JP3963331B2 - 無機系外装材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

無機系外装材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の外装材の製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物における壁材のような板状或いは中空状等の外装材として、セメント系や粘土系等の無機系混練物を押し出し成形したものが使用されている。このうち、繊維混入セメント板に代表されるセメント系の押し出し成形外装材は、一般に、図15に示すような工程で製造されている。
【0003】
すなわち、押し出し成形機50から所定の断面形状に押し出し成形された成形体Aをローラ状のコンベヤ51に引き取りつつ所望の長さに切断していき、切断された各成形体Aを取り板52に載せ代えて、取り板52に載せた状態で成形体Aを60〜80℃で8〜20時間程度スチーム養生(湿潤養生)し、次いで、取り板52に載せた状態でオートクレーブにて10気圧・180℃程度に加圧・加熱するもので、この2段階の養生工程を経ることによって強度を確保していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のセメント系の押し出し成形体は、スチーム養生やオートクレーブ等による養生工程に少なくとも1日〜2日はかかるため製造能率が悪いばかりか、養生するに際して各取り板52は間隔を空けた状態で配置しなければならないため養生設備内での成形体の収納密度が小さく、このため養生設備が著しく大型化すると言う問題があった。
【0005】
また、切断された成形体Aをコンベヤ51から取り板52に引き取るに際して、押し出し成形機50による押し出し速度と取り板52への引取り速度を完全に同期させることが困難であるため、成形体Aに変形が発生し易いと言う問題もあった。
【0006】
他方、粘土系(陶器系)の押し出し成形体の場合、押し出し成形機で押し出されたものを半乾燥させてから焼成することが行われている。そこで本願発明者は、セメント系の押し出し成形体から成る製品を製造するに当たって、押し出し成形機から押出された成形体を所望の長さに切断したのち取り板に載せ変えて、これを搬送しつつ加熱することによって半乾燥させてから焼成する一方、乾燥後の成形体を取り去った取り板は押し出し成形機の近傍箇所に循環させると言う方法を試みた。
【0007】
この方法によると、押し出し成形機による押し出し加工と、成形体の半乾燥、及び焼成を連続的に行うことができるため、製造能率を著しく向上することができると共に、巨大な養生設備が不要となるため全体の設備を小型化することができ、しかも、焼成工程を経ることにより、セメント系の成形体であっても十分な強度を得ることができる。
【0008】
しかし、セメント系の成形体を半乾燥・焼成する方法は、上記のような優れた利点を有する反面、成形機から押し出された成形体を取り板に引き取るに際しての成形体の変形を防止できないと共に、成形体を半乾燥させる工程で取り板上の成形体に反りや亀裂が多発すると言う問題があった。
本発明は、この問題を解消することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記のセメント系成形体を乾燥・焼成する方法において、乾燥工程の成形体は四周が上向き凹状に反りかえるように変形していた。その理由は、成形体の下面全体が取り板に密着していることに起因して、成形体の加熱が不均一になると共に、乾燥に伴う成形体の収縮が不均一になるためと考えられる。また、成形体の四隅箇所が最も早く乾燥するため、成形体の四隅箇所が最大きく反り上がっていた。
【0010】
このような知見を基にして、本願発明者は本願発明を完成させるに至った。
本願発明は製造方法と製造装置とを含んでおり、このうち製造方法は、請求項1に記載したように、基本構成として、無機系混練物を材料として押し出し成形機にて所定の断面形状の成形体に連続的に押し出す工程と、押し出された形成体をその押し出し方向に延びる繰り出し用コンベア上に順次引き取る工程と、前記成形体を所定長さに切断していく工程と、切断された成形体を順次搬送しつつ加熱手段で上下から加熱していく乾燥工程とを備えており、前記乾燥工程において成形体は加熱用搬送手段で搬送されるパレットに載っており、前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するようになっている。
【0011】
そして、前記パレットは、長手方向と幅方向とを有する平面視長方形で、かつ、当該パレットの幅方向に延びるローラの多数本を互いに隙間を空けた状態でパレットの長手方向に並べて平行配置したローラコンベヤ状に形成されている一方、前記成形体は、前記パレット上において当該パレットと同じ方向に長く延びる長方形に切断されており、前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するに際してパレットを繰り出し用コンベヤの搬送方向に沿って長く延びる姿勢にすることにより、形成体を繰り出し用コンベヤからの送り出しにてパレットに抵抗なしに移載せしめ、かつ、成形体が載せられたパレットを搬送するに際してのパレットの姿勢を加熱用搬送手段の搬送方向と直交した方向に長く延びる姿勢にすることにより、成形体が幅方向に搬送されるようになっており、更に、前記押し出し成形機による成形体の押し出し速度をV1、加熱用搬送手段の搬送速度をV2、切断された成形体の長さ寸法をL1、成形体群を加熱用搬送手段で順次搬送するに当たっての隣合った成形体の間隔寸法をL2としたとき、L2/L1=V2/V1の関係に設定されている。
【0012】
本願発明は、前記製法に使用する製造装置も含んでおり、この装置は、請求項に記載したように、基本構成として、無機系混練物を所定の断面形状に連続的に押し出す押し出し成形機と、前記押し出し成形機から押し出された成形体を引き取るために当該成形体の押し出し方向に延びるように配置された繰り出し用コンベヤと、前記連続的に押し出された成形体を所定長さに切断するカッターと、切断された成形体を搬送しつつ乾燥させるための加熱用搬送手段及び加熱手段とを備えており、前記加熱用搬送手段には、繰り出し用コンベヤから成形体を移載して搬送するパレットの群が載せられており、更に、加熱用搬送手段の終端箇所から繰り出し用コンベヤの終端箇所にパレットを循環させるリターン用搬送手段を備えている。
【0013】
そして、前記パレットは、長手方向と幅方向とを有する平面視長方形で、かつ、当該パレットの幅方向に延びるローラの多数本を互いに隙間を空けた状態でパレットの長手方向に並べて平行設置したローラコンベヤ状に形成されている一方、前記成形体は、前記パレット上において当該パレットと同じ方向に長く延びる長方形に切断されるようになっており、前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するに際してパレットは繰り出し用コンベヤの搬送方向に沿って長く延びる姿勢となっており、かつ、成形体が載せられたパレットを搬送するに際しての各パレットは加熱用搬送手段の搬送方向と直交した方向に長く延びる姿勢になっている。
【0014】
お、本願発明はセメント系の混練物を材料とした外装材の製造方法及び装置に好適であるが、粘土系等の他の材料からなる外装材の製造方法及び装置にも適用できることは言うまでもない。また、成形体は、乾燥工程の後に焼成等の後工程を経て最終製品化しても良いし、場合によっては乾燥工程を経てそのまま製品としても良い。
【0015】
【発明の実施形態】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図11では第1実施形態を示しており、このうち図1は製造設備のレイアウトの概略を示す平面図、図2は図1のII−II視断面図、図3は図1及び図2の III−III 視断面図、図4(A)は図2の部分拡大図、図5は図1のV−V視部分断面図、図6は要部斜視図、図7は図1のVII−VII視断面図、図8は図1のVIII−VIII視断面図、図9は図1のIX−IX視断面図、図10は図1のX−X視断面図、図11は焼成状態の一例を示す図である。
【0016】
先ず、図1に基づいて製造装置と方法の概略を説明する。この製造装置は、口金(ダイ)2を備えた押出成形機1と、押出成形機1の口金2から水平方向に押し出された板状の成形体Aを寝かせた状態に引き取る繰り出し用コンベヤ3と、繰り出し用コンベヤ3上の成形体Aを所定の長さに切断するカッター4と、切断された成形体Aを繰り出し用コンベヤ3から移載するための多数のパレット5と、パレット5を繰り出し用コンベヤ3の終端箇所に供給するための第1搬送手段6と、成形体Aを載せたパレット5を第1搬送手段6から受け継いで一列状に搬送する第2搬送手段7と、第2搬送手段7を囲った状態で延びるトンネル型の乾燥炉8と、乾燥させた成形体Aを取り去った後のパレット5を横移動させるための第3搬送手段9と、第3搬送手段9から引き継いだパレット5を戻すべく第2搬送手段7と逆方向に駆動される第4搬送手段10と、第4搬送手段10の終端箇所からパレット5を横移動させて第1搬送手段6に載せ変える第5搬送手段11とを備えている。
【0017】
前記第2搬送手段7は請求項1及び2に記載した「加熱用搬送手段」を構成し、また、第1搬送手段6と第3〜第5搬送手段11は請求項に記載した「リターン用搬送手段」を構成するものである。図1で実線の矢印は成形体Aの搬送経路を示し、白抜き矢印はパレット5の搬送経路を示している。
【0018】
第2搬送手段7の終端近傍には昇降式テーブル12を設置しており、乾燥済の成形体Aはパレット5から昇降式テーブル12に載せ変えられたのち、移動式の収納ボックス13に載せ変えられ、その後、釉薬の塗布工程を経て焼成工程に送られる。
【0019】
次に、各部位の詳細を説明する。
図2に示すように、押し出し成形機1にはスクリュー羽根14が内蔵されている。また、口金2は着脱自在であり、口金2を交換することにより、成形体Aを種々の断面形状に押し出すことができる。
【0020】
繰り出し用コンベヤ3は、一対の側枠15間に多数のローラ16を回転自在に装架したローラコンベヤ状に構成されており、その中途箇所に適宜形態のカッター4を設けており、このカッター4を高速で下降・上昇させることにより、成形体Aを所望の長さに切断する。図2〜4においてカッター4は模式的に示している。図3及び図4に示すように、カッター4の配置箇所には、成形体Aを押さえるための一対の押さえローラ18を配置している。
【0021】
図1、図2、図4(B)に示すように、繰り出し用コンベヤ3の側部のうち終端寄りの適宜範囲には、ローラ16に対して接触・離反する高速搬送用ベルト20を設けている。この高速搬送用ベルト20はカッター4と連動しており、カッター4が作動するまでの間は、高速搬送用ベルト20はローラ16に接触しないよう下降しており、その状態では各ローラ16はフリーの状態にあるため、成形体Aは押し出し成形機1の押し出し速度で繰り出される。
【0022】
他方、カッター4が作動して成形体Aが切断されると、高速搬送用ベルト20が上昇してその上方のローラ16群を一斉に高速回転させ、これにより、切断された成形体Aを第1搬送手段6上のパレット5に対して高速で送り出す。成形体Aをパレット5に送り出した後は、高速搬送用ベルト20は直ちに下降するため、押し出し成形機1から押し出された成形体Aの先端が高速搬送用ベルト20の箇所に到達するよりも前に各ローラ16はフリーの状態になり、従って成形体Aは抵抗なしにスムースに繰り出される。
【0023】
図2に示すように、繰り出し用コンベヤ3の下面の箇所には、成形体Aを予備乾燥させるための予備加熱手段の一例として、例えば遠赤外線ランプ21を配置し、成形体Aの下面を例えば80〜120℃程度に加熱している。
【0024】
図6に示すように、パレット5は、一対の側枠22間に多数本のローラ23を回転自在に取り付けて成るローラコンベヤ状に形成されている。パレット5は、搬送方向と直行した方向に長く延びる平面視長方形に形成されている。一対の側枠22の下面間には、補強兼用の一対の支持板24を装架するのが好ましい。
【0025】
第1搬送手段6は、機枠25に軸支した前後一対ずつのスプロケット26にエンドレスチェーン27を巻き掛けした構成であり、一対のエンドレスチェーン27でパレット5の支持板24を支持している。第1搬送手段6は間欠的に駆動するもので、搬送停止状態でパレット5に繰り出し用コンベヤ3から成形体Aを移載し、その後、第1搬送手段6を駆動することにより、成形体Aが載置されたパレット5を第2搬送手段7に移載すると共に、後続のパレット5を繰り出し用コンベヤ3の終端箇所に待機させる。エンドレスチェーン27は、機枠25に設けたガイド体28で支持されている。
【0026】
第2搬送手段7は、一対の機枠29の間に軸支した前後一対ずつのスプロケット32に2本のエンドレスチェーン31を巻き掛けした構成であり、図6に示すように、エンドレスチェーン31は機枠29に設けたガイド体32上を滑り移動し、パレット5は、支持体32の箇所でエンドレスチェーン31に支持されている。
【0027】
図5及び図7に示すように、トンネル型の乾燥炉8の内部には、ガスや重油、灯油等を燃料とした炎噴出ノズル33と、熱風噴出ノズル34とを上下(或いは上下左右)に多数配置している。この場合、例えば乾燥炉の全長が20m程度である場合には、炎噴出ノズル33は、乾燥炉8の出口寄りの5m程度を除く範囲に配置し、熱風噴出ノズル34は出口寄りの5m程度の範囲に配置している。このような配置にしたのは、乾燥工程で成形体Aの表面に析出した水滴を熱風によって吹き飛ばすためである。
【0028】
また、図7に明示するように、炎噴出ノズル33と熱風噴出ノズル34とは、乾燥炉8の下面の箇所での設置密度を高くしている。これは、下方からの加熱ではパレット5のローラ23が障害になって成形体Aの下面に対する加熱作用が低いことを考慮し、成形体Aの上下両面に対する加熱効果がなるべく均等になるようにするためである。なお、加熱手段としては実施形態のようなガス等を使用した乾燥炉には限らず、マイクロ波による加熱等の他の手段でも良いことは言うまでもない。
【0029】
図8に示すように、乾燥炉8による乾燥を終えた成形体Aは第2搬送手段7の終端箇所で、パレット5から空圧式又は油圧式等の昇降テーブル12に載せ変えられ、次いで、収納ボックス(コンテナ)13に載せ変えられる。この収納ボックス13は、ローラ棚15を多段に設けたもので、昇降テーブル12を高さ調節して、成形体Aをローラ棚15に順次滑り移動させるようにしている。収納ボックス13が一杯になったら、収納ボックス13を釉薬の塗布工程に移動させ、施釉後、焼成する。
【0030】
焼成手段としては、例えば図11に示すように、セラミック製のローラ36上で成形体Aを移動させながら焼成するローラ・ハース・キルン37など、種々のものを使用できる。
なお、昇降テーブル12や収納ボックス13を使用せずに、乾燥された成形体Aを第2搬送手段7から他のコンベヤに引き取って、釉薬塗布工程や焼成工程に連続的に送り出しても良いのであり、製造能率の点からからはこのようにライン化することが望ましい。
【0031】
図8に示すように、第3搬送手段9はベルトコンベヤ状に構成されており、第3搬送手段9を油圧や空圧等の適宜手段で上昇させると共にエンドレスベルト38を駆動してから下降することにより、成形体Aを取り除いた後のパレット5を第4搬送手段10に載せ替えることができる。第3搬送手段9のベルト38でパレット5の側枠22を支持するようにしている。また、第3搬送手段9は上昇させても第2搬送手段7及び第4搬送手段10と干渉しない状態に配置している。
【0032】
図9に示すように、第4搬送手段10は第2搬送手段7と同様の構成であり、機枠39、スプロケット40、エンドレスチェーン41、ガイド体42等を備えている。また、図10に示すように、第5搬送手段11は第3搬送手段9と同じ構成であり、間欠駆動されるエンドレスベルト38や図示しない昇降手段を備えている。
【0033】
図1に示すように、押し出し成形機1による成形体Aの押し出し速度をV1、第2搬送手段7の搬送速度をV2とした場合、乾燥8を小型化するには、第2搬送手段7の搬送速度V2を押し出し速度V1よりもできるだけ小さくする必要がある。そこで、切断された成形体Aの長さ寸法L1と第2搬送手段7での成形体A間の搬送間隔L2、及びV1,V2とを、L2/L1=V2/V1の関係になっている。これにより、成形体Aは途中で滞留することなく連続的に乾燥工程に移送される。
【0034】
なお、パレット5に複数枚の成形体Aを一列状又は複数列状に載せるようにしても良い。
【0035】
以上の構成において、押し出し成形機1から押し出された成形体Aは、カッター4て切断されたあとパレット5に載せ変えられ、その後、乾燥炉8を通過することによって半乾燥され、次いで、釉薬塗布等の後工程に移送される。また、乾燥した成形体Aを取り去った後のパレット5は、第3〜第5搬送手段9,10,11を介して第1搬送手段6の箇所に循環する。これにより、成形体Aの押出し成形と乾燥とを連続的に能率良く行うことができる。
【0036】
また、繰り出し用コンベヤ3上で切断された成形体Aはパレット5上に滑り抵抗なしに移載されるから、移載に際して成形体Aが傷付いたり変形したりすることはない。更に、乾燥工程では成形体Aが図6に示すように縦横の両方向に収縮するが、成形体Aはパレット5上に載置されているから、収縮してもパレット5との間に滑り抵抗が生じることは全く又は殆どないと共に、成形体Aを上下両面から均一に加熱することが可能となるから、成形体Aを、反りや亀裂のない状態に乾燥させることができる。
【0037】
パレット5はローラコンベヤ状であるため、隣接したローラ23の間の隙間を通じて下方から加熱することができ、このため、上下両面からの均一な加熱をより確実に達成できる。
【0038】
また、成形体Aは図6に矢印X,Yで示すように縦横の両方向に収縮するが、パレット5の長手方向(X方向)の収縮は、ローラ23が回転することによって抵抗なしに行われる一方、成形体Aは各ローラ23に対して線接触の状態であるため、幅方向(Y方向)の収縮に際して成形体Aとローラ23との間に抵抗が生じることは殆どなく、従って、成形体Aを均一に乾燥・収縮させて反り・亀裂をより確実に防止できる。
【0039】
図12〜図14では他の実施形態を示している。
このうち図12に示すのは、第5搬送手段11による横移動によってパレット5を繰り出し用コンベヤ3の終端箇所に直接に戻すようにしたものである。また、図13に示すのは、パレット5の搬送路を、第1〜第5の5つの部分を平面視小判形に連続させて成る閉ループ状に構成して、第3搬送手段9と第5搬送手段11とを昇降させることなく、パレット5を循環させ得るようにしたものである。
【0040】
更に図14に示すのは、加熱用搬送手段としてメッシュコンベヤ43を使用し、メッシュコンベヤ43によってパレット5を搬送するようにしたものである。
なお、上記の各実施形態ではパレット5を搬送手段によって自動的に循環させているが、本願方法では、パレットを手作業によって載せ替えても良い。
【0041】
【実施例】
無機質骨材にバインダーとしてセメントを添加して水で練った混練物を、押し出し成形機1で、長手方向に連続する中空穴を備えた板状に押し出しつつ、第1実施形態の方法・装置で切断したのち半乾燥させ、1000〜1200℃程度で焼成した。
乾燥での加熱手段としてはガス炎を路内に直接に噴射する方式を採用し、約100 〜150 ℃で成形体Aを加熱した。押し出し成形機1での押し出し速度V1は約160m/h、第2搬送手段7での搬送速度V2は約40m/hであり、乾燥炉8での加熱時間は約30分であった。
【0042】
このようにして成形体を半乾燥させた結果、各成形体Aには反りや亀裂は見られないと共に、釉薬塗布工程への移送に際して成形体Aが破損するような取り扱い上の問題は全く生じなかった。また、焼成工程を経ることにより、従来の養生方式のセメント系壁材と同等の強度が得られた。
なお、本発明における「無機系」とは無機系の素材を主体としたと言う意味であり、補助的な添加物として有機系物質が混入されていても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、パレットをローラコンベヤ状に形成したことにより、押出し成形機から押し出された成形体をパレットに引き取るに際して、押し出し速度とパレットへの引取速度とを完全に同期させることができるため、押出し成形機による成形体の押し出し速度が不安定であっても、成形体を変形させることなくパレットに引き取ることができる。
【0044】
また、加熱乾燥工程で成形体が収縮しても成形体とパレットとの間に摩擦抵抗が生じることはないから、成形体の収縮による反りを防止或いは著しく抑制できると共に、成形体を均一に加熱・乾燥することが可能となり、その結果、成形体を反りや亀裂のない状態に迅速に乾燥させることができる。
【0045】
このように、成形体をパレットに引き取るに際しての変形を防止できることと、乾燥工程での反りや亀裂を防止できることとが相俟って、押し出し成形体からなる高品質の外装材を能率良く製造できる。また、パレットを構成するローラの間の隙間を通じて成形体を下方からも加熱できるため、成形体を均一に加熱・乾燥させることを一層確実化できる。
【0046】
また、成形体を加熱用搬送手段で幅方向に搬送する構成であるため、加熱用搬送手段の搬送速度を押し出し成形機による押し出し速度よりも小さくすることができ、このため、乾燥炉を小型化することができる。更に、成形体の押し出し速度、加熱用搬送手段での搬送速度、成形体の長さ寸法、成形体の間隔寸法を請求項1に記載した関係にしたことにより、成形体の群を途中で滞留させることなく連続的に乾燥工程に移送できる。
【0047】
請求項のようにパレットをリターン用搬送手段によって循環させる構成にすると、作業者の負担を軽減できる利点がある。
【0048】
更に、実施形態のように成形体を繰り出し用コンベヤの箇所で予備加熱すると、押し出し成形機から押し出された成形体をパレットに移載する前の段階で、成形体の下面を予備乾燥してある程度硬化させることができるから、成形体をパレットに載せ変えたり、成形体をパレットにのせた状態で搬送して乾燥させたりするにおいて、成形体の下面が凹み変形することを防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造装置レイアウトと製造工程の概略を示す平面図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図1及び図2の III−III 視断面図である。
【図4】(A)は図2の部分拡大図、(B)は図1のIVB−IVB視断面図である。
【図5】図1のV−V視部分断面図である。
【図6】パレットの搬送状態を示す斜視図である。
【図7】図1のVII−VII視断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII視断面図である。
【図9】図1のIX−IX視断面図である。
【図10】図1のX−X視断面図である。
【図11】焼成状態の一例を示す図である。
【図12】第2実施形態を示す平面図である。
【図13】第3実施形態を示す平面図である。
【図14】第4実施形態を示す平面図である。
【図15】従来例を示す図である。
【符号の説明】
A 成形体
1 押し出し成形機
2 口金
3 繰り出し用コンベヤ
4 カッター
5 パレット
6 第1搬送手段
7 第2搬送手段(乾燥用搬送手段)
8 乾燥炉
9 第3搬送手段(リターン用搬送手段)
10 第4搬送手段(リターン用搬送手段)
11 第5搬送手段(リターン用搬送手段)
33 炎噴出口
34 熱風噴出口

Claims (2)

  1. 無機系混練物を材料として押し出し成形機にて所定の断面形状の成形体に連続的に押し出す工程と、押し出された形成体をその押し出し方向に延びる繰り出し用コンベア上に順次引き取る工程と、前記成形体を所定長さに切断していく工程と、切断された成形体を順次搬送しつつ加熱手段で上下から加熱していく乾燥工程とを備えており、前記乾燥工程において成形体は加熱用搬送手段で搬送されるパレットに載っており、前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するようになっている無機系外装材の製造方法であって、
    前記パレットは、長手方向と幅方向とを有する平面視長方形で、かつ、当該パレットの幅方向に延びるローラの多数本を互いに隙間を空けた状態でパレットの長手方向に並べて平行配置したローラコンベヤ状に形成されている一方、前記成形体は、前記パレット上において当該パレットと同じ方向に長く延びる長方形に切断されており、
    前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するに際してパレットを繰り出し用コンベヤの搬送方向に沿って長く延びる姿勢にすることにより、形成体を繰り出し用コンベヤからの送り出しにてパレットに抵抗なしに移載せしめ、かつ、成形体が載せられたパレットを搬送するに際してのパレットの姿勢を加熱用搬送手段の搬送方向と直交した方向に長く延びる姿勢にすることにより、成形体が幅方向に搬送されるようになっており、
    更に、前記押し出し成形機による成形体の押し出し速度をV1、加熱用搬送手段の搬送速度をV2、切断された成形体の長さ寸法をL1、成形体群を加熱用搬送手段で順次搬送するに当たっての隣合った成形体の間隔寸法をL2としたとき、L2/L1=V2/V1の関係に設定されている、
    無機系外装材の製造方法。
  2. 無機系混練物を所定の断面形状に連続的に押し出す押し出し成形機と、前記押し出し成形機から押し出された成形体を引き取るために当該成形体の押し出し方向に延びるように配置された繰り出し用コンベヤと、前記連続的に押し出された成形体を所定長さに切断するカッターと、切断された成形体を搬送しつつ乾燥させるための加熱用搬送手段及び加熱手段とを備えており、前記加熱用搬送手段には、繰り出し用コンベヤから成形体を移載して搬送するパレットの群が載せられており、更に、加熱用搬送手段の終端箇所から繰り出し用コンベヤの終端箇所にパレットを循環させるリターン用搬送手段を備えている無機系外装材の製造装置であって、
    前記パレットは、長手方向と幅方向とを有する平面視長方形で、かつ、当該パレットの幅方向に延びるローラの多数本を互いに隙間を空けた状態でパレットの長手方向に並べて平行設置したローラコンベヤ状に形成されている一方、前記成形体は、前記パレット上において当該パレットと同じ方向に長く延びる長方形に切断されるようになっており、
    前記繰り出し用コンベヤから成形体をパレットに移載するに際してパレットは繰り出し用コンベヤの搬送方向に沿って長く延びる姿勢となっており、かつ、成形体が載せられたパレットを搬送するに際しての各パレットは加熱用搬送手段の搬送方向と直交した方向に長く延びる姿勢になっている、
    無機系外装材の製造装置。
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