JP3966505B2 - 建設機械におけるドアのロック解除装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械におけるドアのロック解除装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械のなかには、運転室側面に開設される出入口を開閉するためのドアとして、運転室側面に沿って前後方向にスライド移動自在なスライド式のドアを用いたものがある。このものにおいて、従来、例えば特開平11−286963号公報に示されるように、開放状態や閉鎖状態のドアがガタついたり不用意に移動したりしないように、ドアを閉位置、開位置の各位置でロックするロック装置を設ける一方、該ロック装置のロック解除を、ドアに設けたハンドル(把手)の引き操作で行えるように構成した技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のロック装置は、ドアに設けられたハンドルに対して、リンクやケーブルを介して常に接続された状態になっていた。このため、オペレータがハンドルを引き操作しているあいだは、ロック装置の解除機構が作動していてドアのロックを行うことができず、従って、ドアを閉位置、開位置の各位置でロックするためには、ドアが開位置、閉位置に達したときにハンドルが引き操作されていてはならないことになる。
しかるに、スライドドアにおいては、閉位置、開位置のドアのロック解除からドアを開位置、閉位置までスライド移動させるというドアの開閉作動を、ハンドルを持ったままの一連の動作で行うことができるため、ドアが開位置、閉位置に達したときにハンドルが引き操作されたままのことがある。特に、坂道駐車していてドアが開けにくい、あるいは閉めにくいような場合に、ハンドルに力を入れてドアの開閉操作を行うため、ドアが開位置、閉位置に達するまでハンドルを引き操作したままのことがあり、このような場合にはドアのロックがなされないことになって、閉鎖状態、開放状態のドアがガタついたり不用意に移動したりする惧れがあるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、運転室側面に開設された出入口を閉じる閉位置と、出入口を開く開位置とにスライド移動自在なドアを備えてなる建設機械において、前記ドアを閉位置、開位置の各位置にロックするロック装置を設ける一方、該ロック装置の解除をドアに設けたハンドルの操作で行うように構成するにあたり、前記ロック装置とハンドルとの連繋経路に、ハンドルのロック解除側への操作途中でハンドルとロック装置とを接続してハンドル操作に基づいたロック装置の解除作動を行うが、ハンドルのロック解除側へのフル操作ではハンドルとロック装置との接続を断つクラッチ機構を設けたものである。
そして、この様にすることにより、ハンドルをロック解除側に操作したままでドアの開閉を行っても、ドアが開位置、閉位置に達したときにロック装置が解除状態でロックされないような不具合がなく、スライド式ドアの開閉操作性を著しく向上させることができる。
このものにおいて、ロック装置の解除は、ロック装置に連結される解除レバーを解除姿勢に変姿せしめることで行われる一方、クラッチ機構は、ハンドル操作に基づいて変姿するクラッチレバーを用いて構成され、該クラッチレバーは、ハンドルのロック解除側への操作途中で解除レバーに係止して該解除レバーを解除姿勢に変姿せしめる一方、ハンドルのロック解除側へのフル操作で解除レバーとの係止を解除するように設定される構成とすることができる。
さらにこのものにおいて、ドアの屋外側に設けられるハンドルの操作は、キーシリンダの解錠状態でクラッチレバーに伝達される一方、キーシリンダの施錠状態ではクラッチレバーに伝達されないように構成することにより、キーシリンダの施錠状態ではロック装置のロック解除を行えないことになって、防犯性を確保できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロントアタッチメント4等の各部から構成されており、さらに前記上部旋回体3には、本発明の運転室に相当するキャブ5、エンジンルーム6等が配設されている等の基本的構成は従来通りである。
【0006】
前記キャブ5の左側面5aの前半部には、オペレータが出入りする出入口が開設されている。また、7は出入口を開閉するためのドアであって、該ドア7は、図示しないスライド機構を介して、左側面5aと略面一状になって出入口を全閉する閉位置と、左側面5aと略並列状となって出入口を全開する開位置とのあいだを、キャブ5の左側面5aに沿うようにしてスライド移動するように構成されている。尚、図1中、8はスライド機構を構成するセンターレールである。
【0007】
前記ドア7の屋外側、室内側には、ドア7を開閉するときに把持するアウターハンドル(屋外側の把手)9、インナーハンドル(屋内側の把手)10がそれぞれ取り付けられている。そして、これらアウターハンドル9およびインナーハンドル10の操作に基づいて、後述するように、ドア7を閉位置、開位置の各位置に固定(ロック)するためのロック装置11の解除を行えるように構成されているが、まず、これらアウターハンドル9、インナーハンドル10とロック装置11との連繋機構について、図2〜図5に基づいて説明する。
【0008】
ここで、前記ドア7は、閉位置のときには出入口の周縁部に取り付けられたシールラバー(図示せず)によって開側に向けて押圧される一方、開位置のときにはドア7の前部およびキャブ左側面5aの後部に取り付けられたストッパラバー12によって、閉側に向けて押圧されている。而してドア7は、前記ロック装置11による閉位置、開位置でのロックが解除されると同時に、シールラバー、ストッパラバー12による押圧力を受けて、該押圧力を受けなくなる位置まで自動的に開側、閉側に移動するようになっている。
【0009】
扨、前記アウターハンドル9は、本実施の形態では、ドア7屋外側面の前方下部に縦軸回りに揺動自在に軸支されていて、ドア7を開閉するときにキャブ5外のオペレータによって手前側に引き操作されるように構成されている。また、13はアウターハンドル9に連結機構14を介して連結されるアウター側ロッドであって、該アウター側ロッド13の上端部には、後述するキープレート15に開設の長孔15aに移動自在に嵌合されるアウター側作動ピン16が止着されている。そして、アウター側ロッド13は、アウターハンドル9が操作されていないときには上動しているが、アウターハンドル9を手前側に引き操作することで下動するように構成されている。
【0010】
また、キープレート15は、前述したようにアウター側作動ピン16が嵌合される長孔15aが開設されていると共に、ドア7の施錠−解錠を行うためのキーシリンダ17に連結ロッド18を介して連結されていて、図示しないキーを差し込んでキーシリンダ17を施錠位置−解錠位置に回動せしめることにより、キープレート15は、支軸19を軸として、施錠姿勢と解錠姿勢とに揺動変姿するように構成されている。そして、キープレート15が施錠姿勢のときには、該キープレート15の長孔15aに嵌合しているアウター側作動ピン16が後述するクラッチレバー20から離間するように設定されており、これによってアウターハンドル9の操作がクラッチレバー20に伝達されないように構成されている。(図2参照)。
【0011】
一方、キーシリンダ17を解錠位置に回してキープレート15を解錠姿勢にすると、該キープレート15の変姿に伴ってアウター側作動ピン16がクラッチレバー20側に移動して、クラッチレバー20の一端側に形成のピン係止凹部20aに係止するように設定されている(図3参照)。そして、該アウター側作動ピン16がクラッチレバー20のピン係止凹部20aに係止している状態では、アウターハンドル9の操作がアウター側ロッド13、アウター側作動ピン16を介してクラッチレバー20に伝達される構成になっている。
【0012】
前記クラッチレバー20は、中央部が支軸21を介して揺動自在に軸支されると共に、一端側には前述したピン係止凹部20aが形成され、また他端側には後述する解除レバー22に断続自在に係止する解除用突起20bが形成されると共に、後述するインナー側作動ピン23が止着されている。そしてこのクラッチレバー20は、一端側が上動し他端側が下動した非操作姿勢(図3におけるクラッチレバー20の姿勢)と、一端側が下動し他端側が上動した操作姿勢(図5におけるクラッチレバー20の姿勢)とのあいだを、支軸21を軸として揺動変姿すると共に、図示しないクラッチレバー用の弾機により、反時計回り方向、つまり非操作姿勢側に向けて常時付勢されている。
【0013】
さらに、解除レバー22は、ロック装置11を構成する後述のストッパ37に、解除ケーブル24を介して連結されている。そして、この解除レバー22は、ストッパ37に作用しない中立姿勢(図2、3、5における解除レバー22の姿勢)と、解除ケーブル24を介してストッパ37に作用してロック装置11のロックを解除する解除姿勢(図4の解除レバー22の姿勢)とに、支軸25を軸として揺動変姿するように構成されていると共に、図示しない解除レバー用の弾機により、中立姿勢側に向けて常時付勢されている。さらに、この解除レバー22には、前記クラッチレバー20の解除用突起20bに対向する部位に、突起受部22aが形成されている。
【0014】
扨、キーシリンダ17が解除位置に位置してる、つまりキープレート15が解錠姿勢になっている状態では、前述したようにアウターハンドル9の操作がアウター側ロッド13、アウター側作動ピン16を介してクラッチレバー20に伝達されるが、該解錠状態でのアウターハンドル9の操作とクラッチレバー20および解除レバー22の作動について、以下に説明する。
尚、キーシリンダ17が施錠位置に位置している状態では、前述したようにアウターハンドル9の操作はクラッチレバー20に伝達されず、而して後述する解除レバー22の解除姿勢への揺動変姿もなされないことになって、ロック装置11のロック解除を行うことができない構成になっている。
【0015】
まず、アウターハンドル9が操作されていない状態では、アウター側ロッド13は上動しており、このときアウター側作動ピン16は、キープレート15の長孔15aの上部側に位置している。また、クラッチレバー20は、クラッチレバー用弾機の付勢力を受けて、ピン係止凹部20aが形成された一端側が上動し、解除用突起20bが形成された他端側が下動した非操作姿勢になっている。さらに、解除レバー22は、解除レバー用弾機の付勢力を受けて中立姿勢になっているが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは、解除レバー22の突起受部22aの下方に位置していて突起受部22aから離間している(図3参照)。
【0016】
この状態からアウターハンドル9を引き操作すると、該引き操作に伴ってアウター側ロッド13が下動し、これと共にアウター側作動ピン16は、クラッチレバー20のピン係止凹部20aを下側に押しながら、キープレート15の長孔15a内を下方に移動する。上記ピン係止凹部20aが下側に押されることで、クラッチレバー20は、支軸21を軸として操作姿勢側に揺動するが、該非操作姿勢から操作姿勢への揺動の途中で、クラッチレバー20の解除用突起20bが解除レバー22の突起受部22aに下側から係止して突起受部22aを上側に押す(図4参照)。これにより解除レバー22は、支軸25を軸として解除姿勢に揺動変姿するが、このとき、アウター側作動ピン16は長孔15aの中間位置に位置していると共に、アウターハンドル9にはまだ引き代が残っているように設定されている。而して、アウターハンドル9の引き操作の途中で解除レバー22が中立姿勢から解除姿勢に揺動変姿し、これによりロック装置11のロック解除がなされる構成になっている。
【0017】
前記状態から、さらにアウターハンドル9を引き代一杯まで引き操作する、つまりフル操作すると、アウター側作動ピン16が長孔15aの下部まで下動して、クラッチレバー20は操作姿勢になるが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは解除レバー22の突起受部22aを乗り越えて上動し、これにより解除用突起20bと突起受部22aとの係止が解除されるように設定されている。そして、該解除用突起20bとの係止が解除された解除レバー22は、解除レバー用弾機の付勢力を受けて中立姿勢に復帰する(図5参照)。而して、アウターハンドル9がフル操作された状態では解除レバー22は中立姿勢に復帰していて、ロック装置11に作用しないように構成されている。
【0018】
尚、前記引き操作されたアウターハンドル9から手を離すと、アウター側ロッド13が図示しない弾機の付勢力を受けて上動し、これによりアウター側作動ピン16がキープレート15の長孔15aの上部側に移動すると共に、クラッチレバー20はクラッチレバー用弾機の付勢力を受けて非操作姿勢に復帰する。このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは、中立姿勢の解除レバー22の突起受部22aに上側から当接して解除レバー22を時計回り方向に揺動せしめるが、該中立姿勢を越えての時計回り方向の解除レバー22の揺動では、ロック装置11に作用しない構成になっている。
【0019】
一方、インナーハンドル10は、本実施の形態では、ドア7屋内側面の前部の中間高さ位置に縦軸回りに揺動自在に軸支されていて、ドア7を開閉するときにキャブ5内のオペレータによって手前側に引き操作されるように構成されている。この場合、ドア7が閉じていても開いていてもインナーハンドル10の操作を行いやすいように、左右何れの側からでも引き操作を行えるようになっている。また、26、27はインナーハンドル10に連結機構28、29を介して連結される第一、第二インナー側ロッドであって、これら第一、第二インナー側ロッド26、27の下端部には、長孔30a、31aが開設された第一、第二作動リンク30、31が止着されているが、上記長孔30a、31aには、前述したクラッチレバー20の他端側に止着されるインナー側作動ピン23が移動自在に嵌合されている。そして、第一、第二インナー側ロッド26、27は、インナーハンドル10が操作されていないときには下動しているが、インナーハンドル10を手前側に引き操作することで上動するように構成されている。この場合、インナーハンドル10を左右何れか一方側から操作した場合には、第一、第二の何れか一方のインナー側ロッド26または27が上動し、インナーハンドル10を左右何れか他方側から操作した場合には、他方のインナー側ロッド27または26が上動するが、第一、第二のインナー側ロッド26、27および第一、第二作動リンク30、31は同様の作動を行うため、以下、インナーハンドル10の操作で第一インナー側ロッド26が上動したとして説明する。
【0020】
まず、インナーハンドル10が操作されていない状態では、インナー側ロッド26は作動リンク30と共に下動しているが、該下動状態の作動リンク30の長孔30aの下端部に、前述した非操作姿勢のクラッチレバー20のインナー側作動ピン23が位置するように設定されている。このとき、解除レバー22は中立姿勢であって、クラッチレバー20の解除用突起20bと解除レバー22の突起受部22aとは離間している(図3参照)。
【0021】
この状態からインナーハンドル10を引き操作すると、該引き操作に伴ってインナー側ロッド26が上動し、これと共に作動リンク30が上動してインナー側作動ピン23を上側に押す。該インナー側作動ピン23が上側に押されることにより、クラッチレバー20は、支軸21を軸として操作姿勢側に揺動するが、該非操作姿勢から操作姿勢への揺動の途中で、クラッチレバー20の解除用突起20bが解除レバー22の突起受部22aに下側から係止して突起受部22aを上側に押す。これにより解除レバー22は、支軸25を軸として解除姿勢に揺動変姿するが、このとき、インナーハンドル10にはまだ引き代が残っているように設定されている。而して、前述したアウターハンドル9の場合と同様に、インナーハンドル10の引き操作の途中で解除レバー22が中立姿勢から解除姿勢に揺動変姿し、これによりロック装置11のロック解除がなされる構成になっている。
【0022】
前記状態から、さらにインナーハンドル10を引き代一杯まで引き操作する、つまりフル操作すると、クラッチレバー20は操作姿勢になるが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは解除レバー22の突起受部22aを乗り越えて上動し、これにより解除用突起20bと突起受部22aとの係止が解除されて、解除レバー22は中立姿勢に復帰する。而して、前述したアウターハンドル9の場合と同様に、インナーハンドル10がフル操作された状態では、解除レバー22は中立姿勢に復帰していて、ロック装置11に作用しないように構成されている。
【0023】
尚、前記引き操作されたインナーハンドル10から手を離すと、インナー側ロッド26が図示しない弾機の付勢力を受けて下動し、これによりインナー側作動ピン23の下動が許容されて、クラッチレバー20はクラッチレバー用弾機の付勢力を受けて非操作姿勢に復帰する。このとき解除レバー22は、突起受部22aがクラッチレバー20の解除用突起20aに押されることにより時計回り方向に揺動するが、この解除レバー22の時計回り方向の揺動は、前述したように、ロック装置11に作用しない構成になっている。
【0024】
ところで、クラッチレバー20は、アウターハンドル9、インナーハンドル10の何れが操作された場合でも揺動するが、該クラッチレバー20が揺動しても、操作されていない側のアウターハンドル9またはインナーハンドル10は静止状態に保持されるようになっている。つまり、アウターハンドル9の操作でクラッチレバー20が揺動したときは、該揺動に伴ってインナー側作動ピン23も移動するが、このときインナー側作動ピン23は、下動状態の作動リンク30、31の長孔30a、31a内を移動することになり、而してインナーハンドル10は静止状態に保持される。また、インナーハンドル10の操作でクラッチレバー20が揺動したときは、該揺動に伴ってピン係止凹部20aも移動するが、該ピン係止凹部20aはアウター側作動ピン16の下方で移動していてアウター側作動ピン16に作用せず、而してアウターハンドル9は静止状態に保持される。
【0025】
次に、前記ドア7を閉位置、開位置の各位置に固定するためのロック装置11について、図6〜図12に基づいて説明する。
ここで、32、33はキャブ5本体側に取付けられる開用、閉用のストライカーであって、これらストライカー32、33は、図13に示す如くコ字形状をしているが、開用ストライカー32は、ドアが開位置に達したときにドア7のロック装置11に係合するようキャブ5の左側面5aの後部にブラケット32aを介して固設されており、また閉用ストライカー33は、ドア7が閉位置に達したときにロック装置11に係合するようキャブ5のセンターピラー5bにブラケット33aを介して固設されている。
【0026】
扨、前記ロック装置11は、ドア7屋内側面の後部に取り付けられているが、該ロック装置11を構成するロックプレート34は、前記開用、閉用のストライカー32、33が出入り自在に係合する係合溝34aと、開用、閉用の係止受部34b、34cと、これら開用、閉用の係止受部34b、34cの中間部位に凸状に形成される当接面34dとを備えて形成されている。そして、このロックプレート34は、揺動支軸35を軸として、図6に示す中立姿勢と、該中立姿勢から反時計回り方向に揺動して開用ストライカー32が係合溝34aに係合する開ロック姿勢(図8参照)と、中立姿勢から時計回り方向に揺動して閉用ストライカー33が係合溝34aに係合する閉ロック姿勢(図11参照)とに揺動変姿するように構成されていると共に、ロックプレート用のスプリング36によって中立姿勢を保持するように付勢されている。
【0027】
さらに、37は前記ロックプレート34を開ロック姿勢、閉ロック姿勢に保持するためのストッパであって、該ストッパ37は、開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bに係止する開用係止部37aと、閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する閉用係止部37bと、これら開用、閉用の係止部37a、37bの中間に位置する突起37cとを備えて形成されている。そして、このストッパ37は、揺動支軸38を軸として、突起37cの先端が前記中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢(図6参照)と、該中立姿勢から反時計回り方向に揺動して開用係止部37aまたは閉用係止部37bが開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bまたは閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する係止姿勢(図8、図11参照)と、該係止姿勢から上記中立姿勢を越えてさらに時計回り方向に揺動してロックプレート34に干渉しない解除姿勢(図9、図12参照)とに揺動変姿するように構成されていると共に、図示しないストッパ用弾機により反時計回り方向に、つまり係止姿勢側に向けて常時付勢されている。さらにこのストッパ37は、前述したように解除レバー22に解除ケーブル24を介して連結されている。そしてストッパ37は、解除レバー22が中立姿勢のときには該解除レバー22の作用を受けないが、解除レバー22が解除姿勢に変姿することに連繋して、係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿するように構成されている。
【0028】
次いで、前記ロック装置11のロック作動およびロック解除作動について説明する。
まず、ドア7が開位置と閉位置との中間位置に位置している状態では、図6に示す如く、ロックプレート34はスプリング36の付勢力により中立姿勢に保持される一方、ストッパ37は、突起37cの先端が上記中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢になっている。そして、このロックプレート34およびストッパ37が共に中立姿勢の状態では、後述するようにドア7が開位置または閉位置に達したときにドア7の自動的なロックを行うことができるロック待機状態になっている。
【0029】
前記中間位置のドア7を開位置側に移動させると、図7に示す如く、ドア7が開位置に達する少し前の段階で、開用ストライカー32がロックプレート34の係合溝34aの反時計回り側面34eに当たる。この状態からさらにドア7が開位置側に移動すると、開用ストライカー32が係合溝34aの反時計回り側面34eを押圧してロックプレート34を反時計回り方向、つまり開ロック姿勢側に揺動せしめると共に、開用ストライカー32が係合溝34aに係合していく。そして、ドア7が開位置に達した時点で、開用ストライカー32の係合溝34aへの係合が完了して、ロックプレート34が開ロック姿勢になると共に、ストッパ37は、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、開用係止部37aが上記開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bに係止する係止姿勢に揺動変姿し、該係止姿勢のストッパ37によってロックプレート34の時計回り方向の揺動が規制されることで、ロックプレート34は開ロック姿勢に保持されるように構成されている(図8参照)。而して、ドア7が開位置に達したことに連繋して、ロックプレート34が開用ストライカー32に係合する開ロック姿勢に揺動変姿すると共に、ストッパ37が係止姿勢に揺動変姿してロックプレート34を開ロック姿勢に保持し、これによりロック装置11による開位置のドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0030】
一方、前記開位置のドア7を閉じる場合には、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作すると、前述したように、該引き操作の途中で解除レバー22が解除姿勢になって、ストッパ37を係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿せしめる。これにより、ストッパ37の開用係止部37aとロックプレート34の開用係止受部34bとの係止が外れて、ロックプレート34の中立姿勢側への揺動が許容されるロック解除許容状態になる。該ロック解除許容状態になると直ちに、ドア7は、前述したストッパラバー12の押圧力により自動的に閉側に移動し、これにより開用ストライカー32とロックプレート34との係合が外れると共に、スプリング36の付勢力を受けて、ロックプレート34は中立姿勢に復帰する(図9参照)。而して、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で、開位置のドア7のロック解除がなされるように構成されている。
【0031】
前記状態からさらにアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、前述したように、解除レバー22はストッパ37に作用しない中立姿勢に復帰する。これによりストッパ37も、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、突起37cの先端が中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢に復帰する。而して、アウターハンドル9またはインナーハンドル10をフル操作した状態では、ロック装置11は、前述したロック待機状態となるように構成されている。
【0032】
さらに、前記開位置でのロックが解除されたドアを閉位置側に移動させると、図10に示す如く、ドア7が閉位置に達する少し前の段階で、閉用ストライカー33がロックプレート34の係合溝34aの時計回り側面34fに当たる。この状態からさらにドア7が閉位置側に移動すると、閉用ストライカー33が係合溝34aの反時計回り側面34fを押圧してロックプレート34を時計回り方向、つまり閉ロック姿勢側に揺動せしめると共に、閉用ストライカー33が係合溝34aに係合していく。そして、ドア7が閉位置に達した時点で、閉用ストライカー33の係合溝34aへの係合が完了して、ロックプレート34が閉ロック姿勢になると共に、ストッパ37は、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、閉用係止部37bが上記閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する係止姿勢に揺動変姿し、該係止姿勢のストッパ37によってロックプレート34の反時計回り方向の揺動が規制されることで、ロックプレート34は閉ロック姿勢に保持されるように構成されている(図11参照)。而して、ドア7が閉位置に達したことに連繋して、ロックプレート34が閉用ストライカー33に係合する閉ロック姿勢に揺動変姿すると共に、ストッパ37が係止姿勢に揺動変姿してロックプレート34を閉ロック姿勢に保持し、これによりロック装置11による閉位置のドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0033】
また、前記閉位置のドア7を開ける場合には、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作すると、前述した開位置のドア7を閉める場合と同様に、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で解除レバー22が解除姿勢に変姿してストッパ37を係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿せしめ、これによりストッパ37の閉用係止部37bとロックプレート34の閉用係止受部34cとの係止が外れて、ロック解除許容状態になる。該ロック解除許容状態になると直ちに、ドア7は、前述したシールラバーの押圧力により自動的に開側に移動し、閉用ストライカー33とロックプレート34との係合が外れると共に、ロックプレート34が中立姿勢に復帰し、而して閉位置のドア7のロック解除がなされるように構成されている(図12参照)。さらに、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、ストッパ37も中立姿勢に復帰し、これによりロック装置11は再びロック待機状態になって、ドア7が開位置に達したときに、前述した開位置でのドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0034】
叙述の如く構成されたものにおいて、閉位置、開位置のドア7はロック装置11によりロックされており、ドア7を開閉する場合は、まずアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作してロックを解除することになるが、この場合、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で、該アウターハンドル9またはインナーハンドル10側に連結されるクラッチレバー20が、ロック装置11に連結される解除レバー22に係止して該解除レバー22を解除姿勢に変姿せしめ、これによりドア7のロックが解除されることになる。さらにアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、クラッチレバー20と解除レバー22との係止が外れて、解除レバー22はロック装置11に作用しない中立姿勢に復帰し、これによりロック装置11は、ドア7が開位置、閉位置に達したことに伴って自動的にドア7をロックすることができるロック待機状態となる。
この様に、本実施の形態のものにあっては、アウターハンドル9およびインナーハンドル10とロック装置11とは、アウターハンドル9およびインナーハンドル10の引き操作の途中でクラッチレバー22を介して接続され、これによりロック装置11のロック解除を行うことができるが、アウターハンドル9およびインナーハンドル10のフル操作では接続が断たれ、これによりドア7の自動的なロックを行えることになる。
この結果、ドア7を開閉する場合に、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作したままの状態であっても、ドア7が開位置、閉位置に達したことに伴いロック装置11による自動的なロックが行われることになって、従来のようにハンドルを引き操作したままではドア7のロックを行うことができないような不具合がなく、スライド式のドア7の操作性が著しく向上する。
さらにこのものにおいて、キーシリンダ17の施錠状態では、アウターハンドル9の操作はクラッチレバー20に伝達されない構成になっているため、アウターハンドルを9を引き操作してもドア7のロックを解除することはできず、防犯性を確保できる。
【0035】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、本実施の形態では、一つのロック装置で閉位置および閉位置の両方の位置でのロックを行うことができ、これにより部品点数の削減に寄与できるものであるが、この様なロック装置に限らず、閉位置用、開位置用のロック装置を格別に設けたものであっても、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの側面図である。
【図2】キーシリンダ施錠時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図3】キーシリンダ解錠時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図4】アウターハンドルの操作途中におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図5】アウターハンドルのフル操作時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図6】ドアが中間位置のときのロック装置の図である。
【図7】ドアが開位置に達する少し前のロック装置の図である。
【図8】ドアが開位置に達したときのロック装置の図である。
【図9】開位置のドアをロック解除したときのロック装置の図である。
【図10】ドアが閉位置に達する少し前のロック装置の図である。
【図11】ドアが閉位置に達したときのロック装置の図である。
【図12】閉位置のドアをロック解除したときのロック装置の図である。
【図13】ストライカーの斜視図である。
【符号の説明】
5 キャブ
7 ドア
9 アウターハンドル
10 インナーハンドル
11 ロック装置
17 キーシリンダ
20 クラッチレバー
22 解除レバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械におけるドアのロック解除装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械のなかには、運転室側面に開設される出入口を開閉するためのドアとして、運転室側面に沿って前後方向にスライド移動自在なスライド式のドアを用いたものがある。このものにおいて、従来、例えば特開平11−286963号公報に示されるように、開放状態や閉鎖状態のドアがガタついたり不用意に移動したりしないように、ドアを閉位置、開位置の各位置でロックするロック装置を設ける一方、該ロック装置のロック解除を、ドアに設けたハンドル(把手)の引き操作で行えるように構成した技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のロック装置は、ドアに設けられたハンドルに対して、リンクやケーブルを介して常に接続された状態になっていた。このため、オペレータがハンドルを引き操作しているあいだは、ロック装置の解除機構が作動していてドアのロックを行うことができず、従って、ドアを閉位置、開位置の各位置でロックするためには、ドアが開位置、閉位置に達したときにハンドルが引き操作されていてはならないことになる。
しかるに、スライドドアにおいては、閉位置、開位置のドアのロック解除からドアを開位置、閉位置までスライド移動させるというドアの開閉作動を、ハンドルを持ったままの一連の動作で行うことができるため、ドアが開位置、閉位置に達したときにハンドルが引き操作されたままのことがある。特に、坂道駐車していてドアが開けにくい、あるいは閉めにくいような場合に、ハンドルに力を入れてドアの開閉操作を行うため、ドアが開位置、閉位置に達するまでハンドルを引き操作したままのことがあり、このような場合にはドアのロックがなされないことになって、閉鎖状態、開放状態のドアがガタついたり不用意に移動したりする惧れがあるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、運転室側面に開設された出入口を閉じる閉位置と、出入口を開く開位置とにスライド移動自在なドアを備えてなる建設機械において、前記ドアを閉位置、開位置の各位置にロックするロック装置を設ける一方、該ロック装置の解除をドアに設けたハンドルの操作で行うように構成するにあたり、前記ロック装置とハンドルとの連繋経路に、ハンドルのロック解除側への操作途中でハンドルとロック装置とを接続してハンドル操作に基づいたロック装置の解除作動を行うが、ハンドルのロック解除側へのフル操作ではハンドルとロック装置との接続を断つクラッチ機構を設けたものである。
そして、この様にすることにより、ハンドルをロック解除側に操作したままでドアの開閉を行っても、ドアが開位置、閉位置に達したときにロック装置が解除状態でロックされないような不具合がなく、スライド式ドアの開閉操作性を著しく向上させることができる。
このものにおいて、ロック装置の解除は、ロック装置に連結される解除レバーを解除姿勢に変姿せしめることで行われる一方、クラッチ機構は、ハンドル操作に基づいて変姿するクラッチレバーを用いて構成され、該クラッチレバーは、ハンドルのロック解除側への操作途中で解除レバーに係止して該解除レバーを解除姿勢に変姿せしめる一方、ハンドルのロック解除側へのフル操作で解除レバーとの係止を解除するように設定される構成とすることができる。
さらにこのものにおいて、ドアの屋外側に設けられるハンドルの操作は、キーシリンダの解錠状態でクラッチレバーに伝達される一方、キーシリンダの施錠状態ではクラッチレバーに伝達されないように構成することにより、キーシリンダの施錠状態ではロック装置のロック解除を行えないことになって、防犯性を確保できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロントアタッチメント4等の各部から構成されており、さらに前記上部旋回体3には、本発明の運転室に相当するキャブ5、エンジンルーム6等が配設されている等の基本的構成は従来通りである。
【0006】
前記キャブ5の左側面5aの前半部には、オペレータが出入りする出入口が開設されている。また、7は出入口を開閉するためのドアであって、該ドア7は、図示しないスライド機構を介して、左側面5aと略面一状になって出入口を全閉する閉位置と、左側面5aと略並列状となって出入口を全開する開位置とのあいだを、キャブ5の左側面5aに沿うようにしてスライド移動するように構成されている。尚、図1中、8はスライド機構を構成するセンターレールである。
【0007】
前記ドア7の屋外側、室内側には、ドア7を開閉するときに把持するアウターハンドル(屋外側の把手)9、インナーハンドル(屋内側の把手)10がそれぞれ取り付けられている。そして、これらアウターハンドル9およびインナーハンドル10の操作に基づいて、後述するように、ドア7を閉位置、開位置の各位置に固定(ロック)するためのロック装置11の解除を行えるように構成されているが、まず、これらアウターハンドル9、インナーハンドル10とロック装置11との連繋機構について、図2〜図5に基づいて説明する。
【0008】
ここで、前記ドア7は、閉位置のときには出入口の周縁部に取り付けられたシールラバー(図示せず)によって開側に向けて押圧される一方、開位置のときにはドア7の前部およびキャブ左側面5aの後部に取り付けられたストッパラバー12によって、閉側に向けて押圧されている。而してドア7は、前記ロック装置11による閉位置、開位置でのロックが解除されると同時に、シールラバー、ストッパラバー12による押圧力を受けて、該押圧力を受けなくなる位置まで自動的に開側、閉側に移動するようになっている。
【0009】
扨、前記アウターハンドル9は、本実施の形態では、ドア7屋外側面の前方下部に縦軸回りに揺動自在に軸支されていて、ドア7を開閉するときにキャブ5外のオペレータによって手前側に引き操作されるように構成されている。また、13はアウターハンドル9に連結機構14を介して連結されるアウター側ロッドであって、該アウター側ロッド13の上端部には、後述するキープレート15に開設の長孔15aに移動自在に嵌合されるアウター側作動ピン16が止着されている。そして、アウター側ロッド13は、アウターハンドル9が操作されていないときには上動しているが、アウターハンドル9を手前側に引き操作することで下動するように構成されている。
【0010】
また、キープレート15は、前述したようにアウター側作動ピン16が嵌合される長孔15aが開設されていると共に、ドア7の施錠−解錠を行うためのキーシリンダ17に連結ロッド18を介して連結されていて、図示しないキーを差し込んでキーシリンダ17を施錠位置−解錠位置に回動せしめることにより、キープレート15は、支軸19を軸として、施錠姿勢と解錠姿勢とに揺動変姿するように構成されている。そして、キープレート15が施錠姿勢のときには、該キープレート15の長孔15aに嵌合しているアウター側作動ピン16が後述するクラッチレバー20から離間するように設定されており、これによってアウターハンドル9の操作がクラッチレバー20に伝達されないように構成されている。(図2参照)。
【0011】
一方、キーシリンダ17を解錠位置に回してキープレート15を解錠姿勢にすると、該キープレート15の変姿に伴ってアウター側作動ピン16がクラッチレバー20側に移動して、クラッチレバー20の一端側に形成のピン係止凹部20aに係止するように設定されている(図3参照)。そして、該アウター側作動ピン16がクラッチレバー20のピン係止凹部20aに係止している状態では、アウターハンドル9の操作がアウター側ロッド13、アウター側作動ピン16を介してクラッチレバー20に伝達される構成になっている。
【0012】
前記クラッチレバー20は、中央部が支軸21を介して揺動自在に軸支されると共に、一端側には前述したピン係止凹部20aが形成され、また他端側には後述する解除レバー22に断続自在に係止する解除用突起20bが形成されると共に、後述するインナー側作動ピン23が止着されている。そしてこのクラッチレバー20は、一端側が上動し他端側が下動した非操作姿勢(図3におけるクラッチレバー20の姿勢)と、一端側が下動し他端側が上動した操作姿勢(図5におけるクラッチレバー20の姿勢)とのあいだを、支軸21を軸として揺動変姿すると共に、図示しないクラッチレバー用の弾機により、反時計回り方向、つまり非操作姿勢側に向けて常時付勢されている。
【0013】
さらに、解除レバー22は、ロック装置11を構成する後述のストッパ37に、解除ケーブル24を介して連結されている。そして、この解除レバー22は、ストッパ37に作用しない中立姿勢(図2、3、5における解除レバー22の姿勢)と、解除ケーブル24を介してストッパ37に作用してロック装置11のロックを解除する解除姿勢(図4の解除レバー22の姿勢)とに、支軸25を軸として揺動変姿するように構成されていると共に、図示しない解除レバー用の弾機により、中立姿勢側に向けて常時付勢されている。さらに、この解除レバー22には、前記クラッチレバー20の解除用突起20bに対向する部位に、突起受部22aが形成されている。
【0014】
扨、キーシリンダ17が解除位置に位置してる、つまりキープレート15が解錠姿勢になっている状態では、前述したようにアウターハンドル9の操作がアウター側ロッド13、アウター側作動ピン16を介してクラッチレバー20に伝達されるが、該解錠状態でのアウターハンドル9の操作とクラッチレバー20および解除レバー22の作動について、以下に説明する。
尚、キーシリンダ17が施錠位置に位置している状態では、前述したようにアウターハンドル9の操作はクラッチレバー20に伝達されず、而して後述する解除レバー22の解除姿勢への揺動変姿もなされないことになって、ロック装置11のロック解除を行うことができない構成になっている。
【0015】
まず、アウターハンドル9が操作されていない状態では、アウター側ロッド13は上動しており、このときアウター側作動ピン16は、キープレート15の長孔15aの上部側に位置している。また、クラッチレバー20は、クラッチレバー用弾機の付勢力を受けて、ピン係止凹部20aが形成された一端側が上動し、解除用突起20bが形成された他端側が下動した非操作姿勢になっている。さらに、解除レバー22は、解除レバー用弾機の付勢力を受けて中立姿勢になっているが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは、解除レバー22の突起受部22aの下方に位置していて突起受部22aから離間している(図3参照)。
【0016】
この状態からアウターハンドル9を引き操作すると、該引き操作に伴ってアウター側ロッド13が下動し、これと共にアウター側作動ピン16は、クラッチレバー20のピン係止凹部20aを下側に押しながら、キープレート15の長孔15a内を下方に移動する。上記ピン係止凹部20aが下側に押されることで、クラッチレバー20は、支軸21を軸として操作姿勢側に揺動するが、該非操作姿勢から操作姿勢への揺動の途中で、クラッチレバー20の解除用突起20bが解除レバー22の突起受部22aに下側から係止して突起受部22aを上側に押す(図4参照)。これにより解除レバー22は、支軸25を軸として解除姿勢に揺動変姿するが、このとき、アウター側作動ピン16は長孔15aの中間位置に位置していると共に、アウターハンドル9にはまだ引き代が残っているように設定されている。而して、アウターハンドル9の引き操作の途中で解除レバー22が中立姿勢から解除姿勢に揺動変姿し、これによりロック装置11のロック解除がなされる構成になっている。
【0017】
前記状態から、さらにアウターハンドル9を引き代一杯まで引き操作する、つまりフル操作すると、アウター側作動ピン16が長孔15aの下部まで下動して、クラッチレバー20は操作姿勢になるが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは解除レバー22の突起受部22aを乗り越えて上動し、これにより解除用突起20bと突起受部22aとの係止が解除されるように設定されている。そして、該解除用突起20bとの係止が解除された解除レバー22は、解除レバー用弾機の付勢力を受けて中立姿勢に復帰する(図5参照)。而して、アウターハンドル9がフル操作された状態では解除レバー22は中立姿勢に復帰していて、ロック装置11に作用しないように構成されている。
【0018】
尚、前記引き操作されたアウターハンドル9から手を離すと、アウター側ロッド13が図示しない弾機の付勢力を受けて上動し、これによりアウター側作動ピン16がキープレート15の長孔15aの上部側に移動すると共に、クラッチレバー20はクラッチレバー用弾機の付勢力を受けて非操作姿勢に復帰する。このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは、中立姿勢の解除レバー22の突起受部22aに上側から当接して解除レバー22を時計回り方向に揺動せしめるが、該中立姿勢を越えての時計回り方向の解除レバー22の揺動では、ロック装置11に作用しない構成になっている。
【0019】
一方、インナーハンドル10は、本実施の形態では、ドア7屋内側面の前部の中間高さ位置に縦軸回りに揺動自在に軸支されていて、ドア7を開閉するときにキャブ5内のオペレータによって手前側に引き操作されるように構成されている。この場合、ドア7が閉じていても開いていてもインナーハンドル10の操作を行いやすいように、左右何れの側からでも引き操作を行えるようになっている。また、26、27はインナーハンドル10に連結機構28、29を介して連結される第一、第二インナー側ロッドであって、これら第一、第二インナー側ロッド26、27の下端部には、長孔30a、31aが開設された第一、第二作動リンク30、31が止着されているが、上記長孔30a、31aには、前述したクラッチレバー20の他端側に止着されるインナー側作動ピン23が移動自在に嵌合されている。そして、第一、第二インナー側ロッド26、27は、インナーハンドル10が操作されていないときには下動しているが、インナーハンドル10を手前側に引き操作することで上動するように構成されている。この場合、インナーハンドル10を左右何れか一方側から操作した場合には、第一、第二の何れか一方のインナー側ロッド26または27が上動し、インナーハンドル10を左右何れか他方側から操作した場合には、他方のインナー側ロッド27または26が上動するが、第一、第二のインナー側ロッド26、27および第一、第二作動リンク30、31は同様の作動を行うため、以下、インナーハンドル10の操作で第一インナー側ロッド26が上動したとして説明する。
【0020】
まず、インナーハンドル10が操作されていない状態では、インナー側ロッド26は作動リンク30と共に下動しているが、該下動状態の作動リンク30の長孔30aの下端部に、前述した非操作姿勢のクラッチレバー20のインナー側作動ピン23が位置するように設定されている。このとき、解除レバー22は中立姿勢であって、クラッチレバー20の解除用突起20bと解除レバー22の突起受部22aとは離間している(図3参照)。
【0021】
この状態からインナーハンドル10を引き操作すると、該引き操作に伴ってインナー側ロッド26が上動し、これと共に作動リンク30が上動してインナー側作動ピン23を上側に押す。該インナー側作動ピン23が上側に押されることにより、クラッチレバー20は、支軸21を軸として操作姿勢側に揺動するが、該非操作姿勢から操作姿勢への揺動の途中で、クラッチレバー20の解除用突起20bが解除レバー22の突起受部22aに下側から係止して突起受部22aを上側に押す。これにより解除レバー22は、支軸25を軸として解除姿勢に揺動変姿するが、このとき、インナーハンドル10にはまだ引き代が残っているように設定されている。而して、前述したアウターハンドル9の場合と同様に、インナーハンドル10の引き操作の途中で解除レバー22が中立姿勢から解除姿勢に揺動変姿し、これによりロック装置11のロック解除がなされる構成になっている。
【0022】
前記状態から、さらにインナーハンドル10を引き代一杯まで引き操作する、つまりフル操作すると、クラッチレバー20は操作姿勢になるが、このとき、クラッチレバー20の解除用突起20bは解除レバー22の突起受部22aを乗り越えて上動し、これにより解除用突起20bと突起受部22aとの係止が解除されて、解除レバー22は中立姿勢に復帰する。而して、前述したアウターハンドル9の場合と同様に、インナーハンドル10がフル操作された状態では、解除レバー22は中立姿勢に復帰していて、ロック装置11に作用しないように構成されている。
【0023】
尚、前記引き操作されたインナーハンドル10から手を離すと、インナー側ロッド26が図示しない弾機の付勢力を受けて下動し、これによりインナー側作動ピン23の下動が許容されて、クラッチレバー20はクラッチレバー用弾機の付勢力を受けて非操作姿勢に復帰する。このとき解除レバー22は、突起受部22aがクラッチレバー20の解除用突起20aに押されることにより時計回り方向に揺動するが、この解除レバー22の時計回り方向の揺動は、前述したように、ロック装置11に作用しない構成になっている。
【0024】
ところで、クラッチレバー20は、アウターハンドル9、インナーハンドル10の何れが操作された場合でも揺動するが、該クラッチレバー20が揺動しても、操作されていない側のアウターハンドル9またはインナーハンドル10は静止状態に保持されるようになっている。つまり、アウターハンドル9の操作でクラッチレバー20が揺動したときは、該揺動に伴ってインナー側作動ピン23も移動するが、このときインナー側作動ピン23は、下動状態の作動リンク30、31の長孔30a、31a内を移動することになり、而してインナーハンドル10は静止状態に保持される。また、インナーハンドル10の操作でクラッチレバー20が揺動したときは、該揺動に伴ってピン係止凹部20aも移動するが、該ピン係止凹部20aはアウター側作動ピン16の下方で移動していてアウター側作動ピン16に作用せず、而してアウターハンドル9は静止状態に保持される。
【0025】
次に、前記ドア7を閉位置、開位置の各位置に固定するためのロック装置11について、図6〜図12に基づいて説明する。
ここで、32、33はキャブ5本体側に取付けられる開用、閉用のストライカーであって、これらストライカー32、33は、図13に示す如くコ字形状をしているが、開用ストライカー32は、ドアが開位置に達したときにドア7のロック装置11に係合するようキャブ5の左側面5aの後部にブラケット32aを介して固設されており、また閉用ストライカー33は、ドア7が閉位置に達したときにロック装置11に係合するようキャブ5のセンターピラー5bにブラケット33aを介して固設されている。
【0026】
扨、前記ロック装置11は、ドア7屋内側面の後部に取り付けられているが、該ロック装置11を構成するロックプレート34は、前記開用、閉用のストライカー32、33が出入り自在に係合する係合溝34aと、開用、閉用の係止受部34b、34cと、これら開用、閉用の係止受部34b、34cの中間部位に凸状に形成される当接面34dとを備えて形成されている。そして、このロックプレート34は、揺動支軸35を軸として、図6に示す中立姿勢と、該中立姿勢から反時計回り方向に揺動して開用ストライカー32が係合溝34aに係合する開ロック姿勢(図8参照)と、中立姿勢から時計回り方向に揺動して閉用ストライカー33が係合溝34aに係合する閉ロック姿勢(図11参照)とに揺動変姿するように構成されていると共に、ロックプレート用のスプリング36によって中立姿勢を保持するように付勢されている。
【0027】
さらに、37は前記ロックプレート34を開ロック姿勢、閉ロック姿勢に保持するためのストッパであって、該ストッパ37は、開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bに係止する開用係止部37aと、閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する閉用係止部37bと、これら開用、閉用の係止部37a、37bの中間に位置する突起37cとを備えて形成されている。そして、このストッパ37は、揺動支軸38を軸として、突起37cの先端が前記中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢(図6参照)と、該中立姿勢から反時計回り方向に揺動して開用係止部37aまたは閉用係止部37bが開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bまたは閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する係止姿勢(図8、図11参照)と、該係止姿勢から上記中立姿勢を越えてさらに時計回り方向に揺動してロックプレート34に干渉しない解除姿勢(図9、図12参照)とに揺動変姿するように構成されていると共に、図示しないストッパ用弾機により反時計回り方向に、つまり係止姿勢側に向けて常時付勢されている。さらにこのストッパ37は、前述したように解除レバー22に解除ケーブル24を介して連結されている。そしてストッパ37は、解除レバー22が中立姿勢のときには該解除レバー22の作用を受けないが、解除レバー22が解除姿勢に変姿することに連繋して、係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿するように構成されている。
【0028】
次いで、前記ロック装置11のロック作動およびロック解除作動について説明する。
まず、ドア7が開位置と閉位置との中間位置に位置している状態では、図6に示す如く、ロックプレート34はスプリング36の付勢力により中立姿勢に保持される一方、ストッパ37は、突起37cの先端が上記中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢になっている。そして、このロックプレート34およびストッパ37が共に中立姿勢の状態では、後述するようにドア7が開位置または閉位置に達したときにドア7の自動的なロックを行うことができるロック待機状態になっている。
【0029】
前記中間位置のドア7を開位置側に移動させると、図7に示す如く、ドア7が開位置に達する少し前の段階で、開用ストライカー32がロックプレート34の係合溝34aの反時計回り側面34eに当たる。この状態からさらにドア7が開位置側に移動すると、開用ストライカー32が係合溝34aの反時計回り側面34eを押圧してロックプレート34を反時計回り方向、つまり開ロック姿勢側に揺動せしめると共に、開用ストライカー32が係合溝34aに係合していく。そして、ドア7が開位置に達した時点で、開用ストライカー32の係合溝34aへの係合が完了して、ロックプレート34が開ロック姿勢になると共に、ストッパ37は、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、開用係止部37aが上記開ロック姿勢のロックプレート34の開用係止受部34bに係止する係止姿勢に揺動変姿し、該係止姿勢のストッパ37によってロックプレート34の時計回り方向の揺動が規制されることで、ロックプレート34は開ロック姿勢に保持されるように構成されている(図8参照)。而して、ドア7が開位置に達したことに連繋して、ロックプレート34が開用ストライカー32に係合する開ロック姿勢に揺動変姿すると共に、ストッパ37が係止姿勢に揺動変姿してロックプレート34を開ロック姿勢に保持し、これによりロック装置11による開位置のドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0030】
一方、前記開位置のドア7を閉じる場合には、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作すると、前述したように、該引き操作の途中で解除レバー22が解除姿勢になって、ストッパ37を係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿せしめる。これにより、ストッパ37の開用係止部37aとロックプレート34の開用係止受部34bとの係止が外れて、ロックプレート34の中立姿勢側への揺動が許容されるロック解除許容状態になる。該ロック解除許容状態になると直ちに、ドア7は、前述したストッパラバー12の押圧力により自動的に閉側に移動し、これにより開用ストライカー32とロックプレート34との係合が外れると共に、スプリング36の付勢力を受けて、ロックプレート34は中立姿勢に復帰する(図9参照)。而して、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で、開位置のドア7のロック解除がなされるように構成されている。
【0031】
前記状態からさらにアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、前述したように、解除レバー22はストッパ37に作用しない中立姿勢に復帰する。これによりストッパ37も、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、突起37cの先端が中立姿勢のロックプレート34の当接面34dに当接する中立姿勢に復帰する。而して、アウターハンドル9またはインナーハンドル10をフル操作した状態では、ロック装置11は、前述したロック待機状態となるように構成されている。
【0032】
さらに、前記開位置でのロックが解除されたドアを閉位置側に移動させると、図10に示す如く、ドア7が閉位置に達する少し前の段階で、閉用ストライカー33がロックプレート34の係合溝34aの時計回り側面34fに当たる。この状態からさらにドア7が閉位置側に移動すると、閉用ストライカー33が係合溝34aの反時計回り側面34fを押圧してロックプレート34を時計回り方向、つまり閉ロック姿勢側に揺動せしめると共に、閉用ストライカー33が係合溝34aに係合していく。そして、ドア7が閉位置に達した時点で、閉用ストライカー33の係合溝34aへの係合が完了して、ロックプレート34が閉ロック姿勢になると共に、ストッパ37は、ストッパ用弾機の付勢力を受けて、閉用係止部37bが上記閉ロック姿勢のロックプレート34の閉用係止受部34cに係止する係止姿勢に揺動変姿し、該係止姿勢のストッパ37によってロックプレート34の反時計回り方向の揺動が規制されることで、ロックプレート34は閉ロック姿勢に保持されるように構成されている(図11参照)。而して、ドア7が閉位置に達したことに連繋して、ロックプレート34が閉用ストライカー33に係合する閉ロック姿勢に揺動変姿すると共に、ストッパ37が係止姿勢に揺動変姿してロックプレート34を閉ロック姿勢に保持し、これによりロック装置11による閉位置のドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0033】
また、前記閉位置のドア7を開ける場合には、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作すると、前述した開位置のドア7を閉める場合と同様に、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で解除レバー22が解除姿勢に変姿してストッパ37を係止姿勢から解除姿勢に揺動変姿せしめ、これによりストッパ37の閉用係止部37bとロックプレート34の閉用係止受部34cとの係止が外れて、ロック解除許容状態になる。該ロック解除許容状態になると直ちに、ドア7は、前述したシールラバーの押圧力により自動的に開側に移動し、閉用ストライカー33とロックプレート34との係合が外れると共に、ロックプレート34が中立姿勢に復帰し、而して閉位置のドア7のロック解除がなされるように構成されている(図12参照)。さらに、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、ストッパ37も中立姿勢に復帰し、これによりロック装置11は再びロック待機状態になって、ドア7が開位置に達したときに、前述した開位置でのドア7の自動的なロックがなされるように構成されている。
【0034】
叙述の如く構成されたものにおいて、閉位置、開位置のドア7はロック装置11によりロックされており、ドア7を開閉する場合は、まずアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作してロックを解除することになるが、この場合、アウターハンドル9またはインナーハンドル10の引き操作の途中で、該アウターハンドル9またはインナーハンドル10側に連結されるクラッチレバー20が、ロック装置11に連結される解除レバー22に係止して該解除レバー22を解除姿勢に変姿せしめ、これによりドア7のロックが解除されることになる。さらにアウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き代一杯までフル操作すると、クラッチレバー20と解除レバー22との係止が外れて、解除レバー22はロック装置11に作用しない中立姿勢に復帰し、これによりロック装置11は、ドア7が開位置、閉位置に達したことに伴って自動的にドア7をロックすることができるロック待機状態となる。
この様に、本実施の形態のものにあっては、アウターハンドル9およびインナーハンドル10とロック装置11とは、アウターハンドル9およびインナーハンドル10の引き操作の途中でクラッチレバー22を介して接続され、これによりロック装置11のロック解除を行うことができるが、アウターハンドル9およびインナーハンドル10のフル操作では接続が断たれ、これによりドア7の自動的なロックを行えることになる。
この結果、ドア7を開閉する場合に、アウターハンドル9またはインナーハンドル10を引き操作したままの状態であっても、ドア7が開位置、閉位置に達したことに伴いロック装置11による自動的なロックが行われることになって、従来のようにハンドルを引き操作したままではドア7のロックを行うことができないような不具合がなく、スライド式のドア7の操作性が著しく向上する。
さらにこのものにおいて、キーシリンダ17の施錠状態では、アウターハンドル9の操作はクラッチレバー20に伝達されない構成になっているため、アウターハンドルを9を引き操作してもドア7のロックを解除することはできず、防犯性を確保できる。
【0035】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、本実施の形態では、一つのロック装置で閉位置および閉位置の両方の位置でのロックを行うことができ、これにより部品点数の削減に寄与できるものであるが、この様なロック装置に限らず、閉位置用、開位置用のロック装置を格別に設けたものであっても、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの側面図である。
【図2】キーシリンダ施錠時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図3】キーシリンダ解錠時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図4】アウターハンドルの操作途中におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図5】アウターハンドルのフル操作時におけるハンドルとロック装置との連繋機構を示す図である。
【図6】ドアが中間位置のときのロック装置の図である。
【図7】ドアが開位置に達する少し前のロック装置の図である。
【図8】ドアが開位置に達したときのロック装置の図である。
【図9】開位置のドアをロック解除したときのロック装置の図である。
【図10】ドアが閉位置に達する少し前のロック装置の図である。
【図11】ドアが閉位置に達したときのロック装置の図である。
【図12】閉位置のドアをロック解除したときのロック装置の図である。
【図13】ストライカーの斜視図である。
【符号の説明】
5 キャブ
7 ドア
9 アウターハンドル
10 インナーハンドル
11 ロック装置
17 キーシリンダ
20 クラッチレバー
22 解除レバー
Claims (3)
- 運転室側面に開設された出入口を閉じる閉位置と、出入口を開く開位置とにスライド移動自在なドアを備えてなる建設機械において、前記ドアを閉位置、開位置の各位置にロックするロック装置を設ける一方、該ロック装置の解除をドアに設けたハンドルの操作で行うように構成するにあたり、前記ロック装置とハンドルとの連繋経路に、ハンドルのロック解除側への操作途中でハンドルとロック装置とを接続してハンドル操作に基づいたロック装置の解除作動を行うが、ハンドルのロック解除側へのフル操作ではハンドルとロック装置との接続を断つクラッチ機構を設けたことを特徴とする建設機械におけるドアのロック解除装置。
- 請求項1において、ロック装置の解除は、ロック装置に連結される解除レバーを解除姿勢に変姿せしめることで行われる一方、クラッチ機構は、ハンドル操作に基づいて変姿するクラッチレバーを用いて構成され、該クラッチレバーは、ハンドルのロック解除側への操作途中で解除レバーに係止して該解除レバーを解除姿勢に変姿せしめる一方、ハンドルのロック解除側へのフル操作で解除レバーとの係止を解除するように設定されていることを特徴とする建設機械におけるドアのロック解除装置。
- 請求項2において、ドアの屋外側に設けられるハンドルの操作は、キーシリンダの解錠状態でクラッチレバーに伝達される一方、キーシリンダの施錠状態ではクラッチレバーに伝達されないように構成されていることを特徴とする建設機械におけるドアのロック解除装置。
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