JPH08118417A - ポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体およびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体およびその製造方法

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JPH08118417A
JPH08118417A JP6253707A JP25370794A JPH08118417A JP H08118417 A JPH08118417 A JP H08118417A JP 6253707 A JP6253707 A JP 6253707A JP 25370794 A JP25370794 A JP 25370794A JP H08118417 A JPH08118417 A JP H08118417A
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JP
Japan
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silicone rubber
polyurethane
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molded product
curing
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Application number
JP6253707A
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English (en)
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Hideki Ueno
秀樹 上野
Tatsuhiko Sawamura
立彦 沢村
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2083/00Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only, in the main chain, as moulding material
    • B29K2083/005LSR, i.e. liquid silicone rubbers, or derivatives thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2209/00Layers
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面の少なくとも一部がポリウレタン樹脂ま
たはポリウレタンゴムの薄膜で被覆されたシリコーンゴ
ム成形体;および金型のキャビティの少なくとも一部に
ポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴムの薄膜を形成
し、上記の薄膜を形成したキャビティに、液状シリコー
ンゴム組成物を射出し、該組成物を80〜200℃の温
度で接着、硬化させることを特徴とするこれらの成形体
の製造方法。 【効果】 シリコーンゴムの表面に強固に接着したポリ
ウレタン被覆層を形成し、耐油性、耐油脂性および耐摩
耗性に優れた成形体を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン被覆シリコ
ーンゴム成形体、およびその製造方法に関する。さらに
詳しくは、ポリウレタン被覆層がシリコーンゴムに強固
に接着したポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体と、
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐
候性、安全性、意匠性などに優れていることから、型成
形、押出し成形などの方法によって成形され、電気・電
子産業、自動車・輸送関連産業、化学産業、食品産業、
医療産業、建築産業などの多方面の分野に使用されてい
る。シリコーンゴムは、上記のような優れた諸特性を有
する反面、耐油性が十分ではない。多くのシリコーンゴ
ムは、ベースポリマーである高分子量ポリジオルガノシ
ロキサンが主としてジメチルシロキシ単位からなるの
で、脂肪族系または芳香族系の炭化水素溶媒や石油類に
対して抵抗性が低く、容易に膨潤してしまう。また、近
年、金属バネスイッチの代わりに、ゴム弾性を利用した
シリコーンゴムスイッチが普及してきているが、通常の
シリコーンゴムは、手に付着した各種油脂の浸透によ
り、ゴム弾性の変化、耐久性機能の低下、さらには表面
外観の変化を呈するようになる。
【0003】そこで、このような問題を解決するため
に、ベースポリマーとして用いるポリジオルガノシロキ
サンに、たとえば3,3,3−トリフルオロプロピル基
のようなフッ素化炭化水素側鎖を有するシロキサン単位
を導入するなど、シリコーンゴムの耐油性、耐油脂性を
改良する試みが行われている。
【0004】しかし、上記の耐油性などの改良に、シリ
コーンゴム表面の改質ではなく、このようなフッ素化炭
化水素側鎖を導入することは、ゴム全体に用いられるベ
ースポリマーの分子構造を大きく変えることを意味し、
そのためポリマーの製造プロセスからの変更が必要であ
り、製造工程が複雑となって、生産性や経済性を損ねる
ことになる。
【0005】さらにまたシリコーンゴム表面の粘着性、
粘着感に関しては、ジメチルシロキシ単位からなるポリ
ジオルガノシロキサンよりも、メチルトリフルオロプロ
ピルシロキシ単位を有するシリコーンゴムの方が大き
く、塵埃、ごみの付着の点では、上記のベースポリマー
の改質による改善の効果はない。
【0006】また、シリコーンゴムを車両用のワイパー
ブレードに使用した場合は、ワイパーブレードとガラス
面との間に凝着現象が起こり、ワイパーの作動が停止す
るいわゆるロック現象や、摩擦係数の速度依存性が負特
性を示すことによる自励振動、いわゆるびびり現象が発
生して、払拭不良、およびブレードのゴム表面の異常摩
擦が起こり、そのため、単にブレードゴムが摩耗するだ
けでなく、ワイパーシステムの接続部の寿命も短くなる
という問題点があった。
【0007】また、メガネパッドやイヤホーンなどにお
ける、皮膚に接して用いられるゴム部材には、触感が優
れていることから、シリコーンゴムが広く用いられてい
る。しかし、それらを長期間皮膚に接して用いると、皮
膚から分泌される油脂によって汚染され、着色するとい
う問題がある。
【0008】一方、シリコーンゴム成形体の表面を、耐
摩耗性に優れ、耐油性や耐油脂性に優れたポリウレタン
樹脂またはポリウレタンゴムで被覆することが試みられ
たが、両者の界面が満足しうる接着性を得るに至らず、
そのため、これらポリウレタンで被覆されたシリコーン
ゴム成形体は得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
のような問題点を解決して、ポリウレタン樹脂またはポ
リウレタンゴムで被覆され、該被覆層との間に優れた接
着性を有するポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体お
よびその簡便な製造方法を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの目的は、シリコーンゴ
ムのベースポリマーの分子構造を変えることなく、ワイ
パーブレードなど、耐摩耗性、耐油性および耐油脂性に
優れたシリコーンゴム部品を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために研究を重ねた結果、金型のキャビテ
ィの少なくとも一部をポリウレタンでコートした後、該
キャビティに未硬化の液状シリコーンゴム組成物を射出
し、加熱してシリコーンゴムをポリウレタンに接着、硬
化させることにより、層間接着力の優れたポリウレタン
被覆シリコーンゴム成形体が得られるこを見出し、ま
た、このようにして得られたポリウレタン被覆シリコー
ンゴム成形体が、ワイパーブレードなどの各種部品にお
いて生ずる前述の諸問題を解決することを見出して、本
発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、表面の少なくとも一
部がポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴムの薄膜で
被覆されたシリコーンゴム成形体に関する。
【0013】さらに、本発明は(A)金型のキャビティ
の少なくとも一部にポリウレタン樹脂またはポリウレタ
ンゴムの薄膜を形成し; (B)上記の薄膜を形成したキャビティに、液状シリコ
ーンゴム組成物を射出し; (C)該組成物を80〜200℃の温度で接着、硬化さ
せる ことを特徴とするポリウレタン被覆シリコーンゴム成形
体の製造方法に関する。
【0014】本発明に用いられるシリコーンゴム成形体
は、射出成形が可能な液状シリコーンゴム組成物を射出
し、硬化させることによって得られる。
【0015】液状シリコーンゴム組成物は、反応性基を
有する液状ポリオルガノシロキサン、架橋剤および/ま
たは硬化触媒を主剤とする、常温で液状またはペースト
状の組成物であり、常温で放置または加熱する硬化して
ゴム状弾性体になるものである。その硬化機構によっ
て、付加反応型、ラジカル反応型、縮合反応型が挙げら
れるが、硬化の際に水分が関与せず、本発明の硬化条件
で良好な成形体が得られることから、付加反応型または
ラジカル反応型が好ましく、ポリウレタン層との間に優
れた接着性が得られ、しかも加熱によって速い硬化速度
が得られ、硬化の均一性に優れることから、付加反応型
液状シリコーンゴム組成物が特に好ましい。
【0016】このような付加反応型液状シリコーンゴム
組成物は、代表的には、 (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有す
るポリオルガノシロキサン; (b)1分子中に少なくとも2個の、ケイ素原子に結合
した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン;および (c)白金化合物 を含み、かつ、(a)成分と(b)成分の反応によって
網状の分子骨格を形成するために、(a)成分の1分子
あたりのアルケニル基の数、および(b)成分の1分子
あたりのケイ素原子に結合した水素原子の数のうち少な
くともいずれか、好ましくは後者が、平均2を越える数
であり、射出成形品に適した優れた硬化性と物性のゴム
状弾性体を与えるために、さらに好ましくは平均3以上
であるような組成物である。
【0017】(a)成分において、アルケニル基として
は、ビニル、アリル、1−ブテニル、1−ヘキセニルな
どが例示されるが、合成が容易で、また硬化前の組成物
の流動性や、硬化後の組成物の耐熱性を損ねないという
点から、ビニル基が最も好ましい。
【0018】(a)成分のケイ素原子に結合した他の有
機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどの
アルキル基;フェニルなどのアリール基;2−フェニル
エチル、2−フェニルプロピルなどのアラルキル基;ク
ロロメチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオ
ロプロピルなどの置換炭化水素基が例示される。これら
のうち、合成が容易であって、機械的強度および硬化前
の流動性などの特性のバランスが優れているという点か
ら、メチル基が最も好ましい。
【0019】シロキサン骨格は、直鎖状でも分岐状であ
ってもよい。硬化後の組成物の機械的特性を向上させ、
複雑な形状の射出成形に用いるためには、直鎖状のポリ
ジオルガノシロキサンと分岐状のポリオルガノシロキサ
ンとを混合して用いることが好ましい。アルケニル基
は、ポリオルガノシロキサン(a)の分子鎖の末端また
は途中のいずれに存在してもよく、その双方に存在して
もよいが、硬化後の組成物に優れた機械的性質を与える
ためには、直鎖状の場合、少なくともその両末端に存在
していることが好ましい。
【0020】(a)成分の重合度は特に限定されない
が、硬化前の組成物が良好な流動性および作業性を有
し、硬化後の組成物が適度の弾性を有するには、25℃
における粘度が500〜500,000cPのものが好ま
しく、1,000〜100,000cPのものが特に好ま
しい。
【0021】(b)成分のポリオルガノハイドロジェン
シロキサンは、分子中に含まれるヒドロシリル基が
(a)成分中のアルケニル基への付加反応を行うことに
より、(a)成分の架橋剤として機能するものである。
(b)成分におけるシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状
および環状のいずれであってもよい。また、これらの混
合物を用いてもよい。
【0022】シロキサン単位のケイ素原子に結合した有
機基としては、前述の(a)成分におけるアルケニル基
以外の有機基と同様のものが例示され、それらの中で
も、合成が容易な点から、メチル基が最も好ましい。
【0023】(b)成分の重合度は特に限定されない
が、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合した
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは合成が困難な
ので、硬化物を網状化して優れた物性のシリコーンゴム
を得るためには、3個以上のシロキサン単位からなるこ
とが好ましい。
【0024】(b)成分の配合量は、(a)成分中のア
ルケニル基1個に対して(b)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子が好ましくは0.5〜5個、さらに好ま
しくは1〜3個となるような量である。上記の水素原子
の存在比が0.5未満となる量では、硬化が完全に完了
しない。逆に、該存在比が5を越える量の場合は、射出
成形品の圧縮永久ひずみが増加するばかりでなく、硬化
の際に発泡が起こりやすく、表面状態の良くない成形品
を与えることがある。
【0025】本発明で用いられる(c)成分の白金化合
物は、(a)成分中のアルケニル基と(b)成分中のヒ
ドロシリル基との間の付加反応を促進させるための触媒
であり、常温付近において硬化反応の触媒能が良好であ
るという点で優れている。
【0026】白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯
体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯
体などが例示される。
【0027】このうち、(a)成分および(b)成分へ
の溶解性や、触媒活性が良好な点から、塩化白金酸とア
ルコールの反応生成物および白金−ビニルシロキサン錯
体などが好ましい。
【0028】(c)成分の配合量は、(a)成分に対
し、白金原子換算で好ましくは0.1〜500重量ppm
、さらに好ましくは1〜100重量ppm である。0.
1重量ppm 未満の場合は、硬化速度が遅くて射出成形の
サイクル時間が長くなり、効率的でない。一方、500
重量ppm を越えると、硬化速度が過度に早まるために、
各成分を配合した後の作業性が損なわれ、また不経済で
もある。
【0029】このような(a)、(b)および(c)成
分を含む液状シリコーンゴム組成物に、流動性を調節し
たり、成形品の機械的強度を向上させるために、通常、
充填剤を配合する。充填剤としては、沈殿シリカ、煙霧
質シリカ、焼成シリカ、シリカエアロゲル、煙霧質酸化
チタンのような補強性充填剤;および粉砕石英、けいそ
う土、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウムのような非補強性充填剤が例示され、そのままで
も、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラ
ン、ポリメチルシロキサンのような有機ケイ素化合物で
表面処理したものでもよい。
【0030】液状シリコーンゴム組成物の室温における
硬化を抑制して、貯蔵安定性および作業性を改善するた
めに、アセチレンアルコール化合物、ビニル基含有低分
子シロキサン化合物、マレイン酸ジアリル、トリアリル
イソシアヌレート、ニトリル化合物または有機過酸化物
のような硬化遅延剤を配合してもよい。
【0031】そのほか、必要に応じて顔料、耐熱性向上
剤、難燃化剤、可塑剤などを配合してもよい。
【0032】本発明において用いられる液状シリコーン
ゴム組成物は、通常のものでもよいが、ポリウレタン被
覆層との間により強固な接着性が必要で、かつ、全表面
をポリウレタンで被覆する場合には、硬化の際に自己接
着性を発現するものであることが好ましい。付加反応型
シリコーンゴム組成物の場合、このような自己接着性組
成物を得る各種の方法が提案されている。たとえば、前
述の付加反応型シリコーンゴム組成物の基本成分である
(a)〜(c)に加えて、接着性付与剤として、たとえ
ば(メタ)アクリロキシアルキル基を含有するシランま
たはシロキサンを配合する方法(特開昭50−2685
5号公報、特開昭53−118453号公報);ケイ素
原子に結合した水素原子と、ケイ素原子に結合した一般
式(I):
【化1】 (式中、Q1 およびQ2 はそれぞれ直鎖状または分岐状
のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基
を表す)で示される基とを有する有機ケイ素化合物を配
合する方法(特開昭54−48853号公報);(メ
タ)アクリル基含有アルコキシシラン、エポキシ基含有
アルコキシシランおよび多価アルコールの部分アリルエ
ーテルを配合する方法(特開平2−28280号公
報);アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テルと、ケイ素原子に結合した置換もしくは非置換のビ
ニルオキシ基を有する有機ケイ素化合物とを配合する方
法(特開平2−218755号公報);ならびに(メ
タ)アクリル基含有アルコキシシラン、エポキシ基含有
アルコキシシランおよび窒素原子に結合したアルケニル
基、(メタ)アクリロキシアルキル基、アセチレン性不
飽和基またはアルコキシシリルプロピル基を含有するイ
ソシアヌレート化合物を配合する方法(特開平3−37
265号公報)が開示されている。また、(a)成分と
して、前述のアルケニル基に加えて、ケイ素原子に結合
した上記の一般式(I)で示される基を分子中に少なく
とも1個有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサ
ンを用いる方法(特開昭54−58756号公報)も開
示されている。本発明においては、これらのいずれの方
法によって得られた自己接着性の付加反応型シリコーン
ゴム組成物を用いてもよい。
【0033】また、別の好ましいシリコーンゴム組成物
として、有機過酸化物によるラジカル反応型の液状シリ
コーンゴム組成物がある。これは、ビニル基含有ポリジ
オルガノシロキサンをベースポリマーとし、触媒量の有
機過酸化物を配合し、さらに必要に応じて煙霧質シリ
カ、沈殿シリカのような無機質充填剤;顔料;耐熱化剤
などを添加したものである。用いる有機過酸化物として
は、分解温度が25〜100℃の範囲にあるもの、たと
えばベンゾイルペルオキシド、m−トルイルペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシドなどを選
択することが好ましい。
【0034】本発明において、ポリウレタン薄膜は、金
型のキャビティ表面に形成されて、シリコーンゴムの表
面に転移することにより、本発明のポリウレタン被覆シ
リコーンゴム成形体の被覆層を形成する。ポリウレタン
は、このような薄膜を形成しうるものであれば、ポリウ
レタン樹脂、ポリウレタンゴムのいずれでもよい。ま
た、ポリオールと、ポリイソシアナート、またはポリイ
ソシアナートと低分子量ポリオールより誘導されるプレ
ポリマーを、触媒とともに含む未硬化のポリウレタン形
成性組成物を塗布して、その位置でポリウレタン薄膜を
形成する機構のものでも、あらかじめ合成されたポリウ
レタン樹脂またはポリウレタンゴムの有機溶媒を塗布し
て、該溶媒を揮発させることにより、ポリウレタン薄膜
を形成するものでもよい。ポリオールとしては、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカー
ボネートジオールなど、任意のものが用いられる。以
下、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴムという用
語は、ポリウレタン薄膜やポリウレタン層を意味する場
合以外においては、いずれも、硬化してそれらを形成し
うる組成物を包含して用いる。
【0035】ポリウレタンまたはその未硬化組成物を有
機溶媒で希釈して用いる場合、該溶媒としては、トルエ
ン、キシレンのような炭化水素溶媒;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンのようなケトン溶媒;酢酸
エチル、酢酸ブチルのようなエステル溶媒;ならびにジ
メチルホルムアミドのような非プロトン極性溶媒が例示
され、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0036】ポリウレタンとしては、金型への濡れ性、
シリコーンゴムとの密着性に優れ、金型のキャビティ表
面に強靭な皮膜を形成するポリウレタン樹脂が好まし
い。このようなポリウレタン樹脂として、ニッポラン5
000シリーズ(日本ポリウレタン工業株式会社、商品
名)、たとえばニッポラン5111、ニッポラン512
8などが例示される。
【0037】ポリウレタン層は、シリコーンゴム成形体
の表面の少なくとも一部、必要に応じて全表面を被覆す
るように形成される。ポリウレタン層の厚さは、通常
0.1μm 〜1mm、好ましくは1〜100μm である。
【0038】本発明のポリウレタン被覆シリコーンゴム
成形体は、次のようにして製造することができる。
【0039】まず、(A)射出成形用金型のキャビティ
表面の少なくとも一部、すなわちシリコーンゴム成形体
にポリウレタン被覆を施したい部位に対応する部分のキ
ャビティ表面に、前述のポリウレタン形成性組成物また
はその有機溶媒溶液を塗布してポリウレタンを形成させ
るか、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴムの有機
溶媒溶液を塗布して、含まれている溶媒を揮散させる。
ポリウレタンが金型と接着しないように、あらかじめキ
ャビティ表面をポリテトラフルオロエチレンなどの離型
性物質で処理してもよい。塗布は、スプレー、はけ塗り
などにより、常温から200℃までの任意の温度で行っ
てよい。塗布後、そのまま放置し、または若干の加温を
行って、5〜15秒後には、キャビティ表面にポリウレ
タン樹脂またはポリウレタンゴムの薄膜が形成される。
【0040】次に、(B)このポリウレタン薄膜を表面
に形成したキャビティに、未硬化シリコーンゴム組成物
を射出する。
【0041】たとえば、付加反応型液状シリコーンゴム
の場合、前述の(a)〜(c)成分の所定量を、必要に
応じて任意に配合される他の成分とともに、機械混合す
ることによって、未硬化のシリコーンゴム組成物を調製
する。上記の3成分を混合すると、常温でも徐々に硬化
反応が進行するので、通常は、(b)成分を含む成分群
と(c)成分を含む成分群とをそれぞれ別個に保存して
おき、たとえば射出成形機に備えられた混合手段によ
り、使用直前に両成分を均一に混合してから使用する
が、硬化遅延剤の存在下に全成分を同一容器内に保存す
ることも可能である。混合温度は好ましくは−30〜+
30℃、より好ましくは−30〜+20℃である。−3
0℃より低温では組成物が流動性を失い、+30℃を越
えると硬化反応が進行して粘度が上昇し、いずれも射出
成形が困難になって、寸法精度の優れた成形体が得られ
ないからである。
【0042】ついで、(C)射出された液状シリコーン
ゴム組成物を硬化させると同時に、キャビティ表面のポ
リウレタン薄膜に接着させる。硬化温度は80〜200
℃、好ましくは130〜170℃である。80℃未満で
は液状シリコーンゴムの硬化に長時間を要し、200℃
を越えるとスコーチの原因となる。
【0043】ついで、金型よりポリウレタン層ごと成形
体を脱型することにより、ポリウレタン被覆シリコーン
ゴム成形体が得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明によって、シリコーンゴムの表面
に強固に接着したポリウレタン被覆層を有するシリコー
ンゴム成形体を容易に得ることができる。この際、液状
シリコーンゴム組成物を射出する前に、キャビティにポ
リウレタン薄膜を形成するので、射出成形の際にシリコ
ーンゴムのバリを生じない。本発明の成形体は、該被覆
層とシリコーンゴムとの界面で剥離やふくれを生ずるこ
となく、接着性も良好である。
【0045】このようにして得られた成形体は、ポリウ
レタン被覆の存在により、通常のシリコーンゴム成形体
に比べて、耐油性、耐油脂性および耐摩耗性に優れてい
る。
【0046】本発明のポリウレタン被覆シリコーンゴム
成形体は、上記の特徴を生かして、ワイパーブレード、
ゴムスイッチ部品、ならびにメガネパッド、イヤホーン
のような皮膚に触れて用いられるゴム部材を含む成形品
などに、きわめて有用である。
【0047】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定
されるものではない。以下の実施例において、部は重量
部を表し、粘度は25℃における値を示す。
【0048】実施例に使用した液状シリコーンゴム組成
物は、下記のようにして調製した。すなわち、両末端が
ジメチルビニルシリル基で封鎖された、粘度10,00
0cPのポリジメチルシロキサン100部をベースポリマ
ーとし、これに煙霧質シリカ20部および石英粉末60
部を混和して、ベース混和物を調製した。これに、両末
端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合
した水素原子の含有量が0.9重量%で、粘度20cPの
ポリメチルハイドロジェンシロキサン1.1部、式(I
I):
【化2】 で示される環状ポリシロキサン4.5部および白金−ポ
リメチルビニルシロキサン錯体を、ベースポリマーに対
して白金原子が10ppm になる量を添加し、均一になる
まで混合して、自己接着性液状シリコーンゴム組成物を
調製し、ただちに射出成形に供した。
【0049】実施例1 ワイパーブレード射出成形用金型の、フッ素樹脂コーテ
ィングを施したキャビティに、温度150℃で、自動ス
プレーにより、ポリウレタン樹脂溶液ニッポラン512
8(日本ポリウレタン工業株式会社、商品名)を、厚さ
50μm になるように塗布し、15秒風乾した。つい
で、金型温度を150℃に設定して、上述のように調製
した自己接着性液状シリコーンゴム組成物を射出し、上
記の金型温度で45秒加熱し、硬化させてから脱型し
て、ポリウレタン樹脂被覆シリコーンゴムワイパーブレ
ードを作製した。
【0050】このようにして得られたワイパーブレード
を揺動試験機に組み込んで、水で濡らせた平面ガラス板
に圧着し、押付け力600g 、揺動角I45度、ストロ
ーク45cm、揺動サイクル50回/minの条件で、揺動試
験を行った。平面ガラス中央部から7ml/minの水を滴下
しながら30時間揺動させたところ、全試験期間にわた
ってびびりおよび鳴き現象は発生せず、順調に揺動を続
けることができた。また、ポリウレタン樹脂層とシリコ
ーンゴムとの界面を観察したところ、剥離はなく、強固
に接着していた。
【0051】実施例2、比較例 縦15cm、横15cm、厚さ2mmの、フッ素樹脂コーティ
ングを施した金型キャビティに、ポリウレタン樹脂溶液
ニッポラン5111(日本ポリウレタン工業株式会社商
品名)を、実施例1と同様に、厚さ50μm になるよう
に塗布し、実施例1と同様の自己接着性液状シリコーン
ゴム組成物を温度150℃で射出して、60秒で硬化さ
せることにより、実施例2のポリウレタン被覆シリコー
ンゴムシートを作成した。
【0052】このシートより縦5cm、横2cmの試験片を
打抜き、万能引張試験機を用いて、温度25℃、引張速
度10mm/minの条件で、180度ピーリング法によっ
て、ポリウレタン樹脂層とシリコーンゴム層の間の接着
性を試験したところ、シリコーンゴム層の凝集破壊を生
じた。このことより、ポリウレタン樹脂層とシリコーン
ゴム層の間は強固に接着されていることがわかる。
【0053】次に、テーバー摩耗試験機を用い、JIS
K5400に準拠して、摩耗輪H38によって、この
ポリウレタン樹脂被覆シリコーンゴムシートの耐摩耗性
を測定した。すなわち、該シートと、比較のために、ポ
リウレタン樹脂層を形成しなかったほかは該シリコーン
ゴムシートと同様に作製した比較例のシリコーンゴムシ
ートとから採取した同一寸法の試験片について、初期の
重量を測定した後、摩耗試験にかけて、4,000サイ
クルまでの摩耗後の試験片の重量を測定し、摩耗減量の
初期重量に対する比を算出した。その結果は、表1のと
おりであった。
【0054】
【表1】
【0055】この結果から、ポリウレタン樹脂被覆シリ
コーンゴムは、ポリウレタン被覆を行わないシリコーン
ゴムに比べて、耐摩耗性が優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 675:00 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の少なくとも一部がポリウレタン樹
    脂またはポリウレタンゴムの薄膜で被覆されたシリコー
    ンゴム成形体。
  2. 【請求項2】 成形体がワイパーブレードである請求項
    1記載のシリコーンゴム成形体。
  3. 【請求項3】 (A)金型のキャビティの少なくとも一
    部にポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴムの薄膜を
    形成し; (B)上記の薄膜を形成したキャビティに、液状シリコ
    ーンゴム組成物を射出し; (C)該組成物を80〜200℃の温度で接着、硬化さ
    せる ことを特徴とするポリウレタン被覆シリコーンゴム成形
    体の製造方法。
JP6253707A 1994-10-19 1994-10-19 ポリウレタン被覆シリコーンゴム成形体およびその製造方法 Withdrawn JPH08118417A (ja)

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