低減する(1基板あたりネジ1本の割合で締結する等)ことが好ましい。尚、嵌め込み構造の詳細については、本発明の主たるところではないために割愛する。
【0028】
図9乃至図11は、シャーシの構造例を示しており、フロントシャーシ15、下シャーシ16、リアシャーシ17、上シャーシ18により構成されている。尚、図9がフロントシャーシ15及びリアシャーシ17を外して正面から見た図、図10が上シャーシ18を外した状態で示す平面図、図11が各シャーシ部を分解して示す側面図である。
【0029】
本例では、フロントシャーシ15が、例えば、亜鉛やアルミニウム等のダイカスト部品として構成されていて、当該シャーシにはレンズ取付用のネジ部等が形成されるとともに、図10に示すように、複数の取付片15A、15A、15Bが後方を向いて一体に突設されている。尚、取付片15A、15Aがシャーシ15の上縁部分に形成され、取付片15Bがシャーシ15の下縁部分に形成されており、各取付片にはネジ孔がそれぞれに形成されている。
【0030】
他のシャーシ部材、つまり、下シャーシ16、リアシャーシ17、上シャーシ18については板金材料等で形成されており、それぞれが互いに嵌め込み構造をもって、ネジ等の締結部材により締結されている。
【0031】
例えば、図10、図11に示すように、下シャーシ16の前端寄りの部分には、フロントシャーシ15の取付片15Bが内側から挿合されるようになっており、その部分をネジ部材1つで固定することによりフロントシャーシ15が下シャーシ16に取り付けられるようになっている。
【0032】
また、フロントシャーシ15を上シャーシ18に取り付ける際には、図11に示すように、上シャーシ18に形成された挿通孔に取付用のネジ部材を通してから、フロントシャーシ15の各取付片15Aのネジ孔に螺合させて締結すれば良い。尚、その際、上シャーシ18には、その後端寄りの側縁部にL字状をした係止部18A、18A(図にはその一方だけを示す。)が一体に形成されており、下シャーシ16には当該係止部18Aに対応する引掛片16Aが形成されているので、各係止部18Aを対応する引掛片16Aに係止させることで上シャーシ18を下シャーシ16に嵌挿することができる。
【0033】
また、図11に示すように、下シャーシ16における後端寄りの側面部には、リアシャーシ17に対する引掛片16B、16B(図にはその一方だけを示す。)が形成されているので、リアシャーシ17に形成されたL字状の係止部17A、17A(図にはその一方だけを示す。)を、それらに対応する引掛片16Bに係止させるとともに、その近傍位置をネジ部材(図10参照)で締結することにより、リアシャーシ17が下シャーシ16の後端部に取り付けられるようになっている。
【0034】
このように、シャーシ同士の嵌め合いとネジ締結によって組み上がった構造の内部に上記した各プリント基板(11乃至14)が内蔵されて配置されることになるが(図5乃至図8参照)、各シャーシは各プリント基板等を保持する役目を果たしている(例えば、図10において、下シャーシ16の後端寄りの側面から内側に屈曲されて一体に形成された部分16C、16Cは、上記した基板11、12の支持部であり、係合用の切欠がそれぞれに形成されている。)。
【0035】
尚、シャーシ構造については、4部品で全体を覆う構成となっているが、これは、強度を確保するためと、カメラ本体の不要輻射等を安全規格に適合させることを考慮したものである。つまり、シャーシ内部に基板等の回路部品を配置し、当該シャーシで基板等を囲い込む構造がノイズ耐性の向上にとって望ましく、しかも、装置の外装部品をシャーシに対してその外側から着脱可能な状態で取り付ける構造を採用することで、外観デザインの設計に関して柔軟に対応することが可能となる。また、後述する取付用部材との関係において、当該部材の取付時に必要な強度を確保するといった観点からも、シャーシに使用する材料としては金属材料が好ましい。
【0036】
図9に示すように、下シャーシ16と上シャーシ18にはそれぞれ凹部が形成されており、それらは各シャーシの前後方向に沿って延びている。
【0037】
即ち、下シャーシ16には、図の左右両側部分よりも一段窪んだ部分が凹部16Lとして形成されており、また、上シャーシ18には、図の左右両側部分よりも一段窪んだ部分が凹部18Uとして形成されている。そして、それらの凹部は互いに対応する位置関係をもって、所定の幅(光軸に直交する面内における幅)で形成されている。尚、図には、「A+α」を付して示すが、これは、A寸法に対してα(微小な余裕分)を加えた寸法を意味する。
【0038】
図12乃至図14は、上記したシャーシ構造への外装部品の取り付けについて示すものであり、外装部品はフロントパネル、リアパネル、上カバー、下カバーに分割されている。尚、図12は上下の各カバーをシャーシに取り付ける様子を示し、図13はフロントパネル及びリアパネルをシャーシに取り付ける様子を示しており、図14は組み上げたシャーシに対する各カバー部材の配置を示す分解図である。
【0039】
先ず、図13、図14に示すように、合成樹脂製のフロントパネル20と、リアパネル23については、シャーシへの嵌め込み構造を採用している。つまり、フロントパネル20をフロントシャーシ15に外嵌させるとともに、リアパネル23をリアシャーシ17に外嵌させる。そして、この状態からさらに、図12、図14に示すように、合成樹脂製の上カバー21と下カバー22をそれぞれ取り付ける。例えば、ネジ締結等で取り付けを行うために、上カバー21や下カバー22にはネジ部材の挿通孔を形成しておき、それらの孔にネジ部材を通してシャーシに固定することで、当該シャーシの外装部品としてのカバー部材を取り付けることができる。
【0040】
尚、図9乃至図11に示したシャーシ構造によって強度等を確保しているため、外装部品については4部品(前後及び上下の各カバー)として、それらをネジ4本(合計8本)で容易に取りつけることが可能である。
【0041】
図15乃至図18は、本発明に係る取付部の詳細について一例を示すものであり、取付用部材24(取付金具等)としてナット(24N)を用い、これを装置の外装部品の内面に埋め込むようにした形態を採用している。尚、図15は、上下の各カバーとシャーシに対するナットの取り付けを示し(各カバーの一部を断面で示す。)、また、図16及び図17は上カバーの構成例を示し、図16が要部の断面図、図17が上カバーをその内面側から見た図である。そして、図18はナットの形状例を示している。
【0042】
図16及び図17では、上下の各カバーのうち、上カバー21を代表にとり挙げて説明しているが、下カバー22についても同様の構造が設けられている(下カバーにおけるナットの配置部の構造は、上カバー21における当該構造と同様とされている。)。
【0043】
図15に示すように、上カバー21や下カバー22には、ナット24N、24Nを保持するための受け入れ部25、25がそれぞれに形成されている。
【0044】
ナット24Nの形状については、図18において正面図及び側面図で示すように、円筒状をした螺合部24aと、直方体状をした被保持部24bとが金属材料で一体に形成されている。そして、螺合部24aには、その中心を貫通する螺孔24cが形成されており、当該螺合部24aが、上カバー21に形成された後述の円孔を通して外部に露出される。
【0045】
図16、図17に示すように、上カバー21の内面には、中央よりもやや前側に寄った位置に、上記ナット24Nの受け入れ部25として、保持用リブ26による囲繞壁が一体に形成されており、その内部にはナット取付用(保持用)の微小な突条部27、27、…が複数箇所(本例では3箇所)に亘って形成されている。そして、保持用リブ26に囲まれた部分には、ナット24Nの螺合部24aの外径に対応した孔径をもって円孔28が形成されている。
【0046】
尚、図17に示すように、保持用リブ26の形成により矩形状をなす囲繞壁の部分については、光軸に直交する面内であって図の紙面上に延びる方向(図の上下方向)における寸法が「A」に規定され、これは上記したシャーシ18、16の各凹部18U、16Lについて付した「A+α」の寸法(図9、図15を参照。)のうち、「A」寸法に対応する。つまり、保持用リブ26の形成部分の外径については、当該部分が凹部18U(又は16L)に受け入れられるように、各凹部の形成寸法よりもやや小さくされている。また、保持用リブ26の形成部分の内径については、ナット24Nの被保持部24bを挿合させて受け入れるのに十分な寸法とされている。
【0047】
ナット24Nを上カバー21に取り付けるに際しては、ナット24Nの螺合部24aを上記円孔28に挿合させるとともに、ナット24Nの被保持部24bを、保持用リブ26内に嵌め込む。この時、ナット24Nは、その被保持部24bによって、保持用リブ26の内面に形成された突条部27、27、…を潰しながら圧入されて挿入されるので、これにより、ナット24Nの抜け止めがなされる。
【0048】
圧入により上カバー21に取り付けられることで一体となったナット24N及び当該上カバー21がシャーシに取り付けられるが、上記のように、保持用リブ26の外径については、A寸法に形成されているため、当該リブの形成部分が、上シャーシ18における寸法「A+α」の凹部18Uに対して嵌め込まれる形となる。即ち、両者についてはその間に、寸法「α」の余裕分をもって互いに嵌め合わされる(「α=0」の設定では、嵌め合いが困難となり、作業に手間取るため。)。
【0049】
こうして、ナット24N及び上カバー21が上シャーシ18に取り付けられて固定され、上記円孔28からナット24Nの螺合部24aがカメラ本体の外部に露出することになる(図2、図4を参照。)。尚、説明は省略するが、このことは、下カバー22と下シャーシ16との関係においても同様であり、下カバー22に取り付けられたナットが部分的に外部に露出される。
【0050】
カメラ装置の設置や固定の際には、装置本体に埋め込まれたいずれか一方のナットを用いて、当該ナットに対して図示しない取付用のネジ部材を螺合させて作業を行うが、前述の通り、本体の固定に当たって作業者が必要以上に頑強にネジを締め付けてしまう場合には、内蔵のナットに係る回転方向の押さえ(本発明では、ナット保持用リブ26に相当する)が破壊し、ナットが空回りしてしまう虞がある。そこで、従来の構造では、別体の専用取付金具を付設して、ナットの保持に多大な強度を持たせている。
【0051】
これに対して、本発明に係る上記の構造では、保持用リブ26自体に過度な強度を持たせるのではなく(例えば、樹脂製のカバー部材を用いる場合には、当該リブ26の強度のみでは実際上必要な強度を得ることが全く困難である。)、内部の板金製シャーシを利用し、当該シャーシに凹部(18U、16L)を形成して挟み込むことで、ナットの回転方向において必要な強度を得て、作業時に当該ナットを確実に保持できる方法を採用している。従って、ナットの取付部についてその強度を保証するために専用設計を行う必要がなくなる。また、外装部品(上記カバー)とシャーシを流用することが可能となり、専用部品を用いなくとも当該部品を付設した場合と同等以上の強度を保つ事ができる。
【0052】
そして、上記構造によれば、各シャーシ部の締結によって強度を保持し、かつそれらの部材で内部が覆われる構造となるために、外装部品の取付が非常に容易となる。即ち、組み上がった状態のシャーシ構造物に対して外装部品を取り付ければ済む。よって、種々の異なる外装部品を用意してラインアップの拡充を展開することが可能となる。また、シャーシのみの構成形態で、強度や安全規格も満たすことが可能であることから、本形態でのコンポーネント商品も可能である。
【0053】
しかして、以上の説明した構成により、例えば、下記に示す利点を得ることができる。
【0054】
・撮像装置本体を外部に設置して固定する際に、取付部が本体の上下2面にそれぞれ内蔵された構成を備えているため、従来のように設置場所に応じて取付金具を付け替えるといった手間のかかる作業が不要となり、設置工数の削減及び作業性の改善に大きく寄与することができる。
【0055】
・外装部品に取付用部材を装着するだけで済み、取付の専用部品が必要ない。また、取付時に過度な力が加わったとしても充分に耐え得る強度をもって保持することが可能となる。これより、生産性及び作業性の向上と、コスト低減に貢献できる。
【0056】
・装置内部におけるシャーシの状態で強度等が確立されているため、外装部品を非常に簡素に構成できる。ひいては、種々の外観デザインに応じた外装部品についてのラインアップの拡充が可能となり、市場や顧客の要望に対して早期に対応する事が可能となる。特に、外装部品を合成樹脂で形成する場合には、所望の曲面を作り易いため、外観仕様の多様化にとって有利であり、またコストが安く、軽量化にも適している。
【0057】
尚、上記の例では、取付用部材として四角ナットを用いることでカバー側の受け入れ部のサイズを小さくしたが、これに限らず、六角ナット等を用いることもできる。
いずれにしろ、ナットを用いるので作業性が良い。
【0058】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、装置外筐における複数の側面に対して設置用又は固定用の取付部をそれぞれ設けることにより、使用状況に応じてそれらの取付部を選択できるので、取付金具の位置変更の必要がなくなり、作業性が向上する。
【0059】
更に、取付部の構成を簡素化できるので、コスト面で有利であり、また、取り付けに必要な強度を充分に確保することができる。
そして、シャーシによって回路部品の周囲を覆う構成を採用して、外装部品に頼らずに撮像機能を機構部だけで成立させるとともに、その強度を保証することができ、しかも、シャーシに対して外装部品を容易に取り付けることができるので、各種の外観デザイン上の要求に応えることが可能になる。
また、シャーシを上シャーシ、下シャーシ、フロントシャーシ及びリアシャーシの4個の部品にて構成することとし、その4個の部品で構成したシャーシにより回路部品囲い込んでいるので、シャーシの強度を確保し、更に、シャーシで内部の不要輻射等を安全規格に適合させることができ、ノイズ耐性の向上を図ることができる。
また、取付用部材としてナットを用いたので、作業性良く取付ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図4とともに、本発明に係る装置の構成例について外観を示す図であり、本図は正面図である。
【図2】平面図である。
【図3】側面図である。
【図4】底面図である。
【図5】図6乃至図8とともに、本発明に係る装置内部の基板配置について一例を示すものであり、本図は正面から見た図である。
【図6】平面から見た図である。
【図7】側面から見た図である。
【図8】図7とは反対側の側面から見た図である。
【図9】図10、図11とともに、本発明に係るシャーシ構造について一例を示すものであり、本図は正面から見た図である。
【図10】平面から見た図である。
【図11】側面から見た分解図である。
【図12】図13、図14とともに、本発明に係る外装部品のシャーシへの取付構造について一例を示すものであり、本図は正面から見た図である。
【図13】平面から見た図である。
【図14】側面から見た分解図である。
【図15】要部の構成を示す図である。
【図16】外装部品の要部を示す図である。
【図17】外装部品を内面側から見た図である。
【図18】ナットの形状例を示す図である。
【図19】図20、図21とともに、従来の構成例について外観を示す図であり、本図は正面図である。
【図20】平面図である。
【図21】側面図である。
【符号の説明】
1…撮像装置、8、9…取付部、15、16、17、18…シャーシ、16L、18U…凹部、20、21、22、23…外装部品、24…取付用部材、24N…ナット
Claims (1)
- 設置又は固定用の取付部が設けられた撮像装置において、
装置の外筐のうち、複数の側面に上記取付部がそれぞれに付設され、
上記各取付部を構成する取付用部材が各々装置の外装部品の内面に埋め込まれ、
装置の外装部品のうち、取付用部材が取り付けられる部分が、装置内のシャーシに形成された凹部に嵌め込まれ、
装置内に配置され、上シャーシ、下シャーシ、フロントシャーシ及びリアシャーシからなるシャーシの内部に回路部品を配置して当該シャーシで囲い込むようにされ、
取付用部材としてナットを用いるとともに、外装部品のうち当該ナットを取り付けた部分が、シャーシに形成された凹部に嵌め込まるようにした
ことを特徴とする撮像装置。
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