JP5158371B2 - 付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、自己接着性を有する付加硬化型シリコーンゴム組成物、詳しくは、ポリアミド、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネートなどの有機樹脂、鉄、アルミニウムなどの金属、更に各種のガラス類に接着性を示し、かつ圧縮永久歪が小さな硬化物を与え得る付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、安全性、電気絶縁性、耐候性などの良さから、コネクターシールやスパークプラグブーツなどの自動車部品、複写機用のロールや電子レンジのパッキンなどの電気・電子用部品、シーラントなどの建築用部品、その他哺乳瓶用乳首やダイビング用品などあらゆる分野に広く使用されている。これら各種の用途の中には、金属や有機樹脂などと組み合わせた部品として使用される事例も少なくない。従来、付加硬化型シリコーンゴムと金属や有機樹脂とが一体化した硬化物を得る方法は数多く提案されている。成形樹脂表面にプライマーを塗布し、その上から未硬化のシリコーンゴム組成物を塗布・硬化させて接着させる方法、接着剤を界面に塗布して一体化させる方法、2色成形で両者の嵌合等により一体化させる方法、自己接着性シリコーンゴム材料を成形樹脂の上から硬化させる方法などが代表的である。しかしながら、接着剤やプライマーを使用する方法は、工程が増えてしまうだけでなく、塗布方法によっては非接着面を汚してしまうなどの問題点もあった。また、2色成形による方法では、一体化品の形状が制約されたり、界面の密着性は不十分などの問題があった。そこで、シリコーンゴム組成物に接着剤を添加した自己接着型シリコーンゴム組成物を用いた場合、前記塗布工程が不要となるため作業時間の短縮ができ、コスト削減ができるし、作業性も向上するため、樹脂との一体成型体を製造する上で有効な手段となっている。
付加型の加熱硬化型シリコーンゴム組成物のプライマーレス成型において、有機樹脂と接着させる方法は数多く報告されている。例えば樹脂上に自己接着性シリコーンゴム組成物を硬化させる方法があり、この自己接着性シリコーンゴム組成物については接着成分を特定した技術が多く提案されている。また、有機樹脂に珪素原子に直結した水素原子を30モル%以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加し、付加反応硬化型のシリコーンゴムと接着させる方法(特許文献1:特公平2−34311号公報)、有機樹脂へのシリコーンゴムの物理的な嵌合方法により一体化させる方法(特許文献2:特公昭63−4529号公報)、脂肪族不飽和基と珪素原子結合加水分解性基を有する化合物をグラフトしたオレフィン樹脂にシリコーンゴムを接着一体化させる方法(特許文献3:特開昭63−183843号公報)、脂肪族不飽和基及び珪素原子に直結した水素原子を含有する化合物を添加した熱可塑性樹脂とシリコーンゴムとを接着一体化させる方法、熱可塑性樹脂に脂肪族不飽和基を含有してなる熱可塑性オリゴマーを配合した樹脂とオイルブリード性シリコーンゴムとの一体成型体(特許文献4:特開平9−165516号公報、特許文献5:特開平9−165517号公報)等が提案されている。
しかしながら、付加型の加熱硬化型シリコーンゴム組成物の場合、汎用の熱可塑性樹脂、例えば、ABS,PPO,PPS,PC,PE,PP,PBT,PET,アクリル,PA,芳香族PA,ウレタン等への各樹脂に対して短時間の成型で十分な接着性を得ることができず、十分な接着能を有するためには上記提案のように樹脂の改質が必要であった。樹脂を改質した場合、余分な工程がかかり、コストが高くなるし、改質により樹脂の特性に変化を生じ易くしてしまう場合があった。
一方、これに対しシリコーンゴムの改質については、特開平8−53661号公報(特許文献6)において、特定の接着助剤を添加する方法が記されているが、接着可能な樹脂が限られており、かつ接着力も不十分なものであった。また、特開2001−200162号公報(特許文献7)には、エポキシ基を有する加水分解性有機珪素化合物を添加する例が示されているが、このように反応性の高い化合物の添加は、硬化ゴムの圧縮永久歪を著しく悪化させてしまうという問題があった。
特公平2−34311号公報 特公昭63−4529号公報 特開昭63−183843号公報 特開平9−165516号公報 特開平9−165517号公報 特開平8−53661号公報 特開2001−200162号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、自動車部品や通信機器、その他各種の電気・電子製品に使用されるシリコーンゴム組成物と金属や熱可塑性樹脂の一体成型体を得る場合において、幅広い金属や樹脂との接着が可能で、かつ短時間で成型が可能であり、更に硬化ゴムが比較的良好な圧縮永久歪を有する付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、付加硬化型シリコーンゴム組成物に特定の架橋剤と特定の接着助剤を使用することにより、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス鋼など種々の金属、ポリカーボネート、ポリアミド、芳香族ポリアミド、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリウレタンなど、多種多様な樹脂との接着が可能で、かつ硬化したシリコーンゴムの圧縮永久歪が比較的小さいシリコーンゴム組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物を提供する。
〔請求項1〕
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を3個以上含有し、珪素原子と結合する水素原子及び珪素原子と結合する全有機基との合計の2モル%以上がフェニル基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、重合度が15以上100以下であり、且つ珪素原子結合水素原子の含有量が0.006〜0.015モル/gの範囲であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜30質量部、
(C)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有し、珪素原子と結合するフェニル基を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0〜20質量部、
(D)補強性シリカ微粉末:0〜100質量部、
(E)一分子中に少なくとも1個のSiH基を有し、かつフェニレン骨格を少なくとも1個有する有機化合物又は珪素原子数1〜100の有機珪素化合物:0.1〜30質量部、
(F)付加反応触媒:触媒量
を含有してなることを特徴とする付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
〔請求項
25℃でせん断速度が10s-1の時の粘度が、50〜800Pa・sの範囲である請求項1記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
〔請求項
130℃における3分測定時の10%硬化時間をT10(秒)とした時、10秒≦T10≦60秒である請求項1又は2記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
〔請求項
射出成形用である請求項1〜のいずれか1項記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
本発明の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物は、自動車部品や通信機器、その他各種の電気・電子製品に使用されるシリコーンゴム組成物と金属や熱可塑性樹脂の一体成型体を得る場合において、幅広い金属や樹脂との接着が可能で、かつ短時間で成型が可能であり、更に該組成物の硬化ゴムは比較的良好な圧縮永久歪を有する。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、(A)成分の一分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(I)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 ・・・(I)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.02の範囲の正数である。)
ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90モル%以上、特には、アルケニル基を除く全てのR1がメチル基であることが好ましい。
また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-4mol/g、特に1.0×10-5mol/g〜2.0×10-4mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低すぎてゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-4mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、硬度の高いゴムになってしまう場合がある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造、三次元網状構造などであってもよい。分子量については、平均重合度(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析(GPC)におけるポリスチレン換算の重量平均重合度、以下同様)が1,500以下、通常100〜1,500、特に150〜1,000であることが好ましい。100未満では十分なゴム感が得られない場合があり、1,500より高いと粘度が高くなり、成形が困難になってしまう場合がある。
次に、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(SiH基)を3個以上有し、かつ、珪素原子と結合する水素原子及び珪素原子と結合する全有機基(即ち、非置換又は置換の一価炭化水素基)との合計の2モル%以上がフェニル基であるものであり、分子中のSiH基が前記(A)成分の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(II)
2 cdSiO(4-c-d)/2 ・・・(II)
(式中、R2は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、cは0.7〜2.1、dは0.001〜1.0で、かつc+dは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に3個以上(通常3〜200個)、好ましくは6〜100個、より好ましくは10〜50個、更に好ましくは20〜50個の珪素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に用いられる。
ここで、R2の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、珪素原子と結合する水素原子及び珪素原子と結合する全有機基(例えば、R2の非置換又は置換の一価炭化水素基)との合計の2モル%以上がフェニル基であることが必須であり、好ましくは3モル%以上60モル%以下、より好ましくは5モル%以上40モル%以下、更に好ましくは7モル%以上30モル%以下がフェニル基である。更に、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、cは好ましくは、0.8〜2.0、dは好ましくは0.01〜1.0、c+dは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は3〜300個、好ましくは10〜200個、より好ましくは15〜100個で、室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン環状共重合体、メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン環状共重合体、ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン環状共重合体、ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン環状共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C652SiO2/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とから成る共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とから成る共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C652SiO2/2単位とから成る共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とから成る共重合体などが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子結合水素原子(SiH基)含有量としては、0.006〜0.015モル/gであることが好ましく、より好ましくは、0.007〜0.013モル/gである。0.006モル/gより少ないと接着が不十分になってしまう場合がある。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.3〜15質量部であり、0.1質量部より少ないと架橋が不十分になり、べたついたゴムになってしまい、30質量部より多いと、ゴム物性が低下してしまい、かつ不経済である。また、同様の理由により、(A)成分中の珪素原子に結合するアルケニル基に対する(B)成分中のSiH基がモル比で1.0〜5.0、好ましくは1.5〜4.0となる量で(B)成分を配合することもできる。
次に、(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に珪素原子と結合する水素原子(SiH基)を2個以上有し、かつフェニル基を含有しないものであり、(B)成分と同じく分子中のSiH基が前記(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(III)
3 efSiO(4-e-f)/2 ・・・(III)
(式中、R3は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であるが、フェニル基等のアリール基を含まない。また、eは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0で、かつe+fは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、一分子中に2個以上(通常、2〜300個)、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個の珪素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に用いられる。
ここで、R3の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、フェニル基等のアリール基を有しないことが必須であり、かつ脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、eは好ましくは0.8〜2.0、fは好ましくは0.01〜1.0、e+fは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、好ましくは4〜200個、より好ましくは10〜100個で、室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシクロシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(CH3)SiO3/2単位とから成る共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(CH32SiO2/2単位とから成る共重合体や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換されたものなどが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子結合水素原子(SiH基)含有量としては、0.002〜0.017モル/gであることが好ましく、より好ましくは、0.003〜0.017モル/gである。0.002モル/gより少ないと接着性が低下する場合がある。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C)は任意成分であり、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜20質量部であり、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。20質量部より多いと、ゴム物性が低下してしまい、かつ不経済である。また、(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基に対する、(B)成分と(C)成分中に含まれるSiH基の合計のモル比が1.0〜5.0、特には1.2〜3.0程度となるように、(B)成分、(C)成分を配合することが好ましい。
なお、(B)成分及び(C)成分中に含まれるSiH基の合計に対する(B)成分中に含まれるSiH基の割合は50〜100モル%、特には50〜95モル%、更には60〜90モル%(即ち、モル比で0.5〜1、特には0.5〜0.95、更には0.6〜0.9)となる量で配合することが好ましい。
次に、(D)成分の補強性シリカ微粉末は、シリカの種類に特に限定はなく、通常ゴムの補強材として使用されるものであればよい。その補強性シリカ微粉末としては、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用できるが、特には比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を用いる。特に50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカなどが好適に使用される。ゴム強度を向上するにはヒュームドシリカが好適である。
また、上記補強性シリカ微粉末は、表面処理されたシリカ微粉末であってもよい。その場合、これらのシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものでもよい。通常の処理法として一般的周知の技術により処理でき、例えば、常圧で密閉された機械混練装置又は流動層に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処理する。場合により触媒を使用して処理を促進してもよい。混練後、乾燥することにより処理シリカ微粉末を製造し得る。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。処理剤は、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、ポリメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機珪素化合物が挙げられ、これらで表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いる。処理剤としては、特にシラン系カップリング剤又はシラザン類が好ましい。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜100質量部、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは10〜50質量部である。本成分は添加しなくても差し支えないが、その場合、硬化ゴムの機械的強度が弱くなり脱型など成形に問題が生じる場合がある。100質量部を超えると充填が困難となり、作業性、加工性が悪くなる。
(E)成分は、接着性付与成分として作用するものであり、一分子中に少なくとも1個のSiH基を有し、かつフェニレン骨格を少なくとも1個有する有機化合物又は珪素原子数1〜100、好ましくは2〜30の有機珪素化合物である。なお、本発明において「フェニレン骨格」とは、2〜6価、特には2〜4価の、フェニレン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造を包含するものである。
上記化合物としては、一分子中に少なくとも1個、通常1〜20個、特には2〜10個程度のSiH基(即ち、珪素原子に結合した水素原子)を有し、少なくとも1個、通常1〜4個のフェニレン骨格を有し、更にグリシドキシ基等のエポキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、エステル基、アクリル基、メタクリル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基などの官能基を1種又は2種以上含んでもよい有機化合物、珪素原子数1〜30、好ましくは2〜20、特には4〜10程度の直鎖状又は環状のオルガノシロキサンオリゴマーやオルガノアルコキシシランなどの有機珪素化合物を好適に使用することができる。
このような化合物として、具体的には、下記に示す化合物を例示することができる。
Figure 0005158371
(nは1〜4である。)
Figure 0005158371
から選ばれる基であり、Rw,Rxは非置換又は置換の一価炭化水素基である。q=1〜50、h=0〜100、好ましくはq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R''は
Figure 0005158371
(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)から選ばれる基であり、Y’は
Figure 0005158371
(Rw,Rx,q,hは上記と同様である。)である。z=1〜10である。〕
更に、上記化合物にトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等を含有させた有機化合物や有機珪素化合物も使用することができる。
なお、上記Rw,Rxの非置換又は置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等、R1で例示したものと同様のものが挙げられるほか、置換一価炭化水素基としてアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、アルキルアミノ基等で置換したものが挙げられる。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.2〜20質量部、より好ましくは0.3〜15質量部である。配合量が0.1質量部未満では十分な接着性が得られず、30質量部を超えると物性低下を引き起こす可能性がある。
本発明においては、上述した(E)成分以外の接着助剤を添加してもよいが、その種類、量は、本組成物の特長である低圧縮永久歪に顕著な悪影響を与えない範囲でなければならない。
なお、(B)、(C)、(E)各成分に含有する珪素原子結合水素原子(SiH基)の合計量は、(A)成分のアルケニル基総量に対し、SiH基/アルケニル基=1.0〜5.0(モル/モル)の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.2〜3.0(モル/モル)の範囲である。
(F)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。この付加反応触媒の添加量は触媒量であり、通常(A)成分に対して白金、パラジウム又はロジウム金属質量として0.1〜1,000ppm、特に1〜200ppmであることが好ましい。
本発明の自己接着性シリコーンゴム組成物には、上記した成分以外に、目的に応じて各種の添加剤、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物及びその複合物、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カーボン、中空ガラス、中空樹脂、金、銀、銅などの導電性を有する無機粉末、メッキ粉末等の無機充填剤を添加することができ、また目的とする特性を損なわない限り、顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御剤等を添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の自己接着性シリコーンゴム組成物は、上記した(A)〜(F)成分、任意成分を常温で均一に混合するだけでも得ることが可能であるが、(D)成分を予め(A)成分の全量又はその一部とプラネタリーミキサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で1〜4時間熱処理し、室温に冷却後、その他の成分を添加、混合することが好ましい。
成形方法は、混合物の粘度により自由に選択することができ、注入成形、圧縮成形、ディスペンサー成形、射出成形、押出成形、トランスファー成形等いずれの方法を採用してもよい。その硬化条件は、通常60〜200℃で10秒〜24時間の範囲内で加熱することができる。
特に本組成物の接着性を有効に生かすためには、予め被着体を金型内にセットし、これに未硬化の材料を接触硬化させた両者が一体化した成形物を得る方法(インサート成形)や、溶融或いは未硬化の有機樹脂と本組成物を交互に金型に射出することにより一体化物を得る2色成形などが好ましい。
これらの成形に効果的に使用されるには、本組成物の粘度は、25℃でせん断速度が10s-1の時の粘度が、50〜800Pa・sであることが好ましく、より好ましくは80〜600Pa・s、更に好ましくは100〜500Pa・sの範囲である。この粘度が50Pa・s未満でも、800Pa・sを超えても成形が難しくなってしまう。
なお、上記粘度とするためには、使用するオルガノポリシロキサン成分(特に、ベースポリマーである(A)成分)の重合度並びに(D)成分の補強性シリカ微粉末の種類と配合量の選択によって適宜調整することができる。例えば(A)成分の平均重合度が800以上の時は、(D)成分の補強性シリカ微粉末の配合量は、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)の場合、(A)成分100質量部に対して20質量部以下、表面活性の低い湿式シリカ(沈殿シリカ)の場合、(A)成分100質量部に対して30質量部以下とすることが好ましい。また、(A)成分の平均重合度が300以上800未満の時には、(D)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して50質量部以下(特に20〜50質量部)、(A)成分の平均重合度が300未満の時には、(D)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して40質量部以上(特に40〜100質量部)とすることが好ましい。
また、このような付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物の硬化スピードとしては、上記の成形方法に合うものであれば特に限定はないが、その効率を重視すると硬化性試験機[ローターレスタイプディスクレオメータ、ムービングダイ式レオメーター、又はMDR]による130℃で3分測定時の10%硬化時間をT10(秒)とした時、10秒≦T10≦60秒の範囲であることが好ましく、より好ましくは、15秒≦T10≦40秒の範囲である。10秒未満では硬化が早すぎて成形が困難になる場合があり、60秒を超えると成形サイクルが長くて不経済になる場合がある。
なお、10%硬化時間を上記範囲とするためには、(F)成分の付加反応触媒に加えて、アセチレン化合物、リン化合物、窒素含有化合物、ニトリル化合物、カルボキシレートなどの従来公知の付加反応制御剤、特に好ましくは、三重結合を有する炭素上に水酸基を有するアセチレン化合物(アセチレンアルコール)を併用して配合することが好ましい。付加反応制御剤の配合量は、上記のT10が適切な範囲となるように、(F)成分との配合量比で適宜選択し得る。
本発明の自己接着性シリコーンゴム組成物は、携帯電話、モバイル通信機器、モバイルコンピューター部品、ゲーム機、時計、画像受信機、DVD機器、MD機器、CD機器などの精密電子機器、電子レンジ、冷蔵庫、電気炊飯器、ブラウン管テレビ、液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型ディスプレー各種家電製品、複写機、プリンター、ファクシミリなどのOA機器、コネクターシール、点火プラグキャップ、各種センサー部品などの自動車用部品など、金属や有機樹脂とシリコーンゴムが一体化した部品として使用されるあらゆる分野において使用が可能である。
本発明において、被着体として使用される金属としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレススチール、真鍮など種々あり、また有機樹脂としては、通常のオレフィン重合系或いは縮重合系等の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ウレタン(PU)樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶樹脂等が挙げられる。
なお、本発明にかかる自己接着性シリコーンゴム組成物の硬化条件は、金属や熱可塑性樹脂との強固な接着性を発現させるためには樹脂が変形、溶融、変質しない温度、硬化時間で行うことが必要である。樹脂の種類にもよるが、60〜220℃で5秒〜30分程度、特に100〜200℃で10秒〜10分程度の硬化条件で一体成型体を得ることが可能である。
以下、実施例と比較例の各配合を表1に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも質量部であり、%はいずれも質量%である。
[実施例1]
両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が20,000mPa・sのジメチルポリシロキサンA(重合度620)70部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを40部使用し、ヘキサメチルジシラザン6部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースにジメチルポリシロキサンA20部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサンB(重合度180、ビニル価0.00058モル/g)10部、下記式(1)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンA(SiH量0.0122モル/g)0.95部、更に、下記式(2)
Figure 0005158371
で示されるフェニレン骨格を有する接着助剤A(SiH量0.0079モル/g)1.0部、及び、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は2.0である。
このシリコーンゴム組成物の25℃、せん断速度10s-1における粘度を精密回転式粘度計ロトビスコRV1型(英弘精機社製)により測定した結果、180Pa・sであった。更に、130℃での硬化性をレオメーターMDR2000(アルファテクノロジーズ社製)により測定した結果、T10は23秒であった。
このシリコーンゴム組成物を150℃で5分間プレスキュア(圧縮永久歪測定は、15分間)し、更に150℃で2時間オーブン中ポストキュアを実施し、得られた硬化物より、JIS−K6249に基づき、硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び及び圧縮永久歪(25%圧縮、150℃×22時間)を測定した結果を表1に示した。
また、アルミニウム、ステンレススチール(SUS316L)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(6ナイロン)、PPA(30%ガラス繊維入り芳香族ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)のテストピース(約25×50mm)を型内に置いて、上記シリコーンゴム組成物をその上部に置いて、150℃で3分間プレスキュアを実施した(ゴム厚さ1〜3mm)。一体化した成形物を手で剥がし、凝集破壊率(ゴム破壊率)によって接着性を評価した。結果を表2に記した。
[実施例2]
両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサンC(重合度850)60部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを20部、比表面積200m2/gの沈降シリカ20部、ヘキサメチルジシラザン6部及び水2部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに実施例1のジメチルポリシロキサンA30部、実施例1のジメチルポリシロキサンB10部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された側鎖にビニル基を有する生ゴム状ジメチルポリシロキサンD(重合度6,000、ビニル価0.00088モル/g)10部、下記式(3)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンB(SiH量0.0072モル/g)1.5部、及び下記式(4)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンC(SiH量0.011モル/g)1.3部、更に、下記式(5)
Figure 0005158371
で示されるフェニレン骨格を有する接着助剤B(SiH量0.0096モル/g)1.5部、及び、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.10部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は2.2である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は410Pa・s、T10は33秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
[実施例3]
実施例2のジメチルポリシロキサンC(重合度850)60部、比表面積300m2/gのヒュームドシリカを40部、ヘキサメチルジシラザン10部、ジビニルテトラメチルジシラザン0.5部及び水2部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに実施例1のジメチルポリシロキサンA20部、実施例1のジメチルポリシロキサンB20部、実施例2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンB(SiH量0.0072モル/g)1.5部、下記式(6)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンD(SiH量0.0097モル/g)1.5部、及び下記式(7)
Figure 0005158371
で示されるフェニレン骨格を有する接着助剤C(SiH量0.0088モル/g)1.2部、下記式(8)
Figure 0005158371
で示される接着助剤D(SiH量0.0040モル/g)1.0部、及び、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.10部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は1.8である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は280Pa・s、T10は35秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
[比較例1]
実施例1のジメチルポリシロキサンA(重合度620)70部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを40部使用し、ヘキサメチルジシラザン6部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースにジメチルポリシロキサンA20部、実施例1のジメチルポリシロキサンB(重合度180、ビニル価0.00058モル/g)10部、下記式(9)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンF(SiH量0.0113モル/g)1.03部、更に、実施例1のフェニレン骨格を有する接着助剤A1.0部、及び塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は2.0である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は270Pa・s、T10は32秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
[比較例2]
実施例2のジメチルポリシロキサンC(重合度850)60部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを20部、比表面積200m2/gの沈降シリカ20部、ヘキサメチルジシラザン6部及び水2部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに実施例1のジメチルポリシロキサンA30部、実施例2の生ゴム状ジメチルポリシロキサンD(重合度6,000、ビニル価0.000088モル/g)10部、実施例2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンB(SiH量0.0072モル/g)1.5部、オルガノハイドロジェンポリシロキサンC1.3部、下記式(10)
Figure 0005158371
で示される接着助剤E(SiH量0.0085モル/g)1.3部、更に、下記式(11)
Figure 0005158371
で示される接着助剤F1.0部、及び、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.10部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は2.2である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は370Pa・s、T10は31秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
[比較例3]
実施例2のジメチルポリシロキサンC(重合度850)60部、比表面積300m2/gのヒュームドシリカを40部、ヘキサメチルジシラザン10部、ジビニルテトラメチルジシラザン0.5部及び水2部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに実施例1のジメチルポリシロキサンA30部、実施例1のジメチルポリシロキサンB10部、実施例2のオルガノハイドロジェンポリシロキサンB(SiH量0.0072モル/g)1.5部、実施例3のオルガノハイドロジェンポリシロキサンD(SiH量0.0097モル/g)1.5部、実施例3の接着助剤D(SiH量0.0040モル/g)1.0部、比較例2の接着助剤E(SiH量0.0085モル/g)1.2部、更に、下記式(12)
Figure 0005158371
で示される接着助剤G0.5部、及び塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.10部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は1.8である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は220Pa・s、T10は33秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
[実施例4]
実施例2のジメチルポリシロキサンC(重合度850)60部、比表面積300m2/gのヒュームドシリカを40部、ヘキサメチルジシラザン10部、ジビニルテトラメチルジシラザン0.5部及び水2部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに実施例1のジメチルポリシロキサンA20部、実施例1のジメチルポリシロキサンB20部、下記式(13)
Figure 0005158371
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンE(SiH量0.0142モル/g)2.2部、及び実施例3のフェニレン骨格を有する接着助剤C(SiH量0.0088モル/g)1.0部、及び、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.10部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。ここで、このシリコーンゴム組成物中の全アルケニル基に対する全SiH官能基のモル比(SiH/アルケニル)は2.0である。
このシリコーンゴム組成物の粘度及び硬化性を実施例1と同様に測定した結果、粘度は310Pa・s、T10は33秒であった。
このシリコーンゴム組成物の硬さ、引っ張り強さ、切断時伸び、圧縮永久歪及び接着性を実施例1と同様に測定した結果を表1及び2に記した。
Figure 0005158371
Figure 0005158371
○:凝集破壊率80%以上
△:凝集破壊率30%以上80%未満
×〜△:凝集破壊率30%未満(但し0を除く)
×:凝集破壊率0%(剥離)

Claims (4)

  1. (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を3個以上含有し、珪素原子と結合する水素原子及び珪素原子と結合する全有機基との合計の2モル%以上がフェニル基であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、重合度が15以上100以下であり、且つ珪素原子結合水素原子の含有量が0.006〜0.015モル/gの範囲であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜30質量部、
    (C)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有し、珪素原子と結合するフェニル基を有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0〜20質量部、
    (D)補強性シリカ微粉末:0〜100質量部、
    (E)一分子中に少なくとも1個のSiH基を有し、かつフェニレン骨格を少なくとも1個有する有機化合物又は珪素原子数1〜100の有機珪素化合物:0.1〜30質量部、
    (F)付加反応触媒:触媒量
    を含有してなることを特徴とする付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
  2. 25℃でせん断速度が10s-1の時の粘度が、50〜800Pa・sの範囲である請求項1記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
  3. 130℃における3分測定時の10%硬化時間をT10(秒)とした時、10秒≦T10≦60秒である請求項1又は2記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
  4. 射出成形用である請求項1〜のいずれか1項記載の付加硬化型自己接着性シリコーンゴム組成物。
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