JP3961272B2 - ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 - Google Patents
ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3961272B2 JP3961272B2 JP2001369468A JP2001369468A JP3961272B2 JP 3961272 B2 JP3961272 B2 JP 3961272B2 JP 2001369468 A JP2001369468 A JP 2001369468A JP 2001369468 A JP2001369468 A JP 2001369468A JP 3961272 B2 JP3961272 B2 JP 3961272B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- parts
- mass
- rubber composition
- silane coupling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、特定のフッ素含有オリゴマーを含有する新規なゴム組成物、当該フッ素含有オリゴマーに由来の構造が架橋ゴムのポリマー主鎖に結合されてなるゴム成形品、およびそのようなゴム成形品を好適に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルオロアルキル基を両末端に有するフッ素含有オリゴマーを含有する樹脂組成物が知られており、かかる樹脂組成物は、撥水撥油性および防汚性など、良好な表面特性を有するものである(例えば特開平11−246573号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記のフッ素含有オリゴマーをゴム製品に適用すること、すなわち、当該フッ素含有オリゴマーを含有するゴム製品(ゴム成形品)を提供することができれば望ましい。
そこで、本発明者らは、上記のフッ素含有オリゴマーを、架橋剤と共に未架橋のゴムに配合混練してゴム組成物を調製し、これを成形加工(架橋)することによってゴム成形品を製造した。このようにして得られたゴム成形品の表面には、当該フッ素含有オリゴマーが析出(ブルームまたはブリード)し、これに由来のフッ素原子を当該ゴム成形品の表面近傍に偏在させることができた。
【0004】
しかしながら、上記のようにして得られたゴム成形品に溶剤を接触させると、その表面に析出したフッ素含有オリゴマーが当該溶剤に溶解されて表面から流出してしまい、この結果、フッ素含有オリゴマーによって付与された成形品の表面特性(例えば撥水撥油性・生理活性)が減殺されまたは消滅してしまう、という問題がある。
【0005】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。本発明の目的は、フルオロアルキル基を含有する基を両末端に有するフッ素含有オリゴマーを含む新規なゴム組成物であって、これを成形加工して得られる架橋ゴムの成形品に、種々の溶剤との接触によっても減殺されない安定した表面特性を付与することができるゴム組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、少なくとも表面近傍において、フッ素含有オリゴマーに由来の構造が架橋ゴムのポリマー主鎖に確実かつ効率的に結合されている結果、種々の溶剤と接触させても減殺されない安定した表面特性を発現することができるゴム成形品およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るゴム組成物は、原料ゴムと、架橋剤と、下記式(1)で示されるフッ素含有オリゴマー(以下、「特定のフッ素含有オリゴマー」ともいう。)と、下記式(2)で示されるシランカップリング剤とを含有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に係るゴム組成物においては、原料ゴム100質量部に対して、特定のフッ素含有オリゴマーを1〜10質量部、特に1〜5質量部含有し、シランカップリング剤を1〜5質量部、特に1〜3質量部含有することが好ましい。
【0008】
請求項4に係るゴム組成物は、原料ゴムと、架橋剤と、下記式(1)で示されるフッ素含有オリゴマーと、下記式(2)で示されるシランカップリング剤と、シリカとを含有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係るゴム組成物においては、原料ゴム100質量部に対して、特定のフッ素含有オリゴマーを1〜10質量部、特に1〜5質量部含有し、シランカップリング剤を1〜10質量部、特に1〜5質量部含有し、シリカを5〜50質量部、特に10〜30質量部含有することが好ましい。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
上記式(1)中、x’は2または3である。また、上記式(2)中、R4 は、アルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R5 はアルキル基を示し、R 6 は、ゴムのポリマー主鎖との反応性を有する有機官能基を示す。また、mは1〜3の整数であり、nは0〜5の整数である。
【0013】
本発明のゴム成形品は、本発明のゴム組成物を成形加工することにより得られることを特徴とする。
ここに、「成形加工する」とは、ゴム成形品としての形状を得ると共に、ゴムを架橋することをいう。
本発明の製造方法は、本発明のゴム組成物を成形加工する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
【作用】
特定のフッ素含有オリゴマーおよびシランカップリング剤を必須の成分とする本発明のゴム組成物を成形加工することにより、〔a〕ゴムの架橋反応、〔b〕特定のフッ素含有オリゴマーの有する−Si(OCH 3 ) 3 基と、シランカップリング剤の有する加水分解性基との反応(加水分解後の縮合反応)、〔c〕シランカップリング剤の有する反応性有機官能基と、ゴムのポリマー主鎖との反応(結合反応)が起こる。
これにより、少なくとも表面近傍において、シランカップリング剤を介して、架橋ゴムのポリマー主鎖に特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造が結合してなるゴム成形品(本発明のゴム成形品)が得られる。
このように、本発明のゴム成形品の少なくとも表面近傍においては、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造とシランカップリング剤との間、および、シランカップリング剤と架橋ゴムのポリマー主鎖との間に化学的な結合が形成されるため、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造は、架橋ゴムに対して強固に結合することになる。しかも、特定のフッ素含有オリゴマーの−Si(OCH 3 ) 3 基と、シランカップリング剤の加水分解性基との反応(加水分解後の縮合反応)によって形成されるハイブリッドは、特定のフッ素含有オリゴマーに対して良溶媒である種々の溶剤に対しても不溶性または難溶性となる。従って、本発明のゴム成形品にこれらの溶剤を接触させても、その表面特性が減殺されることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<ゴム組成物>
請求項1〜請求項3に係る本発明のゴム組成物は、原料ゴムと、架橋剤と、特定のフッ素含有オリゴマーと、シランカップリング剤とを必須成分として含有し、請求項4〜請求項6に係る本発明のゴム組成物は、更にシリカを必須成分として含有する。
【0016】
〔原料ゴム〕
本発明のゴム組成物を構成する原料ゴムとしては、特に限定されるものではなく、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、シリコーンゴム(VMQ,FVMQ)、ウレタンゴム(AU,EU)、フッ素ゴム(FKM,FEPM)などを例示することができる。
【0017】
〔架橋剤〕
本発明のゴム組成物を構成する架橋剤としては、原料ゴムの種類などによって異なり、特に限定されるものではないが、例えば、硫黄、塩化硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、金属酸化物、キノンジオキシム、有機多価アミン、変性フェノール樹脂などを挙げることができ、これらのうち、硫黄を使用することが好ましい。
架橋剤として硫黄を使用する場合において、その含有量としては、原料ゴム100質量部に対して通常0.5〜2質量部とされる。
【0018】
〔特定のフッ素含有オリゴマー〕
本発明のゴム組成物を構成する特定のフッ素含有オリゴマーは、フルオロアルキル基を含有する基(−CF(CF 3 )OC 3 F 7 で表される基)を分子両末端に有し、式:−Si(OCH 3 ) 3 で表される基を中間鎖に有する、分子量が500〜50,000程度のオリゴマーである。
【0024】
上記式(1)で示されるフッ素含有オリゴマーは、式(1A):C 3 F 7 OCF(CF 3 )−COO−OCO−CF(CF 3 )OC 3 F 7 で示される含フッ素過酸化物の存在下に、式(1B):CH 2 =CH−Si(OCH 3 ) 3 で示される単量体を重合させることにより得ることができる。
【0026】
上記式(1)で示される化合物は、1分子中に占めるフッ素原子(表面特性の向上に寄与する原子)の割合が大きいために、最終的に得られるゴム成形品の表面に高い効率でフッ素原子を存在させることができるので好ましい。
【0029】
上記式(1)で示される特定のフッ素含有オリゴマーの含有量としては、原料ゴム100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜5質量部とされる。
特定のフッ素含有オリゴマーの含有量が過少である場合には、得られるゴム成形品の表面特性を十分に向上させることができない。他方、この含有量が過剰である場合には、得られるゴム成形品の機械的特性の低下を招くことがある。
【0030】
〔シランカップリング剤〕
本発明のゴム組成物を構成するシランカップリング剤は、加水分解性基および反応性有機官能基を1分子中に含有し、特定のフッ素含有オリゴマーおよびゴムのポリマー主鎖のそれぞれと反応して、両者の間に強固な化学結合を形成するものである。かかるシランカップリング剤としては、上記式(2)で示されるものを挙げることができる。
【0032】
シランカップリング剤を示す上記式(2)において、R4 は、アルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R5 はアルキル基を示す。また、mは1〜3の整数、好ましくは3であり、nは0〜5の整数、好ましくは0〜3の整数である。
【0033】
シランカップリング剤の有する加水分解性基(Si(OR4 )m R5 3-m −)と、特定のフッ素含有オリゴマーの有する−Si(OCH 3 ) 3 で表される基とが反応(加水分解後の縮合反応)することにより、熱的安定性および化学的安定性に優れたハイブリッドが形成される。
シランカップリング剤の有する加水分解性基としては、トリメトキシシリル基などのアルコキシシリル基を挙げることができる。
【0034】
シランカップリング剤を示す上記式(2)において、R6 は、ゴムのポリマー主鎖との反応性を有する有機官能基を示す。
ここに、反応性有機官能基(R6 )としては、不飽和結合を有する原料ゴムのポリマー主鎖に対して反応性を有するメルカプト基、不飽和結合を有しない原料ゴムのポリマー主鎖に対して反応性を有するビニル基などを好適なものとして挙げることができる。
このように、原料ゴムの種類(ポリマー主鎖中の不飽和結合の有無)に応じて、反応性有機官能基(R6 )を選択することにより、特定のフッ素含有オリゴマーとして同一種類の化合物を種々の原料ゴムに対して適用することが可能となる。
【0035】
請求項1に係るゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量としては、原料ゴム100質量部に対して、1〜5質量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜3質量部とされる。
また、シリカを必須成分とする請求項4に係るゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量としては、原料ゴム100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜5質量部とされる。
シランカップリング剤の含有量が過少および過剰のいずれの場合であっても、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造をゴムのポリマー主鎖に効率的に結合させることができず、得られるゴム成形品の表面特性を十分に向上させることができない。
【0036】
〔シリカ〕
請求項4〜請求項6に係るゴム組成物を構成するシリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)であっても、乾式シリカ(無水ケイ酸)であってもよい。
シリカを必須成分とする請求項4〜請求項6に係るゴム組成物は、水道関連に使用されるある種のゴム製品など、カーボンブラックを配合することができないゴム製品を得るために特に好適に使用することができる。
【0037】
請求項4に係るゴム組成物において、シリカの含有量は5〜50質量部であることが好ましく、更に好ましくは10〜30質量部とされる。
シリカの含有量が過少である場合には、得られるゴム成形品に対し所期の補強効果を付与することができない。他方、この含有量が過剰である場合には、過剰量のシリカが、特定のフッ素含有オリゴマーと反応させるためのシランカップリング剤と反応してしまい、結果として、得られるゴム成形品の表面特性を十分に向上させることができなくなることがある。
【0038】
本発明のゴム組成物中には、架橋促進剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤など、従来公知の種々のゴム用配合剤が含有されていてもよい。
本発明のゴム組成物を得るための混練方法としても特に限定されるものではなく、混練機を使用する従来公知の方法を採用することができる。
【0039】
<ゴム成形品およびその製造方法>
本発明のゴム成形品は、本発明のゴム組成物を成形加工することにより得られる、架橋ゴムからなる成形品である。
【0040】
ここに、成形加工方法としては、特に限定されるものではなく、架橋ゴムからなる成形体を得るための従来公知の方法(例えばプレス成形)を採用することができる。ここに、ゴムの架橋条件としては、例えば140〜180℃で5〜30分間とされる。
【0041】
本発明のゴム組成物を成形加工することにより、原料ゴムの架橋反応とともに、特定のフッ素含有オリゴマーの有する−Si(OCH 3 ) 3 で表される基と、シランカップリング剤の有する加水分解性基(Si(OR4 )m R5 3-m −)との反応(加水分解後の縮合反応)、シランカップリング剤の有する反応性有機官能基(R6 )と、ゴムのポリマー主鎖との反応が起こる。
これにより、少なくとも表面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖に、シランカップリング剤を介して、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造が結合してなるゴム成形品(本発明のゴム成形品)が得られる。
【0042】
下記式(3)は、上記式(1)で示される特定のフッ素含有オリゴマーの−Si(OCH 3 ) 3 で表される基と、上記式(2)で示されるシランカップリング剤(但し、m=3)との反応(加水分解後における縮合反応)により形成される、シロキサン結合を有するハイブリッド構造の一例を示している。なお、下記式(3)では、シランカップリング剤とポリマー主鎖との結合状態は示されていないが、本発明のゴム成形品を構成するシランカップリング剤は、有機官能基(R6 )によってゴムのポリマー主鎖と結合している。
【0043】
【化5】
【0044】
上記のように、本発明のゴム成形品の少なくとも表面近傍においては、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造とシランカップリング剤との間、および、シランカップリング剤と架橋ゴムのポリマー主鎖との間に化学的な結合が形成されるため、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造は、架橋ゴムに対して強固に結合することになる。しかも、特定のフッ素含有オリゴマーの−Si(OCH 3 ) 3 で表される基と、シランカップリング剤の加水分解性基(Si(OR4 )m R5 3-m −)との反応によって形成されるハイブリッドは、熱的安定性および化学的安定性に優れ、特定のフッ素含有オリゴマーに対して良溶媒である種々の溶剤に対しても不溶性または難溶性となる。従って、本発明のゴム成形品にこれらの溶剤を接触させても、特定のフッ素含有オリゴマーにより付与される表面特性(例えば撥水撥油性・防汚性・生理活性)が減殺されることはない。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を意味するものとする。
【0046】
<実施例1〜6>
下記表1に示す配合処方に従って、ニトリルゴム「Nipol DN401」(日本ゼオン(株)製,AN量=18%)100部と、硫黄1部と、酸化亜鉛5部と、架橋促進剤「ノクセラーZTC」(大内新興化学(株)製)1部と、架橋促進剤「ノクセラーTOT−N」(大内新興化学(株)製)4部と、架橋促進剤「ノクセラーDM」(大内新興化学(株)製)2部と、上記式(1)で示される特定のフッ素含有オリゴマーと、下記式(4)で示されるシランカップリング剤「A−189」〔日本ユニカー(株)製〕とを8インチロールによって混練してニトリルゴム組成物(本発明のゴム組成物)を得た。
得られたニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシートの各々を150℃で10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシート(本発明のゴム成形品)を得た。
【0047】
【化6】
【0048】
<比較例1>
シランカップリング剤「A−189」を配合しなかったこと以外は実施例2と同様にして混練することにより比較用のニトリルゴム組成物を得た。
得られたニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシートを150℃で10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシート(比較用のゴム成形品)を得た。
【0049】
<実施例7〜12>
下記表1に示す配合処方に従って、シリカ20部を配合したこと以外は実施例1〜6のそれぞれと同様にして混練することによりニトリルゴム組成物(本発明のゴム組成物)を得た。
得られたニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシートの各々を150℃で10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシート(本発明のゴム成形品)を得た。
【0050】
<比較例2〜3>
下記表1に示す配合処方に従って、シランカップリング剤「A−189」を配合しなかったこと以外は実施例7〜8と同様にして混練することにより比較用のニトリルゴム組成物を得た。
得られたニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシートの各々を150℃で10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシート(比較用のゴム成形品)を得た。
【0051】
<シートの評価>
実施例1〜12および比較例1〜3で得られた架橋ゴムシートの各々について、X線光電子分光分析装置(XPS)により、シート表面におけるフッ素原子の存在量(炭素原子1個あたりのフッ素原子の個数)を測定した。この存在量が多いほど、撥水性および撥油性などの表面特性に優れているといえる。結果を下記表1に示す。測定条件は、次のとおりである。
【0052】
(測定条件)
・使用機種:Perkin Elmer PHI 5600 ESCA System,
・室内の圧力(減圧条件):2.8×10-7Pa,
・補正:中和銃にてC1sを285.0eVに補正,
・X線:AlKαモノクロX線,
・X線照射角度:45°,
・測定領域:800μm×2000μm
【0053】
また、実施例1〜12および比較例1〜3で得られた架橋ゴムシートの各々について、下記表1に示す各溶剤との接触処理(ソックスレー抽出,抽出時間=12時間)を行った後に、シート表面におけるフッ素原子の存在量を再度測定し、抽出前(初期値)に対する保持率を求めた。結果を併せて下記表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物によれば、これを成形加工して得られる架橋ゴムの成形品に、種々の溶剤との接触によっても減殺されない安定した表面特性を付与することができる。
本発明のゴム成形品は、少なくとも表面近傍において、シランカップリング剤を介して、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造が架橋ゴムのポリマー主鎖に確実かつ効率的に結合されているので、種々の溶剤と接触させても減殺されない安定した表面特性を発現することができる。
本発明の製造方法によれば、得られるゴム成形品の表面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖に、特定のフッ素含有オリゴマーに由来の構造を確実かつ効率的に結合させることができ、当該ゴム成形品は、種々の溶剤と接触させても減殺されない安定した表面特性を発現することができる。
また、原料ゴムの種類に応じて、シランカップリング剤の反応性有機官能基を選択することにより、特定のフッ素含有オリゴマーとして、同一種類の化合物を種々のゴムに対して使用することが可能となる。
Claims (8)
- 請求項1に記載のゴム組成物において、
原料ゴム100質量部に対してフッ素含有オリゴマーを1〜10質量部含有し、シランカップリング剤を1〜5質量部含有することを特徴とするゴム組成物。 - 請求項1に記載のゴム組成物において、
原料ゴム100質量部に対してフッ素含有オリゴマーを1〜5質量部含有し、シランカップリング剤を1〜3質量部含有することを特徴とするゴム組成物。 - 原料ゴムと、架橋剤と、請求項1記載の式(1)で示されるフッ素含有オリゴマーと、請求項1記載の式(2)で示されるシランカップリング剤と、シリカとを含有することを特徴とするゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物において、
原料ゴム100質量部に対してフッ素含有オリゴマーを1〜10質量部含有し、シランカップリング剤を1〜10質量部含有し、シリカを5〜50質量部含有することを特徴とするゴム組成物。 - 請求項4に記載のゴム組成物において、
原料ゴム100質量部に対してフッ素含有オリゴマーを1〜5質量部含有し、シランカップリング剤を1〜5質量部含有し、シリカを10〜30質量部含有することを特徴とするゴム組成物。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のゴム組成物を成形加工することにより得られるゴム成形品。
- 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のゴム組成物を成形加工する工程を含むことを特徴とするゴム成形品の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001369468A JP3961272B2 (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 |
EP02758809.4A EP1424355B1 (en) | 2001-08-21 | 2002-08-08 | Method for surface treatment of rubber, process for production of rubber articles, rubber compositions, rubber moldings and process for production thereof |
US10/477,785 US7144962B2 (en) | 2001-08-21 | 2002-08-08 | Method for surface treatment of rubber process for production of rubber articles, rubber compositions, rubber molding, and process for production thereof |
PCT/JP2002/008116 WO2003016385A1 (fr) | 2001-08-21 | 2002-08-08 | Procede de traitement de surface du caoutchouc, procede de production d'articles en caoutchouc, moulages en caoutchouc et procede de production correspondant |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001369468A JP3961272B2 (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171503A JP2003171503A (ja) | 2003-06-20 |
JP3961272B2 true JP3961272B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=19178854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001369468A Expired - Fee Related JP3961272B2 (ja) | 2001-08-21 | 2001-12-04 | ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3961272B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6679043B2 (ja) * | 2015-03-10 | 2020-04-15 | 国立大学法人弘前大学 | ナノコンポジット |
CN105367861A (zh) * | 2015-11-20 | 2016-03-02 | 桐城市诚信木塑科技材料有限公司 | 一种橡胶地板的制备工艺 |
JP6664787B2 (ja) * | 2016-02-24 | 2020-03-13 | 藤倉コンポジット株式会社 | ナノコンポジット粒子、カラム充填材、表面処理剤、フィルタ、ナノコンポジット粒子分散液の製造方法及び表面処理方法 |
JP2021134255A (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-13 | 藤倉コンポジット株式会社 | シリコーンエラストマー組成物、表面処理剤及びシリコーンエラストマーシート |
-
2001
- 2001-12-04 JP JP2001369468A patent/JP3961272B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003171503A (ja) | 2003-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5334992B2 (ja) | 室温加硫性ポリマー | |
JP2010531374A5 (ja) | ||
JP2010531375A5 (ja) | ||
JP4671214B2 (ja) | ゴムの表面改質方法 | |
JP4618451B2 (ja) | トリアジンチオール基及びアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及びその製造方法、並びに当該オルガノポリシロキサンを含有する接着用プライマー組成物 | |
WO1998038246A1 (fr) | Composition de caoutchouc | |
WO2021106943A1 (ja) | 重合体の硬化に用いる硬化触媒及びその製造方法、湿気硬化型組成物、硬化物の製造方法 | |
JP6802179B2 (ja) | ゴム組成物の製造方法およびタイヤ | |
JP4285730B2 (ja) | 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法 | |
JP4036519B2 (ja) | 加工性を改良したタイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP3961272B2 (ja) | ゴム組成物、ゴム成形品およびその製造方法 | |
JP5305721B2 (ja) | 表面処理剤、ゴムの表面処理方法およびゴム製品 | |
JP5854659B2 (ja) | 表面改質方法 | |
JP3540920B2 (ja) | 架橋可能なゴム組成物、及びその架橋ゴム | |
JP3737464B2 (ja) | ゴム製品の製造方法 | |
US7144962B2 (en) | Method for surface treatment of rubber process for production of rubber articles, rubber compositions, rubber molding, and process for production thereof | |
JP2001226532A (ja) | 有機ゴム組成物 | |
JP6795579B2 (ja) | シラン官能化ポリマー並びにそれらを作製及び使用するためのプロセス | |
JP5339804B2 (ja) | 表面処理剤、ゴムの表面処理方法およびゴム製品 | |
JP3676311B2 (ja) | 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法 | |
JPH08323773A (ja) | ブラダー用離型剤組成物及びタイヤ成型加硫方法 | |
JP7006058B2 (ja) | シーリング材及びシーリング方法 | |
EP3978563B1 (en) | Polymer composition, crosslinked body, and tire | |
JP2000302978A (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JPH08118417A (ja) | ポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070320 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070412 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070515 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070516 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3961272 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525 Year of fee payment: 7 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |