JP3963079B2 - ディスク種類判別装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスク種類判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディスク記録再生装置では、光ヘッドのトラッキング制御とフォーカス制御が行われ、記録時及び再生時にデータを正確に書き込み、また読み出すようにしている。かかる制御は所謂サーボ制御回路により光ヘッドを制御することにより行われている。光ヘッドのトラッキング制御に用いるトラッキングエラー信号を生成する方法としては、3ビーム法と位相差法(位相差検出法:DPD法)が一般に実用されている。これらの方法は例えばオーム社発行の「コンパクトディスク読本」pp134-138(昭和57年)や特開昭61−230637号公報などに示されている。ディスク状の光記録媒体としては種々のものが開発されているが、直径12cmのディスクとしては、所謂CD(コンパクトディスク)の他に、CD−ROM、ビデオCD、DVD(デジタルバーサタイルディスク)など複数種類が実用化されている。これらのディスクは記録されている情報のデータフォーマット、圧縮方式、データ記録密度などが様々であるが、いずれも直径が12cmであり、かつ光ヘッド(光ピックアップ)にてデータを読み出すことができることから、複数種類のディスクに兼用可能な再生装置が開発されている。また、かかる兼用再生装置用の光ヘッドとして、NAの異なる2つのレンズを切り換えて使用することができる2レンズ型光ピックアップが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
いま厚さが1.2mmのCDと厚さが0.6mmのDVDの兼用再生装置について検討すると、トラッキングエラー信号を生成する方法としては、CDには3ビーム法が最適であるが、この3ビーム法をDVDに適用すると、特に2層のDVDの場合、目的外の層の信号が漏れ込むので問題になる。また、3ビーム法では相変化媒体に高密度で記録するランドグルーブ記録などでは、隣接トラックからのクロストークが問題となる。また、位相差法はDVDには適しているが、CDに適用すると光スポットが小さいときトラッキングエラー信号の波形がサイン波とならず、トラッククロス時に問題を生じることがある。また、位相差法ではピットの深さによってトラッキングエラー信号の品質が変動することがある。また、2レンズ型光ピックアップ等の光学系を切換える構成の装置を使用する場合、フォーカスサーボ制御をオンとして、ディスクから信号を読み出さないと、ディスクの種別を判別することができず、再生開始までに相当の時間を要していた。
【0004】
したがって、本発明はCDとDVDの兼用再生装置に適するように、3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段で生成されたCDのトラッキングエラー信号と位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段で生成されたDVDのトラッキングエラー信号とを適宜切り換えて選択することを可能とし、このトラッキングエラー信号の切換えのためにディスクの種類を自動的に判別することができれば、この切換えを自動化することができる。また、1つの対物レンズからなる光ヘッドまたはその光学系をフォーカス方向に移動させるフォーカスサーチ手段による移動中に得られる和信号を用いてディスクの種類を判別することができれば、ディスクの種類判別を迅速に行うことのでき、再生開始までの時間を短縮することが可能であるディスク種類判別装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、本発明は下記の構成を有するディスク種類判別装置を提供する。
(1) 第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第1の焦点と第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第2の焦点とを有し、ディスク状の光記録媒体にレーザビームを照射して、その反射光を検出する複数の光センサ部分とを有し、1つの対物レンズからなる光ヘッドと、
第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段または前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段のいずれかを選択する選択手段と、
前記光ヘッドまたはその光学系をフォーカス方向に移動させるフォーカスサーチ手段と、
前記フォーカスサーチ手段による移動中に前記第1の焦点と前記第2の焦点位置に関連して、得られる第1と第2の検出信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記第1の検出信号と前記第2の検出信号とを用いて前記ディスク状の光記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記ディスク状の光記録媒体が第1の厚さのディスク状の光記録媒体のときには前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択し、前記第2の厚さのディスクのときには前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択するよう前記選択手段を制御する制御手段とを有するディスク種類判別装置。
(2)
第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第1の焦点と第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第2の焦点とを有し、ディスク状の光記録媒体にレーザビームを照射して、その反射光を検出する複数の光センサ部分とを有し、1つの対物レンズからなる光ヘッドと、
第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段または前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択する選択手段と、
前記光ヘッドまたはその光学系をフォーカス方向に移動させるフォーカスサーチ手段と、
前記フォーカスサーチ手段による移動中に得られる和信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記和信号を用いて前記ディスク状の光記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記ディスク状の光記録媒体が第1の厚さのディスクのときには前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択し、前記第2の厚さのディスクのときには前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択するよう前記選択手段を制御する制御手段とを有するディスク種類判別装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図2は本発明に係る光ディスク再生装置の1例を示すブロック図である。この光ディスク再生装置は再生専用型のCDとDVDから情報を再生するものであり、DVDとしては再生専用の2層型のもの、ライトワンス型のもの、記録再生型のものが含まれる。図1は図2中の光ピックアップ(PU)とその出力信号に応答する演算装置(図2のプリアンプの一部)を示す回路図である。図3乃至図5は図2中のシステムコントローラに用いられているマイクロコンピュータ(マイコン)の動作の中で、ディスクの種類や動作モードなどに応じて2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順を示す3つのフローチャートである。なお、トラッキングエラー信号の生成については図1の回路に代えて後述する図15の回路を用いることもできる。
【0013】
図2において、ディスク1がスピンドル(SP)モータ3によりCLV(線速度一定)で回転されるようモータドライバ/トラッキング・フォーカス制御回路(図2中にモータドライバと記す)4により制御が行われる。光ピックアップ(光ヘッド)2によりディスク1より読み出された信号はプリアンプ5に供給され、その出力信号はデジタルサーボ制御回路6に与えられる。システムコントローラ7はプリアンプ5及びデジタルサーボ制御回路6と信号の授受を行い、光ディスク再生装置全体を制御する。デジタルサーボ制御回路(DSV)6の出力信号はモータドライバ/トラッキング・フォーカス制御回路4に供給され、スピンドルモータ3の回転制御と光ピックアップのトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御を行う。なお、DSV6はサーボ制御回路の他に可変速コントローラ/メモリコントローラ/EFM復調回路/エラー訂正回路などを含み、図示省略のメモリを利用して、再生信号を送出する機能をも有する。光ピックアップ2は図示省略のトラバースモータにてディスク1の半径方向に移動可能であり、また図示省略のフォーカスサーボ制御機構により対物レンズがフォーカス方向、すなわち光路に沿った方向に移動可能である。
【0014】
光ピックアップ2はまた、レーザビームをディスク1に照射するレーザダイオードを有し、その反射光に基づいてディスク1に記録された光学的情報を再生した信号を出力したり、図1に示すように非点収差法によるフォーカスエラー信号FE検出用であり、かつ位相差法によるトラッキングエラー信号検出用でもある信号A〜Dと3ビーム法の2種類のトラッキングエラー信号検出用信号E、Fを出力する。これらの信号はプリアンプ5に供給されて必要な演算が行われる。
【0015】
図1は4分割光センサ部分A、B、C、Dと3ビーム法に用いる光センサ部分E、Fとを有する光ピックアップ1を模式的に示し、かつそれらの光センサ部分からの出力信号に応答する演算装置を示している。なお、符号A〜Fはこれらの光センサ部分とその出力信号の双方を示している。加算器10は対角線上にある光センサ部分A、Cの出力信号を互に加算して出力し、加算器12は他の対角線上にある光センサ部分B、Dの出力信号を互に加算して出力するものである。加算器14、22は共に加算器10、12の出力信号同士を加算するものであり、減算器16、20は共に加算器10の出力信号から加算器12の出力信号を減算するものである。また、減算器18は光センサ部分Eの出力信号から光センサ部分Fの出力信号を減算するものである。加算器14の出力信号は遅延回路24を介して乗算器(×)26の一方の入力端子に与えられ、減算器16の出力信号はそのまま乗算器26の他方の入力端子に与えられる。乗算器26の出力信号はLPF28を介してスイッチ30の一方の入力端子(1側)に与えられ、減算器18の出力信号はスイッチ30の他方の入力端子(0側)に与えられる。スイッチ30の出力端子からは選択されたトラッキングエラー信号TEが出力される。
【0016】
スイッチ30に与えられる制御信号CONTはスイッチ30を制御して、その2つの入力信号の一方を選択するもので、後述するようにシステムコントローラ7のマイコンで生成される。なお、必要に応じてスイッチ30を手動で制御することもできる。減算器20の出力信号はフォーカスエラー信号FEとして用いられるべく、周知のフォーカスサーボ制御系に与えられる。加算器22の出力信号は4分割光センサ部分の和信号(サムオール(SA)信号)として出力される。この和信号SAはディスクの記録情報を読み出すための主信号であるとともに、後述のディスク種類判別のための測定対象信号となる。また、フォーカスエラー信号FEは周知のフォーカスサーボ制御に用いられる。なお、遅延回路24の遅延時間はDVDの再生周波数における周期の1/4に相当する時間に設定される。
【0017】
システムコントローラ7内のマイコンは、ディスク1の種類に応じて制御信号CONTを次のように生成する。検出すべきディスクの種類と、対応するトラッキングエラー信号の生成法の関係としては次の表に示す2つの場合の1つとすることができる。
【0018】
【0019】
図3は図2中のシステムコントローラ7に用いられているマイクロコンピュータ(マイコン)の動作の中で、ディスク種類の判別と、その結果により2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは上記表1中の記録密度の低いCDと記録密度の高いディスクとで、3ビーム法と位相差法を使い分けるための処理を示している。図3において、再生装置の電源が投入されたり、ディスクが交換されたり、複数層型ディスクで他の層のデータ再生が求められたときにこのフローがスタートするものとし、まずマイコンに接続されている図示省略のメモリやバッファの所定内容をクリアするなどのイニシャライズをステップS1で行い、次いでステップS2で必要なデータを読み込む。
【0020】
次に、ステップS3がNOであれば、ステップS5で位相差法のトラッキングエラー信号を選択すべく、スイッチ30を1側に接続してLPF28の出力信号を出力する。
【0021】
図4はマイコンの動作の中で、再生装置の動作モードの判別と、その結果により2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順を示すフローチャートである。ステップS1までは図3と同じであるが、図4のステップS2では図2には示されていないユーザからの指示を受けるための操作部に入力された動作モードを読み込む。次にステップS7で再生モードか否かを判断し、YESであれば、ステップS5で位相差法を選択し、続くステップS8で再生処理を行う。
【0022】
一方、ステップS7でNOのときは、ステップS9でサーチモードか否かを判断し、YESであればステップS4で3ビーム法を選択して、ステップS10でサーチ処理を行う。なお、ここでいう”サーチ”とは、前述のフォーカスサーチのことではなく、ユーザが読み出したいデータあるいはプログラムをディスクから探すべく、光ピックアップをディスクの半径方向に移動せしめる動作を含む一連の周知の動作を指すものとする。次にステップS11でサーチが終了したか否かを判断し、終了していないときはステップS10へ戻り、終了したときはステップS5へ行く。
【0023】
図5はマイコンの動作の中で、再生装置の再生モードにおいて光ピックアップの光スポットがトラックの中心に位置しているか否かの判別と、その結果により2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順を示すフローチャートである。ステップS1までは図3と同じであるが、図5のステップS2では図2には示されていない検出器からの光スポットがトラックの中心に位置しているか否かを示す信号を読み込む。次にステップS12でオントラック(光スポットがトラックの中心に位置していること)か否かを判断し、YESであれば、ステップS5で位相差法を選択し、続くステップS8で再生処理を行う。
【0024】
一方、ステップS12でNOのときは、ステップS4で3ビーム法を選択して、ステップS13でオントラック処理(光スポットをトラックの中心に位置せしめる制御)を行う。次にステップS14でオントラック処理が終了したか否かを判断し、終了していないときはステップS13へ戻り、終了したときはステップS5へ行く。
【0025】
次に、光ピックアップ2として2焦点型のもの、すなわち特開平7−65407号公報や、特開平7−98431号公報に示されるような、対物レンズに収束点を2つ設けて厚みの異なるディスクに対応可能としたものを用いて、ディスクの種類を判別する手法について説明する。光ピックアップ2はNA=0.45とNA=0.6のスポットにて、2種類のディスク、すなわち板厚t1=1.2mmのCDとt2=0.6mmのDVDから情報を読み出すものとする。2焦点間の距離は0.3mmとする。ディスク表面と信号面とで同時に結像すると、ディスク表面の影響として低周波での変調やオフセットの影響を受けるので、2焦点間の間隔はディスクの厚みと同様に設定することはできない。
【0026】
図6は、かかる2焦点型光ピックアップでのディスク1へのレーザビームの集光状態を示す図である。1-a はt1=1.2mmのディスク、1-b はt1=0.6mmのディスク、1-c は1層目までの厚みが0.6mmの2層型ディスク(層間距離t3=40μm)への集光状態を示し、先行上側のビームが1.2mm用で、後行下側のビームが0.6mm用である。図6中、α、β、γ、δは光ピックアップ2の対物レンズがフォーカス方向に移動した各々の状態を示している。図7は図6に対応して光ピックアップ2にてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示している。すなわち図7の縦軸は電圧であり、横軸が時間であり、pはピークを示している。2焦点型光ピックアップはホログラムレンズにて構成されるため、特開平7−98431号公報のように2焦点の2つのスポット以外にも信号が検出されるが、ここでは2焦点検出信号以外の信号は省略している。
【0027】
図7の 2-a 〜 2-d は図6の 1-a のディスクに、2-e 〜 2-h は図6の 1-bのディスクに、2-i 〜 2-l は図6の 1-c のディスクにそれぞれ対応している。また、図1の和信号SAが図7の 2-a, 2-e, 2-i であり、フォーカスエラー信号FEが図7の 2-b, 2-f, 2-j であり、さらに和信号SAを点線で示すスレショルドと比較した結果得られた信号が図7の 2-c, 2-g, 2-k であり、さらにフォーカスエラー信号FEを点線で示すスレショルドと比較した結果得られた信号が図7の 2-d, 2-h, 2-l である。
【0028】
フォーカスサーチは光ピックアップ2のフォーカスコイルに印加する電圧を増加あるいは減少させることにより、光ピックアップ2の光学系の一部である対物レンズを光路に沿って移動せしめることにより行われる。図7の波形 2-a において、図中左側のピークが図6の 1-a のディスクのαの状態にて得られ、右側のピークが同じくβの状態にて得られる。このように、図7におけるピークは図6のα、βに対応し、また波形 2-i 〜 2-l における4つのピークは図6の 1-cのディスクのα、β、γ、δに対応している。 図8は2層ディスクにおけるフォーカスサーチを示す波形図である。 3-a はフォーカスコイルに印加する電圧であり、3-B 〜 3e は図7の例えば 2-i 〜 2-l に相当する波形である。
【0029】
図9は上記図6及び図7に示すフォーカスサーチによりディスクの種類を判断し、さらにその判断結果を用いて図1のスイッチ30を制御して3ビーム法と位相差法のトラッキングエラー信号の一方を選択するためのマイコンの動作手順を示すフローチャートである。ステップS1までは図3と同様で、ステップS15でフォーカスサーチを開始し、ピーク電圧V1、V2、V3をそれぞれ格納するレジスタの内容を0にし、タイマをスタートさせる。次いでステップS16で和信号SAの電圧をA/D変換して得られるデジタル値を順次読み取り、所定のA/D変換レジスタに順次格納し、前回値との比較を順次行う。ステップS17ではステップS16の順次の比較の結果、ピーク値が検出されたか否かを判断する。YESであればステップS18でピーク値をV1レジスタに格納し、NOであればステップS16に戻る。
【0030】
ステップS17の終了後は、ステップS19でA/D変換レジスタをリセットし、上記ステップS16、S17と同様のステップS20、S21を実行し、ステップS22で次のピーク値をV2レジスタに格納し、A/D変換レジスタをステップS23でリセットする。次のステップS24でタイマによる計測時間が設定値を超えた(オーバーフロー)か否かを判断し、超えていればステップS28へ、超えていなければステップS25へ行く。ステップS25、S26はそれぞれ上記ステップS16、17と同様の内容であり、ステップS27でピーク値をV3レジスタに格納する。ステップS28ではこれまでに得られた各ピーク値V1、V2、V3を用いて比較演算を行う。
【0031】
次のステップS29ではV1が所定値Q1より小さいか、あるいはV2が所定値Q2より小さいかを判断し、YESであればステップS34の異常処理ルーチへ移行する。これらの所定値Q1、Q2は通常のディスクでのフォーカスサーチにて得られるピーク値より十分小さい値である。ステップS29でNOであれば、ステップS30でV1/V2>Q3か否かを判断する(Q3は1.2mmの厚さのディスクで通常得られるV1とV2の比の例えば70%程度の値の所定値:この値は再生装置の設計により変動し、光量差の関係からV1とV2の比が逆となることもあり、他の同様な比較ステップにも言える)。ステップS30でYESなら、現在のディスクは1.2mmの厚さのものと判断し、ステップS31で所定のフォーカスサーボ制御をオンとし、次のステップS4で3ビーム法によるトラッキングエラー信号を選択する。一方、ステップS30でNOなら、ステップS32でV2/V1>Q4か否かを判断する(Q4は0.6mmの厚さのディスクで通常得られるV2とV1の比の例えば70%程度の値の所定値)。
【0032】
ステップS32でYESなら、現在のディスクは0.6mmの厚さのものと判断し、ステップS33で所定のフォーカスサーボ制御をオンとし、次のステップS5で位相差法によるトラッキングエラー信号を選択する。一方、ステップS32でNOなら、ステップS36でV3>V1(V3が測定される場合)であり、かつV3>V2であるか否かを判断する。ステップS36でYESならステップS37で図8の 3-C に示す波形のピーク中心点Cでフォーカスサーボ制御をオンとし、ステップS5へ行き位相差法を選択する。ステップS4、S5の後はステップS6で再生処理を実行する。図示しないがステップS31、33のフォーカスサーボ制御をオンとする動作も、1回のフォーカスサーチ中にディスクの種類を検出することができるので、フォーカスサーチ中に例えば、波形 2-e でのピーク電圧V2の検出直後にフォーカスサーボ制御をオンとすることができ、逆方向のフォーカスサーチにてもフォーカスサーボ制御をオンとすることができる。
【0033】
図9のフローチャートではピーク値V4は用いていないが、これはV3の検出と、そのV1、V2との比較により2層ディスクであると判断されれば、V4を検出する前のV3の時点でサーボ制御をオンとすることにより、サーチ時間を短縮することができるからである。なお、図9のフローチャートには特に示していないが、判別されたディスクの種類に応じて、光ヘッドのレーザパワー、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する回路のゲイン、オフセット、バランスなどのパラメータや、後述する図18のイコライザの特性を適宜切り換え、設定する。なお、ここでは和信号SAの振幅を測定したが、フォーカスエラー信号FEである信号 2-b, 2-f, 2-j のSカーブの電圧値(片側又は両側の対称の電圧値)を測定しても同様である。
【0034】
図10はフォーカスサーチによるディスク種類の判断が上記図9の例とは異なる他の手法を用いた場合の図9と同様な3ビーム法と位相差法のトラッキングエラー信号の一方を選択するためのマイコンの動作手順を示すフローチャートである。図10の例では図9のピーク電圧V1、V2、V3の代りにピークに相当する部分の時間幅を計測し、それらの比較によってディスクの種類を判断している。ステップS1までは図3と同様で、ステップS15Aでフォーカスサーチを開始し、各ピークの時間幅T1、T2、T3をそれぞれ格納するレジスタの内容を0にし、タイマをスタートさせる。次いでステップS16で和信号SAの電圧をA/D変換して得られるデジタル値を順次読み取り、所定のA/D変換レジスタに順次格納し、前回値との比較を順次行う。ステップS17ではステップS16の順次の比較の結果、ピーク値が検出されたか否かを判断する。YESであればステップS18Aで時間幅をT1レジスタに格納し、NOであればステップS16に戻る。
【0035】
ステップS17の終了後は、ステップS19でA/D変換レジスタをリセットし、上記ステップS16、S17と同様のステップS20、S21を実行し、ステップS22Aで次の時間幅をT2レジスタに格納し、A/D変換レジスタをステップS23でリセットする。次のステップS24でタイマによる計測時間が設定値を超えた(オーバーフロー)か否かを判断し、超えていればステップS28Aへ、超えていなければステップS25へ行く。ステップS25、S26はそれぞれ上記ステップS16、17と同様の内容であり、ステップS27Aで時間幅をT3レジスタに格納する。ステップS28Aではこれまでに得られた各時間幅T1、T2、T3を用いて比較演算を行う。
【0036】
次のステップS29AではT1が所定値Q1より小さいか、あるいはT2が所定値Q2より小さいかを判断し、YESであればステップS34の異常処理ルーチへ移行する。これらの所定値Q1、Q2は通常のディスクでのフォーカスサーチにて得られる時間幅より十分小さい値である。ステップS29AでNOであれば、ステップS30AでT1/T2>Q3か否かを判断する(Q3は1.2mmの厚さのディスクで通常得られるT1とT2の比の例えば70%程度の値の所定値)。ステップS30AでYESなら、現在のディスクは1.2mmの厚さのものと判断し、ステップS31で所定のフォーカスサーボ制御をオンとし、次のステップS4で3ビーム法によるトラッキングエラー信号を選択する。一方、ステップS30AでNOなら、ステップS32AでT2/T1>Q4か否かを判断する(Q4は0.6mmの厚さのディスクで通常得られるT2とT1の比の例えば70%程度の値の所定値)。
【0037】
ステップS32AでYESなら、現在のディスクは0.6mmの厚さのものと判断し、ステップS33で所定のフォーカスサーボ制御をオンとし、次のステップS5で位相差法によるトラッキングエラー信号を選択する。一方、ステップS32でNOなら、ステップS36AでT3>T1(T3が測定されている場合)であり、かつT3>T2(図7のようにV3が測定される場合)であるか否かを判断する。ステップS36AでYESならステップS37で図8の 3-C に示す波形のピーク中心点Cでフォーカスサーボ制御をオンとし、ステップS5へ行き位相差法を選択する。ステップS4、S5のあとはステップS6で再生処理を実行する。
【0038】
図10のフローチャートでは時間幅T4は用いていないが、これはT3の検出と、そのT1、T2との比較により2層ディスクであると判断されれば、T4を検出する前のT3の時点でサーボ制御をオンとすることにより、サーチ時間を短縮することができるからである。なお、図10のフローチャートには特に示していないが、先の例同様、判別されたディスクの種類に応じて、光ヘッドのレーザパワー、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する回路のゲイン、オフセット、バランスなどのパラメータや、後述する図18のイコライザの特性を適宜切り換え、設定する。なお、ここでは和信号SAを整形した信号 2-c,2-g, 2-k の時間幅を測定したが、フォーカスエラー信号FEである信号 2-b, 2-f, 2-j を整形した信号 2-d, 2-h, 2-l の全時間幅T1、T2、T3又は3値信号の最小値の区間、中値の区間、最大値の区間の合計時間を測定しても同様である。
【0039】
次にDVDとCDを単一の光ピックアップで再生可能なように2種類のレンズをアクチュエータで切り換えて使用する2レンズ型光ピックアップ(光ヘッド)を用いた例について説明する。かかる光ピックアップとしては、例えば三菱電気(株)のツインレンズ光ピックアップ(1995年7月11〜14日インターナショナルオプトエレクトロニクスショー’95<幕張メッセ国際展示場>で展示)がある。この光ピックアップはDVD用とCD用の2つの対物レンズを有していて、これらのレンズは回転可能なレンズホルダに取り付けられ、レンズホルダが電磁型アクチュエータにより支軸を中心に回動することにより、所望のレンズを光路に配置することができるものである。
【0040】
図11はこの2レンズ型光ピックアップを図2の光ピックアップ2として用いた場合の各ディスクへの光ビームの集光状態を示す図である。4-a はt1=1.2mmのディスク、4-b はt1=0.6mmのディスク、4-c は1層目までの厚みが0.6mmの2層型ディスク(層間距離t3=40μm)への集光状態を示し、角度の狭いビームが1.2mm用で、角度の広いビームが0.6mm用である。図12〜図14は2レンズ型光ピックアップ2にてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示している。すなわち図12〜図14の縦軸は電圧であり、横軸が時間であり、pはピークを示している。
【0041】
2レンズ型光ピックアップでは、ディスクの厚さに応じたレンズが選択されていないと球面収差のために1点に集光できず、ディスクの記録信号を読み出すことができない。図11で信号再生ができるのは縦横の参照符号で 4-aα, 4-bβ,4-cγ, 4-cδ のみである。これ以外の場合は信号読み出しはできないものの、ある程度の反射光が戻ってくる。図15は2レンズ型光ピックアップを用いた場合に図1に代えて使用する演算回路(図2のプリアンプの一部)を示すブロック図である。なお、トラッキングエラー信号の生成については、図1の回路を用いることもできる。
【0042】
図15の回路は特開昭57−74837号公報の第4図に示されているものを利用したものであり、図中図1と同参照符号のものは同一のものを示している。図1と異なる点について説明すると、加算器14の出力信号に応答する立下がりパルス発生回路32と立上がりパルス発生回路34の出力信号によりそれぞれ制御されるゲート回路36、40が減算器16の出力信号をゲートして、それぞれホールド回路38、42に与えられている。ホールド回路38、42の出力信号はそれぞれ減算器44の+と−入力端子に与えられ、減算器44の出力信号はスイッチ30の1側端子に与えられている。また、加算器14の出力信号はLPF28とイコライザ(EQ)46をそれぞれ介してそれぞれ和信号(SA)、EFM信号又はEFMプラス信号として出力される。
【0043】
したがって、マイコンからの制御信号CONTによりスイッチ30の0側が選択されたときは、図1同様3ビーム法のトラッキングエラー信号が出力され、1側が選択されたときは、前述の特開昭57−74837号公報の第4図に示されているものと同様のトラッキングエラー信号が選択される。このトラッキングエラー信号は和信号(加算器14の出力信号)の両エッジ(立下がりパルス発生回路32と立上がりパルス発生回路34の出力信号)で差信号(減算器16の出力信号)をサンプリングすることにより、差信号の時々刻々のピークツーピーク値にビームスポットのトラックからのずれの方向に応じた符号を付けた値を求めることに相当する(同公報の第5図参照)。
【0044】
図12において、 5ーa はフォーカスコイル印加電圧であり、 5-b は和信号SA、 5-c はフォーカスエラー信号、 5-d は和信号SAをスレショルドと比較して得られた信号、 5-e はイコライザ46の特性をフラットにした場合のEFM信号、 5-f はフォーカスエラー信号 5-d を所定スレショルドと比較して得られた信号、 5-g はEFM信号を比較器50で基準値Refと比較して得られる信号、 5ーh は図16のHFDET(D−FF56の出力信号)である。図13、図14もほぼ図12と同様である。なお、図13、図14の信号 6-i, 7-i については後述する。
【0045】
図16は図15の回路の出力信号中、和信号SAとEFM信号を用いて高周波成分HFを検出する回路の1例を示すブロック図である。EFM信号は比較器50に与えられ、基準信号Refと比較される。和信号SAはD−FF(フリップフロップ)52のD入力に与えられ、そのQ出力は次段のD−FF54のD入力に与えられ、そのQ出力はさらに次段のD−FF56のD入力に与えられ、そのQ出力は検出信号HFDETとして出力される。比較器50の出力信号は各D−FF52〜56のクロックとして与えられる。Resetは各D−FF52〜56のリセット信号である。
【0046】
図16の回路中の比較器50の出力信号、すなわちEFM信号の比較後の信号は図12〜図14の 5-g, 6-g, 7-g として示されている。D−FF52〜56は和信号SAを波形整形して作られた信号 5-d, 6-d, 7-d がH(ハイレベル)のときのみ、比較器50の出力信号のパルスをカウントし、この例では3カウントするとD−FF56の出力信号HFDET 5ーh、 6ーh、 7ーh がHになる。この区間内に3カウントできない場合は、D−FF52〜56からなるカウンタは和信号SAなどによってリセットされる。なお、この例では3カウントとしているが、このカウント数は適宜所定の回数にすることができる。
【0047】
図17は図15の回路の出力信号中、EFM信号を用いて高周波成分HFを検出する回路の他の例を示すブロック図である。EFM信号はHPF58を介して比較器60に与えられ、基準信号Refと比較される。比較器60の出力はD−FF62のクロックとして与えられ、そのQ出力は検出信号HFDETとして出力される。D−FF62ののD入力には所定値が常時与えられている。ResetはD−FF62のリセット信号である。図17の回路はEFM信号の高周波成分HFを抽出し、これを基準値Refと比較して得られた信号をラッチするものであり、図12〜図14の 5-g, 6-g, 7-g の波形にはならないが、同様な波形5-h, 6-h, 7-h が得られる。なお、図16、図17の回路以外にも高周波成分を検出するものであれば、他の構成を用いることが可能で、例えば、図16のカウンタ部分の入力部にHPFを設けるようにすることもできる。
【0048】
図18は図15のイコライザ46の回路例としてのトランスバーサルフィルタの構成を示すブロック図である。このフィルタを構成する単位遅延素子の遅延時間T及びタップゲインG0〜G4はディスクの種類に応じて図示省略のコントローラのプログラムROMに予め記憶しておいたデータを用いて制御可能である。Tの例としては、1.2mmのCDの場合T=440ns、0.6mmのDVDの場合T=80nsの2つを切り換えることができる。G0〜G4の例としては、1.2mmのCDの場合G2=1、G1=G3=0.12、G0=G4=0とし、0.6mmのDVDの場合G0=0.02、G1=0.2、G2=1、G3=0.2、G4=0.02とし、さらにフォーカスサーチ時は周波数特性を除去するためにG2=1とし、他を0としておく。
【0049】
図15と図16を組み合わせた構成の動作について説明する。いま、1つの例としてCDが装填されていて、かつCD用レンズが選択されているか、あるいはDVDが装填されていて、DVD用のレンズが選択されているものとする。再生装置の電源投入などの後、スピンドル(SP)モータ3を起動し、フォーカスサーチを開始する。すなわち、フォーカスコイルへの印加電圧を図12の 5-a に示すように少しずつ増加させ、和信号SAをA/D変換してマイコンに取り込み、和信号SA(図12の 5-b )を読み込み、同時に図16の出力信号HFDET(図12の 5-h )を監視する。
【0050】
和信号SAが所定値を超え、かつ信号HFDETがHになり、フォーカスエラー信号(図12の 5-c )と所定値との比較で得られた信号 5-f を監視し、これがHからL(ローレベル)になった時点t(フォーカスサーチにおける所謂Sカーブのほぼゼロクロス点に相当)でフォーカスサーボ制御をオンとする。また、各ディスクの反射率の違いによる再生装置の諸パラメータ、例えば光ヘッドのレーザパワー、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する回路のゲイン、オフセット、バランス、単位遅延素子の遅延時間、タップゲインなどを設定し、再生処理を実行する。
【0051】
上記構成で、和信号SAを2値化する比較器のスレショルドを複数用意しておくことにより、反射率の差異により和信号SAのレベルの異なるライトワンス型や、記録・再生型のディスクの検出も可能となる。上記動作説明は、再生専用のCDと1層型のDVDに適用した場合のものである。
【0052】
次に、上記例とは逆の場合、すなわちCDが装填されていて、かつDVD用レンズが選択されているか、あるいはDVDが装填されていて、CD用のレンズが選択されている場合について説明する。再生装置の電源投入などの後、スピンドル(SP)モータ3を起動し、フォーカスサーチを開始する。すなわち、フォーカスコイルへの印加電圧を図13の 6-a に示すように少しずつ増加させ、和信号SAをA/D変換してマイコンに取り込み、和信号SA(図13の 6-b )を読み込み、同時に図16の出力信号HFDET(図13の 6-h )を監視する。しかし、現在選択されているレンズがディスクの種類に適合しないため、和信号SAが所定値を超えてもEFM信号に高い周波数成分が含まれていないので、信号HFDETがHにならない。和信号SA( 6-b )の整形信号 6-d がHの区間中に信号HFDETがHにならないときは、レンズの選択が誤りであると判断し、レンズを他方に切り換えるべくアクチュエータを制御する。信号 6-i はこの制御を行うためのものである。なお、アクチュエータの制御はトラッキングコイルに通電する電流により行われ、大きな電流が流れるとレンズ切換えが行われる。
【0053】
レンズの切換えが終了すると、 6-a に示すようにフォーカスコイルへの印加電圧を減少せしめ、先程とは逆方向への対物レンズの移動を行う。なお、信号 6-i がHの区間では、レンズの切換えにともない、フォーカス方向への不要な動きに起因して正確な測定が困難なこともあるので、信号HFDETなどの監視は行わない。レンズが切り換わってディスクに適合するものとなると、前述の例と同様に和信号SAが所定値を超え、かつ信号HFDETがHになり、フォーカスエラー信号(図13の 6-c )を波形整形して得られた3値信号 7-f を監視し、これが最小値から中間値になった時点t(フォーカスサーチにおける所謂Sカーブのほぼゼロクロス点に相当)でフォーカスサーボ制御をオンとする。また、各ディスクの反射率の違いによる再生装置の諸パラメータ、例えば光ヘッドのレーザパワー、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する回路のゲイン、オフセット、バランス、単位遅延素子の遅延時間、タップゲインなどを設定し、再生処理を実行する。
【0054】
図12に沿って説明した先の例、すなわちディスクの種類に適合した対物レンズが最初から選定されているときの動作例の変形例を図14に従って説明する。再生装置の電源投入などの後、和信号SAをA/D変換してマイコンに取り込み、スピンドル(SP)モータ3を起動し、フォーカスサーチを開始する。すなわち、フォーカスコイルの印加電圧を図14の 7-a に示すように少しずつ増加させ、和信号SA(図14の 7-b )を読み込み、同時に図16の出力信号HFDET(図14の 7-h )を監視する。和信号SAが所定値を超え、かつ信号HFDETがHになっても、ここではフォーカスサーボをオンとせず、フォーカスコイルの印加電圧を図14の 7-a に示すように少しずつ減少させ、和信号SAを読み込む。
【0055】
和信号SAが所定値を超え、かつ信号HFDETがHになり、フォーカスエラー信号(図14の 7-c )を波形整形して得られた3値信号 7-f を監視し、これが最小値から中間値になった時点t(フォーカスサーチにおける所謂Sカーブのほぼゼロクロス点に相当)でフォーカスサーボ制御をオンとする。また、各ディスクの反射率の違いによる再生装置の諸パラメータ、例えば光ヘッドのレーザパワー、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する回路のゲイン、オフセット、バランス、単位遅延素子の遅延時間、タップゲインなどを設定し、再生処理を実行する。なお、信号 7-i は図13の信号 6-i に対応する、レンズ切換えのための信号であるが、この例ではフォーカスサーチ中のレンズ切換えは不要なので常時Lとなっている。
【0056】
図14の動作例は図12の動作例と比較して、信号HFDETの検出精度が高く、さらにメカ的動作の安定を図ることができ、制御系の回路構成やソフトウェアの簡略化に有利である。上記図13及び図14に沿って説明した動作においても、前述のように和信号SAを2値化する比較器のスレショルドを複数用意しておくことにより、反射率の差異により和信号SAのレベルの異なるライトワンス型や、記録・再生型のディスクの検出も可能となる。ここで、図12〜図14では和信号SAの振幅を測定している様子が示されているが、フォーカスエラー信号FEの片側又は両側の振幅を測定しても同様である。
【0057】
上記2レンズ型光ピックアップを用いた例では、従来2つのレンズのうちディスクに適合しないレンズが選択されているときは、一旦フォーカスサーボをオンとして、信号を読み出そうとしても読み出せないことが分かってから、レンズを切り換え、再度フォーカスサーチからやり直す方法に較べて、フォーカスサーチ中に高い周波数成分の検出でディスクの種類の判別が可能であり、レンズが適合しないことが分かればフォーカスサーチ中にレンズを切り換えて、逆方向のサーチによりフォーカスサーボをオンとすることができるので、大幅に再生開始までに要する時間を短縮することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CDとDVDとの兼用再生装置に適するように、CDに対応するトラッキングエラー信号とDVDに対応するトラッキングエラー信号とを適宜切り換えて選択することができ、また、このトラッキングエラー信号の切換えのためにディスクの種類を自動的に判別することができ、かかる判別結果によってトラッキングエラー信号の選択をすることができ、さらに、ディスクの種類判別に応じて光ヘッドの後段に接続される回路の特性を切り換えることが出来る利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク再生装置の1例中の光ピックアップとその出力信号に応答する演算装置(図2のプリアンプの一部)を示す回路図である。
【図2】本発明に係る光ディスク再生装置の1例を示すブロック図である。
【図3】図2中のシステムコントローラに用いられているマイクロコンピュータ(マイコン)の動作の中で、ディスク種類の判別と、その結果により2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図2中のシステムコントローラに用いられているマイクロコンピュータ(マイコン)の動作の中で、動作モードに応じて2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順の1例を示すフローチャートである。
【図5】図2中のシステムコントローラに用いられているマイクロコンピュータ(マイコン)の動作の中で、オントラックか否かに応じて2種類のトラッキングエラー信号を切り換えるための処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【図6】2焦点型光ピックアップでのディスクへのレーザビームの集光状態を示す図である。
【図7】図6に対応して光ピックアップ2にてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示す波形図である。
【図8】2層ディスクにおけるフォーカスサーチを示す波形図である。
【図9】フォーカスサーチによりディスクの種類を判断し、さらにその判断結果を用いて図1のスイッチ30を制御して3ビーム法と位相差法のトラッキングエラー信号の一方を選択するためのマイコンの動作手順の1例を示すフローチャートである。
【図10】フォーカスサーチによりディスクの種類を判断し、さらにその判断結果を用いて図1のスイッチ30を制御して3ビーム法と位相差法のトラッキングエラー信号の一方を選択するためのマイコンの動作手順の他の例を示すフローチャートである。
【図11】2レンズ型光ピックアップを用いた場合の各ディスクへの光ビームの集光状態を示す図である。
【図12】2レンズ型光ピックアップにてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示す波形図である。
【図13】2レンズ型光ピックアップにてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示す波形図である。
【図14】2レンズ型光ピックアップにてフォーカスサーチを行ったときの出力信号から得られる様々な信号波形を示す波形図である。
【図15】2レンズ型光ピックアップを用いた場合に図1に代えて使用する演算回路(図2のプリアンプの一部)を示すブロック図である。
【図16】図15の回路の出力信号中、和信号SAとEFM信号を用いて高周波成分HFを検出する回路の1例を示すブロック図である。
【図17】図15の回路の出力信号中、EFM信号を用いて高周波成分HFを検出する回路の他の例を示すブロック図である。
【図18】図15のイコライザの回路例としてのトランスバーサルフィルタの構成を示すブロック図である。
Claims (2)
- 第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第1の焦点と第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第2の焦点とを有し、ディスク状の光記録媒体にレーザビームを照射して、その反射光を検出する複数の光センサ部分とを有し、1つの対物レンズからなる光ヘッドと、
第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段または前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段のいずれかを選択する選択手段と、
前記光ヘッドまたはその光学系をフォーカス方向に移動させるフォーカスサーチ手段と、
前記フォーカスサーチ手段による移動中に前記第1の焦点と前記第2の焦点位置に関連して、得られる第1と第2の検出信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記第1の検出信号と前記第2の検出信号とを用いて前記ディスク状の光記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記ディスク状の光記録媒体が第1の厚さのディスク状の光記録媒体のときには前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択し、前記第2の厚さのディスクのときには前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択するよう前記選択手段を制御する制御手段とを有するディスク種類判別装置。 - 第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第1の焦点と第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する第2の焦点とを有し、ディスク状の光記録媒体にレーザビームを照射して、その反射光を検出する複数の光センサ部分とを有し、1つの対物レンズからなる光ヘッドと、
第1の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
第2の厚さのディスク状の光記録媒体に対応する位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段と、
前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段または前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択する選択手段と、
前記光ヘッドまたはその光学系をフォーカス方向に移動させるフォーカスサーチ手段と、
前記フォーカスサーチ手段による移動中に得られる和信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記和信号を用いて前記ディスク状の光記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記ディスク状の光記録媒体が第1の厚さのディスクのときには前記3ビーム法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択し、前記第2の厚さのディスクのときには前記位相差法に対応するトラッキングエラー生成手段を選択するよう前記選択手段を制御する制御手段とを有するディスク種類判別装置。
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