JP3960884B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機、その他の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、例えば、停止手段を備えたスロットマシン、所謂パチスロ遊技機が知られている。図44に一般的なパチスロ遊技機Xを示す。
【0003】
このパチスロ遊技機Xは、正面パネル100に設けられた表示窓101〜103内に複数の図柄を変動表示する3つの回転リール104〜106を配列するとともに、同回転リール104〜106を停止するリール停止ボタン107〜109を設けた構成の変動表示装置を有している。そして、この変動表示装置により所定の図柄の組合せが揃うと遊技者に利益が与えられるようになっている。
【0004】
また、正面パネル100の前面側には、前記表示窓101〜103を介して表示される3列×3行からなる9つの図柄に対して、1枚のメダル投入で有効になる中段の1メダル用入賞ライン111と、2枚のメダル投入で追加的に有効になる2本の2メダル用入賞ライン112a,112bと、3枚のメダル投入で追加的に有効になる3メダル用入賞ライン113a,113bとが夫々印刷されている。図中、114は遊技媒体(メダルまたはコイン等)投入口、115はゲームをスタートするスタートレバーである。なお、上記変動表示装置においては、上記回転リール104〜106を用いた機械的な構成のものの他、図柄を液晶画面などに変動表示可能としたものがある。
【0005】
遊技方法としては、まず、上記投入口114への遊技媒体の投入によって開始される。そして、遊技者によるスタートレバー115の操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リール104〜106を回転させることにより図柄を変動表示させる。
【0006】
変動した図柄は、一定時間後自動的に、あるいは遊技者によるリール停止ボタン107〜109の停止操作により、各リール104〜106の回転を順次停止される。このとき、表示窓101〜103内に現れた各リール104〜106の図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合には、遊技媒体を払い出すことによって遊技者に利益を付与するのである。
【0007】
このようなパチスロ遊技機Xは、複数種類の入賞態様を有している。特に、所定の入賞役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払い出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となるものがある。このような入賞役として、遊技者に相対的に大きな利益を与えるゲームを所定回数行える入賞役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と表す)と、遊技者に相対的に小さな利益を与えるゲームを所定回数行える入賞役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と表す)とがある。
【0008】
また、パチスロ遊技機Xにおいては、前記入賞ライン111〜113のうち有効化されたライン(以下「有効ライン」という)に沿って停止表示される図柄の組合せは、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)を行い、この抽選結果と、遊技者によるリール停止ボタン107〜109の停止操作タイミングとに基づいて決定されている。つまり、メダル、コイン等が払い出される入賞が成立するためには、上述の内部的な抽選処理により入賞役に当選(以下「内部当選」という)し、かつその内部当選した入賞役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。
【0009】
すなわち、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと入賞を成立させることができないことから、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流となっている。
【0010】
このような遊技機において、最近では、遊技性を高めたり、入賞を判別し易くしたりするために、正面パネル100に工夫を凝らし、前記入賞ライン111〜113や図柄を表示する様々な技術が種々提案されている。
【0011】
例えば、特開平4−220276号公報に記載の遊技機では、3つの回転リールに対応する表示窓の前側に3組の液晶シャッターを列状に配置し、各ゲーム終了時に入賞の組合せ図柄を表示窓を介して表示する一方、入賞でない残り6つの図柄に対応する液晶シャッターを不透明に切換えることで、入賞ライン上の3つの入賞図柄のみを図柄表示窓に表示させるようにしている。
【0012】
また、特開平2000−350805号公報に記載の遊技機では、正面パネルの背面又は背面近傍に、複数行複数列のドットを介してドットパターンで表示可能なマトリクス表示部なるものを備えた光透過性のある情報表示パネルを設け、しかも、同情報表示パネルを透明EL(エレクトロルミネッセンス)パネルで構成して、情報表示パネル上に光透過性の文字や図柄などをドットパターンで表示させるようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した液晶シャッターを備えた遊技機(特開平4−220276号公報)では、確かに入賞していない図柄を隠して入賞の組合せ図柄を明確に表示することが可能であるが、有効ライン以外のラインも表示されて常に多数のライン表示となるために、各回転リールの図柄が見にくくなること、種々の表示ランプや表示機などを別途設ける必要があり、構成が複雑になるという問題があった。
【0014】
また、情報表示パネルを備えた遊技機(特開平2000−350805号公報)では、確かに有効ラインだけを表示したり、演出画像などを含む多彩な表示を行えたりするが、透過性を有するパネルであるために、ドットパターンを透かして各リールの図柄も常時見えることになり、せっかくの演出画像も必ず透明表示されることになり、また各リールの図柄も前記演出画像が重なって見にくくなるおそれがあった。
【0015】
しかも、上述した従来の技術は、液晶シャッターを不透明に切換えたり、光透過性のある情報表示パネルを用いたりして、あくまでもリールの必要図柄の視認性を向上させるもの、あるいはリールの図柄を透視しながら他の情報画像を見せるようにした技術であり、必要な画像をより鮮明に、より強いインパクトを伴う表示するという技術思想が欠けており、遊技者に遊技のおもしろさを強く訴求するまでには至っていない。
【0016】
本発明は、上記課題を解決して、リールの図柄やこの図柄を透視しながら表示される演出画像などを拡大・縮小表示可能として、より遊技性を高めることのできる遊技機を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明では、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段と前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段と、を具備する遊技機において、前記表示拡縮手段は、前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、前記レンズフレームの四隅にそれぞれ突設された係止ピンと、前記前側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通し、当該係止ピンの移動方向を規制する水平長孔と、前記後側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通して斜面に沿って移動させる傾斜長孔と、前記後側フレーム上側に設けられた長孔と、前記長孔の上下内側縁に周面が接するカムと、このカムを軸芯に対して偏芯して取付けたモータと、を備えることとした。
【0018】
また、請求項2記載の本発明では、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段と前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段と、を具備する遊技機において、前記表示拡縮手段は、前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、基端をモータに連動連結し、前記後側フレームを貫通した螺杆軸と、前記レンズフレームに設けられ、前記螺杆軸と螺合する螺合用ボスと、前記前側フレームと前記レンズフレームとの間に介設したスプリングと、を備えることとした。
【0019】
また、請求項3記載の本発明では、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段とを有する遊技機において、前記前側表示手段と前記変動表示手段との間に、当該変動表示手段により変動表示される前記図柄を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段を設けたこととした。
【0020】
【発明の実施の形態】
本実施形態に係る遊技機は、複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段と前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段と、を具備する遊技機において、前記表示拡縮手段は、前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、前記レンズフレームの四隅にそれぞれ突設された係止ピンと、前記前側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通し、当該係止ピンの移動方向を規制する水平長孔と、前記後側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通して斜面に沿って移動させる傾斜長孔と、前記後側フレーム上側に設けられた長孔と、前記長孔の上下内側縁に周面が接するカムと、このカムを軸芯に対して偏芯して取付けたモータと、を備える構成としたものである。
【0021】
すなわち、図柄を設けた複数の回転リールからなる変動表示手段と、その前方に設けられ、前記図柄を透視でき、かつ画像や代替ランプなどを含む何らかの情報表示を多様な映像で表示可能としたパネル状ディスプレイなどからなる前側表示手段とを備え、しかも、この前側表示手段における表示や同前側表示手段から透かして見える前記回転リールの図柄を拡大・縮小表示可能とした表示拡縮手段を備えたものである。
そして、表示拡縮手段としては、前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、前記レンズフレームの四隅にそれぞれ突設された係止ピンと、前記前側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通し、当該係止ピンの移動方向を規制する水平長孔と、前記後側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通して斜面に沿って移動させる傾斜長孔と、前記後側フレーム上側に設けられた長孔と、前記長孔の上下内側縁に周面が接するカムと、このカムを軸芯に対して偏芯して取付けたモータと、を備える構成、あるいは、前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、基端をモータに連動連結し、前記後側フレームを貫通した螺杆軸と、前記レンズフレームに設けられ、前記螺杆軸と螺合する螺合用ボスと、前記前側フレームと前記レンズフレームとの間に介設したスプリングと、を備える構成とすることができる。また、前記表示拡縮手段は、前側表示手段と前記変動表示手段との間に設けることができる。
【0022】
このように、必要な画像を拡大・縮小表示することによって、より強いインパクトを遊技者に与え、また拡大することでより鮮明な表示となるために、演出画像などを楽しむ遊技機の面白さを一層引き立たせ、遊技者に飽きさせることなく遊技を堪能させることが可能となる。
【0023】
かかる表示拡縮手段としては、凸レンズ若しくはフレンネルレンズを備える構成とすることができ、簡単な構成で拡大・縮小表示が可能となる。
【0024】
そして、このときに、表示拡縮手段と前側表示手段との距離を相対的に可変とすることが好ましく、そのための移動機構を適宜備えておく。例えば表示拡縮手段側を移動させる場合、移動させる駆動源としてモータなどを用いるとともに、同モータと連動するアクチュエータを介して表示拡縮手段を前後方向に移動させるとよい。
【0025】
あるいは、通常隠れた位置に収納した適当な大きさとした表示拡縮手段を、必要に応じて表示手段となるパネルに対して平行に移動させるようにして、スポット的に所望個所を拡大・縮小させるようにすることもできる。
【0026】
ところで、前側表示手段となる上記パネル状ディスプレイとしては、液晶パネルやEL(エレクトロルミネッセンス)パネルを好適に利用することができ、下記に説明する構造とすることができる。
【0027】
例えば、パネル状ディスプレイとして液晶パネルを用いたとして説明すると、液晶パネルを二層に配設し、回転リール側に配置する液晶パネルに、回転リールの図柄を露出可能なくり抜き部を形成するのである。
【0028】
かかる構成とすれば、回転リールの図柄に関しては、遊技者側からは一枚の液晶パネルを透かして見えることになるので、2枚の液晶パネルを用いて画像表示などを行っても、リールの図柄は常に比較的鮮明に表示される。
【0029】
この場合のくり抜き部の孔形状やその大きさは適宜設定できる。例えば、3つの回転リール全体が覗ける1つの大型矩形形状の孔としてもよいし、3つの回転リールごとにそれぞれ覗くことのできる3つの短冊形状の孔としてもよいし、あるいは、通常1本の回転リールで3つの図柄が見えることから、各図柄がそれぞれ覗ける程度の比較的小形の9つのの矩形形状孔としてもよい。
【0030】
以下、本実施の形態に係る遊技機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図であり、図2は、同じく遊技機1の正面図である。
【0032】
遊技機1は、図柄を変動表示する3つの回転リールを備えた所謂「パチスロ機」であって、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技することが可能であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0033】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、前側表示手段としての液晶表示装置からなるパネル表示部5が設けられている。
【0034】
また、キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個の回転リール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は、前記パネル表示部5を通して見える表示窓4L、4C、4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0035】
本発明の要部をなすパネル表示部5の内部構成については後に詳述するが、図示するように、前記回転リール3L、3C、3Rを透視可能な液晶からなる表示画面5aが全面にわたり設けられており、遊技者側から見た場合、外観的には以下に説明する構成要素が表れる。
【0036】
すなわち、表示画面5aの中央部に縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが見えるとともに、これら表示窓4L、4C、4Rには、入賞ラインとして水平方向にセンターライン8a、トップライン8b及びボトムライン8c、斜め方向にクロスダウンライン8d及びクロスアップライン8eが視認可能となっている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大−BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、ラインの点灯、及び下記に説明するBETランプ9a、9b、9cの点灯で表示される。
【0037】
すなわち、表示窓4L、4C、4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、遊技メダル貯留枚数表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯表示される。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したとき、若しくは遊技媒体の払い出しが行われる場合には、遊技媒体が払い出されたときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が"1"で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯表示される。2−BETランプ9bは、BET数が"2"で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯表示される。最大BETランプ9cは、BET数が"3"で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯表示される。また、BETランプ9a、9b、9cの下方に設けられた遊技開始表示ランプ25は、少なくとも1本のラインが有効化されたときに点灯表示される。さらに、遊技メダル貯留枚数表示部19は、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0038】
表示窓4L、4C、4Rの右側には、WINランプ17、払い出し表示部18及び遊技メダル投入ランプ24が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯表示され、また、BB又はRBの入賞が成立した場合にも点灯表示される。払い出し表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払い出し枚数を表示する。遊技メダル投入ランプ24は、遊技メダルの投入が受け付け可能なときに点滅表示される。
【0039】
表示画面5aの右側上部には、役物作動回数表示部20が設けられる。役物作動回数表示部20は、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。
【0040】
表示画面5aの左側上部位置に、遊技停止表示器31、再遊技表示器32、RB作動表示器33、BB作動表示器34が横一列に設けられている。遊技停止表示器31は前回の回胴回転から今回の回胴回転までの時間が所定の時間(本実施形態では4.1秒)未満のときに点灯表示される。再遊技表示器32は再遊技が作動したときに点灯表示される。RB作動表示器33はRB作動中に点灯表示され、BB作動表示器34はBB作動中に点灯表示される。
【0041】
また、上記してきた表示画面5aには、後で説明する「停止操作補助期間」において「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立を実現するために必要な「停止順序」についても表示される。
【0042】
表示画面5aを通して見える表示窓4L、4C、4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と前記表示窓4L、4C、4Rとの間には遊技機1に関する情報などが標示される標識部2aが設けられている。
【0043】
また、標識部2aの右側にはメダル投入口22が設けられ、標識部2aの左下位置には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。また、標識部2aの左上位置には、十字ボタン26、○ボタン27、×ボタン28が設けられる。
【0044】
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作によりクレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作によりクレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0045】
そして、十字ボタン26、○ボタン27、×ボタン28を操作することによって、表示画面5aの切替及び入力を行うことができる。
【0046】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払い出しを押しボタン操作で切換える貯留メダル精算スイッチ14が設けられている。この貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより、正面下部の遊技メダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルは遊技メダル受け部16に溜められる。貯留メダル精算スイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0047】
台座部10の前面部の右寄りには、ドア開閉および打ち止め解除装置29が設けられており、このドア開閉および打ち止め解除装置29は、所定の鍵を用いて、右に回すことにより前面ドアを開閉を行い、左に回すことにより打ち止めの解除を行う。
【0048】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、標識部2aの下方位置には、3個の回転リール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L、7C、7Rが設けられている。
【0049】
上記構成の遊技機1において、前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段を具備することに本発明の特徴がある。
【0050】
以下、図35〜図39を参照しつつ、本発明の要部となる表示拡縮手段について、パネル表示部5の構成を説明しながら詳述する。なお、以下の説明では、パネル状ディスプレイを液晶パネル501,502からなる二層の液晶パネルとして、回転リール側3L、3C、3Rに配置される第2液晶パネル502に、回転リール3L、3C、3Rの図柄を露出可能なくり抜き部を形成している。かかる構成により、回転リール3L、3C、3Rの図柄に関しては、遊技者側からは第1液晶パネル501を透かして見えることになり、二層の液晶パネル501,502を用いて画像表示などを行っても、回転リール3L、3C、3Rの図柄は常に比較的鮮明に表示されることになる。
【0051】
図35に示すように、本実施の形態に係るパネル表示部5は、最外側(最前面側)から、実質的に前記前側表示手段を構成する透明な保護ガラス500及び第1液晶パネル501及び第2液晶パネル502と、バックライト構造の一部をなす所定厚みを有するアクリル板503とを備えた多層パネル体5’からなる多層構造となっており、しかも、前記第1液晶パネル501と第2液晶パネル502との間に、拡縮機構部Aにより前後移動自在としたフランネルレンズ504を配設している。本実施の形態では、かかる拡縮機構部Aとフランネルレンズ504により表示拡縮手段を実質的に構成している。なお、前記保護ガラス500に代えて透明アクリル板を用いてもよい。
【0052】
多層パネル体5’は、キャビネット2の前面開口部2bに、その裏側から面するように取付けられており、キャビネット2から露出する部分が表示画面5aを形成している。なお、2c,2c’は上・下側パネル取付用ボス、2dは取付ビスである。
【0053】
また、多層パネル体5’の内側下方には、前記第1,第2液晶パネル501,502のバックライトとして機能する冷陰極管2eと、回転リール3L、3C、3Rの図柄を照射可能とした冷陰極管2fとを並設している。冷陰極管2eは、前記アクリル板503の端部に向けて照射して光を透過させることにより、アクリル板503全面を輝かせるようにしている。図中、2gは前記冷陰極管2e,2fを内包するように配設したシェードであり、冷陰極管2e,2fの光をアクリル板503及び回転リール3L、3C、3R側に効率的に案内可能としている。また、同シェード2gは、断面視略U字状に湾曲形成されて下側パネル取付用ボス2c’に多層パネル体5’とともに共締めされている。
【0054】
ここで、本発明の要部となる表示拡縮手段について詳述すると、図35及び図36に示すように、フランネルレンズ504は、第1、第2液晶パネル501,502と略同寸の矩形形状に形成されており、レンズフレーム507により保持され、前側フレーム505と後側フレーム506との間に前後移動自在に配設されている。
【0055】
すなわち、前記レンズフレーム507の四隅近傍に係止ピン508をそれぞれ突設する一方、前側フレーム505の四隅近傍に略L字状の抱持片509を形成し、各抱持片509の側面部に、前記係止ピン508を挿通するとともに、係止ピン508の移動方向を規制する水平長孔510を設け、さらに、前記抱持片509の内側に重合可能な耳片511を前記後側フレーム506の四隅近傍に設け、しかも、同耳片511には、前記係止ピン508を挿通するとともにカムのよう作用して係止ピン508を斜面に沿って相対的に移動させる傾斜長孔512をそれぞれ形成している。
【0056】
また、後側フレーム506の上側枠部506aに長孔513を設けるとともに、同長孔513内に、拡縮機構部Aを実質的に構成するモータMのモータ軸M1が挿通されており、しかも、同モータ軸M1には、軸芯に対して偏芯し、かつ周面が前記長孔513の上下内側縁に接するカム514が取付けられている。
【0057】
したがって、モータMを回転させると、図37〜図39に示すように、カム514が後側フレーム506を上下移動させることになり、それに伴って、傾斜長孔512が係止ピン508を介してフランネルレンズ504を相対的に前後移動させることになり、しかも、前記係止ピン508は前側フレーム505の抱持片509に形成した水平長孔510により移動方向が規制されているので、フランネルレンズ504は前後水平移動することになる。
【0058】
フランネルレンズ504の前後移動によって、第1液晶パネル501との距離が相対的に可変となり、図40に示すように、表示画面5aでは、変動表示手段である回転リール3L、3C、3Rにおける表示図柄を、拡大・縮小表示することができる。標準位置として、フランネルレンズ504を中央に位置させておけば、前側に移動することで拡大表示、後方に移動することで縮小表示とすることが可能である。
【0059】
なお、本実施の形態では、第1液晶パネル501よりも後方にフランネルレンズ504を配設したが、前方側に配設するようにすることで、第1液晶パネル501によって表示される画像なども拡大・縮小表示することが可能となる。
【0060】
図41に他の実施形態に係る拡縮機構Aを示している。なお、ここでもパネル表示部5は、第1液晶パネル501、前側フレーム505、フランネルレンズ504、第2液晶パネル502、アクリル板503、後側フレーム506とを備えた多層構造としている。
【0061】
本実施の形態では、図示するように、基端をモータM’に連動連結した4本の螺杆軸M1’を、後側フレーム506を貫通するようにそれぞれ配設する一方、各螺杆軸M1’にフランネルレンズ504のレンズフレーム507に設けた螺合用ボス521を螺合し、螺杆軸M1’の回転によってフランネルレンズ504を前後移動可能となすとともに、前記レンズフレーム507と前側フレーム505との間にスプリング522を介設している。523はスプリング配設用座部である。
【0062】
かかる構成とすることにより、モータM’を駆動することでフランネルレンズ504は第1液晶パネル501との距離が相対的に可変となり、やはり、回転リール3L、3C、3Rにおける表示図柄を、拡大・縮小表示することができる。また、標準位置として、フランネルレンズ504を中央に位置させておけば、前側に移動することで拡大表示、後方に移動することで縮小表示とすることがここでも可能である。
【0063】
さらなる他の実施形態として、図42に示す拡縮機構部Aについて説明する。なお、ここでもパネル表示部5は、第1液晶パネル501、前側フレーム505、フランネルレンズ504、第2液晶パネル502、アクリル板503、後側フレーム506とを備えた多層構造としている。
【0064】
本実施の形態では、図示するように、前側フレーム505と後側フレーム506とを、4本の連結杆体525を介して連結するとともに、同連結杆体525に、圧電素子を使った所謂インチワームモータM’’を設けたレンズフレーム507を取付けている。
【0065】
かかる構成により、インチワームモータM’’を駆動させることによって、レンズフレーム507ごとフランネルレンズ504を前後移動させることができる。
【0066】
ところで、上述してきた実施の形態では、拡縮手段の一構成としてフランネルレンズ504を用いたが、凸レンズを用いることもできる。
【0067】
なお、凸レンズは比較的厚みがあることから、凸レンズを用いる場合は、スポット的に拡大表示可能な構成とすることが好ましい。
【0068】
すなわち、図43に示すように、前側フレーム505と後側フレーム506との間に回転可能に介設した軸体530に、前記したインチワームモータM’’を介してアーム531を連設し、同アーム531の先端にスポット用凸レンズ532を設けている。軸体530は基端をモータM’にギヤ機構533を介して連動連結している。図中、534は軸体530の軸受けである。
【0069】
かかる構成により、パネル表示部5に対してスポット用凸レンズ532を平行に移動させることができる。すなわち、必要に応じてモータM’を駆動してスポット用凸レンズ532を表示画面5aの領域内に回転移動させ、さらに必要に応じてインチワームモータM’’を駆動することにより、スポット用凸レンズ532を前後移動させて適宜の倍率にスポット的な拡大表示が可能となる。
【0070】
なお、図示した例では、スポット用凸レンズ532を単体で使用しているが、前側フレーム505と後側フレーム506との間に複数本設けられる軸体530にそれぞれスポット用凸レンズ532を設けて拡大表示可能なスポット個所を増大させることができる。
【0071】
なお、上記してきたモータM,M’,インチワームモータM’’は、後述するマイクロコンピュータ40からの制御信号により動作制御されている。
【0072】
ところで、上記各実施の形態における構成では、前側表示手段として第1・第2液晶パネル501,502を用いて説明したが、これらに代えて各々EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを用いることもできる。いずれにしても、このような電子式のディスプレイを用いた場合、薄型でコンパクトな表示手段が構成可能で、なおかつ動画表示なども可能となって多彩な情報表示が可能となる。
【0073】
このように、本実施の形態においては、パネル表示部5に表示拡縮手段を設けたことにより、必要な画像を拡大・縮小表示することが可能となって、より強いインパクトを遊技者に与え、また拡大することでより鮮明な表示となるために、演出画像などを楽しむ遊技機の面白さを一層引き立たせ、遊技者に飽きさせることなく遊技を堪能させることが可能となる
さらに、上述してきたように、第1液晶パネル501と第2液晶パネル502とを二層に重合配設し、両液晶パネル501,502の同じ位置にそれぞれ同一の画像を表示すれば、画像が重なってより明瞭に表示でき、一方の液晶パネルを別の画像とすれば、両者が合成されたように表示されて幻想的な表示が可能となる。すなわち、第1の液晶パネル501にキャラクタ画像や文字情報、さらには上記した入賞ラインやランプ類や表示部類を表示するとともに、第2の液晶パネル502に背景画像などを表示するなどができる。そして、一方の液晶パネル501(502)の画像をそのままに、他方の液晶パネル502(501)の画像を変化させるなどして、幻想的な表示を含む多彩な映像表示が可能となる。
【0074】
このように、2枚の液晶パネル501,502を重合させて画像表示することで、より明瞭に、ときにはより多彩な表示が可能となって、遊技者にゲームの楽しみを増加させるとともに、情報報知にしても印象に強く残るように表示することができる。
【0075】
また、第2液晶パネル502の中で、回転リール3L、3C、3Rに対応する範囲には映像表示させず、透視可能な状態とすれば、やはり透視可能な第1液晶パネル501から回転リール3L、3C、3Rの各図柄を十分に透視することができるので、回転リール3L、3C、3Rの変動も常時視認することができる。
【0076】
しかも、前記表示拡縮手段を用いることで、よりインパクトが強い図柄表示が可能となるのである。
【0077】
ここで、スタートレバー6を操作して3個のリール3L、3C、3Rを回転させ、その回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L、7C、7Rの操作について説明する。
【0078】
本実施例では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに行われる停止操作を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0079】
本遊技機1には、3つの停止ボタン7L、7C、7Rが設けられているので、これらの操作順序は"6種類"ある。そこで、これらの操作順序を次のように区別する。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記する。そして、停止順序を示すとき、各停止ボタン7L、7C、7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、停止順序を「左中右」と示す。なお、実施例の停止順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の"6種類"がある。
【0080】
図5は、各リール3L、3C、3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には"00"〜"20"のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32に格納されている。各リール3L、3C、3R上には、"青7"、"赤7"、"BAR"、"ベル"、"プラム"、"リプレイ(Replay)"及び"チェリー"の図柄で構成される図柄列が表されている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0081】
図6に示した表は、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する入賞役及び払い出し枚数を示したものである。
【0082】
遊技状態は、一般遊技状態(この状態にあることを「一般遊技中」とも表現する)、BB中一般遊技状態(この状態にあることを「BB作動中」とも表現する)、RB遊技状態(この状態にあることを「RB作動中」とも表現する)の3つの状態に区分している。通常、一般遊技状態にあることを「一般遊技中」と、BB中一般遊技状態にあることを「BB作動中」と、RB遊技状態にあることを「RB作動中」と表現する。
【0083】
また、一般遊技状態をBB又はRBに内部当選しているか否かによってさらに区分することもあるが、内部当選する可能性のある入賞役については同様であることから、この表における区分は表中の3状態で区分している。
【0084】
なお、内部当選する可能性のある入賞役の種類は、所謂確率抽選テーブル(確率抽選テーブルについては後述する)によって定まるものであり、この確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類が同一となる。
【0085】
図6に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って"青7−青7−青7"、又は"赤7−赤7−赤7"が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払い出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0086】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"BAR− BAR− BAR"であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"Replay−Replay−Replay"であるとき(所謂「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払い出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ"Replay−Replay−Replay"が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において遊技可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。すなわち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。そして、RB遊技状態が終了すると、一般遊技状態に移行する。
【0087】
一回のBBは、BB中一般遊技状態を30ゲーム遊技した場合、もしくはRB遊技状態に3回移行し、3回目のRBが終了したところで終了する。そして、BB遊技状態が終了すると、一般遊技状態に移行する。
【0088】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"Replay−Replay−Replay"であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
【0089】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ"ベル−ベル−ベル"が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。「ベルの小役」に内部当選したとき、入賞が成立するか否かは、後述のテーブル番号と、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの停止順序により決定される。具体的には、"6種類"の停止順序のうち、テーブル番号に対応した一の停止順序で停止操作を行った場合にのみ、「ベル−ベル−ベル」が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。その他の"5種類"の停止順序のいずれかで停止操作を行った場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0090】
また、一般遊技状態及びBB中一般遊技状態では、「プラムの小役」や「チェリーの小役」等の入賞成立を実現することが可能であるが、その払い出し枚数は図示のとおりである。
【0091】
「一般遊技状態」では、「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立が実現することとなる「停止順序」が報知される「停止操作補助期間(後述のAT)」という期間が設けられる。この期間において「ベルの小役」に内部当選したとき、遊技者は、確実に入賞成立を実現することができる。
【0092】
図7は、救済措置が発生するまでの経緯を表示するための表示手段である「天井表示メーター」の一例について説明するための図である。図に示す目盛りは、遊技に使用したメダルの総数と、払い出されたメダルの総数との差を示すものである。つまり、通常、一般遊技中は使用メダル数の方が、払い出されたメダルに比べて多くなるので、ボーナス等に当選するまでメーターの目盛りは増えていく。このメーターの目盛りは、BB終了時に目盛り1から始まり、目盛りが8になったところで、所謂天井と呼ばれる救済措置が発動する。
【0093】
かかる表示は、本実施形態では表示画面5aに液晶表示されるが、このときには第2液晶パネル502を駆動させて、目盛り部分の背後をマスクすることにより、液晶表示が極めて明瞭に視認できるようにしている。そして、第1液晶パネル501よりも前方にフランネルレンズ504を配設した場合であれば、本発明に係る表示拡縮手段を用いて拡大表示することができる。
【0094】
次に、図8を参照して、補助期間において「ベルの小役」に内部当選したときに表示画面5aに表示される画像(停止順序を報知する画像)について説明する。
【0095】
この場合も、第2液晶パネル502を駆動させて、目盛り部分の背後をマスクすることにより、液晶表示による停止順序を報知する画像が極めて明瞭に視認できるとともに、拡大表示が可能である。なお、この図7では、入賞させるために必要な停止順序が左右中の場合で説明している。
【0096】
図8(1)は、ゲーム開始時に表示される画像を示したものである。画像の左側の表示領域にベルの図柄が表され、「ベルの小役」に内部当選したことが示されている。そしてさらに、このベルの図柄の下方に、「=LEFT= PUSH!」というメッセージが表示され、入賞させるために必要な停止操作が、第1停止操作として左の停止ボタン7Lを操作するべきことを報知している。
【0097】
図8(2)は、第1停止操作が行われた後に表示される画像を示す。画像の右側の図柄表示領域にベルの図柄が表され、このベルの図柄の下方に、「=RIGHT= PUSH!」と表示され、第2停止操作として右の停止ボタン7Rを操作するべきことを報知している。
【0098】
図8(3)は、第2停止操作が行われた後に表示される画像を示す。画像の中央の図柄表示領域にベルの図柄が表され、このベルの図柄の下方に、「=CENTER= PUSH!」と表示され、第3停止操作として中央の停止ボタン7Cを操作するべきことを報知している。表示画面5aの表示内容に応じた第1、第2停止操作を行った場合には、第3停止操作の後、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようになっている。
【0099】
なお、図8では、「停止順序」を報知する態様として、次に操作するべき停止ボタンを順次報知するようにしているが、ゲーム開始時において全ての「停止順序」を一括して報知するようにしても良い。例えば、表示画面5aに「停止順序」として「左右中」のように表示することもできる。
【0100】
図3は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路81と、主制御回路81に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路81から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置であるパネル表示部5及びスピーカ21L、21Rを制御する副制御回路82とを含む回路構成を示す。
【0101】
主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、記憶手段であるROM42及びRAM43を含む。
【0102】
CPU41には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路44及び分周器45と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器46及びサンプリング回路47とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ40内で、すなわちCPU41の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成しても良い。その場合、乱数発生器46及びサンプリング回路47は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0103】
マイクロコンピュータ40のROM42には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路82へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「入賞役コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路82が主制御回路81へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路81から副制御回路82への一方向で通信が行われる。
【0104】
図3の回路において、マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、メダルを収納し、ホッパー駆動回路51の命令により所定枚数のメダルを払い出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払い出しのための駆動部を含む)50と、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ59L、59C、59Rと、表示拡縮手段のモータM(M’,M’’)とがある。
【0105】
さらに、ステッピングモータ59L、59C、59Rを駆動制御するモータ駆動回路59、ホッパー50を駆動制御するホッパー駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58がI/Oポート48を介してCPU41の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0106】
また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、貯留メダル精算スイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払い出し完了信号回路61がある。これらも、I/Oポート48を介してCPU41に接続されている。
【0107】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路56は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU41へ供給する。払い出し完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパー50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払い出し完了を検知するための信号を発生する。
【0108】
図3の回路において、乱数発生器46は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路47は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM42内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0109】
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L、59C、59Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が"0"にクリアされる。これにより、RAM43内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0110】
上記のようなリール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0111】
さらに、ROM42内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0112】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU41は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。
【0113】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU41は、払い出し指令信号をホッパー駆動回路51に供給してホッパー50から所定個数のメダルの払い出しを行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
【0114】
図4のブロック図は、副制御回路82の構成を示す。副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて、パネル表示部5に各種ランプ表示(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払い出し表示部18、遊技メダル貯留枚数表示部19、役物作動回数表示部20)やその他多彩な画像などの表示制御を行うとともに、第2液晶パネル502の駆動制御、及びスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。なお、シャッター構造が機械式であれば、シャッター駆動源となるモータなどの制御についても実行するようにしておく。
【0115】
この副制御回路82は、主制御回路81を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)83を主たる構成要素とし、パネル表示部5の表示制御手段としての画像制御回路91、スピーカ21L、21Rにより出音される音を制御する音源IC88、及び増幅器としてのパワーアンプ89で構成されている。
【0116】
サブマイクロコンピュータ83は、主制御回路81から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU84と、記憶手段としてのプログラムROM85と、ワークRAM86とを含む。副制御回路82は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU84の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
【0117】
サブマイクロコンピュータ83は、その所定の記憶領域に、報知回数カウンタ、AT回数ストックカウンタ等を備える。報知回数カウンタは、停止操作補助期間における押し順の報知の残り回数を記憶する。このカウンタの値が"1以上"であるとき、停止操作補助期間である。AT回数ストックカウンタは、停止操作補助期間が発生する残り回数に関する情報を記憶するものである。
【0118】
プログラムROM85は、サブCPU84で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM86は、上記制御プログラムをサブCPU84で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0119】
画像制御回路91は、画像制御CPU92、画像制御ワークRAM93、画像制御プログラムROM94、画像ROM96、ビデオRAM97及び画像制御IC98で構成される。画像制御CPU92は、サブマイクロコンピュータ83で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM94内に格納する画像制御プログラムに従ってパネル表示部5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM94は、パネル表示部5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM93は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU92で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC98は、画像制御CPU92で決定された表示内容に応じた画像を形成し、パネル表示部5に出力する。画像ROM96は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM97は、画像制御IC98で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0120】
次に、図9を参照して、確率抽選テーブルについて説明する。
【0121】
これらの確率抽選テーブルは、確率抽選処理において参照されるものである。図9(a)は一般遊技中において使用されるものであり、図9(b)はBB中一般遊技中において使用されるものであり、各ゲームの内部当選役を決定するものである。
【0122】
いずれのテーブルもその乱数範囲は0〜16383であり、この範囲にある数値から抽出される一の数値を用いて、内部当選役が決定される。
【0123】
例えば、一般遊技中において、抽出された乱数値が2851の場合、このゲームの内部当選役は「ベル」となる。また、一般遊技中において、抽出された乱数値が11036〜16383の場合には、そのゲームの内部当選役は「ハズレ」となる。
【0124】
次に、図10〜図14を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0125】
図10に示した「停止制御テーブルナンバー選択テーブル」は、ベルの小役が内部当選した場合に、各リール3L、3C、3Rを停止制御する際に参照するテーブルを決定するものである。つまり、ベルの小役が内部当選した場合には、6通りの停止制御テーブルのいずれか一つを参照してそれに基づいて停止制御が行われる。
【0126】
図11は、図10で選択された各テーブルにおける各リール3L、3C、3Rの停止制御順序と、入賞の成立不成立との関係を示したものである。例えば、図9の停止制御テーブルナンバー選択テーブルによって選択されたテーブル番号がテーブル番号1の場合、停止順序が「左中右」であればベルが入賞することとなる。しかしながら、それ以外の停止順序であればベルは入賞しないようになっている。すなわち、ベルを入賞させるためには、内部当選役がベルであり、かつ各リール3L、3C、3Rの停止制御順序がテーブル番号に対応した停止順序を行う必要がある。
【0127】
図12〜図14は、内部当選役がベルの場合の各リール3L、3C、3Rの具体的な停止制御について説明する。
【0128】
「停止制御テーブル」には、各リール3L、3C、3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられた停止ボタン7L、7C、7Rが操作されたとき、センターライン8aに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8aの上方に位置し、その中心がセンターライン8aの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表す。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8aの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表す。ここで、本実施例では、所謂「滑りコマ数」を最大"4コマ"としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー"12"の"チェリー"がセンターライン8aの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー"08"の"青7"をセンターライン8aの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0129】
図12は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0130】
図12において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー"03"、"08"、"11"、"15"又は"19"のいずれかであり、これらに対応する図柄は"ベル"である。
【0131】
図12において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー"03"、"07"、"11"、"15"又は"19"のいずれかであり、これらに対応する図柄は、"ベル"である。
【0132】
図12において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー"01"、"05"、"10"、"14"又は"18"のいずれかであり、これらに対応する図柄は、"ベル"である。
【0133】
以上のように、図12に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8aの位置、すなわち表示窓4L、4C、4R内の中央の位置に"ベル"が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0134】
図13は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図11に示すものと同じである。
【0135】
図13において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー"02"、"06"、"11"、"15"又は"19"のいずれかであり、これらに対応する図柄は、"Replay"である。
【0136】
以上のように、図13に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L、4C内の中央の位置に"ベル"が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に"Replay"が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0137】
図14は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図11に示すものと同じである。
【0138】
図14において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー"04"、"09"、"12"、"17"又は"20"のいずれかであり、これらに対応する図柄は、"Replay"である。
【0139】
以上のように、図14に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に"Replay"が停止表示され、表示窓4C、4R内の中央の位置に"ベル"が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0140】
ここで、実施例では、前述のように停止順序として"6種類"を採用し、テーブル番号に応じて、いずれか一の順序で停止操作が行われたときにのみ、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、テーブル番号として"1(対応する停止順序は「左中右」)"が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも"ベル−ベル−ベル"が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、"ベル−ベル−ベル"は、必ずセンターライン8aに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図12及び図13に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。なお、テーブル番号が"2"、"3"、"4"、"5"、又は"6"の場合には、各々「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、又は「右中左」で停止操作を行うことにより、ベルの小役の入賞が成立するようになっている。
【0141】
図15に「天井AT回数選択テーブル」および「AT発動抽選テーブル」について説明する。この乱数範囲は、「天井AT回数選択テーブル」が0〜4095、「AT発動抽選テーブル」が0〜255である。
【0142】
AT1回は、10ゲーム分であるが、このATを何回発生させるかを決定するのが、「AT回数選択テーブル」である。1回のAT抽選で選択されるATの回数は"1回"、"2回"、"5回"、"10回"、"30回"のいずれかである。
【0143】
このテーブルでは、抽出された乱数値から、上の行から順に抽選値を減算し、負になった行の値をAT回数とする。例えば、抽出された乱数値が4021の場合、まず、この4021から一行目の抽選値である2356が減算され、1665となる。この値が正であることから、さらに2行目の抽選値である1512が減算され、153となる。この値が正であることから、さらに3行目の抽選値である196が減算され、−43となる。ここで負になるので、この場合のAT回数は5となる。
【0144】
そして、このAT1回分を発動させるか否かを選択するのが、「AT発動抽選テーブル」である。この乱数範囲は、0〜255である。ここで、発動が選択された場合にはベルの押し順の報知回数10ゲーム分がセットされる。すなわち、ここでATが始まる。抽選の方法は、上述のAT回数選択テーブルの場合と同様である。
【0145】
図16に「天井発動選択テーブル」および「天井メーター移行選択テーブル」について説明する。この乱数範囲は、「天井発動選択テーブル」が0〜255である。また、「天井メーター移行選択テーブル」に示される数値は、メーターの目盛りを移行させるか否かを決定するための基準となる差枚数値である。
【0146】
まず、「天井発動選択テーブル」は、BB終了後に用いるもので、次回の天井を発動させる差枚数値を決定するものである。このテーブルの1200が選ばれた場合は、遊技に使用したメダルの総数と、払い出されたメダルの総数との差が1200枚に達したところで、救済措置である天井ATが発動する。同様に1500が選ばれた場合には1500枚、1800が選ばれた場合には1800枚に達したところで発動する。
【0147】
次に、「天井メーター移行選択テーブル」は、選択されているATが発動する差枚数値と、現在の差枚数値によって、天井メーターレベルの表示を決定するためのものである。具体的な表示方法としては、現在選択されているATが発動する差枚数値の列の数値のうち、現在の差枚数値に最も近く、かつそれを越えない値の行に示されるレベルで表示される。例えば、現在選択されているATが発動する差枚数値が1200Gであって、現在の差枚数値が821枚の場合は、レベル5で表示される。ここで、差枚数値が900枚に達すると、レベル6に移行するように表示する。
【0148】
図17および図18にコマンド表について説明する。これらのコマンドは、主制御回路81から副制御回路82に送信されるものであり、この送信は主制御回路81から副制御回路82への一方向の送信のみである。主制御回路81から副制御回路82の間は16本のデータ信号線と1本の信号線で接続されている。そして、これらのコマンドは2バイト、4バイトまたは6バイト構成になっており、16本のデータ信号線で送信するために1、2または3シーケンスで1つのコマンドとして送信している。
【0149】
これらコマンドのうち、スタートコマンドについて説明すると、このゲームの内部当選役の種別、遊技状態、および内部当選役がベルである場合の選択された停止制御テーブルナンバーが一つのコマンドとして送信される。その他のコマンドついても同様である。また、図17および図18に示したコマンドは、その一例であり、これら以外にも副制御回路で行う制御に必要な情報の送信を行っている。
【0150】
次に、主制御回路81のCPU41の制御動作について、図19〜図25に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0151】
初めに、電源が投入され(ステップ[以下、STと表示する]1)、CPU41は、全出力ポートを初期化する(ST2)。続いて、パワーダウンエラーであるか否かを判断する(ST3)。ここで、パワーダウンエラーの場合は、ST2の処理に移り、パワーダウンエラーでない場合は、ST4の処理に移る。ST4の処理では、CPU41の初期化が行われる。続いて、RAMエラーであるか否かを判断する(ST5)。ここで、RAMエラーの場合には、RAMエラーの表示を行う。具体的には、7セグメントLEDにより構成されるメダル払い出し表示器に「rr」という表示を行う。なお、RAMエラーとは、RAM78が正常に読み書きできない不具合をいう。
【0152】
そして、RAMエラーでない場合には、設定用鍵型スイッチが「オン」であるか否かを判断する(ST6)。設定用鍵型スイッチが「オン」のときは、6段階の設定処理を行った後、ST12の処理に移る。また、設定用鍵型スイッチが「オフ」のときは、ST8の処理に移る。ST8の処理では、バッテリーバックアップが正常であるか否かを判断する。バッテリーバックアップが正常のときは、戻り番地、RAM78の未使用領域をクリアした後、全レジスタを電源遮断時の出力状態に復帰させ(ST9)、入力ポートを電源復帰時の状態に更新し、電源遮断時の状態に復帰する(ST10)。
【0153】
バッテリーバックアップが正常でないときは、設定値の初期値をセットする(ST11)。続いて、RAM78の全領域をクリアする(ST12)。ここで、ST12以下の処理は、ST6の判断において設定用鍵型スイッチが「オン」のとき、6段階の設定処理を経由した場合にも行われる。続いて、各設定値を格納し(ST13)、通信データの初期化を行う(ST14)。それから、CPU41は、遊技終了時のRAM78をクリアする(ST15)。続いて、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(ST16)。自動投入の要求がある場合とは、前の遊技において再遊技の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST17)、副制御回路に遊技メダル投入コマンドを送信した後、ST20の処理に移る。メダルの自動投入の要求がないときは、メダル投入口及びベットボタンからのメダルの投入を受け付け(ST19)、ST20の処理に移る。
【0154】
ST20の処理では、スタートレバーが「オン」か否かを判断し、スタートレバーが「オン」のときは、前遊技から4.1秒経過しているか否かを判断する(ST21)。具体的には、後述のST24の処理でセットされる一遊技監視用タイマの値に基づいて判断する。前遊技から4.1秒経過していないときは、遊技開始待ち時間を消化し(ST22)、ST23の処理に移る。
【0155】
ST23の処理では、CPU41は、抽選用の乱数を抽出する。具体的には、0〜16383の範囲から乱数を抽出する。続いて、一遊技監視用タイマをセットし(ST24)、現在の遊技状態を判断するための遊技状態監視処理を行う(ST25)。次に、確率抽選処理を行う。この確率抽選処理では、ST23の処理で抽出された乱数値、及び遊技状態監視処理で判断した現在の遊技状態に対応した確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定する。確率抽選テーブルは、上述した通り各入賞役毎に内部当選となる乱数値が予め定められている。
【0156】
次に、CPU41は、当り表示ランプ点灯抽選処理を行い(ST27)、停止制御テーブル選択処理(この停止制御テーブル選択処理についての詳しい説明は後述する)を行う(ST28)。そして、遊技開始時の送信処理としてスタートコマンドを副制御回路に送信し(ST29)、リール回転開始用に初期化する(ST30)。
【0157】
次に、CPU41は、停止ボタンが「オン」であるか否かを判断し(ST31)、停止ボタンが「オン」のときは、ST33の処理に移り、停止ボタンが「オフ」のときは、ST32の処理に移る。ST32の処理では、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し、自動停止タイマの値が「0」のときは、ST33の処理に移り、自動停止タイマの値が「0」でないときは、ST31の処理に移る。ST33の処理では、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(停止操作時におけるリールの回転位置)、選択されている停止制御テーブル等から滑りコマ数を決定する。
【0158】
そして、ST33の処理で決定された滑りコマ数分、リールを回転させる(ST34)。次に、そのリールの停止要求をセットし(ST35)、副制御回路にリール停止コマンドを送信する(ST36)。
【0159】
そして、全てのリールが停止したか否かを判断する(ST37)が、全てのリールが停止したときは、ST38の処理に移り、全てのリールが停止していないときは、ST31の処理に移る。そして、遊技終了時の演出処理を行った(ST38)後に、入賞検索を行う(ST39)。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判断し(ST40)、入賞フラグが正常な場合には、ST42の処理に移り、入賞フラグが正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行う(ST41)。
【0160】
次に、入賞枚数0であるか否かを判断する(ST42)。具体的には、いずれかの役(再遊技を除く)の入賞が成立したか否かを判断する。入賞が成立したときは、状態(BB作動中或いはRB作動中であるか否か)及び入賞役に応じてメダルの貯留または払い出しを行う(ST43)。
【0161】
次に、CPU41は、BB、RB作動中であるか否かを判断し(ST44)、BB、RB作動中のときは、ST45の処理に移り、BB、RB作動中でないときは、ST48の処理に移る。ST45の処理では、BB、RB遊技数チェック処理を行い、BBの終了時であるか否かを判断する(ST46)。BB終了のときは、BB終了コマンドを送信した後、BB終了時のRAMをクリアし(ST47)、ST49の処理に移る。ST46において、BB終了でないときはST49の処理に移る。ST44においてBB、RB作動中でないときは、BB、RB入賞チェック処理(ST48)を行い、ST49の処理に移る。ST49の処理では、ボーナス7SEG制御処理を行い、ST15の処理に移る。
【0162】
次に、ST28で行われる停止制御テーブル選択処理について説明する。初めに、CPU41はこのゲームの内部当選役がベルか否かの判断をする(ST50)。このゲームの内部当選役がベルのときはST51の処理に移り、このゲームの内部当選役がベルでないときはST52の処理に移る。ST51の処理では乱数値を抽出し、停止制御テーブル選択テーブルに基づいて、停止制御テーブルを1つ選択する。また、ST52の処理では内部当選役毎に予め定められている停止制御テーブルを選択する。
【0163】
次に、図26〜図34を参照して、副制御回路82の制御処理について説明する。
【0164】
まず、図26及び図27を参照して、副制御回路の処理の概略について説明する。初めに、サブCPU84は、遊技メダル投入コマンドを受信したか否か、すなわち一のゲームに使用される遊技メダルが投入されたか否かを判別する(ST101)。ここで、遊技メダル投入コマンドは、投入された遊技メダルが何枚であるか等の情報を含む。遊技メダル投入コマンドを受信したときは、ST102の処理に移る。ST102の処理では、スタートレバー受付状態時に変更された投入枚数の更新を行う。この処理の後、再びST101の処理に戻る。
【0165】
遊技メダル投入コマンドを受信していない場合、スタートコマンドを受信したか否か、すなわち一のゲームが開始したか否かを判別する(ST103)。スタートコマンドを受信した場合、このゲームのBET枚数(使用遊技媒体数)を決定させた後(ST104)、総BET枚数を更新する(ST105)。次いで、天井メーターの表示に関する処理を行い(ST106)、天井ATを発動させるか否かをチェックし(ST107)、ATの実行処理、すなわち押し順の報知に関する処理を行う(ST108)。この処理の後、再びST101の処理に戻る。
【0166】
ST103においてスタートコマンドを受信していない場合には、入賞コマンドを受信したか否か、すなわち所定の入賞役が入賞したか否かを判別する(ST109)。入賞コマンドを受信した場合、総払出枚数の更新を行う(ST109)。この処理の後、再びST101の処理に戻る。
【0167】
ST109において入賞コマンドを受信していない場合は、BB終了コマンドを受信したか否か、すなわちBBがこのゲームで終了したか否かを判別する(ST111)。BB終了コマンドを受信した場合、RAMに格納されている総BET枚数及び総払出枚数をクリアし、天井メーターの目盛りを1にして表示する(ST112)。ここで、総BET枚数及び総払出枚数をクリアすることによって、救済措置の発動の判断をBB後から開始するようにできる。
【0168】
そして、天井発動値選択処理によって次回の天井発動値を決定する(ST113)。ST111においてBB終了コマンドを受信していない場合は、ST112、ST113の処理を行わず、再びST101の処理に戻る。
【0169】
図28は、ST102に示した投入枚数更新処理、ST104に示したBET枚数決定処理、ST105に示した総BET枚数更新処理、ST110に示した総払出枚数更新処理について説明したものである。
【0170】
図28(a)に示した投入枚数更新処理は、送信された投入枚数を一旦RAMの所定領域に格納する(ST110)ものである。そして、(b)に示したBET枚数決定処理は、ST110でRAMに格納された投入枚数をこのゲームのBET数として決定させ、RAMに格納させる(ST111)ものである。このように、投入枚数更新処理で投入枚数を監視し、スタートコマンドが受信された後に、BET数を確定させるのは、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大−BETスイッチ13を操作して遊技メダルを投入した場合、スタートレバー操作前までは投入枚数を変更可能な構成になっているので、スタートレバー操作時にBET枚数を確定させなければならないからである。
【0171】
図28(c)は、ST111で決定されたこのゲームのBET数を、総BET枚数(使用遊技媒体)の総数に加算する。例えば、このゲームでBETされた枚数が3枚の場合には3が加算される。この処理を毎ゲーム行うことによって総BET枚数の算出が可能になる。そして、(d)は、払出があった場合に、その払い出された枚数を総払出枚数に加算する。例えば、プラムに入賞した場合は6が加算され、入賞がない場合は0が加算される。この処理を毎ゲーム行うことによって総払出枚数の算出が可能になる。
【0172】
図29は、ST106に示した天井メーター表示について示したものである。この処理では、まず、天井メーター移行選択テーブルに基づいて、セットされている天井枚数の各レベルにおける枚数と、現在の差枚数に基づいて天井メーターの表示レベルを決定する(ST118)。そして、現在表示されているレベルを移行させるか否かを判断する(ST119)。移行させる場合は、メーターレベルを現在のレベルに+1して表示し(ST120)、レベル移行させない場合には、処理を復帰させる。
【0173】
図30は、ST107に示した天井AT発動チェック処理について示したものである。この天井ATとは、救済措置として発動させる停止操作補助期間のことであって、所定の値(セットされている天井値)に達すると発動することから天井という表現を用いている。また、この所定の値とは、BB終了後に行われる天井発動値選択処理で決定されるものであって、1200、1500、1800のいずれかである。
【0174】
この処理では、まず、このゲームでBBに内部当選したか否か、若しくは現在の遊技状態がBB内部当選中か否かの判断を行う(ST121)。このゲームでBBに内部当選した場合、若しくは現在の遊技状態がBB内部当選中の場合には、RAMに格納されている総BET枚数および総払出枚数をクリアし(ST122)、処理を復帰させる。このようにすることによって、一旦BBに内部当選したら、そのBBを終了しない限り、救済措置が発動しないようにしている。
【0175】
そして、このゲームでBB内部当選せず、かつ現在の遊技状態がBB内部当選中でもない場合には、現在の差枚数が、セットされている天井の値に達したか否かの判断が行われる(ST123)。ここで、現在の差枚数が天井値以上の場合には、天井AT回数選択テーブルをセットし(ST124)、これに基づいて乱数抽選し(ST125)、この抽選によって選択された値をAT回数ストックカウンタに加算する(ST126)。また、ST123の判断において、現在の差枚数が天井値より小さい場合には、処理を復帰させる。
【0176】
図31は、ST113に示した天井発動値選択処理について示したものである。この処理はBB終了後に行われるものであって、次回の救済措置が発動するゲーム数、すなわち天井値を決定するものである。この処理は、天井発動値選択テーブルに基づいて乱数抽選し、1200、1500、1800のいずれかの値が選択され、次回のBBが終了し、新たに天井値の選択が行われるまでRAMに保持される。このように、天井値を選択して決定することにより、天井値が一定せず、遊技者に次の救済措置がいつ発動するかを容易には判別できないようにしている。
【0177】
図32は、ST108に示したATの実行処理について示したものである。
【0178】
まず、報知回数カウンタの値が1以上か否かの判断を行う(ST201)。報知回数カウンタの値が1以上の場合は、押し順報知処理(ST204)を行う。そして、報知回数カウンタの値が1以上でない場合には、AT回数ストックカウンタの値が1以上か否かの判断を行う(ST202)。AT回数ストックカウンタの値が1以上でない場合は処理を復帰させ、AT回数ストックカウンタの値が1以上の場合はAT発動抽選処理(ST203)を行う。
【0179】
上述の報知回数カウンタの値が1以上となる場合は、AT中であることを示している。また、AT回数ストックカウンタの値が1以上となる場合は、AT潜伏中であることを示している。
【0180】
図33は、ST204に示した押し順報知処理について示したものである。
まず、押し順報知回数カウンタの値を1減算する(ST205)。そして、このゲームの内部当選役がベルか否かの判断を行う(ST206)。このゲームの内部当選役がベルでない場合は処理を復帰させるが、このゲームの内部当選役がベルの場合は選択されている停止制御テーブルナンバーに基づいてベルを入賞させるための情報を報知し(ST207)、処理を復帰させる。
【0181】
図34は、ST203に示したAT発動抽選処理について示したものである。
【0182】
まず、AT発動抽選テーブルに基づいて乱数抽選を行う(ST208)。この抽選の結果、発動に当選したか否かの判断を行い(ST209)、発動に当選しなかった場合は処理を復帰させ、発動に当選した場合は押し順報知回数カウンタに10の値を加算し(ST210)、AT回数ストックカウンタの値から1減算し(ST211)、処理を復帰させる。
【0183】
上述してきた処理の過程において、パネル表示部5上に各種の表示を行う際に、前記した第1液晶パネル501と第2液晶パネル502とを個別に駆動制御することにより、回転リール3L、3C、3R部分の視認性を良好に維持しながら、表示画面5aに表示される情報などを従来に比べて明瞭に、かつ多彩に表示することが可能となるとともに、表示拡縮手段によって、必要に応じて拡大表示などが可能となって、よりインパクトがあり記憶に鮮明に残る表示が可能となる。
【0184】
以上、本発明を上述の実施の形態を通して説明したが、本発明はこれに限られるものではない。実施の形態では、総払出枚数および総BET枚数のクリアを、BB内部当選時、BB内部当選中、BB入賞時に行っているが、このタイミングは任意に設定可能であり、また、クリアする処理を設けない構成にしてもよい。
【0185】
また、上述の実施の形態では、差枚数が所定の枚数に達する毎に停止操作補助期間が発動するようにしたが、この救済措置はBB終了後、所定回数(例えば1回のみ)行われるようにしてもよい。
【0186】
また、ATとして、押し順の違いによって入賞の成否が決まるものに対して、その押し順を報知するようにしたが、これ以外に内部当選役を報知するATを採用するようにしてもよい。さらに、遊技者に有利な状況としては、多くの遊技媒体を獲得できるものであれば、AT以外にBBやRB等も採用することができる。
【0187】
さらに、本実施形態のようなパチスロ遊技機の他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。
【0188】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば変動表示手段(例えば回転リール)の図柄やこの図柄を透視しながら表示される演出画像などを拡大・縮小表示可能としたため、より強いインパクトを遊技者に与えることができ、また拡大することでより鮮明な表示となって、演出画像などを楽しむ遊技機の面白さを一層引き立たせ、遊技者に飽きさせることなく遊技を堪能させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るスロットマシンの斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るスロットマシンの電気回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施形態によるスロットマシンの副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 リール上に配列された図柄列を示した図である。
【図6】 入賞図柄組合せに対応する入賞役及び払い出し枚数を示す図である。
【図7】 天井表示メーターの一例を示した図である。
【図8】 停止順序を報知する画像の例を示した図である。
【図9】 確率抽選テーブルを示した図である。
【図10】 停止制御テーブルナンバー選択テーブルを示した図である。
【図11】 各停止テーブルナンバー毎の押し順と入賞成立不成立の対応を示した図である。
【図12】 停止制御テーブルの例を示した図である。
【図13】 停止制御テーブルの例を示した図である。
【図14】 停止制御テーブルの例を示した図である。
【図15】 AT回数選択テーブルおよびAT発動抽選テーブルを示した図である。
【図16】 天井発動値選択テーブルと、天井メーター移行選択テーブルを示した図である。
【図17】 主制御回路から副制御回路に送信されるコマンドの例を示した図である。
【図18】 主制御回路から副制御回路に送信されるコマンドの例を示した図である。
【図19】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図20】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図21】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図22】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図23】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図24】 主制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図25】 停止制御テーブル選択処理を示すフローチャートである。
【図26】 副制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図27】 副制御回路の処理を示すフローチャートである。
【図28】 投入枚数更新処理、BET枚数更新処理、総BET枚数更新処理および総払出枚数更新処理を示すフローチャートである。
【図29】 天井メーター表示処理を示すフローチャートである。
【図30】 天井AT発動チェック処理を示すフローチャートである。
【図31】 天井発動値選択処理を示すフローチャートである。
【図32】 AT実行処理を示すフローチャートである。
【図33】 押し順報知処理を示すフローチャートである。
【図34】 AT発動抽選処理を示すフローチャートである。
【図35】 パネル表示部の説明図である。
【図36】 パネル表示部の分解斜視図である。
【図37】 パネル表示部の背面図である。
【図38】 パネル表示部の側面図である。
【図39】 図37のI−I線における断面図である。
【図40】 通常表示と拡大表示された状態とを示す説明図である。
【図41】 他の実施の形態に係る表示拡縮手段の説明図である。
【図42】 他の実施の形態に係る表示拡縮手段の説明図である。
【図43】 他の実施の形態に係る表示拡縮手段の説明図である。
【図44】 従来の遊技機の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
M モータ
1 遊技機
2 キャビネット
3L,3C,3R 回転リール
5 パネル表示部
5a 表示画面
501 第1液晶パネル
502 第2液晶パネル
503 アクリル板
504 フランネルレンズ
532 凸レンズ

Claims (3)

  1. 複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段と前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段と、
    を具備する遊技機において、
    前記表示拡縮手段は、
    前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、
    前記レンズフレームの四隅にそれぞれ突設された係止ピンと、
    前記前側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通し、当該係止ピンの移動方向を規制する水平長孔と、
    前記後側フレームに設けられ、前記係止ピンを挿通して斜面に沿って移動させる傾斜長孔と、
    前記後側フレーム上側に設けられた長孔と、
    前記長孔の上下内側縁に周面が接するカムと、
    このカムを軸芯に対して偏芯して取付けたモータと、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段と前記前側表示手段及び/又は変動表示手段における表示を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段と、
    を具備する遊技機において、
    前記表示拡縮手段は、
    前側フレームと後側フレームとの間に前後移動自在に配設され、レンズを保持したレンズフレームと、
    基端をモータに連動連結し、前記後側フレームを貫通した螺杆軸と、
    前記レンズフレームに設けられ、前記螺杆軸と螺合する螺合用ボスと、
    前記前側フレームと前記レンズフレームとの間に介設したスプリングと、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  3. 複数の図柄を変動表示する変動表示手段と、同変動表示手段の前方に設けて変動表示手段の図柄を透視でき、かつ多様な映像を表示できるようにした前側表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるための複数の操作手段と、前記内部当選役決定手段の決定結果と前記操作手段の操作とに基づいて前記変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段と、前記停止制御手段によって停止された変動表示手段の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払出を行う遊技媒体払出手段とを有する遊技機において、
    前記前側表示手段と前記変動表示手段との間に、当該変動表示手段により変動表示される前記図柄を、拡大・縮小可能とした表示拡縮手段を設けたことを特徴とする遊技機。
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