JP5854659B2 - 表面改質方法 - Google Patents

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本発明は、架橋ゴム等の表面に対して良好な摺動性を有するように改質処理する技術に関する。
シール状態を維持しながら摺動する部分、例えば注射器のプランジャに一体化されてプランジャとシリンジとのシールを行うガスケットは、シール性を重視し摺動性に若干難があるゴム等の弾性体が使用されていた。このため、今までは、摺動面にシリコーンオイル等の塗布が行われていた。しかしながら、シリコーンオイル等が、最近販売され始めたバイオ製剤に影響を及ぼす可能性が指摘され始めている。
そこで、例えばシリコーンオイル等の摺動性改良剤の塗布を行わずシール部分の摺動性に劣る注射器を使えば、処置する際にプランジャを円滑に押すことができずに脈動し、注入量が不正確になる、また患者等に苦痛を与える等の問題がある。
このような、ゴムにおけるシール性と摺動性との相反する要求を満たすために、ゴムのシール部分の表面に自己潤滑性を有する樹脂であるPTFEフィルムを被覆する技術が提案されている(特許文献1)。
また、水の存在下で良好な摺動性を要求されるものには上記に限られず、注射器のシリンジ内面、水を送るための配管の内面などがある。また加硫ゴムまたは熱可塑性エラストマー製ダイヤフラムの内面の摺動性が上がれば、流体抵抗を下げることができ、これによりロスなく水を送れる様になる。
さらにタイヤの溝表面の流体抵抗を下げると、ウエットや雪上での、水や雪のはけが良くなり、トレッド面の接地面および接地圧が上がり、その結果としてグリップが向上し安全性が増す。
スキーやスノボーの雪に接する面の摺動性を向上させると滑りやすくなり、また、道路の標識の表面の摺動性を向上させると雪はよく滑り落ち、結果として標識が見やすくなる。
タイヤのサイドウォール面や建物の壁の摺動抵抗や表面張力を減少させると、ゴミや粉
塵が付きにくく、きれいなままの状態になる。
また、船の外周面の摺動抵抗や表面張力を低下させると水の抵抗が減ったり、付着物が付きにくくなったりする。水着の糸表面の摺動性を改良すると水の抵抗が減る等の効果が期待できる。
特開2010−142573号公報
しかし、PTFE等の自己潤滑性を有する樹脂は一般に高価なため加工製品の製造コストが上昇し、応用範囲が限定されるという問題があった。さらにPTFE等の樹脂は堅くシール性に問題があった。また、自己潤滑性を有する樹脂フィルム等をコーティングする技術は、特許文献1に開示されたプレフィルドシリンジのような使い切りではなく、摺動等が繰り返され耐久性が求められる用途に対しては、その信頼性について不安がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、高価な自己潤滑性を有する樹脂を使用しないで架橋ゴム等の弾性体の表面に摺動性を与える表面改質方法を提供することを目的とする。
本発明に係る表面改質方法は、ゴムを改質対象物とする表面改質方法であって、前記ゴムを架橋すると同時に表面に水酸基を生成させ、前記水酸基に2級または3級の有機ハロゲン化合物を作用させて重合開始点を形成し、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させて前記改質対象物の表面にポリマーブラシを成長させる。
前記モノマーとして、共役ジエンまたはビニル基を重合基として有し、その置換基または側鎖にカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、リン酸もしくはその塩、アミン基もしくはその塩のイオン基、またはカルボキシベタイン、スルホベタインもしくはホスホベタインの両性イオン基が結合された化合物が使用される。
前記モノマーとして化学構造が異なる2種類以上のモノマーを使用し、前記改質対象物の表面に成長させた2つのポリマーブラシを架橋してもよい。
2つの前記ポリマーブラシ間を、酸素原子を有する親水性基でイオン架橋または架橋してもよい。
本発明に係る他の表面改質方法は、前記ポリマーブラシを、ジエンまたはビニル基とアルキルフッ素基とを有するモノマーにより形成する。
前記2級または3級の有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化エステル基を含み、トリアルキルアミンの共存下で2級または3級の有機ハロゲン基を持つ前記重合開始点を形成する。
前記改質対象物の表面にポリマーブラシを成長させる重合反応が、I価の銅化合物と塩基とを触媒として用いる原子移動ラジカル重合(ATRP)、またはII価の銅化合物と塩基とからなる触媒に還元剤を系中に共存させた原子移動ラジカル重合のAGET ATRP法もしくはARGET ATRP法である遷移金属触媒ラジカル重合による。
前記遷移金属錯体触媒としてII価の銅化合物を使用する。
前記還元剤として有機または無機の還元剤を使用する。
前記還元剤としてアスコルビン酸を使用する。
ましくは、改質後の表面の静摩擦係数が0.5以下および動摩擦係数が0.25以下であり、かつ前記表面が水に濡れたときの静摩擦係数が0.4以下および動摩擦係数が0.2以下となるように前記改質対象物の表面に水酸基を生成し前記重合開始点を起点にして前記モノマーをラジカル重合させて前記表面にポリマーブラシを成長させる。
本発明によると、高価な自己潤滑性を有する樹脂を使用しないで加硫ゴムまたは熱可塑性エラストマー等の弾性体の表面に摺動性を与える表面改質方法を提供することができる。
図1は表面改質方法のフローダイヤグラムである。
図1は表面改質方法のフローダイヤグラムである。
表面改質の対象物は、架橋成形後のゴムである。
対象物としてのゴムは、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムおよび天然ゴム等のジエン系ゴム、ならびにブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等である。
ゴムがブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの場合は、トリアジンによる架橋がよい。架橋ゴムからの抽出物が少なくなるからである。この場合、受酸剤を含んでもよい。受酸剤は、ハイドロタルサイトまたは炭酸マグネシウムが好ましい。
その他のジエン系ゴムの場合には、硫黄加硫がよい。その場合、加硫促進剤を含んでもよい。さらに酸化亜鉛を含んでもよい。
また、ゴムはフィラーを含んでも良い。フィラーとしてはカーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等がよい。
架橋は150℃以上、さらに好ましくは170℃以上、さらに好ましくは175℃以上で行うのが好ましい。
また、架橋ゴムはシランカップリング剤を含んでもよい。
さて、表面改質は、電子移動により触媒を繰り返し活性化させるAGET(Activators
generated by electron transfer)およびARGET(Activators regenerated by electron transfer)による原子移動ラジカル重合(ATRP:Atom Transfer Radical Polymerization)法により行われ、架橋水酸基形成工程P1、重合開始点形成工程P2、重合系調製工程P3、還元剤調製工程P4および重合工程P5からなる。
架橋水酸基形成工程P1は、改質対象物の表面を親水化する処理を行うものである。架橋水酸基形成工程P1は、ゴムを熱架橋成形することにより行われる。
重合開始点形成工程P2では、脱水されたアセトン(溶媒)中に、2級または3級のハロゲン化物(好ましくはエステル結合を含むハロゲン化物)を溶解させ、室温(生活環境の温度)で数時間攪拌されることにより、改質対象物の表面に形成された水酸基に2級または3級のハロゲン化物が付加される。
2級または3級のハロゲン化物とは、2−ブロモイソブチリルブロミドおよび6’−トリアルコキシシリルヘキシル−2−ブロモイソブリレートである。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等が使用される。これは反応により発生するハロゲン化水素(HBr等)をトラップするためである。
2級または3級のハロゲン化物により所定の時間処理された改質対象物は、攪拌装置から取り出され、付着する溶媒が気化により除去される。
重合系調製工程P3は、改質対象物の表面にグラフト重合によってポリマーブラシを生成させる重合環境を調製する工程である。重合系調製工程P3では、最初に重合させるモノマーが水、水溶性アルコール、またはアルコール水溶液に溶解され、その表面にハロゲン化物が付加された改質対象物が、モノマーが溶解された水等に浸される。続いて、この中に遷移金属化合物およびこの遷移金属化合物と錯体を形成する配位子を加え十分に遷移金属錯体を生成させ、液中に不活性ガス、例えばアルゴンを導入して溶存する酸素を除去する。
モノマーには、共役ジエンまたはビニル基を重合基として持ち、その置換基または側鎖に、カルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、リン酸もしくはその塩、アミン基もしくはその塩のイオン基、またはカルボキシベタイン、スルホベタインもしくはホスホベタインの両性イオン基が結合された化合物が使用される。
両性イオン型モノマーは次の一般式(4)で示される。
CH2=C(CH3)COO(CH2pX(CH2qY ・・・(4)
ここでpは2以上の整数、qは2〜4の整数である。XおよびYは反対の電荷を有するイオン性官能基であり、Xとしてはテトラアルキルアンモニウムまたはホスホネートなどが、Yとしてはカルボン酸、スルホン酸、ホスホネート、テトラアルキルアンモニウムな
どが挙げられる。
水溶性アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコールまたはイソプルピルアルコールが使用される。
遷移金属触媒としては、II価の銅ハロゲン化物である臭化第二銅、塩化第二銅等が使用される。
配位子は、原子移動ラジカル重合に一般に使用されるものであり、例えば4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン等のビピリジン類、N,N,N’,N’’,N’’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)等の脂肪族アミン類である。
還元剤調製工程P4は、原子移動ラジカル重合における還元剤を調製する工程である。
還元剤の調製は、還元剤、例えばアスコルビン酸を水に溶解し例えばアルゴンを導入して溶存する酸素を除去する。
還元剤として、他にアスコルビン酸−6−パルミテート(A6P)、第一スズ化合物、シュウ酸第一スズ、亜硫酸ナトリウム、低酸化状態の硫黄化合物、亜硫酸水素ナトリウム、金属イオンを含む無機塩、フェノール、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、アルキルアミン、ポリアミン、ピリジンおよびその誘導体、アルキルチオール、メルカプトエタノール、容易にエノール化されうるカルボニル化合物、アセチルアセトネート、カンフルスルホン酸、ヒドロキシアセトン、還元糖、単糖、グルコースおよび関連糖、テトラヒドロフラン、ジヒドロアントラセン、シラン、2,3ジメチルブタジエン、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物、アルデヒド、およびこれらの誘導体、例えば、Fe2+、Al3+、Ti3+およびTi4+等の無機物との塩が使用される。
重合工程P5は、改質対象物の表面に形成された水酸基に、原子移動ラジカル重合によりモノマーを連結する工程である。この工程は、重合系調製工程P3で調製された改質対象物が浸漬されモノマーが溶解された水系または水溶性アルコール系に、還元剤調製工程P4で調製された還元剤水溶液を加え、重合するものである。重合工程P5は、大気圧下、0〜80℃または室温(生活環境の温度)で攪拌しながら、もしくは攪拌することなく還元剤の一括添加により行われる。本発明の重合時間はより好ましくは3時間から100時間である。3時間未満では十分にポリマーブラシが成長せず、摺動性が得られない。また、100時間を越えると経済性の観点から好ましくない。
次に本発明の実施例を説明する。
クロロブチルゴムをトリアジンで熱架橋成形(180℃で10分加硫)して表面に水酸基を生成させた。
続いて、脱水したアセトン、開始点形成剤として2−ブロモイソブチリルブロミド(85mMol/L)を使用し、これらを表面に水酸基が形成されたクロロブチルゴムとともにトリエチルアミン(127.5mMol/L)の共存下、室温(生活環境の温度)で5時間攪拌し、重合開始点を形成させた。
重合系調製は、モノマーとしてメタクリル酸3−スルホプロピルカリウム塩2gを水1.0mlに溶解し、メチルアルコールを4.0ml加え、この中に重合開始点が形成されたクロロブチルゴム(長さ2cm×幅1cm×厚さ2mm、全表面積約5.2cm2)を浸漬させて行った。
次に、この中に臭化第二銅を6.6mg(0.0030mol、約1,000,000ppm)、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジンを11.1mg加え、15分間アルゴンでバブリングを行い、系内の酸素を追い出した。
ここでは、重合開始点の数を2個/nm2、クロロブチルゴムの総面積における重合開始点の数を1.728×10-9molと想定した。
還元液として0.1Mのアスコルビン酸水溶液を調製し、3分間アルゴンをバブリングして溶存酸素を放出した後、15mlをクロロブチルゴムが浸漬された重合系に加えて、40℃、大気圧下で攪拌しながら、24時間攪拌してモノマーを重合させ、ポリマーブラシを成長させた。
上述のようにして表面にポリマーブラシを成長させ表面改質を行ったクロロブチルゴム
は、水で洗浄した後、さらに水中で超音波洗浄して真空乾燥した。
重合開始点を形成するときに、2−ブロモイソブチリルブロミド(425mMol/L)を使用し、トリエチルアミン(637.5mMol/L)を共存させたことを除き、実施例1と同様にしてポリマーブラシを成長させた。その後の洗浄処理等は、実施例1と同じである。
重合開始点を形成するときに、2−ブロモイソブチリルブロミド(850mMol/L)を使用し、トリエチルアミン(1275mMol/L)を共存させた。これ以外は、実施例1と同様にしてポリマーブラシを成長させた。その後の洗浄処理等は、実施例1と同じである。
Figure 0005854659
表1は、実施例1〜3により改質されたクロロブチルゴムを未改質のクロロブチルゴム(比較例1)と対比した、表面の静摩擦係数および動摩擦係数を計測した結果である。表1における「水滴下後の…摩擦係数」は、表面を水で濡らして測定した各摩擦係数である。静摩擦係数および動摩擦係数の測定は、ASTM D1894に規定された方法で行った。また、サンプルはホウケイ酸ガラスと接触させて、ホウケイ酸ガラスとの間の摩擦係数を測定した。摩擦係数の測定のための荷重は200g、引張速度は600mm/min、ロード距離は10cmである。
表1から、2−ブロモイソブチリルブロミドとトリエチルアミンの濃度を上げると静摩擦係数、動摩擦係数、表面が水で濡れたときの静摩擦係数、動摩擦係数が下がることが判る。したがって、表面にポリマーブラシを生成させたゴムは、良好なシール性および良好な摺動性の相反する機能が求められる用途、例えば注射器のプランジャのガスケットに使用されたときには、十分なシール性とともにプランジャのシリンジに対する摩擦力が軽減され、注射器による処置を容易にかつ正確に行うことができる。
また、乗用車両等のタイヤのトレッドに形成された溝にのみポリマーブラシを生成させることにより、ウエット時における溝に対する水の抵抗が下がり(濡れ性が向上し)、水はけが改良されてグリップ力の増加が期待できる。
タイヤのサイドウォールにアルキルフッ素系モノマーを用いてポリマーブラシを生成させると、汚れが付き難くなることが期待できる。
例えば、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラム弁等のダイヤフラムにポリマーブラシが形成されたゴムを用いると、水または水溶液等を送る時の圧損が少なくなることが期待できる。
道路標識または看板等の表面をポリマーブラシが形成されたゴムで被覆すると、埃および雪が落ち易くなり、表示内容が見やすくなることが期待できる。
加硫後のゴムまたは射出成形後の熱可塑性エラストマーの表面に原子移動ラジカル重合により生成させるポリマーブラシには、下記構造式のポリマーが採用できる。
Figure 0005854659
(2)式、(3)式においてa,bおよびh,1−hはそれぞれのモノマーの比率を示すための表記であり、ブロック共重合体を示すものではなく、ポリマーは、ランダム共重合、ブロック共重合のどちらによるものであってもよい。ランダム共重合体を得るには、2種類のモノマーを同時に添加する。またブロック共重合体を得るには、モノマーを交互に順番に添加していくなどの方法を採ることができる。
(2)式で示される構造のポリマーブラシにおけるa÷bは、5以上200以下であり、20以上150以下がより好ましく、30以上100以下がさらに好ましい。
(3)式で示される構造のポリマーブラシは、重合系調製工程P3において2種類のモノマー(MPC:2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンおよびDMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート)を20:1のモル比で200重量部重合系に加え、実施例4と同量の臭化第二銅および4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジンを加え、実施例4とおなじ条件で重合を行った。重合工程P5によりポリマーブラシが表面に
生成した表面改質対象物を、1,2−ビス(2−ヨードエトキシ)エタン(I(CH22O(CH22O(CH22I)を溶解させたメチルアルコールに浸漬し室温で48時間架橋反応させたものである。2つのポリマーブラシの間の架橋部分には、親水性の酸素原子を有する。
(3)式におけるhは、0.5以上0.97以下、さらに1.0以上0.95以下がより好ましい。
ポリマーブラシの長さは、10nm以上50000nm以下が適切である。ポリマーブラシの長さが10nm以下では良好な摺動性が得られず、50000nm以上としても摺動性のさらなる向上がなく、高価なモノマーを使用するために原料コストが上昇するからである。また、これ以上高分子にすると表面処理による表面模様が肉眼で見える様になり、美観を損ねるためである。
本発明は、表面の摺動性が求められるシール材料に利用することができ、特に液封性が同時に求められる用途に好適である。

Claims (10)

  1. ゴムを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記ゴムを架橋すると同時に表面に水酸基を生成させ、
    前記水酸基に2級または3級の有機ハロゲン化合物を作用させて重合開始点を形成し、
    前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させて前記改質対象物の表面にポリマーブラシを成長させ
    前記モノマーとして、共役ジエンまたはビニル基を重合基として有し、その置換基または側鎖にカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、リン酸もしくはその塩、アミン基もしくはその塩のイオン基、またはカルボキシベタイン、スルホベタインもしくはホスホベタインの両性イオン基が結合された化合物を使用する
    ことを特徴とする表面改質方法。
  2. 前記モノマーとして化学構造が異なる2種類以上のモノマーを使用し、
    前記改質対象物の表面に成長させた2つのポリマーブラシを架橋する
    求項1に記載の表面改質方法。
  3. つの前記ポリマーブラシ間を、酸素原子を有する親水性基でイオン架橋または架橋する
    請求項1に記載の表面改質方法。
  4. ゴムを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記ゴムを架橋すると同時に表面に水酸基を生成させ、
    前記水酸基に2級または3級の有機ハロゲン化合物を作用させて重合開始点を形成し、
    前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させて前記改質対象物の表面にポリマーブラシを成長させ、
    前記ポリマーブラシを、ジエンまたはビニル基とアルキルフッ素基とを有するモノマーにより形成する
    ことを特徴とする表面改質方法。
  5. 前記2級または3級の有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化エステル基を含み、
    トリアルキルアミンの共存下で2級または3級の有機ハロゲン基を持つ前記重合開始点を形成する
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表面改質方法。
  6. 前記改質対象物の表面にポリマーブラシを成長させる重合反応が、I価の銅化合物と塩基とを触媒として用いる原子移動ラジカル重合(ATRP)、またはII価の銅化合物と塩基とからなる触媒に還元剤を系中に共存させた原子移動ラジカル重合のAGET ATRP法もしくはARGET ATRP法である遷移金属触媒ラジカル重合による
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表面改質方法。
  7. 前記遷移金属錯体触媒としてII価の銅化合物を使用する
    求項6に記載の表面改質方法。
  8. 前記還元剤として有機または無機の還元剤を使用する
    請求項6または請求項7に記載の表面改質方法。
  9. 前記還元剤としてアスコルビン酸を使用する
    請求項または請求項7に記載の表面改質方法。
  10. 改質後の表面の静摩擦係数が0.5以下および動摩擦係数が0.25以下であり、かつ前記表面が水に濡れたときの静摩擦係数が0.4以下および動摩擦係数が0.2以下となるように前記改質対象物の表面に水酸基を生成し、前記重合開始点を起点にして前記モノマーをラジカル重合させて前記表面にポリマーブラシを成長させる
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の表面改質方法。
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