JP3963517B2 - 工作機械用スピンドル駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピンドルハウジング、このスピンドルハウジング内に回転可能に支承されていてかつその前端部に工具支持体或いは加工工具を接続するための工具収納部を備えている加工スピンドル、スピンドルハウジング内に設けられているステータと加工用スピンドル上に回転運動可能に設けられているロータとを備えているスピンドルモータ、および緩動作への減速のための第一の変速位置並びに加工用スピンドルの減速のない駆動のための第二の変速位置とから成る変速歯車機構とを備えている工作機械用スピンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実際に知られている構成の枠内ではロータはプログレッシブプレス継手によって加工用スピンドル上に固定して設けられている。このスピンドル駆動装置は簡単な構造の構成を特長とし、極めて大きな回転数を可能にする。欠点なのは、下位の回転数領域での回転トルクが比較的小さいことである。このスピンドル駆動装置は、加工工具に大きな切断力が生じる場合は不適である。回転数が小さい場合にスピンドル駆動装置の達成可能な回転トルクを改善するために、伝動装置によって、加工スピンドルとスピンドルモータのロータに連結されたスピンドルとを切り離すことが考えられる。しかしこの様式の伝動装置の接続は、スピンドル駆動装置を著しく長いかつ障害となるようなほどの長さにしなければならないという結果を招く。回転数が大きい場合には、伝動装置は更に振動を誘起し、この振動は加工スピンドルに伝導される。結局、伝動装置は回転数が大きいと煩わしい騒音を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載した様式のスピンドル駆動装置にあって、下位の回転数領域における回転トルクを、上記の欠点を伴うことがないように改善することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題は、変速歯車機構が太陽歯車、遊星歯車支持体内に設けられている遊星歯車並びに内歯車を備えている遊星歯車機構として形成されており、太陽歯車が中空軸として形成されていて、かつロータと結合されており、第一の変速位置において太陽歯車が遊星歯車と噛合い、そして遊星歯車支持体が加工スピンドルに接続されており、内歯車と遊星歯車を有している遊星歯車支持体とがスピンドルハウジング内において二つの変速位置間で軸方向に摺動可能な伝動機構ユニットを形成しており、伝動機構ユニットの第二の変速位置において太陽歯車と遊星歯車間の有歯部が解離され、太陽歯車が直接加工スピンドルに連結されるように構成されていることによって解決される。
【0005】
ロータは伝動装置を接続された中空軸上に設けるのが有利である。力線は駆動作用する中空軸から特に後端部で、加工スピンドル内に導入される。ロータまたはロータに連結された中空軸を加工スピンドル上に回転可能に支承することによりスピンドル駆動装置はコンパクトな構造となる。ステータ、中空軸を有するロータ並びに伝動装置は組立部品の様式で組立てることができる標準化可能な構造部材または構成群である。
【0006】
本発明の有利な実施態様によれば、伝動装置は太陽歯車と、遊星歯車支持体内に設けられている遊星歯車及び内歯車を有する遊星歯車装置として形成ており、太陽歯車は中空軸として形成され、ロータに連結されている。遊星歯車装置は変速歯車機構として形成することができる。有利な構造の態様によれば、内歯車と遊星歯車を有する遊星歯車支持体とはスピンドルハウジング内において二つの変速位置の間で軸方向に摺動可能な伝動装置ユニットを構成し、この伝動装置ユニットの第一の変速位置では太陽歯車が遊星歯車と係合し、遊星歯車支持体が加工用スピンドルに連結され、伝動装置ユニットの第二の変速位置では太陽歯車と遊星歯車との間の有歯部が離間され、太陽歯車は直接加工スピンドルに連結されている。
【0007】
第二の変速位置では遊星歯車は一緒に回転はしないし、伝動装置は一様に作動外に存在している。これにより、回転数が大きい場合、加工スピンドルの静粛・円滑作動が保証される。加工スピンドルを小さな回転数と大きな回転トルクで作動させようとする場合は、伝動装置ユニットは第一の変速位置に移動される。この変速位置にあってはロータと加工スピンドルが回転数の異なる減速比に相応して回転する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を添付した図面に図示した実施例により詳細に説明する。
スピンドルハウジング1、スピンドルハウジング1内に回転可能に支承された加工用スピンドル2、スピンドルハウジング1内に設けらたステータ4とロータ5とを有するスピンドルモータ3が図示したスピンドル駆動装置の基本構造に属する。加工スピンドル2はその前端部に工具支持体6を接続するための工具収納部を有し、この加工スピンドル2は工具支持体6を捕捉する通常の固定装置7を備えている。
【0009】
ロータ5は加工スピンドル2上に回転運動可能に設けられており、伝動装置8の介在の下に加工スピンドル2に接続されている。伝動装置8は加工スピンドル2の工具収納部と反対側の後端部に設けられ、切換可能な遊星歯車として構成されている。遊星歯車装置は太陽歯車9、遊星歯車11を備えた遊星歯車支持体10並びに、内歯車12を備えており、この場合太陽歯車9は中空軸として形成され、ロータ5に固く連結されている。太陽歯車9は負荷を受けることなく遊動状態で支承されている。
【0010】
内歯車12と遊星歯車11を備えた遊星歯車支持体10はスピンドルハウジング1内において、二つの変速位置の間で軸方向に摺動可能な伝動装置ユニットを形成している。図1に示した第一の変速位置では太陽歯車9は遊星歯車11と係合し、遊星歯車支持体10は端面側のクラッチ装置13を介して加工スピンドル2に一体的に固く連結されている。ロータ5と加工スピンドル2とは遊星歯車伝動装置8の変速比に応じて異なった回転数で回転する。(ロータ対加工用スピンドルの)変速比はそれぞれの使用目的に適合され、たとえば4対1であってもよい。
【0011】
図2に示した、伝動装置ユニットの第二の変速位置では有歯部が太陽歯車9と遊星歯車11との間で解離されており、太陽歯車9は直接加工スピンドル2に連結され、その結果ロータ5と加工スピンドル2は同一回転数で回転する。太陽歯車9と加工スピンドル2との間の結合は連結スリーブ14によって行われ、この連結スリーブ14は回転運動可能に遊星歯車支持体10の内に支承されており、回転不能であるが軸方向に摺動可能に加工スピンドル2上に設けられている。連結スリーブ14は伝動装置ユニットの一部分であり、伝動装置ユニットと共に二つの変速位置の間で運動可能である。
【0012】
図2は第二の変速位置で連結スリーブ14と太陽歯車9の連結面15が相互に入り組むのを示している。
【0013】
【発明の効果】
本発明による工作機用スピンドル駆動装置により、明細書の冒頭に記載した公知の工作機用スピンドル駆動装置の伝動機構が持つ欠点が排除され、変速歯車機構の静粛・円滑な作動が達せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工作機械用スピンドル駆動装置の縦断面図である。
【図2】 他の作動位置にある、図1に示したスピンドル駆動装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 スピンドルハウジング
加工スピンドル
3 スピンドルモータ
4 ステータ
5 ロータ
6 工具支持体
固定装置
8 伝動装置
9 太陽歯車
10 遊星歯車支持体
11 遊星歯車
12 内歯車
13 クラッチ装置
14 連結スリーブ
15 連結面

Claims (2)

  1. スピンドルハウジング(1)、
    このスピンドルハウジング(1)内に回転可能に支承されていてかつその前端部に工具支持体(6)或いは加工工具を接続するための工具収納部を備えている加工スピンドル(2)、
    スピンドルハウジング(1)内に設けられているステータ(4)と加工用スピンドル(2)上に回転運動可能に設けられているロータ(5)とを備えているスピンドルモータ(3)、および
    緩動作への減速のための第一の変速位置並びに加工用スピンドル(2)の減速のない駆動のための第二の変速位置とから成る変速歯車機構(8)
    とを備えている工作機械用スピンドル装置において、
    変速歯車機構(8)が太陽歯車(9)、遊星歯車支持体(10)内に設けられている遊星歯車(11)並びに内歯車(12)を備えている遊星歯車機構として形成されており、
    太陽歯車(9)が中空軸として形成されていて、かつロータ(5)と結合されており、
    第一の変速位置において太陽歯車(9)が遊星歯車(11)と噛合い、そして遊星歯車支持体(10)が加工スピンドル(2)に接続されており、
    内歯車(12)と遊星歯車(11)を有している遊星歯車支持体(10)とがスピンドルハウジング(1)内において二つの変速位置間で軸方向に摺動可能な伝動機構ユニットを形成しており、
    伝動機構ユニットの第二の変速位置において太陽歯車(9)と遊星歯車(11)間の有歯部が解離され、太陽歯車(9)が直接加工スピンドル(2)に連結されるように構成されていることを特徴とする、工作機械用スピンドル装置。
  2. 伝動機構ユニットが遊星歯車支持体(10)内で回転運動可能に支承されている連結スリーブ(14)を備えており、この連結スリーブが回転不能にかつ軸方向で摺動可能に加工スピンドル(2)上に設けられており、伝動機構ユニットの第二の変速位置において太陽歯車(9)の連結面(15)に接続するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械用スピンドル装置。
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