JP3963832B2 - 誘電体磁器組成物及び積層コンデンサ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物及び積層コンデンサに係り、特に、低温焼成が可能であると共に、メッキ処理に起因する絶縁抵抗の低下が有利に抑制され得るチタン酸バリウム系の誘電体磁器組成物、並びに、そのような誘電体磁器組成物を用いて形成される積層コンデンサに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、高誘電率系誘電体磁器は、それを構成する成分を与える誘電体磁器組成物(原料組成物)を焼成せしめることによって、得られている。その中で、チタン酸バリウム(BT)系の磁器組成物としては、種々の組成のものが提案されており、例えば、チタン酸バリウム若しくはチタン酸バリウムを生成し得る組成物に、ネオジム等の希土類金属や、亜鉛、ニオブ等を混合含有せしめてなる[BT+Nd]系材料、[BT+Zn]系材料、[BT+Nb,Nd]系材料等があるのであるが、これらは、一般に、1150℃或いは1200℃を越える非常に高い温度領域でなければ焼結させることが困難であった。
【0003】
一方、従来より、積層コンデンサは、公知のように、磁器組成物と有機溶剤とのスラリー状の混合物を用いて、ドクターブレード法によって20〜30ミクロン程度の厚さの薄膜シートを作製し、それを乾燥せしめた後、その得られたシートの上面に導体材料を含有する電極塗料を印刷し、更にその上に、前記の手法に従って磁器組成物の薄膜シートを形成せしめる(積み重ねる)ようにしたものであって、これにより、磁器組成物の薄膜シートと電極塗料とを交互に積み重ねてなる積層物として、構成したものである。そして、かかる積層物を、その積み重ね面に対して直角な方向において、必要とする大きさに切断し、これを焼結した後、その切断面に一対の外部電極を焼き付けることによって、目的とする積層コンデンサが完成されるのである。なお、その際、シートとシートとの間にある電極(内部電極)は、コンデンサが形成されるように、交互に、異なる外部電極に接続されるようになっている。
【0004】
ところで、そのような積層コンデンサの製造工程において、電極塗料に使用される導体材料としての金属又はその酸化物は、一般に貴金属からなり、それらは、その金属特有の温度で、酸化物は金属に還元、分解され、同時に焼結せしめられて、磁器に焼き付けられることとなる。従って、誘電体磁器組成物には、それが磁器化する温度で、電極塗料が焼き付けられ、電極が形成されることとなるのである。
【0005】
しかしながら、焼結温度が高い磁器組成物、例えば、上記したチタン酸バリウムに酸化亜鉛を組み合わせてなる[BT+Zn]系の磁器組成物を使用する場合にあっては、1150〜1200℃の焼成温度が必要であるため、かかるチタン酸バリウム系の磁器の焼付けに際しては、比較的に高融点であるPdを主体とする電極塗料を使用しなければならなかったのである。ところが、そのようなPd等の高融点の導体材料は、導通抵抗が大きく且つ高価であるために、導通抵抗が低く且つより安価な導体材料、例えばAgやPd−Ag等が求められているのであるが、Agは1000℃以上の焼付温度では蒸発散逸してしまうところから、上述せる如き焼結温度が高い磁器組成物に対して、導通抵抗の低いAg系の導体材料を用いることは、極めて困難であったのである。このため、出来る限り低温度で焼結乃至は焼成可能な磁器組成物が、必要とされている。
【0006】
そこで、本発明者らにあっては、先に、低温度で焼結乃至は焼成可能な磁器組成物を得るために種々検討を行ない、その結果、所定のチタン酸バリウム系の誘電体磁器原料を仮焼して得られた仮焼物に対して、焼成温度低下用の副成分(焼成助剤)として、B2 O3 とCaOを主成分とする天然鉱物であるコレマナイトの粉末を配合せしめることによって、焼成温度を有利に低下せしめることが出来、しかも、その効果は、コレマナイトと同様な組成となるようにB2 O3 粉末とCaO粉末とをそれぞれ用いた場合や、コレマナイトと同様な組成を有するガラス粉末を用いた場合に比して、極めて効果的に発現され得ることを知見し、別途、特許出願を行なっている(特願2002−145686号)。
【0007】
しかしながら、本発明者らが、そのような誘電体磁器組成物を原料として用いて積層コンデンサを製造し、かかる積層コンデンサの防錆性や他部材への実装性等を考慮して、従来と同様に、外部電極に対して、Snメッキや、Sn/Pbメッキ、Niメッキ等のメッキ処理を行なったところ、かかるメッキ処理の前後で、絶縁抵抗(IR)の大幅な低下が惹起されることが、明らかとなったのである。なお、かかる絶縁抵抗の低下の原因については、充分に明らかになってはいないものの、コレマナイトの添加により誘電体磁器に形成されるガラス相が、磁器表面においてメッキ液と反応することにより、絶縁抵抗の低下が惹起されるのではないかと推察されるのである。
【0008】
また、本発明者らの調査によれば、高温下での使用による絶縁抵抗(IR)の低下を抑制するために、換言すれば、IR加速寿命を向上させるために、主成分としてのチタン酸バリウムに、モリブデンやタングステン等を含む第1副成分〜第4副成分が配合された原料組成物からなる誘電体磁器が提案されていることが明らかとなった(特許文献1参照)。しかしながら、そこには、チタン酸バリウム系の原料を仮焼して得られた仮焼物に対してコレマナイトを配合せしめることにより、メッキ処理後に絶縁抵抗の大幅な低下が惹起されることについて、また、そのようなメッキ処理後の絶縁抵抗の低下を解消する手法については、何等明らかにされていない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−80275号公報
【0010】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、低温度での焼成が可能であると共に、メッキ処理に起因する絶縁抵抗(IR)の低下が有利に抑制され得るチタン酸バリウム系の誘電体磁器組成物、並びに、そのような誘電体磁器組成物を用いて形成される積層コンデンサを提供することにある。
【0011】
【解決手段】
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のチタン酸バリウム系の誘電体磁器原料を仮焼して得られた仮焼物、具体的には、(A)BaO−TiO2 −ZnO系([BT+Zn]系)誘電体磁器原料を仮焼して得られたもの、(B)BaO−TiO2 −Nd2 O3 系([BT+Nd]系)誘電体磁器原料を仮焼して得られたもの、又は(C)BaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系([BT+Nb,Nd]系)誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、焼成温度低下用の副成分(焼成助剤)として、B2 O3 とCaOを主成分とする天然鉱物たるコレマナイトの粉末を配合せしめると共に、更に、Cr、W及びMoのうちの少なくとも1種以上を配合することによって、焼成温度を有利に低下せしめることが可能な誘電体磁器組成物が得られると共に、そのような誘電体磁器組成物を用いてコンデンサを製造すれば、メッキ処理に起因する絶縁抵抗の低下が有利に抑制され得ることを見出したのである。
【0012】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、(A)BaO−TiO2 −ZnO系、(B)BaO−TiO2 −Nd2 O3 系又は(C)BaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、コレマナイトと共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を添加、配合せしめてなることを特徴とする誘電体磁器組成物にある。
【0013】
すなわち、本発明にあっては、(A)BaO−TiO2 −ZnO系、(B)BaO−TiO2 −Nd2 O3 系、又は(C)BaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、先ず、天然鉱物であるコレマナイトが添加、配合されているところから、かかる誘電体磁器組成物の焼成温度領域を効果的に低下せしめることが出来ると共に、高い比誘電率と高いQ値(低い誘電損失)が実現され、また、それらの効果は、B2 O3 粉末とCaO粉末とをそれぞれ用いた場合や、B2 O3 及びCaOからなるガラス粉末を用いた場合に比して、極めて効果的に発現され得ることとなる。
【0014】
加えて、コレマナイトは、比較的に入手の容易な天然鉱物であるところから、ガラス粉末等を用いる場合に比して、材料コストを極めて低廉に抑えることが出来、また、かかるコレマナイトは水に溶出しないところから、B2 O3 粉末やCaO粉末を用いる場合とは異なり、乾燥時に、濾過脱水が可能となり、スプレードライヤー等といった大規模な乾燥設備も何等必要とされ得なくなるのであり、これによって、積層コンデンサ等に用いられる場合における製品価格の低減に大きく寄与することが可能となるのである。
【0015】
しかも、本発明に従う誘電体磁器組成物にあっては、上記したコレマナイトに加えて、更に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物、換言すれば、Cr、W及びMoのうちの少なくとも1種以上が配合せしめられているところから、積層コンデンサ等の電子製品の製造に際して、メッキ処理を行なっても、コレマナイトの配合によって惹起されるメッキ処理後の絶縁抵抗の大幅な低下が、有利に抑制され得るようになっているのである。
【0016】
また、本発明にあっては、誘電体層と内部電極層とが交互に積層せしめられてなる積層体の端面に、該内部電極層に接続する外部電極が形成されていると共に、更に、メッキ処理により、かかる外部電極の表面にメッキ層が形成されてなる積層コンデンサにおいて、前記誘電体層が、BaO−TiO2 −ZnO系、BaO−TiO2 −Nd2 O3 系又はBaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、コレマナイトと共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を添加、配合せしめてなる誘電体磁器組成物を用いて、形成されていることを特徴とする積層コンデンサをも、要旨とするものである。このような積層コンデンサにあっては、誘電体層が、上述せる如き誘電体磁器組成物にて形成されているところから、そのような誘電体磁器組成物による上記した種々の効果が、何れも享受され得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
ところで、かくの如き本発明に従う誘電体磁器組成物において、その主成分とするところは、(A)BaO、TiO2 及びZnO、或いは、(B)BaO、TiO2 及びNd2 O3 、或いは、(C)BaO、TiO2 、Nd2 O3 及びNb2 O5 を、それぞれ、基本成分とする、従来から公知のチタン酸バリウム系の誘電体磁器原料の仮焼物であって、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、或いはBaTiO3 を生成し得る炭酸バリウム(BaCO3 )と酸化チタン(TiO2 )との混合物に対して、酸化亜鉛(ZnO)、或いは、酸化ネオジム(Nd2 O3 )、或いは、酸化ネオジム(Nd2 O3 )及び酸化ニオブ(Nb2 O5 )を混合せしめ、それを、常法に従って、仮焼することによって、得られるものである。
【0018】
なお、上記した主成分たる仮焼物に含有される基本成分の割合(組成比)は、公知の範囲において、目的とする磁器の誘電体磁器特性、例えば比誘電率等に応じて、適宜に決定されることとなるが、一般に、(A)BaO−TiO2 −ZnO系誘電体磁器原料を仮焼して得られたもの(以下、[BT+Zn]系仮焼物と呼称する)の場合には、BaO:10.0〜32.0モル%、TiO2 :55.0〜70.0モル%、ZnO:10.0〜32.0モル%(但し、BaO+TiO2 +ZnO=100モル%)であることが望ましく、また、(B)BaO−TiO2 −Nd2 O3 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたもの(以下、[BT+Nd]系仮焼物と呼称する)の場合には、BaO:7.5〜28.5モル%、TiO2 :62.5〜69.5モル%、Nd2 O3 :9.0〜26.0モル%(但し、BaO+TiO2 +Nd2 O3 =100モル%)であることが望ましく、更に、(C)BaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたもの(以下、[BT+Nb,Nd]系仮焼物と呼称する)の場合には、BaO:47.98〜52.0モル%、TiO2 :47.98〜52.0モル%、Nd2 O3 :0.01〜1.10モル%、Nb2 O5 :0.01〜1.10モル%(但し、BaO+TiO2 +Nd2 O3 +Nb2 O5 =100モル%)であることが望ましい。そして、このような組成比の仮焼物を用いることで、比誘電率等の特性に極めて優れた磁器が得られるようになる。
【0019】
そして、本発明に従う誘電体磁器組成物にあっては、そのような主成分となる仮焼物である、(A)[BT+Zn]系仮焼物、(B)[BT+Nd]系仮焼物、又は(C)[BT+Nb,Nd]系仮焼物に対して、天然鉱物であるコレマナイトと共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物が、配合せしめられるところに、大きな特徴を有しているのである。
【0020】
具体的には、チタン酸バリウム系の所定の仮焼物に対して配合されるコレマナイトは、焼成温度低下用の副成分(焼成助剤)として、添加、配合されるものであり、かかるコレマナイトの添加によって、そのような焼成助剤を添加しない場合に比べて、誘電体磁器組成物の焼成温度を効果的に低下せしめることが可能になるのである。具体的には、従来の[BT+Zn]系、[BT+Nd]系、及び[BT+Nb,Nd]系誘電体磁器組成物では、一般に、それぞれ、1150〜1200℃、1300〜1350℃、及び1200℃〜1250℃の高温でなければ、焼結せしめることが出来なかったのに対して、それぞれ、950℃以下、950℃以下及び1150℃以下にまで、焼成温度を下げることが可能となるのである。しかも、▲1▼B2 O3 粉末とCaO粉末を、コレマナイトの組成と同様となるように、それぞれ用いた場合や、▲2▼コレマナイトと同様な組成を有するガラス粉末を用いた場合に比して、高い比誘電率と高いQ値が、有利に実現され得るようになる。
【0021】
また、コレマナイトは、比較的に入手の容易な天然鉱物であるところから、BaOやCaOからなるガラス粉末等を用いる場合において問題となる材料コストを極めて低廉に抑えることが出来、更に、かかるコレマナイトは、水に溶出しないものであるところから、B2 O3 粉末やCaO粉末を用いた場合とは異なり、各種成分を混合した後の乾燥時に、濾過脱水操作の採用が可能となるのであり、このため、スプレードライヤー等といった大規模な乾燥設備も必要なく、焼成コストも低廉に抑えることが出来、ひいては、焼成後の製品、例えば、積層コンデンサ等の製品コストをより一層低く抑えることが出来るようになるのである。更に、コレマナイトは、上記したチタン酸バリウム系の仮焼物の粉末に対して、粉末形態において配合されることとなるのであるが、同様な組成のガラスに比して、その微粉砕が容易であるといった利点をも有している。
【0022】
ところで、上述せる如き本発明の必須成分の一つであるコレマナイトは、B2 O3 とCaOを主成分とするカルシウム系硼酸鉱(2CaO・3B2 O3 ・5H2 O)として組成が安定しているものであり、トルコ共和国やその他の地域で産出されたものが、所定の粒度とされて、用いられることとなる。なお、そのようなコレマナイトとしては、例えば、一般組成(2CaO・3B2 O3 ・5H2 O)にて表わされるものの他、シリカ等の微量成分を含む、下記表1のような代表分析値を有するものが、市販されており、本発明においては、それらの何れのものを用いても、焼成温度の低温化が有利に図られ得るのである。
【0023】
【表1】
【0024】
また、かかるコレマナイトの配合割合は、誘電体磁器組成物を構成する主成分仮焼物の種類に応じて、適宜に設定され、例えば、(A)[BT+Zn]系仮焼物の場合には、その100重量部に対して、一般に1〜25重量部となる割合が採用され、また、(B)[BT+Nd]系仮焼物の場合には、その100重量部に対して、一般に1〜25重量部となる割合が、更に、(C)[BT+Nb,Nd]系仮焼物の場合には、その100重量部に対して、一般に0.5〜5重量部となる割合が、好適に採用されることとなる。これは、コレマナイトの配合量が余りにも少ない場合には、コレマナイトの配合による効果が充分に得られず、目的とする焼成温度の低温化を効果的に実現し得なくなる傾向があるからであり、逆に、コレマナイトの配合量が多過ぎる場合には、比誘電率やQ値が低くなって、目的とする誘電体磁器の電気的特性が得られなくなるからである。
【0025】
加えて、本発明に従う誘電体磁器組成物には、上記したコレマナイトと共に、副成分として、更に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種若しくは2種以上の化合物が、配合されることとなる。そして、それらクロム含有化合物、タングステン含有化合物又はモリブデン含有化合物の配合によって、メッキ処理による絶縁抵抗の低下が有利に抑制され得るようになるのである。なお、そのようなメッキ処理に起因する絶縁抵抗の低下が抑制されるメカニズムについては、未だ詳細な究明が行なわれていないものの、磁器表面において、メッキ液とコレマナイトの添加により誘電体磁器に形成されるガラス相との反応が、上記した金属含有化合物の添加によって、効果的に抑制され得るためであると考えられている。
【0026】
ところで、上記したクロム含有化合物や、タングステン含有化合物、モリブデン含有化合物としては、一般に、CrやW、Moの酸化物の粉末が、それぞれ、好適に採用されることとなる。また、そのような酸化物を与える無機化合物や無機塩形態の原料も、同様に採用可能である。
【0027】
さらに、それらクロム含有化合物や、タングステン含有化合物、モリブデン含有化合物の配合量は、誘電体磁器の電気的特性が高度に確保され得るように、誘電体磁器組成物を構成する主成分仮焼物の種類等に応じて、適宜に設定されることが、望ましい。
【0028】
例えば、(A)[BT+Zn]系仮焼物に対して、クロム含有化合物であるCr2 O3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.03〜1.0重量部となる割合が採用され、また、タングステン含有化合物であるWO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.1〜3.0重量部となる割合が、更には、モリブデン含有化合物であるMoO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.05〜3.0重量部となる割合が、好適に採用され得るのである。
【0029】
また、(B)[BT+Nd]系仮焼物に対して、Cr2 O3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.03〜0.5重量部となる割合が採用され、また、WO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.1〜3.0重量部となる割合が、更には、MoO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.05〜2.0重量部となる割合が、好適に採用される。
【0030】
さらに、(C)[BT+Nb,Nd]系仮焼物に対して、Cr2 O3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.03〜1.0重量部となる割合が採用され、また、WO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.1〜3.0重量部となる割合が、更には、MoO3 を添加する場合には、仮焼物の100重量部に対して、一般に0.05〜2.0重量部となる割合が、好適に採用され得るのである。
【0031】
なお、それらクロム含有化合物や、タングステン含有化合物、モリブデン含有化合物(以下、クロム含有化合物等と略記する)の配合量が多くなり過ぎると、比誘電率の温度係数又は比誘電率の変化率が規格幅を外れたり、比誘電率やQ値低下がひどくなる恐れがあり、また、少ない場合には、絶縁抵抗の低下は抑制され得るものの、その効果が小さく、充分とは言い難いものであるからである。
【0032】
ところで、上述せる如きコレマナイトやクロム含有化合物等を用いて、本発明に従う誘電体磁器組成物を調製するに際しては、焼成温度の大幅な低減を図るべく、上述せる如きコレマナイトやクロム含有化合物等の副成分を、仮焼の行なわれていない主成分磁器原料ではなく、予め仮焼操作を施して得られた、主成分磁器原料の仮焼物に対して、配合せしめることが必要である。
【0033】
このため、予め、通常の仮焼操作を実施して、(A)[BT+Zn]系仮焼物、(B)[BT+Nd]系仮焼物、又は(C)[BT+Nb,Nd]系仮焼物を得た後、そのような仮焼物を主成分とする粉砕物に対して、粉末状のコレマナイトやクロム含有化合物等の副成分を、所定の割合となるように秤量して加え、そして、それらを、ボールミル等にて混合粉砕することによって、目的とする誘電体磁器組成物が調製される。
【0034】
そして、このようにして調製された誘電体磁器組成物は、その優れた特性を利用して、電子製品、例えば、積層コンデンサ等の電子部品を与える原料として、有利に用いられることとなるのである。
【0035】
なお、図1には、積層コンデンサの代表的な一例が、断面形態において示されているのであるが、そこにおいて、積層コンデンサ10は、内部電極層12,14と誘電体層16とが交互に積層せしめられてなる積層体としての誘電体ブロック18と、そのような誘電体ブロック18の両端面に形成された一対の外部電極20,22とを有して構成されている。本発明にあっては、そのような積層コンデンサ10を与える誘電体ブロック18(特に、誘電体層16)が、上述せる如き誘電体磁器組成物を用いて形成されるのである。
【0036】
また、かかる積層コンデンサ10において、内部電極層12,14は、従来と同様に、積層方向において、交互に、異なる外部電極20,22に接続されるようになっている。つまり、図1に示されるように、内部電極層12は外部電極20に接続される一方、内部電極層14は外部電極22に接続されているのである。また、外部電極20,22の表面には、防錆性や他部材への実装性等を考慮して、メッキ層24,26がそれぞれ形成されている。
【0037】
ところで、図1に示される如き積層コンデンサを製造するに際しては、従来から公知の各種の手法が、適宜に採用されることとなる。
【0038】
例えば、先ず、上述せる如くして調製された誘電体磁器組成物を、バインダーや有機溶剤等と混合せしめることにより、スラリー状の誘電体層形成用のペーストを得、そして、かかる誘電体層形成用ペーストを用いて、従来から公知のドクターブレード法により、薄肉のグリーンシートを作製する。次いで、そのようにして得られたシートを乾燥せしめた後、かかるシートの上面に、導体材料を含有する内部電極層形成用のペーストを印刷、乾燥して内部電極層を形成するのである。なお、内部電極形成用ペーストとしては、誘電体磁器組成物が、低温焼成が可能であるところから、AgやPd−Ag等の金属、又はそれらの酸化物を、有機溶剤等と混合せしめてなるものが、好適に採用されることとなる。
【0039】
そして、そのような内部電極層が形成されたシートを、図1に示される如く、内部電極層12,14が交互に異なる端面に延出するように、所定の枚数だけ積み重ねて、グリーンシートと内部電極層とからなる積層物を形成せしめるのである。その後、かかる得られた積層物を、その積み重ね面に対して直角な方向において、必要とする大きさ及び形状に切断することにより、内部電極層が交互に異なる端面に延出するように、グリーンチップを作製した後、これを焼結することにより、内部電極層12,14と誘電体層16とが交互に積層せしめられてなる誘電体ブロック18を得るのである。
【0040】
さらに、内部電極12,14が露出した両側の端面には、導体材料を含有する外部電極形成用のペーストを塗布して、焼き付けることにより、一対の外部電極20,22が、それぞれ、複数の内部電極12,14と電気的に接続するようにして、形成せしめられることとなる。また、このようにして形成された外部電極20,22の外表面には、通常、積層コンデンサの防錆性や他部材への実装性等を考慮して、電解メッキ法等、従来から公知のメッキ法にて、Snメッキや、Sn/Pbメッキ、Niメッキ等のメッキ処理が施され、SnやSn/Pb、Ni等からなるメッキ層24,26が形成せしめられるのである。
【0041】
このようにして形成された積層コンデンサ10は、誘電体層16が、前述せる如き特定の誘電体磁器組成物を用いて形成されているところから、メッキ液に浸漬されても、絶縁抵抗の大幅な低下が抑制されると共に、その他の電気的特性も、高度に確保されるようになっているのである。
【0042】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
【0043】
−[BT+Zn]系−
まず、主成分磁器原料として、BaCO3 、TiO2 及びZnOを用いて、それらを、仮焼後の各種成分の組成比が下記表2に示されるものとなるように、それぞれ、秤量した。そして、それらBaCO3 、TiO2 及びZnOに、純水を、スラリー濃度が35%となるように加え、ボールミルにて15時間湿式混合した後、乾燥操作を施した。次いで、得られたこの乾燥物を粉末状にして、大気中において、1100℃の温度で2時間、仮焼を行なった後、1.5μm程度の平均粒子径となるように乾式粉砕して、[BT+Zn]系主成分仮焼物を得た。
【0044】
【表2】
【0045】
また、副成分として、コレマナイトの粉末(上記表1の市販品1)を準備すると共に、Cr2 O3 粉末、WO3 粉末、及びMoO3 粉末を、それぞれ、準備した。
【0046】
そして、上記で準備した[BT+Zn]系主成分仮焼物に対して、副成分を、下記表3に示される配合割合となるように秤量して添加し、ボールミルにて、15時間湿式混合して、乾燥した後、バインダーとしてポリビニルアルコールを適当量加えて、造粒し、その造粒物を約1トン/cm2 の圧力にて成形し、直径7mm、厚さ1.0mmの円板状成形物を作製した。そして、得られた成形物を、それぞれ、大気中において、下記表3に示される焼成温度(950℃)にて、3時間、本焼成することにより、各種の円板状の焼結体を得た。次いで、かくの如くして得られた円板状の焼結体の両側の端面に対して、Ag電極ペーストを塗布し、これを800℃にて焼き付けて、試験用試料とした。
【0047】
そして、それら試験用試料の特性、即ち、絶縁抵抗(IR)、比誘電率(ε)、比誘電率の温度係数、及び、誘電損失の逆数であるQ値を測定し、その得られた結果を、下記表3に併せて示した。なお、絶縁抵抗は、ハイレジスタンスメーター(横河ヒューレット・パッカード(株)製:4329A)を用いて、25℃、印加電圧:50Vにて測定を行なった。また、その他の測定に際しては、測定条件として、1MHz、1Vrmsの測定電圧を採用し、恒温槽(ジェック(株)製:201D)内にて、Q値は、Qメーター(目黒電波測器(株)製:MQ−1601)、比誘電率は、LCRメーター(横河ヒューレット・パッカード(株)製:4274A)を、それぞれ、使用して測定した。更に、温度係数は、所定温度(T1 )での比誘電率を、それぞれ、測定し、25℃を基準とした温度変化に対する比誘電率の変化を、次式を用いて算出することによって求めた。
【数1】
【0048】
その後、上記で得られた試験用試料に対して、バレルメッキ法にてメッキ処理を施して、Ag電極の表面にメッキ層を形成せしめた。なお、メッキ液として、スルファミン酸を用いると共に、メディアとしてNiを使用し、このメッキ液の中に、上記で得られた試料を入れ、溶液温度:50℃、電流:4Aにて、2時間回転させ、メッキ処理を行なった。
【0049】
そして、メッキ処理の施された試験用試料の絶縁抵抗を、メッキ処理を行なう前と同様にして測定し、得られた結果を下記表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】
かかる表3に示される結果からも明らかなように、本発明に従って、コレマナイトと共に、Cr2 O3 、WO3 、及びMoO3 のうちの何れかが添加されてなる誘電体磁器組成物を用いて形成された試料(No.2〜10)にあっては、Cr2 O3 、WO3 、MoO3 が何等添加されていないNo.1ものに比して、絶縁抵抗の低下が、効果的に抑制されていることが分かる。また、比誘電率やQ値も高度に確保されていると共に、−55℃〜+125℃の温度範囲における比誘電率の温度係数も、規格幅(0±30ppm/℃)を満たしている。
【0052】
−[BT+Nd]系−
まず、主成分磁器原料として、BaCO3 、TiO2 及びNd2 O3 を用いて、仮焼後のそれぞれの混合比が下記表4に示されるものとなるように、それぞれ、秤量した。そして、それらBaCO3 、TiO2 及びNd2 O3 に、純水を、スラリー濃度が35%となるように加え、ボールミルにて15時間湿式混合の後、乾燥操作を施した。次いで、得られたこの乾燥物を粉末状にして、大気中において、1200℃の温度で2時間、仮焼を行なった後、1.5μm程度の平均粒子径となるように乾式粉砕して、[BT+Nd]系主成分仮焼物を得た。また、上記[BT+Zn]系と同様な副成分を準備した。
【0053】
【表4】
【0054】
そして、上記で準備した[BT+Nd]系主成分仮焼物に対して、副成分を、下記表5に示される配合割合となるように秤量して添加した後、上述せる如き[BT+Zn]系と同様にして、直径7mm、厚さ1.0mmの円板状成形物を作製した。そして、得られた成形物を、それぞれ、大気中において、下記表5に示される焼成温度(950℃)にて、3時間、本焼成することにより、各種の円板状の焼結体を得、そして、このようにして得られた円板状の焼結体の両側の端面に対して、Ag電極ペーストを塗布し、これを800℃にて焼き付けることにより、試験用試料を作製した。そして、上記[BT+Zn]系の試験用試料と同様にして、得られた各種試験用試料の絶縁抵抗、比誘電率(ε)、比誘電率の温度係数びQ値を、それぞれ求めて、得られた結果を、下記表5に示した。
【0055】
【表5】
【0056】
かかる表5に示される結果からも明らかなように、[BT+Nd]系においても、本発明に従って、コレマナイトと共に、Cr2 O3 、WO3 、及びMoO3 のうちの何れかが添加されてなる誘電体磁器組成物を用いて形成された試料(No.12〜20)にあっては、Cr2 O3 、WO3 、MoO3 が何等添加されていないNo.11ものに比して、絶縁抵抗の低下が、効果的に抑制されていることが分かる。また、比誘電率やQ値も高度に確保されていると共に、−55℃〜+125℃の温度範囲における比誘電率の温度係数も、規格幅(0±30ppm/℃)を満たしている。
【0057】
−[BT+Nb,Nd]系−
まず、主成分磁器原料として、BaCO3 、TiO2 、Nb2 O5 及びNd2 O3 を用いて、仮焼後のそれぞれの混合比が下記表6に示されるものとなるように、それぞれ、秤量した。そして、それらBaCO3 、TiO2 、Nb2 O5 及びNd2 O3 に、純水を、スラリー濃度が35%となるように加え、ボールミルにて15時間湿式混合の後、乾燥操作を施した。次いで、得られたこの乾燥物を粉末状にして、大気中において、1200℃の温度で2時間、仮焼を行なった後、1.5μm程度の平均粒子径となるように乾式粉砕して、[BT+Nb,Nd]系主成分仮焼物を得た。また、上記[BT+Zn]系と同様な副成分を準備した。
【0058】
【表6】
【0059】
そして、上記で準備した[BT+Nb,Nd]系主成分仮焼物に対して、副成分を、下記表7に示される配合割合となるように秤量して添加した後、上述せる如き[BT+Zn]系と同様にして、直径7mm、厚さ1.0mmの円板状成形物を作製した。そして、得られた成形物を、それぞれ、大気中において、下記表7に示される焼成温度(1100℃)にて、3時間、本焼成することにより、各種の円板状の焼結体を得、そして、このようにして得られた円板状の焼結体の両側の端面に対して、Ag電極ペーストを塗布し、これを800℃にて焼き付けることにより、試験用試料を作製した。そして、上記[BT+Zn]系の試験用試料と同様にして、得られた各種試験用試料の絶縁抵抗、比誘電率(但し、LCRメーターの測定電圧は、1kHz)、tanδを、それぞれ求めると共に、25℃を基準とした比誘電率の変化率を求め、得られた結果を、下記表7に示した。なお、25℃を基準とした比誘電率の変化率は、所定温度(T1 )での比誘電率を、それぞれ測定し、次式を用いて算出することによって求めた。
【数2】
【0060】
【表7】
【0061】
かかる表7に示される結果からも明らかなように、[BT+Nb,Nd]系においても、本発明に従って、コレマナイトと共に、Cr2 O3 、WO3 、及びMoO3 のうちの何れかが添加されてなる誘電体磁器組成物を用いて形成された試料(No.22〜30)にあっては、Cr2 O3 、WO3 、MoO3 が何等添加されていないNo.21ものに比して、絶縁抵抗の低下が、効果的に抑制されていることが分かる。また、比誘電率やtanδも良好に確保されていると共に、−55℃〜+125℃の温度範囲における比誘電率の変化率も、規格幅(0±15%)を満たしている。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う誘電体磁器組成物にあっては、BaO−TiO2 −ZnO系、BaO−TiO2 −Nd2 O3 系、又はBaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系の誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、B2 O3 とCaOを主成分とする天然鉱物たるコレマナイトを添加、配合すると共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を、副成分として更に添加、配合せしめるようにしたものであるところから、焼成温度の低温化が極めて有利に実現され得ると共に、そのような誘電体磁器組成物を用いてコンデンサ等を製造すれば、メッキ処理による絶縁抵抗の低下が有利に抑制され得るのである。しかも、本発明に従う誘電体磁器組成物から得られる磁器は、比誘電率やQ値が高く、また、−55℃〜+125℃の温度範囲における、比誘電率の温度係数や比誘電率の変化率が小さく且つ平坦なものとなる。
【0063】
従って、そのような誘電体磁器組成物を用いて形成された電子製品、例えば積層コンデンサは、メッキ処理に起因する絶縁抵抗の低下が抑制され、高度な電気的特性が実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される積層コンデンサの代表的な一例を示す、縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 積層コンデンサ
12,14 内部電極層
16 誘電体層
18 誘電体ブロック(積層体)
20,22 外部電極
24,26 メッキ層
Claims (2)
- 誘電体層と内部電極層とが交互に積層せしめられてなる積層体の端面に、該内部電極層に接続する外部電極が形成されていると共に、更に、メッキ処理により、かかる外部電極の表面にメッキ層が形成されてなる積層コンデンサにおける、該誘電体層を与える誘電体磁器組成物にして、BaO:10.0〜32.0モル%、TiO 2 :55.0〜70.0モル%、ZnO:10.0〜32.0モル%(但し、BaO+TiO 2 +ZnO=100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −ZnO系、BaO:7.5〜28.5モル%、TiO 2 :62.5〜69.5モル%、Nd 2 O 3 :9.0〜26.0モル%(但し、BaO+TiO 2 +Nd 2 O 3 =100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −Nd2 O3 系又はBaO:47.98〜52.0モル%、TiO 2 :47.98〜52.0モル%、Nd 2 O 3 :0.01〜1.10モル%、Nb 2 O 5 :0.01〜1.10モル%(但し、BaO+TiO 2 +Nd 2 O 3 +Nb 2 O 5 =100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、コレマナイトと共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を添加、配合せしめてなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
- 誘電体層と内部電極層とが交互に積層せしめられてなる積層体の端面に、該内部電極層に接続する外部電極が形成されていると共に、更に、メッキ処理により、かかる外部電極の表面にメッキ層が形成されてなる積層コンデンサにおいて、
前記誘電体層が、BaO:10.0〜32.0モル%、TiO 2 :55.0〜70.0モル%、ZnO:10.0〜32.0モル%(但し、BaO+TiO 2 +ZnO=100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −ZnO系、BaO:7.5〜28.5モル%、TiO 2 :62.5〜69.5モル%、Nd 2 O 3 :9.0〜26.0モル%(但し、BaO+TiO 2 +Nd 2 O 3 =100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −Nd2 O3 系又はBaO:47.98〜52.0モル%、TiO 2 :47.98〜52.0モル%、Nd 2 O 3 :0.01〜1.10モル%、Nb 2 O 5 :0.01〜1.10モル%(但し、BaO+TiO 2 +Nd 2 O 3 +Nb 2 O 5 =100モル%)なる組成を与えるBaO−TiO2 −Nd2 O3 −Nb2 O5 系誘電体磁器原料を仮焼して得られたものに対して、コレマナイトと共に、クロム含有化合物、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を添加、配合せしめてなる誘電体磁器組成物を用いて、形成されていることを特徴とする積層コンデンサ。
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