JP6030374B2 - 表面改質方法並びに表面改質弾性体、注射器用ガスケット及びタイヤ - Google Patents

表面改質方法並びに表面改質弾性体、注射器用ガスケット及びタイヤ Download PDF

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本発明は、表面改質方法、並びに該改質方法により得られる表面改質弾性体、注射器用ガスケット及びタイヤに関する。
シール状態を維持しながら摺動する部分、例えば、注射器のプランジャーに一体化されてプランジャーとシリンジのシールを行うガスケットには、シール性を重視し、ゴム等の弾性体が使用されているが、摺動性に若干問題がある(特許文献1参照)。そのため、摺動面にシリコーンオイルなどの摺動性改良剤を塗布しているが、最近上市されているバイオ製剤にシリコーンオイルが悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。一方、摺動性改良剤を塗布していないガスケットは摺動性に劣るため、投与の際にプランジャーを円滑に押せずに脈動し、注入量が不正確になる、患者に苦痛を与えるなどの問題が生じる。
このような、シール性と摺動性の相反する要求を満たすため、自己潤滑性を有するPTFEフィルムを被覆する技術が提案されているが(特許文献2参照)、一般に高価なため、加工製品の製造コストが上昇し、応用範囲が限定されてしまう。また、PTFEフィルムを被覆した製品を、摺動などが繰り返され耐久性が要求される用途に適用することについて、信頼性の不安もある。更に、PTFEフィルムは放射線に弱いため、照射線による滅菌ができないという問題もある。
また、水存在下での摺動性が要求される他の用途への応用も考えられる。すなわち、プレフィルドシリンジのシリンジ内面や水を送るための管又はチューブの内面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、または目覚しく下げることでロスなく水を送れる。タイヤの溝表面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、または目覚しく下げることでウエットや雪上路面での水や雪のはけが良くなり、結果としてハイドロプレーニング性、グリップ性が向上し安全性が改善される。タイヤのサイドウォール面や建物の壁の摺動抵抗を減少させることや、水との接触角を上げることでゴミや粉塵が付着しにくくなることも期待できる。
更に、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラム弁などのダイヤフラムで水又は水溶液等を送る時の圧損が少なくなる。スキー板やスノーボード板の滑走面の摺動性を高めることで滑りやすくなる。道路標識や看板の摺動性を高めて雪が滑りやすくすることで標識が見やすくなる。船の外周面の摺動抵抗を低下させることや、水との接触角を上げることで水の抵抗が減少するとともに外周面に菌が付着しにくくなる。水着の糸表面の摺動性を改良することで水の抵抗が減る、などの有利な効果も期待できる。
特開2004−298220号公報 特開2010−142537号公報
本発明は、前記課題を解決し、高価な自己潤滑性を有する樹脂を使用することなく、優れた摺動性、及び摺動の繰り返しに対する耐久性を付与し、かつシール性も維持できる加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーの表面改質方法を提供することを目的とする。また、該表面改質方法により得られる表面改質弾性体、注射器用ガスケット、及びタイヤを提供することも目的とする。
加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に硫黄含有重合開始点を形成する工程1と、前記硫黄含有重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む表面改質方法に関する。
前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有することが好ましい。
前記硫黄含有重合開始点は、前記改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させて形成されることが好ましい。
前記重合開始剤は、チオキサントン系化合物であることが好ましい。
前記重合開始剤が、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)であることが好ましい。
更に、吸着させた前記重合開始剤に光を照射して前記改質対象物の表面に化学結合させることが好ましい。
前記ラジカル重合が光ラジカル重合であることが好ましい。
前記光は、波長300〜450nmの紫外線であることが好ましい。
前記光照射時又は光照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換されることが好ましい。
前記モノマーは、イオン性モノマー及び双イオン性モノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸イソデシル、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記モノマーは、下記式で示される化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006030374
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
前記ポリマー鎖は、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるものであることが好ましい。
Figure 0006030374
前記モノマーは、フルオロアルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記フルオロアルキル基含有モノマーは、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、及び3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記フルオロアルキル基含有モノマーは、下記式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006030374
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 0006030374
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 0006030374
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 0006030374
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、1又は2の整数を表す。)
前記光ラジカル重合は、前記改質対象物の表面又は前記重合開始剤が吸着若しくは共有結合した改質対象物の表面に、ラジカル重合性モノマー(液体)又はその溶液を接触させ、光を照射して重合を進行させることが好ましい。
前記ラジカル重合性モノマー(液体)又はその溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させることが好ましい。
前記重合禁止剤が4−メチルフェノールであることが好ましい。
前記ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmであることが好ましい。
本発明は、前記表面改質方法により得られる表面改質弾性体に関する。
本発明は、前記表面改質方法により得られる水存在下又は乾燥状態での摺動性、低摩擦又は水の低抵抗が要求される表面改質弾性体に関する。
本発明は、前記表面改質方法により三次元形状の固体表面の少なくとも一部が改質された表面改質弾性体に関する。
前記表面改質弾性体は、ポリマーブラシであることが好ましい。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットに関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤに関する。
本発明によれば、熱可塑性エラストマー又は加硫ゴム(改質対象物)の表面に硫黄含有重合開始点を形成する工程1と、上記硫黄含有重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、上記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む表面改質方法であるので、改質対象物表面に、優れた摺動性、及び摺動の繰り返しに対する耐久性を付与できるとともに、良好なシール性も得ることもできる。従って、該方法を用いて対象物表面にポリマー鎖を形成することで、以上の性能に優れた注射器用ガスケットなどの表面改質弾性体を提供できる。また、改質された表面改質弾性体は、PTFEのポリマー骨格を持たないため、γ線などの放射線での滅菌が可能である。更に、ホスホリン基を側鎖に持つものは生体適合性があるため、バイオ製剤の中のタンパク質の吸着や凝集を防ぐことができる。
注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。 空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部の展開図の一例である。 図2のA1−A1における断面図の一例である。
本発明の表面改質方法は、熱可塑性エラストマー又は加硫ゴムを改質対象物とし、該改質対象物の表面に硫黄含有重合開始点を形成する工程1と、形成された硫黄含有重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む。
工程1では、加硫成形後のゴム又は成形後の熱可塑性エラストマー(改質対象物)の表面に硫黄含有重合開始点を形成する。
上記加硫ゴム、上記熱可塑性エラストマーとしては、二重結合に隣接する炭素原子(アリル位の炭素原子)を有するものが好適に使用される。
改質対象物としてのゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、脱タンパク天然ゴムなどのジエン系ゴム、及びイソプレンユニットを不飽和度として数パーセント含むブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの場合、加硫ゴムからの抽出物が少なくなる点から、トリアジンによる架橋ゴムが好ましい。この場合、受酸剤を含んでもよく、好適な受酸剤としては、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウムが挙げられる。
他のゴムの場合は、硫黄加硫が好ましい。その場合、硫黄加硫で一般に使用されている加硫促進剤、酸化亜鉛、フィラー、シランカップリンング剤などの配合剤を添加してもよい。フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどを好適に使用できる。
なお、ゴムの加硫条件は適宜設定すれば良く、ゴムの加硫温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、更に好ましくは175℃以上である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、可塑性成分(ハードセグメント)の集まりが架橋点の役割を果たすことにより常温でゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン−ブタジエンスチレン共重合体などの熱可塑性エラストマー(TPE)など);熱可塑性成分及びゴム成分が混合され架橋剤によって動的架橋が行われたゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン系ブロック共重合体又はオレフィン系樹脂と、架橋されたゴム成分とを含むポリマーアロイなどの熱可塑性エラストマー(TPV)など)が挙げられる。
また、他の好適な熱可塑性エラストマーとして、ナイロン、ポリエステル、ウレタン、ポリプロピレン、及びそれらの動的架橋熱可塑性エラストマーが挙げられる。動的架橋熱可塑性エラストマーの場合、ハロゲン化ブチルゴムを熱可塑性エラストマー中で動的架橋したものが好ましい。この場合の熱可塑性エラストマーは、ナイロン、ウレタン、ポリプロピレン、SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)などが好ましい。
硫黄含有重合開始点は、例えば、改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させることで形成される。重合開始剤としては、硫黄含有重合開始剤が挙げられ、例えば、硫黄を含有するカルボニル化合物、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、なかでも、硫黄含有カルボニル化合物が好ましい。また、重合開始剤は、水素引き抜きタイプの重合開始剤が好ましい。
重合開始剤としては、重合速度が速い点、及びゴムなどに吸着及び/又は反応し易い点から、チオキサントン系化合物が好ましい。例えば、下記式(4)で表される化合物を好適に使用できる。
Figure 0006030374
(式(4)中、において、R〜R及びR′〜R′は、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。)
〜R及びR′〜R′のハロゲン原子としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜20のものが好ましい。環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜10のものが好ましい。アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14のものが好ましい。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−フェニルエテニル基、2−(置換フェニル)エテニル基等の炭素数2〜14のものが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6のものが好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−メトキシフェニル、p−オクチルオキシフェニル等の炭素数6〜14のものが好ましい。
上記式(4)で示されるチオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−ビニルチオキサントン、2,4−ジビニルチオキサントン2,4−ジフェニルチオキサントン、2−ブテニル−4−フェニルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−p−オクチルオキシフェニル−4−エチルチオキサントンなどが挙げられる。なかでも、R〜R及びR′〜R′のうちの1〜2個、特に2個がアルキル基により置換されているものが好ましく、384nmにUV吸収波長があり、365nm及び/又は375nmのUV光の吸収効率が高いとう点から、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)が特に好ましい。
チオキサントン系化合物などの重合開始剤の改質対象物表面への吸着方法は、公知の方法を用いれば良い。例えば、チオキサントン系化合物については、対象物の改質する表面部位を、チオキサントン系化合物を有機溶媒に溶解させて得られた溶液で処理することで表面に吸着させ、必要に応じて有機溶媒を乾燥により蒸発させることにより、硫黄含有重合開始点が形成される。表面処理方法としては、該チオキサントン系化合物溶液を改質対象物の表面に接触させることが可能であれば特に限定されず、例えば、該チオキサントン系化合物溶液の塗布、吹き付け、該溶液中への浸漬などが好適である。更に、一部の表面にのみ表面改質が必要なときには、必要な一部の表面にのみ重合開始剤を吸着させればよく、この場合には、例えば、該溶液の塗布、該溶液の吹き付けなどが好適である。上記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、THFなどを使用できるが、改質対象物を膨潤させない点、乾燥・蒸発が早い点でアセトンが好ましい。
また、改質対象部位にチオキサントン系化合物溶液による表面処理を施して硫黄含有重合開始剤を吸着させた後、更に光を照射して改質対象物の表面に化学結合させることが好ましい。例えば、波長300〜450nm(好ましくは300〜400nm、より好ましくは350〜400nm)の紫外線を照射して、チオキサントン系化合物を表面に固定化できる。
工程2では、工程1で形成された硫黄含有重合開始点を起点にして、モノマーのラジカル重合を生じさせることで、改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる。
モノマーとしては、ビニル基などの重合性不飽和結合を持つモノマー、更に置換基や側鎖を持つモノマー、又は、置換基や側鎖などにイオン性基を有するイオン性モノマーを使用できる。イオン性モノマーとしては、例えば、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモノマー(カチオン性モノマー);スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか、又は負の荷電に解離しうる酸性基を有するモノマー(アニオン性モノマー)が挙げられる。
イオン性モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、3−ビニルプロピオン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらのアルカリ金属塩及びアミン塩;アリルアミン、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、これらのハロゲン化水素酸塩;3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
モノマーとしては、下記式で示される化合物を挙げることもできる。
Figure 0006030374
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記式で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
モノマーとして、カルボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインなどの双性イオン性モノマー(双性イオン性基含有化合物:永久陽電荷の中心及び陰電荷の中心を有する化合物)も使用できる。優れた摺動性、耐久性が得られ、かつ良好なシール性も維持できる点から、双性イオン性モノマーとして、下記式(5)で示される化合物を使用でき、なかでも、下記式(6)で表される化合物が好適である。
Figure 0006030374
(式中、R11は−H又は−CH、Xは−O−又はNH−、mは1以上の整数、Yは双性イオン性基を表す。)
式(5)において、R11は−CH、Xは−O−、mは1〜10が好ましい。Yで表される双性イオン性基において、カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムなどの第四級アンモニウム、アニオンとしては、カルボン酸、スルホン酸、ホスフェートなどが挙げられる。
Figure 0006030374
(式中、R11は−H又は−CH、p及びqは1以上の整数、Y及びYは反対の電荷を有するイオン性官能基を表す。)
式(6)において、pは2以上の整数が好ましく、2〜10の整数がより好ましい。qは1〜10の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましい。また、好ましいR11は前記と同様である。Y及びYは、前記カチオン、アニオンと同様である。
前記双性イオン性モノマーの好適な代表例としては、下記式(6−1)〜(6−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006030374
(式中、R11は水素原子又はメチル基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 0006030374
(式中、R11は水素原子又はメチル基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 0006030374
(式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数1〜6の炭化水素基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 0006030374
(式中、R11は水素原子又はメチル基、R13、R14及びR15は、同一若しくは異なって炭素数1又は2の炭化水素基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
上記式(6−1)で表される化合物としては、ジメチル(3−スルホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(6−2)で表される化合物としては、ジメチル(2−カルボキシエチル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(6−3)で表される化合物としては、ジメチル(3−メトキシホスホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(6−4)で表される化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
また、上記ビニル基などの重合性不飽和結合を持つモノマーや更に置換基や側鎖を持つモノマーの具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸イソデシルなどが挙げられる。
上記のモノマーのなかでも、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが生体適合性の点で特に好ましい。
工程2において、他の重合性不飽和結合を持つモノマーとして、フルオロアルキル基含有モノマーも使用できる。フルオロアルキル基含有モノマーは、ビニル基などの1個のラジカル重合性基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有する化合物であれば特に限定されることなく使用可能である。ここで、フルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換された基であり、炭素数7〜30のフルオロアルキル基が更に好ましく、末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜30のフルオロアルキル基が特に好ましい。
フルオロアルキル基含有モノマーは、モノマー中のフッ素原子量の割合が、モノマーの分子量に対して45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
フルオロアルキル基含有モノマーとしては、A−B(Aはラジカル重合性基、Bはフルオロアルキル基を示す。)で表される化合物を好適に使用できる。例えば、下記式で示される。
Figure 0006030374
(式中、Raは、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。Aは、−O−、−NH−を表す。Bは、置換基を有してもよいアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を表し、存在しなくてもよい。Cは、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。Rfは、置換基を有してもよいフルオロアルキル基を表す。)
Bで示されるアルキレン基の炭素数は1〜15が好ましく、ポリオキシアルキレン基は(RO)で示されるもので、Rの炭素数は1〜10、重合度wは1〜150が好ましく、該アルキレン基及び該ポリオキシアルキレン基は置換基を有するものであってもよい。更に、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数2〜40のフルオロアルキル基が好ましく、置換基を有するものであってもよい。B及びRfにおける置換基としては特に限定されず、水酸基などが挙げられる。
上記フルオロアルキル基含有モノマーとしては、重合が容易なことから、下記式(7)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006030374
(式中、R21は水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基、R22は炭素数1〜4のアルキレン基、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜30のフルオロアルキル基を示す。)
21は水素原子又はメチル基が好ましく、R22は炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。また、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜20のフルオロアルキル基が好ましい。
前記式(7)で表される好適な化合物としては、下記式(7−1)〜(7−3)で表される(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
Figure 0006030374
(式中、R23は水素原子又はメチル基、kは7、8、9、10、11又は12を示す。)
フルオロアルキル基含有モノマーの具体例としては、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、HC=CHCOCH(CFCF、HC=CHCOCH(CFCF、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl methacrylate、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl methacrylate、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)などが挙げられる。なかでも、γ線滅菌に耐性が高いという点から、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)が好ましい。これらは単独又は2種以上を併用できる。
フルオロアルキル基含有モノマーとしてフルオロアルキル基を側鎖に持つビニルモノマーが使用可能であり、なかでも、側鎖の末端にフルオロアルキル基、二重結合側に近い部位にオキシアルキレン基を有するモノマーが好ましい。具体的には、下記式(8)で表されるモノマーを好適に使用できる。
Figure 0006030374
(式(8)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
また、フルオロアルキル基含有モノマーとしては、下記式(9)、(10)、(11)で表されるモノマーも好適である。
Figure 0006030374
(式(9)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 0006030374
(式(10)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 0006030374
(式(11)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、1又は2の整数を表す。)
(R41O)w1、(CHw2などの分子運動性の高い構造を、重合後の主鎖になるCH=CR31と、(CFCFのフルオロアクリル基の間に置くことにより、(CFCF基やCF基が乾燥状態では表面に偏在しやすくなり、摺動性が向上するという点で好ましい。
モノマーのラジカル重合の方法は特に限定されず、公知の手法を使用できる。チオキサントン系化合物などが吸着又は共有結合した改質対象物の表面に、ラジカル重合性モノマー(液体)若しくはその溶液を改質対象物に塗工(噴霧)し、又は、改質対象物をラジカル重合性モノマー(液体)若しくはその溶液に浸漬し、紫外線などの光を照射することでラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、改質対象物表面にポリマー鎖が成長する。さらに前記塗工後に、表面に透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射することでラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、改質対象物表面にポリマー鎖が成長させることも出来る。
塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、従来公知の材料及び方法を適用できる。なお、ラジカル重合性モノマーの溶液としては、水溶液又は使用する重合開始剤(チオキサントン系化合物など)を溶解しない有機溶媒に溶解させた溶液が使用される。また、ラジカル重合性モノマー(液体)、その溶液として、4−メチルフェノールなどの公知の重合禁止剤を含むものも使用できる。
本発明では、モノマー(液体)若しくはその溶液の塗布後又はモノマー若しくはその溶液への浸漬後、光エネルギー照射することでラジカル重合が進行するが、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプなどのUV照射光源を好適に利用できる。照射光量は、重合時間や反応の進行の均一性を考慮して適宜設定すればよい。また、反応容器内における酸素などの活性ガスによる重合阻害を防ぐために、光照射時又は光照射前において、反応容器内や反応液中の酸素を除くことが好ましい。そのため、反応容器内や反応液中に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入して酸素などの活性ガスを反応系外に排出し、反応系内を不活性ガス雰囲気に置換すること、などが適宜行われている。更に、酸素などの反応阻害を防ぐために、UV照射光源をガラスやプラスチックなどの反応容器と反応液や改質対象物の間に空気層(酸素含有量が15%以上)が入らない位置に設置する、などの工夫も適宜行われる。
紫外線を照射する場合、その波長は、好ましくは300〜450nm、より好ましくは300〜400nmである。これにより、改質対象物の表面に良好にポリマー鎖を形成できる。300nm未満の紫外線は、表面からではなく、モノマーを単独で重合させフリーポリマーを生成させてしまうという弊害もある。光源としては高圧水銀ランプや、365nmの中心波長を持つLED、375nmの中心波長を持つLEDなどを使用することが出来る。中でも365nmの中心波長を持つLEDなどが効率の点から好ましい。
工程2で形成されるポリマー鎖としては、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるものが好ましい。これにより、優れた摺動性、耐久性が得られ、かつ良好なシール性も維持できる。
Figure 0006030374
nは、好ましくは20〜200000、より好ましくは350〜50000である。
20未満であると、ポリマー鎖が短すぎて、改質対象物の表面の凹凸に埋もれてしまい、摺動性が発揮されない傾向がある。200000を超えると、使用するモノマー量が多くなり、経済的に不利となる傾向がある。また、Rの炭化水素基としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。
また、工程2で形成されるポリマー鎖としては、上記式(7)で表されるフルオロアルキル基含有モノマーの重合により形成されるものも好ましい。これにより、優れた摺動性、耐久性が得られ、かつ良好なシール性も維持できる。形成されるポリマー鎖の重合度は、好ましくは20〜200000、より好ましくは350〜50000である。
工程2で形成されるポリマー鎖の長さは、好ましくは10〜50000nm、より好ましくは100〜50000nmである。10nm未満であると、良好な摺動性が得られない傾向がある。50000nmを超えると、摺動性の更なる向上が期待できず、高価なモノマーを使用するために原料コストが上昇する傾向があり、また、表面処理による表面模様が肉眼で見えるようになり、美観を損ねたり、シール性が低下する傾向がある。
上記工程2では、硫黄含有重合開始点を起点にして2種以上のモノマーをラジカル重合させてもよく、また、改質対象物の表面に複数のポリマー鎖を成長させてもよい。本発明の表面改質方法は、ポリマー鎖間を架橋してもよい。この場合、ポリマー鎖間には、イオン架橋、酸素原子を有する親水性基による架橋が形成されてもよい。
加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、表面改質弾性体が得られる。得られた表面改質弾性体は、水存在下又は乾燥状態での摺動性に優れている。低摩擦であり、水の抵抗が少ないという点にも優れている。また、三次元形状の固体(弾性体など)の少なくとも一部に前記方法を適用することで、改質された表面改質弾性体が得られる。更に、該表面改質弾性体の好ましい例としては、ポリマーブラシ(高分子ブラシ)が挙げられる。ここで、ポリマーブラシとは、表面開始リビングラジカル重合によるgrafting fromのグラフトポリマーを意味する。また、グラフト鎖は、改質対象物の表面から略垂直方向に配向しているものがエントロピーが小さくなり、グラフト鎖の分子運動が低くなることにより、摺動性が得られて好ましい。更に、ブラシ密度として、0.01chains/nm以上である準濃度及び濃度ブラシが好ましい。
また、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットを製造できる。改質は、少なくともガスケット表面の摺動部に施されていることが好ましく、表面全体に施されていてもよい。
図1は、注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。図1に示されているガスケット1は、注射器の注射筒内周面と接触する外周面に、連続して円周方向に突出した3つの環状突起部11a、11b、11cを有している。ガスケット1において、前記表面改質を適用する部位としては、(1)環状突起部11a、11b、11cなどのシリンジと接する突起部表面、(2)環状突起部11a、11b、11cを含む側面の表面全部、(3)該側面の表面全部と底面部の表面13、などが挙げられる。
更に、乗用車などの車両に使用されるタイヤのトレッドに形成された溝に前記表面改質方法を適用し、溝にポリマーブラシを生成させることにより、ウエットや雪上路面における溝表面の流体抵抗が下がったり、水との接触角が上がったりするので、水や雪の排除および、はけを向上させ、グリップ性を改善できる。
図2は、空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部の展開図の一例、図3は、図2のA1−A1断面図の一例を示す。
図2〜3において、中央縦溝3a(溝深さD1)、ショルダー縦溝3b(溝深さD2)は、タイヤ周方向に直線状にのびるストレート溝で構成される。このようなストレート溝は、排水抵抗を小さくし、直進走行時に高い排水性能を発揮しうる。
また、空気入りタイヤは、ショルダー縦溝3b側でタイヤ周方向にのびる細溝5(溝深さD3)、この細溝5から中央縦溝3aに向かって傾斜してのびる中間傾斜溝6(溝深さD4)、細溝5よりもタイヤ軸方向内側に位置しかつタイヤ周方向で隣り合う中間傾斜溝6、6間を接続する継ぎ溝7(溝深さD5)、ショルダー縦溝3bからタイヤ外間に向かうショルダー横溝8、8a、8b(溝深さD6)などが配され、このような溝でも排水性能が発揮しうる。そして、これらの溝に前記方法を適用することで、前述の効果が発揮される。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴム(180℃で10分加硫)を2,4−Diethylthioxanthoneの3wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面に2,4−Diethylthioxanthoneを吸着させた。その後、加硫ゴムを取り出し乾燥した。UV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を30分照射して、2,4−Diethylthioxanthoneをゴム表面に固定した。その後、ゴム表面をアセトンで洗浄し、固定しなかった2,4−Diethylthioxanthoneを洗い流した。
乾燥した加硫ゴムをアクリル酸の水溶液の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つUV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を10分照射してラジカル重合を行ってゴム表面にポリマー鎖を成長させ、表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
(実施例2)
アクリル酸に代えてアクリル酸tert-ブチルを使用した以外は実施例1と同様にして表面改質弾性体を作製した。
(実施例3)
アクリル酸に代えてアクリル酸イソデシル(Miwon社製のM300)を使用した以外は実施例1と同様にして表面改質弾性体を作製した。
(比較例1)
クロロブチルゴムをトリアジンで架橋した加硫ゴム(180℃で10分加硫)を使用した。
(比較例2)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴム(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの3wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させた。その後、加硫ゴムを取り出し乾燥した。UV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を10分照射して、ベンゾフェノンをゴム表面に固定した。その後、ゴム表面をアセトンで洗浄し、固定しなかったベンゾフェノンを洗い流した。
乾燥した加硫ゴムをアクリル酸の水溶液の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つUV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を30分照射してラジカル重合を行ってゴム表面にポリマー鎖を成長させ、表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
(実施例4)
下記表1の配合1で、硫黄、加硫促進剤以外をバンバリーミキサーで混練りし、更にロールにて硫黄と加硫促進剤を混練りし、配合ゴムを作製した。なお、使用材料は以下のとおりである。
〔使用材料〕
S−SBR :日本ゼオン(株)NS116R
BR :宇部興産(株)BR150L
NR :TSR20
EPDM :住友化学社製エスプレン505A
カーボンブラック1 :三菱化学(株)製ダイヤブラックI
カーボンブラック2 :東海カーボン社製シーストSO
シリカ :デグサ社製ウルトラジル UV3
シランカップリング剤 :デグサ社製Si266
オイル :ジャパンエナジー社製のX140
酸化亜鉛 :三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸 :日油(株)製のビーズステアリン酸「椿」
硫黄 :鶴見化学(株)製の硫黄200メッシュ
加硫促進剤 :大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
得られたゴムをLAT用金型で170℃20分で加硫した。そして、その加硫ゴムを2,4−Diethylthioxanthoneの3wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面に2,4−Diethylthioxanthoneを吸着させた。その後、加硫ゴムを取り出し乾燥した。UV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を30分照射して、2,4−Diethylthioxanthoneをゴム表面に固定した。その後、ゴム表面をアセトンで洗浄し、固定しなかった2,4−Diethylthioxanthoneを洗い流した。
乾燥した加硫ゴムをアクリル酸の水溶液の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つUV_LED光(2mW/cm)で、紫外線を30分照射してラジカル重合を行ってゴム表面にポリマー鎖を成長させ、表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
(実施例5)
下記表1の配合2を用いたこと以外は、実施例4と同様にして表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
(実施例6)
下記表1の配合3を用いたこと以外は、実施例4と同様にして表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
(比較例3)
下記表1の配合1を用いて、2,4−Diethylthioxanthoneに代えてベンゾフェノンを用いたこと以外は、実施例4と同様にして表面改質弾性体(ポリマーブラシ)を得た。
Figure 0006030374
実施例、比較例で作製した表面改質弾性体を以下の方法で評価した。
(ポリマー鎖の長さ)
加硫ゴム表面に形成されたポリマー鎖の長さは、ポリマー鎖が形成された改質ゴム断面を、SEMを使用し、加速電圧15kV、1000倍で測定した。撮影されたポリマー層の厚みをポリマー鎖の長さとした。
(接触角)
First Ten Angstroms, Inc.製のFTÅ125を使用して水の接触角を測定した。なお、接触角は、表面に水2μLを滴下して、滴下後の時間に伴う値の変化を測定したものである。
(静摩擦係数及び動摩擦係数)
表面改質弾性体の表面の静摩擦係数、動摩擦係数、及びそれぞれに水を200μL滴下したサンプル表面の静摩擦係数、動摩擦係数を、ASTM D1894に規定された方法に準拠して測定した。また、サンプルは、ホウケイ酸ガラスと接触させて、ホウケイ酸ガラスとの間の摩擦力を測定した。なお、摩擦係数の測定のための荷重は200g、引張速度は600mm/min、ロード距離は10cmの条件で測定した。装置は、ヘイドンtype14(新東科学(株)製)を使用した。
Figure 0006030374
表2より、実施例で作製した表面改質弾性体表面は、比較例1の非改質加硫ゴムに比べ、水の接触角が大きく下がり、親水化されていることが明らかとなった。
また、実施例の表面改質弾性体表面は、静摩擦係数、動摩擦係数が大きく下がり、良好な摺動性が得られることが明らかとなった。また、表面のみ改質したものであるため、シール性は、比較例1と同等であった。
従って、注射器のプランジャーのガスケットに使用した場合、十分なシール性とともにプランジャーのシリンジに対する摩擦力が軽減され、注射器による処置を容易にかつ正確に行うことができる。また、静摩擦係数と動摩擦係数との差が少ないため、プランジャーの押し始めとその後のプランジャー進入動作とを脈動させることなく円滑に行うことができる。更に、注射器のシリンジを熱可塑性エラストマーで作製し、その内表面にポリマー鎖を生成させたときも、上記と同様に注射器による処方を容易に行うことができる。
また、乗用車などに使用されるタイヤのトレッドに形成された溝、サイドウォール、ダイヤフラム、スキーやスノーボード板の滑走面、水泳水着、道路標識、看板などの表面にポリマー鎖を形成することで、前述の効果も期待できる。
1 ガスケット
11a、11b、11c 環状突起部
13 底面部の表面
2 トレッド部
3a 中央縦溝
3b ショルダー縦溝
5 細溝
6 中間傾斜溝
7 継ぎ溝
8、8a、8b ショルダー横溝

Claims (26)

  1. 加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記改質対象物の表面に硫黄含有重合開始点を形成する工程1と、
    前記硫黄含有重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含み、
    前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有する表面改質方法。
  2. 前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーがジエン系ゴム、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである請求項1記載の表面改質方法。
  3. 前記硫黄含有重合開始点は、前記改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させて形成される請求項1又は2記載の表面改質方法。
  4. 前記重合開始剤は、チオキサントン系化合物である請求項3記載の表面改質方法。
  5. 前記重合開始剤が、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)である請求項3又は4記載の面改質方法。
  6. 更に、吸着させた前記重合開始剤に光を照射して前記改質対象物の表面に化学結合させる請求項3〜5のいずれかに記載の表面改質方法。
  7. 前記ラジカル重合が光ラジカル重合である請求項1〜6のいずれかに記載の表面改質方法。
  8. 前記光は、波長300〜450nmの紫外線である請求項記載の表面改質方法。
  9. 前記光照射時又は光照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換される請求項7又は8記載の表面改質方法。
  10. 前記モノマーは、イオン性モノマー及び双性イオン性モノマーからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  11. 前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸イソデシル、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  12. 前記モノマーは、下記式で示される化合物の少なくとも1種である請求項1〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
    Figure 0006030374
    (式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
  13. 前記ポリマー鎖は、下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるものである請求項1〜11のいずれかに記載の表面改質方法。
    Figure 0006030374
  14. 前記モノマーは、フルオロアルキル基含有モノマーである請求項1〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  15. 前記フルオロアルキル基含有モノマーは、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、及び3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項14記載の表面改質方法。
  16. 前記フルオロアルキル基含有モノマーは、下記式(8)、(9)、(10)又は(11)で表される化合物である請求項14記載の表面改質方法。
    Figure 0006030374
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 0006030374
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 0006030374
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 0006030374
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、1又は2の整数を表す。)
  17. 前記光ラジカル重合は、前記改質対象物の表面又は前記重合開始剤が吸着若しくは共有結合した改質対象物の表面に、ラジカル重合性モノマー(液体)又はその溶液を接触させ、光を照射して重合を進行させる請求項7〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  18. 前記ラジカル重合性モノマー(液体)又はその溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させる請求項17記載の表面改質方法。
  19. 前記重合禁止剤が4−メチルフェノールである請求項18記載の表面改質方法。
  20. 前記ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmである請求項1〜19のいずれかに記載の表面改質方法。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の表面改質方法により得られる表面改質弾性体。
  22. 請求項1〜20のいずれかに記載の表面改質方法により得られる水存在下又は乾燥状態での摺動性、低摩擦又は水の低抵抗が要求される表面改質弾性体。
  23. 請求項1〜20のいずれかに記載の表面改質方法により三次元形状の固体表面の少なくとも一部が改質された表面改質弾性体。
  24. ポリマーブラシである請求項21〜23のいずれかに記載の表面改質弾性体。
  25. 請求項1〜20のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット。
  26. 請求項1〜20のいずれかに記載の表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤ。
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