JP3961065B2 - 感熱接着シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、情報伝達面同士を剥離可能に貼着するに適した感熱接着シートに関し、特に、封書並みの大容量の情報や隠蔽すべき情報を伝達することのできる密書葉書に好適な感熱接着シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【情報技術】
近年、社会保険庁、銀行、証券会社、郵便局、電力会社等から郵送される各種支払通知書、受領書及び満期通知書等のような書類の他、ダイレクトメールが激増している。このようなプライバシーに係わる通知書やダイレクトメールは、従来、封書により郵送されていたが、これらの書類の増大に伴い、郵送コストが莫大にならざるを得ないという欠点があった。
【0003】
係る欠点を解決するために、文字、絵等の伝達情報を記録した二枚の各記録材の情報記録面同士を感熱接着シートを介して感熱疑似接着することにより、伝達情報量を封書並みに増大させるのみならず、受信人が何れか一方の記録材を剥離することにより内部に記載された情報を読み取るまでは、前記情報を秘密に保つことができるようにした葉書等の情報記録体が提案されている。
【0004】
密書情報が記録された情報記録材の情報記録層面間同士を一体化させるための公知の感熱接着シートとしては、例えば、ベース層と該ベース層の両面に設けた熱接着樹脂層との3層から成ると共に該3層間のうち少なくとも2層間にアンカーコートのないラミネートフィルム、及び、層間剥離可能なラミネート式郵便葉書(実開平2−22874号公報)が開示されている。また、実開平2−25546号公報には、透明プラスチックシート支持体の一方の面に熱可塑性樹脂層が配設されてなる積層体の両面若しくは前記熱可塑性樹脂層とは反対の面に感熱接着剤層が形成された透明感熱接着シートが開示されている。
【0005】
しかしながら、上記した従来の感熱接着シートはブロッキング防止性に劣り、巻き取ったまま長期間放置すると、特に、巻き芯部においてブロッキングが起こり、ひどい物では完全に固まって使用不能になるという欠点があった。また、加工時におけるクーリングロールとの離ロール性が悪ったり感熱接着シートの滑り性が悪く、2次加工時に、機上走行不良が原因となったトラブルの発生を引き起こすという欠点があった。
【0006】
これらの欠点を解決するために、従来、(1)感熱接着樹脂に高融点のものを用いる、(2)樹脂配合時にブロッキング防止効果を有する離ロール剤を添加する、(3)同じく樹脂配合時に無機填料を添加する、(4)溶融状態の感熱接着樹脂を透明フィルム上に押し出して積層し冷却圧着する際に用いる、クーリングロール面をマット調にして積層シートの表面に凹凸をつける、(5)クーリングロールで冷却圧着してから巻き取り機で巻き取るまでの間、もしくはスリッターにかけて製品の巻き取りに加工する際に、シート表面にパウダーを散布する等の方法が採られている。
【0007】
ところが、上記(1)の高融点樹脂を用いる方法では感熱接着性が低下する、(2)の場合には、十分な効果を得るために大量の離ロール剤を添加すると感熱接着性の低下を招く、(3)の無機填料を添加する方法では透明性がなくなるので親展葉書形成用感熱接着シートとして利用できなくなる上、十分な効果を得るために大粒径の添料を用いると感熱接着シートの製造時に膜割れを引き起こす原因となる、(4)のクーリングロールのマット化では効果が十分でない。
【0008】
また、表面にパウダーを散布する(5)の方法の場合には、少量のパウダーを均一に散布するための設備が必要となる上、親展はがきを形成する際にパウダーが機械にたまり、その掃除が必要となる。更に、パウダーとしてでんぷん粒をよく使用するが、でんぷん粒は吸湿性が高く、湿度の高い雰囲気下ではブロッキング防止性が大幅に低減するという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、製造工程で巻き取ったロールにブロッキングが生じないばかりでなく、密書葉書製造時の走行性、及び、記録材の情報記録面との感熱接着性に優れた感熱接着シート及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は、透明プラスチックシートの両面に、それぞれ、少なくとも1層の樹脂からなる内層及び外層として感熱接着樹脂を熱溶融押し出しによって設けてなる感熱接着シートであって、前記透明プラスチックの両面に設けられた内層及び外層からなる樹脂層の少なくとも一方の樹脂層が球状ビーズを0.1〜3質量%含有すると共に、前記球状ビーズの平均粒径が、前記透明プラスチックシートの前記球状ビーズを含む層側の表面に積層する樹脂層全体の厚みの50〜150%であることを特徴とする感熱接着シート及びその製造方法によって達成された。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱接着シートでは、感熱接着樹脂層の少なくとも1層に球状ビーズを添加することによって、感熱接着シート表面に適度で滑らかな凹凸を付与する。この凹凸の効果により融点の低い感熱接着樹脂を用いることができ、これによって感熱接着性の低下を招くことなく、十分なブロッキング防止性及び機上走行性を得ることができる。即ち、表面の適度で滑らかな凹凸により、巻き取ったロールにおける表面と裏面の接触面積が小さくなる為、ブロッキング防止性が向上する。
【0012】
また、機上走行性に関しても同様に、表面の適度で滑らかな凹凸によって機械との接触面積が小さくなり、凹凸同士が引っかかり合うこともなく滑り性が向上するので優れた機上走行性を示す。更に、熱溶融押し出し機から溶融状態の樹脂を膜状に押し出す際に、一般には、溶融樹脂膜の厚さと比較して大きな異物が溶融樹脂膜中に混在していると、その異物がきっかけとなって異物の部分から溶融樹脂膜が割れるという不都合が生じることがあるが、異物が球状のビーズである場合には上記の膜割れが発生し難くなるので、比較的大きなビーズを多量に添加することが可能である。
【0013】
本発明で使用する球状ビーズの形状は、熱溶融押し出し加工の際に膜割れのきっかけを作らず、また、シートの表面に作る凹凸が滑り性が悪化しない程度に滑らかな凹凸となる限り必ずしも真球状である必要はなく、角のない滑らかな形状であればよい。本発明では、このようにシート加工後に粉末を散布するのではなく、積層する感熱接着樹脂層中に球状ビーズを添加しているため、完全に感熱接着シートにビーズが固着し、2次加工機を汚染するおそれは全くない。また、吸湿性のほとんど無い素材を用いることにより、梅雨時期等の湿度の高い雰囲気下においても、ブロッキング防止性が大幅に低減することはない。
【0014】
以下、本発明を図面を参照しつつ、更に詳述する。
図1は、本発明の感熱接着シートの断面概念図である。図中、符号1は透明プラスチックシート、2b及び3bは内層、2a及び3aは、球状ビーズ4を含有する感熱接着層である。
また、図2は、本発明の感熱接着シートを製造する工程を示す説明図である。図中、符号5は巻出しロール、6はニップロール、7は冷却ロール、8はTダイ、9は巻き取りロール、10は押し出し機、11は表面処理装置、12はオゾン吹き出し口である。
【0015】
透明プラスチックシートと接する内層の2b、3bの樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂を始め、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミドなど熱溶融押し出し加工が可能な樹脂が用いられる。この場合、透明プラスチックシートと上記内層との貼着面を疑似接着面とする場合には、透明プラスチックシートの疑似接着面を設ける面にあらかじめ公知の剥離剤(シリコーン系、ポリオレフィン系、パラフィン系等)を塗工するか、または、疑似接着する内層に用いる樹脂として、透明プラスチックシートとの接着力の小さいものを用い、及び/又は、透明プラスチックシート表面に適宜施すオゾン処理やコロナ放電処理の処理強度を制御する。
【0016】
一方、内層の樹脂層が透明プラスチックシートと永久接着することが必要な場合には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂等の公知の粘着付与樹脂を添加したり、ポリオレフィン系の樹脂ではなく感熱接着樹脂層と同じ樹脂を用いると共に、オゾン処理、コロナ放電処理等の、接着力を大きくする表面処理を施すことが好ましい。
本発明においては、内層として2層以上積層しても良い。これによって、内層と透明プラスチックシートとの接着力の調節をより容易に行うことができる。
【0017】
本発明で使用する透明プラスチックシートは、公知のものの中から適宜選択することができるが、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はアセテート等の高融点の透明フィルムを使用することが好ましい。この透明プラスチックシートの両面に設けられる樹脂層を形成する樹脂は、前記透明プラスチックシートより融点が低い樹脂であることが必要である。
【0018】
感熱接着樹脂層2a、3aにはエチレンアクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンアクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンメチルメタクリル酸共重合体(EMMA)、グラフト変性ポリオレフィン、及びアイオノマー等の、ビカット軟化点(ASTM D1525)が90℃以下の樹脂、または、EEAやEVA等の、ビカット軟化点(ASTM D1525)が90℃以下の樹脂とポリエチレン(PE)やポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの、熱溶融押し出し加工が可能な樹脂との混合樹脂を用いる。
【0019】
本発明においては、製造時の巻取りロールにおけるブロッキングを防止するために、感熱接着剤層の少なくとも一方の層に球状ビーズ4を含有させる。球状ビーズを含有させた感熱接着剤層の内層にも、球状ビーズを含有させても良い。
また、ブロッキング防止性能を更に良好なものとするために、感熱接着剤層に、公知のスリップ剤(オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド)を添加しても良い。
【0020】
本発明で用いる球状ビーズの素材は、ガラス、シリカ、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の公知のものの中から適宜選択することができるが、熱溶融共押出法により積層接着する感熱接着樹脂よりも溶融温度の高い無色透明な有機ビーズを用いることが好ましく、特に、透明度の高いアクリルビーズを用いることが好ましい。
【0021】
これは、形状が球状であるために膜割れを引き起こすきっかけができにくいことに加えて、熱溶融共押出法により積層接着する感熱接着樹脂及びアクリルビーズが、何れも有機物であるので親和性が高いためと考えられる。このアクリルビーズを用いると、熱溶融押し出しの際にアクリルビーズがその溶融温度付近まで加熱された後冷却ロールにより冷却圧着されるので、アクリルビーズが多少変形する事はあるが、シートの表面に適度で滑らかな凹凸が形成されることに変わりはない。このアクリルビーズは透明度が高いため、得られる感熱接着シートの透明性も良好であり、疑似接着面から剥離した後の情報隠蔽部の透視性も良好である。
【0022】
本発明で添加する球状ビーズの平均粒径は、透明プラスチックシートの前記球状ビーズを含む層側の面に積層する樹脂層全体の厚さ(ビーズを含まない部分の厚さ)の50〜150%であることが必要であり、特に80〜120%であることが好ましい。添加量は前記積層する樹脂層全体の0.1〜3質量%とすることが必要であり、特に0.5〜3質量%とすることが好ましい。積層する樹脂層の厚さを薄くする場合には平均粒径を小さくすると共に添加量を少なくし、厚くするに従って、平均粒径を大きくすると共に添加量を多くする。
【0023】
平均粒径が透明プラスチックシートの一方の面に積層する樹脂層全体の厚さの50%未満だとブロッキング防止の効果が十分でなく、150%を越えると加工時に膜割れが生じたり、得られる感熱接着シートの感熱接着性を著しく低下させることがある。また、添加量が球状ビーズを添加する樹脂層の0.1質量%未満であるとブロッキング防止の効果が十分でなく、3質量%を越えると、本発明の目的を達成できない。
【0024】
本発明の感熱接着シートを製造するには、透明プラスチックシートを巻き出しロール5から繰り出し、ニップロール6、冷却ロール7の間に導く(図2参照)。ここで、透明プラスチックシート表面に上記のEVA等の感熱接着樹脂及び球状のビーズ等からなる感熱接着樹脂層とポリオレフィン系樹脂等からなる内層を、Tダイ内で後者の樹脂が透明プラスチックシート表面側に位置するように、Tダイ8から2層のフィルム状に押し出して透明プラスチックシートの表面に積層接着する。
【0025】
ここで疑似接着面を設ける場合には内層の樹脂に加える公知の粘着付与剤の量やオゾン処理等の接着強度を増進する処理の処理強度を制御し、剥離強度を調節する。また、樹脂層を透明プラスチックシートと永久接着させる場合には、透明プラスチックシートと接する内層の樹脂に公知の粘着付与剤を用いるか、または感熱接着性を有する樹脂を用いると共に、積層接着前の透明プラスチックシート表面に表面処理装置11を用いて、コロナ放電処理、フレーム処理及び予熱処理等を行い、また積層接着される樹脂層の透明プラスチックシートと接着する面に、オゾン吹き出し口12からオゾンを供給してオゾン処理を施すことにより、低温で両者間に強い接着力を付与することができる。本発明においては、特にオゾン処理が有効である。
【0026】
このようにして樹脂2a、2bが積層接着された透明プラスチックシートはそのまま巻き取りロール9に巻き取られる。その後、巻き取りロール9を巻き出し側に移し、透明プラスチックシートの、樹脂が積層接着されていない側に対して樹脂層の積層接着を同様にして行う。積層接着する感熱接着樹脂層、内層、透明プラスチックシートの厚さは、要求される感熱接着特性、重量などにより適宜選択されるが、通常感熱接着樹脂層及び内層の厚さは、共に3〜100μmであることが好ましい。3μm未満であるとそれぞれの機能を十分に発揮させることができず、また、100μmを越える押し出しコーティングは技術的に困難である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、本実施例において、樹脂組成物中の各成分の「%」は、「質量%」を表す。
【0028】
実施例1.
感熱接着樹脂層には、EEA67.4%、石油樹脂系の粘着付与剤15%、PE15%、スリップ剤(エルカ酸アミド)0.25%、シリカ0.25%、及び平均粒径13μmのアクリルビーズ2.1%からなる樹脂組成物を用い、透明プラスチックシートに永久接着させる内層には、PE82.4%、粘着付与剤15%、スリップ剤(エルカ酸アミド)0.25%、シリカ0.25%、平均粒径13μmのアクリルビーズ2.1%からなる樹脂組成物を用いると共に、透明プラスチックシートの他の面に疑似接着させる内層には、ポリエチレン(PE)97.4%、スリップ剤0.25%、シリカ0.25%、平均粒径13μmのアクリルビーズ2.1%からなる樹脂組成物を用いた。
【0029】
先ず、厚さ16μmの透明PETシートを巻き出しロール5より繰り出し、ニップロール6、冷却ロール7の間に導いて、シート表面に、上記のEEA及び球形のアクリルビーズ等からなる感熱接着樹脂層とPE等からなる永久接着させる内層を、Tダイ8から2層のフィルム状に235℃の温度で押し出して、前記透明PETシートの一方の表面に積層接着させながらロール状に巻き取った。
【0030】
このとき、内層を永久接着させる側のPET表面及び該表面に接着させる内層用樹脂表面に、オゾン吹き出し口12からオゾン含有空気を吹き付ける表面処理を行った。その後、巻き取ったロール9を巻き出し側に移し、樹脂が積層接着されていない側のPETシート表面に対して、同様に樹脂層を積層接着させた。積層した樹脂層は、感熱接着樹脂層が各8μm、内層が各7μmであり、感熱接着シートとしての厚味は、PETシートの厚さ16μmと併せて合計46μmであった。
【0031】
尚、オゾン処理条件は、溶融膜の積層速度が130m/分、エアギャップが130mmで、オゾン濃度は40g/m3 、オゾン流量は2m3 /時間であった。得られた感熱接着シートについて、ブロッキング防止性、感熱接着性、開封性、及び滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例2.
疑似接着させるために用いた内層用の樹脂組成物を使用する代わりに、永久接着させるための内層用樹脂組成物を用いた他は、実施例1と全く同様にして感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについてブロッキング防止性、感熱接着性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0034】
実施例3.
感熱接着樹脂層を各5μm、内層を各5μmとした他は実施例1と全く同様にして厚さが36μmの感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについてブロッキング防止性、感熱接着性、開封性、滑り性について評価した結果は表1に示した通りである。
【0035】
実施例4.
感熱接着樹脂層用組成物を、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)67.4%、石油樹脂系の粘着付与剤15%、PE15%、スリップ剤(エルカ酸アミド)0.25%、シリカ0.25%、及び平均粒径13μmのアクリルビーズ2.1%からなる樹脂組成物とした他は実施例1と全く同様にして感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについてブロッキング防止性、感熱接着性、開封性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0036】
実施例5.
アクリルビーズとして平均粒径5μmのアクリルビーズを用いた他は実施例1と全く同様にして感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについて、ブロッキング防止性、感熱接着性、開封性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0037】
実施例6.
アクリルビーズの代わりに、平均粒径13μmのガラスビーズを用いた他は実施例1と全く同様にして感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについて、ブロッキング防止性、感熱接着性、開封性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0038】
比較例1.
感熱接着樹脂層には、EVA69.5%、石油樹脂系の粘着付与剤15%、PE15%、スリップ剤(エルカ酸アミド)0.25%、及びシリカ0.25%からなる樹脂組成物、PETシート表面に永久接着させる内層には、PE84.5%、粘着付与剤15%、スリップ剤(エルカ酸アミド)0.25%、及びシリカ0.25%からなる樹脂組成物、及び、PETシートの他の表面に疑似接着させる内層には、PE99.5%、スリップ剤0.25%、シリカ0.25%からなる樹脂組成物を用いた他は実施例1と全く同様にしたところ、疑似接着する内層を設ける加工時に、冷却ロールに感熱接着樹脂層が貼り付き、疑似接着面から積層接着した樹脂が剥離して、感熱接着シートを得ることができなかった。
【0039】
比較例2.
疑似接着させる内層用樹脂組成物を使用せず、代わりに永久接着させる内層用樹脂組成物を用いた他は比較例1と全く同様にして感熱接着シートを得た。得られた感熱接着シートについては、ブロッキング防止性、感熱接着性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0040】
比較例3.
感熱接着樹脂層用の樹脂組成物として、EEA69.5%、石油樹脂系の粘着付与剤15%、PE15%、スリップ剤0.25%からなる樹脂組成物を使用した他は、比較例1と全く同様にして感熱接着シートを作製した。得られた感熱接着シートについて、ブロッキング防止性、感熱接着性、滑り性を評価した結果は表1に示した通りである。
【0041】
ブロッキング防止性
得られた感熱接着シートを100×30mmの大きさに切断し、ガラス板の間に40枚積層して上から4kgの荷重を加え、40℃で湿度90%の雰囲気下に24時間放置した後のブロッキングの様子を、手で剥離することによって比較した。評価は、ほとんどブロッキングしておらず触るとすぐにバラバラになるものを◎、わずかにブロッキングしているが容易に剥離できるものを○、ブロッキングを起こしているが剥離可能なものを△、完全にブロッキングしてしまい、剥離が困難なものを×とした。
【0042】
感熱接着性
感熱接着シートを坪量93.7g/m2 のコート紙に挟み、オーブンで150℃、15秒間加熱した後、150℃、ニップ圧2.0kgf/cm、速度20m/分の条件でヒートロールに通し、感熱接着シートと紙との接着性を手で剥離して評価した。この場合、完全に接着し、剥離しようとするとコート紙が破壊されたものを◎、完全に接着してはいるが、無理に剥離しようとすると剥離できるものを○とした。
【0043】
開封性
感熱接着シートを、感熱接着性の評価の際と同様にしてコート紙に感熱接着させた後、25×150mmの大きさに切断し、300mm/分の速度で、疑似接着面からの剥離強度について90゜剥離試験を行い、その結果が7g/2.5cm〜13g/2.5cmの範囲にあったものを○、それ以外のものを×とした。また、滑り性に関してはテフロンシートとの摩擦係数を、荷重1kg、速度37mm/分の条件で測定した。
【0044】
実施例1〜4、及び6の結果から明らかなように、本発明の感熱接着シートは、感熱接着性が十分であるにもかかわらず、比較例に比べてブロッキング防止効果が十分であり滑り性も大きく向上している。また実施例5ではアクリルビーズの粒径が積層接着する樹脂層全体の厚さに対して小さいために、大部分のアクリルビーズが感熱接着樹脂中に埋もれてしまい、十分なブロッキング防止効果を得る事が出来なかったが、滑り性の向上には貢献している。これに対し、比較例1、2ではアクリルビーズを添加していないため、十分なブロッキング防止効果が得られない上滑り性も大変悪いことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱接着シートの断面概念図である。
【図2】本発明の感熱接着シート製造工程の概念図である。
【符号の説明】
1 透明プラスチックシート
2a 感熱接着剤層
2b 内層
3a 感熱接着剤層
3b 内層
4 球状ビーズ
5 巻出しロール
6 ニップロール
7 冷却ロール
8 Tダイ
9 巻き取りロール
10 押し出し機
11 表面処理装置
12 オゾン吹き出し口
Claims (8)
- 透明プラスチックシートの両面に、それぞれ、少なくとも1層の樹脂からなる内層及び外層として感熱接着樹脂を熱溶融押し出しによって設けてなる感熱接着シートであって、前記透明プラスチックの両面に設けられた内層及び外層からなる樹脂層の少なくとも一方の樹脂層が球状ビーズを0.1〜3質量%含有すると共に、前記球状ビーズの平均粒径が、前記透明プラスチックシートの前記球状ビーズを含む層側の表面に積層する樹脂層全体の厚みの50〜150%であることを特徴とする感熱接着シート。
- 前記感熱接着樹脂が、ビカット軟化点(ASTMD1525)が90℃以下の樹脂と熱押し出しが可能な樹脂との混合樹脂である、請求項1に記載された感熱接着シート。
- 前記ビカット軟化点が90℃以下の樹脂が、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、及び、エチレン/アクリル酸メチル共重合体から選択された少なくとも1種の樹脂である、請求項2に記載された感熱接着シート。
- 前記球状ビーズが有機ビーズである、請求項1〜3の何れかに記載された感熱接着シート。
- 前記有機ビーズがアクリルビーズである請求項4に記載された感熱接着シート。
- 前記透明プラスチックシートの両面に設けられた熱溶融押し出しが可能な樹脂による内層のうち、少なくとも一方が、透明プラスチックフィルムと剥離可能に疑似接着している、請求項1〜5の何れかに記載された感熱接着シート。
- 透明プラスチックシートの両面に、Tダイを用いて、熱溶融押し出し可能な樹脂が内側となり感熱接着樹脂が外側となるように、押し出し法により二種類の樹脂層を積層する感熱接着シートの製造方法であって、前記プラスチックシート表面に形成された感熱接着樹脂層を含む少なくとも一方の樹脂層が、球状ビーズを均一に0.1〜3質量%含有すると共に、前記球状ビーズの平均粒径が、前記透明プラスチックシートの前記球状ビーズを含む層側の表面に積層する樹脂層全体の厚みの50〜150%となるように溶融押し出しすることを特徴とする感熱接着シートの製造方法。
- 前記感熱接着樹脂が、ビカット軟化点(ASTMD1525)が90℃以下の樹脂と熱押し出しが可能な樹脂との混合樹脂である、請求項7に記載された製造方法。
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