JP3963082B2 - 渦電流減速装置 - Google Patents
渦電流減速装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3963082B2 JP3963082B2 JP2001145825A JP2001145825A JP3963082B2 JP 3963082 B2 JP3963082 B2 JP 3963082B2 JP 2001145825 A JP2001145825 A JP 2001145825A JP 2001145825 A JP2001145825 A JP 2001145825A JP 3963082 B2 JP3963082 B2 JP 3963082B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic pole
- electromagnet
- braking
- eddy current
- magnet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁石と永久磁石とを併用した、比較的軽量で、非制動と制動との切換えに動力を必要としない渦電流減速装置に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
特願平1-218498号,特願平2-112026号,特願平2-201817号,特願平2-201819号などに係る永久磁石式渦電流減速装置は、非制動と制動との切換えに永久磁石(以下、これを単に磁石という)を支持する磁石支持筒を正逆回動しなくてはならず、強力なアクチユエータを必要とする。また、電磁石式渦電流減速装置は消費電力が大きく、重量が重くなるという問題がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は上述の問題に鑑み、電磁石と磁石とを併用した、比較的軽量で、非制動と制動との切換えにアクチユエータを必要としない渦電流減速装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の構成は回転軸に結合した制動ドラムの内部に不動の支持枠を配設し、該支持枠に多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を支持し、各電磁石と各永久磁石との間に制動ドラムの内周面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されることを特徴とする。
また、本発明の構成は回転軸に結合した制動円板の側方に、多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を配置し、各電磁石と各永久磁石との間に制動円板の側面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されることを特徴とする。
【発明の実施の形態】
【0005】
本発明では電磁石と磁石を交互に環状に繋いで、制動ドラムの内周面または制動円板の側面に対向して配置する。電磁石の電磁コイルに加える電流を加減して制動と非制動とに切り換え、または全制動と非制動と中間の制動トルクを得る。電磁石と磁石は例えば変速機の後部カバーなどに取り付け、制動ドラムまたは制動円板は変速機の出力回転軸に取り付ける。電磁石と磁石は磁極部材の凹部に圧入して環状に固定化を図り、磁極部材を変速機の後部カバーに固定した非磁性体からなる支持枠に複数のボルトにより締結する。
【実施例】
【0006】
図1は本発明に係る渦電流減速装置の正面断面図、図2は同渦電流減速装置の側面断面図である。本発明による渦電流減速装置は例えば変速機の出力回転軸14に結合される導体からなる制動ドラム3と、変速機の壁部に固定した環状の支持枠19に支持される電磁石21と磁石9とから構成される。冷却フイン2を有する制動ドラム3は基端部を、出力回転軸14に結合したボス部13から放射方向に延びる複数のスポーク12の先端に結合される。環状の支持枠19に支持される電磁石21は周方向に延びる多数の電磁鋼板を積層してなる棒状の鉄心7に巻枠5を外嵌し、巻枠5に電磁コイル6を巻装してなる。電磁石21の鉄心7の両端には磁極が形成され、磁極に制動ドラム3の内周面に対向する板状の磁極部材4が結合される。
【0007】
図2に示すように、磁石9は外周面を非磁性体からなる保護枠8で覆われる。磁石9の周方向の両端部に磁極が形成され、磁極に径方向に延びる磁極部材4が係合される。好ましくは、電磁石21の鉄心7と磁極部材4とはH型をなす電磁鋼板を多数重ねて構成される。電磁石21の間に、詳しくは1対の磁極部材4の間に磁石9が挟持される。磁極部材4の相対向する面に磁石9を嵌合するくぼみを構成するのが好ましい。
【0008】
本発明による渦電流減速装置は電磁石21と磁石9が周方向に交互に並設され、かつ両者の間に介装した磁極部材4の径方向外端が制動ドラム3の内周面に対向される。磁極部材4は径方向の外端と内端のボルト孔4a,4bに挿通したボルトを支持枠19へ締結して結合される。
【0009】
非制動時、電磁石21の電磁コイル6への通電を停止すると、図2に示すように、磁石9からの磁界は磁極部材4を経て隣りの電磁石21の鉄心7へ延び、さらに磁極部材4を経て隣りの磁石9の磁極へと周回し、制動ドラム3には磁界を及ぼさない。
【0010】
制動時、電磁コイル6に通電すると、図3に示すように、電磁石21の相対向する磁極と磁石9の磁極とは同じ極性になり、周方向に並ぶ磁極部材4がN,S,N,S,…と交互に極性を異にするように磁化され、制動ドラム3に磁界を及ぼす。回転する制動ドラム3が磁極部材4からの磁界を横切る時、渦電流に基づく制動トルクを発生する。
【0011】
図4に示す実施例では、磁石9が制動ドラム3に発生する渦電流に基づく熱に対する悪影響を抑止するために、磁石9の軸心は電磁石21の鉄心7の軸心よりも径内方へ偏倚して配設される点で異なるだけである。上述の配置により、長時間の制動による磁石9の熱による影響を回避することができる。
【0012】
図5に示すように、電磁石21の鉄心7の軸心と磁石9の軸心とを同心円上に配設し、かつ制動ドラム3から遠ざけ、相対的に磁極部材4を径外方に長く延長して制動ドラム3の内周面に対向させれば、電磁石21と磁石9の熱による悪影響を効果的に回避できる。
【0013】
本発明は制動円板型の渦電流減速装置にも適用することができる。図6,7に示すように、出力回転軸14に結合した導体からなる左右1対の制動円板42の間に、非磁性体からなる環状の支持枠が配置される。支持枠は外筒51と内筒52の間に周方向交互に電磁石60と磁石57とを配設し、電磁石60と磁石57の間にそれぞれ磁極部材56を挟んで配設し、磁極部材56を外筒51と内筒52の間にボルト59により固定したものである。各磁極部材56の周方向の端面には、保護枠58により覆われた磁石57の端部を係合するくぼみと、電磁石60の鉄心53の端部を係合するくぼみとが備えられる。
【0014】
電磁石60は鉄心53に外嵌した巻枠54に電磁コイル55を巻装して構成される。外筒51は一方の制動円板42を跨ぐ複数の支持部材41により車両の非回転部分に固定される。制動円板42には周方向等間隔に径方向の導風路43が設けられ、かつ制動円板42から径内方かつ軸方向へ延びる腕44を、複数のボルト46により円板45に結合される。円板45の軸心に設けたスプライン孔が、出力回転軸14に嵌合される。他の構成は図1に示す実施例と同様である。
【0015】
非制動時、電磁石60の電磁コイル55の通電を停止すると、図7に示すように、磁石57からの磁界は磁極部材56を経て隣りの電磁石60の鉄心53へ延び、さらに磁極部材56を経て隣りの磁石57の磁極へと周回し、制動円板42には磁界を及ぼさない。
【0016】
制動時、電磁コイル55に通電すると、相対向する電磁石60の磁極と磁石57の磁極とは同じ極性になり、周方向に並ぶ磁極部材56がN,S,N,S,…と極性が交互に異なるように磁化され、制動円板42に磁界を及ぼす。回転する制動円板42が磁極部材56からの磁界を横切る時、渦電流に基づく制動トルクを発生する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように、回転軸に結合した制動ドラムの内部に不動の支持枠を配設し、該支持枠に多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を支持し、各電磁石と各永久磁石との間に制動ドラムの内周面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されるか、回転軸に結合した制動円板の側方に、多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を配置し、各電磁石と各永久磁石との間に制動円板の側面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されるものであるから、非制動と制動との切換えに電磁石と磁石を支持する支持枠を正逆回動する必要がなく、支持枠を正逆回動するためのアクチユエータも必要がなくなり、渦電流減速装置全体としての重量を軽減できる。
また、本発明の渦電流減速装置は、非制動時、電磁石を消磁するだけでよく、磁石の磁界を打ち消すのに余分のエネルギを消費するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦電流減速装置の正面断面図である。
【図2】同渦電流減速装置の側面断面図である。
【図3】本発明の部分的変更実施例に係る渦電流減速装置の側面断面図である。
【図4】本発明の部分的変更実施例に係る渦電流減速装置の側面断面図である。
【図5】本発明の部分的変更実施例に係る渦電流減速装置の側面断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る渦電流減速装置の正面断面図である。
【図7】同渦電流減速装置の側面断面図である。
【符号の説明】
2:冷却フイン 3:制動ドラム 4:磁極部材 4a:ボルト孔 4b:ボルト孔 5:巻枠 6:電磁コイル 7:鉄心 8:保護枠 9:磁石 12:スポーク 13:ボス部 14:出力回転軸 19:支持枠 21:電磁石 41:腕 42:制動円板 43:導風路 44:支持部材 45:円板 46:ボルト 51:外筒 52:内筒 53:鉄心 54:巻枠 55:電磁コイル 56:磁極部材 57:磁石 58:保護枠 59:ボルト 60:電磁石
Claims (2)
- 回転軸に結合した制動ドラムの内部に不動の支持枠を配設し、該支持枠に多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を支持し、各電磁石と各永久磁石との間に制動ドラムの内周面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されることを特徴とする渦電流減速装置。
- 回転軸に結合した制動円板の側方に、多数の電磁石と永久磁石とを交互にかつ周方向等間隔に並設してなる環状体を配置し、各電磁石と各永久磁石との間に制動円板の側面に対向する磁極部材を挟持し、制動時前記磁極部材にそれぞれ接する前記電磁石の磁極と前記永久磁石の磁極とが同極性となるように励磁され、非制動時消磁されることを特徴とする渦電流減速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145825A JP3963082B2 (ja) | 2001-05-16 | 2001-05-16 | 渦電流減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145825A JP3963082B2 (ja) | 2001-05-16 | 2001-05-16 | 渦電流減速装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002345233A JP2002345233A (ja) | 2002-11-29 |
JP3963082B2 true JP3963082B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=18991571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001145825A Expired - Fee Related JP3963082B2 (ja) | 2001-05-16 | 2001-05-16 | 渦電流減速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3963082B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016089228A1 (en) * | 2014-12-04 | 2016-06-09 | Eddy Current Limited Partnership | Eddy current brake configurations |
CN107947525B (zh) * | 2017-12-28 | 2024-03-05 | 福州大学 | 一种新型二级非接触式章动减速电机及其工作方法 |
-
2001
- 2001-05-16 JP JP2001145825A patent/JP3963082B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002345233A (ja) | 2002-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3963082B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3765291B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3760745B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3800310B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3671621B2 (ja) | 永久磁石式渦電流減速装置の着磁方法 | |
JP3690471B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2004173474A (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP4023099B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3804425B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3937743B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JPH0515141A (ja) | 永久磁石式渦電流減速装置 | |
JP4411912B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3882397B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP4400205B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3988318B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP3627432B2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JPH04289761A (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP2585789Y2 (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP3882395B2 (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2001327154A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2005143262A (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP2005020809A (ja) | 渦電流式減速装置 | |
JP2002142442A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JP2000350432A (ja) | 渦電流減速装置 | |
JPH05284723A (ja) | 渦電流式減速装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070501 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070514 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |